ページ番号1007532 更新日 平成30年6月4日

英国第30次洋上ライセンスラウンド結果(短報)

レポート属性
レポートID 1007532
作成日 2018-05-29 00:00:00 +0900
更新日 2018-06-04 13:30:30 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者 古山 恵理
著者直接入力
年度
Vol
No
ページ数 3
抽出データ
地域1 欧州
国1 英国
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 欧州,英国
2018/05/29 古山 恵理
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概要

・2018年5月23日、英国石油・ガス上流事業規制機関Oil Gas Authority(OGA)は、第30次洋上ライセンスラウンドの結果を公表。61企業に123のライセンス(229鉱区)を付与。ライセンス獲得企業は、メジャーズからインディペンデント、Private Equity(PE)バックの中小企業まで多様な顔ぶれ。7社の新規参入があった。掘削や開発移行に際しては別途OGAの認可を要する。

・第30次ラウンドは2017年7月に開催されたもので、北海中部、北部、シェットランド沖西部、東アイルランド海の813鉱区が公開された。

・OGAの狙いは英国大陸棚資源の「回収率最大化」。「生産中資産の近隣(Near-Field)探鉱」と「既発見未開発資源の開発」が焦点。今回付与されるライセンスのうち14件が開発計画段階。探鉱・評価井の掘削が8件、3次元探査が9件予定されており、探鉱活動の活性化が期待される。またライセンス付与により、英国大陸棚(UKCS)に残る「既発見未開発資源」の20%にあたる3億2000万boeが開発される可能性があるとされる。

・2018年夏には31次洋上ラウンドが開催される予定。31次公開ライセンスはUKCSの探鉱鉱区。

 

第30次洋上ライセンスラウンドの概要と結果

英国第30次洋上ライセンスラウンドは2017年7月25日に開始され、同年11月21日に申請が締め切られた。2018年5月23日、英国の石油・ガス上流規制機関Oil Gas Authority(OGA)は229鉱区(26,659㎢)に係る鉱区ライセンス123件の付与を発表した。今回ライセンスを獲得したのは61企業で、うち7社が新規参入企業である。内訳をみると、BP、Total、Shell、Equinor(旧Statoil)、Eniのメジャーズ5社が全体の25%程度を獲得。その他Chrysaor、Siccar Point EnergyなどPrivate Equity(PE)をバックにつけた企業と、Maersk Oil、Premier Oilなどのグローバルmid-capが各10%程度、Apatch、Conocophillipsらのインディペンデントが5%程度を獲得し、残りの50%が北海や欧州専業企業となっている。

今回公開された鉱区は北海中部・北部、西シェットランド沖、東アイルランド海の計813鉱区(114,426㎢)。いずれの地域でも成熟鉱区が対象であり、1965年以来初の公開となる鉱区(1965年以前に一度国に返納されたもの)なども含まれていた。

今回のラウンドの特徴は、生産中資産の近接鉱区(Near-Field)の拡充戦略が多くみられたこと、またライセンス獲得企業の多様性などである。2014年以降の低油価期に、北海からの撤退が噂されたメジャーズもNear-Fieldを中心にライセンスを獲得している。特にメジャーズの動きが活発だったのは西シェットランド沖で、BP、Shellはそれぞれ操業中のClair、Schiehallion油田近隣鉱区、Totalは2017年度末に生産を開始したLagan-Toemoreガス田の近隣ライセンスなどを取得している。

日本企業ではCieco Exploration & Production (伊藤忠商事100%子会社)がDana Petroleumとともに、25.769%権益を保有する北海北部Hudsonフィールドの近接鉱区鉱区(210/24e)を落札。またMitsui E&P(三井物産100%子会社)がEniと共同で北海中部の鉱区(22/25f、22/24g)を落札している。この鉱区、また周辺鉱区にはBP、Shellが複数油田をつなぎこみで開発(クラスター開発)しているETAP(Eastern Trough Area Project)を構成する油田が散在している。さらに、Summit Exploration and Production(住友商事100%子会社)が3ライセンス(21/1b & 21/6a(Part)、22/14c、23/21b)を取得。同社は鉱区21にすでに権益を保有しており、22/14はPremier OilのHuntington油田に近接、23/21はChrysaorのLomondガス田などが位置する鉱区である。

※詳しいラウンド結果はwebsiteで確認可能
 https://www.ogauthority.co.uk/licensing-consents/licensing-rounds/

 

OGAの狙い ―英国大陸棚(UKCS)残存資源の回収率最大化―

OGAによれば、英国大陸棚(UKCS)の未開発資源は100億から200億BOEとされる。これら資源の「回収率最大化」が英国政府・OGAの目的[1]である。そこで焦点となるのが、探鉱活動の活性化と「発見済だが単独開発では商業性が低いため未開発のまま返納された資産(既発見未開発資産)」の開発、そして資本の多様化である。

今回付与されたライセンスのうち14件はすでに開発移行段階にある。UKCSでは2017年度の開発認可が2件に留まっていることから、今回のラウンドを受けた次年度以降への期待が高まっている。また8ライセンスで探鉱/評価井の掘削、9ライセンスで3次元探査の実施が義務付けられており、探鉱活動の活性化が予測される。今回付与されたライセンスにおける探鉱ポテンシャルは36億BOE(中位ケース)との発表もあった。

「既発見未開発資産」の開発につきOGAは、今回付与されたライセンスに含まれる既発見未開発資産の埋蔵量を、UKCS全体の既発見未開発資産の20%程度、約3億2000万BOE程度と発表しており、開発進展の可能性を示唆している。

また、現在UKCSでは、従来UKCS開発の中心であったメジャーズやインディペンデントらが、低油価時の資産合理化により大規模な資産売却を行ったことで、PEをバックにした中小企業らの参入が進んでいる。今回のラウンドの結果をみても、Chrysaorが8ライセンス(うち6ライセンスが単独)とメジャーズ並みのライセンス数を獲得しており、PEバック企業の台頭が伺える。またSpark Exploration, Soliton Resources, Mytilus, Carrick Resources, Tangram Energy, Marque Oil & Gas and Petrostars SPXの7社が新規参入企業として名を連ねており、プレイヤーの多様化が一層進んだ印象である。

OGA長官であるDr. Andy Samuelは、ラウンド結果発表に際し上述の点を評価したうえで「英国大陸棚の復権(”UKCS is back”)」とコメントしており、手応えを感じている様だ。

[1] 古山恵理「英領北海における石油・天然ガス上流産業の動向」
JOGMEC石油・天然ガス資源情報、2017年9月19日 参照。

 

今後の展望 第31次洋上ラウンド

2018年夏には第31次洋上ラウンドが予定されており、英国大陸棚(UKCS)のフロンティア探鉱鉱区が公開される予定である。これらの鉱区には2016年に政府が出資した南西ブリテン、東シェットランドプラットフォームにおける震探実施鉱区が含まれる。ラウンドに先立ち、この調査で取得した.13,500kmを超える新たな震探データと約2万kmの既存データの再検討結果が公開されている。

以上

(この報告は2018年6月4日時点のものです)

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