ページ番号1007685 更新日 平成31年1月22日

政治的混乱や領海紛争がガイアナ沖合の探鉱・開発を阻害する恐れ

レポート属性
レポートID 1007685
作成日 2019-01-22 00:00:00 +0900
更新日 2019-01-22 11:48:22 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2018
Vol
No
ページ数 9
抽出データ
地域1 中南米
国1 ガイアナ
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ガイアナ
2019/01/22 舩木 弥和子
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概要

  • ExxonMobilは、ガイアナ沖合Stabroek鉱区で2015年から2018年末までの4年弱の間に10の油田を発見した。ExxonMobilは、同鉱区の可採埋蔵量を50億boeとし、2025年までに原油75万b/d以上を生産できる可能性があるとしている。2017年6月には同鉱区内のLiza油田の開発第1フェーズの最終投資決定がなされ、2020年には生産が開始される計画である。ExxonMobil以外にもTotal等の企業がStabroek鉱区の周辺鉱区に参入し、探鉱を進めつつある。
  • 順調に進展していると思われていたガイアナ沖合の探鉱・開発だが、2018年12月に国会で内閣不信任が決議され、探鉱・開発を推進する政策をとってきたGranger政権が交代する可能性が出てきた。また、Stabroek鉱区の北西側、ベネズエラ寄りの海域で地震探鉱を行っていた船舶にベネズエラ海軍の軍艦が接近し、作業を停止させるという事件も発生し、ガイアナ、ベネズエラ間の領土や領海をめぐる争いが激化する恐れも出てきた。

(Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas、Business Monitor International他)

1.ガイアナ沖合での探鉱・開発状況

1-1. Stabroek鉱区での探鉱・開発状況

ExxonMobilは、1999年に取得したガイアナ沖合Stabroek鉱区(総面積26,800平方キロメートル)で、2013年より地震探鉱を実施、2015年3月よりLiza-1号井の掘削を開始し、5月にLiza油田を発見した。ExxonMobilはその後も同鉱区での探鉱を継続し、2018年末までに同鉱区内で10の油田を発見した。同社は、油田発見に伴い、2017年6月に20億~25億boe、7月に22.5億~27.5億boe、2018年1月に32億boe以上、6月に40億boe以上、12月に50億boe以上と同鉱区の可採埋蔵量の上方修正を重ねてきた。2019年1月に入っても、同鉱区内の水深1,800メートルの海域でドリルシップStena Carronを用いて Haimara-1号井、水深1,940メートルの海域でドリルシップNoble Tom Madden を用いてTilapia-1号井の掘削を開始しており、さらに油田の発見が続く可能性がある。

表1.Stabroek鉱区での油田発見状況  (水深、掘削長の単位:メートル)
坑井 掘削時期 水深 掘削長 発見油田 結果等
Liza-1 2015年3月~5月 1,743    5,433 Liza 90メートルの砂岩の油層を確認。油田は大規模と発表
Liza-3 2016年9月~10月 1,829 5,709 Liza Deep Liza油田の可採埋蔵量は以前発表された8~14億bblの上限に近い数字であると推測
Payara-1 2016年11月~12月 2,030 5,512 Payara 29メートル以上の油層を確認
Snoek-1 2017年2月~3月 1,563 5,175 Snoek 25メートルの油層を確認
Turbot-1 2017年8月~9月 1,802 5,622 Turbot 23メートルの砂岩の油層を確認
Ranger-1 2017年11月~2018年1月 1,743 6,450 Ranger 70メートルの油層を確認。同鉱区の埋蔵量を32億boe以上に引き上げ
Pacora-1 2018年1月~2月 2,067 5,597 Pacora 20メートルの砂岩の油層を確認
Longtail-1 2018年5月~6月 1,940 5,504 Longtail 78メートルの砂岩の油層を確認
Hammerhead-1 2018年7月~8月 1,150 4,225 Hammerhead 60メートルの砂岩の油層を確認
Pluma-1 2018年11月~12月 1,018 5,013 Pluma 37メートルの砂岩の油層を確認。同鉱区の可採埋蔵量を50億boeに上方修正

(各種資料を基に作成)

ExxonMobilは、2017年6月16日に、Stabroek鉱区(Liza油田)の開発第1フェーズの最終投資決定を行ったと発表した。第1フェーズの投資額は44億ドルで、生産井8坑、水圧入井6坑、ガス圧入井3坑の合計17坑を掘削し、FPSO(Floating Production, Storage and Offloading system。生産能力12万b/d、SBM Offshoreが建造)Liza Destinyによって、2020年までに生産を開始、原油4億5,000万bblを開発する計画であるという。さらに、同鉱区開発の第2フェーズでは生産能力22万b/dのFPSOの導入を検討、Liza油田を中心に開発を行い、2022年の生産開始を、第3フェーズでは生産能力18万b/dのFPSOの導入を検討、Payara油田を中心に開発し、2023年の生産開始を予定しており、第2、第3フェーズにより、同鉱区の生産量を50万b/dに引き上げる計画であるとしている。ExxonMobilはすでに第4フェーズ、第5フェーズの開発も計画しているとされ、2025年までに5基のFPSOを用いて原油75万b/d以上を生産するポテンシャルがあるとしている。なお、同鉱区の権益保有比率はオペレーターのExxonMobil 45%、Hess30%、Nexen25%となっている。

なお、2018年9月には、ExxonMobilが、Stabroek鉱区とガイアナのDemerara川の東の海岸線間の幅500メートル、長さ120マイルの海域について測量、調査を実施することでFugro と契約を締結、天然ガスパイプラインの敷設を検討していることが明らかになった。ExxonMobilは当初、ガスは再圧入、フレアする計画だったが、政府と協議の結果、陸上にガス処理プラントを建設することで作業チームが立ち上げられたという。Liza油田の天然ガス生産量は165MMcf/dとなる見通しである。ガイアナ政府によると、パイプラインの送ガス能力はまだ決定はされていないが、少なくとも30MM~50MMcf/dとされており、敷設コストは約4億ドルと見込まれている。政府は200メガワットの発電所の建設も計画している。

表2.Stabroek鉱区の開発計画
フェーズ FID 生産開始 FPSO生産能力 開発対象の主な油田
1 2017年6月 2020年初 12万b/d Liza
2 2019年第1四半期 2022年中ごろ 22万b/d Liza
3 2019年 2023年 18万b/d Paraya

(各種資料を基に作成)

図1.ガイアナ、スリナム主要鉱区図(各種資料を基に作成)

1-2.その他の鉱区の状況

ExxonMobilがStabroek鉱区での探鉱を進め始めた頃より、Stabroek鉱区の周辺鉱区への参入やこれらの鉱区での活動も活発になっている。

2016年にはExxonMobilがStabroek鉱区の北側に隣接するKaieteur鉱区の権益50%をイスラエルのRatio Oil Explorationより取得、2018年4月にはHessが同鉱区の権益15%をExxonMobilより取得し、それぞれファームインした。2018年はKaieteur鉱区の既存の3D地震探鉱のデータ解析を実施し、掘削について検討が行われたという。

2018年2 月にはTotalがカナダのJHI AssociatesとガイアナのMid-Atlantic Oil & Gasから沖合Canje鉱区 (水深1,700~3,000メートル)の権益35%を取得した。Totalはまた、Kanuku鉱区(水深70~100メートル)の権益25%をRepsolより取得した。さらに、Totalは2017 年 9 月にカナダのEco Atlantic よりOrinduik 鉱区(面積1,835 平方キロメートル)の権益25%を1,250万ドルで取得するオプションを保有するという内容の協定を締結、2018年9月にその権利を行使し、同鉱区の権益を取得した。Totalが権益を取得したこれら3鉱区はLiza等ExxonMobilが発見した一連の油田を取り囲むような形で位置している。Orinduik鉱区ではすでにAmatuk、Iatuk等複数の構造が確認されており、オペレーターのTullowは2019年下半期に2坑を掘削する等、2019年は同鉱区での探鉱を進める計画である。

2018年12月には、カナダのFrontera EnergyがCorentyne、Demerara両鉱区の権益33.33%を同じくカナダのCGX Energyよりサインボーナス3,330万ドルと掘削等の費用を支払うことで、取得した。Corentyne鉱区では2022年末までに探鉱井1坑を掘削することとなっているが、CGX Energyは2019年末までにこれを掘削するとしている。

表3.ガイアナでの探鉱・開発状況
鉱区 権益保有状況 探鉱・開発状況
Stabroek 1999年にExxonMobilが権益100%取得。2009年と2012年にShellが権益の25%ずつを取得したが、2014年に売却。現在の権益保有比率はExxonMobil 45%、Hess 30%、Nexen 25%。オペレーターはExxonMobil 2013年に3D地震探鉱を実施。2015年3月よりLiza-1号井掘削。2017年6月、Liza油田開発第1フェーズ最終投資決定。2020年生産開始予定
Kaieteur 2014年、Ratio Oil Explorationが権益100%を取得。2016年、ExxonMobilが権益50%を取得。2018年にHessがExxonMobilより権益15%を取得。オペレーターはExxonMobil ExxonMobil参入時にBlock Bより名称を変更。2018年は既存の3D地震探鉱のデータ解析を実施、掘削について検討
Canje JHI、Mid-Atlantic Oil & Gasが2015年に権益取得。ExxonMobilがファームインし、オペレーターとなる。2018年にTotalがファームイン。現在の権益保有比率はExxonMobil35%、Total35%、JHIとMid-Atlantic Oil & Gas各15%。オペレーターはExxonMobil 2D地震探鉱、3D地震探鉱を実施
Kanuku Repsolは2013年5月に同鉱区のライセンスを取得。同年7月にTullowが、2018年にTotalがファームイン。現在の権益保有比率はRepsol 37.5%、Tullow37.5%、Total25%。オペレーターはRepsol 2014年に2D地震探鉱、3D地震探鉱実施
Orinduik 2016年1月にTullow (60%)、Eco Atlantic (40%) が同鉱区の権益を取得。2018年、TotalがEco Atlanticより権益25%を取得。オペレーターはTullow 2017年に2D地震探鉱、3D地震探鉱を実施。複数の構造を確認済。2019年下半期に2坑を掘削予定
Corentyne 1998年にCGX Energyが権益100%を取得。2017年末に政府に権益25%をファームダウン。2018年末にFrontera Energyが権益33.33%をCGX Energyより取得。オペレーターはCGX Energy 2000年にHorseshoe West井、2012年にEagle井を掘削したが、出油・ガスはなし。2022年末までに探鉱井1坑を掘削する計画
Demerara 2001年にCGX Energyが権益100%を取得。2013年探鉱ライセンス更新。2017年末に政府に権益25%をファームダウン。2018年末にFrontera Energyが権益33.33%を取得。オペレーターはCGX Energy 3D地震探鉱と探鉱井掘削を実施予定
Roraima 2012年、Anadarkoが権益100%を取得 2013~14年に2D地震探鉱を計画したが、ベネズエラとの国境紛争のため延期
Berbice 2003年にCGX Energyとそのガイアナ子会社ON Energyが権益を取得。2013年探鉱ライセンス更新。オペレーターはON Energy 2005年に3坑を掘削するもドライ。2D地震探鉱100平方キロメートル等を実施する計画
Mahaica 2012年、ガイアナのNabi Oil & Gasが権益100%を取得

(各種資料を基に作成)

2.国内外からリスク出現

2-1.国会で内閣不信任を決議

2018年12月21日、ガイアナの野党、人民進歩党/シビック(People’s Progressive Party/Civic:PPP/C)が提出した内閣不信任案が国会で決議された。ガイアナ国会は定数が65議席で、このうち33議席を与党、「国民統一のためのパートナーシップ及び変化のための同盟(A Partnership for National Unity + Alliance for Change:APNU+AFC)」が占めているが、AFCのCharrandas Persaud議員が不信任票を投じたことで、内閣不信任案が成立した。ガイアナ憲法は、不信任投票後にとられる手続きについて明確に規定していないが、一般的には90日以内に選挙が行われるべきだとされている。しかし、APNU+AFCのGranger政権は、「カナダ国籍を保持しているPersaud議員は二重国籍のため国会議員となる資格がなく、投票は無効である」と主張し、内閣総辞職も、総選挙の日程設定も拒んでいる。一方、PPP/Cは早期の総選挙実施を希望している。PPP/Cは2018年11月の地方選挙で61%の票を獲得しており、選挙が実施されれば政権が交代する可能性が高いとみられている。

ガイアナでは、1966年の独立前から、インド系とアフリカ系の対立が続いており、それを背景にインド系政党とアフリカ系を支持基盤とする政党が対立してきた。しかし、2015年の総選挙では過半数をめざし支持基盤を拡大するためには、多人種的政党として臨む方が有利であるとの考えが浸透するようになり、一概にインド系政党、アフリカ系政党と断じることはできない状況となっている。しかし、PPP/C政権時代に、インド系住民が不均衡に利益を得、腐敗が進んだとの見方をする向きがあり、PPP/C政権が再度成立すれば、石油により得られる歳入を国家の発展のために使わず、再び汚職がはびこるのではないかとアフリカ系住民は懸念しているという。

表4.ガイアナのインド系住民とアフリカ系住民の状況
民族 人口に占める割合 政権担当時期 現在の主な政党 主な勢力範囲
インド系 40% 1992~2015 PPP/C 官僚、経済界
アフリカ系 29% 1968~1992、2015~ APNU+AFC 警察、国防軍(GDF)

(各種資料を基に作成)

また、PPP/Cは、Granger政権の石油政策やExxonMobilとの間に結ばれている契約の条件を厳しく批判してきた。ガイアナでは石油会社との間にPS契約が結ばれているが、ロイヤルティ、コスト回収、利益原油の配分等その内容は政府と石油会社の交渉に基づき定められている。政府とExxonMobilは1999年6月に締結したStabroek鉱区のPS契約を見直し、2016年6月27日に新たな契約を締結した。変更された契約内容では、サインボーナスは1,800万ドル、政府は利益原油の50%を取得するとされている。政府はこの契約見直しで、ロイヤルティを0%から2%に、トレーニングフィーを4.5万ドルから30万ドルに引き上げ、加えて社会的責務、環境支援費用として30万ドルを徴収することが可能となった。ExxonMobilは、トレーニングフィーの支払いにより、資機材輸入関税を免除される。探鉱期間は2016年から4年で3年×2回の延長が可能、生産期間は10年で、こちらも延長が可能である。契約期間延長時には鉱区の20%を放棄するとされている。このように、これまでよりもガイアナに有利な内容に契約変更がなされたものの、2018年4月には、国際通貨基金(IMF)が、ExxonMobilとの契約は標準的な契約に比べ、同社にとって有利なものになっていると指摘、将来の契約では、政府の取り分を多くすべきだとコメントしている。PPP/C政権に交代することになれば、今後の契約条件は石油会社にとって現在の契約よりも厳しい内容となる可能性が高まると見られている。なお、Granger大統領はがんの治療中で、2020年に引退予定とされており、いずれにせよ次期政権は現在よりも契約条件を厳しくする可能性があるとの見方もなされている。

これまで、Granger大統領は制度の整備を最優先課題とし、世銀、IMF等から支援を受けながらこれを進めようとしているものの、法制度の整備や石油産業を管理する国家機関の設立に遅れが生じており、ExxonMobil等によるプロジェクトに影響が出る可能性が指摘されてきた。例えば、Granger大統領は、2018年初めに石油産業を天然資源省の管轄から外し、エネルギー省を創設、2020年をめどに石油開発を担当する省が設立されるまでの間、エネルギー省に石油産業を管轄させることとした。しかし、これにより混乱が生じ、新たな石油プロジェクトの決定に影響が及んだと言われている。また、Granger大統領他閣僚の意見が食い違うことが多く、そのために遅延を招くこともあるという。このような状況から、2018年末までに実施予定のStabroek鉱区(Liza油田)の開発第2フェーズの最終投資決定が2019年に遅れてしまった。ExxonMobilはこの最終投資決定の遅れが、2022年の第2フェーズの生産開始に影響を及ぼすことはないとしているものの、今後、政治的な混乱が加わることで、さらに状況が悪化することが懸念される。

2-2.Stabroek鉱区での地震探鉱をベネズエラが妨害

内閣不信任が決議された翌日の12月22日、ExxonMobilがStabroek 鉱区の北西側で、Petroleum Geo-Services(PGS)の船舶Ramform AtlasとRamform Tethysを用いて3D地震探鉱を実施していたところ、ベネズエラ海軍艦艇から停止させられたため、作業を中止し、同鉱区の東側に移動した。

ガイアナは、本件を主権と領土を侵害するものと非難するとともに、国連に報告の上、ベネズエラ政府にも正式に書簡で抗議するとした。一方、ベネズエラ側は同国の領海内で起きた出来事で、国際的な慣例に従って適切な対応を取ったと主張している。ExxonMobilは、地震探鉱はガイアナの排他的経済水域で実施されていたと主張、地震探鉱を中止したものの、Stabroek 鉱区の東側で実施している掘削や開発には影響はなく、地震探鉱もStabroek 鉱区の東側で集中して行うとしている。

19世紀以来、ベネズエラは、ガイアナのEssequibo川が両国の国境であり、Essequibo川の西側のすべての土地及び関連する沖合の海域、すなわち、ガイアナの領土のおよそ3分の2は自国の領土だと主張してきた。2013年にStabroek 鉱区の北西に位置するRoraima鉱区でAnadarkoが地震探鉱を行おうとした際にも、違法にベネズエラ海域で操業を行っているとして、ベネズエラ海軍に止められたという経緯がある。両国の国境をめぐる問題については、2018年2月に、Antonio Guterres国連事務総長が国際司法裁判所(International Court Justice: ICJ)に提起、ガイアナはこれを支持したものの、ICJは当該地域の事実上の支配とベネズエラの国際社会での劣位な立場を考慮してガイアナに優勢な決定をすると予想されたことから、ベネズエラからは棄却された。本件が武力紛争に発展することはないとの見方がなされているが、Maduro大統領が、悪化した政治、経済、社会状況から国民の関心をそらそうとの考えや石油収入の分け前に与かろうとの考えから強硬策を取る可能性があるのではないかと見る向きもある。

おわりに

ガイアナ沖合Stabroek鉱区での探鉱・開発の進展が伝えられており、その周辺鉱区にはExxonMobil以外にもTotal等の企業が参入し探鉱を進めつつある。このような状況から、ガイアナの石油生産量が、ベネズエラやメキシコのそれを上回るようになるのではないかと見る向きもある。しかし、上記のような政治的な混乱や国境をめぐる紛争はガイアナの探鉱・開発の進捗に大きな影響を及ぼす恐れがあり、探鉱・開発状況とともに今後の政治動向、外交関係を注視していく必要があろう。

以上

(この報告は2019年1月17日時点のものです)

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