ページ番号1007749 更新日 平成31年3月20日
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1.政治・経済情勢
(1)国内
政治・経済
2018年のGDP成長率は2.3%
- ロシアの連邦統計局は、2月4日、2018年のGDPは103兆6,266億ルーブルで、2017年からのGDP成長率は2.3%と発表した。これは、経済発展省が予測していた2%や、中央銀行が予測していた1.5~2%という数字よりも高い結果となった。部門別では、建設業は4.7%、金融セクターは6.3%、飲食業は6.1%の伸びだった。(Prime, 2019/2/4)
制裁により2018年に63億ドルの損失
- ロシアの経済発展省の文書によると、2018年末時点で62カ国による159の制限措置があり、2018年に63億ドルの経済損失があった。冶金産業への影響が最も大きく、39.94億ドルの損失があったとされる。その他、農業には11.04億ドル、化学産業は6.407億ドル、自動車産業は0.306億ドルの損失があった。
- Alexei Kudrin監査室長は、2月19日、ロシアは一定の制裁に適応してきたが、新たな制裁は新たな衝撃を起こし、新たな適応が必要となる、それは今後より難しくなる可能性がある、と記者に語った。(Prime, 2019/2/19)
プーチン大統領の年次報告演説
- プーチン大統領は、2月20日、年次報告演説をおこなった。国内政策では、2020年には投資成長率を6~7%に上昇させること、2023年~2024年には人口増加に転じさせること、2020年までに全ての国民が医療にアクセスできるようにすること、などが述べられた。
- 対外政策では、欧米諸国が中・短距離ミサイルを配備するならば、ロシアも同様の措置をとると述べた。また、ミサイルが配備される領域だけでなく、軍事的な意思決定を行う地域に対しても使用できる武器を配備すると強調した。(kremlin.ru, Tass, RIA, 2019/2/20)

上記写真出典:http://kremlin.ru/events/president/news/59863
国営企業は利益の50%を配当へ
- ロシア政府は、2月22日、国営企業が純利益の50%相当を配当として支払う方針を決定した。自然独占については、投資計画を考慮に入れて、配当金が決まる。1月末にメドベージェフ首相が開いた会議の議事録によると、省庁は、株主として政府の方針を決める際、「会社の純利益の50%以上を配当の支払いに向ける」よう指示した。また、自然独占となっている企業における配当は、「利益の一部を投資計画の実施に向ける必要性を考慮に入れて」決定されるとしている。(Interfax, 2019/2/22)
金融
ロシアのMoody'sの格付けがBaa3に上昇
- 2月8日、米国の格付け会社であるMoody'sはロシアの格付けをBa1からBaa3に引き上げた。Moody'sによると、制裁などに対する外的圧力への脆弱性を減少させ、ロシアの金融を強化する政策が良好な結果を出していることが評価された。 Anton Siluanov財務大臣は、格付けが引き上げられたことに対し、遅かったが公正な判断であると評価し、ロシア政府による質の高いマクロ経済、予算、金融政策の成果だと強調した。(Prime, 2019/2/11)
(2)対外関係
- 米国
上院に対露追加制裁を提出
- 米国では、2月13日にウクライナへの圧力、および米国の選挙干渉に関する対露追加制裁案が上院で提出された。制裁の対象は銀行、サイバーセクター、新しいソブリン債、不正に関わる個人などが含まれる。また、ロシアの石油・ガス部門も制裁の対象となっており、ロシアでの石油開発のための機器・サービス・ファイナンスの提供者、ロシア国営石油会社がロシア国外で関わるエネルギープロジェクトが対象。(Moscow Times, Interfax, 2019/2/14)
- Alexander Novakエネルギー大臣は、2月15日、ロシアのテレビのインタビューで、米国において新たな制裁が検討さていることについて、現在課されている制裁も、現在検討されている制裁も、全て違法であると述べた。また、ロシアが欧州にガス供給するためのNord Stream 2等が大きな圧力を受けている一方で、米国がLNGの販売を促進しており、非競争的手法での戦いだと、米国の制裁の意図を指摘した。その上で、ロシアの燃料・エネルギーセクターはいかなる制裁に対しても準備ができていると述べた。(Moscow Times, Interfax, 2019/2/14, Interfax, 2019/2/15)
- EU
ウクライナ海軍艦拿捕への対露制裁を拡大・延長
- 欧州連合常駐代表委員会は、2月20日、ケルチ海峡でロシアがウクライナ海軍艦を拿捕した事件について、ブラックリストの期限を6ヶ月延長し、2019年9月15日までとするとともに、事件に関係したロシア人8名を新たにブラックリストに追加した。この決定は、3月初旬に欧州議会で認可され、有効となる予定。
- ブラックリストに名前が加わると、EUへの入国が拒否され、EUの金融システムへのアクセスも拒否される。今回の追加で、個人は171名、法人は44となる。(Tass, 2019/2/20)
- ベネズエラ
Rosneftは生産を縮小しない
- RosneftのEric Liron副社長は、2月5日、米国の制裁の対象となっているベネズエラの国営石油会社PDVSAとの共同事業の生産は、2019年は縮小しないと語った。同副社長は、ベネズエラでの政治経済の状況は注視しているが、現在の政治的不安定は一時的なものだと評価しており、既存プロジェクトには大きな影響はないとしている。(Prime, 2019/2/5)
- 南スーダン
ロシア石油企業が南スーダンへの投資を検討
- 南スーダンのNhial Deng Nhial外務大臣は、2月11日、南スーダンの石油事業に関心のある複数のロシアの石油企業が、近日中に南スーダンを訪問するとメディアに語った。また、ロシア国営地質探査会社Rosgeologiaも南スーダンとの協力のために2月中に訪問することを明かした。(Prime, 2019/2/11)
2.石油ガス産業情勢
(1)原油・石油製品輸出税
- 2019年2月、原油輸出税はUSD11.1/バレルに引き下げ、東シベリア及びカスピ海北部の油ガス田等に対しては、引き続きゼロ課税となった。
- 2月の石油製品輸出税はUSD 24.2/トン、ガソリンについてはUSD 44.3/トンに設定された。
(2)原油生産・輸出量
- 2月、原油、ガス・コンデンセート生産量は4,330万トン(約3億1,609万バレル、平均日量1,134万バレル)で、前年同月比3.5%増。(Interfax, 2019/3/2)
- 2月、原油輸出量は2,048万トン(約1億4,953万バレル)。前年同月比6.3%増。(エネルギー省)
(3)天然ガス生産量
- 1月、天然ガス生産量は618億立方メートル(約2.2TCF)で、前年同月比4.1%増。(Interfax, 2019/3/2)
(4)協調減産
1月の減産量は日量47,000バレル
- 2月4日、エネルギー省は、2019年1月の減産量は2018年10月に対して日量47,000バレルだったと発表した。Alexander Novakは声明の中で、2018年12月にOPEC+で合意されたとおり、今年5月までに徐々に減産量を増やしていくと述べた。
- OPEC+で合意されたロシアの減産量は日量230,000バレルで、1月の減産量はその20%程度に留まる。(Interfax, 2019/2/6)
減産目標は徐々に達成される
- Alexander Novakエネルギー大臣は、2月26日、メディアのインタビューで、OPEC+の協調減産について、徐々に1日あたり228,000バレルの削減レベルに到達するだろう、と述べた。
- 同大臣は、現時点で締結した合意を完全に遵守しており、徐々に生産量を削減して義務を果たすと述べた。また、2月1日時点で、2018年10月比で9~10万バレル/日ほどの減産を達成しており、12月の生産量は10月比で50万バレル/日ほど高かったことを考えると、その時点から14~15万バレル/日の減産量となり、これは相当なものだと付け加えた。
- さらに、同大臣は、市場が安定した状況にあり、低いボラティリティで、多かれ少なかれ合理的な原油価格になっており、それは輸出業者と消費者の両方にとって適したものだと述べた。そして、これはOPEC+の合意により、この安定性が達成されたと信じている、と強調した。(エネルギー省, 2019/2/26)
(5)北極海航路
Krutikov極東開発副大臣が北極海の責任者に
- 2月6日、Yury Trutnev副首相兼極東連邦管区大統領全権代表は、Alexander Krutikov極東開発副大臣が北極海を所掌することになると記者に語った。Krutikov副大臣のその他の所掌は解除され、北極海開発の業務を中心に担当する予定。(RIA, 2019/1/15)
エネルギー省、北極海開発の支援強化を検討中
- エネルギー省のAlexander Novak大臣は、雑誌「Neftegazovaya Vertikal」に寄稿したコラムで北極海への支援を強化するため、環境管理に関する特別な規制枠組みを作ること、極東・バイカル地域で適用されている優遇制度を、北極海地域にも拡大すること、などが検討されていることを明かした。
- 同大臣は、北極圏でのLNG生産量が2035年までに年間3,300万トンに達すると述べ、炭化水素の探査と生産への支援が、ロシア国内の石油・ガス産業の将来への鍵であると確信している、と語った。(エネルギー省, 2019/2/18)
3.ロシア石油ガス会社の主な動き
(1)Gazprom
副社長2名の退任を発表
- Gazpromは2月25日、Alexander Medvedev副社長、Valery Golubev 副社長の退任を発表した。Alexander Medvedev副社長はInternational Business Congressと、ロシアのサッカーチームFC Zenitの担当に注力することになる。 Alexey Miller社長はプレスリリースの中で、Valery Golubev 副社長のGazpromでの長年の働きに感謝した。また、Vsevolod Cherepanov 307部門長もその任を解かれ、Gazpromグループの違う職位に就く。
- Medvedev副社長は、2月22日にFC Zenitの社長に任命された。同副社長は2002年からGazpromの役員を務めており、2005年から副社長となった。また、2005年から2014年にかけてはGazpromの子会社Gazprom Exportも率いていた。Golubev 副社長は2002年からGazpromの役員を務めており、2006年から副社長となった。Cherepanov部門長は2010年からGazpromの役員を務めている。(Gazprom,Tass, 2019/2/25)
(2)Novatek
カムチャツカLNGハブをアジア大洋州の価格ベンチマークに
- 2月21日、NovatekのLeonid Mikhelson社長は、カムチャツカで計画している容量120百万トンのLNG積み替え基地もアジア太平洋地域のガス販売指標の1つになる可能性がある、と述べた。また、Mikhelson社長は、ガス価格は石油価格との紐付けが次第に少なくなると期待される、と付け加えた。同社はLNG市場が中期的に急成長すると予測しており、同社の見積もりによると、LNG消費量は2017年の3億トンから2030年には7億トンに達する可能性がある。
- NovatekはカムチャツカにLNG積み替え基地を建設する計画で、2022年から2023年に試運転を予定している。(Tass, 2019/2/21)
Novatekの欧州へのガス供給は米国よりも競争力がある
- NovatekのMark GyetvayCFOは、2月27日、Novatekが米国の欧州へのLNG輸送が7~8ドル/mmBtuに対し、Novatekは3.15ドル/mmBtuで輸送できるだろうと述べた。これは、Gaspromの欧州への平均的なガス価格の予想である230ドル/千立方メートル(6.4ドル/mmBtu)よりも安い。また、同氏は、Novatekはガス採掘コストが10セント/mmBtuに対し米国では3ドル、ガスの液化がNovatekでは50セントに対し、米国は3ドルであり、ロシアのガスは米国のメキシコ湾岸に対して相当に競争力があるだろうと述べた。(Reuters, 2019/2/27)
4.東シベリア・極東・サハリン情勢
(1)サハリン
Sakhalin-2第3トレインの建設計画
- Sakhalin EnergyのDeputy Director for Production, Alexander Singurov氏はSakhalin-2プロジェクトのLNG液化第3トレイン建設のための文書作成が完了し、政府からの許可も得られたと語った。現在は第3トレインへのガス供給について、投資家レベルでの合意を待っている状況であるものの、これは非常に難しい交渉が行われていると、同氏は付け加えた。(Interfax, 2019/2/21)
5.新規LNG・P/L事業
(1)Nord Stream 2
ドイツは少なくとも2つのLNG受入施設を建設
- ドイツのPeter Altmaier経済大臣は2月12日、ドイツでのLNG受入施設建設に政府が支援をすることを表明し、近い将来に少なくとも2つのLNG受入施設を建設される考えを示した。Brunsbuettel、Stade、Wilhelmshavenの3地点が候補となっている。
- 一部メディアでは、ドイツ政府が米国産LNGの輸入を促進することで、米国がNord Stream 2への反対を緩和するという取引があったと報じられているが、Altmaier大臣はこれを否定しており、エネルギー供給源の多角化が目的だと説明した。ドイツは原子力発電も石炭発電もなくすことを表明しており、天然ガスの重要性が増している。 (Reuters, New York Times, Sputnik, 2019/2/12)
EUのガス市場規制強化
- 2月12日、EU議会とEU政府代表は、第3国からのパイプライン容量の少なくとも10%を第3者が利用できるようにする規制法律の改正を行った。これは、EU域内と同じルールを第3国からのパイプラインにも適用するということになる。しかし、この改正にあたり、ドイツとフランスが事前に調整を行い、この規制の適用は最初に第3国からパイプラインが上陸する国が裁量権を持つ妥協案が追加された。これにより、Nord Stream 2の規制はドイツが決めることになる。一方、ガスの供給者がパイプラインの直接の保有者になれないことから、Nord Stream 2の出資者の再調整が必要になる。(Interfax, 2019/2/13)
- Kommersant紙は、EUガス指令の改正案が議論されていることを受け、Nord Stream 2は送ガス能力の全てを活用できない可能性を指摘した。EUガス指令では、Gazpromから独立したオペレーターが必要としており、第3者に送ガス能力のアクセスを認める必要がある。一方、ロシア側からガスを供給できるのはGazpromだけとなるため、第3者がガスを供給することは不可能となる。
- 改正案では、パイプラインの最初の受入国であるドイツがEUガス指令の適用除外について、ロシアとの政府間協定を締結するが可能であるが、このプロセスにはEUの承認が必要であり、承認のプロセスが滞る可能性もある。(Kommersant, Prime, 2019/2/18)
(2)Turk Stream
Gazprom Exportが20年間のブルガリアのパイプライン容量を予約
- Gazprom Exportは、2月12日、2019年から2039年までの20年間のパイプライン容量を単独で供給するための契約を締結していると明かした。この2週間前、ブルガリアのパイプライン会社Bulgartransgazの、Turk Streamからのガスを含む、新たな容量を確保するための入札が締め切られた。Gazpromはこの入札に参加し、容量を予約した。Gazprom Exportは、ロシア国外のパイプラインで天然ガスを輸送するサービスのための契約のコストを、35億ユーロと見積もっている。Gazprom Exportはこの件については、コメントを控えている。
- Gazpromは黒海を横切る、それぞれ157.5億立方メートルの容量の2本のTurk Streamの建設を終えた。一方のパイプラインはトルコの市場にガスを供給し、もう一方は欧州の市場、ブルガリアに35億立方メートル、セルビアに25億立法メートル、ハンガリーに60億立方メートルのガスを供給するために分岐する。残りの37.5億立方メートルはBaumgartenのハブ、スロバキアとオーストラリアまで供給することができる。
- Bulgartransgazは入札プロセスを経て、トルコからセルビアへのガス輸送システムの開発と拡張のためのプロジェクトを実施するという最終投資決定に達したと述べた。パイプラインの474㎞の区間を拡張するプロジェクトへの投資は約14億ユーロとなる。
(3)「シベリアの力」ガスP/L
中国への輸出を12月1日に前倒し
- GazpromのAlexei Miller社長は、2月15日、CNPCのWang Yilin会長と北京で会談を行った。この会談の中でMiller社長は、「シベリアの力」パイプラインの建設は予定よりも早く進んでおり、2019年12月1日にもガスの輸出を開始するだろうと述べた。これまで、ガス輸送の開始は12月20日が予定されていた。(Gazprom, Prime, 2019/2/15)
中国とガス供給の増加について議論
- 2月28日、シンガポールで開催されたGazpromのInvestor Dayにおいて、Gazprom ExportのElena Burmistrova 社長は、「シベリアの力」による中国ガス供給を増加させることを、中国のCNPCと議論していると語った。同社長は、現在の経路に沿ったガス配送の増加、極東やアルタイなど他の経路に沿った追加配送の可能性についてCNPCと議論をしていると述べた。また、中国との間では、交渉は密に行われるだろうと語った。
- また、GazupromのAndrei Kruglov副社長は、以前、このプロジェクトが実施された場合、「シベリアの力-2」の建設費用は、ガス処理プラントを建設する必要がないだけでなく、既存の資源基盤と、インフラの一部を使用できるため、最初のプロジェクトよりも大幅に少なくなると述べている。(Tass, Kommelsant 2019/2/28)
(4)Arctic LNG-2
米国制裁の対象となれば政府が支援
- Anton Siluanov財務大臣は、2月14日、インタビューの中で、米国の制裁の影響があれば、NovatekのArctic LNG-2プロジェクトは政府の金融支援を受けられるだろう、と語った。
- 2月13日、米国上院で新たな対露制裁案が提出されているが、この対象となるのはロシア国外のLNGプロジェクトと言われている。しかし、Siluanov大臣は、Arctic LNG-2への影響も懸念しており、ロシア政府の基金からの融資を検討している。同大臣によれば、同基金の残高には余裕があり、政府が新たなプロジェクトに投資できる権限を持っているとしている。(Vedomosti, 2019/2/14)
公正取引委員会がTotalへの外資規制審査
- ロシアの公正取引委員会は、Arctic LNG-2へのTotalの投資について、外国投資に関する政府委員会における審査を求めた。NovatekがArctic LNG-2の10%を25.5億ドルでTotalに売却するという取引は、2018年のサンクトペテルブルクフォーラムで、ロシアのプーチン大統領とフランスのマクロン大統領の前で調印されたている。
- 外国投資家がロシア政府の重要な分野で25%以上を受け取る場合、政府の承認を必要とする。TotalはNovatekの株式を19.4%保有しており、これにより、TotalはNovatekが保有するArctic LNG-2の残り90%を考慮すると25%以上を間接所有することになる。法律では、25%の支配に関して、直接保有を意味するのか間接保有を意味するのか必ずしも明確に記されていない。2011年にTotalがYamal LNGに参入するときにも、同様にロシア政府での検討が行われた。
- Totalは、投資は予定通りに2019年の第1四半期に、ロシアの法律に準拠して実行されるとコメントした。この取引は、Totalがプロジェクト全体を評価することで、他の潜在的パートナーとの交渉に役立つため、Novatekにとって重要とされている。(Kommersant, 2019/2/25)
(5)Baltic LNG
Baltic LNGはロシアの液化技術を利用
- ShellのBaltic LNGプロジェクトのVice PresidentのSander Stegengal氏は、同プロジェクトでロシアの液化技術を使うと語った。Baltic LNGはGaspromとShellの共同プロジェクトで、この技術の保有者はGazpromとShellのジョイントベンチャーとなる。同氏は、同プロジェクトにおいて、可能な限り高いレベルでの生産の現地化が期待できると強調した。それぞれの生産ラインの容量は650万トン/年となる見込み。
- Baltic LNGプロジェクトは、Leningrad地域での年間1,000万トンの液化ガスの生産プラント建設を含む。この容量は、年間1,500万トンまで拡張される可能性がある。プロジェクトの開始は度々変更されているが、現在は2022年~2023年を予定している。(Vesdomosti, 2019/2/28)
以上
(この報告は2019年3月20日時点のものです)