ページ番号1007777 更新日 平成31年5月17日

ロシア情勢(2019年4月 モスクワ事務所)

レポート属性
レポートID 1007777
作成日 2019-05-17 00:00:00 +0900
更新日 2019-05-17 09:07:40 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者 黒須 利彦秋月 悠也
著者直接入力
年度 2019
Vol
No
ページ数 12
抽出データ
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2019/05/17 黒須 利彦 秋月 悠也
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1.政治・経済情勢

(1) 国内

政治・経済

経済発展省による2024年までの主要な社会経済指標見通し

  • 経済発展省は、4月9日、社会経済予測のためのシナリオ条件を発表した。これは2018年5月に施行された大統領令204号の指示に基づき、政府予算策定の前提条件となる2019年から2024年の主要な社会経済指標の見通しを示したもの。
  • これによると、ウラル産原油価格については、OPEC+での減産合意期限を迎えること、米国からの供給増加が予想されることから、2019年の平均価格は63.4ドル、2020年59.7ドル、2024年53.5ドルと下落傾向となっている。石油天然ガスの輸出額についても、2019年に2,400憶ドルから徐々に減少し、2024年には2,150億ドルと見積もられている。
  • 米ドルに対するルーブルの為替レートについては、ロシア連邦債市場への外国投資の増加、厳しい金融財政政策による財・サービスの弱い動き、ユーロに対する米ドル安が、ルーブル高を誘引すると予測しており、2020年に64.9ルーブル/ドル、2024年に68.6ルーブル/ドルとなっている。インフレーション率については、2019年には4.3%だが、徐々に低下し、2020年に3.8%、2024年に4.0%と予測されている。GDP成長率は、2019年に1.3%と予測されているが、2月までのGDP成長率は昨年よりも高く、現状が続けば、年内に予測を修正する可能性がある。GDP成長率は徐々に改善し、2020年には2%、2024年には3.3%と予測されている。
経済発展省による社会経済指標見通し
  2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024
GDP増加率(%) 2.3 1.3 2 3.1 3.2 3.3 3.3
インフレ率(%) 4.3 4.3 3.8 4 4 4 4
鉱工業生産増加率(%) 2.9 2.3 2.6 2.9 2.9 3.1 3.2
投資増加率(%) 4.3 3.1 7 6.3 5.8 5.6 5.3
実質賃金増加率(%) 6.8 1.1 2 2.7 2.7 2.7 2.7
雇用者数(100万人) 72.5 72.6 72.7 72.8 72.9 73.1 73.3
失業率増加率(%) 4.8 4.7 4.7 4.6 4.6 4.6 4.5
輸出(10億ドル) 443 438 439 451 470 491 512
石油・ガスの輸出(10億ドル) 262 240 230 224 219 217 215
上記以外(10億ドル) 181 198 209 226 252 275 298
輸入(10億ドル) 249 258 274 293 313 335 361
経常収支(10億ドル) 114 91 72 63 53 45 34
ルーブル/ドル 62.5 65.1 64.9 65.4 66.2 67 68.6
ウラル産原油価格(ドル) 70 63.4 59.7 57.9 56.3 55 53.5

 

(2)対外関係

1)米国

米国上院が選挙干渉への制裁法案を提出

  • 米国の上院議員、Democrat Chris van Hollen氏とRepublican Marco Rubio氏は、4月3日、ロシアが米国の選挙に干渉したことに対する制裁法案を提出した。ロシアの金融、エネルギー、防衛を含む主要な経済に影響する可能性がある。法案が可決されれば、30日以内にロシアの銀行やエネルギー企業に対して制裁が課されることになる。
  • 法案の内容としては、特に選挙の干渉に責任があるとされる人物は制裁対象リストに掲載され、米国への入国を禁止され、米国内の資産が凍結される。また、ロシアのエネルギーセクター及びロシアのエネルギー企業への投資を禁止する内容も盛り込まれている。さらに、ロシアのソブリン債、ロシア政府が支配する企業の債権や国債の全ての取引を禁止することを提案している。

2)EU

欧州議会はEUガス指令の変更を承認

  • EUガス市場のルールを拡大し、ロシアからドイツに繋がるNord Stream 2を含むEU加盟国以外の国からのパイプラインについても対象とするEUガス指令の変更について、欧州議会は4月4日、欧州理事会は4月15日に承認された。新しいガス指令はEU官報に掲載された20日後に施行される。この指令に従い、各国は9ヶ月以内に指令に準じた国内法を整備することになる。
  • EUガス市場のルールでは、パイプライン事業に他の事業者を加え、料金に透明性を確保するため、ガスの供給会社と輸送会社を区分しなければならない。これは、Nord Stream 2の運営会社はGazpromから独立しなければならず、50%の輸送能力は他の供給者のために確保しなければならないことを意味する。この例外は、欧州委員会が承認する場合に限られる。
  • 欧州議会の産業・調査・エネルギー委員会のJerzy Buzek議長は、4月4日、「これは欧州ガス市場のモノポリー時代の終焉だ。」とし、ガス供給はしばしば政治的な武器として利用されてしまい、我々は武装解除することができないが、規制によって我々も武装をすることができる、と述べた。

3)ウクライナ

ウクライナへの制裁を強化

  • 4月18日、ロシアはウクライナへの石炭、原油、石油製品の輸出を禁じる文書に署名をし、即日に施行となった。また、ウクライナからロシアへの衣類や金属製品などの輸入も制限される。ロシア政府によると、今回輸入を制限された商品の2018年の貿易額は約2.5億ドルとなる。6月1日からは、輸出を制限する品目を拡大し、これらは許可が得られた場合にのみ輸出ができる。メドヴェージェフ首相は、この措置は、4月10日に新たにウクライナがガラス製品や電気製品のロシアからの輸入禁止措置を取ったことへの対抗措置だと説明している。ロシアは2018年12月にも、ウクライナから輸入を制限する措置を取っている。
  • ウクライナでは4月21日、大統領選挙の決選投票が行われ、Volodymyr Zelensky候補が73.23%の票を獲得し、現職大統領のPetro Poroshenko候補に勝利した。プーチン大統領は、4月27日、Zelensky新大統領との会談の最初の議題はDonbassでの和解になるだろうと述べた。他方、4月24日、プーチン大統領は、ウクライナ東部の住民に対してロシア国籍取得の手続きを簡素化する大統領に署名をしている。

4)カザフスタン

プーチン大統領はカザフスタンのトカエフ大統領に原発建設を提案

  • 4月3日、プーチン大統領はカザフスタンのトカエフ大統領と面談した後、ロシア技術を利用した原子力発電所をカザフスタンに建設することを提案した、と記者に語った。プーチン大統領は、ロシアとカザフスタンの原子力の平和的利用協力が進展しており、現在、ウラニウムの抽出、濃縮に関わる6つのロシア・カザフスタン企業があると語った。
  • トカエフ大統領は4月3日にロシアに到着し、これが大統領として初めてのロシア訪問となった。トカエフ大統領は、ナザルバエフ前大統領が3月19日に大統領を辞任すると決定した後、上院議長から暫定大統領に就任した。大統領選挙は6月9日に予定されており、4月23日、カザフスタンの与党、Nur-Otan党はトカエフ大統領を大統領候補として選出している。

5)トルコ

トルコがロシアからのミサイル調達を加速

  • トルコのエルドアン大統領は、4月8日にモスクワでプーチン大統領と会談し、S-400対空ミサイルシステムの調達を含む2国間関係について協議した。ロシアからトルコに戻る飛行機の中で、エルドアン大統領はミサイルの調達時期は今年の7月又はそれ以前となる、と記者に語った。トルコのロシアからのミサイル調達は、トルコも加盟するNATOの基準に沿っておらず、米国から批判を受けており、米国はこの取引に関して経済制裁を課すことを検討している。
  • トルコは米国からF-35戦闘機の購入も検討しているが、米国は、ロシアのS-400を購入した場合、トルコにはF-35戦闘機を販売せず、同時に、F35戦闘機の生産に関与しているトルコ企業を排除することも示唆している。

6)北朝鮮

北朝鮮との首脳会談を実施

  • 4月25日、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談がウラジオストクのルースキー島において行われた。両首脳の会談は1対1の形式で行われ、その後、同行者も交えて拡大会合が行われた。今回の会談は、プーチン大統領と金委員長との初めての首脳会談であり、また、金委員長が4月11日に北朝鮮の国務委員長に再任されて初めての外国訪問だった。
  • プーチン大統領は首脳会談後の記者会見で首脳会談の印象について聞かれ、交渉の結果にとても満足していると述べ、会談の内容としては、二国間関係、制裁関係、国連関係、米国関係、そして主要な課題として朝鮮半島の非核化について協議したこと述べた。また、金委員長を非常に興味深く、有益な対話者だと評価した。他方、韓国から北朝鮮を経てロシアまで達する鉄道、石油やガスのパイプライン、送電線についても議論されたとの記者の質問に対して、首脳会談で議論されたものの、これらのプロジェクトは米韓関係を理由として検討が止まっており、これらのプロジェクトが履行されれば信頼増幅の条件を醸成するであろうと述べた。
ロシア・北朝鮮首脳会談
ロシア・北朝鮮首脳会談
写真出典:http://en.kremlin.ru/events/president/news/60363

2.石油ガス産業情勢

(1) 原油・石油製品輸出税

  • 2019年4月、原油輸出税はUSD13.3/バレルに引き上げられ、東シベリア及びカスピ海北部の油ガス田等に対しては、引き続きゼロ課税となった。
  • 4月の石油製品輸出税はUSD 29.2/トン、ガソリンについてはUSD 53.5/トンに設定された。

参考:原油及び石油製品輸出税の推移

(2)原油生産・輸出量

  • 4月、原油、ガス・コンデンセート生産量は4,497万トン(約3億2,828万バレル、平均日量1,123万バレル)で、前年同月比2.4%増。
  • 4月、原油輸出量は2,219万トン(約1億6,195万バレル)。前年同月比4%増。

原油品質低下により各国が輸入を中止

  • 4月23日、ベラルーシはロシアからの輸入している原油の品質が低いとして、ウクライナ、ポーランド、バルト諸国への軽油製品の輸出を止めたと発表した。また、4月25日には、ポーランドとドイツが、同様にロシアからの原油の品質が低いとして、Druzhbaパイプラインからの原油輸入を中止した。4月末時点で、完全な復旧には数か月かかるという見通しもある。
  • この品質の問題は、ある原油生産者が有機塩化物を混入させ、通常の濃度の10倍以上となったことが原因とみられる。有機塩化化合物は、原油生産を増加させるが、製油所の設備を腐食させる恐れがある。4月30日にパイプラインを管理しているTransneftのNikolai Tokarev社長がプーチン大統領に報告した内容によると、Transneftの複数の委託先が指示通りの業務を行っておらず、品質の確認が不十分なまま出荷されてしまったという。プーチン大統領は改善と、政府への報告を指示した。

(3)天然ガス生産量

  • 4月、天然ガス生産量は643億立方メートル(約2.3TCF)で、前年同月比3.5%増。

(4)減産合意

2019年第1四半期の原油生産量は3.4%増加

  • ロシアの2019年第1四半期の原油とガスコンデンセート生産量は、2018年同時期と比較して3.4%、1億3,919万トン増加した。3月は4,779万トンの原油とガスコンデンセートが生産され、2018年同月比で3%の増加となった。
  • OPEC+の減産合意の基準である2018年10月時点と比較すると、生産量は1%減少し、減産量は日量19万バレルとなった。Alexander Novakエネルギー大臣は4月もOPEC+で合意された減産レベルを維持する、としている。
  • OPEC+の国々は、減産合意を今年末まで延長するかどうか、5月までには、米国の制裁がイランとベネズエラの原油輸出にどれだけ影響するかという問題がより明らかになるとの考えのもと、議論を5月まで先延ばしすることにしている。サウジアラビアは、原油市場の供給過剰を考慮し、減産を延長することを提案している。ロシアは減産延長に対する立場をまだ明らかにしていない。

(5)北極海航路

プーチン大統領が北極海投資のための早急な法案採択を要請

  • プーチン大統領は、4月9日、サンクトペテルブルクで開催されたInternational Arctic Forumで、政府が専門家や企業の代表者と共に北極海投資を促す法案を速やかに作成し、下院が秋の議会で採択できるように要請した。また、プーチン大統領は、ロシアが2035年までの北極海開発戦略をすぐに採択するだろうと述べ、これは国家プロジェクト、インフラ企業の投資計画、北極海地域・都市の開発計画を組み合わせたものとなる、と説明した。
  • プーチン大統領は「北極海地域での主要な社会経済指標、人々の生活水準は、ロシアの平均以上にしていく必要がある。もちろん、北部の先住民族に関する問題も考慮に入れる必要がある。」と、北極海地域への投資の重要性を強調した。同大統領によると、地域別の投資割合として、既に北極海のシェアはロシアの全ての投資の10%以上を占めている。

3.ロシア石油ガス会社の主な動き

(1)Rosneft

Rosneftが北極海で2030年までに1億トンの原油を生産する計画

  • 4月1日、プーチン大統領はRosneftのIgor Sechin社長と面会し、特に北極海航路の輸送量増加や船舶建設について、2018年の成果や今後の計画について議論を行った。
  • この中で、Sechin社長は、北極海で同社が有するVankorクラスター(Suzunskoye,、Tagulskoye、Lodochnoye)やTaymyr南部、Taymyr東部などの探査プロジェクトを統合することで、 2030年までに1億トンの原油を生産したい、と述べた。また、同氏は資産を統合することで、外国の投資を呼び込むことができると説明し、すでに欧州や東南アジアの投資家が関心を示しているとした。
  • 一方、Sechin社長は、北極海の効果的な開発には政府の支援が必要だとし、特に外国からの投資を増やすための前提条件として、税金面や規制面で、生産の全期間に亘って安定性を保証する政策の必要性を説明した。
プーチン大統領と面談するSechin社長
プーチン大統領と面談するSechin社長
写真出典:http://en.kremlin.ru/events/president/news/60195

(2)Gazprom

Gazpromの新役員の任命

  • Gazpromは4月1日及び4月15日に、新しい役員の任命を含む人事異動を行った。今年に2月にはAlexander Medvedev副社長とValery Golubev副社長の退任が発表されていた。4月の役員関連の人事異動は以下のとおり。
表 役員関連の人事異動
写真出典:http://www.gazprom.ru/about/management/board/

(3)Novatek

Yamal・Gydan半島でのLNGクラスター

  • St. Petersburg Mining UniversityのVladimir Litvinenko氏がYamal 及びGydanでLNGの生産目標が1億4,000万~1億5,000万トンであるとプーチン大統領宛の提言を作成したことに対し、4月5日、NovateknoLeonid Mikhelson社長はこれに同意し、1億4,000万トンのLNGクラスターを作るという統一された目標が必要だ、と述べた。
  • これに対して、GazpromのMarkelov副社長は、4月8日、Yamal LNGプラントの開始以降、生産の大部分は欧州市場に行き、Yamal LNGの供給成長と比較してGazpromのガス輸出が減少し、Yamal LNGは抽出税や輸出税を免除されているため、ガスのパイプライン輸出と比べるとロシア政府は300億ルーブルを受け取れないことになる、と推定した。そして、彼は失われた予算収入を分析するため、財務省の関与のもと、ロシアのパイプラインとLNGの輸出の分析作業を強化すること提案した。
  • 他方、NovatekのMikhelson社長は、4月9日、GazpromのVitaly Markelov副社長の北極海でのLNG生産・輸出の現状についての見解について、メディアに対して反論を述べた。Mikhelson社長は「GazpromはYamal LNGの北部50キロメートルに優れた資源基盤を持っている。また、Novatekは2035年までに1億4,000万トンのLNGを生産することができない」と語り、1億4,000万トンの目標にはGazpromにもシェアがあることを示唆した。また、Yamal LNGからは米国にも輸出されていること、GazpromもYamal LNGから欧州で300万トンのガスを受け取りインドに輸送したことを指摘した。また、LNGの課税について、「2月27日にプーチン大統領が北極圏プロジェクトへの利益付与に関する追加の法律を準備するように政府に命じており、我々はYamal LNGによって税、利益が変わらないことを保証されている」と述べた。

(4)Gazprom Neft

Novatekを北極海でのパートナーとする可能性

  • Gazprom NeftはNovatekとYamal半島に位置するKara海の石油・ガスプロジェクトでJVを組む議論をしている。対象はBeloostrovsky,、Skuratovsky、Narmeiskyの3地域。現在、ライセンスはGazpromに付与されているが、Gazprom Neftが引き継ぐ可能性を模索している。
  • 報道によると、Gazprom NeftがJVの51%を取得し、ライセンスを提供する一方、Novatekは資金を提供する検討をしている。Gazprom Neftは、「Novatekと生産的な協力から得られた経験は、共通の関心を有する地域での更なる協力プロジェクトを継続の結果である」と記者に述べ、Novatekは「我々はGazprom Neftと素晴らしい協力関係があり、協力の強化と拡大に関心がある」と記者に述べた。
  • Gazpromは公式にはライセンスの引継ぎを検討していないとしているが、Gazprom Neftの Andrei Patrushev副社長は、4月9日、International Arctic Forumにおいて、北極海だけではなくサハリンにおいてもNovatekとの協力を検討している、とメディアに述べた。

4.東シベリア・極東・サハリン情勢

(1)サハリン

Sakhalin 2プロジェクト25周年

  • 4月18日、GazpromのAlexey Miller社長とShellのBen van Beurdenがモスクワで会談を行い、Sakhalin 2プロジェクトのオペレーターであるSakhalin Energyの活動を称賛し、同社の創立25周年を祝った。Sakhalin 2プロジェクトはロシアで最初のLNGプロジェクトで、2009年に操業を開始した。LNGの生産能力は年間960万トン。
写真 GazpromとShellとの会談
GazpromとShellとの会談
写真出典:http://www.gazprom.com/press/news/2019/april/article478486/
  • ShellロシアのCederic Cremers社長は、4月22日、ShellはBaltic LNGの開発でGazpromのパートナーでなくなっても、Sakhalin 2プロジェクトは全く別のプロジェクトであり、第3トレインの建設を前に進める準備ができている、と語った。

5.新規LNG・P/L事業

(1)Arctic LNG-2

権益の20%を中国企業に売却

  • Novatekは4月25日、北京で開催された第2回となる一帯一路の国際協力フォーラムにおいて、中国の企業2社とそれぞれArctic LNG-2の権益を10%ずつ売却するための拘束力のある契約を締結したと発表した。売却先はCNOOCと、CNPCの子会社のCNODC(China National Oil and Gas Exploration and Development Company Ltd)。
  • 中国はNovatekの最初の北極海のLNGプロジェクトであるYamal LNGにも、CNPCが20%、Silk Road Fundが9.9%を出資している。中国は2018年に「北極政策白書」を発表し、北極海航路を「氷上のシルクロード」と名付け、一帯一路構想と合わせて、北極航路の開発利用、石油や天然ガスの開発、漁業資源の保護利用に関与する方針を示している。

(2)Baltic LNG

ShellがBaltic LNGから撤退を決定

  • Shellのロシア代表のCedric Kremers氏は、4月10日、GazpromとのBaltic LNGプロジェクトへの参加をしないことを決定した、とメディアに語った。これは、3月29日にGazopromがBaltic LNGプロジェクトの最終的なコンセプトを発表したあとに決定されたとKremers氏は説明した。他方、今般のBalticLNGからの離脱の決定は、Gazpromと2015年に合意した戦略的パートナーシップに基づく他の共同プロジェクトには影響しないと付け加えた。
  • また、ShellのKremersロシア代表は、Shellは権益を有するプロジェクトにのみ技術を提供するため、Baltic LNGにはShellのLNG技術のライセンスを提供する計画はない、と話しており、GazpromはBaltic LNGプロジェクトにおいて、Shell以外の技術を利用する必要がある。
  • Baltic LNGプロジェクトはUst-Lugaで年間1,000~1,300万トンのLNGを生産する計画。2015年の秋より、このプロジェクトにおけるGazpromのパートナーはShellだと考えられてきており、2018年10月にはGazpromとShellの間でPre-FEEDにも合意していた。しかし、3月29日、Gazpromがプロジェクトの全体像の変更を発表し、年間1,300万トンの液化ガス工場は、ガス精製工場とのプロジェクトと併せて実施されることになり、Rusgazdobycha社がプロジェクトのパートナーとして名前が挙げられ、プロジェクトのオペレーターはRuskhimalyans社とされ、この発表にはShellの名前はなかった。

以上

(この報告は2019年5月16日時点のものです)

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