ページ番号1008593 更新日 令和1年12月25日
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概要
- 2019年12月16日、英国の石油・天然ガス事業を管轄する行政機関Oil and Gas Authority(OGA)は、第32次洋上ライセンスラウンドの結果を発表し、245の鉱区に対して71社から104のオファーがあったことを明らかにした。オファーについては現在も審査中であり、OGAは2020年第2四半期の鉱区付与を目指している。
- 第32次洋上ライセンスラウンドは、北海中部、北部、南部及びシェットランド沖西部の768の鉱区が対象となった。前回のライセンスラウンドでは、探鉱があまり進んでいないフロンティアエリアが対象鉱区の中心であったが、今回は応札企業の意向も十分反映したことから、探鉱・開発が進んでいる(mature)鉱区が多く含まれていた。
- OGAは声明の中で、英国政府のネットゼロ目標を支持すると述べつつも、英国のエネルギーミックスのために、英国国内での石油・天然ガス開発の重要であると強調した。
- 次回の第33次洋上ライセンスラウンドについて、OGAは引き続き産業界と連携して行うとしたが、来年(2020年)の実施の可能性は低いと述べている。
1. 第32次洋上ライセンスラウンドの概要
第32次洋上ライセンスラウンドは、2019年7月11日に開始され、同年11月12日に申請が締め切られた。英領北海の768の鉱区と鉱区の一部が入札の対象となった。(下図参照。)
2019年12月16日、OGA[1]は同ライセンスラウンドの結果[2]を発表し、245の鉱区と鉱区の一部に対して71社から104のオファーがあったことを明らかにした。多国籍企業から新規参入企業まで様々な企業から応募があったとしている。
オファーについては現在も審査中であり、OGAは2020年第2四半期に結果を発表し、鉱区を付与する予定である。
[1] OGA: 英国の石油・天然ガス事業を管轄する行政機関Oil and Gas Authorityの略。
2. 第32次洋上ライセンスラウンドの特徴
第32次洋上ライセンスラウンドは、北海中部、北部、南部及びシェットランド沖西部の768の鉱区と鉱区の一部が対象となった。前回のライセンスラウンドでは、探鉱があまり進んでいないフロンティアエリアが対象鉱区の中心であったが、今回は探鉱・開発が進んでいる(mature)鉱区が多く含まれていた。
OGAの探鉱・新規事業部門のトップ(Head of Explroration and New Ventures)であるNick Richardson氏は、「ライセンスラウンドへの企業の反応はとてもポジティブである。この反応は、第32次と同様に成熟鉱区が多かった第30次洋上ライセンスラウンドへの興味関心を上回っている。」と述べた。
3. 英国政府のネットゼロ目標へのOGAのコメント
今回の結果発表には、英国政府のネットゼロ目標への言及があった。OGAは、英国政府の「2050年までにネットゼロ経済を実現する」という目標を支持するとしたうえで、これに対して英国国内の石油・天然ガス生産について懸念の声が上がっていることに触れた。OGAは、石油・天然ガスは英国のエネルギーミックスにおいて引き続き重要な役割を果たすことを強調し、英国の国内需要を満たすために、英国国内に存在する資源を最大限に活用することが重要であると述べた。
4. おわりに
次回の第33次洋上ライセンスラウンドについて、OGAは引き続き産業界と連携して行うとしたが、来年(2020年)の実施の可能性は低いと述べている。他方、2020年の英国は、Brexitとスコットランド・グラスゴーでのCOP26開催を控えている。与党保守党は石油・天然ガス産業をサポートする立場ではあるが、一方で、COP26のホスト国としてエネルギー転換や気候変動対策に関して何らかのコミットを表明する可能性がある。2020年は、英国の石油・天然ガスを含む産業界にとって重要な年となることには間違いないだろう。
以上
(この報告は2019年12月25日時点のものです)