ページ番号1008670 更新日 令和2年1月28日

メジャーズの参入が相次ぐナミビア

レポート属性
レポートID 1008670
作成日 2020-01-20 00:00:00 +0900
更新日 2020-01-28 08:56:46 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 橋本 知世
著者直接入力
年度 2019
Vol
No
ページ数 5
抽出データ
地域1 アフリカ
国1 ナミビア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アフリカ,ナミビア
2020/01/20 橋本 知世
Global Disclaimer(免責事項)

このwebサイトに掲載されている情報は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

※Copyright (C) Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

PDFダウンロード453.2KB ( 5ページ )

概要

  • 2020年1月時点、原油・天然ガスの商業生産は行われていないが、天然ガスの確認埋蔵量は2.2Tcfとされる。EIAによると、石油消費量は2.7万b/dで、天然ガスの消費はない。
  • 2014年の油価低迷以前にはブラジルで巨大油田が発見されたサントス、カンポス堆積盆とナミビア沖合を含む南部大西洋石油システムに地質的相関性が期待されたことから、BP、Petrobras、Tullowなど深海探鉱に定評のある企業や中小独立系企業が相次いで探鉱に参加した。しかし商業規模の石油を発見できず、その後の油価低迷も受け探鉱活動は停滞した。
  • ところが2019年に入り、Totalが南アフリカ沖合でガスを発見し、ExxonMobil、Total、Qatar Petroeumが隣国ナミビアの探鉱鉱区に参加、あるいは権益を増加させるなど、同国の探鉱に新たな動きが見られる。
  • ナミビアはブラジルとの地質相関性でポテンシャルがあり、財務条件が比較的良好と考えられるため、油価の上昇に伴い今後メジャーズの投資がさらに活発化する可能性もあり、今後の動向が注目される。

(TOTAL, ExxonMobil, Qatar Petroleum, The Ministry of Mine and Energy, JETRO他)


1. ナミビアの一般情勢と石油・ガス投資環境

1―1. 政治・経済状況一般

ナミビアの与党・南西アフリカ人民機構(SWAPO)は2019年11月27日の選挙でも勝利し、引き続き政治を支配し、安定的に政権を運営している。これまで政府は、雇用拡大、産業活性化、投資・貿易促進を優先課題として取り組んできたものの、GDP成長率(ナミビア銀行)は2017年がマイナス0.9%、2018年がマイナス0.1%と低迷し、失業率(ナミビア国家統計局)も33.4%(2018年)に上っている。

今後の見通しとして、安定的な政権運営は継続するものと見られるが、一方で、雇用の創出と所得の不平等は、引き続きナミビアの主要な経済課題となろう。


1―2. 石油・天然ガスの政策・行政体制

上流事業を管轄しているのは、鉱山エネルギー省(The Ministry of Mines and Energy)である。国営石油会社は、The National Oil Corporation of Namibia(NAMCOR)で、1991年の石油法により設立した。

探鉱・生産権益は、Royalty/tax arrangementまたはPSCに基づいて付与される。石油税制の主な構成要素は、Royalty(5%)、Petroleum Income Tax(現在の税率は課税所得の35%)、Additional Profits Tax[1]となっている。

中東や東南アジアでは65%、あるいはそれ以上の政府取り分もあるところ、南アフリカ共和国やナミビアなどは政府取り分が50~60%と比較的良好な財務条件と言われている。


[1] APTは会社がプロジェクトのネットキャッシュフロー(NCF)で指定された収益率(IRR)を超えた場合にのみ請求される。APTは3段階になっており、第1段階は1991年石油法で定められている通り25%。第2段階、3段階は交渉によって設定されることとなっている。


2. ナミビア探鉱の概観

最初の探鉱井は1927年まで遡るが、最初の炭化水素の発見は1974年のChevronによるナミビア沖合130キロメートルのOrange堆積盆地(水深170メートル)でのKuduガス田の発見である。Kuduガス田は1.3Tcfの可採埋蔵量と2.8百万バレルのコンデンセートがあると推定されている。しかし、商業生産に足る十分な経済性が見込まれないため、今日までガス田は開発に至っていない。Kuduガス田の現在の権益保有者はBW Offshore(オスロ上場)(権益比率:56%)とNAMCOR(権益比率:44%)である。BW OffshoreとNAMCORはKudu gas to powerプロジェクトを検討しているが、ナミビア国営電力公社のNamPowerは5年スパンの戦略計画にKudu gas to powerプロジェクトを含めておらず、また、2018年にはエネルギー大臣が当該プロジェクトの実現は困難かもしれないと発言するなど、先行きは不透明である。

ブラジルのサントス、カンボス盆地との地質相関性があると見込まれたナミビア深海に期待が高まったことから、2010年以降もBP、Petrobrasなど深海探鉱に定評のある企業やChariot Oil & GasやHRTなどの中小独立系企業も次いでナミビアの探鉱に参加した。しかし、これらの探鉱は不成功に終わり、油価の低迷も相まって探鉱活動は低下していったのだが、2019年に入り、ExxonMobil、Total、Qatar Petroleumがナミビアの探鉱鉱区に参加、あるいは権益を増加させるなど、新たな動きが見られる。最近の動きを図1、表1にまとめた。

図 1:アンゴラ南部、ナミビア、南アフリカにおける主な探鉱鉱区
図 1:アンゴラ南部、ナミビア、南アフリカにおける主な探鉱鉱区
(各種資料に基づきJOGMEC作成)
表 1:最近鉱区参入のあったナミビア沖合鉱区
鉱区 最近の動き
Block 1711, 1811A
Namibe盆地
水深0~2,400メートル
2012年:Chariot Oil & Gas探鉱井掘削(ドライ)
2019年4月:ExxonMobilファームイン(権益比率:ExxonMobil 85%、NAMCOR 15%)。
2019年11月、PGS地震探鉱開始
Block 1710, 1810
Namibe盆地
水深4,000メートル
2010年2月:AlphaPetroにライセンス付与(権益比率:AlphaPetro 100%)、2014年2月同ライセンス失効
2019年4月:ExxonMobilがナミビア政府及びNAMCORと契約署名。(権益比率:ExxonMobil 90%、NAMCOR 10%)
2019年11月:PGSが地震探鉱開始
Block 2913B
Orange盆地
水深北部2,500メートル、南部3,400メートル
2012年6月:Grisham Assets CorpがOfficial Award
2013年11月:Black Star Petroleum Ltdにオペレーター変更(2014年4月、Impact Oil & Gas Ltdによる買収)
2017年7月:Totalファームイン(権益比率:Total 70%、Impact Oil & Gas 20%、NAMCOR10%)
2019年8月27日:Qatar Petroleumファームイン(権益比率:Total 40%、QP 30%、Impact Oil & Gas 20%、NAMCOR 10%)
2019年11月:Total、探鉱井Venus1を2020年第2四半期に掘削予定と発表。
Block 2912
Orange盆地
水深3,000~4,000メートル
2018年5月:TotalがOfficial Award(権益比率:Total 85%、NAMCOR 15%)
2019年2月:Impact Oil & Gasファームイン(権益比率:Total 66.11%、Impact Oil& Gas 18.89%、NAMCOR 15%)
2019年8月27日:Qatar Petroleumファームイン(権益比率:Total 37.78%、QP 28.33%、Impact Oil & Gas 18.89%、NAMCOR 15%)

(各種資料に基づきJOGMEC作成)    


3. 隣国南アフリカにおけるTotalのガス発見

2019年2月、Totalは南アフリカ南部沖合175キロメートルに位置するOuteniqua Basin下部白亜系で層厚57メートル(Net)のガス・コンデンセート層を発見した。南アフリカ西部Block 5、6、7では2019年4月にShellがAnadarko鉱区にファームインした。このような動きがナミビアにおける探鉱活性化にもつながっているのではないかと思われる。

  • Brupadda prospects(Bock 11B, 12B)
    権益比率:Total 50%
    離岸距離:175キロメートル、水深:200~1,800メートル、面積:19,000平方キロメートル
    権益比率:Total 45%(オペレーター)、Qatar Petroleum 25% CNR International 20% South Africa consortium 10%
  • Bock 5, 6, 7
    2019年4月、AnadarkoはShellに40%の権益を売却。
    Anadarkoは引き続き40%の権益を保有するオペレーターであるが、Total - Occidentalのディールが完了すれば、TotalがAnadarkoの40%の権益とオペレーターを引き継ぐ。
    鉱区面積は8万1,000平方キロメートルで、Orange Sub Basinに位置する。
    権益比率:Anadarko 40%(オペレーター)、Shell 40%、PetroSA 20%

4. まとめ

Totalはプレスリリースで、「南アフリカとナミビアを含む南部アフリカは大水深開発のホットスポットであり、ほぼ未探鉱の戦略的エリアは、アフリカ大陸のE&Pの潜在的成長推進力である」と述べている。ナミビアはブラジルとの地質相関性でポテンシャルがあり、財務条件が比較的良好と考えられるため、油価の上昇に伴い今後メジャーズの投資がさらに活発化する可能性もあり、今後の動向が注目される。

以上

(この報告は2020年1月17日時点のものです)

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。