ページ番号1008782 更新日 令和2年6月18日

ノルウェー: 石油・天然ガス産業支援策を承認(短報)

レポート属性
レポートID 1008782
作成日 2020-06-18 00:00:00 +0900
更新日 2020-06-18 14:10:28 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者 川田 眞子
著者直接入力
年度 2020
Vol
No
ページ数 3
抽出データ
地域1 欧州
国1 ノルウェー
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 欧州,ノルウェー
2020/06/18 川田 眞子
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概要

  • ノルウェー議会は、6月12日、石油・天然ガス産業を支援する財政支援策を承認した。内容は新規の設備投資に対する減税措置等で、新規の投資を促す内容になっている。
  • Covid-19の流行と油価の下落は、ノルウェーの石油・天然ガス産業にも例外なく打撃を与えた。既存の油ガス田からの生産や探鉱・開発作業スケジュールへの影響は少ないものの、新規のプロジェクトへの投資が減少し、2021年には今年の水準から20%落ち込むという予測もある。新しい支援策は、このような投資の落ち込みを抑える目的がある。
  • 財政支援の決定を受けて、ノルウェーの企業は新規プロジェクトを進める決定をしている。Aker BPはHod油田の開発移行、またEquinorはSleipnerガス田における電化プロジェクトを発表した。
  • 支援策については関係者の間で意見の対立も見られたが、政府と議会の各政党と業界が対話を継続し、今回の議会承認に至った。支援策発表後ただちに企業の前向きな反応があったが、このような投資を促進する効果がが継続するのか注視される。

1. 石油・天然ガス産業への財政支援策: 新規プロジェクトへの投資を促進

ノルウェー議会は、6月12日、財務省により提出された石油・天然ガス産業を支援する財政支援策を承認した。具体的には、企業の設備投資に対しての100%の法人税額控除(通常6年間での減価償却)、設備投資のアップリフト(石油特別税での追加控除)の引き上げ(20.8%→24%)等を含む。この財政支援策の効果について、財務省は「2020年~2021年の間に100億ドル近くのキャッシュフローを業界にもたらす」と試算している。この財政支援策は企業の継続的な投資を促進するために税制を一時的に変更するものであり、ノルウェーの法人税率78%に変更はない。

 

2. Covid-19流行と油価の下落: 2021年の上流投資額は、2020年比20%減の見通し→支援策の必要性

Covid-19の流行と油価の下落は、ノルウェーの石油・天然ガス産業にも例外なく打撃を与えた。Equinorをはじめとする石油・天然ガス企業は相次いで支出削減を発表した。また、OPEC+の協調減産を受けて、ノルウェー政府も独自に減産を行うことを発表し、ノルウェーで活動する企業に減産を命じた。その減産量は2020年6月は25万b/d、7月~12月は13.4万b/dと言われており、生産量に比例して各社にあてがわれた模様である。企業はこれに従い、既存油田の減産や新規油田の開発延期を発表した。

上流部門への影響は、特に来年顕著に表れるとみられている。ノルウェー統計局(SSB)は、今年のノルウェー上流部門への投資額を190億ドルと予想しており、これは2019年をわずかに上回る数値である。その代わり、2021年には20%落ち込み、投資額が153億ドルにとどまると述べている。その理由は、すでに開発決定がなされて工事等の作業が進行中のプロジェクトについては、この削減の影響を受けることはなく、一方で新規の探鉱や開発決定がなされていないプロジェクトが削減対象となるためである。しかしSSBは、政府の産業支援策により投資額の減少幅は抑えられると指摘している。

 

3. 財政支援策に対する企業の反応: Aker BPとEquinorが続々と投資発表

財政支援を受けて、ノルウェーの企業は新しいプロジェクトを発表している。

まず、Aker BPがHodプロジェクトの開発作業の意思決定を行った。今年3月には油価の急落を受けて開発移行が保留されていたものである。Hodプロジェクトの埋蔵量は4,000万boeと見込まれており、ノルウェー領北海のValhall油田に繋ぎこまれる予定である。

また、Equinorも、ノルウェー政府の財政支援の決定を受けて、再生可能エネルギーを利用した電力をSleipnerガス・コンデンデート田に供給する計画を発表した。この取り組みは、同エリアのJohan Sverdrup油田やGina Krog油ガス田と同様に、海洋でのオペレーションに伴う温暖化ガス排出量の削減を目的としている。

両企業とも、油価下落を受けて今年の支出計画を20%削減するとしていたが、財政支援の効果が早速現れた形となっている。

 

4. まとめ

支援策については、当初は関係者の間で意見の対立も見られたが、政府と議会の各政党と業界が対話を継続し、今回の発表に至った。支援策発表後ただちに企業の前向きな反応があったのは、支援策の効果についての良い兆候だろう。

しかし、長期的にはどうなるか。ノルウェー石油管理局(NPD)は、ノルウェー大陸棚の資源のうち、現在までに生産されているのは48%と発表している(図1参照)。上述のプロジェクトに加えて、他のプロジェクトや他の企業の投資発表が待たれる。

 

図1:ノルウェーにある資源がどれくらい開発されているか
図1:ノルウェーにある資源がどれくらい開発されているか
(NPDより引用)

 

以上

(この報告は2020年6月18日時点のものです)

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