ページ番号1009221 更新日 令和3年12月24日
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概要
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)では、海外でのエネルギー関連展示会への出展をしています。中でもADIPECは中東では最大級の展示会であり、JOGMECは(石油公団時代も含め)1998年以降2019年まで15回連続で出展しており、2021年も出展しました。ADIPEC2021では、アブダビ石油株式会社、コスモエネルギー開発株式会社、JX石油開発株式会社と共同での出展にご協力頂きました。
ここでは、ADIPEC2021でのJOGMECの活動についてご紹介します。
1. 海外展示会出展の目的
JOGMECの出展する海外展示会では、JOGMECおよび民間共同出展者の技術や取組みを紹介し、我が国企業の技術力のアピールと、プレゼンス向上を目指しています。また、併催される国際会議に参加し現地での情報収集やセッションでの発表を行うとともに、主要国との資源外交も積極的に展開することとしています。
2. JOGMECのブース概要
ADIPECは毎年Abu Dhabi National Exhibition Centreで行われています。今回、JOGMECは来場者に対するブースのアピアランス効果が高いホール7のエントランス近くに面した位置を確保しました。ブースは、四方から来訪者が入りやすいデザインとし、メインの展示は視認性の高い内照式の大きく明るいパネルや来場者動線にモニターを設置しました。
3. 出展コンテンツ
JOGMECが今回出展した内容は、(1)機構紹介、(2)カーボンニュートラルイニシアティブの紹介、(3)CCSへの取組み、(4)セラミック膜随伴水処理技術、(5)ゼオライト膜を用いたCO2分離技術、(6)石灰質ナンノ化石の自動同定に基づく年代測定をパネルで紹介しました。今回は、CCS推進グループ河野施設技術チーム員がプレゼンを行ったカーボンニュートラルとCCSについての動画を、100インチのモニターで放映し、JOGMECの取組みを効果的に発信しました。また、セラミック膜随伴水処理技術については、実験模型による来訪者へ実演を行い、セラミック膜寿命の実績データに加え実証試験機の保有の有無などの質疑応答が活発に行われるなど来訪者の関心の高さが伺えました。
4. 現地のコロナ対策について
アブダビでは、商業施設や教育機関など公共スペースへ立ち入るには、ワクチン接種状況やPCR検査の結果を管理する政府の専用アプリ「AlHosn」で「グリーンパス」を保持することが必要となります。ADIPECへ入場の際は毎回アプリの画面を係員に見せ、セキュリティの荷物検査を通りました。会場内ではマスク着用を義務付けられており、ブースや飲食スペースの定期的な消毒が実施されていました。ADIPEC2021の来場者数はおよそ10万人で、例年11万~14万人程の来場者数から比べると多少減りましたが、コロナ禍でも多くの人が会場に足を運んでおり、石油技術開発への関心が大きいことが伺えました。
5. 他国ブースについて
ADIPECでは世界各国からブースが出展されています。大きなプロジェクターを使用し、来訪者の目を引くブースや、ブース内でプレゼンを実施する企業もあり、立ち寄って聞いている来訪者も多くいました。アラブ首長国連邦の国営石油会社ADNOCブース周辺は特に来訪者が多く集まっていました。
6. 会議参加について
JOGMECの出張者はADIPEC会議におけるパネル登壇・講演を通じて日本及びJOGMECのプレゼンス拡大を図りました。細野理事長が「Perspectives on Innovation: Partnership: a catalyst for technological innovation」に登壇し、低炭素社会実現に向けて政府系機関の果たすべき役割、および今後のあるべき姿について紹介し、その中で技術の果たす役割について述べました。また、江波戸理事が「Looking around the corner: how will technology create new opportunities and unlock future value」へ登壇し、技術による新たな可能性の開拓を目指した機構の戦略を紹介し、具体的な取り組みとしてアブダビでのアンモニアFS他、低炭素実現への取り組み概要等、活発な議論がなされました。
テクニカルセッションでは、とりわけSUSTAINABLE DEVELOPMENT AND ENVIRONMENTAL STEWARDSHIPのカテゴリーにて、CCS推進グループ岡部地下評価技術チームリーダー(TL)と技術部施設技術課川村担当調査役が複数のセッションで座長を務めました。また、Carbon Footprint Managementのセッションでは、岡部TLが「Fuel Ammonia From Fossil Energy: Hydrocarbon Utilization for Sustainable Development」を、Seismic Reservoir Characterizationのセッションでは、技術部探査技術課毛利課長代理が「Application of FWI to Time-lapse Walkaway VSP Data for CO2-EOR Monitoring in Abu Dhabi: A Feasibility Study on Field and Synthetic Data」を発表し、参加者より多くの質問を受けました。
7. 終わりに
海外展示会もコロナ禍でオンラインでの実施もされる状況ですが、来訪者に対面でJOGMECの取組みの説明をすることでプレゼンスを示すメリットも依然としてあると考えます。コロナの感染防止対策を実施しながら、どのように運営を行えば最大限展示会を活用できるのか、課題もありますが、工夫を凝らして考えていかなければならないと感じました。今後のADIPECおよび海外展示会への取組み方針について検討される際に、今回の報告が一助となれば幸いです。
以上
(この報告は2021年12月15日時点のものです)