ページ番号1009225 更新日 令和4年1月5日

原油市場他:OPEC及び一部非OPEC(OPECプラス)産油国が従来方針に基づき2022年2月についても前月比で日量40万バレル減産措置を縮小する旨決定(速報)

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レポートID 1009225
作成日 2022-01-05 00:00:00 +0900
更新日 2022-01-05 11:19:43 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
著者直接入力
年度 2021
Vol
No
ページ数 10
抽出データ
地域1 グローバル
国1
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 グローバル
2022/01/05 野神 隆之
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概要

  1. 2022年1月4日にOPEC及び一部非OPEC(OPECプラス)産油国は閣僚級会合を開催し、2021年8月以降毎月前月比で日量40万バレル規模を縮小しながら実施中である減産措置(2022年1月現在日量336万バレル)につき、従来方針に基づき2022年2月も日量40万バレル規模を縮小して実施する旨決定した。
  2. 次回のOPECプラス産油国閣僚級会合は2月2日に開催される予定である。
  3. 2021年12月2日の前回のOPECプラス産油国閣僚級会合開催以降、新型コロナウイルスオミクロン変異株感染者の入院確率及び重症化確率が高くないとの見方が広がったことにより、世界経済成長減速と石油需要の伸びの鈍化懸念が市場で後退したこともあり、12月1日には1バレル当たり65.57ドルの終値であった原油価格(WTI)は1月3日には同76.08ドルとなるなど概ね上昇傾向となった。
  4. 他方、11月29日には1ガロン当たり3.478ドルであった全米平均ガソリン小売価格は1月3日時点には同3.381ドルへと下落したものの、依然として消費者の不満が増大し始める同3ドルを相当程度上回ったままとなっていることに加え、12月10日に米国労働省から発表された11月の同国消費者物価指数(CPI)が前年同月比で6.8%の上昇と、1982年6月以来の高水準に到達した他、12月14日に同省から発表された11月の同国生産者物価指数(PPI)が前年同月比で9.6%上昇と、2010年以降の同国月間生産者物価指数統計史上最高水準に到達した。
  5. このようなこともあり、2022年の世界石油需給バランスが供給過剰に振れるとの予想から、原油価格下落を抑制すべくOPECプラス産油国が減産措置縮小を見送ることは、かえって原油価格の一層の上昇、及び全米平均ガソリン小売価格の高騰を招くとともに、物価上昇に苦しむ米国経済をさらに困窮させることが想定された。
  6. そしてその場合、OPECプラス産油国と米国との関係が悪化すると見られることにより、OPECプラス産油国は米国に配慮して従来方針通り減産措置の縮小を決定したものと考えられる。
  7. また、今回のOPECプラス産油国閣僚級会合での減産措置を巡る決定に際しては、ロシアのノバク副首相が、新型コロナウイルスオミクロン変異株を巡っては不透明感は残るものの、世界石油需要への影響は殆どない旨の見解を明らかにするなどしており、OPECプラス産油国がこの先の世界石油需給引き締まり及び原油価格の維持に対し自信を深めつつあることも示唆された。
  8. 今回の閣僚級会合に際し、新型コロナウイルスオミクロン変異株が世界石油需要に与える影響は限定的なものであるとのOPECプラス産油国の認識が示唆されたことにより、世界石油需給緩和感が市場で後退したことが一因となり、原油相場に上方圧力が加わったことから、1月4日の原油価格は前日末終値比で1バレル当たり0.91ドル上昇し同76.99ドルの終値となっている。

(OPEC、IEA、EIA他)

 

1. 協議内容等

 (1) 2022年1月4日にOPEC及び一部非OPEC(OPECプラス)産油国はビデオ会議形式で閣僚級会合を開催し、2021年7月18日に開催されたOPECプラス産油国閣僚級会合で決定した、8月以降毎月前月比で日量40万バレル規模を縮小しながら実施中である減産措置(1月時点で日量336万バレル)に関し、従来方針に基づき2022年2月についても日量40万バレル規模を縮小して実施する旨決定した(表1及び参考1参照)。

表1 OPECプラス産油国の減産幅

 (2) また、これまで減産目標を達成できていない減産措置参加産油国が2022年6月末までに減産目標未達成部分につき追加減産を実施(することにより減産目標を達成)することを含め、減産目標の完全遵守に固執することが極めて重要である旨再確認した。

 (3) さらに、次回のOPECプラス産油国閣僚級会合を2月2日に開催する旨当該会合で決定した。

 (4) 2021年12月2日に開催された前回OPECプラス産油国閣僚級会合では、新型コロナウイルスオミクロン変異株感染拡大を巡る不透明感があったことにより、石油市場の状況を監視するとともに事態の急変に速やかに対応できるようにすべく当該会合を終了しないこととした(なお、1月4日の今次OPECプラス産油国閣僚級会合開催に際し、12月2日に開催されたまま終了していなかった前回の閣僚級会合の終了がサウジアラビアのアブドルアジズ エネルギー相により宣言された旨伝えられる)ものの、今回の当該閣僚級会合においては当該会合を終了したことにしないという措置は採用されなかった。

 (5) 今回の閣僚級会合開催に際し、ロシアのノバク副首相は、新型コロナウイルスオミクロン変異株の感染拡大を巡る不透明感は継続しているものの、当該変異株は石油需要には殆ど影響していない旨明らかにしており、OPECプラス産油国がこの先の世界石油需要の回復、世界石油需給バランスの引き締まり及び原油価格の維持に対し自信を深めつつあることが示唆されており、これが当該会合を終了したことにしないという措置を採用しなかった背景であったものと考えられる。

 (6) なお、今回の閣僚級会合において、サウジアラビアの原油生産目標が日量1,023万バレルとなり、新型コロナウイルス感染が世界的に拡大する前の2019年12月6日に開催されたOPECプラス産油国閣僚級会合時に決定した、2020年1月の同国の原油生産目標である推定同1,014万バレルを上回る格好となっている。

 (7) また、1月3日にはOPEC産油国による特別会合が開催され、2022年7月31日に任期(1期3年間を2期で計6年間)満了となるナイジェリアのバルキンド事務局長の後任として、クウェートのアルガイス(al-Ghais)元OPEC理事を次期事務局長として選出した(2022年8月1日就任予定、任期3年)。

 

2. 今回の会合の結果に至る経緯及び背景等

 (1) 2021年12月2日に開催された前回のOPECプラス産油国閣僚級会合では、2021年7月18日に開催された当該閣僚級会合で決定した方針に則り、2022年1月のOPECプラス産油国減産措置を前月比で日量40万バレル縮小する旨決定した。

 (2) 新型コロナウイルスワクチン接種普及拡大等に伴う個人の外出規制及び経済活動制限の緩和等による世界石油需要回復期待の市場での増大を一因とする原油価格上昇に対し、米国バイデン政権は減産措置縮小(つまり増産)加速を通じ原油価格を抑制するようOPECプラス産油国に働きかけたにもかかわらず、11月4日に開催された前々回のOPECプラス産油国閣僚級会合では減産措置縮小加速が見送られたこと等により、11月9日には原油価格(WTI)が1バレル当たり84.15ドルと、10月26日の84.65ドル(2014年10月13日(この時は同85.74ドル)以来約7年ぶりの高水準)以来の高水準の終値に到達する場面が見られた。

 (3) 他方、OPECプラス産油国は、新型コロナウイルス感染の世界的流行第四波が到来する恐れがあったこと、及び2022年はそもそも世界石油需給バランスが供給過剰に振れる結果、世界石油需給緩和感が市場で強まるとともに原油価格が下落する恐れがあったことを理由として、米国の増産要求を事実上拒否し続けた。

 (4) そして、原油価格上昇に伴い11月8日には全米平均ガソリン小売価格が1ガロン当たり3.505ドルの水準に到達、米国国民のバイデン政権に対する不満が増大しつつある旨示唆された(11月14日にはバイデン大統領の支持率が2021年1月20日の大統領就任以来最低の41%にまで落ち込んだ旨明らかになった)こともあり、11月23日には米国政府が戦略石油備蓄(SPR)5,000万バレルを市場へ供給する旨発表した。

 (5) このような状況下で、2022年1月につき前月比で日量40万バレルの減産措置縮小実施を見送る決定を行った場合、原油価格高騰沈静化のためOPECプラス産油国に働きかけ続けてきた米国との関係が悪化する恐れがあったことから、米国に配慮すべく、12月2日に開催されたOPECプラス産油国閣僚級会合では、サウジアラビアをはじめとするOPECプラス産油国は2022年1月につき前月比で日量40万バレルの減産措置縮小を決定し、市場での石油需給引き締まり感を後退させることを通じ原油価格の上昇抑制を図った。

 (6) ただ、オミクロン変異株を含む新型コロナウイルス感染拡大を巡る将来展望が不透明であったことに加え、2022年に入ると恒常的に石油供給が需要を超過する状況が出現する可能性が高まる旨懸念されたことから、OPECプラス産油国としては、石油需給を巡る環境急変の影響が原油相場に大きく及ばないうちに、減産措置の再調整等の対応策を実施できるよう、2021年12月2日に開催したOPECプラス産油国閣僚級会合は終了したことにしないこととした。

 (7) しかしながら、12月2日のOPECプラス産油国閣僚級会合以降、新型コロナウイルスオミクロン変異株感染者の入院確率及び重症化確率がそれほど高くないとの見方が広がった(新型コロナウイルスオミクロン変異株感染症は1年前の同ウイルス感染症とは異なり、入院したとしても短期にとどまるなど症状が比較的軽微である旨英国オックスフォード大学のベル教授が明らかにした旨12月28日に伝えられるなどしている)こともあり、世界経済成長減速と石油需要の伸びの鈍化懸念が市場で後退したことが一因となり、12月1日には1バレル当たり65.57ドルの終値であった原油価格(WTI)は1月3日には同76.08ドルとなるなど概ね上昇傾向となった(図1参照)。

図1 原油価格の推移(2021~22年)

 (8) 他方、11月29日には1ガロン当たり3.478ドルであった全米平均ガソリン小売価格は1月3日時点においても同3.381ドルと、依然として消費者の不満が増大し始める同3ドルを相当程度上回ったままとなったこと(図2参照)に加え、12月10日に米国労働省から発表された11月の同国消費者物価指数(CPI)が前年同月比で6.8%の上昇と、10月の同6.2%から上昇率が拡大、1982年6月(この時は同7.1%の上昇)以来の高水準に到達した他、12月14日に米国労働省から発表された11月の同国生産者物価指数(PPI)も前年同月比で9.6%上昇と、10月の同8.8%の上昇から上昇率が拡大、2010年以降の同国月間統計史上最高水準に到達した。

図2 米国ガソリン平均小売価格(2019~22年)

 (9) また、現時点では新型コロナウイルスオミクロン変異株感染の症状が限定的でありかつ短期的である結果、2022年前半に石油消費国が4,000万バレルの備蓄石油を市場に供給したうえ、同年第三四半期に米国が1,330万バレルの石油を備蓄施設に再充填(つまり返還)した場合でも、2022年第一四半期から第三四半期にかけてはOECD諸国石油在庫が2015~19年の平均値を下回るなど、OPECプラス産油国が従来方針通り毎月前月比で日量40万バレル減産措置縮小を継続したとしても、世界石油需給は必ずしも大幅に緩和するわけではないとの見解をOPEC事務局が取り纏めた(と1月2日に伝えられた)。

(10) このようなこともあり、2022年の世界石油需給バランスが供給過剰に振れる可能性があることにより先制的に原油価格下落を抑制すべく減産措置縮小を見送ることは、かえって原油価格の一層の上昇、及び全米平均ガソリン小売価格のさらなる高騰を招くとともに、物価上昇に苦しむ米国経済がさらに困窮する恐れがあるものと見られた。

(11) そしてその場合、OPECプラス産油国と米国との関係が悪化する可能性が高まることから、そのような事態に陥ることを回避すべく米国に配慮するため、OPECプラス産油国は従来方針通り減産措置の縮小を決定したものと考えられる。

(12) 今般のOPECプラス産油国閣僚級会合での決定に対し、米国バイデン政権国家安全保障会議(National Security Council)報道官は、2022年2月に前月比で日量40万バレルの減産措置の縮小を決定したことを歓迎する旨明らかにしたと1月4日に報じられる。

(13) また、米国バイデン政権は、世界経済が回復する際に供給が需要を満たすことにより米国のガソリン小売価格が下落することに注目しており、最近数週間に渡るサウジアラビアやUAEを初めとしたOPECプラス産油国による原油価格上昇圧力緩和に向けた緊密な協力に米国は感謝するとともに、OPECプラス産油国の今回の決定は世界経済回復を支援するものであるとして評価する旨同日伝えられる。

 

3. 原油価格の動き等

 (1) 感染者の入院確率及び重症化確率が必ずしも高くないとされるものの、感染力が強いことで世界保健機関(WHO)を初めとする国際機関、研究所及び各国政府関係者等が警戒するよう警告する新型コロナウイルスオミクロン変異株の感染が拡大しつつある中、今回のOPECプラス産油国閣僚級会合で従来方針通り2022年2月につき前月比で日量40万バレル減産措置を縮小する旨合意されたものの、併せて新型コロナウイルスオミクロン変異株が世界石油需要に与える影響は限定的なものであるとのOPECプラス産油国の認識が示唆されたことにより、世界石油需給緩和感が市場で後退したことが一因となり、原油相場に上方圧力が加わったことから、1月4日の原油価格(WTI)の終値は1バレル当たり76.99ドルと前日終値比で同0.91ドルの上昇となった。

 (2) また、OPECプラス産油国閣僚級会合を前にしてロシア、アンゴラ及びナイジェリア等の一部OPECプラス産油国は、投資不足等の影響から足元で設定されている原油生産目標を充足できない可能性がある旨指摘されたことも、石油需給緩和に対する市場心理を抑制する形で作用した結果、原油相場を支援する格好となった。

 (3) 米国では当面最終消費段階では冬場の暖房シーズンに伴う暖房用石油製品需要期はなお続く(暖房シーズンは概ね11月1日から翌年3月31日までである)ものの、製油所の段階では、概ね1月後半以降、暖房用石油製品の生産が一段落するとともに、春場のメンテナンス作業実施時期が視野に入ることで、その時期に向け製油所は稼働を引き下げ始めるとともに、原油の購入を不活発にしてくる。

 (4) このため、原油に対する需要がこの先低下するとの観測を含め、季節的な石油需給の緩和感が市場で醸成されやすくなることから、この面で原油相場に下方圧力が加わる可能性がある。

 (5) また、現時点では感染者の入院確率及び重症化確率がそれほど高くないとされる新型コロナウイルスオミクロン変異株についても、今後の感染状況(既に世界全体ではオミクロン変異株を含む新型コロナウイルス感染者数は12月30日時点で推定181万人超と過去最高水準を記録している)及び医療体制逼迫状況、そしてこの先明らかになるであろう実際の感染者の入院確率及び重症化確率を含む、当該変異株の特性によっては、世界各国及び地域が都市封鎖等を含む個人の外出規制及び経済活動制限等の感染抑制策を強化しなければならなくなることから、世界経済成長及び石油需要の回復期待が市場で後退することにより原油相場に下方圧力が加わるといった展開となる可能性も否定できない。

 (6) ただ、原油価格が急激に下落し始めた場合、もしくは急激に下落する兆候が見られた場合、OPECプラス産油国は、まず、減産措置の再調整実施の意向を示唆する発言等の口先介入を行うことにより、原油価格下落を抑制しようと試みるものと見られる。

 (7) そのようないわゆる口先介入で以てしても原油価格の下落が抑制されないようであれば、実際にOPECプラス産油国間で減産措置の再調整に関する議論を実施、そして状況によっては再調整した減産措置を実行に移すことにより、原油価格の下落を防止しようとするものと考えられる。

 (8) もっとも、1月3日時点の全米平均ガソリン小売価格が1ガロン当たり3.381ドルであるとともに同国CPI及びPPIの上昇率が高水準であることに伴い、そのような物価高騰にバイデン政権が取り組み続けなければならない米国に配慮する必要があることから、少なくとも米国全米平均ガソリン小売価格が十分下落し続ける(例えば1ガロン当たり3ドル方向に向け下落を継続する)ことにより、米国の物価上昇が頭打ちとなる兆候が見られるようでなければ、OPECプラス産油国の減産措置縮小の再調整に向けた行動がもたつき気味となることにより、一時的にせよ原油価格が下落し続ける場面が見られることもありうる。

 (9) 他方、暖房用石油製品需要の中心地である米国北東部において、この先平年を割り込む気温が継続したり、気温が平年を割り込む旨の予報が発表されたりすると、一時的であれ、市場での暖房油需給の引き締まり感の強まりから、暖房油価格、そして原油価格が上昇する可能性もある。

(10) また、今後さらに新型コロナウイルスオミクロン変異株の石油需要への影響がそれほど深刻ではないことを示唆する情報が出てきた場合には、石油需要の回復と石油需給引き締まりに対する観測が市場で増大する結果、原油相場に上方圧力が加わるといった展開も想定される。

(11) さらに、11月29日より断続的に実施されているイラン核合意正常化を巡るイランと西側諸国等との協議において、具体的な協議期限は設定されていないものの、西側諸国等は今後数週間で当該協議を終了させる意向であると、12月27日に当該協議で仲介役を務める欧州連合(EU)欧州対外活動庁のモラ事務次長が明らかにしている一方、イランは米国の対イラン制裁の全面解除を要求する姿勢を維持している(そして米国はそれを受け入れることは困難である旨明らかにしている)こともあり、数週間の協議で妥結に至ることができなかった後、米国等が対イラン制裁強化等を含む措置の検討に入る結果、イランと西側諸国等との対立が高まるとの観測が市場で強まることにより、そのような状況が原油相場に織り込まれることも否定できない。

(12) また、当該協議の実施過程においては、ペルシャ湾でのタンカー等の船舶攻撃やイエメンのフーシ派武装勢力(イランが支援しているとされる)と敵対する、イエメンのハディ暫定政権を支援するサウジアラビアに向けミサイルや無人攻撃機等を発射する等することにより、中東地域等からの石油供給途絶懸念が市場で高まることを通じ、原油相場に上方圧力が加わる場面が見られることもありうる。

(13) ただ、このような場合、全米平均ガソリン小売価格が上昇する他、米国CPI及びPPIの上昇率が高水準に到達すると予想されることから、これらの物価上昇による米国経済への悪影響を懸念する同国バイデン政権からOPECプラス産油国への減産措置縮小加速に対する働きかけが強まる一方、OPECプラス産油国がそのような米国の意向に沿って減産措置の縮小を加速する方向で再調整する結果、原油価格の上昇が抑制されるといった展開も想定される。

(14) しかしながら、米国による減産措置縮小加速への働きかけにもかかわらず、新型コロナウイルスオミクロン変異株による感染拡大の世界経済及び石油需要への影響、そしてこのまま毎月日量40万バレルの減産措置縮小を継続した場合2022年は全体として世界石油供給が需要を上回るといった、いわゆる供給過剰の状態となること(表2参照)に伴い、原油相場に下方圧力が加わることによる原油収入減少を不安視するOPECプラス産油各国の、当該措置実施に向けた意思決定が後手に回る結果、一時的にせよ原油価格が上振れする場面が見られる可能性もある。

表2 世界石油需給バランスシナリオ(2022年)(1月4日OPECプラス産油国閣僚級会合開催時点)

(15) さらに、今後の季節的な石油需給状況、ワクチン開発及び接種普及状況を含む新型コロナウイルス感染状況、米国金融政策の動向、そしてそれら要因を反映した原油価格の変動具合等を考慮しつつ、2月2日に開催される次回OPECプラス産油国閣僚級会合では3月以降の減産措置の取り扱いにつき検討が行われるものと考えられるが、それ以前に事態が急変する、もしくは急変する兆候が見られるようであれば、OPECプラス産油国は次回閣僚級会合開催を待たずして、減産措置縮小再調整等に向け行動することもありうる。

 

(参考1:2022年1月4日開催OPECプラス産油国閣僚級会合時声明)

24th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting

No 02/2022
Vienna, Austria
04 Jan 2022

 

Following the formal conclusion of the 23rd OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting (ONOMM) held via videoconference on Thursday December 2, 2021, and in view of current oil market fundamentals and the consensus on its outlook, the OPEC and participating non-OPEC oil-producing countries:

  1. Reaffirm the decision of the 10th OPEC and non-OPEC Ministerial meeting on 12th April 2020 and further endorsed in subsequent meetings including the 19th OPEC and non-OPEC ministerial meeting on the 18th July 2021.
  2. Reconfirm the production adjustment plan and the monthly production adjustment mechanism approved at the 19th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting and the decision to adjust upward the monthly overall production by 0.4 mb/d for the month of February 2022, as per the attached schedule.
  3. Reiterate the critical importance of adhering to full conformity and to the compensation mechanism taking advantage of the extension of the compensation period until the end of June 2022. Compensation plans should be submitted in accordance with the statement of the 15th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting.
  4. Decided to hold the 25th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting on 2 February 2022.

 

以上

(この報告は2022年1月5日時点のものです)

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