ページ番号1009281 更新日 令和4年2月28日

ロシア情勢(2022年1月 モスクワ事務所)

レポート属性
レポートID 1009281
作成日 2022-02-28 00:00:00 +0900
更新日 2022-02-28 15:09:30 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者 豊島 厚二小松 弘希
著者直接入力
年度 2021
Vol
No
ページ数 14
抽出データ
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2022/02/28 豊島 厚二 小松 弘希
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1. 政治・経済情勢

(1) 国内

政治・経済

2021年連邦予算は5,148億ルーブルの黒字
  • 財務省は、1月19日、2021年の連邦予算の暫定結果を発表し、5,148億ルーブルの黒字であったと明かした。
  • 歳入は約25兆2,865億ルーブルで、予算計画と比較して、134.8%となった。このうち、非石油ガス収入は16兆2,300億ルーブルで予算計画を27.0%上回り、更に、石油ガス収入は9兆0,565億ルーブルで予算計画よりも51.3%上回った。また、歳出は24兆7,718億ルーブルで、予算計画と比較して115.1%だった。
  • 歳入・歳出共に過去10年間で最大となり、収支は2020年の赤字から黒字へと改善した一方、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の1兆9,676億ルーブルの黒字と比較して、低い黒字幅に留まった。
参考:ロシア連邦予算推移
参考:ロシア連邦予算推移
出典:財務省公表情報よりJOGMEC作成

(2) 対外関係

1) カザフスタン、集団安全保障条約機構(CSTO)

CSTO理事会の臨時会合を開催し、カザフスタン騒乱への対応を議論
  • プーチン大統領は、1月10日、CSTO理事会の臨時会合にオンライン形式で参加し、カザフスタン騒乱の状況及びその正常化に向けた措置について議論を行った。会議には、CSTO加盟国である6カ国から、アルメニアのパシニャン首相、ベラルーシのルカシェンコ大統領、カザフスタンのトカエフ大統領、キルギスのジャパロフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領他が出席した。
  • 冒頭、トカエフ大統領は、カザフスタン騒乱の経緯について紹介し、武装デモの首謀者が、燃料価格(LPG)の高騰を口実として、大勢の国民の不満を利用して扇動したが、政府が燃料価格を暫定価格に置き換える措置を行った後もなお、抗議活動を装った暴動を継続しており、実際は、現在の政治体制を崩壊させるクーデターを企てたテロ行為であると批判した。これに対し、CSTOは、これまでに2,030人の平和維持部隊と250の軍事設備を配備し、対応に当たっていると述べ、カザフスタンの正常化に向けて、CSTOの集団安全保障メカニズムが効果的に機能していることを強調した。また、既に約8,000人が、テロ、殺人、略奪及びその他犯罪への関与により警察当局に連行されており、116の武器が押収されたことを明らかにした。
  • プーチン大統領は、CSTOが講じた措置は、ロシアを含むCSTO加盟国がいかなる干渉も許さず、いわゆるカラー革命が起こることを容認しないことを示したとして、加盟国の結束を強調した。また、CSTO諸国においては、こうした内政に対する外部からの干渉の試みは、今回のカザフスタンが初めてでも、最後でもないことを皆が理解しているとの自身の見解を述べた。
  • 同会合に先駆けて、CSTO議長国であるアルメニアのパシニャン首相は、1月6日、カザフスタンの対テロ支援への要請を踏まえ、CSTO平和維持部隊をカザフスタンへ派遣することを表明し、既に同部隊がカザフスタンへ派遣されていた。その後、1月14日、事態の鎮静化を受けて、同部隊は撤退を開始している。
CSTO臨時会合の様子
CSTO臨時会合の様子
写真出典:http://kremlin.ru/events/president/news/67568

 

2) 米国、欧州

ウクライナを巡る問題について米露外相間や米欧露政府高官レベルでの議論が継続
  • ロシアと米国、欧州は、ウクライナを巡る問題について、12月の米露首脳会談に引き続き、1月10日のスイス・ジュネーブにおける米露安全保障会議、1月12日のベルギー・ブリュッセルにおけるNATOロシア理事会、1月13日のオーストリア・ウィーンにおける欧州安全保障協力機構(OSCE)による拡大会合、1月21日のスイス・ジュネーブにおける米露外相会談において立て続けに議論を行った。
  • 一連の会合において、ロシア側は改めて、12月15日にロシアが米国・NATO加盟国に提示した条約案に基づき、NATOの東方拡大やミサイル防衛システムの展開を止めること等について、法的拘束力のある合意文書による保証が必要であるとの立場を強調した。
  • 21日に開催されたラヴロフ外相と米国ブリンケン国務長官の間の会談では、ロシア側は、米国・NATOに対し、1999年のOSCE首脳会議で採択された安保憲章に規定される「安全保障の不可分性」の基本原則を遵守することを求めた。米国側は、同会談の翌週にロシア側が提示した条約案への書面回答を行うことを約束し、予定通り、26日に米国・NATOの回答を提出した。
  • プーチン大統領は、米国・NATOの回答が、ロシアの安全保障上の懸念を考慮していないとの不満を示しており、両者間の緊張緩和に向けた協議は今後も継続して行われる見込み。
米国ブリンケン国務長官との21日の会談の様子
米国ブリンケン国務長官との21日の会談の様子
写真出典:https://www.mid.ru/ru/foreign_policy/news/1795500/

 

3) イラン

ライースィ大統領と対面での会談で二国間協力やイラン核開発計画を議論
  • プーチン大統領は、1月19日、クレムリンにおいて、イランのライースィ大統領と会談し、二国間協力の状況やイランの核開発計画に関する包括的共同行動計画(JCPOA)について議論を行った。
  • プーチン大統領は、両国間の貿易高について、2020年には新型コロナウイルスの感染拡大等にもかかわらず約6%増加し、2021年は更に38%増加したと紹介し、またイランの上海協力機構へのオブザーバー参加、JCPOAに関する意見交換への関心を示した。ライースィ大統領は、両国が40年以上の間、米国からの制裁の影響を受けながらも国の発展を続けてきたと述べ、両国の戦略的協力に関する文書をロシア側に提案したことを明らかにした。
ライースィ大統領との会談の様子
ライースィ大統領との会談の様子
写真出典:http://kremlin.ru/events/president/news/67608

 

日本

日露地域・姉妹都市交流年開会式を開催
  • 経済発展省イリチョフ次官と日本の鈴木外務副大臣は、1月29日、日露地域・姉妹都市交流年開会式を対面とオンラインのハイブリッド形式で開催した。開会式においては、林外務大臣がビデオメッセージを発出したほか、レシェトニコフ経済発展大臣のメッセージが代読された。また、地方自治体を代表して、日本側からは、鳥取県平井知事がビデオメッセージを発出し、北海道鈴木知事が挨拶、ロシア側からは、沿海地方コジェミャコ知事、ウリヤノフスク州ルースキフ知事が挨拶を行った。
  • イリチョフ次官と鈴木副大臣は、日露地域交流年を1年間延長し、2022年末までとする覚書の追補に関する文書に署名した。
  • レシェトニコフ大臣は、自身のメッセージの中で、新型コロナウイルスの感染拡大の状況下においても、日露の地域間協力は妨げられることなく行われたと強調した。2020年1月以来、ウリヤノフスク州で開催された「ヴォルガ川における日本の春」や、レニングラード州と京都府の間で開催された、ロシア民族楽器楽団「メテリッツア」による友好提携25周年記念コンサートなど、両国間で数十件の重要な文化イベントが開催されたと紹介した。
  • また、シベリア鉄道によるウラジオストクから欧州向けの日本の貨物のコンテナ輸送や、サハ共和国におけるロシア初の温室栽培、ハバロフスク地方における予防医学センター、モスクワ州におけるトラック組立工場の建設など、ビジネス分野での協力にも言及し、両国地域間の協力が、両国の経済成長に新たな推進力を与えると期待を示した。
イリチョフ次官の覚書署名の様子
イリチョフ次官の覚書署名の様子
写真出典:https://www.economy.gov.ru/material/news/maksim_reshetnikov_80_subektov_rossii_podderzhivayut_s_yaponiey_torgovo_ekonomicheskie_svyazi.html

3. 石油ガス産業情勢

(1) 原油・石油製品輸出税

  • 2021年11月15日から2021年12月14日までのモニタリング期間におけるウラル原油の平均価格はUSD75.7521/バレルとなり、1月の原油輸出税はUSD6.4/バレルに引き下げられた。
  • 1月の石油製品輸出税はUSD14.0/トン、ガソリンについてはUSD25.6/トンに設定された。
参考 原油及び石油製品輸出税の推移
参考:原油及び石油製品輸出税の推移

(2) 原油生産・輸出

  • 1月、原油、ガス・コンデンセート生産量は4,653万トン(約3億3,967万バレル、平均日量1,100万バレル)で、前年同月比8.2%増。
  • 1月、原油輸出量は2,022万トン(約1億4,758万バレル、同476万バレル)で、前年同月比8.0%増。

原油生産量に占める輸出量の平均割合


(3) 天然ガス生産・輸出

  • 1月、天然ガス生産量は694億立方メートル(約2.5CF)で、前年同月比で1.1%増。

天然ガス生産量に占める輸出量の平均割合

注1 原油生産量及び輸出量はエネルギー省の公表データに基づき、今後更新される可能性あり。原油輸出量は、(4)原油輸出先に記載の連邦税関庁の公表データに基づく数値とは異なる。

注2 天然ガス生産量はエネルギー省の公表データ、天然ガス輸出量は連邦税関庁の公表データに基づき、今後更新される可能性あり。また、連邦税関庁の公表データのうち中国向けのパイプラインでの天然ガス輸出量は、4か月前のデータが最新であるため、グラフでは2021年10月以降の天然ガス輸出量を示していない。

 

(4) 原油輸出先

注 連邦税関庁の公表データは、2か月前のデータが最新。

  • 11月、主な原油輸出先は、欧州980万トン(約7,153万バレル、全輸出量に占める割合55.4%)、中国593万トン(約4,330万バレル、同割合33.6%)、ベラルーシ74万トン(約537万バレル、同割合4.2%)となった。
  • 前年同月比で米国が2.8倍、中国が5.1%増となった一方、欧州が4.2%減、ベラルーシが58.2%減、韓国が98.3%減となった。また、トルコへの輸出が行われた。
参考 原油輸出先シェアの推移
参考:原油輸出先シェアの推移

(6) 天然ガス輸出先

注 連邦税関庁の公表データは、LNGが2か月前のデータ、パイプラインガスが4か月前のデータが最新。

  • 11月、主なLNG輸出先は、中国66万トン(全輸出量に占める割合42.9%)、欧州66万トン(同割合42.7%)であり、前年同月比で中国向け輸出シェアが倍増し、日本向けシェアが3分の1以下に減少した。
参考 LNG輸出先シェアの推移
参考:LNG輸出先シェアの推移
  • 11月、北極海航路を経由した主なLNG輸出先は、アジア88万トン(全輸出量に占める割合57.6%)、欧州65万トン(同割合42.4%)で、前年同月比で中国が79.2%増、フランスが15.9%増となった一方、スペインが74.3%減、ベルギーが7.0%減、オランダとポルトガルへの輸出が行われなかったことにより、欧州向けシェアが減少した。
参考 LNG輸出先(北極海航路経由)シェアの推移
参考:LNG輸出先(北極海航路経由)シェアの推移
  • 9月、主なパイプラインガス輸出先は、ドイツ4.9BCM(全輸出量に占める割合33.7%)、トルコ2.0BCM(同割合14.0%)、ベラルーシ1.4BCM(同割合9.7%)、イタリア1.0BCM(同割合6.9%)となった。
  • 前年同期比でイタリアが49.5%減となった一方、ドイツが49.2%増、中国が約1.5倍増となった。
参考 パイプラインガス輸出先シェアの推移
参考:パイプラインガス輸出先シェアの推移

(7) 減産合意

2022年2月の増産(減産措置縮小)について日量40万バレル規模の維持に合意

  • OPECプラスは、1月4日、第24回閣僚会合をテレビ会議形式で開催した。昨年7月18日に開催された第19回会合における合意に基づき、8月以降実施されている増産(減産措置縮小)(毎月日量40万バレル)について、2022年2月の減産措置にも適用することを決定した。
  • 同会合では、メキシコを含むOPECプラス産油国による11月の減産遵守率が117%であったことを確認した。OPECプラスは、次回の第25回閣僚会合を2月2日に開催する。

 

(8) 脱炭素・環境対応

ガイダル・フォーラムにおいて脱炭素分野の問題を議論

  • ノヴァク副首相は、1月14日、毎年開催されるガイダル・フォーラムにおいて、世界的な脱炭素化への関心高まりを背景とした、ロシアのエネルギー分野の将来像及び燃料・エネルギー部門の改革について意見を述べた。
  • 同副首相は、今後15年から20年の間に、世界のエネルギー需要が30%増加すると述べ、脱炭素化の取り組みの中でも、エネルギー安全保障の問題を考慮する必要があると強調した。他方で、ロシアは既に同国のエネルギーミックスに占める石炭と石油の割合が34%に留まり、世界平均と比較しても、低い水準にあると紹介した。また、2050年までに原子力の割合を20%から25%に増加させ、水力発電の割合を20%、再生可能エネルギーの割合を12%とする目標を設定したと述べた。上記に加えて、LNG・石油化学製品の生産、水素生産、小型原子炉の開発について、新たな方向性として取り組んでいくと述べた。更に、タトネフチとガスプロムネフチがCCS技術の開発に取り組んでおり、特にガスプロムネフチがオレンブルク州でCCS実証プロジェクトを実施予定であると紹介した。
  • また、レシェトニコフ経済発展大臣が、同フォーラムの気候変動分野のセッションに登壇し、ロシアにおける温室効果ガス排出規制及びカーボンクレジット導入に向けた取り組みについて紹介した。同大臣は、海外向けの輸出に際して、ロシア企業がカーボンクレジットを海外において購入せずに済むように、ロシア国内におけるカーボンクレジット市場の導入を進めていくとし、ロシアのカーボンクレジットに対する国際的な承認を得るため、国内の制度においても、欧米で導入されている基準を採用することに加え、気候分野における認証機関の承認に関する国際協定への参加手続きを開始することを明らかにした。

 

ロスアクレジターツィヤが温室効果ガスの管理分野における専門家育成プログラムを開始

  • ロシア連邦認定サービス(ロスアクレジターツィヤ:経済発展省所管)は、1月20日、新たな専門家育成プログラムである「温室効果ガスの管理及び関連する取り組み」への受講者の募集開始を発表した。同育成プログラムは、ロスアクレジターツィヤとロシア民族友好大学の支援により設置されたもの。
  • 同プログラムは、国際的な専門家の助言を得て開発され、2022年1月1日に施行されたロシアの標準規格(GOST規格)の実装に際して必要とされる、統一された手法を学習することを目的としている。
  • プログラムは、2月14日から3月2日まで、ロスアクレジターツィヤの統一教育プラットフォーム上で開講する予定であり、製品のカーボンフットプリント(ISO14067)、組織のカーボンフットプリント(ISO14064-1)、温室効果ガスの検証と妥当性確認(ISO14064-3、ISO14065、ISO17029)、温室効果ガスの妥当性確認及び認証機関による認定の4段構成になっている。講師として、伊コンサルティング会社のAequilibria社のGranini社長が招待されている。また、最終認定に合格した学生には、専門家育成プログラムの修了証書が発行される。
(参考)2022年1月1日に施行された温室効果ガス管理分野のGOST規格
規格コード 件名
GOST R ISO14067-2021 温室効果ガス:製品のカーボンフットプリント – 定量化の要求事項及び指針
GOST R ISO14064-1-2021 温室効果ガス - 第1部:組織における温室効果ガスの排出量及び吸収量の定量化及び報告のための仕様並びに手引
GOST R ISO14064-3-2021 温室効果ガスに関する主張の妥当性確認及び検証のための仕様並びに手引

出典:ロスアクレジターツィヤ公表情報よりJOGMEC作成

ロシアは気候変動対策プロジェクトに対して6,000億ルーブルの投資誘致を見込む

  • アブラムチェンコ副首相は、1月27日、ロシアの2030年までの社会経済発展に向けたイニシアチィブに関する政府関係者との会議において、ロシア国内の気候変動対策プロジェクトに対し、最大6,000億ルーブルの投資誘致を計画していることを明らかにし、うち4,000億ルーブル以上について、グリーンボンドによる調達を目指すと述べた。
  • 更に、既に2021年に940億ルーブル相当のグリーンボンドが発行されたことを紹介した。

 

2022年に8地域・500箇所以上のEV充電スタンドを開設見込み

  • ベロウソフ第1副首相及び経済発展省は、1月28日、戦略的イニシアティブ「電気自動車と水素自動車」の実施の一環として、2022年に、モスクワ州、レニングラード州、ニジニ・ノヴゴロド州、クラスノダール地方、サハリン州、タタルスタン共和国等の8地域において、EV充電スタンドを設置する計画を明らかにした。
  • 上記計画に基づき、少なくとも150KWhの充電能力を持つEV充電スタンドが、500箇所以上に設置され、実証運転を開始する。これにより、2,500台以上の電気自動車需要の創出を目指す。
  • なおロシア政府は、2024年までに少なくとも25,000台の電気自動車の生産、9,000箇所のEV充電スタンドの実証運転の開始を目指しており、このうち、2,900箇所を高速充電が可能なスタンドとする目標を立てている。

 

4. ロシア石油ガス会社の主な動き

(1) ガスプロム

2021年通年の生産・輸出実績を発表

  • ガスプロムは、1月2日、2021年通年の同社の生産量及び輸出量の実績を発表した。
  • 2021年の同社の生産量は、前年比62.2BCM増の514.8BCMとなり、過去13年間で最大となった。
  • 国内向けの天然ガス供給量は、前年比31.9BCM増の257.8BCMとなり、2013年以来の最大の水準となった。
  • CISを除く海外向けの輸出量は、前年比5.8BCM増の185.1BCMとなり、過去4番目に多い輸出量となった。特に、ドイツ向けが前年比10.5%増、トルコ向けが63%増、イタリア向けが20.3%増となった。
(参考)2021年通年のGazpromの生産・輸出実績
  2020年 2021年 前年比
生産量
天然ガス(BCM) 452.6 514.8 13.7%増
販売量・輸出量
国内向け天然ガス供給(BCM) 225.9 257.8 14.1%増
CISを除く海外向けLNG輸出(BCM) 179.3 185.1 3.2%増

出典:Gazprom公表情報よりJOGMEC作成

 

(2) Novatek

シンガポールENN Natural Gasとの間でLNGの長期売買契約に署名

  • Novatekは、1月11日、シンガポールのENN Natural Gasの子会社であるENN LNGとの間で、Arctic LNG 2プロジェクトから生産されるLNGの長期売買契約に署名した。
  • 同契約に基づき、Novatekは、Arctic LNG 2プロジェクトから生産されるLNGのうち、年間約60万トンのLNGを、11年間、ENN LNGに対し供給する。LNGは、本船持込渡し(DES)条件により、ENNが中国・舟山において保有するLNG受入基地に供給される。

 

中国・浙江能源(Zhejiang Energy)との間でLNGの長期売買契約に署名

  • Novatekは、1月11日、浙江能源(Zhejiang Energy)の子会社であるZhejiang Energy Gas Group Co. Ltdとの間で、Arctic LNG 2プロジェクトから生産されるLNGの長期売買契約に署名した。同契約は、2021年6月のサンクトペテルブルク国際経済フォーラムにあわせて両者が署名した基本条件合意の延長で締結されたもの。
  • 同契約に基づき、Novatekは、Arctic LNG 2プロジェクトから生産されるLNGのうち、年間最大100万トンのLNGを、15年間、浙江能源に対し供給する。LNGは、本船持込渡し(DES)条件により、浙江能源が保有するLNG受入基地に供給される。

 

フィンランドFortumとの間でグリーン電力購入契約に署名

  • Novatekは、1月12日、フィンランドのFortumとの間で、Cryogas-Vysotsk LNGプロジェクト向けの再生可能エネルギー由来の電力購入契約に署名した。同契約は、2021年6月のサンクトペテルブルク国際経済フォーラムにあわせて両者が署名した覚書に基づく協力の一環で締結されたもの。
  • 同契約に基づき、Novatekは、Cryogas-Vysotsk LNGプロジェクトが必要とする電力需要の全量をFortumがロシア国内で運営する風力発電所及びその合弁事業からの電力から調達する。これにより、Novatekは、同LNGプラントで生産されたLNGのスコープ2のカーボンフットプリントを削減することが可能となる。

 

2021年通年の生産・輸出に関する暫定実績を発表

  • Novatekは、1月13日、2021年通年の同社の生産量及び輸出量の暫定実績を発表した。
  • 2021年の同社の炭化水素の生産量は、前年比1,780万BOE増の6億2,600万BOE(8,575万トン、平均日量172万BOE)となった。このうち、天然ガスの生産量は79.9BCM、液体炭化水素(ガスコンデンセート及び原油)の生産量は、1,230万トンとなった。
  • LNGを含む天然ガスの販売量は、前年比0.3%増の75.8BCMとなり、このうち、国内向けの供給量は、前年比1.8%増の67.9BCM、海外向けのLNG輸出量は、前年比11.1%減の7.9BCMとなった。Novatekは、海外向けのLNG輸出量の減少の理由として、LNG販売契約に基づいて、株主による直接販売が増えたことを挙げている。

 

(参考)2021年通年のNovatekの生産・輸出実績(暫定)
  2020年 2021年 前年比
生産量
天然ガス(BCM) 77.37 79.89 3.3%増
ガスコンデンセート及び原油(千トン) 12,237 12,299 0.5%増
上記合計(百万BOE) 608.2 626.0 2.9%増
上記合計(日量)(百万BOE) 1.66 1.72 3.2%増
販売量・輸出量
国内向け天然ガス供給(BCM) 66.69 67.87 1.8%増
海外向けLNG輸出(BCM) 8.93 7.94 11.1%減
上記合計(BCM) 75.62 75.81 0.3%増

出典:Novatek公表情報よりJOGMEC作成

 

(3) ロスネフチ

サンクトペテルブルク国際商品取引所との間でカーボンクレジット取引の協力覚書を締結

  • ロスネフチは、1月18日、サンクトペテルブルク国際商品取引所(SPIMEX)との間で、カーボンクレジット取引の開発における協力協定を締結した。同協定は、同社セーチン社長とSPIMEXルィブニコフ社長の間で署名された。
  • 同協定に基づき、両者は、カーボンマネジメント分野における相互協力及び、ロスネフチが実施する温室効果ガス排出量の削減プロジェクトから得られるカーボンクレジットの交換・取引の開発を行う予定。また両者は、ロスネフチ保有のカーボンクレジットの販売のために試験的なオークションを開催する可能性を検討する。

 

5. 新規LNG・P/L事業

(1) Soyuz Vostokパイプライン(シベリアの力2のモンゴル通過部分)のFSが完了

  • ガスプロム・ミレル社長は、1月25日、モンゴルのアマルサイハン副首相との間でオンライン形式での会議を行い、Soyuz Vostokパイプラインの建設に関するプロジェクトのフィージビリティスタディ(FS)が完了したことに伴う検討結果報告書に署名した。
  • FSによると、モンゴル国内の同パイプライン(口径1.4メートル)の総延長は962.9キロメートルとなり、この間に5つのガスコンプレッサーステーションを設置する想定。同FSにおいては、モンゴル企業が、現地調査、エンジニアリング、環境マッピング、パイプラインルートの分析を行った。

 

以上

(この報告は2022年2月25日時点のものです)

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