ページ番号1009370 更新日 令和4年8月3日

ガイアナ:ExxonMobil、Stabroek鉱区の可採埋蔵量を約110億バレルに引き上げ

レポート属性
レポートID 1009370
作成日 2022-05-31 00:00:00 +0900
更新日 2022-08-03 16:22:06 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2022
Vol
No
ページ数 6
抽出データ
地域1 中南米
国1 ガイアナ
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ガイアナ
2022/05/31 舩木 弥和子

(石油・天然ガス資源情報「探鉱・開発が進展するガイアナとスリナム」続報)

Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

PDFダウンロード1.0MB ( 6ページ )

概要

  • ExxonMobilは、2022年4月、ガイアナ沖Stabroek鉱区内の4番目のプロジェクトであるYellowtail油田の開発について最終投資決定を下した。ExxonMobilは、Yellowtail油田の開発に100億ドルを投じ、最大で生産井26坑、圧入井25坑を掘削、ONE GUYANA浮体式生産貯蔵積出設備(Floating Production Storage and Offloading System:FPSO、生産能力日量25万バレル)を用いて2025年から生産を開始する。Stabroek鉱区5番目のプロジェクトUaru油田は、FPSOの生産能力が日量20万バレル以上で2026年に生産を開始、6番目のプロジェクトは2027年に生産を開始する予定で、2027年の同鉱区の生産量は日量85万バレル以上となるという。
  • ExxonMobilは、Stabroek鉱区で掘削したBarreleye-1号井、Patwa-1号井、Lukanani-1号井で砂岩の炭化水素層を確認し、同鉱区の可採埋蔵量を従来の100億バレル超から約110億バレルに引き上げると発表した。
  • ガイアナ政府は、鉱区付与の方式をこれまでの国際石油企業との直接交渉から公開入札方式に変更するとし、入札方式や契約条件等の整備を進めていたが、国営石油会社を設立し、その国営石油会社に鉱区権益を付与する可能性も併せて検討しているという。政府は2022年9月までに、石油・ガス資源を開発するために国営石油会社を設立するか、それとも、鉱区入札を実施するかを決定するという。中東に拠点を置く複数の大企業が、鉱区権益取得に関心を示しており、国営石油会社に鉱区権益を付与した上で、これら中東の企業に参加を求めることも検討されているという。

(出所 ExxonMobil website、Platts Oilgram News他)

 

1 ExxonMobil、Stabroek鉱区4番目かつ最大のプロジェクトについて最終投資決定を下す

ExxonMobilは、2022年4月4日、ガイアナ沖Stabroek鉱区(面積:26,800平方キロメートル)Yellowtail油田の開発について、政府および規制当局の承認を得て、最終投資決定を下したことを明らかにした。生産中のLizaフェーズ1、Lizaフェーズ2、開発中のPayara油田に続く、Stabroek鉱区の4番目のプロジェクトとなる。

Yellowtail油田の開発には100億ドルが投じられ、最大で生産井26坑、圧入井25坑が掘削され、ONE GUYANA浮体式生産貯蔵積出設備(Floating Production Storage and Offloading System:FPSO)を用いて、2025年から生産が開始される。同FPSOの生産能力は日量25万バレルで、9億2,500万バレルの石油が生産される計画となっており、同鉱区最大のプロジェクトとなる。

ExxonMobilは、2019年12月に生産を開始したStabroek鉱区、Lizaフェーズ1のLiza Destiny FPSO(生産能力日量12万バレル)の生産能力を日量14万バレルまで引き上げるため、同FPSOの最適化を実施している。4月末のLizaフェーズ1の生産量は日量13万バレルとなっている。また、パートナーのHessによると、Stabroek鉱区では、通常の深海での探鉱・開発に比べて、半分以下の掘削時間とコストで掘削が可能であり、Lizaフェーズ1の総開発コストは、44億ドルから35億ドルに削減されたという[1]

2022年2月に生産を開始したLizaフェーズ2については、2022年第3四半期までにLiza Unity FPSOの生産能力、日量22万バレルまで生産を引き上げる計画だ。

同鉱区3番目の開発となるPayara油田は、Prosperity FPSO(生産能力日量22万バレル)の建造が予定より約5ヶ月早く進んでおり、当初予定よりも早く2023年末までに生産を開始する計画となっている。

ExxonMobilによると、Stabroek鉱区5番目のプロジェクトUaru油田は、FPSOの生産能力が日量20万バレル以上で2026年に生産を開始する予定、6番目のプロジェクトは2027年に生産を開始する予定であるという[2]。さらに、Hessによると、4月末には、Uaru油田のFEED(Front End Engineering Design)を開始したという[3]

ExxonMobilは、2027年にはStabroek鉱区内で少なくとも6基のFPSO(生産能力日量120万バレル以上)が生産を行い、同鉱区の2027年の生産量は日量85万バレル以上となるとしている。そして、より長期的には最大10基のFPSOが生産を行うことを計画しているという。

なお、ExxonMobilは、13億ドルを投じ、Stabroek鉱区Liza油田のFPSO2基と陸上を結ぶ217キロメートルの海底パイプライン、25キロメートルの陸上パイプライン、NGL処理プラントの建設を計画しており、2022年4月に政府に環境調査書を提出した。パイプラインは2024年末に、NGLプラントは2025年中頃に操業を開始し、Liza油田の2基のFPSOから日量約5,000万立方フィートの天然ガスをNGLプラントへ輸送する計画である。

同鉱区の権益保有比率は、オペレーターのExxonMobilが45%、Hessが30%、CNOOCが25%となっている。

表1 Stabroek鉱区の開発計画
油田 FID 生産開始 FPSO 生産能力 開発コスト 損益分岐点
Lizaフェーズ1 2017年6月 2019年12月 Liza Destiny 12万b/d 35億ドル $35/b
Lizaフェーズ2 2019年5月 2022年2月 Liza Unity 22万b/d 60億ドル $25/b
Payara 2020年9月 2023年末 Prosperity 22万b/d 90億ドル $32/b
Yellowtail 2022年4月 2025年 One Guyana 25万b/d 100億ドル $29/b
Uaru/Mako   2026年   20万b/d以上    
Whiptail/Pinktail   2027年        

各種資料を基に作成


[1] Platts Oilgram News, 2022/4/4

[2] Platts Oilgram News, 2022/3/2

[3] Platts Oilgram News, 2022/4/27

 

2 Stabroek鉱区の可採埋蔵量110億バレルに

ExxonMobilは、2022年4月26日、Stabroek鉱区で新たに3件の油田を発見したことを明らかにした。ExxonMobilによると、水深1,170メートルで掘削されたBarreleye-1号井では70メートル、水深1,925メートルで掘削されたPatwa-1号井では33メートル、水深1,240メートルで掘削されたLukanani-1号井では35メートルの砂岩の炭化水素層を確認した。Barreleye-1号井およびLukanani-1号井での作業は継続中とされている。

そして、2022年初めに発表されたFangtooth井とLau Lau 井での油田発見に加え、今回の3件の油田発見により、同鉱区の可採埋蔵量を従来の100億バレル超から約110億バレルに引き上げると発表した。

2022年に入ってStabroek鉱区で確認されたこれら新たな油田について、HessのHill COOは「我々の期待に応えた、あるいはそれを上回った」と語り、ExxonMobilも今後の同鉱区南東部の開発計画に反映していくとしている。

なお、ExxonMobilは5月末時点には、Stabroek鉱区で2022年に入り6坑目となるSeabob-1号井の掘削を開始しており、7月末には同井の掘削が終了する見込みであるとしている。そして、2022年末までに同鉱区内でさらに6坑の掘削を計画しているという。

表2 Stabroek鉱区での油田発見状況
  発表時期 油田 水深(m) 掘削長(m) 結果
1 2015/5 Liza 1,743 5,433 90mの砂岩の油層を確認
2 2017/1 Payara 2,030 5,512 29m以上の油層を確認
3 2017/1 Liza Deep N.A. 5,700 Liza油田直下の油層を確認
4 2017/3 Snoek 1,563 5,175 25mの油層を確認
5 2017/10 Turbot 1,802 5,622 23mの砂岩の油層を確認
6 2018/1 Ranger 2,735 6,450 70mの油層を確認。
7 2018/2 Pacora 2,067 5,597 20mの砂岩の油層を確認
8 2018/6 Longtail 1,940 5,504 78mの砂岩の油層を確認
9 2018/8 Hammerhead 1,150 4,225 60mの砂岩の油層を確認
10 2018/12 Pluma 1,018 5,013 37mの砂岩の炭化水素層を確認
11 2019/2 Tilapia 1,783 5,726 93mの砂岩の油層を確認
12 2019/2 Haimara 1,399 5,575 63mの砂岩のガス・コンデンセート層を確認
13 2019/4 Yellowtail 1,843 5,622 89mの砂岩の油層を確認
14 2019/9 Tripletail 2,003 N.A. 33mの砂岩の油層を確認
15 2019/12 Mako 1,620 N.A. 50mの砂岩の油層を確認
16 2020/1 Uaru 1,933 N.A. 29mの砂岩の油層を確認
17 2020/7 Yellowtail-2 N.A. N.A. 21mの砂岩の油層を確認
18 2020/9 Redtail 1,878 N.A. 70mの砂岩の油層を確認
19 2021/7 Whiptail 1,795 N.A. 75mの砂岩の油層を確認
20 2021/9 Pinktail 1,810 N.A. 67mの砂岩の炭化水素層を確認
21 2021/10 Cataback 1,807 N.A. 74mの砂岩の炭化水素層を確認
22 2022/1 Fangtooth 1,838 N.A. 50mの砂岩の油層を確認
23 2022/1 Lau Lau 1,461 N.A. 96mの砂岩の炭化水素層を確認
24 2022/4 Barreleye-1 1,170 N.A. 70mの砂岩の炭化水素層を確認
25 2022/4 Patwa-1 1,925 N.A. 33mの砂岩の炭化水素層を確認
26 2022/4 Lukanani-1 1,240 N.A. 35mの砂岩の炭化水素層を確認

https://corporate.exxonmobil.com/locations/guyana/guyana-project-overview#DiscoveriesintheStabroekBlock他を基に作成

図1 Stabroek鉱区での油田発見状況
図1 Stabroek鉱区での油田発見状況
https://corporate.exxonmobil.com/locations/guyana/guyana-project-overview#DiscoveriesintheStabroekBlockに加筆、修正

3 政府は鉱区入札と国営石油会社設立について検討中

ガイアナ政府は、鉱区付与の方式をこれまでの国際石油企業(International Oil Company:IOC)との直接交渉から公開入札方式に変更するとし、入札方式や契約条件等の整備を進めていると伝えられていた。

最初の鉱区入札の手続きは、2022年第3四半期より開始され、対象鉱区は沖合BlockCと陸上Takutu Basinの面積11,200平方キロメートルの鉱区とされていた。沖合BlockCは、Canje鉱区のうちExxonMobilが放棄した部分で、面積は26,800平方キロメートルとされている。同鉱区周辺でのこれまでの掘削では商業規模の油・ガスは確認されていない。一方、Takutu Basinはガイアナ陸上で唯一探鉱が行われているエリアである。1980年以来これまでに、Takutu Basinのガイアナ側で3坑、ブラジル側で2坑、合計5坑の坑井が掘削されている。ガイアナ側で1982年に掘削されたKaranambo井ではAPI42度の良質な軽質原油が確認されたが商業生産には至らず、1980年掘削のLethem井と1992年掘削のTurantsink井はいずれもドライであった。ブラジル側では、Petrobrasが1980年に1-TU-001-RR2429井を、1982年に1-TU-001-RR3978井を掘削したが、いずれもドライであった。

政府はスリナムが採用している入札方法を採用する可能性を検討しており、ExxonMobil等の現在の鉱区権益保有者については、ExxonMobilがStabroek鉱区を開発したのと同様に迅速に開発を行うことができるのでなければ、将来の鉱区入札への参加を認めないようにすることについても検討していると伝えられていた。

ところが、2022年2月中旬、Jagdeo副大統領が、国営石油会社を設立し、その国営石油会社に鉱区権益を付与する可能性も併せて検討すると発表した。政府は2022年9月までに、石油・ガス資源を開発するために国営石油会社を設立するか、それとも、鉱区入札を実施するかを決定するという。中東に拠点を置く複数の大企業が、戦略的パートナーとして鉱区権益を取得することに関心を示しており、選択肢として、国営石油会社に鉱区権益を付与し、これら中東の企業に参加を求めることも検討されている。

 

以上

(この報告は2022年5月27日時点のものです)

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。