ページ番号1009613 更新日 令和5年1月31日
東地中海への期待と不安(1):イスラエル・レバノン海上境界合意とイスラエル・エジプト探鉱ブーム、そして新規入札ラウンドへ
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概要
- 2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、東地中海は「脱ロシア天然ガス供給源」として注目が高まり、その後1年余りで大きな変化を経験した。中でも東地中海ガス田開発を促進する要因として働いたのが、10月のイスラエル・レバノン間の海上境界合意と下半期を中心とした東地中海での探鉱ブームである。
- 2022年10月11日に合意され、同月27日に正式に締結されたイスラエル・レバノン間の海上境界合意は「歴史的合意」と言われる。2022年5月のレバノン国民議会選挙でイスラーム主義組織ヒズブッラーが勢力を弱めたことを背景に、レバノン側は強硬な主張を取り下げ、イスラエルにカリシュガス田の、レバノンにカナ・プロスペクトの完全な開発権を認める合意が成立した。
- 海上境界合意によって、イスラエルはレバノンとのEEZ境界に隣接したカリシュガス田等を開発する際の安全保障上のリスクを軽減させることができ、10月下旬には同ガス田の生産開始に至った。さらにイスラエルを長年苦しめてきたエネルギー関連施設への脅威のうち一つが軽減されることで、イスラエルが得られるエネルギー安全保障上のメリットも大きい。
- 海上境界合意によって、レバノン沖でトタルエナジーズらがカナ・プロスペクトの探鉱を開始することが可能となった。レバノンは慢性的な経済危機と燃料不足に苦しんでおり、同プロスペクトからの生産が不確実かつ時間を要するとしても、長年の燃料不足を打開するきっかけとなりうる。より短期的には、周辺国であるイスラエル、仲介国である米国との交渉を妥結させたことで、両国が関与している「エジプトからヨルダン・シリアを経由してレバノンへガスを供給する」という別契約の交渉が進展しやすくなる可能性がある。
- 2022年下半期を中心に、イスラエルでは英国企業エナジーンによる複数のガス発見が見られた。同社は今年生産を開始したカリシュガス田のオペレーターでもあり、中小規模のプロスペクトの特定、探鉱作業を着々と進めてきたが、2022年になって大きく成果が表れた。イスラエル国内を中心にガスを供給するが、将来的にはキプロス沖FLNGを活用することも示唆されている。
- エジプトではシナイ半島北部での探鉱を期待するシェブロン、ENIの動きが活発であった。2022年2月以降、両社は欧州に向けたLNG供給を見据え、ガス田発見が見込まれるシナイ半島北部での探鉱やその準備を進めてきた。その結果、12月にシェブロンとENIがともに参画するナルゲス鉱区において、シェブロンとしてはエジプト初となる掘削でガスを発見するに至った。さらにENIは現在、同エリアで新たな掘削作業を実施している。
- これらの政治上・事業上の成功はイスラエルとエジプトとが外国企業のさらなる投資・事業参入を期待し、新規入札ラウンドを開始することに結実した。しかし、あくまで東地中海は未成熟で潜在的なリスクを払拭できない天然ガス供給源であるため、入札ラウンドで落札企業やその他の外国企業にとって東地中海ガス田開発が魅力的であると確信させる結果を残す必要がある。東地中海を天然ガス供給源として確立するため、さらに重要なことは、トルコを中心とした東地中海での国家間対立が東地中海ガス田開発に影響を及ぼさないようにコントロールすることである。
1. はじめに
2022年は東地中海にとって、まさに「変化の年」であったといえよう。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって、欧州から東地中海ガス田に対する「脱ロシア天然ガス供給源」としての注目がこれまでになく高まった。外国企業がイスラエル、エジプト、キプロスで積極的に探鉱を実施し、2022年下半期には各社がガス発見を次々と発表した。その変化はエネルギー分野に留まらず、8月中旬にトルコとイスラエルが国交を正常化し、10月にはイスラエル・レバノン間での「歴史的合意」と形容される海上境界合意とトルコ・リビア間でのエネルギー探査に関するMOUがそれぞれ締結されるなど、東地中海周辺諸国の国際関係も従来の枠組みから姿を変えつつある。
2023年、東地中海のエネルギー情勢はどのように展開していくのだろうか。変化の只中にある東地中海情勢を正確に予測することは極めて難しい。そこで本稿では、2022年に東地中海で生じた変化を振り返ることで、2023年の東地中海動向を見通す手掛かりとしたい。本稿は東地中海ガス田開発の進展に資する変化として、イスラエル・レバノン間の海上境界合意とイスラエル・エジプトでの探鉱ブーム、つまり度重なる探鉱の成功を取り上げる。なお、これまで東地中海ガス田開発における主要なハードルであり続けてきたトルコを中心とする東地中海各国の国家間対立とそれに深く関連するキプロスでの探鉱動向については、稿を改め、『東地中海への期待と不安(2)』において分析することとしたい。
本稿では以下のとおり分析を進める。第一に、東地中海での政治的な期待を高めた2022年10月のイスラエル・レバノン間の海上境界合意について、合意がどのように妥結されたのか、合意によって両国はどのような利益を得たのかを分析する。第二に、2022年下半期から現在まで続くイスラエルとエジプトでの探鉱ブームについて、その現状と今後の見通しを概観する。そして最後に、これら二つの出来事が今後の東地中海ガス田開発にどのような影響を及ぼすかについて展望する。
2. イスラエル・レバノン海上境界合意:「歴史的合意」の行方
2022年10月11日、イスラエルとレバノンが両国間の排他的経済水域(EEZ)の境界画定に合意したことが報じられた。およそ10年間にわたって続いていた両国の海上境界紛争に解決をもたらしたほか、1947年の国連パレスチナ分割決議から戦争状態にある両国間で合意がなされたことから、両当事者らはこれを「歴史的合意」と称している。多くの専門家はこの「歴史的合意」が、イスラエルとレバノンの双方に経済的・政治的な利益をもたらすものになったと論じている。
本章では、「歴史的合意」の内容、10年間にわたる紛争が解決に至った背景、そしてこの合意を通じて両国がどのような利益を得たのか、また今後得られると思われる利益について分析する。
(1) 「歴史的合意」の内容
合意の翌日である10月12日、イスラエル紙の『ハアレツ』にイスラエル・レバノン間の最終合意案の全文が掲載された[1]。合意の内容は以下の三点に要約することができる。
1: 両当事者は23号線(図1)に沿った海上境界を定め、恒久的かつ衡平に海上境界紛争を解決する。
2: 本合意の発効を条件として、レバノン沖カナ(Qana)・プロスペクトはレバノン沖第9鉱区のオペレーターによって独占的に開発される。イスラエルは当該オペレーターと、カナ・プロスペクトに関する経済的権利を定めるため、別途協議を実施する。
3: 境界にまたがる新たなプロスペクトが発見された場合、また本合意の解釈・実行に係る相違が生じた場合、両国間の問題は米国が仲介する議論を通じて解決する。
なお、図1の境界線はそれぞれ以下の内容を指している。
- 1号線: 2011年からイスラエルが主張してきた境界線。
- 23号線: 2011年からレバノンが主張してきた境界線。
- ホフ・ライン: 2012年の境界交渉において、フレデリック・ホフ米国特使が提案した境界線。
- 29号線: 2020年10月以降、レバノンが非公式に主張してきた境界線。

(出所:Federica Marsi, “What to know about the Israel-Lebanon maritime border deal,” Aljazeera, October 14, 2022.)
2020年10月にイスラエルとレバノンが境界画定交渉を開始して以降、この海上境界紛争の核心は境界付近で発見されているガス田・プロスペクトの帰属問題であった。今回の合意では、EEZの境界が23号線に沿って設定されたことで、イスラエルがカリシュ(Karish)ガス田の権利を完全に取得し、カナ・プロスペクトは境界上にまたがる形となった。カナ・プロスペクトについては、レバノンが独占的に開発する権利を取得する一方、それと引き換えにイスラエルが一定の経済的な補償を受け取ることで合意された。イスラエルが受け取る補償の詳細についてはイスラエルとカナ・プロスペクトのオペレーターとの間で別途協議するよう定められているが、オペレーターであるトタルエナジーズ(TotalEnergies)は11月15日にイスラエルと枠組み合意を結んでおり、カナ・プロスペクトのうちイスラエル側のEEZに含まれる南側で資源が発見された場合、イスラエルにロイヤリティを支払うことを定めたことを明らかにしている[2]。
(2) なぜ合意に至ったのか?
イスラエルとレバノンとのEEZの境界画定に関する紛争は、2010年前後にイスラエル沖で大規模ガス田が発見され始めると活発化した。米国のノーブル・エナジー(Noble Energy)がイスラエル北部ハイファ沖で探鉱作業を開始した2009年4月、レバノンのEEZの南端を特定する委員会が作業を完了し、同国は2010年と2011年に境界画定のための海図と座標を国連に提出した。これ反発したイスラエルも2011年に自国のEEZ北端を確定するための座標を国連に提出した[3]。このとき、レバノンとイスラエルがそれぞれ主張したEEZの境界が現在の23号線と1号線である。2012年には両者の調停役を務めたフレデリック・ホフ米国特使が「ホフ・ライン(Hof Line)」を提唱するが、当事者双方に受け入れられずに交渉が中断した。さらにその後、2020年10月に再度境界画定に関する議論が本格化した際には、レバノンは国軍の調査に基づき新たな境界線となる29号線を設定し、カナ・プロスペクトのみならずカリシュガス田もが自国のEEZに含まれうるという強硬な主張を打ち出した。
事態が紛争解決に向けて急転回するきっかけとなったのが、2022年6月のカリシュガス田へのFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)の到着である。同ガス田の生産準備が開始されたことに対して、7月にはレバノンのイスラーム主義組織ヒズブッラーが無人偵察機3機をカリシュガス田に向けて派遣し、同ガス田から生産が開始された場合に軍事行動を開始することを示唆する等[4]、両国間の軍事的エスカレーションへの懸念が高まった。しかしこれとは対照的に、レバノンのミカティ臨時首相はヒズブッラーの非公式な行動に対して「危険であり容認できない」と述べ、外交的解決を追求する姿勢を見せた[5]。結果として、カリシュガス田の生産開始を求めるイスラエルも早期解決を望んだことにより、10月11日の「歴史的合意」へと結実したのである。その後10月27日、両国政府の承認を経て、イスラエル・レバノン間の海上境界合意は正式に成立した。
では、なぜ2022年6月以降、イスラエルとレバノンとの海上境界紛争は一挙に解決に向かったのか。まず、イスラエルとレバノンの双方で政権の任期が迫っていたことが挙げられる。イスラエルでも11月初頭の総選挙で政権交代が生じる可能性があり、レバノンのアウン大統領は任期が10月末に切れる予定であった。特にレバノンでは2014年から2016年にかけて大統領不在によって国内政治が停滞した経験もあり、この機を逃せば次の合意機会がいつになるか分からない状況であった。しかし最も重要な要因は、交渉妥結における最大の障害であったヒズブッラーが早期の紛争解決に乗り出したことと考えられる。ヒズブッラーはこれまで本件について最も野心的な29号線を支持し、カナ・プロスペクトのみならずカリシュガス田についてもその開発権を主張してきた。さらに「レバノンの富を盗むいかなる腕も切断されるだろう」といった激しいレトリックを用いて、イスラエル企業等による境界付近での探鉱開発に反発してきた[6]。しかし10月11日の合意にあたっては、29号線に関する強硬な主張が実現せず、カリシュガス田の開発権がイスラエルへ渡ったにもかかわらず、「レバノンにとって非常に大きな勝利である」と発言し、合意を尊重する意向を示した。
この背景には、2022年5月15日の国民議会選挙において、ヒズブッラーが属する「3月8日勢力」が大きく後退したことがある。反対勢力の声が強まり、同勢力に属する大統領の任期が10月末に迫っている中で、ヒズブッラーには経済危機に直面するレバノン国民に対し、レバノンに経済的利益をもたらしうる海上境界合意を成果として示す必要があったと考えられる。イスラエル国家安全保障研究所のオルナ・ミズラヒ上級研究員らは、このヒズブッラーの行動がイスラエル側に交渉の緊急性を示すことと、レバノン国民にヒズブッラーがレバノンの防衛者であり、その軍事力は有用であると示すことを目的としていたと指摘している[7]。つまり、ヒズブッラーは交渉の成果であるレバノンへの経済的利益を求めるとともに、交渉を通じて自身の軍事的有用性を示し、国内からの支持を取り戻そうとしていたと考えられる。今回の合意は、これまでレバノン側で強硬な主張を続けていたイスラーム主義組織のヒズブッラーの自国内での形勢が悪化したことで、同組織が国民に利する成果として海上境界合意を、自らの軍事力を用いて妥結する必要が生じたことで成立したということができよう。
(3) 双方の利益は何か?
今回の合意は、イスラエル・レバノンの双方から「歴史的な合意」と称賛する発言が出ているように、両当事者に利益をもたらすものであった。その利益は各国での既発見油ガス田の開発による経済的な利益に留まらず、より広い安全保障上の利益にも及んでいる。
1. イスラエル側の利益
イスラエル側はこの合意によって、カリシュガス田の完全な開発権を確実なものとすることができた。英国のエナジーン(Energean)は合意前の時点で既に開発作業を進めてきたものの、2022年7月にはヒズブッラーから3機の無人偵察機を派遣される等、安全な開発作業が脅かされてきた。今回の合意がヒズブッラーの同意のもとで成立し、カリシュガス田の安全保障上のリスクが大きく低減したことで、同ガス田は10月26日にガス生産を開始した[8]。カリシュガス田やその近傍のカリシュ・ノースガス田の開発が無事進められることにより、イスラエル国内への天然ガスの安定供給がさらに強化されることとなる。
カリシュガス田のみに留まらず、イスラエルは今回の合意によって、自国北側のエネルギー関連施設に対する軍事的脅威を大きく低減することができた。エネルギー関連施設への攻撃は、イスラエルにとって長らく国家安全保障上の課題の一つとなっている。2010年代初頭には、イスラエル・エジプト間のEMGパイプラインがシナイ半島のベドウィンによる攻撃で14回以上停止する事態に陥っている[9]。また最近では、2021年5月にガザでのイスラエルとハマースとの戦闘でプラットフォームが攻撃の標的になっているとして、イスラエル政府の指示の下でタマルガス田が一時的に生産を停止した[10]。敵対するアラブ諸国に囲まれたイスラエルのエネルギー関連施設はしばしば周辺国の非国家主体による攻撃対象となるが、今回の合意で北側の主要勢力であるヒズブッラーの海域での攻撃リスクが一定程度低減したこととなる。これはイスラエルのエネルギー安全保障という観点からも、また外国企業がイスラエルのエネルギー事業に参画しやすくなるという観点からも重要だろう。
2. レバノン側の利益
レバノンは今回の合意によって、レバノン沖第9鉱区で既に発見されていたカナ・プロスペクトを開発することが可能になった。11月15日には第9鉱区オペレーターのトタルエナジーズがイスラエルとの間で海洋境界合意を実施するための枠組み協定に調印したと発表し、カナ・プロスペクトの探査準備を進めることを発表した[11]。さらに2023年1月29日には、ロシアのノバテック(Novatek)が9月に撤退して以降宙に浮いていた権益分について、トタルエナジーズとENIが有する権益の一部と合わせてカタールエナジーが取得すると発表された[12]。これによってトタルエナジーズ(権益35%、オペレーター)、ENI(権益35%)、カタールエナジー(権益30%)というコンソーシアムの組成が定まり、2023年半ばの探査井掘削に向けて準備を進めることとなっている。
レバノンにとって、カナ・プロスペクトの獲得は経済危機と燃料不足の打開策になる可能性がある。2021年6月時点ですでにレバノン国営電力会社が利用可能な発電設備容量2GWのうち0.68GWしか活用できておらず、一時的な停電が常態化していたと報じられているが[13]、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の余波を受け、燃料危機はさらに悪化している。レバノン政府はイラク等から、ヒズブッラーは独自にイランから燃料調達に取り組んでいるが、いずれも安定供給には程遠い状況である。レバノンでは、トタルエナジーズらが参画する第4鉱区で2020年に一度探鉱が実施され、そのときはガスの商業的発見には至らなかった。しかし、現時点でガスの発見が不確実であり、ガス発見から生産までに時間を要するとしても、カナ・プロスペクトから得られる天然ガスやロイヤリティ等の利益はレバノンにとって経済危機と燃料不足を解決するための鍵となりうる。
加えてこの合意は、レバノンにとってより短期的かつ安定的に燃料を獲得できる取引につながる可能性がある。イスラエルとレバノンとの海上境界交渉を仲介したアモス・ホフスタイン米国特使は、同交渉と並行して東地中海でのもう一つの交渉に取り組んでいた。エジプトからアラブ・ガス・パイプライン(AGP)を用いてヨルダン・シリアを経由し、レバノンへとパイプラインガスを供給する契約に関する交渉である。関係国は2021年9月にロードマップに合意していたが、二つの主要な課題が残されている。一つはエジプトからのパイプラインガスを供給する契約ではあるものの、結果的に同じくAGPに接続しているイスラエルのパイプラインガスが同国と国交を有さないシリア・レバノンに流れる可能性が高いことである。そしてもう一つの課題は、この契約に世界銀行が融資するにあたって、シリアへの2019年シーザー・シリア市民保護法に基づく制裁を免除する必要があるというものである[14]。これら2つの課題は、いずれもイスラエルとレバノンとの海上境界合意に携わった主体(イスラエル・レバノン・米国特使)が関与するものであり、今回の合意を契機としてコミュニケーションが進展し、課題解決につながることが期待される。
上記のように、今回の合意は主に両国のエネルギー安全保障を向上させる利益をもたらした。さらに広く言えば、両国間の長年にわたる紛争が解決されたことで、外国企業の両国事業への参入意欲が高まることが考えられる。これは特に海上境界が直接関わるエネルギー事業において顕著だろう。
しかしこの合意は、「歴史的合意」と呼ばれる所以である両国の戦争状態を短期的に解決する、あるいは両国関係を改善するような効果はない、というのが多くの専門家の見立てである。両国は依然として直接コミュニケーションを取らず、カナ・プロスペクトの補償をめぐる交渉も一企業であるトタルエナジーズを介して行っているのである。ただそれでもこの合意は、東地中海ガス田開発の障害となっていた海上境界紛争を解決し、両国間の対立をガス田開発に影響が及ばないようにコントロールしたという点で、ガス田開発を促進する重要な成果と言えよう。
3. 東地中海探鉱ブームと2023年への期待
イスラエル・レバノン間の海上境界合意とともに東地中海ガス開発への期待を高めているのが、2022年の東地中海での探鉱ブームである。主に2022年下半期にイスラエル、エジプト、キプロスでのガスの発見が相次いだことで、東地中海での探鉱の有望性が再確認されたと言えるだろう。
2022年の東地中海におけるガス発見は表1のとおりである。いずれも大規模とは言えないものの、既存ガス田の近傍に位置していることから低コストでの開発が見込まれる。本章では、表1のガス発見のうちイスラエル及びエジプトでのガス発見とそれに関連する各企業の東地中海での動向について整理した後、両国で2022年末に開始された入札ラウンドについて展望する。
(1) イスラエル:台頭するエナジーン
2022年にイスラエル沖合で成功した探鉱は、いずれもカリシュガス田を操業する英国エナジーンによるものである。エナジーンは近年、メジャーズ以外では東地中海での探鉱活動を最も積極的に行っている企業であると言うことができる。
エナジーンは2007年からギリシャを中心に探鉱・開発事業を手がけてきたが、2016年にイスラエルの反トラスト法によってデレク・ドリリング(Delek Drilling)らが手放すこととなったカリシュガス田・タニン(Tanin)ガス田を買収することでイスラエルでの探鉱・開発事業に参画した。その後2017年にイスラエル北部沖合を中心とした複数鉱区を100%取得し、フラッグシップ事業であるカリシュガス田の開発を進める傍ら、三次元地震探査等の実施を通じていくつものプロスペクトを特定してきた。カリシュガス田が10月に生産を開始し、イスラエル沖合での三度の掘削がいずれも小規模ながら成功したことから、エナジーンにとって2022年は飛躍の年であった。
図2はエナジーンがこれまで発見したガス田とプロスペクトである。10月に掘削されたヘルメス1(Hermes-1)坑井以外の探鉱はいずれも、フラッグシップ事業であるカリシュガス田付近で行われていることが分かる。現在、カリシュガス田には年間容量6.5bcmのFPSO(Energean Power FPSO)が係留されており、エナジーンはここからイスラエルの国内ガスパイプラインを通じて発電所等に天然ガスを供給することとなっている(2023年はカリシュガス田から4.5~5.5bcmのガスを供給する見込み)。その後、2023年に隣接したカリシュ・ノースガス田の生産を開始するとともに、FPSOの年間容量を8bcmまで高めることで、さらにガス販売量を増加させる計画となっている。今後、2022年に掘削されたプロスペクトが生産を開始したときには、現時点ではこのFPSOを通じて供給される可能性が高い。

(出所:Energean)
しかしエナジーンはこれらの探鉱結果に対してさらなる可能性を見出している。エナジーンはプレスリリースにおいて、5月に掘削したアテナ1(Athena-1)坑井と10月に掘削したゼウス1(Zeus-1)坑井は2Tcf規模のオリンパス(Olympus)エリアの一部であり、10月に掘削したヘルメス1坑井もより大きなポセイドン(Poseidon)、オルフェウス(Orpheus)エリアの近傍に位置していると述べている[15]。エナジーンの想定通り、これらの探鉱がより巨大なガス発見につながった場合、FPSOを通じた国内ガス供給以外の選択肢が浮上することとなる。同社のマシアス・リガスCEOは2022年4月に行われたイスラエル・キプロス・ギリシャの三か国エネルギー大臣会合において、キプロス南部ヴァシリコス(Vasilikos)沖合にFLNGを敷設し、同社の操業するガス田から原料ガスを供給することを提案した[16]。しかし、既に生産開始されているカリシュガス田がガス全量を国内向けに供給することや、イスラエルの大規模ガス田に対する厳しい輸出規制(イスラエルでは原則として、埋蔵量50bcm以上の規模を有するガス田は国内市場にその50%以上を供給する義務を負う[17])を考えると、現時点ではこのオプションが実現する可能性はかなり低いと言えるだろう。
(2) エジプト:シナイ半島北部への期待
2015年のENIによるゾール(Zohr)ガス田発見以来、引き続きガス生産量の減少と国内ガス需要の増大に苦労するエジプトにおいて、2022年からメジャーズの活動が活発化している。特に2022年4月と6月にそれぞれエジプト国営ガス会社(EGAS)と協定を締結したENIとシェブロンの東地中海での動きが顕著である。
シェブロンは2019年に紅海沖の2鉱区を獲得したことで初めてエジプトでの事業に参画した、同国における新規参入企業の一つである。その後2020年のノーブル・エナジー買収によってエジプトにおける事業を拡大したが、あくまで東地中海での焦点はイスラエルのタマルガス田、リヴァイアサンガス田にあった。しかし2022年に入ってシェブロンはエジプトへの注目を一気に高めた。6月にシェブロンはEGASと東地中海ガス田からの天然ガスをエジプトに輸送し、LNGとして輸出することを検討するためのMOUを締結した[18]。さらに7月の第2四半期決算報告会においてジョンソン上級副社長(上流部門担当)が「我々の(探鉱における)注目は今、エジプトとスリナムに移っている」と発言し[19]、同社が単にイスラエルのガス田から既存LNG施設に原料ガスを供給するのみならず、探鉱活動でもエジプトに積極的に関与する姿勢が明らかになった。そして2023年1月、シェブロンはパートナーのENIとともに、ナルゲス(Nargis)鉱区(図3)におけるエジプトでのシェブロン初の探鉱において新規ガス発見に至った。

(出所:ChevronにJOGMEC一部加筆)
シェブロンと対照的に、ENIはエジプト石油・ガス産業での主要プレイヤーとしての地位を確立してきた。石油・ガス探鉱開発事業では、2015年にエジプト最大のガス田であるゾールガス田を発見し、その他スエズ湾や西部砂漠を含む多数の鉱区を操業している。2021年時点でエジプトの石油生産のうち1割以上、ガス生産のうち2割以上をENIの持分生産量が占めており、エジプトで最大の国際石油企業となっている。また、ENIはエジプトに2基存在するLNG輸出基地の一つ、SEGAS LNG基地(液化容量500万トン)の権益50%を有するオペレーターとなっており、エジプトが東地中海唯一のLNG輸出国として機能するための重要な役割を担っている。
前述のとおりエジプトにおいて内陸から沖合まで幅広く鉱区を取得してきたENIだが、2022年に入って以降、沖合でのガス生産に注力する姿勢が見られる。これは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、イタリアがアルジェリア、エジプト、リビアといった北アフリカ諸国をロシアに代替する天然ガス供給源として注目していることによるものである。ENIは4月にEGASとの間でエジプトでのガス生産を最大化し、欧州、特にイタリアへのLNG輸出を増加させるための枠組み協定を締結した。その前後から、ENIのデスカルジCEOはエジプトのシーシー大統領と頻繁に会合を重ね、エジプトがLNG輸出を通じて地域の天然ガス輸出ハブとなる構想やそのための協力について議論している。そのようなガス生産量増大を目指す動きの一環として、ENIは主に原油を生産する西部砂漠の鉱区から撤退し、ガス生産が見込まれる沖合鉱区への参入を図っている。ENIは米国ヒューストンに拠点を置くエーペックス(Apex)に西部砂漠の4鉱区の権益を売却する一方で、UAEのダナガス(Dana Gas)が撤退した北東アリシュ(Northeast Arish)鉱区や2021年の入札ラウンドで獲得した北ラファハ(North Rafah)、北エル・ファイルーズ(North El Fayrouz)鉱区等、シェブロンのパートナーとしてENIも参画しているナルゲス鉱区を取り囲むようにシナイ半島北部の鉱区を取得している[20]。そして北東アリシュ鉱区の取得後直ちに同鉱区での探鉱を始めており、シナイ半島北部エリアへのENIの期待の高さが伺える。
(3) イスラエル・エジプトでの新規入札ラウンド
前述のとおり、イスラエルとエジプトの双方で活発な鉱区取得や探鉱活動が見られたことで、両国ではそれぞれ12月に新規入札ラウンドが開始された。今後、欧州は中長期的にロシア以外からの天然ガス供給を志向していくであろうことを考えると、新たな天然ガス供給源としての東地中海における入札ラウンドには注目が集まるだろう。
12月13日に公表されたイスラエル第4次沖合入札ラウンドの対象は図4のとおり、20の鉱区を含む4つのゾーンである。入札者は6月29日までにゾーンごとに必要書類を提出し、その後ゾーンの落札者がゾーン内の全ての鉱区のライセンスを付与されることとなっている[21]。イスラエル・エネルギー省は2021年12月に再生可能エネルギーへの転換を志向するとして沖合入札ラウンドを実施しない方針を掲げていたが、2022年からの東地中海ガス田への期待の高まりに加え、10月のイスラエル・レバノン間の海上境界合意による安全保障上のリスク軽減によって外国企業の投資意欲が向上することを期待して、エネルギー省は方針を再度転換した。そのため、既存ガス田と近接する3つのゾーンにシェブロンやエナジーン等を中心に外国企業の関心が集まることが期待される。

(出所:イスラエル・エネルギー省)
12月28日にEGASによって公表されたエジプトの2022年石油探鉱入札ラウンドは陸上・沖合の12鉱区が対象となった(図5のうち赤色の鉱区が対象鉱区)。入札者は4月30日までに必要書類を提出し、その後落札者は6か月以内にコンセッション契約を締結する必要がある[22]。このうち注目されるのはやはり、ENIやシェブロンが保有するシナイ半島北部の2鉱区(South Nour、East Port Said)だろう。ENIやシェブロンは探鉱が進んでおらず「次のゾールガス田」が見つかるかもしれないと言われる同地域において多くの鉱区を取得し、ENIの既存インフラを活用した開発を迅速に進めていく方針だろう。またナイルデルタ付近に集まる陸上・沖合鉱区群は、2000年代以前にBPやシェルが開発し、ゾールガス田の発見以前からエジプトのガス生産の主力を担ってきた地域に位置する。そのため、それらメジャーズは既存インフラの有効活用という観点から関心を有する可能性がある。

(出所:Egypt Upstream GatewayにJOGMEC一部加筆)
以上のように、2022年のイスラエル・エジプトでの探鉱ブームは両国での新規入札ラウンドの開始に結実した。両国での2022年における複数のガス発見はいずれもそれほど大規模でないと推定されており、それらからの生産が即座に欧州向けLNG輸出を大きく増加させるとは言い難い。しかし、この地域での探鉱の活発化が、2022年2月以降の「脱ロシア天然ガス供給源」としての東地中海ガス田への注目と重なり、これまで以上にメジャーズを含む外国企業の投資を喚起する可能性がある。その意味において、2022年の探鉱ブームは東地中海ガス田の将来に繋がりうる成果であったと言えるだろう。
4. おわりに
2022年2月以降、東地中海は米国やカタール、北アフリカ諸国と並ぶ欧州への天然ガス供給源として注目されることが多くなった。しかし、それらのガス供給源と異なり、東地中海は未だグローバルな天然ガス・LNG供給源として確立されてはいない。エジプトは国内需要の高まりによって輸出用天然ガスの確保に苦労している他、2021年までLNG輸出基地が停止していたため、まだ安定的な天然ガス供給源として計算することは難しい。イスラエルは大規模ガス田からエジプトやヨルダンといった地域諸国へのパイプラインガス輸出を進めているが、エジプトを通じた域外への供給力は限られている。そしてキプロスは有望なプロスペクトが複数発見されながらも、いまだ生産開始に至ったガス田は存在しない。
未熟な天然ガス生産地である東地中海にとって、本稿で挙げたイスラエル・レバノン間の海上境界合意とイスラエル・エジプトでの探鉱ブームは、安定的な天然ガス供給源としての第一歩であったと言えよう。東地中海の大きな懸案事項である海上境界紛争の一つが解決され、小規模だが複数のガスが発見されることで東地中海への期待が継続的なものとなりつつある。その結果として、イスラエルとエジプトは外国企業のさらなる投資を期待して新規入札ラウンドを開始するに至った。
しかし、これらはあくまで東地中海が天然ガス供給源として確立されるための第一歩である。今後も欧州諸国や外国企業の関心を集めるためには、この新規入札ラウンドにおいて両国と落札者とがウィンウィンとなる契約を締結し、東地中海でのガス開発が外国企業にとって魅力的であると示す必要がある。さらに、より重要なのは、東地中海でのガスポテンシャルを最大限に発揮するためには、トルコを中心とした海上境界をめぐる国家間対立を解決に導くか、そうでなくともガス田開発に影響を及ぼさないようコントロールする必要がある。
[1] “Full Text: Final Version of Israel-Lebanon Maritime Border Deal,” Haaretz, October 12, 2022,
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[2] Yousra Samaha, “Total to Start Lebanon Exploration,” International Oil Daily, November 15, 2022,
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[3] Nir Boms and Stéphane Cohen, “Israel and Lebanon: A Bridge Over Troubled Waters?” Tel Aviv Notes Vol. 15, No. 1, March 3, 2021, https://dayan.org/content/israel-and-lebanon-bridge-over-troubled-waters(外部リンク).
[4] Rafiq Latta, “Israel Shoots Down Hezbollah Drones Near Israeli Field,” International Oil Daily, July 4, 2022, https://www.energyintel.com/00000181-c953-dc87-a195-dd53e99e0001(外部リンク).
[5] Timour Azhari, “Lebanon PM chides unofficial moves in Israel row after Hezbollah sends drones,” Reuters, July 4, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/lebanon-pm-chides-unofficial-moves-israel-row-after-hezbollah-sends-drones-2022-07-04/(外部リンク).
[6] “Hezbollah warns Israel: ‘Any arm’ trying to steal Lebanon’s wealth ‘will be cut off’,” The Times of Israel, August 9, 2022, https://www.timesofisrael.com/hezbollah-warns-israel-any-arm-trying-to-steal-lebanons-wealth-will-be-cut-off/(外部リンク).
[7] Yoram Schweitzer, Anat Shapira and David Siman-Tov, “Hezbollah Steps on the Gas: The Campaign over Karish,” INSS Insight No. 1655, November 3, 2022, https://www.inss.org.il/publication/karish-hezbollah/(外部リンク).
[8] Peter Stevenson, “Karish Start-Up Increases Israel Gas Competition,” MEES, October 28, 2022, https://www.mees.com/2022/10/28/oil-gas/karish-start-up-increases-israel-gas-competition/e3d0c1e0-56a2-11ed-9b3b-f1ebf36a57df(外部リンク).
[9] James R. Stocker, “No EEZ Solution: The Politics of Oil and Gas in the Eastern Mediterranean,” The Middle East Journal 66, no. 4 (October 2012): 582.
[10] Peter Stevenson, “Israel Restarts Tamar But Egypt LNG Exports Hit,” MEES, Nay 28, 2021, https://www.mees.com/2021/5/28/oil-gas/israel-restarts-tamar-but-egypt-lng-exports-hit/5535c2e0-bfae-11eb-98f3-73fc8448aadd(外部リンク).
[11] “Agreement on Maritime Border Line between Israel and Lebanon: TotalEnergies Will Launch Exploration Activities on Block 9,” TotalEnergies, November 15, 2022, https://totalenergies.com/media/news/press-releases/agreement-between-israel-lebanon-otalEnergies-Will-Launch-Exploration-Activities-on-Block-9(外部リンク).
[12] “Lebanon: QatarEnergy joins TotalEnergies and Eni on two exploration blocks,” TotalEnergies, January 29, 2023, https://totalenergies.com/media/news/press-releases/lebanon-qatarenergy-joins-totalenergies-and-eni-two-exploration-blocks(外部リンク).
[13] Yesar Al-Maleki, “Lebanese President Approves Fuel Loan, Looks To Iraq For Oil Shipments,” MEES, June 11, 2021, https://www.mees.com/2021/6/11/economics-finance/lebanese-president-approves-fuel-loan-looks-to-iraq-for-oil-shipments/e6e86bd0-caba-11eb-8fd2-a56b37a23a59(外部リンク).
[14] Emily Meredith, “Sanctions Final Hurdle in Egypt-Lebanon Gas Deal,” International Oil Daily, December 17, 2021, https://www.energyintel.com/0000017d-c537-d9a0-abff-c57fec3f0000(外部リンク).
[15] “Athena Gas Discovery,” Energean plc, May 9, 2022; “Hermes Well Results and Next Drilling Targets,” Energaen plc, October 6, 2022, https://www.energean.com/media/press-releases/(外部リンク).
[16] “Energean & Vitol Eye Israel-Cyprus FLNG Tie-Up,” MEES, May 6, 2022, https://www.mees.com/2022/5/6/power-water/energean-vitol-eye-israel-cyprus-flng-tie-up/a905c700-cd39-11ec-88e3-1bf653cb9374(外部リンク).
[17] 2019年1月のイスラエル政府決定第4442号において、イスラエルで発見されたガス田について「200bcm以上のガス田は天然ガス量の55%を国内市場に供給する義務がある」、「50bcm以上200bcm未満のガス田は天然ガス量の50%を国内市場に供給する義務がある」、「50bcm以下のガス田は国内市場への供給義務はない」と定められた。
[18] Ahmed Ismail, “Egypt and Chevron agree to explore new East Med gas deal,” Reuters, June 21, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/egypt-chevron-sign-mou-concerning-east-med-gas-petroleum-ministry-statement-2022-06-20/(外部リンク).
[19] “2022 2Q Earnings Conference Call Transcript,” Chevron, July 29, 2022, https://chevroncorp.gcs-web.com/static-files/77edb6d8-6fa0-434d-8eb9-0b660c935633(外部リンク).
[20] Tom Pepper, “Exxon Secures Two Blocks Offshore Egypt,” International Oil Daily, January 10, 2023, https://www.energyintel.com/00000185-9c9b-d384-a3ef-9cffe9e80000(外部リンク).
[21] イスラエルの入札ラウンドに関する詳細情報は以下を参照。 “4th Offshore Bid Round,” Ministry of Energy in Israel, accessed on January 30, 2023, https://www.energy-sea.gov.il/English-Site/Pages/Offshore%20Bid%20Rounds/4th_Bid_Round.aspx(外部リンク).
[22] エジプトの入札ラウンドに関する詳細情報は以下を参照。 “EGAS Exploration Bid Round,” Egypt Upstream Gateway, accessed on January 30, 2023, https://eug.petroleum.gov.eg/dp/jsp/EGAS.jsp(外部リンク).
以上
(この報告は2023年1月31日時点のものです)