ページ番号1009681 更新日 令和5年3月29日

イラン・サウジアラビアが関係正常化に合意:関係各国の見方と石油市場への影響

レポート属性
レポートID 1009681
作成日 2023-03-29 00:00:00 +0900
更新日 2023-03-29 13:15:26 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場基礎情報
著者 豊田 耕平
著者直接入力
年度 2022
Vol
No
ページ数 10
抽出データ
地域1 中東
国1 サウジアラビア
地域2
国2 イラン
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中東,サウジアラビア,イラン
2023/03/29 豊田 耕平
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概要

  • 本稿では、イランとサウジアラビアとの関係正常化合意について、その内容及び背景、関係各国からの反応、エネルギー市場への影響を整理する。
  • 2023年3月10日、イランとサウジアラビアは中国による仲介のもと、今後2か月以内に外交関係を再開することに合意した。今回の合意では、(1)2016年1月以降、7年間にわたって対立を続けてきた地域大国が関係改善の兆しを見せたこと、(2)これまで外交・安全保障分野で影響力を発揮してこなかった中国が仲介したことに注目が集まっている。
  • 今回の合意は地域の安定に資するものであるが、イラン側は地域内での孤立の緩和、国外の反乱分子の抑制が期待され、サウジアラビア側はここ数年の最大の懸案事項であるイエメン内戦の政治的解決の可能性が高まることが大きな利点と言える。
  • 両国は2021年4月から関係改善に向けた協議を進めてきたが、今回合意に至った背景には、(1)イランが国内外の双方で弱体化したこと、(2)イランと強力な経済関係を有する中国が関与し、合意履行が一定程度担保できたことがある。
  • 関係各国からの見方は以下のとおり。
  • イラン:地域内の安定を促進するとして歓迎。ライシ政権の近隣諸国との関係改善、「ルック・イースト政策」の成果であると捉える。また今回の合意で米国の中東での影響力が低下すると認識。
  • サウジアラビア:イランと同様に合意を歓迎するも、今後の行動変化には懐疑的な意見もある。また、イランとイスラエル、中国と米国といった多くのオプションを有する多角的・独立的な外交の展開が顕著に表れている。
  • イスラエル:これまで試みてきた「イラン包囲網」の失敗と認識。他方で今回の合意は、イスラエルの右傾化・不安定化によって、アラブ諸国がイランとの関係改善という別のオプションを模索し始めた結果と考えられる。
  • 中国・米国:今回の合意には「米国の衰退と中国の台頭」という象徴的な重要性が存在。他方、中国は安全保障上の能力が限定されていることから、引き続き米国は中東諸国にとっての重要性を有し、中国と米国の役割は中東において補完的に作用すると見ることができる。
  • ロシア:今回の合意に対して強い反応は見られないが、友好国同士の関係改善を歓迎している。
  • 先行きは予断を許さないものの、本合意は中東地域の主要な産油国であるイランとサウジアラビアの関係改善につながる動きであり、エネルギー市場への影響が注視される。即座に世界的な石油需給に影響するものではないが、中東地域の石油施設への攻撃停止を含め地政学的リスクが低下することで石油市場の安定に寄与する可能性がある。

 

1. はじめに

2023年3月10日、イランとサウジアラビアは中国による仲介のもと、今後2か月以内に外交関係を再開することに合意した。この合意は、2016年1月から7年間にわたって外交関係を断絶してきた二か国が国交回復に合意したこと、これまで外交・安全保障分野において影響力を発揮してこなかった中国が仲介役を務めたことという二つの意味で衝撃的なものとなった。

本稿では、関係各国の政府機関等からの声明、各国メディア及び研究機関による分析をもとに、今回の合意がどのような背景で達成されたのか、関係各国はどのような影響を受け、どのように反応しているのかについて論じる。また中東地域の主要な産油国であるイランとサウジアラビアの関係の変化によるエネルギー市場への影響について考察する。

 

2. 合意の内容とその背景

(1) 合意の内容

今回の合意は、3月6日から10日にかけて、イラン国家安全保障最高会議のアリ・シャムハーニー事務局長、サウジアラビアのムサーイド・ビン・ムハンマド・アル・エイバーン国務相が、中国の王毅前外相の仲介のもとで会談したことで達成された。この合意に関するイラン・サウジアラビア・中国の三か国共同声明では、合意の内容は以下のとおり伝えられている[1]

  1. イランとサウジアラビアが今後2か月以内に外交関係を再開し、大使館・公館を再開すること
  2. 国家主権の尊重と内政不干渉を確認すること
  3. 両国の外相がこれを実行に移し、二国間関係を強化する方法を協議するため会談すること
  4. 1998年に締結された経済協力協定、2001年に締結された治安協力協定を履行すること

この合意は一言で言うと、両国間の対話と協力を促進することで、ペルシャ湾岸地域の安定につながりうる。イランとサウジアラビアは2016年1月、サウジアラビア内務省がシーア派聖職者の死刑執行を公表し、それに呼応して在イラン・サウジアラビア大使館が襲撃されたことによって国交断絶に至った。それ以降、両国の対立は中東地域で最も先鋭的な対立の一つとなり、イラクやイエメン、レバノン等の周辺諸国にもその影響が波及し、中東地域全体の緊張関係の一因となってきた。そのため今回の合意に対しては、当事国の政府関係者のみならず、バーレーン、クウェート、カタール、UAEといった湾岸協力会議(GCC)諸国、エジプト、レバノン、シリア、アルジェリア、スーダン等の多くの中東・北アフリカ諸国から称賛の声が寄せられている[2]

では、当事国の具体的なメリットは何だろうか。イランは今回の合意で少なくとも二つ得るものがあったと言うことができる。第一に、イランは自国の地域内での孤立を緩和することができる可能性がある。2020年から「アブラハム合意」と呼ばれるイスラエルとアラブ諸国との関係正常化が進展し、また欧米諸国との核合意交渉も難航する中、イランは地域内外での孤立を強めていた。今回の合意はイランとアラブ諸国との関係強化への道を開き、イランにとって地域内での協力関係を構築するきっかけとなりうる。第二に、イランは国外の反乱分子からの内政干渉を抑えることができるかもしれない。ウォールストリートジャーナルは、サウジアラビアが出資し、イランの抗議運動を扇動しているとされる在英メディアのイラン・インターナショナルの批判的な報道を抑制することについて、両国が合意したと報じている[3]

また、今回の合意で最も注目すべき要素の一つは、サウジアラビアにとってここ数年間の重荷となっていたイエメン内戦が解決に向かう可能性が高まったことである。サウジアラビアが2015年に隣国イエメンに軍事介入して以来、サウジアラビアとイランの「代理戦争」とも言われるイエメン内戦は泥沼化し、2022年4月にようやく停戦合意に至るも、10月には停戦が失効してしまっている[4]。イランとサウジアラビアとの合意には両国がイエメン紛争の解決に向けてあらゆる努力を行うことを定めた秘密条項があるとも報じられており[5]、サウジアラビアが一刻も早く手を引きたいイエメン問題が解決に向かうことが期待されている。現に、イラン国連代表部は、サウジアラビアとの合意がイエメンでの紛争に政治的解決をもたらすことに有用であると述べている[6]。イエメン内戦はサウジアラビア政府にとって長年の悩みの種となってきたため、このメリットは同国にとって極めて重要な意義を有する。

 

(2) 合意の背景

2021年4月以降、イランとサウジアラビアはイラクによる仲介のもと、外交関係の再開に向けた協議を継続してきた。ワシントン・アラブ湾岸諸国研究所(AGSIW)のフセイン・アイビッシュ上級常勤研究員はこの交渉の契機として、イランが経済制裁によって弱体化していたこと、サウジアラビアが2019年9月のアブカイク石油生産施設へのドローン攻撃からイランとの直接的な対立を避け、融和を図っていたことを挙げる[7]。両国は断続的に交渉を実施してきたが、サウジアラビアが最も重要な争点と考えるイエメン内戦についてイラン側から満足のいく回答を得られなかったこと[8]、仲介役のイラクの国内情勢が不安定化したこと等を理由に、交渉は成果を上げてこなかった。

今回、このタイミングで合意に至ることができた要因の一つには、先述したイランの弱体化がさらに進んだことがあるだろう。2022年9月、ヒジャブ着用をめぐって道徳警察に拘束されたクルド人女性が死亡したことを契機に、イラン全土まで拡大する抗議運動が勃発した。この抗議運動は2023年3月現在も収まらず、さらにイラン政府が抗議運動の参加者に強い弾圧を加えたことで欧米諸国からの批判が生じ、各国でイランに対する制裁措置が講じられた[9]。イランがウクライナ侵攻を進めるロシアにドローンを供与していたことが明るみに出たことで、欧米諸国とイランとの緊張はますます高まっている。加えて、イスラエルが「アブラハム合意」を進めてきたことでイランの地域的な孤立が深まり、国内外、さらに中東内外で強い圧力を加えられる状況となったのである。英国王立国際問題研究所のナディーム・シェハーディー研究員は、今回の合意はサウジアラビアが最も強力になり、イランが最も弱くなるタイミングでなされたと指摘している[10]。つまり、イランへの内外からの圧力が強まった状況が、サウジアラビアがイエメン内戦等について、自国の要求を強く主張することを可能にしたと考えられる。

加えて、中国が仲介役となったことも大きな要素だろう。中国はこれまで中東諸国の政治的問題に立ち入らず、分け隔てなく経済関係を強化してきた。サウジアラビアのトゥルキ・アル・ファイサル元情報局長はフランス24のインタビューに対し、「中国は我々(イランとサウジアラビア)双方と良い関係を築いているため、これ(合意)を成功させることができた。米国でも欧州でも、誠実な仲介役にはなれなかっただろう。」と発言している[11]。ここで重要なのは中国とイランとの関係である。近年、イラン経済の根幹である日量100万バレル程度の原油輸出量のほとんどすべては中国に向けて供給されていると報じられており[12]、通貨暴落とインフレに苦しむイランにとって中国は唯一の頼みの綱と言うことができる。つまり、米国やイラクと違ってイラン経済への強い影響力を有する中国は、イランが合意を履行することに対する一定程度の強制力を有し、サウジが合意に踏み切る安心材料になったと推測できる。

 

3. 関係諸国からの見方

敵対関係にあるイランとサウジアラビアの合意は域内外へと影響を及ぼし、関係各国の様々な反応を惹起している。以下では、合意に対する等自国及び関係諸国の政府関係者やメディアからの反応、各国の立場に関する分析を整理することで、今回の合意が中東内外にどのような影響を及ぼしたかを検討する。

 

(1) イランの見方

イラン政府関係者は今回の合意を地域内の安定や協力を促進するものとして、こぞって称賛している。イラン側の交渉を担当したシャムハーニー氏は、今回の合意は両国間の誤解を解消し、地域の安定と安全保障、湾岸諸国やイスラム世界での協力を促進するものと述べており[13]、アブドラヒアン外相やガーリーバーフ国会議長等も同様の姿勢を示している。また、ロウハーニー前大統領、ラフサンジャーニー元大統領の関係者らも自政権から継続してきた政策の成果であるとアピールしており[14]、現政権の関係者を越えて好意的な評価がなされている。

イラン政府は今回の合意を「ライシ政権が継続してきた近隣諸国との関係改善の成果」と捉えている。ライシ政権は前述したイランの地域内での孤立を受け、アゼルバイジャンやトルクメニスタン等のカスピ海周辺諸国や、ペルシャ湾岸諸国と関係を強化することを一貫して試みてきた。2022年8月には、サウジアラビアと同じく2016年に国交を断絶したUAE、クウェートと外交関係の回復に至っており、イランの近隣外交は着実に成果を挙げていた。サウジアラビアとの間ではロウハーニー前政権から外交・対話を求める姿勢を示しており、イラン政府は今回の合意でその努力が結実したと考えている。

加えて、イランは今回の合意が米国の中東での影響力を低下させるものだと強調している。シャムハーニー氏は域外勢力、特に欧米からの不当な介入を防止するものだと述べている。またイラン各紙でも、イラン・サウジアラビア・中国というアジア諸国のみで合意に至ったことを受けて、米国の役割の弱体化、欧米からの介入の不要さ、米国の単独行動主義への対抗といった側面への言及が見られる[15]。イランにとっては対米不信を背景に中国やロシアに接近する「ルック・イースト政策」[16]の成果であると言うことができるだろう。

 

(2) サウジアラビアの見方

サウジアラビアではイランと同様、外交的な紛争解決を可能とする今回の合意が高く評価されている。ファイサル外相は今回の合意を「コミュニケーションと対話を通じて紛争を解決する」とし、地域の繁栄と安定のために地域諸国が協力する必要性を強調した[17]。ジャーダン財務相は合意に伴いサウジアラビアからイランへの投資が「非常に早く」実現する可能性があると示唆している[18]。この発言は、イランとの対立を政治的に解決し、地域協力を通じた経済発展を目指すサウジアラビア政府の姿勢を示していると言うことができる。他方、サウジアラビアでは依然としてこの合意におけるイランの意図を疑う見方もある。GCC政治問題・交渉担当事務次長のアブデルアジーズ・アルワイシェグ氏は、過去にイランが地域内での行動を変化させなかったことを踏まえ、今回の合意に懐疑的な姿勢を示している[19]。非国家主体との連携・協力等も担っているイラン革命防衛隊は、これまでしばしば外務省を含むイラン政府と意見を異にしてきたことから[20]、革命防衛隊が独自の意見をもって行動することも排除できず、今後2か月間のイランの行動変化を慎重に注視する必要があると見られている。

この合意では、サウジアラビアが地域内外で多角的・独立的な外交政策を展開している成果が如実に表れた。中東域内では、サウジアラビアは2021年からイランとの協議を進める一方で、イスラエルとの潜在的な関係強化も志向してきた。サウジアラビア一般民間航空局(GACA)は2022年7月、イスラエルを含むすべての航空会社に領空通過を認める等[21]、両国は可能な範囲で協力を拡大している。イスラエル国家安全保障研究所のヨエル・グザンスキー研究員は、サウジアラビア高官は対イラン安全保障における米国の信頼性を疑問視しており、米国が果たしてきた役割を埋め合わせるためにイスラエルとの関係を強化している可能性を指摘している[22]。サウジアラビアはイランとの合意で外交的な紛争解決を求めつつ、他方でイスラエルとの関係強化を通じて自国の対イラン安全保障を強化する「二正面作戦」を展開していると言えよう。

上記の姿勢は米国と中国に対する外交姿勢にも表れている。米国のサリバン大統領補佐官は今回の合意についてサウジアラビアは事前に米国と情報共有していたと述べており[23]、今回の合意で「中国寄り」にシフトしたというわけではない。同補佐官が述べるとおり、米国とイランの関係を考えると、米国は今回の合意を仲介する立場にはなく、今回に関しては両国と関係を有する中国が適切な仲介役であった。サウジアラビアは米国以外に中国、ロシア、インド等とも関係を強化することによって、これまでのように米国のみに外交・安全保障を依存するのではなく、他の域外諸国をオプションに加えた多角的・独立的な外交を展開していくことを試みていると言える。その中で、今回はイランとの外交的解決に適切な中国の仲介を選択したということだろう。

 

(3) イスラエルの見方

イスラエルは今回の合意で最大の敗者と評されている。ネタニヤフ首相は現時点でこの合意に対してコメントしていないが、2020年の「アブラハム合意」でのアラブ諸国との関係強化を通じて「イラン包囲網」を形成してきたイスラエルにとって、イランの地域的な孤立を緩和する可能性がある今回の合意は大きな痛手であると言える。アラブ諸国はこの合意に前後して、イスラエルとの協力関係から離れ、イランとの関係改善に向かう姿勢を見せている。例えば、イスラエルのコーエン外相は3月19日、サウジアラビアでの世界観光機関の式典への出席を予定していたが、サウジアラビア側が訪問の安全確保に関する協議に応じなかったことから、訪問を中止せざるをえなくなった[24]。また、サウジアラビアに先だって2022年9月にイランとの関係を正常化していたUAEは、イランのシャムハーニー氏らと会談し、関係改善に向けた具体的な措置について協議したと報じられている[25]

しかし、アラブ諸国による「イスラエル離れ」の兆候は今回の合意の結果とは言えず、むしろイスラエル自身が合意の一因になったと言える。2022年12月末に発足したネタニヤフ新政権は右派政党の「ユダヤの力」、「宗教シオニズム」を含む極右政権として成立し、ヨルダン川西岸の入植活動等のパレスチナ問題について強硬な立場をとっている。翌年1月初頭には「ユダヤの力」党首のベングビール国家治安相がユダヤ人の礼拝が認められていないエルサレムのアルアクサ・モスクを訪問し、アラブ諸国の強い反発を生んだ[26]。また、同政権は最高裁判所の権限を縮小する司法改革を検討しており、リベラルな派閥との分断を深め、国内で大規模な抗議運動が発生している。以上のようなイスラエルの強硬さ、不安定さから、アラブ諸国はイスラエルとの関係強化以外に、イランとの対立の外交的解決をも模索し始めたと考えられる。

 

(4) 中国と米国の見方

今回の合意は、これまで外交・安全保障分野で影響力を発揮してこなかった中国が仲介役を務めたことから、域外大国のパワーバランスの変化、具体的には「米国の撤退と中国の台頭」という点でも注目されている。中東研究所のブライアン・カトゥリス副所長は、今回の合意は中国にとって米国の撤退に伴う中東の真空を埋めるという「象徴的な」重要性があると指摘する[27]。また、上海国際問題研究大学中東研究所の朱維力所長は、今回の合意は中国の平和と発展を促進する外交理念が、湾岸地域での対立をあおる戦略よりも魅力的だと示すものであると分析している[28]

確かに「中国の台頭」という見方は一定の妥当性を有している。中国外交部は同国が一貫して中東諸国が自主的に発展の道を模索することを支持し、今回の合意が国家間の問題を対話と協議で解決するモデルになると述べ[29]、今後も中東地域で外交的な役割を果たしていくことを示唆している。通関統計によると中国は2022年の原油輸入のうち53%を中東に依存しており、うち17.2%を占めるサウジアラビアは中国にとって第1位の原油輸入相手先である[30]。加えて、中東地域諸国の協力関係は、「一帯一路」の質の高い建設の推進を円滑化するとも指摘されている[31]。中東にエネルギー供給を大きく依存し同地域諸国との経済協力を推進する中国が、中東での紛争解決に積極的に関与し、地域の安定とエネルギー安全保障を求めることは自然な結果と言えよう。

しかし、今回の合意によって中国が米国に取って代わるという見方は現実的ではない。まず、米国のサリバン大統領補佐官は、中国のような他国がイエメン等での緊張緩和を促進することは米国の利益に一致し、中国との協力が互いの利益になる場合は中国と協力すると発言している[32]。米国は中国の仲介を排除するわけではなく、中国による中東地域の緊張緩和に利益を有するという立場をとっているのである。また、中国・中東関係を専門とするベンジャミン・ホートン氏は、中国は米国と比べて戦力投射能力が限定的であり、軍事力を用いて危機に対応し、戦争を抑止あるいは遂行する能力がないと指摘する[33]。つまり、中東諸国にとって中国は外交における新たな選択肢にはなりうるものの、安全保障分野では依然として米国に頼らざるをえないのである。したがって、上述したとおり今回の合意は中国の役割に対する「象徴的な」重要性はあるものの、実態としては米国の安全保障上の重要性は現時点で比類ないものであると言えよう。

 

(5) ロシアの見方

最後に、イランと強い政治的・経済的関係を有する数少ない国であり、かつ重要なエネルギー供給国であるロシアは、今回の合意をどのように捉えているのだろうか。今回の合意について、ロシアのペスコフ大統領報道官は「(特にサウジアラビアやイラン等の地域の主要国については、)緊張のレベルを下げ、対話を改善するのに役立つ、またそうなるためのあらゆる措置を歓迎する」と述べている[34]。合意の前日にはサウジアラビアのファイサル外相がモスクワを訪問しており[35]、この時点でロシアに何らかの情報共有はなされていると考えられる。また、中国の習近平国家主席のモスクワ訪問に伴い、中国とロシアは今回の合意について「中東が戦略的独立を強化し、対話と協議を通じて深刻な問題を解決することを支持する」という共同声明を発出している[36]。この声明は、イランのシャムハーニー氏と同様に欧米の不当な介入に反発し、中国の対話と協議による紛争解決を支持するものと言えよう。いずれにせよ、ロシアはサウジアラビアとOPECプラスにおいて協力し、イランとはウクライナ侵攻から協力を強めているため、友好国同士の関係改善はロシアにとっても歓迎されるものだということだろう。

 

4. 本合意のエネルギー市場への影響

イランとサウジアラビアの関係正常化の先行きは予断を許さないものの、本合意は中東地域の主要な産油国である両国の関係改善につながる動きであり、エネルギー市場への影響が注視される。即座に世界的な石油需給に影響するものではないが、中東地域の石油施設への攻撃停止を含め地政学的リスクが低下することで石油市場の安定に寄与する可能性がある。

まず石油需給の観点では、両国の石油供給政策に大きな変化を及ぼすことはないと思われる。サウジアラムコは2019年9月のアブカイク石油生産施設へのドローン攻撃にもかかわらず、石油需給を背景とした原油供給政策を大きく変更していない。2022年3月には同社が2027年に原油生産能力を日量1,300万バレルに引き上げるためのロードマップを公表しており、各油田の増強を順次進め、段階的に目標を達成する見通しである[37]。また実際の原油生産については、アブドゥルアジーズエネルギー相が、当面はOPECプラスでの2022年11月から2023年末までの減産合意に従って生産する方針を維持すると発言している[38]。このように、サウジアラビアの生産能力の拡張や実際の原油生産において、イランやその代理勢力からの攻撃リスクの影響は感じさせない。また、イランは日量250万バレル程度の原油を生産し、うち日量100万バレル程度を主に中国向けに供給している[39]。イランの石油生産・輸出を制約しているのは米国による石油・ガス部門への経済制裁であり、今回の合意はその状況を変化させない。以上のことから、今回の合意は両国の原油生産・輸出方針に直接的な影響は及ぼさないと見ることができる。

次に石油価格の観点では、今回の合意は地政学的リスクを減少させることで石油市場の安定化をもたらし、価格のボラティリティ低減に貢献すると見ることができる。サウジアラムコのナセルCEOは、今回の合意は石油市場に良い影響を与えるという楽観的な見方を示している[40]。先述した2019年9月のアブカイク石油生産施設への攻撃はイラン若しくはイエメンに存在するイランの代理勢力(フーシ派)がその背後に存在すると見られている。今回の合意にはサウジアラビアのみならず米国、イスラエルも懸念するイランの核開発計画については全く言及されていないため、その観点でイランを中心とした地政学的リスクは依然として残るものの、イラン・サウジアラビア間の緊張緩和によって湾岸アラブ諸国の石油施設へのイランやその代理勢力の攻撃リスクが低減するという点では市場に一定の安定性をもたらすだろう。

 

5. おわりに

本稿では、3月10日に発表されたイランとサウジアラビアとの関係正常化合意について、その背景と関係諸国の反応を整理した。7年にわたって対立を続けてきた両国の合意は当事国を含む域内外から歓迎されるものであるが、「対イラン包囲網」の試みを損なうという点で、イスラエルはこの合意によって最も大きな損害を被っていると言えよう。また、今回の合意は両国と強い経済関係を有する中国が外交的に大きな役割を果たした点でも注目される。安全保障分野での能力不足から、現時点でその役割は限定的ではあるものの、中東地域でのエネルギー安全保障に大きく依存する中国が外交的に台頭することは、地域の安定化にとって重要である。

今後の両国の関係正常化の行く末は予断を許さない。サウジアラビアのサルマーン国王は早くもイランのライシ大統領をリヤドに招待し、同大統領はこの招待を歓迎したと報じられている[41]。しかし、サウジアラビアのファイサル外相は「これは両者の間のすべての懸案事項を解決するための合意に達したことを意味しない」と述べている[42]。冒頭で挙げた共同声明にあるとおり、両国の外相がどのように合意を実行に移し、二国間関係を強化する方法を見出すのか、少なくとも今後2か月間は見極めていく必要がある。今後も残っていく両国間の懸案事項に対してどのように対処するのかも、両国が関係を正常化する上でのカギとなるだろう。

 

 

[1] “Joint Trilateral Statement by the People's Republic of China, the Kingdom of Saudi Arabia, and the Islamic Republic of Iran,” Ministry of Foreign Affairs of the People’s Republic of China, March 10, 2023, https://www.mfa.gov.cn/eng/zxxx_662805/202303/t20230311_11039241.html(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[2] “Deep Dive: Amid western skepticism, Iranian-Saudi agreement largely hailed in region,” Amwaj.media, March 13, 2023, https://amwaj.media/article/iran-saudi-deal-eyed-with-optimism-pessimism-and-skepticism(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[3] Summer Said, Stephen Kalin and Benoit Faucon, “China Plans New Middle East Summit as Diplomatic Role Takes Shape,” The Wall Street Journal, March 12, 2023, https://www.wsj.com/articles/china-plans-summit-of-persian-gulf-arab-and-iranian-leaders-as-new-middle-east-role-takes-shape-357cfd7e(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[4] Mohammed Alghobari and Reyam Mokhashef, “Yemen truce expires as U.N. keeps pushing for broader deal,” Reuters, October 4, 2022, https://www.reuters.com/world/middle-east/yemen-truce-expires-un-keeps-pushing-broader-deal-2022-10-03/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[5] Hasan Illaik, “Exclusive: The hidden security clauses of the Iran-Saudi deal,” The Cradle, March 12, 2023, https://thecradle.co/article-view/22445/exclusive-the-hidden-security-clauses-of-the-iran-saudi-deal(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[6] “Iran says deal with Saudi Arabia will help end Yemen’s war,” Arab News, March 12, 2023, https://www.arabnews.com/node/2267456/middle-east(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[7] Hussein Ibish, “Saudi Arabia’s New Dialogue With Iran was Long in the Making,” The Arab Gulf States Institute in Washington, May 4, 2021, https://agsiw.org/saudi-arabias-new-dialogue-with-iran-was-long-in-the-making/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[8] 近藤重人「サウジアラビア:外相がイランとの協議に言及」『JIME中東動向分析』2021年10月15日

[9] “Iran: EU sanctions perpetrators of serious human rights violations,” European Council, October 17, 2022, https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2022/10/17/iran-eu-sanctions-perpetrators-of-serious-human-rights-violations/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[10] Nadim Shehadi, “The Saudi-Iran deal is an opportunity to bring stability,” Arab News, March 18, 2023, https://www.arabnews.com/node/2271076(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[11] Marc Perelman, “Ex-Saudi intelligence chief 'hopes' deal with Iran will be game-changer for region,” France 24, March 14, 2023, https://www.france24.com/en/tv-shows/the-interview/20230314-ex-saudi-intelligence-chief-hopes-deal-with-iran-will-be-game-changer-for-region?ref=tw(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[12] Oliver Klaus and Simon Martelli, “Iran's Oil Exports on Track to Reverse Decline,” International Oil Daily, February 22, 2023, https://www.energyintel.com/00000186-7927-dbd8-aba7-ffaf12cc0000(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[13] “Admiral Shamkhani's narrative about the end of the 7-year stalemate and the agreement to resume bilateral relations between Iran and Saudi Arabia,” NourNews, March 11, 2023, https://nournews.ir/En/News/136192/Admiral-Shamkhani's-narrative-about-the-end-of-the-7-year-stalemate-and-the-agreement-to-resume-bilateral-relations-between-Iran-and-Saudi-Arabia(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[14] “Deep Dive,” Amwaj.media, March 13, 2023.

[15] Mohsen Pakaein, “On the Re-establish Relations of Iran and Saudi Arabia,” Mehr News Agency, March 12, 2023, https://en.mehrnews.com/news/198412/On-the-re-establish-relations-of-Iran-and-Saudi-Arabia(外部リンク)新しいウィンドウで開きます; “Iran-Saudi Deal Has 5 Messages for Enemies and Friends,” Tehran Times, March 13, 2023, https://www.tehrantimes.com/news/482889/Iran-Saudi-deal-has-5-messages-for-enemies-and-friends(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[16] 青木健太「イランの「ルック・イースト」政策から見る外交方針」『中東分析レポート』2022年6月8日

[17] Zaid Bin Kami, “Saudi FM to Asharq Al-Awsat: Agreement with Iran Sign of Joint Will to Resolve Disputes through Dialogue,” Asharq Al-Awsat, March 13, 2023, https://english.aawsat.com/home/article/4209031/saudi-fm-asharq-al-awsat-agreement-iran-sign-joint-will-resolve-disputes(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[18] “Saudi Finance Minister: Opportunities Available for Saudi Arabia, Iran if Agreement Is Respected,” Asharq Al-Awsat, March 15, 2023, https://english.aawsat.com/home/article/4213541/saudi-finance-minister-opportunities-available-saudi-arabia-iran-if-agreement(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[19] Abdel Aziz Aluwaisheg, “Could Saudi-Iran agreement augur a new era?” Arab News, March 14, 2023, https://www.arabnews.com/node/2268616(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[20] 青木健太「イラン「革命防衛隊の強大化」で遠のく核合意再建」『新潮社Foresight』、2023年3月1日

[21] Omar Fahmy and Eric Beech, “Saudi Arabia to open airspace to all airlines, including from Israel,” Reuters, July 15, 2022, https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/saudi-arabia-open-its-airspace-all-air-carriers-statement-2022-07-14/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[22] Yoel Guzansky, “Saudi Arabia and Israel: Normalization at a Snail’s Pace,” INSS Insight No. 1633, August 15, 2022, https://www.inss.org.il/publication/saudi-arabia-israel/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[23] “Press Gaggle by Press Secretary Karine Jean-Pierre and National Security Advisor Jake Sullivan En Route San Diego, CA,” The White House, March 13, 2023, https://www.whitehouse.gov/briefing-room/press-briefings/2023/03/13/press-gaggle-by-press-secretary-karine-jean-pierre-and-national-security-advisor-jake-sullivan-en-route-san-diego-ca/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[24] Rina Bassist, “After thaw with Iran, Saudi Arabia sends negative signals to Israel, Al Monitor, March 14, 2023, https://www.al-monitor.com/originals/2023/03/after-thaw-iran-saudi-arabia-sends-negative-signals-israel#ixzz7wk5wljXw(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[25] “Top Iran official meets UAE's Mohammed bin Zayed, after Saudi thaw,” Al Monitor, March 16, 2023, https://www.al-monitor.com/originals/2023/03/top-iran-official-meets-uaes-mohammed-bin-zayed-after-saudi-thaw#ixzz7wkACJcvj(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[26] “Wave of international criticism after Ben Gvir visits flashpoint Temple Mount,” The Times of Israel, January 3, 2023, https://www.timesofisrael.com/jordan-accuses-ben-gvir-of-storming-al-aqsa-by-visiting-temple-mount/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[27] Adam Lucente, “Iran, Saudi Arabia to resume relations in China-brokered deal,” Al Monitor, March 10, 2023, https://www.al-monitor.com/originals/2023/03/iran-saudi-arabia-resume-relations-china-brokered-deal#ixzz7wlEsbAhz(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[28] “China’s mediation in Saudi-Iran deal to restore ties best practice of GSI, exerting far-reaching influence on other hotspot issues: experts,” Global Times, March 11, 2023, https://www.globaltimes.cn/page/202303/1287105.shtml#:~:text=A%20landmark%20agreement%20between%20Saudi%20Arabia%20and%20Iran,as%20inject%20stability%20into%20a%20volatile%20geopolitical%20landscape(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[29] 中华人民共和国外交部「外交部发言人就沙特和伊朗北京对话答记者问」2022年3月11日、https://www.fmprc.gov.cn/fyrbt_673021/202303/t20230311_11039283.shtml(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[30] 竹原美佳「中国のエネルギー需給・調達の現状と今後の方向性 ―「保供」(供給確保)政策のもと、石炭とクリーンエネルギーを増強、不足は「長期契約」で確保し、「自立自強」へ邁進―」『JOGMEC石油・天然ガス資源情報』2023年3月14日、https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1009585/1009665.html

[31]「中东宿敌在北京握手,这张照片意味深长」『人民日報』2023年3月11日、http://www.news.cn/world/2023-03/11/c_1211737097.htm(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[32] “Press Gaggle by Press Secretary Karine Jean-Pierre and National Security Advisor Jake Sullivan,” The White House, March 13, 2023.

[33] Benjamin Houghton, “China triumphs with Saudi-Iran deal, but devil in implementation,” Al Monitor, March 13, 2023, https://www.al-monitor.com/originals/2023/03/china-triumphs-saudi-iran-deal-devil-implementation#ixzz7wlFkQKvl(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[34] “Kremlin welcomes any steps by Iran, Saudi Arabia aimed at easing regional tensions,” TASS, March 13, 2023, https://tass.com/politics/1587831(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[35] “Press release on Foreign Minister Sergey Lavrov’s talks with Foreign Minister of Saudi Arabia Prince Faisal bin Farhan Al Saud,” The Ministry of Foreign Affairs of the Russian Federation, March 9, 2023, https://mid.ru/en/foreign_policy/news/1857490/(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[36] “Russia, China hail normalization between Saudi Arabia and Iran — statement,” TASS, March 22, 2023, https://tass.com/world/1592465(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[37] “Aramco to complete 1 million bpd oil capacity expansion by 2027 -CEO,” Reuters, October 4, 2021, https://www.reuters.com/article/global-oil-aramco-int-idUSKBN2GU1KL(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[38] Amena Bakr, “Opec-Plus to Hold Policy Steady,” International Oil Daily, February 17, 2023, https://www.energyintel.com/00000186-5f53-de95-a7ae-5f77f6330000(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[39] Oliver Klaus and Simon Martelli, op. cit.

[40] Jamie Ingram, “Saudi-Iran Deal Offers Oil Markets Stability,” MEES, March 17, 2022, https://www.mees.com/2023/3/17/geopolitical-risk/saudi-iran-deal-offers-oil-markets-stability/23dc19b0-c4cb-11ed-8605-279a7b3c092e(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[41] “Iran's Raisi 'welcomes' invitation to visit Saudi Arabia following reconciliation deal,” France 24, March 19, 2023, https://www.france24.com/en/middle-east/20230319-iran-s-raisi-welcomes-invitation-to-visit-saudi-arabia-following-reconciliation-deal(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[42] Zaid Bin Kami, op. cit.

 

以上

(この報告は2023年3月28日時点のものです)

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