ページ番号1009985 更新日 令和5年12月27日
このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。
※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.
概要
JOGMECでは、海外のエネルギー関連国際会議に参加し展示会へ出展をしています。本記事では、2023年9月17~21日に開催されたWPC2023(World Petroleum Congress)および2023年10月2~5日に開催されたADIPEC2023(Abu Dhabi International Petroleum Exhibition and Conference)への出展についてご紹介します。
1. 海外展示会出展の目的
JOGMECは国際会議に参加し現地での情報収集やセッションでの発表を行うとともに、主要国との資源外交も積極的に展開することとしています。また、国際会議に併催される展示会でJOGMECの技術や取り組みを紹介し、技術力アピールと、プレゼンス向上を目指しています。
2-1. WPC概要
世界石油会議世界大会(WPC)は世界石油会議参加国(産油国・消費国約60か国)持ち回りで3年に1度開催される石油産業全体を討議する国際会議で、今回のWPC2023は、カルガリー(カナダ)のBMO Centreで開催されました。会議全体のテーマは「Energy Transition: The path to Net Zero」とし、一部の国からは首相やエネルギー大臣、州の首長などVIPがセッションに登壇して各国のエネルギートランジションへの方針などを紹介していました。
今回、JOGMECは約90平方メートルのブースを出展し、エネルギートランジションへの取り組みを紹介すると共に開発中の技術関連パネルを展示しました。さらに様々なセッションやポスター発表を聴講して情報収集を行いました。

(出所:JOGMEC事務局による)
2-2. WPC2023ブース
JOGMECは展示会場中央通路沿いに出展出来たことに加え、桜の模様をベースにした看板が多くの人の目に留まり、4日間の出展期間中ほぼ途切れることなく来訪者がありました。中央通路に面して配置したCCS・水素事業及びガイドラインのパネルの前では多くの人が興味を持って立ち止まって写真を撮り、質問がなされました。技術関連ではDDR膜によるCO2分離、セラミック膜による水処理、 ACROSS震源によるモニタリング技術のパネルが高い関心を集めました。

(出所:JOGMEC事務局による)
2-3. WPC2023所感
WPC2023では世界28カ国からのブース出展、1万人以上の来場がありました。出展していた企業は、産油国、国営石油会社、民間石油会社、コントラクターやコンサルタント等多岐にわたりましたが、民間石油会社の参加は少なめの印象でした。また、全体的に事業や技術の紹介よりも空間を広く取りネットワーキングを主体としたブースが多くありました。

(左下・写真7)Exxon Mobilのブース、(右下・写真8)集合写真
(出所:JOGMEC事務局による)
3-1. ADIPEC概要
ADIPEC2023の来場者数は18万4000人、出展社数も2,200社以上に上り、世界でも最大級の石油・ガス産業の展示会および会議となっています。アブダビは資源外交上の重要な対象国であり、JOGMECの有する技術力などをアブダビ国営石油会社ADNOCに対してアピールすべく、石油公団時代の1998年から毎回出展しています。2023年は前年に引き続いてアブダビ石油株式会社、コスモエネルギー開発株式会社、JX石油開発株式会社との共同出展となりました(写真3)。共同出展者も自身の事業や取り組みを紹介し、JOGMECとともに対外発信を行いました。

(出所:JOGMEC事務局による)
3-2. ADIPEC2023出展
JOGMECは昨年同様展示会場ホールの入口付近に225㎡のブースを出展しました。ブースは水の波紋をモチーフとし、来訪者がアクセスしやすい「四面開放」デザインとしました。書道パフォーマンスを定期的に行い、多くの来場者に日本ブースとしてアピールが出来ました。
今回は、JOGMECのCCS・水素事業部職員がパネルの前でプレゼンテーションを行い、来訪者へJOGMECの取り組みについて紹介しました。また、セラミック膜の紹介では、携帯型試験機を展示し模擬水処理のデモンストレーションを実施しADNOC関係者等から多くの関心が示されました。


(出所:JOGMEC事務局による)
3-3. ADIPEC2023登壇
JOGMECからの参加者はADIPEC会議におけるパネル登壇・講演を通じて日本及びJOGMECのプレゼンス拡大を図りました。髙原理事長がStrategic Conferenceの「Trade and supply chains: rethinking strategies for energy security and an effective transition」に登壇し、日本のエネルギー政策の基本概念、エネルギーミックスの考え方、クリーンエネルギーサプラインチェーン構築に向けた日本の施策等について述べました。また、Hydrogen Conferenceでは山本副本部長が「Building resilient supply chains for the hydrogen economy」へ登壇し、日本のエネルギーミックスに係る政策(2030年には電力の1%を水素・アンモニアにする目標等)、JOGMECとしてどのようにアンモニア・水素事業を支援していくか、輸送等に係るコスト面での課題等について発言しました。さらに、Decarbonization Conferenceでは、三好CCS・水素事業部長が「DAC and CCUS as enablers of carbon neutrality」でパネリストを務めました。JOGMECCCSクレジットハンドブックの紹介、インドネシアにおけるCO2EOR事業の紹介等を行い、活発な議論が行われました。

(出所:JOGMEC事務局による)
3-4. ADIPEC2023所感
ADIPECは世界各国からブースが出展されており、会場を増設する等、その規模は大きくなっています。また近年では、脱炭素やクリーンエネルギーに関連したエリアの設置や講演がされており、エネルギー分野における幅広い関係企業が参加していました。今後も、パネル登壇や展示ブースでの発表等を通じて各国との関係構築に貢献して参ります。
以上
(この報告は2023年12月27日時点のものです)