ページ番号1010061 更新日 令和6年3月5日
ブラジル政権交代でPetrobrasの投資戦略に変化 ―設備投資大幅増、増産継続もE&Pの割合縮小、発電・バイオ精製などガス・低炭素事業投資額・割合倍増―
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概要
2023年1月にLula氏が大統領の座に返り咲いてから1年が経ち、ブラジル国外や中下流の資産売却を進め、収益性の高い中核資産であるSantos盆地プレソルトに投資や活動を集中させ、ブラジル国外の資産や下流資産の売却を進め、負債削減を図ってきたブラジルの国営石油会社Petrobrasの戦略に変化が見られるようになっている。
Petrobrasは、2024年から2028年の5年間の同社の戦略計画Strategic Plan(SP) 2024-2028+で、設備投資額をSP 2023-2027から31%と大幅に増額、設備投資額に占めるE&P部門の割合を削減する一方、ガス・低炭素エネルギー部門や精製・輸送・マーケティング(RTM)部門への投資の割合を増やした。製油所を半減させる計画は拡張に転じた。Petrobrasは、風力・太陽光発電や既存事業の脱炭素化、バイオ精製(再生可能ディーゼルと航空用バイオ燃料)などの再生可能エネルギー事業拡大や二酸化炭素排出量削減に向けたプロジェクトを立ち上げつつあり、また、アフリカにおける探鉱鉱区取得などブラジル国外での探鉱・開発も再開しつつある。ただし、Petrobrasは、世界のエネルギー需要を満たすためにも、また、同社のエネルギー転換の資金を賄うためにも、石油生産は必要であり、石油や天然ガスの生産が優先事項であることに変わりはないとしており、生産の見通しには大きな変化はない。探鉱の軸足をプレソルトから、油田発見が続くガイアナやスリナムに近い赤道周辺部の堆積盆地や同じく油田発見が相次ぐナミビアと大西洋を挟んで対岸となる南東部の堆積盆地に移す方針も継続。
SP 2024-2028+策定にあたって、Petrobrasは政府の意向を取り入れ調整を行うようにとの要請を受けたという。また、Lula政権内で、Petrobrasに雇用創出や国内産業活用など政府のインフレ対策や景気刺激策とより緊密に連携するよう求める声が高まっているとの報道もあった。Lula政権は、Petrobrasの今後の活動に関して国家が主導する以前の労働者政権時代のスタイルに戻すよう働きかけていると考えられる。今後、その傾向がさらに強まる可能性もあり、動向を注視していく必要があろう。
1. はじめに
ブラジルでは、2003年初から2016年8月末まで続いたLuiz Inácio Lula da Silva大統領、Rousseff大統領の労働者党政権が、石油産業の発展とともに、国内産業を振興して、雇用促進を図り、経済を発展させようとする政策をとった。国営石油会社Petrobrasは政府の一機関として、石油・ガス関連の全分野で中心的役割を果たすことを求められた。さらに、Petrobrasは、ブラジル国外での探鉱・開発も積極的に進めていた。この間に、リオデジャネイロやサンパウロの沖合に延長約1,000キロメートル、幅約100キロメートルにわたり広がる下部白亜系岩塩層直下の炭酸塩岩を貯留岩とする地質構造、プレソルトで相次いで大規模油田が発見された。労働者党政権はプレソルトの油田開発もPetrobrasを中心に進めようとし、プレソルト開発法を制定、これに時間を要したことから、探鉱を停滞させた。また、Petrobrasは汚職の温床となるとともに、輸入したガソリンやディーゼルをブラジル国内において割引価格で販売し、その逆ザヤを負担することを求められ、多額の負債を背負うことになった。
その後のTemer政権、Bolsonaro政権下では、Petrobrasへの政府介入を排除する政策がとられた。Petrobrasは、収益性の高い中核資産(Santos盆地プレソルト)に投資や活動を集中させるため、積極的にブラジル国外の資産や下流資産の売却を進めるとともに、ガソリンやディーゼルの価格を国際市場価格に連動させる戦略をとることで、負債削減を図った。Petrobrasは、プレソルトの開発を進めることで生産が安定し、負債を削減、経営も軌道に乗ってきた。
ところが、2023年1月1日にLula氏が大統領に返り咲いた。Lula大統領は就任前から、Petrobrasの民営化を公言していた前任のBolsonaro氏を批判し、Petrobrasをブラジル発展の柱とし、同社の投資を拡大する意向を示していたが、Lula氏の大統領再就任から1年が経過し、Petrobrasの戦略に、変化が見られるようになっている。
2. 投資戦略の変遷と2028年までの投資計画、Strategic Plan 2024-28+
Petrobras取締役会は2023年11月23日に、2024年から2028年の5年間の戦略計画Strategic Plan(SP) 2024-2028+を承認した。Petrobrasは、毎年、5年間の投資、生産等の計画を更新、発表しているが、これが、Lula大統領復帰後、最初のPetrobrasのSPであり、今後のPetrobrasの動向を知るうえで重要であることから、注目を集めた。
Petrobrasは、SP 2024-2028+で2028年までの5年間の設備投資予定額を1,020億ドルとした。このうち910億ドルが実施中のプロジェクトに、110億ドルが評価中のプロジェクトに充てられるという。
2006年スタートの5カ年計画Business Plan 2006-2010以降、Petrobrasは、プレソルトでの油田発見を受け、また、当時のLula政権から同社が国家に果たす役割、負担を増大させることを期待されたことから、5カ年計画の設備投資額を年々増加させていった。2010年以降は、増加額はごくわずかになってはいたものの、それでも設備投資額は増えていた。しかし、原油価格下落やPetrobrasをめぐる汚職問題の影響を受け財務状況が厳しくなり、2014年スタートの5カ年計画Business and Management Plan(BMP)2014-2018以降は設備投資額を、また、BMP 2015-2019以降は探鉱・生産部門への投資額を削減した。BMP 2018-2022以降は、設備投資や探鉱・生産部門への投資額には大きな変更が行われなかったり、増額されたりするようになり、同社の経営状況は回復に向かっていると見られていた。ところが、2019年発表のSP 2020-2024ではハイリターンが期待できるプロジェクトに投資を集中するとして、また、2020年発表のSP 2021-25では、新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う石油需要の減退、原油価格の下落を受けて、Petrobrasは設備投資額を削減した。しかし、SP 2022-2026では、原油価格高騰を受けて、また、回復する需要に見合うよう供給を増やす必要があるとして、設備投資を前SP比23%増の680億ドルとした。さらに、SP 2023-2027では、これを15%増加させ、780億ドルとするとともに、これとは別に、FPSOのリースに200億ドルを投じるとし、5年間で総額980億ドルが投じられることとされていた。
今回のSP 2024-2028+の設備投資額は、前回SP 2023-2027の設備投資額をさらに31%増やしている。これは主に、買収の可能性を含む新規プロジェクトや売却対象とされていたものの同社の投資ポートフォリオに戻された資産、そしてコストインフレによるサプライチェーン全体への影響を反映したものであるという。
このうち、探鉱・生産(E&P)部門の設備投資予定額は730億ドルと、SP 2023-2027の640億ドルから14%増加している。しかし、設備投資総額に占めるE&P部門の割合はSP 2023-2027の83%から71.6%に減少した。
一方、SP 2023-2027では設備投資総額に占める割合が2%とされていたガス・電力部門が、SP 2024-2028+ではガス・低炭素エネルギー部門に変更され、設備投資総額の8.8%にあたる90億ドルが投じられる計画となっている。Petrobrasは、今回のSP 2024-2028+では、責任を持って、段階的に新しいエネルギーへの移行、地球にとって良く、人々にとって公平なエネルギー転換を進め、これにより、Petrobrasを強化するとしており、この意識を反映したものと考えられる。
また、SP 2023-2027では精製部門と販売・ロジスティクス部門を併せた設備投資額が、設備投資総額の12%を占めるとされていたが、SP 2024-2028+では精製・輸送・マーケティング(RTM)部門に設備投資総額の16.7%、170億ドルが投じられる計画となっている。具体的な内容を見ても、例えば、SP 2023-2027では、2022年にはブラジル国内に製油所が10か所あり、精製能力の合計は日量190万バレルであるが、2027年には製油所は5か所と半減し、精製能力も日量120万バレルに削減する計画とされていたが、SP 2024-2028+では、複数の製油所で精製能力の拡張が計画されている。ガス・低炭素エネルギー部門の設備投資額に占める割合が増えたことと併せて、プレソルト以外の資産は売却し、プレソルトの探鉱・開発に注力するとしていたこれまでのPetrobrasの戦略が大きく変更されたことが窺える。
ただし、Petrobrasは、世界のエネルギー需要を満たすためにも、また、同社のエネルギー転換の資金を賄うためにも、石油生産は必要であるとし、さらに、石油や天然ガスの生産が優先事項であることに変わりはないともしており、当面、E&P部門の重要性が大きく損なわれることはないと考えられる。
そして、E&P部門の設備投資額の67%が、高品質原油が生産され、温室効果ガスの排出量が少ないため、経済面でも環境面でも競争力を有するプレソルトに割り当てられるという。SP 2023-2027でも、E&P部門の設備投資額に占めるプレソルトの割合は67%となっており、Petrobrasの探鉱・生産部門におけるプレソルトの重要性には変わりがないと考えられる。エリア別でも、引き続き、プレソルトが広がるCampos盆地とSantos盆地の開発の重要性が指摘されていた。
Petrobrasは、2024年に1基、2025年に4基、2026年に2基、2027年に3基、2028年に4基とこの5年間で合計14基の浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(Floating Production Storage and Offloading:FPSO)の導入を計画している。そのうち、2027年までに導入予定の10基は全てプレソルト向けとされており、すでに契約済みとなっている。
Petrobrasの生産量は2024年の石油換算で日量280万バレル(うち、石油が日量220万バレル)から、2028年には日量320万バレル(同、日量250万バレル)に増加する見通しであるという。2025年と2026年の生産量は、SP 2023-2027の見通しを日量10万バレル程度下回っている。これは主に、世界的な市場の状況から一部の生産システムや深海プロジェクトのスケジュールが影響を受けた結果で、SP 2023-2027で示された不確実性の範囲内の数字となる。2027年の生産量の見通しは、SP 2023-2027と同量とされた。Petrobrasは、SP 2024-2028+についても、±4%の変動幅を考慮するよう求めている。
SP 2024-2028+の対象期間5年間のプレソルトの生産量が同社の生産量全体に占める割合は77~80%となっている。SP 2023-2027では、この割合は72~78%となっており、これは、同社が収益性の高い資産に集中して探鉱・生産を進めるという戦略を推し進めてきた結果と考えられる。
探鉱に関しては、5年間で75億ドルを投じることが計画されている。内訳は、赤道周辺部に31億ドル、南東部の堆積盆地に31億ドル、ブラジル国外に13億ドルとされており、これには赤道周辺部で16坑、南東部の堆積盆地で25坑、ブラジル国外で9坑、合計50坑の坑井の掘削を行うことが含まれている。2015年以降、プレソルトでの探鉱が不調であることから、Petrobrasは探鉱の軸足をプレソルトから、油田発見が続くガイアナやスリナムに近い赤道周辺部の堆積盆地や同じく油田発見が相次ぐナミビアと大西洋を挟んで対岸となる南東部の堆積盆地に移しているが、今後も当面その方針に変更はないと考えられる。
なお、Petrobrasは、ガス・低炭素エネルギー部門への設備投資を90億ドルとする一方で、さまざまな事業分野へ横断的に投資を行うことで、2028年までの5年間に最大で115億ドルを低炭素プロジェクトに割り当てる計画だ。低炭素プロジェクトへの投資は、SP 2023-2027では44億ドルとされていた。115億ドルの内訳は、風力発電と太陽光発電に52億ドル、事業の脱炭素化に向けた取り組みに39億ドル、バイオ精製(再生可能ディーゼルと航空用バイオ燃料)に15億ドル、研究開発に7億ドル、CCUSに3億ドルとなっている。設備投資総額に占める低炭素プロジェクトへの投資の割合は、2024年には6%であるが、同社のポートフォリオにおいて低炭素プロジェクトへの投資が徐々に定着し、2028年には16%に達し、5年間の平均では11%になるとされている。
3. 再生可能エネルギー事業拡大と二酸化炭素排出量削減へ向けての動向
SP 2024-2028+で設備投資額の拡大が計画されている低炭素プロジェクトだが、すでに、具体的な動きが見られるようになっている。Lula大統領の指示の下、エネルギー転換や脱炭素が進みつつある。
Petrobrasは2023年9月に、再生可能エネルギー分野での合弁事業の可能性を検討するためValeと2年間の基本合意書を締結した。水素、グリーンメタノール、バイオバンカー、グリーンアンモニア、再生可能ディーゼルなどの持続可能な燃料や、二酸化炭素回収・貯蔵技術の開発を含む脱炭素事業の機会を評価するという。
Petrobrasはまた、2024年1月に、Shell、TotalEnergies、CNPC、CNOOC、Federal University of Rio Grande do Sul (UFRGS)と、プレソルトでの洋上風力発電の可能性を探るための一連の研究を開始した。研究の第一段階はSantos盆地Buzios油田において進行中で、将来の洋上風力発電プロジェクトの基礎となる風のパターンに関するデータを蓄積している。同様の研究をMero油田でも実施する計画である。
同じく2024年1月に、PetrobrasのJean Paul Prates CEOは、同社が約2ギガワットの再生可能エネルギーのポートフォリオの確立を目指して、2024年中にブラジル国内ですでに稼働している陸上風力発電と太陽光発電プロジェクトの権益取得を開始する予定であることを明らかにした。
さらにPetrobrasは、2029年からSão Paulo州CubatãoのPresidente Bernardes製油所(RPBC)とRio de Janeiro州ItaboraíのGaslubハブでのSAFと100%再生可能ディーゼルの生産能力を日量34,000バレルに引き上げる計画であることを明らかにした。また、5%の再生可能燃料(R5)を含むディーゼルの生産能力を高めることを目的として、すでにこれを製造、販売しているGetulio Vargas製油所(Repar)に加え、RPBC、Duque de Caxias製油所(Reduc)、Paulinia製油所(Replan)でも製造試験を実施した。
Petrobrasは2024年2月、グリーン水素の製造と実用性を研究するためのプロジェクトに約1,840万ドルを投資すると発表した。北東部RíoGrande do Norte州のAltoRodrigues市にあるPetrobrasの工場内にグリーン水素製造用のパイロット電解プラントを建設し、太陽光を利用した水の電気分解による水素の製造および水素と天然ガスの混合燃料を用いたマイクロタービンの性能と構造的な完全性を評価するという。
Petrobrasは2024年2月、鉄鋼メーカーArcelorMittalと、低炭素燃料、水素とその製品、再生可能エネルギー生産、二酸化炭素回収・貯留を利用したビジネスモデルを評価する契約を締結した。両社は、Espírito Santo州でCCSハブを開発するための共同研究を実施中である。ArcelorMittalによると、ハブ構想には、鉄鋼産業、発電所、セメント産業、天然ガス処理施設など、さまざまな場所や排出源からの二酸化炭素の回収が含まれている。Petrobrasは、安全な炭素貯蔵オプションとなり得る貯留層のマッピングを開始した。
4. ブラジル国外での探鉱・開発再開
先述した通り、Petrobrasは労働者党政権時代に国外での探鉱・開発を積極的に推進しようとしたが、十分な成果を上げられず、プレソルトでの探鉱・開発に集中するという方針転換に従って、国外資産の売却、国外での活動からの撤退を進めていた。Lula大統領が政権に復帰したことで、この方針についても逆戻りの状況が見られる。
2023年末、Petrobrasはサントメプリンシペの3つの探鉱鉱区の権益を取得したと発表した。Petrobrasはblock10および13については45%、block11については25%の権益を取得した。3鉱区の権益保有比率はオペレーターのShellが40%、サントメプリンシペ石油庁(ANP-STP)が15%で、Block11についてはGalpが権益の20%を保有することとなった。権益取得金額は非公開とされている。この取引は、PetrobrasとShellが2023年3月に交わしたMOUの内容に含まれるものだ。これにより、Petrobrasは2020年に終了していたアフリカでの事業へ再参入することになった。
このように、ブラジル国外にまで探鉱・開発を拡大することについて、Petrobrasはパートナーシップを組んでフロンティアで探鉱を行うことで、石油・ガスの埋蔵量を補填することを目的としているという。プレソルトでの探鉱が不調で、新規の大規模な油田発見がなく、その他の地域で埋蔵量を補う必要があるのだという。
また、今回の動きは、Lula政権下で国際ポートフォリオを再構築、多様化し、国際市場での競争力を維持、強化しようと努めるPetrobrasの戦略の変更を反映しているという。さらに、これにグローバル・サウスの国々との関係において重要な役割を果たそうとするLula大統領の意気込みが加味されているとの報道もあった。
なお、Petrobrasは、Kuwait Petroleum、ONGC、Bharat Petroleum等中東やアジアの国営石油会社とエネルギープロジェクトでの協力に関して協議を行っていることを明らかにしている。そして、西アフリカ、ブラジル、ガイアナ等赤道周辺のエリアが今後、Petrobrasが焦点を当てていく地域だとしている。
5. おわりに
SP 2024-2028+策定にあたっては、Lula大統領からPetrobrasに対して、地元の雇用創出を優先することに焦点を当て調整するようにとの要請が多くあったとの報道があった。
PetrobrasのJean Paul Prates CEOは、2023年11月9日にSP 2024-2028+の草案をLula大統領に提示した。Lula大統領は、SP 2024-2028+の草案に、自らが再活性化を目指しているブラジルの造船産業への投資計画が少なかったことに不満を表明、Petrobrasはブラジルの造船所に4隻の船舶建造を委託していたが、これを25隻とすることを提案したという。Lula大統領はまた、Petrobrasが外国のサプライヤーを雇用していることへの懸念を表明し、ブラジル企業の活用に重点を置くよう主張したという。Lula大統領はさらに、Petrobrasに対し、Mato Grosso do Sul州の肥料工場が自らの任期が満了する2026年までに完成するように、2年早く完成させるように求めた。
また、同じ時期に、Lula政権内でPetrobrasに政府のインフレ対策や景気刺激策とより緊密に連携するよう求める声が高まり、Jean Paul Prates CEOに対する不満が増殖しており、Lula大統領と主要な政権メンバーがPrates CEOにPetrobrasを政府主導で再調整するよう促しているとの報道もあった。
Lula政権は、Petrobrasの今後の活動に関して国家が主導する以前の労働者政権時代のスタイルに戻すよう働きかけていると言えよう。今後、その傾向がさらに強まる可能性もあり、動向を注視していく必要があろう。
以上
(この報告は2024年3月1日時点のものです)