ページ番号1010367 更新日 令和7年1月17日

ADIPEC2024への参加・出展

レポート属性
レポートID 1010367
作成日 2025-01-10 00:00:00 +0900
更新日 2025-01-17 13:07:03 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術
著者
著者直接入力 山本 和畝
年度 2024
Vol
No
ページ数 6
抽出データ
地域1 グローバル
国1
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 グローバル
2025/01/10 山本 和畝
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概要

JOGMECは、エネルギー産業関連の国際会議に参加し、併催される展示会に出展しています。本記事では、国際会議ADIPEC2024(Abu Dhabi International Petroleum Exhibition and Conference)への参加・出展についてご紹介します。

 

1. 海外展示会出展の目的

JOGMECは、国際会議に参加し、パネルディスカッションへの登壇、カンファレンスでの講演、現地での情報収集をすると共に、国際会議に併催される展示会へのブース出展を行っています。これらの活動を通して、日本およびJOGMECの取り組み方針や技術成果をアピールすると共に、主要国との資源外交を積極的に展開しています。

 

2. ADIPEC概要

ADIPEC(Abu Dhabi International Petroleum Exhibition and Conference)はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで毎年開催されるエネルギー産業の国際会議・展示会です。各国の国営石油会社や大手国際石油会社をはじめとし、世界中から業界関係者が集う世界最大規模の国際会議であり、今年は11月4日~11月7日の4日間に開催され、来場者数は20万5,000人以上、出展社数は2,250社以上に上りました。今年のADIPECは、AIをテーマの一つとしていたこともあり、「ENERGYai by ADNOC」という名称のAIに特化した展示エリアが新たに設置されていました。また、近年は脱炭素やクリーンエネルギーも継続的なテーマであり、カンファレンスでは関連するセッションが複数設けられ、展示会場でも脱炭素関連の特設エリアが設置されていました。

アブダビは日本の資源外交上の重要なパートナーであることから、同国との良好な関係の維持・発展を図るため、JOGMECは石油公団(JOGMECの前身)時代の1998年から継続的にADIPECへ参加し、展示会へブースを出展しています。

写真1、写真2:展示会場の様子
写真1、写真2:展示会場の様子
(出所:JOGMEC事務局)

3. ブース出展概要

ADIPEC2024のテーマは「Connecting Minds. Transforming Energy」であり、持続可能な社会の実現に向けたエネルギー転換の重要性と、エネルギー産業における人工知能(AI)技術の活用に焦点が置かれていました。JOGMECはこのテーマに沿って、ブースに於いてカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとデジタル技術の活用を紹介しました(後述)。またブースは今年も昨年に引き続きアブダビ石油株式会社、コスモエネルギー開発株式会社、JX石油開発株式会社と共同出展させて頂き、各社に事業をご紹介頂くと共に、それぞれのアブダビにおける活動状況を発信頂きました。

ブースは、日本からの出展であることが分かりやすいように和柄を基調としたデザインとし、来訪者がアクセスしやすいように全方向に間口を開いた開放的なレイアウトとしました。また、展示ホールの遠方からもブースがよく目立つように、ブース上部にはJOGMECと共同出展企業のロゴを掲示しました。

写真3、写真4:JOGMECブース外観
写真3、写真4:JOGMECブース外観
(出所:JOGMEC事務局)

4. JOGMEC展示コンテンツ

JOGMECの展示エリアでは2021年4月に策定した「JOGMECカーボンニュートラル・イニシアチブ」を紹介し、資源エネルギーの安定供給を通じた脱炭素社会の実現に向けた取り組みを発信しました。また、JOGMECが日本ガイシ株式会社と共同で開発に取り組んできたCO2分離膜(DDR膜)[1]の模型を展示し紹介しました。

デジタル技術の活用については、JOGMECが取り組んできた機械学習を用いた岩相自動推定[2]、掘削障害の予兆検知[3]など、デジタル・AI技術の適用による石油天然ガス開発技術の高精度化・高効率化を目指したPoC(Proof of Concept: 概念実証)について動画を用いて紹介しました。

上記の展示に加えて、JOGMECのアブダビにおけるエネルギー開発分野における貢献をアピールする展示として、日本の石油・天然ガスE&P会社の皆様とJOGMECがアブダビの油ガス田を対象に共同で実施している技術開発の取り組みをパネルや動画を使って積極的に発信しました。

写真5、6:JOGMEC展示コンテンツ
写真5、6:JOGMEC展示コンテンツ
(出所:JOGMEC事務局)
写真7、8:来訪者への展示コンテンツ説明の様子
写真7、8:来訪者への展示コンテンツ説明の様子
(出所:JOGMEC事務局)

5. ブース内のイベント

いずれの出展者もブースへの来訪者を増やし自社の取り組みに関心を持ってもらうために、パフォーマンスイベントを開催するなどの工夫を凝らしています。今回のJOGMECブースでは、ブース内にプレゼンテーションエリアを設け、日本のエネルギー政策の基本概念や、デジタル技術、低環境負荷技術への取り組みなどを来訪者にプレゼンテーションしました。共同出展者の皆様からも、各社の概要や、アブダビでの活動の歴史、脱炭素関連技術への取り組みなどをプレゼンテーション頂きました。

また、ブースへの関心度を高めるためのイベントとして、書道家による書道パフォーマンスを行いました。普段目にすることのない巨大な紙に毛筆と墨により文字が書き上げられていくパフォーマンスにより、日本の美しい伝統文化を知らしめると共に、来訪者の関心を惹き付けることができました。

(左・写真9)JOGMEC小西(技術部長)によるプレゼン、(右・写真10)書道パフォーマンス
(左・写真9)JOGMEC小西(技術部長)によるプレゼン、(右・写真10)書道パフォーマンス
(出所:JOGMEC事務局)

6. 登壇と講演

ADIPECでは積極的にパネルディスカッションへ登壇・カンファレンスでの講演を行い、日本およびJOGMECのプレゼンス拡大を図りました。理事長の高原がStrategic Conferenceの「Accelerating decarbonisation through mutually beneficial cross-sector partnerships」に登壇し、脱炭素化に向けては製造業とのパートナーシップが重要となること、また、脱炭素政策が各国で統一されていない点、脱炭素技術の中でどれが成功するか不確定であるため民間企業が行動を起こしにくい状況にあることを指摘し、政府はこのような状況を認識する必要があると述べました。また、日本はこのような状況の中で政府が主導してモデル事業として先進的 CCS事業 を進めていることを発言しました。

Hydrogen Conferenceでは副本部長の山本が「Asia’s role in defining the hydrogen market」に登壇し、2050 年ネットゼロカーボン社会の実現に向けた日本の取り組みとして、水素社会推進法の制定やネットゼロに向けた LNG からのメタン排出削減のための連携(CLEAN プロジェクト)に関する説明を行い、併せて国際的なバリューチェーンの構築は非常に重要である旨を言及しました。

また、技術カンファレンスでは、国内油田でのCO2圧入実証試験についての紹介や、同油田でのDAS(Distributed Acoustic Sensing)を用いたモニタリング技術実証についての講演を行いました。

(左上・図11)髙原(理事長)のパネル登壇(右上・図12)山本(副本部長)のパネル登壇(左下・図13)古賀(人事部人材開発課長代理)の講演(右下・図14)渡邊(CCS事業部地下技術課員)の講演
(左上・図11)髙原(理事長)のパネル登壇(右上・図12)山本(副本部長)のパネル登壇
(左下・図13)古賀(人事部人材開発課長代理)の講演
(右下・図14)渡邊(CCS事業部地下技術課員)の講演
(出所:JOGMEC事務局)

7. おわりに

ADIPECは世界各国から業界関係者が集まる世界最大規模の国際会議であり、来場者数、出展企業数は共に年々増加しています。筆者も展示ブースでの来訪者対応のため現地に出張しましたが、昨年に増して展示会場が多くの来場者で賑わっており、規模の拡大を肌で感じました。JOGMECブースは、ADIPEC2024のテーマに沿った形で展示を行ったことで、より多くの方の関心を引き付けることが出来、昨年と比較してたくさんの方に来訪頂くことができました。また、JOGMECが産油ガス国との関係強化を目的に実施している技術者研修に参加したADNOC(国営石油会社)の修了生にも多数ブースへ来訪いただきました。筆者も昨年度の技術者研修で共に学んだADNOC修了生と再会を喜びあう事が出来、ADNOCをはじめとするアブダビ地域との関係構築に寄与する技術者研修の意義深さを感じました。

今後も、JOGMECは日本のエネルギー政策に基づき開催国の意向や業界全体の動向を注視しつつ、国際会議・展示会でのパネル登壇やブース出展を行い、日本およびJOGMECのプレゼンスの向上と、各国との関係構築に貢献して参ります。

 

参考文献

[1] DDR膜 | 資源ミライ開発
https://mirai.jogmec.go.jp/ccs/column/02-02.html(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[2] 物理検層データを用いた岩相自動推定(物理探査分野) | 資源ミライ開発
https://mirai.jogmec.go.jp/digital/column/01-05.html(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

[3] 掘削トラブルの予兆検知(掘削分野) | 資源ミライ開発
https://mirai.jogmec.go.jp/digital/column/01-03.html(外部リンク)新しいウィンドウで開きます

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