2020年8月

天然ガス・LNG価格動向

直近の値動き

  • 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、7月下旬のUSD2半ばから8月中旬にかけて急上昇し、8月14日にはUSD 3.88、10月引き渡し分となった8月17日にはUSD 4.17と、2020年1月24日以来始めてUSD 4を超え、8月26日時点ではUSD3.85となっている。COVID-19の影響による世界経済の回復の見通しはまだ明らかとはいえないが 、夏季の電力需要増加、また、Gorgon LNGのメンテナンス延長等供給側の影響もあり、価格は上向いた。なお、2020年7月のMETIスポットLNG価格はUSD 4.1 (6月比 USD 0.3上昇) となった。
  • HHは2020年8月24日時点でUSD 2.51となった。1月20日以降、5月2日のUSD 2.13を除き、USD 2を下回っていたが、8月に入りUSD 2を上回る水準で推移した。6月26日にはLNGカーゴのキャンセルによる輸出量の減退に加え、米国のCOVID-19による企業活動再開への懸念もあり、過去10年で最低のUSD 1.48まで下落した。その後は、比較的抑えられた天然ガス生産量と夏期に向けた電力需要増加の予測、LNG輸出量の回復見通しにより上昇傾向にある。TTFも8月に入りUSD 2を上回り、2020年8月24日時点でUSD 2.95となった。6月に欧州域内でもロックダウンの緩和が始まったことで一時的にUSD 2を上回ったが、7月半ばから再び下落し、2020年7月末時点ではUSD 1.7程度であったが、暑い夏季となり電力需要は増加、価格は上昇した。また、米国からのLNG輸出の減少、ノルウェーからのパイプラインガス輸出がメンテナンスの影響で減少したことも影響していると思われる。一方、地下貯蔵レベルは既に90%近く、これは需要見通しが不透明な点と合わせて引き続き価格上昇を抑える要因となった。
  • 2020年7月の日本平均LNG輸入価格はUSD 7.27であった。財務省貿易統計によれば、供給地域別では、ASEAN産LNGがUSD 6.13、中東産がUSD 6.71、ロシア産LNGがUSD 7.05と、日本平均LNG輸入価格を下回った。一方、米国産LNGがUSD 9.29と、2か月連続で日本平均LNG輸入価格を上回った。また、7月の日本平均LNG輸入価格USD 7.27は、JKMの7月引き渡し分平均USD 2.06に対して3.53倍と、6月の3.98倍よりは格差は縮まったものの、依然として格差は大きいものとなっている。日本が長期契約で購入する米国産を除くLNGの大部分は、原油価格に連動した価格指標を採用しているため、原油価格の下落の影響により、7月の平均LNG輸入価格は2017年1月以来のUSD 7台前半となった。なお、7月の日本のLNG輸入量は603.6万トンと前年同月比11.5%減となった。7月分としては10年振りの低水準となった。

天然ガス・LNG価格推移(直近1年)

中長期の値動き

  • 日本平均LNG輸入価格は、直近10年間では2012年のUSD 18台をピークに下落し、2020年7月にはUSD 7.27となった。これは基本的に長期契約のLNG価格が連動している原油価格の下落基調によるものとみられる。2019年4月以降、8月のUSD 10.13を除き、USD 10を下回っている状況にある。2020年3月以降の原油価格下落の影響は3ヶ月程度の時差を経て反映されることから7月の日本平均LNG輸入価格はUSD 7台まで下落、8月、9月についてもさらに下落する可能性があるが、10月以降の日本平均LNG輸入価格は、7月以降の原油価格を反映して若干持ち直すと思われる。
  • JKMは、2019年11月 - 2020年1月引き渡し分は、いずれも一時的にUSD 6前後の水準にあったが、その後下落を続け、2020年6月引き渡し分については、2020年4月末にUSD 2未満に下落した。これは下落率、そして到達水準ともに歴史的に顕著なものとなっている。JKMは、近年欧州スポットガス価格水準を下限、原油等価水準を上限とするレンジの中で変動してきたが、2019年から終始その下端近くに留まり続けている。
  • 2020年5 - 7月の日本平均LNG輸入価格は、JKM当該月引き渡し分期近平均を大きく上回る。これは2011年の東日本大震災以降の傾向である。特に最近その傾向が強まっている理由として、米国等からの供給拡大に対し日本及び韓国等の需要がCOVID-19により減少し、在庫が積み上がってスポットLNGの引き取り意欲が弱いことにあるとみられる。また長期契約における価格形成の時間差(過去3ヶ月程度の油価反映)も影響しているとみられる。2020年1 - 7月の日本、韓国、台湾合計のLNG輸入量は、前年同期比で141万トン、1.8%減、2018年の同時期と比較しても、3カ国合計のLNG輸入量は807万トン、9.6%減となっており、低調に推移している。

天然ガス・LNG価格推移(直近10年)

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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
英国NBP(National Balancing Point)価格: ICE Futures Europe, Intercontinental Exchange
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Futures Europe, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2020 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
METIスポットLNG価格: 経済産業省「スポットLNG価格調査」
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成

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天然ガス・LNG在庫動向

日本

  • 2020年4月末の国内LNG在庫は474万トンで、前月比0.2%の増加、前年同月比13.7%の増加となった。これは過去5年平均値を65万トン上回り、4月の在庫量としては2008年の統計開始以来最大であった。このうち、ガス事業用在庫については、2020年4月のLNG消費量が前月比21.6%減の227万トンであり、都市ガス用LNG受入量226万トンとほぼ同量であったため、4月の在庫は223万トンと、前月比3.2%と小幅な減少となった。前年同月比では8.0%増加した。また、発電燃料用在庫については、4月のガス火力発電所の発電量は前月比22.6%減少したため、在庫量は前月比3.3%増の251万トン、前年同月比で19.2%と大きく増加した。4月7日から緊急事態宣言が発令されたことにより、工場の休止や店舗の休業で都市ガス需要や発電用LNG需要が大幅に減少した。都市ガス用、発電量ともLNGの受入量はどちらも前年比約6%程度減少したが、消費の落ち込みがそれを上回ったため、結果的にLNG在庫量は前年比13.7%と大幅に増加するに至った。
  • 日本の都市ガス用のLNG在庫は、大きな傾向としては冬期の需要に備えて4月から10月は在庫を増やし、11月から3月にかけて在庫を取り崩している。ただし日本の場合、米国や欧州のように天然ガス地下貯蔵設備を持たないことから、年により季節需要変動対応に伴うLNG在庫量の変動は大きい傾向にある。

国内LNG月末在庫量(直近1年)

国内LNG月末在庫(直近10年)

(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。


米国

  • 2020年8月14日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫は、米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータによると、3,375 Bcf で前月比 5.0%の増加となった。在庫量は2019年の同時期と比較すると20.7%、578 Bcf 高く、過去5年平均値の2,933 Bcf を442 Bcf 上回っている。在庫量は過去5年レンジを上回り、8月としては2012年以来の高水準となっている。
  • 2020年8月20日のEIA天然ガス週間報告(Natural Gas Weekly Update)によると、8月14日までの週間の天然ガス在庫への純注入量は43 Bcfで、過去5年間(2015年から2019年)の純平均注入量44 Bcfや昨年の同じ週の純注入量56 Bcfと比較すると少なかった。在庫への平均注入量はこれまでの在庫シーズン(4~10月)の5年平均よりも11%高くなっている。この注入量が残りの在庫シーズンの5年平均である10.1 Bcf/d と一致した場合、10月末の在庫は4,165 Bcfになると予想される。
  • 米国の過去10年間の天然ガス有効稼働ガス在庫の最大値はほぼ 4 Tcfで推移している。しかし、EIAのデータベースによると、2017年から2019年で米国の天然ガス生産量は20%以上、消費量は14%以上増加、また天然ガスの輸出量は45%以上も増加しており、天然ガスの需給にかかわる環境は大きく変わりつつある。EIAによれば、2019年8月に電力部門の天然ガスの単月消費量が最大値を更新し、2019年の電力部門の天然ガス消費量と天然ガス総消費量がともに年間で過去最高水準に達しており、天然ガス貯蔵容量のさらなる拡張が奨励されるとしている。またメキシコへのパイプラインガス輸出増加および湾岸地域からのLNG輸出増加に伴ってメキシコ湾岸地域で天然ガス貯蔵容量を増加する必要性が高まると見込まれる。

米国天然ガス地下貯蔵量(直近1年)

米国天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成


欧州

  • 2020年8月25日現在のAggregated Gas Storage Inventory (AGSI)加盟各社(欧州連合(EU)加盟国各社、非EU (セルビア、ウクライナ) ) が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は1,010 TWhであった。在庫量は前月比7.7 %増、前年同期比では1.7 %増加し、同時期の過去5年平均よりも165 TWh高い。さらに貯蔵容量に対する充填率は、2020年8月25日時点で91%と、過去5年間の同時期の充填率レンジ69% - 89%の上限レベルを上回った。他AGSI+諸国の地下貯蔵在庫が高くなった状況で、3年間の関税支払いを猶予できるウクライナの地下貯蔵利用が増加しているとの情報もあり、他AGSI+諸国の在庫増加ペースを僅かながら緩和している模様である。

欧州天然ガス貯蔵量(直近1年)

欧州天然ガス貯蔵量(直近10年)

(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。


天然ガス・LNGプロジェクト動向

ハイライト

  • 米国では2020年5月に商業生産を開始したFreeport LNG プロジェクトに続き、7 - 8月には Cameron LNG、 Elba Island LNG プロジェクトの初期段階設備が全て商業運転に入る見込みとなり、米国のファーストウェーブ案件の液化容量は年間5,600万トンに達した。7月下旬から8月上旬にかけ、ガス開発を行う石油・ガス会社の多くが第2四半期分での巨額の減損を相次いで計上した。

 

アジア・オセアニア地域

  • 中国国家統計局の速報データによると、2020年上期の天然ガス生産、消費、LNG輸入はそれぞれ前年同期比7.9%、5.7%、11.7%増加し、94.83 Bcm、160.701 Bcm、44.025 Bcmとなった。パイプラインガス輸入は7.4%減の24.048 Bcmとなった。
  • インド政府石油類・天然ガス省PPACが2020年7月30日に明らかにした石油・ガスデータによると、6月の天然ガス消費、生産、LNG輸入は、それぞれ前年同月比9.3%、12%、6.9%減の4.9 Bcm、2.3 Bcm、2.7 Bcm (196万トン)だった。6月までの四半期については、それぞれ前年同期比14.3%減、16%減、12.5%減の13.5 Bcm、6.8 Bcm、7 Bcm (515万トン)であった。
  • フィリピンのエネルギー省(DOE)は、2020年8月上旬、 First Gen Corporation に対して、陸上基地から浮体貯蔵・気化機器(FSRU)に変更したバタンガスLNG基地プロジェクト計画について、追加基準を完了することを指示している。DOEのOIMB (石油産業管理局)によると、FSRUへの変更により、同局の建設許可には追加の許可取得が必要になる。さらに、DENR (環境・天然資源省)、PPA (フィリピン港湾当局)PCG (フィリピン沿岸警備隊)からも追加で6件程度の許可を取得する必要がある。 First Gen は、DOEのプロジェクト加速要請を受けて日程も変更しており、DOEは完成が2022年8月から4月に前倒しされた、と述べた。
  • JERAは、バングラデシュでの新規ガス火力発電事業が、国際協力銀行を含む国内外の金融機関との間で、総額USD6.42億のプロジェクトファイナンスによる融資契約を締結したことを2020年7月31日、明らかにした。首都ダッカから南東約40 kmに位置するメグナハット地域に、出力74.5万kW(送電端: 71.8万kW)の天然ガスコンバインドサイクル発電設備を建設・所有・運営するとしている。
  • Shell Australia は、豪州でカーボンクレジットを集積するプロジェクトを開発する専門企業 Select Carbon を100%買収することを、2020年8月3日に明らかにした。 Shell の自然起源ソリューション事業部門で世界初の買収案件となる。
  • 豪 Woodside は、 North West Shelf (NWS)プロジェクトが、 Woodside とは Pluto ガス田群からのガス、 Mitsui E&P Australia ・ Beach Energy とは Waitsia ガスプロジェクト第2段階について、NWS設備でのガス処理に関して基本合意を締結したことを2020年8月17日に明らかにした。 Pluto ガス田群のガスは、2022年稼働開始準備完了(RFSU)を目指す Pluto-KGP Interconnector パイプラインを通じてNWS設備に輸送することが計画されている。 Mitsui E&P ・ Beach Energy との合意は、陸上 Waitsia 第2段階ガスを2023年から手数料ベースで処理することを想定している。
  • 豪 Woodside は、2020年8月13日、同年上半期業績報告の中で、 Scarborough、 Pluto 第2系列の最終投資決定(FID)目標を2020年から2021年下半期に延期、 Browse FID目標を2023年以降に延期したことを確認した。 Woodside は、自社とBHPが、2019年11月に合意した Scarborough 沖合ガス田からのガスの Pluto LNG でのトーリング手数料の有効期間を2020年末まで延長することに合意したことも明らかにした。 Woodside は Scarborough 上流処理容量を拡大する可能性を検討している、と述べた。

 

北米地域

  • 米連邦エネルギー省(DOE)が2020年6月分のLNG輸出実績を発表し、2020年上期の輸出量は前年同期比58%増の2,540万トンとなったが、6月単月では前年同月比23%減の227万トンとなった。プロジェクトベースでは、2016年の輸出開始以降、米国での最大輸出設備を維持していた Sabine Pass が2020年6月には8カーゴを出荷したのに対して、 Cameron LNG は同月12カーゴ78万トンを出荷し、初の最大輸出設備となった。
  • 米連邦エネルギー情報局(EIA)は、短期エネルギー見通し(STEO)2020年8月号で、自国LNG輸出は2020年平均日量5.5 Bcf (4,219万トン)、2021年平均日量7.3Bcf (5,531万トン)になるとの見通しを示した。STEO最新版速報値によると、米国のLNG輸出は2020年7月平均日量3.1 Bcf (200万トン)と、液化容量が現在の3分の1程度だった2018年5月と同水準だった。7月・8月の速報値日量3.1 BcfはSTEO 7月号時点の推定日量2.2 Bcfより増加した。EIAは8月出荷分で45カーゴ程度、9月出荷分で30カーゴ程度がキャンセルされたと推定している。
  • DOEは、2020年7月29日、非自由貿易協定(non-FTA)諸国へのLNG輸出が2050年まで延長できることとする最終政策声明を発表した。20年間の輸出期間を認める現行政策の修正となる。DOEはこの2050年延長案を2020年2月に発表していた。この最終政策声明により、既存non-FTA承認所有者は、輸出期間を2050年まで延長すること、申請中の者はnon-FTA申請について輸出期間を2050年まで延長するよう修正することができることとなる。
  • Cheniere Energy は、2020年6月までの3ヶ月間・6ヶ月間に、顧客が引き渡しを受けないことを同社に通知したLNGカーゴキャンセル関連で、それぞれUSD 7.08億、USD 7.61億の収入を得たことを8月6日に明らかにした。これを基に推計すると、第2四半期だけで67カーゴがキャンセルされた可能性がある。 Corpus Christi 第3系列、 Sabine Pass 第6系列はぞれぞれ2021年上期、2022年下期に実質的な完成が見込まれるとしている。後者は従来の見通しより早くなる。
  • Sempra LNG は、米ルイジアナ州ハックベリーの Cameron LNG 輸出設備が、 Cameron LNG トーリング契約(複数)に基づく全面商業稼働を開始したことを2020年8月10日に発表した。 Cameron LNG の第1系列は2019年8月、第2系列は2020年2月に商業稼働を開始している。第3系列の商業稼働により、 Cameron LNGトーリング契約に基づく完全なる実行収入の開始となる。 Cameron LNG は Sempra LNG、 TOTAL SE、三井物産、三菱商事・日本郵船共有の Japan LNG Investment, LLC 各関係会社が保有している。 Sempra Energy は Cameron LNG の50.2%を間接的に所有している。 Sempra LNG ・各社は Cameron LNG 第2段階を開発しており、既に連邦エネルギー規制委員会(FERC)の承認を受けている。プロジェクト所有者間では、出資比率に変更なしに、第2段階引き取り容量100%について、基本合意(MOU)を締結済みとなっている。
  • Freeport LNG は、第4系列の完成期限を2026年5月まで延長することをFERCに2020年7月27日、要請した。 Freeport は、KBRが撤退したためEPC入札をやり直す必要がある、と述べた。
  • FERC は Elba Island LNG による液化設備2件の稼働開始申請を2020年7月27日、8月10日に承認した。続いて同プロジェクトは、8月20日に最終系列を同月27日に稼働開始することに関して、承認をFERCに申請した。
  • Sempra Energy は、 Port Arthur EPC 契約が2020年2月に締結された際、総額はUSD 89億と見積もられたが、10月15日までに通知がない場合、EPC契約再交渉が必要となることを8月5日明らかにした。遅延が予想されることから、 Sempra は Bechtel との間で、プロジェクト日程・EPC契約価格の変更に関して話し合っているとしている。
  • 米 Tellurian は、2020年8月13日、Driftwood LNG プロジェクト第1段階計画において30%コスト削減を実現したとして、上流・パイプライン・液化込みでトン当たりUSD 1,000未満、米メキシコ湾岸FOB価格で100万Btu当たりUSD 3.50未満とすることを明らかにした。Driftwood Pipeline コストの最適化、PGAP/HGAP (Permian Global ・ Haynesville Global アクセスパイプライン)の延期により実現した、と述べた。
  • 東京ガス100%出資子会社の東京ガスアメリカ社は、同社が出資する米国テキサス州のガス開発・生産事業会社Castleton Resources社が米国ルイジアナ州で新たなガス田権益を取得するにあたり、同社が実施する増資を引き受け、出資比率を46%から70%超に引き上げ子会社化すると決定したことを2020年7月29日に明らかにした。子会社化に伴いCastleton Resources社の社名を2021年3月下旬までに「TG Natural Resources LLC」に改称するとしている。今回の権益取得により、Castleton Resources社が保有するガスおよび天然ガス液(NGL)の生産量は日量296 Mcf (日量8 Mcm)から約1.6倍の473 Mcf (日量13 Mcm)になるとしている。
  • Sempra Energy は2020年8月5日、メキシコのバハカリフォルニア州で開発中の Energía Costa Azul (ECA) LNG 液化・輸出インフラストラクチャープロジェクト第1段階について、20年間の輸出許可を得るべく、メキシコ政府高レベルと緊密な協議を継続している、と述べた。 Sempra LNG ・ Infraestructura Energética Nova, S.A.B. de C.V. (IEnova)が開発する第1段階プロジェクトは、1系列LNG輸出設備で初期の引き取りオフテイク容量年間250万トンが1系列LNG輸出設備で計画されている。 Sempra の10-Q報告によると、 ECA LNG 第1段階のEPC契約総額はUSD 15億と見積もられ、これを TechnipFMC は9月1日まで維持することに合意しているが、その段階でこのEPC契約は価格を含め再交渉対象となる可能性がある。4月、 ECA LNG は三井物産、 TOTAL と各々年間80万トン、170万トンの20年間LNG売買契約(SPA)を締結しており、た。第1段階最終投資決定(FID)は、メキシコ政府の輸出承認受領が条件となる。同国規制諸機関の業務が感染COVID-19の影響によりで制限されており、承認受領タイミングが不確実になっていることからFIDが遅延しているとしている。

 

欧州・ロシア地域

  • スペイン Naturgy は、複数の天然ガス供給者との間で、年間20 TWh (132万トン)相当の複数の長期供給契約について、早期に終了することで合意したと2020年7月22日に述べた。同社は2020年下期にも契約数量と価格条件の見直しについて他供給者とも合意を目指していると述べた。
  • Hill International は、キプロスの Natural Gas Infrastructure Company of Cyprus (ETYFA)より、 Vasilikos Bay でのLNG輸入基地プロジェクトの所有者側エンジニア業務を提供する国際企業連合の主導役に選定されたことを2020年7月31日に発表した。プロジェクトには、従来LNG輸送船舶で中国にて浮体貯蔵・気化機器(FSRU)改造予定の1隻と、桟橋とおよびこれに伴う配管建設、陸上ガス導管・関連インフラ建設が含まれる。
  • 中国の滬東中華造船(Hudong-Zhonghua Shipbuilding)は、2020年8月12日、商船三井(MOL)が所有し Total が傭船するLNGバンカリング船舶2隻目の起工式典を行った。1隻目と同じく様、貯蔵容量18,600 m3、全長135 mで、1隻目の Gas Agilty は5月に中国を出て8月23日ロッテルダムに到着予定で、北部欧州地域の CMA CGM の9隻のコンテナ船舶等に燃料を供給することとなる。2隻目は2021年下期に引き渡し、フランスのマルセイユ地域に配置され、地中海地域のCMA CGM のコンテナ船舶6隻等へ等にLNGを供給する。

 

その他地域

  • Air Products は、カタール Qatargas の拡張プロジェクト第1段階(North Field East、未FID)向けに AP-X® 天然ガス液化技術・機器が選定されたことを、2020年8月4日に発表した。

添付ファイル