2021年5月

天然ガス・LNG価格動向

直近の値動き

  • 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、4月末に100万Btu当たり9米ドル台まで上昇、5月上旬には10米ドルを超え、一時9米ドル台に反落したものの、すぐに反発し、5月下旬には10米ドル半ばを推移している。2021年に入ってから中国をはじめとする北東アジア地域の旺盛なLNG需要、一部LNG生産設備の不調、堅調な欧州ガス市場の影響もあり、2021年4月中旬以降は2015年以降、最も高い水準で推移している。
  • JOGMECが公表する日本着スポットLNG月次価格の4月速報によれば、4月に契約がなされた同月以降に日本に入着するスポットLNG取引の平均価格(契約ベース)は8.3米ドル(3月比2.2米ドル上昇)、そのうち同月に日本に入着したスポットLNG取引の平均価格(入着ベース)は報告者が1社以下であったため、非公表となった。
  • HHは、4月上旬に2米ドル半ばに達して以降、徐々に上昇を続け、5月中旬に3ドル台前半を付けた後、2.9米ドル近辺で推移している。米国エネルギー情報局(EIA)によれば、夏に向けて貯蔵用需要が拡大するとの見方で、価格優位性のある米国産LNG輸出量の増加と、経済活動の再開に伴う天然ガス消費の増加により、天然ガス価格は引き続き堅調に推移するとみられる。
  • TTFは、4月中旬に7米ドルを上回ってから上昇を続け、5月中旬にかけて9米ドル半ばまで上昇したが、欧州炭素市場とブレント原油価格の下落により一時8米ドル前半まで反落、その後上昇に転じ、下旬は9米ドル半ばを推移している。高値圏で推移している要因の一つとして、欧州で昨年より低い気温が続いた影響で夏季に向けた地下貯蔵へのガス充填が遅れていることが挙げられる。また、炭素市場で排出権価格が上昇しており、石炭をガスで代替するインセンティブが欧州ガス価格を押し上げているとみられる。
  • 財務省貿易統計速報に基づくと、2021年4月の日本平均LNG輸入価格は7.72米ドルであった。供給地域別では、ASEAN地域産が7.40米ドル、中東産が7.66米ドル、ロシア産が6.80米ドルと全体平均を下回ったが、米国産は8.88米ドルと全体平均を上回った。また、4月の日本平均輸入価格は、中国6.96米ドル、韓国7.42米ドル、台湾6.75米ドルを上回った。
  • 4月の日本のLNG輸入量は、498万トンと前年同月比で4%減少した一方、1-4月のLNG輸入量は2,823万トンと前年同期比で6%増加した。中国の4月のLNG輸入量は673万トンと、前年同月比で33.6%増加し、2021年1月以来、日本の輸入量を上回った。韓国のLNG輸入量は285万トンと、前年同月比で8%減少した。台湾は159万トンと前年同月比3%減となった。これら4市場合計のLNG輸入量は、2020年1月以降、連続して前年同月比を上回り、1-4月の累計で、7,726万トンと前年同期比13%増加となった。

天然ガス・LNG価格推移(直近1年)

中長期の値動き

  • JKMは、2019年冬期は6米ドル前後の水準にあったが、2020年1月以降、供給拡大と需要増加ペースの失速により下落基調となり、2020年4月末には史上最安値の1.83米ドルを記録した。5月以降2米ドル台が続いたが、8月に入り複数の生産設備での供給障害により上昇基調に転じ、12月には10米ドル台を超え、2021年1月には寒波の影響で需要が急増し32.5米ドルの史上最高値を付けた。この上昇率は下落時と同様に過去に類を見ない顕著なものとなった。ただし、実際にその価格水準で取引されたカーゴ数は限定的と推定される。その後、価格は急落して2月下旬にかけて5米ドル台まで下落、3月に入り上昇基調に転じて以降は、5月上旬の9米ドル後半から下旬には10米ドル台半ばまで上昇した。
  • 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格の回復に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。2021年1月は8米ドル半ば、2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落したが、4月は7米ドル後半へと上昇した。その理由として、堅調な原油価格により、ASEAN、中東、及びロシアからのLNG輸入価格がそれぞれ上昇したことが要因と推定される。

天然ガス・LNG価格推移(直近10年)

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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Futures Europe, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2021 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
METIスポットLNG価格: 経済産業省「スポットLNG価格調査」
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成

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天然ガス・LNG在庫動向

日本

  • 2021年1月末の国内LNG在庫量は316万tで、前月比5.5%、18万tの減少、前年同月比29.4%の減少となった。LNG在庫量の316万tは過去5年平均値を59万t下回っており、2020年8月から6か月連続で過去5年平均値を割り込んでいる。LNG受入量は都市ガス用・発電用ともに前月から増加したものの、数年に一度の寒気により都市ガス用のLNG消費量が増加したため、LNG在庫量は減少し、平年の水準までには戻っていない。
  • 1月末のガス事業用LNG在庫量は125万tで、前月比15.7%減、前年同月比では38.7%の減少となった。1月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比10.4%増の358万t、都市ガス用LNG受入量は前年同月比11.2%増の334万tだった。
  • 1月末の発電燃料用LNG在庫量は190万tで前月比2.8%増、前年同月比21.6%の減少となった。1月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で0.1%増の506万t、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で9.6%増の561万tであった。

国内LNG月末在庫量(直近2年)

国内LNG月末在庫(直近10年)

(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。


米国

  • 2021年5月21日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、2.22Tcfで前月比 16.7%増となった。在庫量は2020年の同時期と比較すると15.2%低く、過去5年平均値を63 Bcf下回っているが、2020年11月以降は過去5年のレンジに入っている。
  • EIAが2021年5月に発表した月例の短期エネルギー展望(Short-Term Energy Outlook)によると、4月の在庫は2.0 Tcfで、過去5年間の平均より3.0%低い。2月中旬の異常寒波により、天然ガスの生産量が減少したため、2016年~2020年の冬の天然ガス払い出し量は過去5年間の平均を上回っている。EIAは天然ガスの生産量が増加し、発電用のガス消費量が過去2年間の夏よりも減少すると予測している。また、天然ガスの在庫量は過去5年平均水準である3.6Tcfを上回り、2021年の天然ガス貯蔵シーズンが終わる10月末を迎えると予測している。

米国天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

米国天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成


欧州

  • 2021年5月26日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社(欧州連合(EU)加盟国各社、非EU (英国、セルビア、ウクライナ))が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は400TWhであった。2021年4月16日に322 TWhと3年ぶりの低水準を記録した後、気温の上昇に伴い400 TWhまで増加した。在庫量は前月比では21.3%増、前年同期比では49.3%減少し、同時期の過去5年平均値よりも147 TWh低い。多くの国において、4月からガスを注入する貯蔵シーズンが開始するが、貯蔵容量に対する充填率は、2021年5月26日時点で35.8%であり、前年同期の71.5%より低く、さらに過去5年間平均値である50.4%を下回っている。

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。

 

  • 2021年5月26日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社(11か国、18社)が有する欧州LNG在庫量は439万m3(液体ベース)であり、前月比において22.7%増加した。前年比から20.7%減少し、過去5年平均値から4.6%下回っている。多くのEU諸国において、LNG在庫の変化は送出量の変化と一致しており、送出されるLNGが多いほど、在庫量は少なくなる。しかし、スペインにおいては、5月の7日から23日にかけて送出ガス量は横ばいであったにも関わらず、LNG在庫量は120万m3から193万m3に増加し、高水準で推移している。

欧州LNG在庫量(直近2年)

欧州LNG在庫量(直近10年)

(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。


天然ガス・LNGプロジェクト動向

ハイライト

  • 豪州では、Darwin LNG およびバックフィル供給を行う予定の Barossa ガス田開発関連で、出資比率整理、エンジニアリング面での進展があった。また、パプアニューギニアで Papua LNG プロジェクトの検討が再開した。他方、2019年FID済みのモザンビーク陸上液化プロジェクト建設に遅延可能性が生じている。

 

アジア・オセアニア地域

  • 韓国の通商産業資源部は2021年4月27日、長期天然ガス供給計画を発表した。バンカリング用、水素燃料電池自動車用LNG需要増加、政府による石炭、原子力発電削減策を背景に、自国のLNG需要は2034年までに15.1%増加すると見込んでいる。
  • フィリピンのエネルギー省は2021年4月22日、 Vires Energy Corporationのバタンガス地方での統合型天然ガス火力発電設備・LNG貯蔵・気化基地プロジェクトの推進通知(NTP)申請を承認した。当該プロジェクトは、FSRUタレット係留方式、1.6 km海底導管、500-MW浮体発電設備(FPP)で構成され、稼働開始目標は2023年1月としている。
  • マレーシア PETRONAS は2021年5月7日、2021年8月引き渡しスポットLNGカーゴをアジア向けに販売するに際し、新たなLNG価格指標としてカナダAECO指標を採用したと発表した。
  • PETRONAS は2021年4月26日、ジョホール州 Pengerangの充填設備からISOタンクで中国向けのLNG輸出を開始したと発表した。 LNG ISOタンクの初出荷は、PETRONASとTiger Clean Energy Limited(TCEL)の関連会社であるTiger Gas Ltdとの間で締結されたスポット契約に基づくもの。2020年に PETRONASとTCEL は、 TCEL のサラワク州Bintuluの LNG ISO タンク充填設備向けのLNG供給に関する長期売買契約を締結していた。
  • Eni は2021年4月26日、インドネシア東カリマンタン沖East Sepinggan 鉱区 Merakes プロジェクトでガス生産を開始したことを発表した。本プロジェクトは日量450Mcfの生産能力を有し、Jangkrik 浮体生産設備(FPU)と接続し、 Jangkrik ガス田と合わせて最大日量750 Mcfまで生産能力を最適化でき、国内市場向けに販売されるとともに、Bontang LNGの延命にも貢献する。
  • Total は2021年5月20日、 ArcelorMittal Nippon Steelとの間で、2026年まで最大年間50万トンのLNG供給契約を締結したことを発表した。 Total のグローバルポートフォリオから調達され、インド西岸 Dahej または Hazira 基地で荷揚され、グジャラート州ハジラの製鉄・発電設備向けに用いられる。
  • 豪 Santosは2021年4月30日、 Bayu-UndanとDarwin LNG における自社持分の一部25%について、Barossa でのパートナーでもある SK E&S への譲渡を完了したと発表した。Darwin LNG 向けバックフィルのための Barossa ガス生産開始は2025年前半に見込まれている。
  • 豪 SantosとEni は2021年5月3日、豪州北部・東ティモールでの事業機会に協力する基本合意(MOU)を締結したことを発表した。協力分野は、LNG拡張開発につながる Barossa、 Evans Shoal を中心とするガス田開発、Darwin LNGへのパイプライン、陸上ガス処理設備に伴うインフラ共有可能性によるシナジーの評価で、CCSプロジェクト含め、LNGプロジェクト延命のための Bayu-Undan 諸設備改造オプションの検討も含まれる。
  • 豪 Venice Energy は2021年5月5日、アデレード港 Outer Harbor プロジェクト向けFSRUの供給者を決定したと発表した。同社は、欧州からの世界的な独立系LNG船主・運航企業と基本合意(HOA)、基本条件(TS)を締結し、今後数週間のうちに定期傭船契約締結が見込まれている。
  • Total は2021年5月5日、パプアニューギニア政府との間でPapua LNG プロジェクトのチームとその他必要なリソースを再編成したことを発表した。基本設計(FEED)を2022年初に開始し、2023年のFIDに向けて準備することを目標としている。

 

北米地域

  • 米 Cheniere Energy は2021年5月4日、 Sabine Pass Liquefaction, LLC が Shell 向けに、両社間の長期LNG売買契約の一環として、カーボンニュートラルカーゴ1隻を供給したと発表した。オフセットは Shell の自然型プロジェクトのポートフォリオから購入され、 Cheniere は上流からFOB引き渡し点までの推定CO2e換算排出に伴う部分を購入した。
  • 2021年第1四半期分の米連邦証券取引委員会への10-Q報告によると、 Cheniere Energy の Sabine Pass LNG 第6系列は83%完成しており、2022年上半期までに完成見込みである。エンジニアリングは99.6%、調達は99.9%、建設は61.7%完了となっている。
  • 米 Sempra Energy は2021年5月5日、第1四半期業績説明会の中で、 Port Arthur LNG のFIDが2022年に延期される可能性が高い、と述べた。
  • 米 Venture Global LNG は2021年4月29日、 Plaquemines LNGプロジェクトに関して、Zachry Groupと新たなパートナーシップを発表した。VGLNGは既にKBRをEPC請負会社に選定したことを発表していたが、KBRとZachry Group による新たな合弁事業体KZJVにより、 Plaquemines LNG 第1段階のEPC契約に基づく開発、エンジニアリング、調達、建設を行う。
  • 米 NextDecadeとProject Canaryは2021年4月19日、 Rio Grande LNGプロジェクトから販売されるLNGの温室効果ガス強度に関して、監視・報告・独立第三者測定・実証に関する共同パイロットプロジェクトを発表した。
  • 米 NextDecadeとProject Canaryは2021年4月19日、 Rio Grande LNGプロジェクトから販売されるLNGの温室効果ガス強度に関して、監視・報告・独立第三者測定・実証に関する共同パイロットプロジェクトを発表した。
  • カナダ Woodfibre LNG は2021年5月6日、 BP Gas Marketing Limitedとの間で、ブリティッシュコロンビア州スクワミッシュ近くの輸出設備からのLNGについて2件目のSPAを締結したと発表した。BPGMは、FOB条件で、15年間、年間75万tを引き取る。今回のSPAにより、BPGMによる引き取り総量は年間150万tと、 Woodfibre LNG の将来の年産70%超まで増加する。
  • Woodsideは2021年5月18日、Kitimat LNGプロジェクトの非操業参加権50%を処分することを決定したと発表した。Liard Basin 上流ガス資源の持分は、将来の天然ガス、アンモニア、水素機会を検討する低コストのオプションとして維持する。

 

欧州・ロシア地域

  • ノルウェーの石油類安全管理当局は2021年4月22日、 Equinor の Hammerfest LNG 設備での2020年9月28日の火災事故に関して調査の完了を発表し、この調査で規制に対する重大違反事項が明らかにされた。Equinor は2021年4月26日、2020年9月28日の火災後、作業が広範囲に渡ること、 Covid-19 による制限のため、LNG設備の稼働開始見込みが2022年3月31日に後ろ倒しされたことを発表した。
  • ロシア NOVATEK は2021年4月28日、 Total との間で同社のArctic Transshipment LLC の10%持分取得に関して基本合意(HOA)を締結したと発表した。 Arctic Transshipment LLC は、 NOVATEK 子会社で、カムチャッカ、ムルマンスクで建設中のLNG積替設備を運営する。さらに同社は同日、 Arctic LNG 2プロジェクト参加企業との間で、総生産量に関して20年間のSPAを締結したと発表した。 Arctic LNG 2 第1液化系列からのLNG販売は2023年から計画されている。これらSPAは、FOBムルマンスク、FOBカムチャッカで、国際石油・ガス市場に基づく価格設定となる。LNG引き取り数量は、参加持分で比例配分されている。

 

その他地域

  • モロッコのエネルギー・鉱業・環境省、2021年4月28日、地中海岸・大西洋岸いずれかにFSRUを設置するための提案募集を発表した。
  • ナイジェリア石油類資源省は2021年5月11日、 UTM Offshore Limited と日揮との間のプレFEED契約オンライン契約締結式典で、自国初の浮体式LNG生産設備への支持を表明した。プロジェクトは2025年完成予定で、天然ガス・コンデンセート日量176Mcf(年間134万t)を生産する見込みとされる。
  • Kosmos Energy は2021年第1四半期業績報告の中で、モーリタニア・セネガルの Greater Tortue Ahmeyim LNG プロジェクト第1段階が58%進捗し、FPSO、浮体LNG船舶、ハブ基地(防波堤)、海底インフラストラクチャーの全面で大きく進展している、と述べた。2021年末までに80%完成を目標としている。
  • Karpowership は2021年4月25日、 KARMOL (Karpowership ・商船三井(MOL)間の合弁事業)最初のFSRUが3月15日シンガポールで引き渡され、セネガルでの配置に先立ち、シンガポール沖で海上試験を開始すると発表した。 KARMOL はセネガルで初となるLNG火力発電を6月から提供する。
  • モザンビーク Cabo Delgado 地方北部の治安悪化状況を受け、 Total は2021年4月26日、 Mozambique LNG プロジェクト人員を全て Afungi 現場から撤退したことを確認した。この状況を受け同社はオペレーターとしてフォースマジュールを宣言した。
  • 米InvenergyとBW LNG は2021年5月12日、 IDB Invest との間で、エルサルバドル Energía del PacíficoLNG発電プロジェクトの一環となるFSRUに係る資金調達のパッケージに合意したと発表した。輸送船舶 BW Tatiana LNG が同地域最初のFSRUに転換改造され、同国ソンソナテ県アカフトラ港湾に恒久的に係留されることとなる。

 

 

作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所

 

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