2022年4月
天然ガス・LNG価格動向
直近の値動き
- 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、100万Btu当たり30米ドル台を推移していたが、4月12日には30米ドル台を割り、月末にかけて25米ドル付近で変動している。JKMは欧州ガス価格の値動きに連動して推移しているが、欧州価格との逆転現象は依然として継続している。北東アジア市場では、中国におけるロックダウンなど需要低迷がある一方、南アジアからの買い意欲も現れてきている。
- JOGMECは3月の日本着スポットLNG月次価格(速報)について、同月以降に契約がなされて日本に入着するスポットLNG取引の平均価格(契約ベース)を29.8米ドルと発表した。また、同月中に日本に入着したスポットLNG取引の平均価格(入着ベース)は、27.6米ドルであったと発表した。
- 米国スポットガス価格HHは、先月からの上昇基調から引き続き5米ドル後半で始まり、4月5日には6米ドルを超え、4月18日には7.82米ドルとなったが、月末にかけて6米ドル後半で推移している。例年を下回る気温、低水準の天然ガス地下貯蔵量、旺盛なLNG需要、国内ガス生産が追い付いていない状況などが上昇圧力となっている。米国エネルギー情報局(EIA)は、価格見通しについて2022年の第2四半期平均は5.7米ドル、2022年の年間平均が5.2米ドル、2023年の年間平均が4.0米ドルと予想している。米国産LNG輸出については、2022年3月は推計約775万トンと前月を上回っていると報告しており、高水準の米国LNGの輸出は2022年を通して継続し、2021年比25%の増の9,351万トンになると予想している。
- 欧州ガススポット価格TTFは、4月に入りおおむね下落基調で推移し、4月19日には30米ドルを割った。4月21日に英国の風力発電量が平均以下となった報道等を受け一時的に反発し32.9米ドルとなったが、目下29米ドル台で推移している。英国の風力発電力量は断続的に週平均出力以下になるものの概ね好調であり、また、ノルウェーからのパイプラインガス流量も比較的安定している。イタリアやドイツ西部におけるロシア産パイプラインガス流量が減少あるいは停止している一方、LNGカーゴの受け入れが増加している。欧州ガス地下貯蔵量は5年平均値にはまだ乖離があり、地政学的緊張の中で欧州のガス価格は不安定な状態が続いている。
- 財務省貿易統計速報に基づくと、2022年3月の日本平均LNG輸入価格は14.50米ドルとなった。供給地域別では、米国産は12.93米ドル、ASEAN地域産が13.21米ドル、中東産が17.44米ドル、ロシア産が11.86米ドルであった。また、3月のアジア各国の平均輸価格は、中国12.69米ドル、韓国19.54米ドル、台湾16.12米ドルであった。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2022年3月には91.79米ドルとなり、3か月連続で上昇している。原油価格リンクの長期契約が7,8割を占める日本平均LNG輸入価格は、足元の原油価格上昇により今後も上昇を続けると想定される。
- 3月の日本のLNG輸入量は、651万トンと前年同月比で9%減少、1月から3月までのLNG輸入量合計は2,040万トンと前年同期比で12%減少した。この間、日本では2021年後半以来の発電分野における原子力、再生可能エネルギー及び石炭火力への転換が継続し、天然ガス火力発電と天然ガスの消費量を減少させた。中国のLNG輸入量は463万トンと前年同月比で17%減少、1月から3月までのLNG輸入量合計は、1,728万トンと前年同期比で11%減少した。中国では、この間、冬季五輪中に空気汚染対策で工場が閉鎖され、また、ロックダウンも起こり、さらに比較的温暖な気候もあり、天然ガス消費を減少させた。韓国は499万トンと前年同月比で19%増加、台湾は209万トンと前年同月比30%増となった。これら4市場合計のLNG輸入量は、3月までの累計で5,626万トンと前年同期比8%減少となった。
- 2021年4月から2022年3月までの年度ベースの日本のLNG輸入量は7,146万トンとなり、前年比で6%、490万トン減少した。日本の天然ガス消費は、2021年には厳冬や産業部門での需要拡大を受け夏季まで増加したが、後半4か月にかけて一連の原子力発電の再稼働や、LNG価格の上昇を受けて天然ガス火力発電から石油・石炭火力発電への転換が進んだため急激に減少した。
中長期の値動き
- JKMは、2020年1月以降、供給拡大と需要増加ペースの失速により下落基調となり、2020年4月末には史上最安値の1.83米ドルを記録した。5月以降2米ドル台が続いたが、8月に入り複数の生産設備での供給障害により上昇基調に転じ、12月には10米ドル台を超え、2021年1月には寒波の影響で需要が急増したことにより、32.5米ドルの史上最高値を付けた。その後、価格は急落して2月下旬にかけて5米ドル台まで下落、3月に入り上昇基調に転じて以降は、高値で推移する欧州ガス市場にも牽引され、10月に56米ドルまで一時上昇し、11月は30米ドル半ば、12月には40米ドルに達した。2022年1月と2月は20米ドル台で推移し、3月にはロシア産パイプラインガス供給中断の懸念に伴って一時急騰し80米ドルを上回り急騰、その後30米ドル台で推移した。4月に入り取引は低調であり、当初30米ドル台で推移したが、後半にかけ24-26米ドル台まで下落している。
- 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格上昇に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。堅調な原油価格の値動きに応じて、2021年2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落した。その後は、原油価格の上昇に伴って、11月、12月は14米ドル、2022年2月には15米ドル後半に上昇、3月に14米ドル半ばに下落している。
価格情報についてはファイルでのダウンロードサービスはありません。なお、上図については、S&P Global Plattsの情報が含まれることから、閲覧に際しては後述する内容にご同意いただくこととなります。
(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2022 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange
上記閲覧に際しては、以下について同意することとなります。
- Platts情報はS&P Global Plattsによって作成されています(出典:© 2022 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc. All rights reserved)。
- Platts情報を内部目的にのみ使用することに同意します。またインターネット、イントラネット、またはその他のネットワークを含むあらゆる形式または手段で、Platts情報をいかなる目的でも第三者に保存、複製、またはさらに配布しないことに同意します。
- Platts、その関係会社およびそれらのすべての第三者ライセンサーが、Platts情報、および特許、企業秘密、著作権、商標権(登録有無に関わらず)を含むすべての知的財産権を所有していることに同意します。
- Platts、その関係会社およびそれらのすべての第三者ライセンサーは、すべてのPlatts情報、データ、またはそれらの使用や実行によって得られた結果を含む、Platts情報に関する特定の目的または使用に対する商品性または適合性を含むすべての保障について、明示または黙示に関わらずすべての保障を否認します。Plattsまたはその関係会社あるいはそれらの第三者ライセンサーのいずれも、Platts情報またはその構成要素についての通知または通信の妥当性、正確性、適時性または完全性を保証しないものとします。Platts、その関係会社およびそれらの第三者ライセンサーは、Platts情報のいかなる誤差、脱漏または遅延についても、いかなる損害賠償または法的責任も問われないものとします。Platts情報およびそのすべての構成要素は、「現状の有り姿」として提供され、JOGMECウェブサイトのPlatts情報の使用は購読者自身の危険負担で行われるものとします。Platts情報は金融またはその他の専門的なアドバイスとみなされるべきではありません。
- 上記記載内容に関わらず、いかなる場合も、Platts、その関係会社またはそれらの第三者ライセンサーは、利益の損失、取引損失、または損失時間や事業上の信用の損失を含むがこれに限定されないいかなる間接的損害、特別損害、付随的損害、懲罰的損害、または派生的損害について、たとえかかる損害の可能性について知らされていたとしても、契約の記述、不法行為(過失を含む)、厳格責任または別の方法のあるなしを問わず、決して責任を負わないものとします。またPlatts、その関係会社およびそれらの第三者ライセンサーは、第三者によるJOGMECウェブサイトに対するいかなるクレームにつきましても責任を負わないものとします。
天然ガス・LNG在庫動向
日本
- 2021年12月末の国内LNG在庫量は499万トンで、前月比2.0%、10.0万トンの減少、前年同月比では49.6%増加し、過去5年平均値を102万トン上回った。
- 12月末のガス事業用LNG在庫量は224万トンで、前月比7.6%減、前年同月比では50.2%の増となった。12月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比3.7%減の312万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比1.8%増の274万トンだった。
- 12月末の発電燃料用LNG在庫量は276万トンで前月比3.1%増、前年同月比49.1%の増加となった。12月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で22.4%減の392万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で12.7%減の449万トンであった。
- 2022年4月20日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の4月17日時点のLNG在庫は約176万トンであった。2021年4月末比では約25万トン、過去4年間の4月末平均を14万トン下回っている。
(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。
米国
- 2022年4月15日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、1.45 Tcfで前月比4.4%増となった。在庫量は2021年の同時期と比較すると23.0%低く、過去5年平均値を271 Bcf下回っているが、2020年11月以降は過去5年のレンジに入っている。
- EIAが2022年4月に発表した月例の短期エネルギー展望(Short-Term Energy Outlook)によると、3月までの在庫は合計1.4Tcfで終了すると予測している。これはその時期の5年間平均(2017年~2021年)よりも17%少ない。
(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成
欧州
- 2022年4月24日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は349.5 TWh (LNG換算2,312万トン相当)であった。これは前年同期より6.7%、21.9 TWh (LNG換算145万トン相当)上回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は31.6%であり、前年同期の29.4%を上回り、過去5年間平均値の37.8%を下回った。貯蔵容量の大きなドイツ、オランダの充填率はそれぞれ33.4%、25.2%であった。
(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。
- 2022年4月24日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社(11か国、18社)が有する欧州LNG在庫量は405万m3(液体ベース)で、前月比32.6%増加、前年同期比29.7%増加、過去5年平均値を6.0%上回っている。
(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。
天然ガス・LNGプロジェクト動向
ハイライト
- 米国LNG生産プロジェクトでは、既存プロジェクトのLNG輸出許可量の増加、新規プロジェクトのEPCまたは初期の建設活動の前進、拡張プロジェクトのパートナーとの合意や長期SPAの締結など、供給容量の増強が進展している。
アジア・オセアニア地域
- 日揮ホールディングスは2022年4月6日、台湾の複数の建設会社とコンソーシアムを組み、CPCより、台中LNG受入基地拡張の建設プロジェクト設計、調達及び建設工事、試運転(EPCC)役務を受注したと発表した。また大阪ガスも同日、Daigasガスアンドパワーソリューションが、CPCより、同基地の次の拡張段階に係る基本設計業務(FEED)及び技術コンサルティング業務を受注したことを発表した。
- 豪Woodside は2022年3月31日、 North West Shelf プロジェクトKarratha Gas Plantにおける沖合 Pluto ガス田群からのガス処理が、Pluto-KGP Interconnectorパイプラインの稼働開始により予定よりも早く開始したと発表した。
- Woodside は2022年4月6日、 Scarborough 合弁事業のオペレーターとして、同プロジェクトの実施に必要となる主要な許可承認を連邦・西豪州合同当局から取得したと発表した。
- 豪州の国家海洋石油安全環境管理庁(NOPSEMA) は、 Shell に対して西豪州沖の浮体式LNG設備 Preludeの稼働再開を許可した。これを受けShell は2022年4月11日、同設備の稼働を再開したと発表した。
北米地域
- 米輸出入銀行(EXIM)は2022年4月14日、取締役会が Make More in America Initiative 案を承認したことを発表した。同イニシアティブは、米国におけるサプライチェーンの強化を目的に主に輸出向けの国内製造業への支援を梃入れするもので、環境に優しい事業に対してはインセンティブも付与している。米国LNG協会LNG Alliesは 「EXIM 取締役会決定は、現在の世界的なLNG不足時に役に立つ可能性が高い」と述べた。
- Cheniere Energy は2022年4月19日、天然ガス中流企業、メタン検出技術プロバイダー及び主要学術機関との協力により、同社のサプライチェーンに特化した天然ガスの収集、処理、輸送及び貯蔵システムにおけるGHG排出の定量化、監視、報告及び検証(QMRV)を実施すると発表した。
- Sempra Infrastructure は2022年4月4日、Cameron LNG 拡張プロジェクト開発に関して、TotalEnergies、三井物産、三菱商事と日本郵船が共同出資するJapan LNG Investmentとの間で、基本合意書(HOA)を締結したと発表した。同拡張プロジェクトは、最大生産容量年間675万トンの新規1系列と既存の3系列のデボトルネッキングを含む見込みである。
- 日揮ホールディングスは2022年4月7日、米国現地法人 JGC Americaが米国の建設会社 Zachry Industrialと共同で、Cameron LNGプラント拡張工事に関わる基本設計(FEED)役務及び設計・調達・建設(EPC)に係る入札契約を受注したことを発表した。この拡張プロジェクトは、ガスタービン駆動に代わり電気駆動(E-drive)モーターを採用した第4系列を増設し、生産能力を拡大することを目的としている。
- Tellurianは2022年3月29日、 Bechtel Energy に対して、同社と締結済みのエンジニアリング・調達・建設(EPC)契約の下、Driftwood LNG 輸出設備建設のフェーズ1開始の限定的通知を行ったことを発表した。 Driftwood LNG は年間2,760万トン液化・輸出設備である。フェーズ1はLNG設備2基で、輸出容量は年間1,100万トンとなる。
- NextDecadeは2022年3月24日、中国Guangdong Energy Group との間で、 NextDecadeのRio Grande LNG 輸出プロジェクトから20年間のLNG供給に関して拘束力ある基本合意書(HOA)を締結したことを発表した。さらにNextDecadeは4月6日、中国ENN Natural Gas シンガポール子会社のENN LNGとの間で、Rio Grande LNG輸出プロジェクトからのLNG供給に関して20年間のSPA締結を発表した。 ENN LNG はヘンリーハブ連動価格のFOB条件で年間150万トンを購入する。
- 米Energy Transfer、中国ENN Natural Gas、 ENN Energy Holdingsは2022年3月29日、後2社が前者の子会社 Energy Transfer LNG Export (ET LNG)との間でLake Charles LNG プロジェクトに関してSPAを締結したことを発表した。 ET LNG は、 ENN NG 向けに年間180万トン、 ENN Energy 向けに年間90万トンのLNGを20年間にわたりFOB条件で、早ければ2026年より引き渡しを開始する。
- New Fortress Energyは、2022年3月31日、米連邦海事局 (MarAd)、連邦沿岸警備隊 (USCG)及び連邦エネルギー省 (DOE)に対して、ルイジアナ州沖に容量年間280万トンの新規洋上LNG液化設備の設置・建設・操業許可を申請したことを発表した。2023年第1四半期稼働開始を目標としている。
- SempraとTotalEnergies は2022年3月31日、 Sempra Infrastructureと TotalEnergies が2件のMOUを通じて、北米での戦略提携を強化することを発表した。このうちSempra Infrastructure のメキシコ Vista Pacífico LNG プロジェクトに関するMOUは、メキシコ西海岸で開発中LNG設備の長期輸出向け生産量の3分の1を TotalEnergies が契約するとともに、TotalEnergies が同プロジェクトにマイノリティ出資する可能性を想定している。
- 日揮ホールディングスと川崎汽船は2022年4月14日、日揮グローバルが川崎汽船と共同で、既存のLNG輸送船のLNG貯蔵タンクを活用した新形式の FLNG Hull (浮体式LNG生産設備の船体)の概念設計を確立し、米国船級協会(ABS)の設計基本承認(AIP)を取得したことを発表した。
- 中国Guangzhou Development Groupは2022年4月1日、メキシコ Mexico Pacific LNGとの間で、同プロジェクトの稼働開始から20年間200万トンのSPAを締結したと発表した。 MPLNG は最初の2系列について2022年後半のFIDを見込んでいる。
欧州・ロシア地域
- 米連邦政府と欧州委員会(EC)は2022年3月25日、エネルギーセキュリティに関するタスクフォースを設置する計画を発表した。米政府は、2022年EU市場向けに15 bcm(1,100万トン)以上の追加LNGを確保すべく努力する。ECはEU加盟国と協力し、少なくとも2030年まで年間50 bcm (3,675万トン)の米国産LNGの安定した追加需要の確保を目指す。
- ECは2022年3月23日、供給安定性を確保するための欧州の共同行動に向けた構想を明らかにした。ECは今年の冬に向けてガス貯蔵水準80%以上の義務を導入し、翌年以降は90%に引き上げる法案を提出した。
- ECは2022年3月31日、 QatarEnergyと欧州のガス輸入企業数社との間のLNG供給契約に関して、反トラスト捜査を終了することを決定したと発表した。
- ドイツ German LNG Terminal GmbHとShell は2022年3月23日、Brunsbüttel基地でのLNG輸入に関するMOUを締結したことを発表した。 Shell が同基地の容量の相当部分を長期的に予約することで合意している。
- Hanseatic Energy Hubは2022年3月21日、ドイツ Stade にLNG受入基地を開発することを計画しており、同日より4月8日にかけて、2026年以降の長期容量予約に関する関心表明を招請している。
- エストニアとフィンランド両国の経済省は2022年4月7日、両国にガスを供給するための浮体式基地を共同でリースすることに合意した。両国共同で埠頭を建設する計画であり、両国はフィンランド湾の北南両岸から同基地を使うことができる。
- TotalEnergies は2022年3月22日、Arctic LNG 2の確認埋蔵量を自社会計に計上しないことを決定し、同プロジェクト向けのさらなる資本支出は今後行わないことを発表した。
その他地域
- QatarEnergy は2022年4月12日、商船三井子会社と、 QatarEnergy のLNG海運プログラム下で実施する定期傭船の最初の一群となる4隻のLNG輸送船に関する定期傭船契約を締結したことを発表した。造船契約は商船三井と中国Hudong-Zhonghua Shipbuilding Groupの間で締結された。
- ENIは2022年4月13日、エジプトEGASとの間でガス生産・LNG輸出最大化のための枠組協定を締結したと発表した。2021年に締結された Damietta 液化設備再稼働に向けた協定と合わせて、2022年に欧州、イタリア向けのEniのLNGポートフォリオに最大3 bcmのLNGを供給することとなる。
- Eni は2022年4月21日、コンゴ共和国炭化水素省との間で、2023年稼働開始で最大稼働時生産容量年間300万トン超のLNGプロジェクト開発を通じて、ガス生産・輸出を増加すべく、基本合意書(LOI)を締結したことを発表した。
- パナマ運河当局は2022年4月1日、2023年以降の新しい通航料体系案を公表した。LNG部門では往復航行での10%程度の割引となる特別バラスト料金が新案には含まれなくなり、174,000 m3 LNG輸送船の場合、往復の通航料金は2022年の851,340米ドルから2023年には1,016,310米ドルに上昇する。
- 機関投資家EIGとFluxys は2022年3月28日、チリ GNL Quintero LNG 気化基地の80%の権益を Enagás Chile SpAとOMERS Infrastructure連合から買い取ると発表した。
作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所
添付ファイル
- 日本のLNG在庫量(17.8KB) (2022/4/27更新)
- 米国天然ガス地下貯蔵量(52.0KB) (2022/4/27更新)
- 欧州天然ガス地下貯蔵量(323.0KB) (2022/4/27更新)
- 欧州LNG在庫量(224.9KB) (2022/4/27更新)