2022年5月

天然ガス・LNG価格動向

直近の値動き

  • 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、100万Btu当たり20米ドル台前半を推移していたが、5月10日には20米ドル台を割り、月末にかけて再び20米ドル台前半で変動している。JKMは欧州ガス価格の値動きに連動して推移しているが、欧州価格との逆転現象は依然として継続している。北東アジア市場では、中国におけるロックダウンなど需要低迷がある一方、南・東南アジアから買い意欲が徐々に現れてきている。
  • JOGMECは4月の日本着スポットLNG月次価格(速報)について、同月以降に契約がなされて日本に入着するスポットLNG取引の平均価格(契約ベース)を34.6米ドルと発表した。また、同月中に日本に入着したスポットLNG取引の平均価格(入着ベース)は、報告者が1社以下のため非公表であった。
  • 米国スポットガス価格HHは、先月末に7米ドル台に達して以降5月にも7米ドル台で推移し、夏場の旺盛な需要の兆しを受け5月4日から3日間連続で8米ドルを超えた。その後一時7米ドル台で推移するも、中旬以降、テキサス州や中央平原での熱波によるガス火力発電の需要増等を受け、再び8米ドル台で推移し、5月25日には8.97米ドルとなった。米国エネルギー情報局(EIA)は、価格見通しについて2022年の第2四半期平均は7.8米ドル、2022年の下半期平均が8.6米ドル、2023年の年間平均が4.7米ドルと予想している。2022年における高値での予想は、EIAによると夏季における過去5年平均値を下回る米国ガス在庫量の見通しを反映したものという。米国産LNG輸出については、2022年4月平均値で約731万トンと3月に記録した最高値を少し下回っていると報告している。また、2022年の米国からのLNG輸出量を2021年比23%増の9,198万トン、2023年のLNG輸出量を2022年比5%増の9,658万トンになると予想している。
  • 欧州ガススポット価格TTFは、地政学的な緊張が続く中で上昇と下降を繰り返し、5月4日には32.6米ドルに達した一方、5月25日は27.3米ドルとなった。この間、ポーランド、ブルガリア、ウクライナ及びフィンランドへのロシアからのガス供給が停止あるいは一部停止され、これら諸国は対応を余儀なくされている。一方、LNGカーゴの受け入れは堅調であり、欧州ガス地下貯蔵量は5月24日時点充填率44.0%に達し、同時点における5年平均値を上回っている。
  • 英国ではLNG輸入によりガス地下貯蔵量の充填率が91.6%に達するなか、余剰のガスが同国からInterconnectorやBBLといったガスパイプラインによって大陸に供給されている。これらパイプラインは既に最大流量で供給しているものの、巨大なガス地下貯蔵容量を要する欧州の需要に対応するには足りておらず、両地域間の需給バランスの乖離を解消するには至っていない。その結果、英国ガス価格のNBPのTTFに対するディスカウントが発生・拡大している。
  • 財務省貿易統計速報に基づくと、2022年4月の日本平均LNG輸入価格は15.70米ドルとなった。供給地域別では、米国産は27.76米ドル、ASEAN地域産が16.44米ドル、中東産が16.94米ドル、ロシア産が11.37米ドルであった。また、4月のアジア各国の平均輸価格は、中国13.38米ドル、韓国13.40米ドル、台湾17.75米ドルであった。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2022年4月には107.77米ドルとなり、4か月連続で上昇している。原油価格リンクの長期契約が7,8割を占める日本平均LNG輸入価格は、足元の原油価格上昇により今後も上昇を続けると想定される。
  • 4月の日本のLNG輸入量は、557万トンと前年同月比で12%増加、1月から4月までのLNG輸入量合計は2,597万トンと前年同期比で8%減少した。特に米国産LNGの輸入量が、4ヶ月間で160万トンと、前年同期比半減となった。中国のLNG輸入量は435万トンと前年同月比で35%減少、1月から4月までのLNG輸入量合計は、2,159万トンと前年同期比で17%減少した。韓国は345万トンと前年同月比で22%増加、台湾は149万トンと前年同月比5%減少となった。これら4市場合計のLNG輸入量は、4月までの累計で7,103万トンと前年同期比8%減少となった。

天然ガス・LNG価格推移(直近2年)

中長期の値動き

  • JKMは、2020年1月以降、供給拡大と需要増加ペースの失速により下落基調となり、2020年4月末には史上最安値の1.83米ドルを記録した。5月以降2米ドル台が続いたが、8月に入り複数の生産設備での供給障害により上昇基調に転じ、12月には10米ドル台を超え、2021年1月には寒波の影響で需要が急増したことにより、32.5米ドルの史上最高値を付けた。その後、価格は急落して2月下旬にかけて5米ドル台まで下落、3月に入り上昇基調に転じて以降は、高値で推移する欧州ガス市場にも牽引され、10月に56米ドルまで一時上昇し、11月は30米ドル半ば、12月には40米ドルに達した。2022年1月と2月は20米ドル台で推移し、3月にはロシア産パイプラインガス供給中断の懸念に伴って一時急騰し80米ドルを上回り急騰、その後30米ドル台で推移した。4月以降取引は低調であり、JKMは36米ドルから22米ドルまで減少し、5月には20米ドル前半で推移しているが、7月受渡等に関し徐々に買い意欲が現れてきている。
  • 欧州ガススポット価格TTFに対するJKMのディスカウントは、欧州におけるガス供給の不確実性の高まりや北東アジア、特に中国のLNG需要の減少を背景に3月末以降顕在化し始め、4月中は1米ドル~9ドル、5月中は2米ドル~8米ドルとなっている。
  • 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格上昇に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。堅調な原油価格の値動きに応じて、2021年2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落した。その後は、原油価格の上昇に伴って、2022年2月には15米ドル後半に上昇、3月に14米ドル半ばに下落、4月に15米ドル後半に再び上昇している。

天然ガス・LNG価格推移(直近10年)

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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2022 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange

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天然ガス・LNG在庫動向

日本

  • 2022年1月末の国内LNG在庫量は391万トンで、前月比21.7%、108.4万トンの減少、前年同月比では23.9%増加し、過去5年平均値を28万トン上回った。
  • 1月末のガス事業用LNG在庫量は178万トンで、前月比20.4%減、前年同月比では41.8%の増となった。1月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比1.9%減の351万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比8.7%減の305万トンだった。
  • 1月末の発電燃料用LNG在庫量は213万トンで前月比22.7%減、前年同月比12.1%の増加となった。1月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で9.0%減の460万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で19.9%減の450万トンであった。
  • 2022年5月18日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の5月15日時点のLNG在庫は約213万トンであった。2021年5月末比では約19万トン、過去4年間の5月末平均を15万トン上回っている。

国内LNG月末在庫量(直近2年)

国内LNG月末在庫(直近10年)

(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。


米国

  • 2022年5月13日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、1.73 Tcfで前月比19.4%増となった。在庫量は2021年の同時期と比較すると17.5%低く、過去5年平均値を310 Bcf下回っているが、2020年11月以降は過去5年のレンジに入っている。

米国天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

米国天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成


欧州

  • 2022年5月24日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は485.0 TWh (LNG換算3,208万トン相当)であった。これは前年同期より21.2%、84.8 TWh (LNG換算561万トン相当)上回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は44.0%であり、前年同期の35.8%を上回り、過去5年間平均値の42.4%を上回った。貯蔵容量の大きなドイツ、オランダの充填率はそれぞれ46.0%、36.0%であった。

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。

 

  • 2022年5月24日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社(11か国、18社)が有する欧州LNG在庫量は459万m3(液体ベース)で、前月比9.1%増加、前年同期比13.0%増加、過去5年平均値を2.9%上回っている。

欧州LNG在庫量(直近2年)

欧州LNG在庫量(直近10年)

(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。


天然ガス・LNGプロジェクト動向

ハイライト

  • 米国のLNG輸出プロジェクトでは引き続き長期のLNG販売契約の締結が相次いでいる。また欧州では、LNG輸入を計画するドイツを中心に、複数のFSRU調達や常設のLNG輸入基地計画の進展が発表された。主要なLNG関連企業の2022年第1四半期業績報告では、LNGをはじめとするエネルギー価格高騰に伴う増益やLNGを含むクリーンエネルギーへの取り組みが確認されている。

 

アジア・オセアニア地域

  • JERAは2022年5月12日、2021年度の日本向けLNG調達量は国内需要の40%にあたる3,000万トンで、このうち過去最大となる450万トンを JERA Global Marketsを通じてスポットで調達したと発表した。
  • KOGASは2022年4月22日、bpとの間で米国から年間158万トンのLNGをヘンリーハブ価格連動で、2025年から18年間輸入する長期契約を締結したと発表した。
  • China State Shipbuilding Corporationは2022年4月28日、174,000 m3容量のLNG輸送船舶6隻の建造契約を日本郵船との間で締結したと発表した。日本郵船は CNOOCとの間でこの6隻の長期定期傭船契約を締結している。
  • Saudi Aramcoは2022年5月11日、タイPTTとの間で、原油調達、精製・石化製品およびLNGの販売にわたる協力を強化するためのMOUを締結したことを発表した。
  • 豪 Woodside は、2022年第1四半期報告によると、2026年のScarborough 初カーゴ出荷目標に先立ち、新規LNG輸送船舶3隻を長期定期傭船する拘束力ある契約を締結した。

 

北米地域

  • Cheniere Energyは2022年5月4日、子会社 Corpus Christi Liquefaction Stage III, LLC が、長期統合型生産マーケティング(IPM)ガス供給契約を、カナダARC Resources, Ltd. 子会社 ARC Resources U.S. Corp.との間で締結したことを発表した。 ARC U.S. は、日量140,000百万Btuの天然ガスを Corpus Christi Stage III 向けに、同プロジェクト第7系列稼働開始から15年間、販売することに合意した。このガス供給に伴うLNGは年間85万トンでCheniere が販売を行う。 Cheniere は ARC U.S. にJKMに基づき、固定LNG海上輸送費、固定液化手数料を控除したLNG連動価格を支払う。
  • Cheniere Energyは、2021年第1四半期3.93億米ドルの純利益に対して、2022年第1四半期は8.65億米ドルの純損失となったことを報告した。この損失は主として自社長期IPM契約に関連して国際LNG価格に連動した商品デリバティブ利用に関わるもので、国際LNGコモディティ価格のフォワードカーブがこの四半期中に大幅に上昇し、これらの価格に連動するポジションに関して公正価値が非キャッシュでの31億米ドルの不利な変化につながったとしている。
  • Sempra InfrastructureとポーランドPGNiGは2022年5月16日、 Sempra Infrastructure の北米LNGプロジェクトから合計年間300万トン(Cameron LNG 第2段階プロジェクトから200万トン、Port Arthur LNG プロジェクトから100万トン)についてFOB条件でのLNG購入に関する基本合意(HOA)を締結したことを発表した。
  • Venture Global LNG は2022年5月10日、 ExxonMobil LNG Asia Pacific との間で、 Plaquemines LNG とCP2 LNG 両設備から、各年間100万トンずつ、2件の新規SPAを締結したと発表した。CP2では2件目の供給契約となり、2023年建設開始を見込んでいる。
  • またVenture Global LNG は2022年5月25日、Plaquemines LNG設備第1段階(年間1,333万トン)とこれに随伴する Gator Express パイプラインのFIDと、これらにかかわる132億米ドルのプロジェクトファイナンスを締結したことを発表した。同社は、Plaquemines LNG 設備の年間2,000万トン全公称容量のうち、80%について20年間のSPAを締結したとしている。同プロジェクトの第1段階の買主には、PGNiG、Sinopec、CNOOC、Shell、EDF (Électricité de France) が含まれ、第2段階のこれまでに発表された買主にはExxonMobil、PETRONAS、New Fortress Energyが含まれる。また、3件目となるCP2プロジェクトについては、ExxonMobilとNew Fortress Energyとの間でSPAが既に締結されている。
  • 米連邦エネルギー省(DOE)は2022年4月27日、テキサス州 Golden Pass LNGとルイジアナ州 Magnolia LNG から日量5億立方フィート(年間380万トン)のLNG輸出を追加承認する長期指令2件を発行したことを発表した。
  • NextDecade Corporationは2022年5月2日、 ENGIE.との間で、Rio Grande LNG 輸出プロジェクトからのLNG供給について15年間のSPAを締結したと発表した。 ENGIE は、年間175万トンのLNGをFOB条件で購入する。第1系列は、早ければ2026年稼働開始見込んでおり、NextDecade は最低でも2系列について2022年後半のFIDを見込んでいる。
  • 米 Energy Transfer LPとトレーダー企業Gunvor Group は2022年5月2日、 Lake Charles LNG プロジェクト関連でSPAを締結したことを発表した。 Energy Transfer LNG はGunvorに早ければ2026年から20年間、FOB条件で年間200万トンのLNGを供給する。またEnergy Transfer LP は5月3日、 SK Gas Trading LLCとの間で年間40万トンのLNG供給にかかるSPA締結を発表した。早ければ2026年から18年間FOB条件でLNGを供給する。Lake Charles LNG 輸出設備からの契約済みLNG数量は、年間510万トンとなったとしている。

 

欧州・ロシア地域

  • オランダ Gasunie は2022年4月25日、Eemshaven LNG輸入基地から欧州へのLNGを持ち込むための関心を持つ市場関係企業に対する入札手続きの開始を発表した。Exmar社の浮体LNG設備(FSRU)は5月にシンガポールからオランダへと出発し、8月初旬にエームスハーフェンに到着予定となっている。 またGasunie は5月10日、2022年第3四半期より5年間、エームスハーフェンに設置する2隻目のFSRUを賃借する契約をNew Fortress Energyと締結したと発表した。
  • ドイツRWEは2022年5月5日、 Höegh LNG から2隻のFSRUを傭船したと発表した。早ければこれらFSRUプラットフォームは次の冬までに稼働開始する計画で、ドイツ政府がRWEとUniper に傭船を指示した浮体基地4隻中の2隻にあたる。 Uniperは同日、Dynagasが管理する2隻のFSRUの自国政府向け傭船を促進したと発表した。
  • ドイツ Tree Energy Solutionsは2022年4月25日、自社の計画する Wilhelmshaven 気化基地でのLNG輸入のためのオープンシーズン(基地容量利用者募集手続き)を発表した。TESは2025年から年間16 - 20bcmの当初輸入容量を計画している。2027/8年以降は、非化石グリーンガスの輸入の予約を増加する。
  • イタリア SnamとGolar LNGは2022年5月18日、Golar が既存LNG輸送船舶 "Golar Arctic" をFSRUとして引き渡す契約を締結したことを発表した。 Snam がサルディニア Portovesme 港湾地域に設置するものである。
  • ノルウェー Equinor は2022年5月4日、第1四半期業績報告の中でHammerfest LNG 設備を5月17日に稼働を開始する予定と発表したが、同月16日、コンプレッサー1基の故障のため、稼働開始は予定から1週間延期したことを発表した。
  • フィンランドの Gasgrid Finland Oy は2022年5月20日、自社と Excelerate EnergyがLNG浮体受入基地船舶1隻の10年間の賃貸借契約を締結したことを発表した。当該船舶の貯蔵・供給容量は、フィンランド、エストニアのガス需要に対応できるものとなる。
  • ポーランドPGNiGは2022年5月6日、リトアニア Klaipėda 基地での自社最初のLNGカーゴをFreeportから受け入れたことを発表した。またPGNiGは5月14日、Venture Global LNG からの最初の出荷が自社の傭船した輸送船でシフノウィシチェ President Lech Kaczyński LNG 基地に到着したことを発表した。
  • ギリシャ Gastrade は、 Alexandroupolis FSRUプロジェクトの本格着工の記念式典が開催されたことを発表した。同FSRUは2023年末までに稼働開始見込み。
  • ギリシャ Motor Oil は2022年5月9日、Motor Oil Renewable Energy(MORE)がアブダビMASDARおよびADNOCとそれぞれMOUを締結したと発表した。ADNOCとMOREは Dioriga Gas のFSRU基地プロジェクトやLNG供給の機会を検討する。
  • TotalEnergies は2022年4月28日、第1四半期業績報告でArctic LNG 2 プロジェクトに関して41億米ドルを減損計上することを明らかにした。

 

その他地域

  • QatarEnergy は2022年4月28日、North Field 拡張プロジェクトでのエンジニアリング・調達・建設(EPC)契約1本の締結を発表し、Técnicas Reunidas S.A.と中国 Wison Engineering 間での合弁事業体が、ラスラファン工業都市内の硫黄処理・貯蔵・積み出し諸設備拡張のEPC請負会社に選定された。
  • ADNOCは2022年5月12日、 McDermott International をフジャイラでの計画中LNG設備設計に指名したことを発表し、同プロジェクトで自社LNG生産容量が年間960万トン拡大する見込みと述べた。EPC契約の決定は2023年を見込んでいる。
  • Kosmos Energy は2022年5月9日、第1四半期業績報告の中で、モーリタニア・セネガルの Greater Tortue Ahmeyim LNG プロジェクトは第1四半期末時点で75%完成したと述べた。
  • Atlantic Gulf & Pacific International Holdingは2022年5月9日、子会社 GAS Entec がその固有特許技術 RegasTainer®を用いて、トルコ Karpowershipと商船三井合弁事業 KARMOL 向けに、125,000 m3 LNG 輸送船舶1隻を日量8400万立方フィートのモジュラー型浮体貯蔵・気化設備(M-FSRU)に改造完了した発表した。本M-FSRUはKarpowership のダカール港の236 MW浮体発電設備 Karadeniz Powership Aysegul Sultan 向けにガスを供給する。この既存浮体発電設備は従来重油焚きでセネガル電力需要の15%に対応していた。
  • GIIGNLは2022年5月5日、年次報告書を発刊した。これによると、2021年世界は前年比4.5%増の3.723億トンのLNGを輸入した。このうち、1.363億トンがスポットと短期取引で輸入され、全体での比率は2020年40%に対して2021年36.6%となった。スポット取引(取引後3ヶ月以内で引き渡し)は、2020年35%、1.25億トンから減少して2021年31%、1.16億トンだった。

 

 

作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所

 

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