2022年6月

天然ガス・LNG価格動向

直近の値動き

  • 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、100万Btu当たり20米ドル台前半を推移していたが、米Freeport LNGの操業停止による供給減少を受け上昇、6月15日には29米ドルとなった。さらに欧州におけるガス供給量の減少と供給不安により39米ドルまで上昇、以降30米ドル後半の高水準を維持している。JKMは欧州ガス価格の値動きに連動して推移しているが、欧州価格との逆転現象は依然として継続している。
  • JOGMECは5月の日本着スポットLNG月次価格(速報)について、同月以降に契約がなされて日本に入着するスポットLNG取引の平均価格(契約ベース)を31.1米ドルと発表した。また、同月中に日本に入着したスポットLNG取引の平均価格(入着ベース)は、報告者が1社以下のため非公表であった。
  • 米国スポットガス価格HHは、先月末に8米ドル台に達して以降6月も8米ドル台で推移し、6月7日にUSD 9.29米ドルに達した。しかし6月8日に発生した米Freeport LNGでの事故と操業停止を受け反転し、価格は6米ドル台まで下落した。米国エネルギー情報局(EIA)は、6月7日発表の短期エネルギー見通しにおいて、価格見通しについては2022年の第3四半期平均は8.69米ドル、2023年の年間平均が4.74米ドルと予想している。EIAはHHの高価格化の要因として、過去5年平均値を下回る米国ガス在庫量、LNG輸出への堅調な国内天然ガス需要、石炭火力への転換が進まない中での電力部門からの旺盛な需要を指摘している。米国産LNG輸出については、2022年第2四半期と第3四半期に平均11.7bcf/d、また、2022年の米国からのLNG輸出量を2021年比22%増の11.9bcf/d(注)、2023年のLNG輸出量を12.6bcf/dになると予想している。
    (注)Freeport LNG (1.98bcf/d)の操業停止により上記2022年輸出は減少することが予想される。
  • 欧州ガススポット価格TTFは、6月前半にかけて20米ドル半ばで推移したが、米Freeport LNGからの供給停止とノルドストリームパイプラインの流量減少を受けて上昇し、以降40米ドルを超える日もあった。TTFは6月後半はおおむね30米ドル後半という高水準で推移している。
  • ノルドストリームガス流量減少により、英国と大陸との需給バランスの乖離はさらに進み、英国ガス価格NBPのTTFに対するディスカウントが一層拡大している。
  • 財務省貿易統計速報に基づくと、2022年5月の日本平均LNG輸入価格は15.58米ドルとなった。また、円建てでは円安の影響もあって104,410円となり、史上初めてトン当たり価格が10万円を超えた。供給地域別では、米国産は18.57米ドル、ASEAN地域産が13.44米ドル、中東産が16.57米ドル、ロシア産が12.15米ドルであった。また、5月のアジア各国の平均輸価格は、中国14.54米ドル、韓国14.04米ドル、台湾15.12米ドルであった。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2022年5月には107.74米ドルとなり、4か月連続で上昇している。原油価格リンクの長期契約が7,8割を占める日本平均LNG輸入価格は、引き続き足元の原油価格の影響を受けることが想定される。
  • 5月の日本のLNG輸入量は、576万トンと前年同月比で16%増加、1月から5月までのLNG輸入量合計は3,173万トンと前年同期比で4%減少した。特に米国産LNGの輸入量が、5ヶ月間で186万トンと、前年同期比で49%減となった。中国のLNG輸入量は493万トンと前年同月比で28%減少、1月から5月までのLNG輸入量合計は、2,649万トンと前年同期比で20%減少した。韓国は341万トンと前年同月比で0.4%増加、台湾は178万トンと前年同月比0.1%増加となった。これら4市場合計のLNG輸入量は、5月までの累計で8,197万トンと前年同期比13%減少となった。

天然ガス・LNG価格推移(直近2年)

中長期の値動き

  • JKMは、2020年1月以降、供給拡大と需要増加ペースの失速により下落基調となり、2020年4月末には史上最安値の1.83米ドルを記録した。5月以降2米ドル台が続いたが、8月に入り複数の生産設備での供給障害により上昇基調に転じ、12月には10米ドル台を超え、2021年1月には寒波の影響で需要が急増したことにより、32.5米ドルの史上最高値を付けた。その後、価格は急落して2月下旬にかけて5米ドル台まで下落、3月に入り上昇基調に転じて以降は、高値で推移する欧州ガス市場にも牽引され、10月に56米ドルまで一時上昇し、11月は30米ドル半ば、12月には40米ドルに達した。2022年1月と2月は20米ドル台で推移し、3月にはロシア産パイプラインガス供給中断の懸念に伴って一時急騰し80米ドルを上回り急騰、その後30米ドル台で推移した。4月以降取引は低調であり、JKMは36米ドルから22米ドルまで減少し、5月から6月前半にかけて20米ドル前半で推移した。しかし6月後半以降天然ガス・LNGの供給不安の高まりを背景に一時39ドルまで上昇し、以降高水準で推移している。
  • 欧州ガススポット価格TTFに対するJKMのディスカウントは、欧州におけるガス供給の不確実性の高まりや北東アジア、特に中国のLNG需要の減少を背景に3月末以降顕在化し始め、4月、5月中は1米ドル~10米となっている。6月は一時逆転したが、依然として1米ドル~5米ドルの価格差がある。
  • 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格上昇に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。堅調な原油価格の値動きに応じて、2021年2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落した。その後は、原油価格の上昇に伴って、2022年2月には15米ドル後半に上昇、3月に14米ドル半ばに下落、4、5月に15米ドル後半に再び上昇している。

天然ガス・LNG価格推移(直近10年)

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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2022 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange

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  • Platts情報はS&P Global Plattsによって作成されています(出典:© 2022 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc. All rights reserved)。
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天然ガス・LNG在庫動向

日本

  • 2022年2月末の国内LNG在庫量は354万トンで、前月比9.4%、36.6万トンの減少、前年同月比では13.2%減少し、過去5年平均値を27.4万トン下回った。
  • 2月末のガス事業用LNG在庫量は149万トンで、前月比16.5%減、前年同月比では2.2%減となった。2月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比7.6%増の329万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比9.8%減の300万トンだった。
  • 2月末の発電燃料用LNG在庫量は206万トンで前月比3.4%減、前年同月比19.7%の減少となった。2月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で1.3%減の411万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で13.7%減の453万トンであった。
  • 2022年6月29日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の6月26日時点のLNG在庫は約215万トンであった。2021年6月末比では約11万トン、過去4年間の6月末平均を20万トン上回っている。

国内LNG月末在庫量(直近2年)

国内LNG月末在庫(直近10年)

(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。


米国

  • 2022年6月17日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、2.17 Tcfで前月比19.2%増となった。在庫量は2021年の同時期と比較すると12.6%低く、過去5年平均値を331 Bcf下回っているが、2020年11月以降は過去5年のレンジに入っている。

米国天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

米国天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成


欧州

  • 2022年6月27日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は633.9TWh (LNG換算4,193万トン相当)であった。これは前年同期より21.4%、111.6 TWh (LNG換算738万トン相当)上回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は57.3%であり、前年同期の46.7%を上回り、過去5年間平均値の56.0%を上回った。貯蔵容量の大きなドイツ、オランダの充填率はそれぞれ60.7%、51.9%であった。

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。

 

  • 2022年6月27日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社(11か国、18社)が有する欧州LNG在庫量は487万m3(液体ベース)で、前月比2.3%減少、前年同期比25.2%増加、過去5年平均値を10.0%上回っている。

欧州LNG在庫量(直近2年)

欧州LNG在庫量(直近10年)

(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。


天然ガス・LNGプロジェクト動向

ハイライト

  • 2022年後半に向けて、世界のLNG市場のさらなる供給不安要因が浮上している。米国 Freeport LNG設備で6月上旬に発生した火災事故で、同設備は少なくとも3ヶ月間停止する見込みとなり、LNG供給量が300万トンから500万トン程度減少する可能性が高い。またロシアから欧州向けの Nord Stream パイプラインのガス流量は6月中旬にキャパシティの40%程度まで低下した。オペレーター側はメンテナンス上の理由を挙げているが、流量低下が長期化すれば、LNG換算で2,000万トンから3,000万トン級のガス供給減少につながることとなる。

 

アジア・オセアニア地域

  • TotalEnergies は2022年5月24日、韓国Hanwha Energy社との間で、2024年から15年間にわたってTotalEnergies のグローバルLNGポートフォリオよりLNG年間60万トンを韓国Tongyeong受入基地に引き渡し、同基地隣接に建設中の Hanwha & HDC の新規1 GW発電設備向けに供給するSPA締結したと発表した。
  • Höegh LNG は2022年5月25日、第1四半期終了後に、インドにおけるHöegh Giant にかかるFSRU契約を傭船者の契約条件不履行により解除したと報告した。傭船者は Höegh LNG の契約解除権に異議を唱えているが、FSRU契約が終了していることは承諾している。 Höegh LNG は傭船者を相手取り、自社行動の正当性を確認し損害賠償を請求する仲裁手続きを開始している。
  • Excelerate Energy は、バングラデシュ Payra LNG プロジェクトが2022年5月に同国政府より原則承認されたと発表した。同社は年間300万トンから400万トンのLNG供給契約を含む統合型の取引の交渉を開始している。同社は、Moheshkhali LNG 拡張プロジェクトも2022年2月同国政府より原則承認されたと述べた。同社は同基地の拡張、気化契約の2038年までの5年間の延長、最大年間150万トンのLNG供給契約の商業交渉を開始している。
  • Shell Australia は2022年5月30日、同社と合弁事業パートナーであるSGH Energy が、西豪州沖 Crux 天然ガス田開発に関してFIDを行ったと発表した。同ガス田は既存 Prelude 浮体LNG (FLNG)設備向けに天然ガス追加供給を行うこととなる。建設は2022年に開始され、ガス生産開始は2027年を見込んでいる。

 

北米地域

  • 米 Freeport LNG Development, L.P. は2022年6月14日、Quintana Island 液化設備で6月8日に発生した事故の状況を明らかにした。全ての修理が完了し、フル稼働に戻るのは2022年後半となる見込み。部分的な操業の再開は、約90日後を目標としている。
  • Cheniere Energy, Inc. は2022年5月25日、Cheniere Marketing, LLC が、韓国最大の製鉄会社で同国最初の民間LNG基地所有者の子会社 POSCO International Corporation とSPAを締結したと発表した。 POSCO International は Cheniere Marketing からFOB条件で、2026年末から20年にわたり年間40万トンのLNGを購入することに合意した。本SPAは、Cheniere が Corpus Christi Stage 3 プロジェクト建設へのFIDを行うことが条件となる。
  • Cheniere Energyは2022年6月9日、Cheniere Marketing, LLC が Equinor ASA との間でSPAを締結したことを発表した。 Equinor は年間175万トンをFOB条件で15年間購入する。引き渡しは2026年後半から開始され、2027年後半に全量に達する予定。この数量の半分は、 Cheniere が Corpus Christi LNG 設備における7系列 Corpus Christi Stage 3 プロジェクトを超えて追加液化容量を建設するFIDを行うことが条件となる。
  • Cheniere Energyは2022年6月22日、Corpus Christi Stage 3 プロジェクトについてFIDしたと発表した。同プロジェクトは、7つの中規模液化設備系列で開発されており、見込まれる公称生産容量は年間1,000万トンを超える。建設は2025年末までに完成する見込としている。
  • Cheniere Energyは2022年6月22日、 Sabine Pass Liquefaction, LLC (SPL)、 Cheniere Marketing, LLC がそれぞれ Chevron U.S.A. Inc. との間でSPAを締結したと発表した。Chevron は合計年間200万トンをこれら Cheniere 子会社から購入することとなる。
  • Enbridge は2022年5月26日、 Venture Global のルイジアナ州 Plaquemines LNG 設備向けに日量1.5 Bcfの天然ガスを供給する Venice Extension プロジェクト、 Gator Express Meter プロジェクトが進展していることを発表した。Gator Express Meter プロジェクトは2023年、 Venice Extension プロジェクトは2024年稼働開始見込み。
  • Sempra Infrastructure、ドイツ RWE Supply & Trading は2022年5月25日、米テキサス州ジェファーソン郡で開発中の Port Arthur LNG 第1段階プロジェクトから年間225万トンのLNGをFOB条件で供給する基本合意(HOA)を締結したと発表した。本HOAは、15年間のSPAを想定している。両社は、 Port Arthur LNG プロジェクトからLNG引き渡しに伴うGHG排出の削減、緩和、報告について広範囲の枠組に向けて協議することに合意している。
  • Energy Transfer LPとChina Gas Holdings Limitedは2022年6月5日、後者の子会社China Gas Hongda Energy Trading Co., LTD.が Energy Transfer LNG Export, LLC との間で、Lake Charles LNG プロジェクトにかかるSPAを締結したことを発表した。 Energy Transfer LNG は早ければ2026年から25年間、年間70万トンのLNGをFOB条件で供給する。
  • Technip Energies は2022年5月25日、自社と Samsung Engineering が米テキサス州ブラウンズヴィルの Texas LNG プロジェクトのプレFIDエンジニアリング契約を受注したことを発表した。 Samsung Engineering との合弁事業を通じて Technip Energies はプロジェクトの設計・引き渡しを担当する主プロジェクト請負企業として指名された。
  • ウクライナ Naftogaz は2022年6月13日、カナダ Symbio Infrastructure との間で、同国ケベック州よりLNG、グリーン液化水素(LH2)購入に基本合意したことを発表した。両社は6月5日に覚書(MoU)を締結した。 Symbio は、子会社 GNL Québec を通じて、世界最初の大規模・カーボンニュートラルLNG輸出設備となる Énergie Saguenay を、同州に開発しているとしている。同設備は年間1,050万トンのLNGを欧州向けに輸出する。これらプロジェクトは2027年稼働開始を予定している。
  • Venture Global LNGは2022年6月21日と22日、20年間にわたる合計年間350万トン、4件のSPA締結を発表した。 Chevron U.S.A.は Plaquemines LNG、 CP2 LNG から各年間100万トンを購入、ドイツEnBWは これら2件のプロジェクトから各年間75万トンを購入する。 Plaquemines LNG は2021年8月から建設中で、 CP2 LNG は2023年に建設を開始する見込みとしている。

 

欧州・ロシア地域

  • Equinor は2022年6月2日、ノルウェー Melkøya の Hammerfest LNG 設備が2020年9月の火災後、生産に復帰したことを発表した。
  • イタリア Snam は2022年6月1日、Golar LNG Limited との間で、Snam Group が、  "Golar Tundra"と名付けられたFSRUを唯一の資産とする Golar LNG NB 13 Corporation の株式100%を買い取る契約を締結したことを発表した。 Golar Tundra は、LNG輸送船舶、FSRU両方で運用できる。その気化容量を最大化するため、同船舶は最もガス消費の多いイタリア中北部に配置される。 Golar Tundra は2023年春にFSRUとして稼働開始する見込み。
  • エストニア Elering は2022年6月8日、 Paldiski LNG 基地用にパイプライン接続の建設作業が Connecto AS により開始されたと発表した。

 

その他地域

  • カタールNorth Field East (NFE) LNGプロジェクトのパートナーについての発表が2022年6月下旬に相次いだ。NFEプロジェクトの75%分を構成する4つの新規JV事業がQatarEnergyとTotalEnergies、ExxonMobil、Eni、ConocoPhillipsの4社との間で立ち上げられた。各JV事業の75%をQatarEnergyが保有し、残り25%を4社がそれぞれ保有する。このうち、TotalEnergiesとExxonMobilが参画する各JV事業はNFEプロジェクトの25%分をそれぞれ所有し、EniとConocoPhillipsが参画する各JV事業は、同プロジェクトの12.5%分をそれぞれ所有する。
  • ENIは2022年6月18日、モザンビークのエリア4上流部門オペレーターとして、パートナーのExxonMobil、 CNPC、 GALP、 KOGAS、 ENH を代表して、 Coral South プロジェクトがFLNG設備向けに、モザンビーク沖 Coral South 資源層より炭化水素導入を実現したことを発表した。 Coral Sul FLNG は、2022年後半に最初のLNGカーゴの出荷を計画している。
  • タンザニアのエネルギー省は2022年6月11日、 EquinorとShell との間で、LNG輸出プロジェクトの枠組協定締結を発表した。同省は2025年のFIDを見込んでいると述べた。

 

 

作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所

 

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