2022年11月
天然ガス・LNG価格動向
直近の値動き
アジア
- 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、アジア全域でのLNG高在庫と比較的穏やかな気候により需要が低迷し、市場の活動が停滞する中、11月1日に100万Btu当たり26米ドルとなって以降は11月後半までにかけて概ね20米ドル後半で推移した。11月18日、米Freeport LNGが操業再開時期を当初予定の11月半ばから12月半ばへの延期を発表すると、翌週21日、JKMは30米ドルに上昇した。その後、欧州ガス価格の上昇を受け、23日JKMは34米ドルに上昇した。スポット需要は引き続き停滞しているが、月末にかけJKMは30米ドル台で推移している。
- JOGMECは10月の日本着スポットLNG月次価格(速報)について、同月以降に契約がなされて日本に入着するスポットLNG取引の平均価格(契約ベース)を、38.9米ドルと公表した。また、同月中に日本に入着したスポットLNG取引の平均価格(入着ベース)は、報告者が1社以下のため非公表であった。
- 財務省貿易統計速報に基づくと、2022年10月の日本平均LNG輸入価格は100 万Btu当たり20.78米ドル、円建てでは円安の影響もあって1トン当たり156,329円となり、いずれも9月より下がったものの、高水準を維持している。供給地域別では、米国産は38.09米ドル、ASEAN地域産が19.55米ドル、中東産が27.01米ドル、ロシア産が16.42米ドルであった。また、10月のアジア各国の平均輸入価格は、中国18.76米ドル、韓国23.96米ドル、台湾25.93米ドルであった。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2022年10月には1バレル当たり105.96米ドルとなった。また、円建てでは1キロリットル当たり96,687円となり、引き続き高価格を維持している。原油価格リンクの長期契約が7,8割を占める日本平均LNG輸入価格は、引き続き足元の原油価格の影響を受けることが想定される。
- 10月の日本のLNG輸入量は、509万トンと前年同月比で10%増加、1月から10月までのLNG輸入量合計は6,039万トンと前年同期比で2%減少した。中国のLNG輸入量は403万トンと前年同月比で34%減少、1月から10月までのLNG輸入量合計は、5,051万トンと前年同期比で22%減少した。10月分では、韓国は413万トンと前年同月比で6%増加、台湾は191万トンと前年同月比29%増加となった。これら4市場合計のLNG輸入量は、10月までの累計で1億6,615万トンと前年同期比8%減少となった。
米国
- 米国スポットガス価格HHは、11月1日に5.7米ドルとなった後反発し、以降概ね6米ドル台で推移しつつ、気象予報等に左右され月中旬まで一進一退を繰り返した。11月14日、HHは5.9米ドルとなった後上昇基調に入り、11月23日に7.3米ドルを付けた後反落し、24日には7.0米ドル、翌週28日には6.7米ドルまで値を下げた。米国天然ガス地下貯蔵は10月末に貯蔵シーズンを終えた。シーズン末期の大幅充填により今シーズンの充填量は2,516 Bcfとなり、昨シーズン比16%増、過去5年平均比9%増という結果となった。
- 米国エネルギー情報局(EIA)の11月8日発表の短期エネルギー見通しによると2022年第4四半期及び2023年第1四半期の天然ガススポット価格の平均値の見通しは6.0米ドルとなっている。2023年1月以降は、在庫の過去5年平均値への不足分が減少するため、1月以降に下落すると予測している。
欧州
- 欧州ガススポット価格TTFは、豊富な天然ガス地下貯蔵量と市場の流動性の低さから取引は停滞し月中旬まで概ね30米ドル前半で推移したが、11月15日には、冬季需要等により37.8ドルに上昇した。月中旬以降は、天然ガス地下貯蔵からの在庫引き出しが開始され、それに伴いTTFも月前半に比し微増し30米ドル後半で推移した。11月23日、欧州委員会がガス価格上限設定案を提示する中、TTFは39.2ドルに上昇し、翌日以降も30ドル後半を維持するなど高止まりしている。
中長期の値動き
- JKMは、2020年1月以降、供給拡大と需要増加ペースの失速により下落基調となり、2020年4月末には史上最安値の1.83米ドルを記録した。5月以降2米ドル台が続いたが、8月に入り複数の生産設備での供給障害により上昇基調に転じ、12月には10米ドル台を超え、2021年1月には寒波の影響で需要が急増したことにより、32.5米ドルの史上最高値を付けた。その後、価格は急落して2月下旬にかけて5米ドル台まで下落、3月に入り上昇基調に転じて以降は、高値で推移する欧州ガス市場にも牽引され、10月に一時56米ドルまで上昇し、11月は30米ドル半ば、12月には40米ドルに達した。2022年1月と2月は20米ドル台で推移し、3月にはロシア産パイプラインガス供給中断の懸念に伴って一時急騰し80米ドルを上回ったが、その後30米ドル台で推移した。4月以降取引は低調であり、JKMは36米ドルから22米ドルまで減少し、5月から6月前半にかけて20米ドル前半で推移した。しかし6月後半以降天然ガス・LNGの供給不安の高まりを背景に40米ドルに到達、7月も同様の水準で推移し、8月には概ね50米ドルで推移しつつ、一時、60米ドル、70米ドルを超える状況となった。9月、JKMは減少傾向を示し30米ドル後半まで下落し、10月~11月にかけて概ね20米ドル後半で推移したが、月末には30米ドル付近にある。
- 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格上昇に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。堅調な原油価格の値動きに応じて、2021年2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落した。その後は、原油価格の上昇に伴って、2022年2月には15米ドル後半に上昇したが、3月に14米ドル半ばに下落した。4、5月に15米ドル後半まで上昇し、6月に14米ドル後半に下落、7月に17ドル後半に上昇し、8月には19米ドル後半、9月には22米ドル後半へと上昇し、10月には20米ドル後半へと下落している。
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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2022 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange
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天然ガス・LNG在庫動向
日本
- 2022年7月末の国内LNG在庫量は528万トンで、前月比0.2%、1.0万トンの増加、前年同月比では16.4%増加し、過去5年平均値を92.1万トン上回った。
- 7月末のガス事業用LNG在庫量は251万トンで、前月比1.3%増、前年同月比では56.0%増となった。7月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比11.1%増の247万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比19.9%増の250万トンだった。
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7月末の発電燃料用LNG在庫量は277万トンで前月比0.8%減、前年同月比5.4%の減少となった。7月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で1.2%減の376万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で5.6%減の414万トンであった。
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2022年11月24日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の11月20日時点のLNG在庫は約261万トンであった。2021年11月末比では約45万トン、過去5年間の11月末平均を66万トン上回っている。
(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。
米国
- 2022年11月18日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫(ワーキングガス)は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、3.56 Tcfで前月比5.0%増となった。在庫量は2021年の同時期と比較すると1.6%低く、過去5年平均値を39 Bcf下回っているが、2020年11月以降は過去5年のレンジに入っている。
(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成
欧州
- 2022年11月26日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は1051.0 TWh (LNG換算6,952万トン相当)であった。これは前年同期より35.6%、276.1 TWh (LNG換算1,827万トン相当)上回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は93.9%であり、前年同期の69.8%、過去5年間平均値の86.8%を上回った。貯蔵容量の大きなドイツ、オランダの充填率はそれぞれ98.8%、90.0%であった。
(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。
- 2022年11月26日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社(11か国、18社)が有する欧州LNG在庫量は566万m3で、前月比2.7%増加、前年同日比32.7%増加、過去5年平均値を10.4%上回っている。
(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。
天然ガス・LNGプロジェクト動向
ハイライト
- 東アフリカから初めて世界のLNG市場にLNGが出荷された。モザンビークの Coral Sul FLNGプロジェクトで、パートナー企業はLNG生産・出荷されたことを確認した。カタールはNorth Field EastとSouthのLNG拡張プロジェクトに参加する国際パートナーの選定プロセスを完了し、各プロジェクトの25%が欧州、米国のパートナー企業により所有されることとなる。
アジア・オセアニア地域
- 国際協力銀行(JBIC)は2022年10月31日、10月6日の同様の案件に続き、JERAとの間でLNG購入のための1,000億円の融資契約に調印したことを発表した。民間金融機関との協調融資により実施する。
- 東京ガスと丸紅は2022年11月4日、ベトナム最大のIPP事業者 PetroVietnam Power社と、ベトナムクアンニン省の機械製造販売事業者である COLAVI 社と合弁会社Quảng Ninh LNG Power JSC社(QNLP)を設立したことを発表した。QNLPは、ベトナムクアンニン省カムファ地区における陸上LNG受入基地および150万kWの天然ガス火力発電所の開発・建設・運営、LNG調達、ベトナム電力グループへの売電を含むLNG to Powerプロジェクトの事業性評価を実施する。
- 東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)は2022年11月9日、Gulf Energy Development社と PTT 子会社 PTT Tank 社との合弁会社である Gulf MTP LNG Terminal社(GMTP)から、タイのマプタプット地区におけるLNG受入基地建設計画の基本設計の更新業務およびEPCC入札マネジメント業務を受注したことを発表した。
北米地域
- Freeport LNG Development社は2022年11月15日、自社液化設備で6月8日に発生した事故に関して、第三者による根本原因・支障分析(RCFA)報告書を公表した。直接原因は「超低温LNG含む配管部分を、適切な過圧保護なしに隔離したこと」と特定された。Freeport LNG は初期生産を12月中旬目標とし、各系列別々に再稼働する。2023年1月には日量2Bcm生産を実現する予定で、両桟橋活用しての全量生産は2023年3月を予定している。
- QatarEnergy は2022年10月26日、 QatarEnergy とExxonMobilが、Golden Pass LNG 輸出プロジェクトで生産されるLNGを出資比率に応じて個別に引き取り販売することで合意したことを発表した。 QatarEnergy Trading LLC は生産量の70%を引き取ることとなる。Golden Pass LNGは総生産容量年間1,800万トンで、LNG生産開始は2024年末を目指している。
- Sempra は2022年11月3日、第3四半期決算説明会で、Port Arthur LNG プロジェクト第1段階のFIDを2023年第1四半期に目指すと述べた。同社は Cameron LNG 第2段階プロジェクトも推進しており、第4系列は2023年夏を目標にFEED完了後に、FIDを見込んでいる。
- Sempra InfrastructureとWilliams社は、2022年11月15日、LNG引き取りおよび関連する天然ガスパイプライン事業の開発に関してHOAを締結したことを発表した。本HOAでは、Port Arthur LNG プロジェクトとCameron LNG 第2段階プロジェクト合計で年間300万トンの2本の20年間のSPAを想定している。
- Sempra は2022年11月22日、 Sempra Infrastructure がConocoPhillips との間でPort Arthur LNG プロジェクト第1段階から年間500万トンの20年間のSPAを締結したことを発表した。両社は ConocoPhillips が Port Arthur LNG 第1段階で30%を出資する株式売買契約と、同社が同段階の原料ガス供給を管理する天然ガス供給契約も締結した。
- Energy Transfer社は2022年11月1日の第3四半期決算説明会で、Lake Charles LNG が合計で年間800万トン近くのお不定期契約6件を締結したと発表した。同社は同プロジェクトの資本的支出の大きな部分を、インフラファンドやLNGオフテイク契約に付随する業界企業への株式売却により資金調達する見通しで、2023年第1四半期末までのFIDを目標としている。
- Sempra は2022年11月3日、メキシコのバハカリフォルニア州 Energía Costa Azul (ECA) LNG 輸出プロジェクト第1段階建設は、当初計画より僅かに遅れているが、引き続き2025年半ばに稼働開始見込みであると述べた。
- 米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は2022年11月17日、容量年間840万トンのCommonwealth LNGの液化設備建設を承認した。Commonwealth LNG は、 Woodside との間で年間250万トンまでの20年間のSPAを2件、バングラデシュ Summit Oil and Shipping Company と年間100万トンの販売にかかるMoU、 Gunvor と年間300万トン販売にかかるHoAを確保している。
- New Fortress Energy社は2022年10月28日、メキシコ電力公社 Comisión Federal de Electricidad (CFE)との間で、CFEの発電設備への天然ガス供給やNFE FLNG 設備向けCFEガスパイプライン利用等に係る諸契約を最終合意したことを発表した。
欧州および周辺地域
- インターコンチネンタル取引所(ICE)は2022年10月27日、北西欧州、南西欧州の2件のLNG先物取引を2022年12月5日に開始する計画を発表した。Spark Commodities社によるLNGカーゴ価格アセスメントでキャッシュ決済されるという。ICEは、EUエネルギー規制機関協会(ACER)が開発する補完的LNG指標に基づくEU先物市場の開発を支援する用意があるとしている。
- フランス Engie Global Energy Management & Sales社 は2022年11月14日、 Fos Cavaou LNG 基地で年間30 TWh (200万トン)、16年間の気化容量を獲得したと述べた。
- ドイツ・ニーダーザクセン州港湾当局は2022年11月15日、Wilhelmshaven 港にて自国初のFSRU用の桟橋の完成を発表した。
- デンマークのガスシステム運営 Energinet社 は2022年11月1日、ノルウェーとポーランドを結ぶ新規のBaltic Pipe ガスパイプラインが、デンマーク側の基地が稼働開始しノルウェー産ガスを初めて直接受け入れたと発表した。
その他地域
- アブダビADNOCは2022年10月31日、インド GAILとの間で、LNGの供給と脱炭素化機会に協力するMoUを締結したと発表した。低炭素LNG供給を支えるため、LNGトレーディングの最適化可能性、再生可能エネルギー共同投資の検討、LNGカーゴの温室効果ガス監視も含まれる。
- QatarEnergy は2022年11月21日、Sinopecとの間で、North Filed East LNG 拡張プロジェクトについて年間400万トン、27年間のSPAを締結したことを発表した。QatarEnergy はNorth Filed EastプロジェクトとNorth Field SouthプロジェクトのためLNG船建造計画の一環として60隻のLNG輸送船舶の建造契約、長期傭船契約を締結しており、さらに総隻数は今後100隻近くに及ぶ見込みである。
- QatarEnergy は2022年10月30日、North Field South拡張プロジェクトの3番目かつ最後の国際パートナーとしてConocoPhillips を選定したと発表した。 ConocoPhillips は国際パートナーに割り当てる25%中、6.25%の参加権を持つこととなる。
- 日本郵船は2022年11月4日、自社が出資する合弁会社がQatarEnergy との間でLNG船5隻の長期定期傭船契約を締結したと発表した。また中国 Hudong-Zhonghua Shipbuilding社と本船の造船契約を締結したことを発表した。
- 商船三井は2022年11月10日、QatarEnergy と新造LNG船3隻の長期定期傭船契約を10月24日に締結したことを発表した。中国Hudong-Zhonghua Shipbuilding 社で建造され2027年以降に順次竣工予定としている。また商船三井は2022年4月にQatarEnergyと新造LNG船4隻の長期定期傭船契約を締結していた。
- NewMed Energy社とUniper は2022年11月8日、短期および長期のLNG供給と、ブルーおよびグリーン水素製造に協力する方法を検討する非拘束のMoUを締結したと発表した。イスラエルとエジプト間の既存の生産・輸送インフラを活用してイスラエルまたはエジプトのLNG設備に天然ガスを輸送し、ドイツへのLNG供給を検討する。本MoUは、ブルー水素、グリーン水素の分野での協力可能性、イスラエルから欧州への輸送可能性も含まれている。
- 日揮ホールディングスは2022年11月18日、日揮グローバルが Technip Energies 社とのコンソーシアムにより、ナイジェリアで UTM FLNG 社が計画しているFLNGプラントに係るFEED役務を受注したことを発表した。年間120万トンのLNGならびにLPGとコンデンセート等を生産するFLNGとなる。
- Eni は2022年11月13日、モザンビーク Area 4 パートナー企業(ExxonMobil、中国CNPC、GALP、韓国ガス公社(KOGAS)、ENH)を代表して、Rovuma 盆地の超大水深部 Coral ガス田から生産されたLNGの初出荷が Coral Sul FLNGから行われたと発表した。bpが容量年間最大340万トンのCoral Sul FLNG から100%を購入する。
(注: CCS: 炭素回収・貯蔵、EPC: エンジニアリング・調達・建設、FEED: 基本設計、FID: 最終投資決定、FLNG: 浮体液化設備、FSRU: 浮体貯蔵・気化設備、HOA: 基本合意、SPA: LNG売買契約)
作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所
添付ファイル
- 日本のLNG在庫量(27.1KB) (2022/11/28更新)
- 米国天然ガス地下貯蔵量(54.2KB) (2022/11/28更新)
- 欧州天然ガス地下貯蔵量(371.6KB) (2022/11/28更新)
- 欧州LNG在庫量(214.7KB) (2022/11/28更新)