2023年1月
天然ガス・LNG価格動向
直近の値動き
アジア
- 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、1月前半は年明けで取引が低調であり、100万Btu当たり20米ドル台前半で推移した。1月後半以降は、LNGの高在庫と比較的穏やかな気候状況が継続し、また、春節が近づくにつれて取引は更に停滞し、一時は20米ドルを下回る水準となった。その後、北東アジアには一時厳しい寒さが訪れ、LNG在庫の引き出しも進んだが、大きな価格変動は生ぜず、月末にかけて20米ドルを下回る水準で推移している。
- JOGMECは12月の日本着スポットLNG月次価格(速報)について、同月以降に契約がなされて日本に入着するスポットLNG取引の平均価格(契約ベース)を、30.8米ドルと公表した。また、同月中に日本に入着したスポットLNG取引の平均価格(入着ベース)を非公表とした。
- 財務省貿易統計速報に基づくと、2022年12月の日本平均LNG輸入価格は100 万Btu当たり18.85米ドル、円建てでは円安の影響もあって1トン当たり134,859円となり、円建てではいずれも前月より下がったものの、高水準を維持している。供給地域別では、米国産は18.49米ドル、ASEAN地域産が18.86米ドル、中東産が20.25米ドル、ロシア産が16.67米ドルであった。なお、通年の単価は、100万Btu当たり17.25米ドル、円建てでは1トン当たり117,356円となった。また、12月のアジア各国の平均輸入価格は、中国17.34米ドル、韓国24.21米ドル、台湾17.37米ドルであった。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2022年12月には1バレル当たり94.99米ドルとなった。また、円建てでは1キロリットル当たり82,444円となり、前月より値を下げた。原油価格リンクの長期契約が7,8割を占める日本平均LNG輸入価格は、引き続き足元の原油価格の影響を受けることが想定される。
- 12月の日本のLNG輸入量は、606万トンと前年同月比で14%減少、年間のLNG輸入量合計は7,200万トン(速報ベース)と前年同期比で3%減少した。中国のLNG輸入量は660万トンと前年同月比で14%減少、年間のLNG輸入量合計は、6,344万トンと前年同期比で20%減少した。12月分では、韓国は451万トンと前年同月比で17%増加、台湾は159万トンと前年同月比5%減少となった。これら4市場合計のLNG輸入量は、2022年通年で2億210万トンと前年同期比7%減少となった。
米国
- 米国スポットガス価格HHは、需要が減退するとの観測から前週の終値4.5米ドルより下落し1月3日に3.9米ドルとなったが、翌日には一転し4.2米ドルに上昇した。しかし、翌日再び需要減退の観測が強まると3.7米ドルに急落した。その後、HHは3米ドル後半で推移するも、1月18日には平年より高い気温が広範囲に及び、3.3米ドルに下落し、以降3米ドル前半で推移した。1月23日、Freeport LNGが連邦エネルギー規制委員会にLNG輸出設備の一部を冷却するための認可を申請すると、操業再開が間近であるとの見方が広がり、HHは3.4米ドルまで上昇するも一転、翌日には3.3米ドルに下落した。1月26日、EIAが発表したガス在庫量の減少が穏やかだったことや温暖な気候も作用し、HHは2.9ドルに下落し、月末にかけて3米ドル付近で推移している。
- 米国エネルギー情報局(EIA)の1月10日発表の短期エネルギー見通しによると2023年の天然ガススポット価格の平均値の見通しは、国内消費が減少し、LNG輸出が比較的横ばいであるとし、5.0米ドルを僅かに下回ると予測している。また、2024年には、天然ガス生産量が増加し、LNG輸出量の増加を上回るとし、HHの平均値は再び5.00米ドルを若干下回ると予想している。
欧州
- 欧州ガススポット価格TTFは、穏やかな気候が続いており需要も比較的低調であることから下落し、1月3日には22.3ドルとなり、以降20米ドル台前半で推移した。その後、気温は低下したが例年よりは温暖であり、ガス貯蔵量も多く、TTFは1月16日には17.6米ドルに下落したが、寒波の訪れとともに再び上昇に転じ、1月21日に21.2米ドルまで値を上げた。欧州天然ガス地下貯蔵量は低下したが、依然として高い水準にあり、TTFは再び下落し、1月27日には17.6米ドルまで値を下げた。
- 欧州連合エネルギー規制当局協力機関(ACER)は、1月13日から欧州受渡スポットLNGアセスメント価格の公表を開始した。
中長期の値動き
- JKMは、2020年1月以降、供給拡大と需要増加ペースの失速により下落基調となり、2020年4月末には史上最安値の1.83米ドルを記録した。5月以降2米ドル台が続いたが、8月に入り複数の生産設備での供給障害により上昇基調に転じ、12月には10米ドル台を超え、2021年1月には寒波の影響で需要が急増したことにより、32.5米ドルの史上最高値を付けた。その後、価格は急落して2月下旬にかけて5米ドル台まで下落、3月に入り上昇基調に転じて以降は、高値で推移する欧州ガス市場にも牽引され、10月に一時56米ドルまで上昇し、11月は30米ドル半ば、12月には40米ドルに達した。2022年1月と2月は20米ドル台で推移し、3月にはロシア産パイプラインガス供給中断の懸念に伴って一時急騰し80米ドルを上回ったが、その後30米ドル台で推移した。4月以降取引は低調であり、JKMは36米ドルから22米ドルまで減少し、5月から6月前半にかけて20米ドル前半で推移した。しかし6月後半以降天然ガス・LNGの供給不安の高まりを背景に40米ドルに到達、7月も同様の水準で推移し、8月には概ね50米ドルで推移しつつ、一時、60米ドル、70米ドルを超える状況となった。9月、JKMはTTFの下落に伴い下落傾向を示し30米ドル後半まで下落し、10月~11月にかけて概ね20米ドル後半で推移した。12月には市場は年末商戦で活況となり30米ドル台で推移した。2023年1月取引が再開するも低調であり、20米ドル付近から下落基調にある。
- 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格上昇に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。堅調な原油価格の値動きに応じて、2021年2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落した。その後は、原油価格の上昇に伴って、2022年2月には15米ドル後半に上昇したが、3月に14米ドル半ばに下落した。4、5月に15米ドル後半まで上昇し、6月に14米ドル後半に下落、7月から9月にかけて17ドル後半から20米ドル後半へと上昇した後、10月、11月には20米ドル後半から17米ドル後半へと下落した。12月は18米ドル後半へと上昇した。
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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2023 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange
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天然ガス・LNG在庫動向
日本
- 2022年9月末の国内LNG在庫量は570万トンで、前月比3.4%、20.1万トンの減少、前年同月比では3.4%増加し、過去5年平均値を120.2万トン上回った。
- 9月末のガス事業用LNG在庫量は256万トンで、前月比1.0%増、前年同月比では2.3%増となった。9月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比1.9%増の235万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比6.3%減の239万トンだった。
- 9月末の発電燃料用LNG在庫量は314万トンで前月比6.7%減、前年同月比4.3%の増加となった。9月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で5.9%増の294万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で1.4%増の310万トンであった。
- 2023年1月25日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の1月22日時点のLNG在庫は約257万トンであった。2022年1月末比では約77万トン、過去5年間の1月末平均を90万トン上回っている。
(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。
米国
- 2023年1月13日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫(ワーキングガス)は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、2.82Tcfで前月比15.2%減となった。在庫量は2022年の同時期と比較すると0.4%高く、過去5年平均値を34Bcf上回っており、2020年11月以降は過去5年のレンジに入っている。
(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成
欧州
- 2023年1月24日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は855.4TWh (LNG換算5,659万トン相当)であった。これは前年同期より85.8%、395.0TWh (LNG換算2,613万トン相当)上回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は76.4%であり、前年同期の41.5%、過去5年間平均値の57.0%を上回った。貯蔵容量の大きなドイツ、オランダの充填率はそれぞれ83.8%、71.5%であった。
(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。
- 2023年1月24日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社(11か国、18社)が有する欧州LNG在庫量は471万m3で、前月比5.8%減少、前年同日比10.4%増加、過去5年平均値を6.6%上回っている。
(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。
天然ガス・LNGプロジェクト動向
ハイライト
- 年末をはさみ、複数のLNG生産プロジェクトで進展が見られた。米国Sempra Infrastructure は、Port Arthur 第1段階プロジェクトから合計年間950万トン分について欧州、中国を含む買主との間で4件の長期SPAを締結し、NextDecade の Rio Grande LNG プロジェクトも、年間150万トン分の追加引き取りを確保した。日本企業も米国とオマーンから長期引き取りのコミットメントを行った。
アジア・オセアニア地域
- 商船三井(MOL)とインド GAILは2022年12月20日、MOL 100%出資子会社を通じて、新造LNG船1隻の定期傭船契約を締結するとともに、MOLがGAIL社向けに傭船している既存LNG船1隻を両社で共同保有することに合意した。
- 日揮ホールディングスは2023年1月6日、海外EPC事業会社である日揮グローバルが韓国サムスン重工業と共同で、マレーシアPetronas が同国サバ州沖ガス田向けに計画している同国初となる年産200万トン以上のニアショアFLNG建設プロジェクトの設計、調達、建設工事および試運転(EPCC)役務を受注したと発表した。
- インドネシア Tangguh LNGプロジェクトに携わる企業連合(三菱商事、INPEX、JX 石油開発、三井物産、エルエヌジージャパン、住友商事、双日)は、2022年12月23日、オペレーターbpと推進するインドネシア西パプア州の Tangguh LNGプロジェクトの開発鉱区である Berau 鉱区、 Muturi 鉱区、 Wiriagar 鉱区それぞれの生産分与契約(PSC)を20年間延長することについてインドネシア政府の承認を得たと発表した。
- Shell Australia 社は2023年1月19日、 自社 Prelude FLNG設備について、2022年12月の技術的問題による停止を終えて、LNGカーゴ出荷を再開したと発表した。
北米地域
- Sempra Infrastructure は2022年12月28日、RWE子会社 RWE Supply & Trading との間で、開発中Port Arthur LNG 第1段階プロジェクトから15年間にわたり年間225万トンのLNGをFOB条件で販売するSPAを締結したと発表した。本契約はまた Port Arthur LNG 第1段階から生産されるLNGのカーボンインテンシティを、GHG排出削減、軽減対策や持続的な改善を通じて低減する諸手法を進める枠組も提供する。
- Freeport LNG社は2022年12月23日、液化設備再稼働を2023年1月後半まで見込めないと述べた。同日時点で、再建作業は実質完了しており、連邦エネルギー規制委員会(FERC)からの12日付データ要請に含まれた最後に残された複数の質問に対する回答を提出している。
- INPEXとVenture Global LNG は2022年12月27日、 INPEX Energy Trading Singapore社はVenture Global CP2 LNG社との間でCP2 LNGプロジェクトから年間約100万トンのLNGを20年間、FOBにて購入するSPAを締結したと発表した。
- NextDecade は2022年12月27日、中国 ENN Natural Gas子会社 ENN LNG 社との間で、Rio Grande LNG輸出プロジェクトからのLNG供給に係る20年間のSPA契約数量を150万トンから200万トンに増量すると発表した。
- NextDecadeは2023年1月19日、Rio Grande LNG輸出プロジェクトからのLNGについて、伊藤忠商事との間で15年間、100万トンのSPAを締結したと発表した。NextDecade が2023年第1四半期にFIDを目指している最初の3系列からヘンリーハブ価格連動、FOB条件で供給される。
- Sempra Infrastructure は2022年12月22日、 Energía Costa AzulとVista Pacifico, LNGプロジェクトについて、米連邦エネルギー省(DOE)より、米国産原料ガスをLNGにしてメキシコから非自由貿易協定(non-FTA)諸国に最大年間200 Bcf (LNG約400万トン)を輸出する承認を受けたと発表した。
欧州および周辺地域
- ドイツ Uniper は、2023年1月3日、ヴィルヘルムスハーフェンで自社が操業する新規 LNG基地にて、米国Calcasieu Pass液化設備から自国初の満載 LNGカーゴを受け入れたと発表した。
- ドイツ Deutsche ReGas は、2022年12月21日、バルト海沿岸ルブミン港湾での自国第2のLNG基地においてエジプトから最初のカーゴを輸入したと発表した。同船はルブミン Deutsche Ostsee LNG 基地でFSU(浮体貯蔵設備)として機能する。
- TotalEnergiesは、2023年1月13日、ドイツのルブミンで Deutsche ReGas が操業する Deutsche Ostsee LNG 輸入基地の稼働開始を発表した。 TotalEnergiesは本プロジェクトにFSRUを提供し、LNGを供給する。
- Höegh LNG Holdingsは2023年1月19日、ドイツ連邦経済気候対策省との間で2件目の10年間の定期傭船契約を締結したと発表した。このFSRU Höegh Gannet は、Deutsche Energy Terminal GmbH 社が操業するブルンスビュッテルでの Elbehafen LNG プロジェクトに配置される。
- ドイツSEFE Securing Energy for Europe は2023年1月18日、 Hanseatic Energy Hubとの間で、シュターデのLNG基地気化容量に関する契約を締結したと発表した。2027年から20年間、同基地経由でLNG年間4 bcm以上を輸入する計画で、水素に基づくエネルギー源としてアンモニアに転換するフレキシビリティ込みである。
- Excelerate Energy社は2022年12月28日、自社FSRU Exemplar が、フィンランドのインクー港湾に到着したと発表した。フィンランド Gasgrid Finland 社はFSRU Exemplarを10年間傭船しており、同社は2023年1月16日、完全に準備完了となったと発表した。
- エストニア Eesti Gaas は2023年1月17日、自社からの発注分で Equinorが2023年の米国からのLNG最初のカーゴを、リトアニア Klaipėda 港湾に引き渡したと発表した。
- ブルガリア・エネルギー省は2023年1月3日、 Bulgargaz EAD にトルコ BOTAŞ のLNG基地含むガス輸送インフラへのアクセスを与える契約が締結されたと発表した。契約期間は13年間で、両国間で年間1.5 bcmのガス輸送が可能となる。
- フランスGTTは2023年1月2日、ロシア企業へのエンジニアリング業務提供を禁じる欧州制裁パッケージを検討した結果、ロシアでの活動を休止し、同月8日付で Zvezda Shipbuilding Complex との契約を停止すると発表した。GTTはロシアで Zvezda で建造中の砕氷級LNG船舶15隻のタンク設計、3隻のGBSs(コンクリート製洋上着床型構造物)建造に関わっている。
- 欧州連合規制機関協力機関ACERは2023年1月13日、日々のLNG価格アセスメント報告を発行開始すると明らかにした。
その他地域
- アブダビADNOCは2023年1月1日付で新会社ADNOC Gasを設立すると発表した。新会社は、ADNOC Gas Processing社とADNOC LNG社の事業、操業、保守、マーケティングを統合する。ADNOC LNG社の既存合弁事業パートナー(三井物産、bp、TotalEnergies)およびADNOC Gas Processing社の既存合弁パートナー(Shell、TotalEnergies、PTTEP)は、ADNOC Gas社とそれぞれのパートナーシップを継続する予定。
- Oman LNG 社は2022年12月27日、2025年からのLNG引き渡しについて、日本の3社と拘束力ある基本条件書を締結したと発表した。伊藤忠商事、JERA、三井物産は5 - 10年間の契約で合計年間235万トンを購入することに合意した。伊藤忠商事80万トン、JERA 80万トン(10年間)、三井物産75万トンとなる。
- オマーン・エネルギー省は2023年1月10日、 Oman LNG 社がShell International Trading Middle East社に対し、2025年から10年間、年間80万トンのLNG供給について、拘束力ある合意を締結したとツイートした。
- Oman LNG 社は2023年1月18日、タイ PTT Global LNG社とTotalEnergiesとの間で、2025年から年間160万トンのLNG供給に関する拘束力ある基本合意を締結したと発表した。Oman LNG 社は PTT Global LNG向けに2026年から9年契約で年間80万トン、TotalEnergies 向けに2025年から10年間、年間80万トンを供給する。
- Eniは2022年12月22日、 Wison Heavy Industryとの間で、容量年間240万トンのFLNG設備建造・設置に関して契約を締結したと発表した。このFLNGはコンゴ共和国沖に2隻目として配置され、これにより、LNG生産容量は2025年に年間300万トンに達することとなる。
(注: CCS: 炭素回収・貯蔵、EPC: エンジニアリング・調達・建設、FEED: 基本設計、FID: 最終投資決定、FLNG: 浮体液化設備、FOB: 本船渡し、FSRU: 浮体貯蔵・気化設備、HOA: 基本合意、SPA: LNG売買契約)
作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所
添付ファイル
- 日本のLNG在庫量(27.2KB) (2023/1/30更新)
- 米国天然ガス地下貯蔵量(54.6KB) (2023/1/30更新)
- 欧州天然ガス地下貯蔵量(377.3KB) (2023/1/30更新)
- 欧州LNG在庫量(218.3KB) (2023/1/30更新)