2023年5月
天然ガス・LNG価格動向
直近の値動き
アジア
- 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKM(期近分)は、LNG高在庫と需要低迷の中、5月5日に100万Btu当たり10米ドルを割った。その後、JKMはタイや台湾などから買い付けが見られたため上昇し、10米ドル台前半で推移するも、再び下落基調となり5月16日には9米ドル前半を付け、2021年5月以来の再安値となった。JKMは月末にかけ、9米ドル後半で推移している。LNGスポット価格の下落により、バングラデシュなど購買力を回復している。
- JOGMECは4月の日本着スポットLNG月次価格(速報)について、同月以降に契約がなされて日本に入着するスポットLNG取引の平均価格(契約ベース)を、非公表とした。また、同月中に日本に入着したスポットLNG取引の平均価格(入着ベース)を非公表とした。
- 財務省貿易統計速報に基づくと、2023年4月の日本平均LNG輸入価格は100 万Btu当たり13.59米ドル、円建てでは円安の影響もあって1トン当たり93,155円となり、いずれも前月より下がり、また、円建てでは2022年3月以来の10万円を切ったものの、高水準を維持している。供給地域別では、米国産は10.37米ドル、ASEAN地域産が12.35米ドル、中東産が13.20米ドル、ロシア産が13.94米ドルであった。また、4月の北東アジア各国の平均輸入価格は、中国11.79米ドル、韓国13.46米ドル、台湾11.13米ドルであった。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2023年4月には1バレル当たり83.42米ドルと10カ月連続の下落となった。円建てでは1キロリットル当たり69,357円となった。原油価格リンクの長期契約が7,8割を占める日本平均LNG輸入価格は、引き続き足元の原油価格及び最近の軟調なスポットLNG価格の影響を受けることが想定される。
- 4月の日本のLNG輸入量は、453万トンと前年同月比で19%減少、1月から4月までのLNG輸入量合計は2,347万トンと前年同期比で10%減少した。中国は477万トンと前年同月比で10%増加、2023年に入って初めて日本を上回った。1月から4月までのLNG輸入量合計は、2,116万トンと前年同期比で2%減少した。韓国は316万トンと前年同月比で8%減少、台湾は173万トンと前年同月比16%増加となった。これら4市場合計のLNG輸入量は、4月までの累計で6,848万トンと前年同期比4%減少となった。
米国
- 米国スポットガス価格HHは、堅調なガス生産と限定的な需要のなか2米ドル台前半で推移した。HHは、LNG液化基地へのフィードガスの一時的な供給減少等を受け変動したが影響は軽微であった。天然ガス在庫も前年及び過去5年平均値に比べ好調であり、価格を抑制している。HHは月末にかけ2米ドル台前半で推移している。
- 米国エネルギー情報局(EIA)は、5月9日発表の短期エネルギー見通しにて2023年5月の天然ガススポット価格の平均値を2.35米ドルと予測し、電力需要がピークを迎える7~8月の平均値を3.00米ドル付近と予測している。2023年及び2024年の通年の平均値については、それぞれ2.91米ドル、3.72米ドルと予測している。
欧州
- 欧州ガススポット価格TTFは、豊富な供給と穏やかな気候、高水準の地下ガス貯蔵量により下落基調を辿り5月1日の12.5米ドルから5月19日の9.6米ドルまで下落した。TTFは月末にかけ9米ドル台後半で推移している。ノルウェーのハンメルフェストLNGにて計画外の停止が発生したが、価格への影響は軽微であった。
中長期の値動き
- JKMは、2020年1月以降、供給拡大と需要増加ペースの失速により下落基調となり、2020年4月末には史上最安値の1.83米ドルを記録した。5月以降2米ドル台が続いたが、8月に入り複数の生産設備での供給障害により上昇基調に転じ、12月には10米ドル台を超え、2021年1月には寒波の影響で需要が急増したことにより、32.5米ドルの史上最高値を付けた。その後、価格は急落して2月下旬にかけて5米ドル台まで下落、3月に入り上昇基調に転じて以降は、高値で推移する欧州ガス市場にも牽引され、10月に一時56米ドルまで上昇し、11月は30米ドル半ば、12月には40米ドルに達した。2022年1月と2月は20米ドル台で推移し、3月にはロシア産パイプラインガス供給中断の懸念に伴って一時急騰し80米ドルを上回ったが、その後30米ドル台で推移した。4月以降取引は低調であり、JKMは36米ドルから22米ドルまで減少し、5月から6月前半にかけて20米ドル前半で推移した。しかし6月後半以降天然ガス・LNGの供給不安の高まりを背景に40米ドルに到達、7月も同様の水準で推移し、8月には概ね50米ドルで推移しつつ、一時、60米ドル、70米ドルを超える状況となった。9月、JKMはTTFの下落に伴い下落傾向を示し30米ドル後半まで下落し、10月~11月にかけて概ね20米ドル後半で推移した。12月には市場は年末商戦で活況となり30米ドル台で推移した。2023年1月、取引が再開するも低調であり、20米ドル付近から下落基調にあり、5月は9米ドル台まで落ち込んでいる。
- 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格上昇に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。堅調な原油価格の値動きに応じて、2021年2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落した。その後は、2022年6月までの日本平均原油価格の上昇に伴って、続く18カ月間は概ね一貫して上昇し、2022年9月には過去最高の22.73米ドルを記録した。その後、原油価格の下落傾向も一因として、2023年4月に13.59米ドルに下落している。
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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2023 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange
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天然ガス・LNG在庫動向
日本
- 2023年1月末の国内LNG在庫量は525万トンで、前月比5.2%、28.8万トンの減少、前年同月比では34.4%増加し、過去5年平均値を96.8万トン上回った。
- 1月末のガス事業用LNG在庫量は234万トンで、前月比13.5%減、前年同月比では31.2%増となった。1月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比7.0%減の326万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比5.0%減の290万トンだった。
- 1月末の発電燃料用LNG在庫量は292万トンで前月比2.7%増、前年同月比37.0%の増加となった。1月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で18.3%減の376万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で3.0%減の436万トンであった。
- 2023年5月17日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の5月14日時点のLNG在庫は267万トンであった。2022年5月末比では56万トン、過去5年間の5月末平均を66万トン上回っている。
(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。
米国
- 2023年5月12日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫(ワーキングガス)は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、2.24Tcfで前月比16.1%増となった。在庫量は2022年の同時期と比較すると29.3%高く、過去5年平均値を365.2Bcf上回っており、2020年11月以降は過去5年のレンジに入っている。
(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成
欧州
- 2023年5月21日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は745.0TWh (LNG換算4,928万トン相当)であった。これは前年同期より57.6%、272.3TWh (LNG換算1,801万トン相当)上回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は65.9%であり、前年同期の42.8%、過去5年間平均値の46.5%を上回った。貯蔵容量の大きなドイツ、オランダの充填率はそれぞれ72.3%、66.2%であった。
(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。
- 2023年5月21日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社(11か国、18社)が有する欧州LNG在庫量は519.8万m3で、前月比3.0%増加、前年同日比7.3%増加、過去5年平均値を10.3%上回っている。
(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。
天然ガス・LNGプロジェクト動向
ハイライト
- 天然ガス・LNGのスポット価格がアジア・欧州ともに前年末比6割以上下落するなか新興アジア市場のLNG輸入開始への動きが前進している。フィリピンには1基目のFSUが到着しており、さらにもう1件のFSRUの引き渡しが年央に見込まれる。ベトナムでも同国初となる受入基地の第1段階容量年間100万トン分の建設が完了しており、国営ガス会社が産業・通商省より、LNG輸出入免許を受けた。香港にも既に初となるLNGカーゴが到着している。
アジア・オセアニア地域
- AG&P International 社.は2023年4月27日、長期傭船されたFSUがフィリピンのバタンガス湾のAG&P の Philippines LNG受入基地に到着・着桟したことを発表した。
- シンガポール Pavilion Energy は2023年5月16日、QatarEnergy よりSingapore LNG 基地にて、温室効果ガス排出明細付の自社初となるLNGカーゴ引き渡しを受けたことを発表した。
- PetroChina International 社は2023年4月27日、マレーシア Petronas との間で、両社間の初の期間契約SPAを締結したことを発表した。
- ベトナム PetroVietnam Gas は2023年5月8日、産業・通商省より2023年からLNG輸出入を行う国内初の企業となる免許を受けたことを発表した。 PetroVietnam Gas は、初期容量年間100万トンのThi Vai LNG 基地の建設を完了したと発表した。今後、300万トンまで容量を引き上げることを目指している。
- JERAは2023年4月27日、子会社 JERA Asiaを通じて、バングラデシュ最大のIPP事業者 Summit Power International子会社 Summit Corporationとの間で、FSRUおよび同国へのLNG供給・貯蔵・再ガス化およびLNG開発に係る協業の検討を定めたMOUを締結したことを発表した。
- 豪州南オーストラリア州LNG受入基地開発会社Venice Energy は2023年5月4日、ヴィクトリア州と南オーストラリア州間の680 kmのパイプラインの所有企業 SEA Gas との共同スタディにより、アデレード港湾 Outer Harbor で計画中のLNG受入基地が2026年稼働開始となる際に同パイプラインは両州間の双方向型に再編できることを確認したことを発表した。
- 豪州連邦政府は2023年5月7日、石油類資源レント税制(PRRT)を改正することを発表した。2023年7月1日より、オフショアLNGプロジェクトを対象に控除利用の上限が導入される。具体的には、PRRT対象となる所得の控除対象に90%上限を設定する。改正によりLNGプロジェクトからのPRRT歳入を前倒しする。
- Shell は2023年4月29日、 Shell AustraliaがBrowse プロジェクト持分を売却する契約をbpと締結したことを発表した。
- 豪 Santos は2023年5月3日、 Bayu-Undan CCSプロジェクト初期開発の裏付けとする第三者からのCO2貯蔵に関して、MOU 4件を締結したことを発表した。
- 豪 Santos は2023年5月1日、 Kumul Petroleum Holdings Limited がパプアニューギニア PNG LNG の5%出資分の買い取りに関してのオファー有効期限を、2023年8月31日まで延長したことを発表した。この拘束力ある条件付きのオファーは、当初2022年9月27日になされ、2022年12月23日に、2023年4月30日まで延長されていた。
- インドネシアのエンジニアリング企業 PT Tripatra Engineers and Constructors (TRIPATRA)は2023年5月3日、 PT Saipem Indonesia、韓国大宇エンジニアリング・建設社と組み、パプアニューギニア PNG LNG プロジェクト上流設備のFEEDを受注したことを発表した。
北米地域
- Cheniere Energy は2023年5月16日、 Cheniere Marketing Internationalが韓国南部発電(KOSPO)との間でSPAを締結したことを発表した。KOSPOは、年間40万トンのLNGをCheniere Marketing より、DES条件で2027年から2046年まで購入することに合意し、これより小さい年間数量が2024年開始で引き渡される。2028年以降2046年までの数量はSabine Pass Liquefaction 拡張プロジェクト第1系列FIDが条件となる。
- Cheniere Energyは2023年5月2日、同年第1四半期は、前年同期の8.65億米ドルの純損失に対して、54億米ドルの純利益を計上したことを発表した。
- JERAとVenture Global CP2 LNG LLC 社は2023年4月28日、CP2 LNG プロジェクトの商業運転開始から20年間、年間100万トンのLNGをFOBにて購入するSPAを締結したことを発表した。
- 米DOEは2023年4月21日、 Sempra 子会社による Port Arthur LNG 設備からの輸出期限延長申請を承認した。この指令は、建設・稼働開始期限を延長するFERC(連邦エネルギー規制委員会)承認と整合性をとった。
- Air Products 社は2023年5月1日、 Bechtel Energy Inc. との間で、 Sempra Infrastructure 社のテキサス州 Port Arthur LNG 第1段階プロジェクト向けに、固有のLNGプロセス技術、機器、アドバイザリーサービスを提供する契約を締結したことを発表した。
- 米DOEは2023年4月21日、 Energy Transfer によるLake Charles LNG 設備からの輸入開始期限再延長の申請を却下した。DOEは、LNGプロジェクトは輸出承認から7年以内に輸出開始すべきとの期待を再確認した。
- 米 Delfin Midstreamは2023年4月24日、Delfin LNG社が Hartree Partners子会社 Hartree Partners Power & Gas Companyと拘束力あるSPAを確定したと発表した。 Delfin LNG社はDelfin Deepwater Port からFOB条件で Hartree 向けに20年間にわたり年間60万トンをヘンリーハブ指標に連動する価格で供給する。
- LNG Canada プロジェクトは2023年5月4日、最後の大型モジュールの引き渡しを受けたことを発表した。キティマットのLNG輸出設備にある冷凍コンプレッサー4基中の1基を運転するため使われる。建設は全体の80%以上完成し、稼働の準備を進めている。
- New Fortress Energyは2023年5月4日、第1四半期業績報告にて Fast LNG プロジェクト1件目の建造が90%強完成し、6月にメキシコのアルタミラへ配置、8月に本格稼働を開始することを確認した。同社は最近、メキシコCFEとの間で、アルタミラの利用が低迷している既存陸上基地に FLNG 2と FLNG 3の配置を検討する非拘束の覚書(LOI)を締結した。NFEはこれらの配備、設置準備完了を2024年後半に見込んでいると述べた。
欧州および周辺地域
- 欧州委員会は2023年5月10日に開始したAggregateEU メカニズムによるEUガス供給共同購入への最初の国際入札手続きについて、5月16日、25社の供給企業から13.4 bcm以上の応札申し込みを受け、合計需要を上回ったと発表した。応札供給企業は既に欧州顧客とマッチングされ、その総数量は10.9 bcmとなった。内訳は8.7 bcmがパイプラインガス、2.2 bcm(162万トン相当)がLNGとなっている。
- ドイツ Hanseatic Energy Hub は2023年4月25日、シュターデにおける Hanseatic Energy Hub 基地経由での長期で年間3 bcm追加輸入権を EnBW が予約したと発表した。全ての予約に関して、後日水素に基づくエネルギー源として、アンモニアに移行するオプションを含む。
その他地域
- ADNOCは2023年5月2日、低炭素LNGプロジェクトをアブダビAl Dhafrah の Al Ruwais 工業都市で推進することを発表した。同設備は電動設計で、再生可能エネルギー、原子力のグリッドの電力で運転する。
- QatarEnergy は2023年5月16日、 Technip Energies とConsolidated Contractors Company (CCC)合弁事業体に、合計容量年間1,600万トン分の2系列で構成する North Field SouthプロジェクトのEPC発注を決めたことを発表した。
- ナイジェリアNNPCは2023年4月27日、Golar LNG との間で自国にFLNG設備を建設するMOUを締結したと明らかにした。
- Eniは2023年4月25日、コンゴ Congo LNG が着工したと発表した。同プロジェクトは2025年より、全体LNG生産容量年間300万トンに達する見込み。 Congo LNG は Marine XII のガス資源を開発し、同国の発電用需要に対応するとともに、欧州を中心とするLNG輸出向けにも供給する。
- Equinor と Shellは2023年5月19日、国際エネルギー企業とタンザニア政府の間で、 Tanzania LNG プロジェクトに関する主要な合意文書に関する交渉が完了したと発表した。次のステップは詳細なエンジニアリング設計作業となる。
(注: bcm: 10億m3、CCS: 炭素回収・貯蔵、DES: 持ち届け ex-ship、EPC: エンジニアリング・調達・建設、FEED: 基本設計、FID: 最終投資決定、FLNG: 浮体液化設備、FOB: 本船渡し、FSRU: 浮体貯蔵・気化設備、FSU: 浮体貯蔵化設備、HOA: 基本合意、MOU: 覚書、SPA: LNG売買契約)
作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所
添付ファイル
- 日本のLNG在庫量(27.5KB) (2023/5/23更新)
- 米国天然ガス地下貯蔵量(55.8KB) (2023/5/23更新)
- 欧州天然ガス地下貯蔵量(388.5KB) (2023/5/23更新)
- 欧州LNG在庫量(228.8KB) (2023/5/23更新)