2025年2月

天然ガス・LNG価格動向

直近の値動き

アジア

  • 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKMは、欧州へのカーゴ流出が続いていることに対する供給懸念、中国の米国産LNGに対する報復関税をめぐるニュースから上昇傾向が続き、2月10日には17ドル前半まで上昇した。その後は欧州ガス価格下落の影響もあって下落傾向となり2月20日には14ドルを下回ったが、欧州へのカーゴ流入継続により買い注文も見られている。
  • 財務省貿易統計速報に基づくと、2025年1月の日本平均LNG輸入価格は100万Btu当たり12.31米ドル、円建てでは1トン当たり100,351円となった。前者の米ドル建て価格は、2024年10月の全日本平均原油輸入CIF価格が9月より低下したものの、前月比0.3米ドル上昇した。2025年1月は、14米ドル程度のスポット価格での購入が前月より多かった可能性がある。供給地域別では、米国産は12.94米ドル、ASEAN地域産が12.04米ドル、中東産が12.63米ドル、ロシア産が11.57米ドルであった。また、1月の北東アジア各国の平均輸入価格は、韓国11.67米ドル、台湾11.22米ドルであった(中国の1月分データは3月に公表見込み)。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2025年1月には1バレル当たり76.57米ドル、円建てでは1キロリットル当たり75,725円となった。
  • 1月の日本のLNG輸入量は、664万トンと前年同月比で8.7%増加した。1月の韓国は444万トンと前年同月比で8.6%減少、台湾は148万トンと前年同月比14.9%減少となった。

米国

  • 米国スポットガス価格HHは、月の始めには米国による追加関税を取り巻く懸念もあり上昇したもののこれは一時的なものに留まった。その後は寒波による暖房需要と米国の主要液化ターミナルへの堅調なフィードガス需要により、2月は月間を通じて上昇傾向にあった。

欧州

  • 欧州ガススポット価格TTFは、気温低下、再生可能エネルギーの出力低下、地下ガス貯蔵からの急速な引き出しにといった要因が重なり2月10日は17ドル半ばまで上昇した。その後、これらの事象の一服に加えてロシアーウクライナ戦争の和平交渉開始による地政学的リスクの低下も加わり、下旬にかけて下落が見られている。

天然ガス・LNG価格推移(直近2年)

中長期の値動き

  • JKMは2023年6月、JKMは欧州ガス価格の影響等を受け12米ドル付近で推移したが、7月には高在庫と低需要を背景に若干軟化し11米ドル付近で推移した。8月には豪州の主要プロジェクトでのストライキ発生の可能性が生じ、価格はやや上昇基調に入り、9月にストライキが実施された後は15米ドルまで上昇した。10月には中東での紛争の勃発等を受け17米ドルまで上昇したが、11月には地政学的リスクがいくらか緩和され概ね14米ドルで推移した。12月には豊富な供給と軟調な需要によりJKMは11米ドルまで下げ、年が明けた1月においても傾向は変わらず概ね9米ドルで推移した。2月に入り北東アジア地域での旧正月後には下落基調は更に拍車がかかり8米ドルを割ったが、3月には短期的な需要が発生したことなどから一時10米ドルに近づいた。4月半ばには中東情勢激化への懸念等もあり中旬に11米ドル前半まで急騰するも、下旬には緊張緩和により10米ドル前半で推移。5月は夏季に向けた需要増を背景に、下旬には11米ドル後半から-12米ドル台前半を推移。6月も夏場の需要増等を背景に一時13米ドル半ばまで上昇。7月は需要が低調ながら価格下落による短期的な購入意欲の高まりもあり11米ドル後半から12米ドル前半を推移。8月中旬には地政学的な不透明さを背景に14米ドル半ばを付け2024年中の最高値を更新した。9・10月は低需要を背景に軟化し13米ドル付近を推移。11月には気温低下と地政学的緊張の高まりにより15米ドル台を付け、2024年中の最高値を更新している。その後上昇は一時一服するも翌年のロシア産ガスフローの不透明感を受け再び上昇基調に転じた。2025年1月は欧州ガス価格に連動する形で主に13-14米ドル台を推移。2月には一時2023年11月以来の17米ドルを付けるもほどなく下落に転じた。
  • 日本平均LNG輸入価格は、2020年3月以降の原油価格急落の影響により、8月から10月にかけて2005年1月以来の低水準となる5米ドル台まで下落、その後原油価格上昇に伴い、12月には7米ドル台に上昇した。堅調な原油価格の値動きに応じて、2021年2月には9米ドル半ばまで上昇後、3月は7米ドル半ばまで下落した。その後は、2022年6月までの日本平均原油価格の上昇に伴って、続く18ヶ月間は概ね一貫して上昇し、2022年9月には過去最高の22.73米ドルを記録した。その後、原油価格の2022年7月以降の下降傾向も一因として、2023年4月以降は11から13米ドル台で推移している。

天然ガス・LNG価格推移(直近10年)

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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2025 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange

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天然ガス・LNG在庫動向

日本

  • 2024年9月末の国内LNG在庫量は462万トンで、前月比2.2%、9.7万トンの増加、前年同月比では5.9%増加し、過去5年平均値を17.3万トン下回った。
  • 2024年10月末の国内LNG在庫量は487万トンで、前月比5.3%、24.6万トンの増加、前年同月比では9.2%減少し、過去5年平均値を15.2万トン下回った。
  • 10月末のガス事業用LNG在庫量は252万トンで、前月比8.9%増、前年同月比では6.3%減となった。10月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比2.5%増の200万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比0.3%減の206万トンだった。
  • 11月末のガス事業用LNG在庫量は279万トンで、前月比10.3%増、前年同月比では1.6%減となった。11月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比5.3%減の218万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比2.1%減の212万トンだった。
  • 9月末の発電燃料用LNG在庫量は230万トンで前月比3.3%増、前年同月比16.9%の増加となった。9月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で3.9%減の333万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で3.7%増の377万トンであった。
  • 10月末の発電燃料用LNG在庫量は234万トンで前月比1.7%増、前年同月比12.1%の減少となった。10月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で7.5%増の278万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で13.1%減の316万トンであった。
  • 2025年2月26日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の2月23日時点のLNG在庫は194万トンであった。2024年2月末比では53万トン下回り、過去5年間の2月末平均を57万トン下回っている。

国内LNG月末在庫量(直近2年)

国内LNG月末在庫(直近10年)

(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。


米国

  • 2025年2月14日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫(ワーキングガス)は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、2.1Tcfで前月比27.4%減となった。在庫量は2024年の同時期と比較すると14.9%低く、過去5年平均値を113.2Bcf下回っている。

米国天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

米国天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成


欧州

  • 2025年2月21日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は471.03TWh(LNG換算3,116万トン相当)であった。これは前年同期より35.8%、263.18TWh(LNG換算1,741万トン相当)下回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は41.03%であり、前年同期の64.64%を下回り、過去5年間平均値の47.97%を下回った。貯蔵容量の大きなドイツ、イタリア、オランダの充填率はそれぞれ37.09%、53.20%、28.42%であった。

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近2年)

欧州天然ガス地下貯蔵量(直近10年)

(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。

 

  • 2025年2月21日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社が有する欧州LNG在庫量は394万m3で、前月比17.7%減少、前年同日比13.7%減少、過去5年平均値を9.1%下回っている。貯蔵容量に対する充填率は42.9%であり、前年同期の52.8%を下回っている。

欧州LNG在庫量(直近2年)

欧州LNG在庫量(直近10年)

(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。


天然ガス・LNGプロジェクト動向

ハイライト

米LNG輸出許可手続き一時停止解除後、最初の非FTA(非自由貿易協定相手国向け)輸出承認(条件付き)が発表された。ルイジアナ州で計画されるCommonwealth LNGプロジェクトで2025年7月に見込まれるFERCによる建設承認後のDOE最終承認という条件付きとなる。DOE輸出影響スタディに対するコメント期間が未了の中で、「承認」宣言に踏み込まれた。

 

アジア・オセアニア地域

  • INPEXは2025年2月13日、自社プロジェクトから生産されるLNG、第三者から調達するLNGを活用して、LNGポートフォリオ供給を可能とするフレームワークの確立を目指すと述べた。北米その他でのLNG調達により、2027年までに自社のネットでのLNGトレーディング量を年間750万トンから2027年までに850万トンに増加させるとしている。
  • 東京ガスは2025年2月19日、フィリピンのルソン島南部・バタンガス市で浮体式LNG基地を所有・運営するFGEN LNGの株式20%を取得したことを発表した。
  • ベトナムPetroVietnam Gas(PV GAS)は2025年2月6日、Thị Vải LNG基地容量を年間300万トンに増加させる計画である、と述べた。同社は2025年末までにEPC契約を締結する見通しとしている。
  • INPEXは2025年2月13日、インドネシアAbadi LNGプロジェクトについて、2027年までにFID、2030年代初頭までの稼働開始を目指すと述べた。
  • 中国Wison New Energiesは2025年2月18日、自社南通ヤードにてインドネシアGenting FLNGプロジェクト向けの起工式典を開催したことを発表した。このFLNG設備は年間120万トンの生産容量を持つ見通し。インドネシア西パプア州でKasuri鉱区の天然ガスを液化する予定である。
  • TotalEnergiesは2025年2月12日、インドGujarat State Petroleum Corporation Limited(GSPC)との2026年から10年間のSPAを発表した。GSPCに年間40万トンのLNGを供給する。このLNGはTotalEnergiesのグローバルポートフォリオから調達される。
  • Crown LNG Holdingsは2025年2月18日、インド初の全国レベルで自動化されたトレーディングプラットフォームであるIndia Gas Exchange(IGX)とのMOU締結を発表した。Crownがカキナダで計画するLNG輸入基地での下流パイプライン顧客へのLNG販売面で協力する計画である。Crownの気化基地を通じて、LNGカーゴがIGX上で上場、売り込み、販売される枠組を提供することとなる。
  • bpは2025年2月10日、インドMumbai High油田に関して同社がテクニカルサービス提供者(TSP)となる契約をインドOil and Natural Gas(ONGC)と締結したことを発表した。ONGCは同油田の所有権・操業管理権を維持する。bpは2年間派遣人員に応じた固定報酬を受け取り、その後追加石油・ガス生産に連動したサービスフィーを受け取ることとなる。
  • 豪Santosは2025年2月19日、Barossa LNGプロジェクトが91%完成し、同年第3四半期ガス生産開始に向け引き続き予定通り進んでいる、と述べた。

 

北米地域

  • Cheniere Energyは2025年2月20日、2024年に2,327TBtu(45百万トン)のLNGを646カーゴで輸出したと述べた。2023年は2,300TBtu・637カーゴだった。(比較のため、ShellのLNG販売は2024年6,582万トン・合弁事業や参画によるLNG液化量は1,474万トン、2023年は同6,709万トン・1,494万トン、TotalEnergiesはLNG販売が2024年39.8百万トン、2023年44.3百万トンだった。)
  • Cheniere Energyは2025年2月20日、SPLプロジェクト隣接でデボトルネッキングを含めてLNG生産容量年間2,000万トン分の拡張(SPL拡張プロジェクト)を開発している、と述べた。2024年4月、複数の子会社がSPL拡張プロジェクトの立地、建設、操業の承認をFERCに、自由貿易(FTA)・非FTA諸国向けLNG輸出承認を求めてDOEに申請を提出した。2024年10月、CheniereはDOEからFTA諸国への輸出承認を受領した。
  • Cheniere Energyは2025年2月20日、2024年12月にCCLステージ3プロジェクトから最初のLNGを生産、実質完成は2025年第1四半期末までを見込んでいることを発表した。今回の発表によると、2025年2月に同プロジェクトから最初のLNGカーゴが出荷された。
  • Energy Transferは2025年2月11日、 Lake Charles LNG プロジェクトについて2025年第4四半期のFID到達に言及した。
  • DOEによる、2025年2月14日付Commonwealth LNG輸出承認指令によると、DOEによるCommonwealth申請に対する最終指令(2025年見込み)は、2024年スタディおよびこれに対するパブリックコメントを織り込むこととなる。非FTA(非自由貿易諸国向け)輸出申請を「可能な限り迅速に審査すべし」との大統領令中の指示に対応しながらも、DOEは進行中の2024年LNG輸出スタディの手続きを完了しDOEの判断が同スタディ・パブリックコメントによる便益を織り込むことの重要性を認識しているとしている。
  • Commonwealth LNGは2025年2月14日、DOEから非自由貿易協定(非FTA)諸国向け輸出について条件付き承認、FERCから追加環境影響評価案を受け取ったことを発表した。2025年7月見込まれるFERC最終指令、DOE最終承認を条件として、2025年9月にFID、LNG生産開始2029年第1四半期を見込んでいる。
  • Baker Hughesは2025年2月3日、Argent LNGが計画中のルイジアナ州Port FourchonでのLNG輸出設備向けの液化技術・関連サービスの提供者として選定されたことを発表した。同LNG設備は年間2,400万トンのLNGを供給する。フェーズ1建設は2026年開始を目標としており、コマーシャル稼働開始は2030年までを見込んでいる。
  • 東京ガスと静岡ガスは2025年2月21日、TGイーグルフォードリソーシズ社が保有する、米国テキサス州南部におけるイーグルフォード層シェールガス権益の静岡ガスへの譲渡に関するHoAを締結したと発表した。
  • Harvest Alaskaは2025年2月6日、Marathon Petroleum(MPC)、Chugach Electric Associationとの間でのアラスカ州南中部エネルギー供給強化に向け、現在はMPC子会社が所有している既存Kenai LNG基地のHarvestによる買い取り・再開発の契約を発表した。早ければ2026年南中部市場向け追加天然ガス供給開始、早ければ2028年本格稼働開始を目指す。

 

欧州および周辺地域

  • Shellは2025年1月30日、2024年第4四半期報告にてLNG液化数量の見通しについて、2024年第4四半期7.1百万トン、同第3四半期7.5百万トンに対して、2025年第1四半期6.6-7.2百万トンとした。LNG販売量は2024年第4四半期15.5百万トンと同第3四半期17.0百万トンから減少した。2024年通年の液化数量は前年比3%減少した。
  • Golar LNGは2025年2月13日、2003年建造のスチームタービン型LNG輸送船舶Golar Arcticを売却する諸契約を締結したことを発表した。この船舶売却により、Golarは伝統的海運事業から完全撤退することなる。

 

その他地域

  • アブダビADNOC Gasは2025年1月27日、JERA Global Marketsとの3年間のLNG供給契約締結を発表した。このLNGは、ADNOC GasのDas Island液化設備から供給されることとなる。
  • アブダビADNOC Gasは2025年2月12日、インドIndian Oil Corporation(IndianOil)との間でLNG最大年間120万トンの14年間のSPAを発表した。引き渡し開始は2026年開始見込みである。このLNGはADNOC GasのDas Island液化設備から供給されることとなる。
  • Oman LNGとスイスのトレーディング企業Mercuriaは2025年2月18日、10年間のSPAを発表した。Oman LNGはMercuria向けにFOB条件で年間80万トンのLNGを、2025年4月から引き渡すとしている。
  • ENIとTotalEnergiesはキプロス沖第6鉱区の参加企業(ENI 50%オペレーター、TotalEnergies 50%)として2025年2月17日、エジプト・キプロス政府と同鉱区ガス資源の開発に関してのホスト国枠組協定(HGA)を締結したと発表した。同鉱区Cronosガス田は2022年に発見され、2024年2月に評価が実施された。今回の協定はCronosガスをエジプト沖Zohr設備で処理し、Damietta LNG設備で液化、欧州市場に輸出する枠組を設定するとしている。
  • キプロスのエネルギー・商業・工業省、Chevron、Shell、NewMedは2025年2月14日、Aphroditeガス田(キプロス沖第12鉱区)開発・生産計画(DPP)の修正承認を発表した。承認されたDPPはキプロス排他的経済水域内の浮体生産設備(ガス処理設備)、エジプトへのガス輸出用パイプラインを含む。
  • Vopak Terminal Durban・Transnet Pipelines(TPL)間の合弁事業、南アフリカZululand Energy Terminalは2025年2月10日、Transnet National Ports Authority(TNPA)との間で南アフリカRichards Bay港湾におけるLNG基地設計・開発・建設・資金調達・操業・維持に関する25年間の基地操業者契約(TOA)を締結したことを発表した。FIDは2026年に見込んでいる。同プロジェクトは2フェーズにて実施予定となる。フェーズ1は、FSU、陸上気化用インフラストラクチャー、オプションとしてトラック積み込み設備を含む。フェーズ2はFSUに代替する陸上側貯蔵タンクを建設するとしている。
  • アルゼンチンYPFは2025年1月31日、Pan American Energy、Pampa Energia、Harbour Energy、Golar LNGで構成されリオネグロ沿岸に最初のFLNG船舶設置を目指すSouthern Energyに参加することに合意したと明らかにした。
  • Centricaは2025年2月20日、ブラジルPetrobrasとの間でPetrobrasが2027年から15年間、年間80万トンのLNGを購入するSPAを締結したことを発表した。本契約はCentricaポートフォリオの30%相当で、CentricaのSabine Pass・Delfin供給契約から調達されることとなるとしている。

 

(注: bcm: 10億m3、CCS: 炭素回収・貯蔵、DES: 持ち届け ex-ship、DOE: 米連邦エネルギー省、EPC: エンジニアリング・調達・建設、EPCI: エンジニアリング・調達・建設・設置、 EPCm: エンジニアリング・調達・建設管理、FEED: 基本設計、FERC: 米連邦エネルギー規制委員会、FID: 最終投資決定、FLNG: 浮体液化設備、FOB: 本船渡し、FSRU: 浮体貯蔵・気化設備、FSU: 浮体貯蔵化設備、HOA: 基本合意、MOU: 覚書、SPA: LNG売買契約)

 

 

作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所

 

添付ファイル