2025年9月
天然ガス・LNG価格動向
直近の値動き
アジア
- 北東アジアのアセスメントされたスポットLNG価格JKMは、9月は11ドル台の範囲での値動きに終始した。ロシア・Arctic 2から中国への供給が続いていることによるスポット価格への大きな影響は見られていない。日本で猛暑が続いたことにより9月の前半においてはスポット需要が高まるもこれは一時的なものに留まり、低需要・高在庫という状況が継続している。
- 財務省貿易統計速報に基づくと、2025年8月の日本平均LNG輸入価格は100万Btuあたり11.05ドル、円建てでは1トンあたり84,650円となった。前者のドル建て価格は、2025年5月の全日本平均原油輸入CIF価格が2025年4月より下落したため、前月比0.22ドル下落した。供給地域別では、米国産は11.27ドル、ASEAN地域産が10.78ドル、中東産が10.40ドル、ロシア産が11.02ドルであった。また、8月の北東アジア各国の平均輸入価格は、中国10.35ドル、韓国11.16ドル、台湾10.15ドルであった。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC: Japan crude cocktail)は2025年8月には1バレル当たり72.06ドル、円建てでは1キロリットル当たり66,961円となった。
- 8月の日本のLNG輸入量は、536万トンと前年同月比で6.5%減少した。8月の中国のLNG輸入量は635万トンと前年同月比で2.3%減少、韓国のLNG輸入量は462万トンと前年同月比で19.8%増加、台湾のLNG輸入量は193万トンと前年同月比2.4%減少となった。
米国
- 米国スポットガス価格HHは、涼しい気候と潤沢な在庫を背景に9月前半は概ね横ばいの値動きであった。半ばには気温の上昇とフィードガス需要の高まりにより、3.1ドル付近で推移するも、その後はEIAの発表もありガス在庫は十分との見方の広がりを受けて、2ドル後半まで下落している。
欧州
- 欧州ガススポット価格TTFは、ノルウェーでのメンテナンスによる供給量減少が発生する中でも、主には欧州における穏やかな天候を背景とした低需要により、9月中は10ドル後半から11ドル半ばの中での比較的小幅な推移に落ち着いた。AGSI+によるとEU全体の地下ガス貯蔵率が9月12日時点で80%に到達している。

中長期の値動き
2024年
- 2024年1月にはJKMは概ね100万Btuあたり9ドルで推移した。2月に入り北東アジア地域での旧正月後には下落基調は更に拍車がかかり8ドルを割ったが、3月には短期的な需要が発生したことなどから一時10ドルに近づいた。4月半ばには中東情勢激化への懸念等もあり中旬に11ドル前半まで急騰するも、下旬には緊張緩和により10ドル前半で推移。5月は夏季に向けた需要増を背景に、下旬には11ドル後半から12ドル台前半を推移。6月も夏場の需要増等を背景に一時13ドル半ばまで上昇。7月は需要が低調ながら価格下落による短期的な購入意欲の高まりもあり11ドル後半から12ドル前半を推移。8月中旬には地政学的な不透明さを背景に14ドル半ばを付け2024年中の最高値を更新した。9・10月は低需要を背景に軟化し13ドル付近を推移。11月には気温低下と地政学的緊張の高まりにより15ドル台を付け、2024年中の最高値を更新している。その後上昇は一時一服するも翌年のロシア産ガスフローの不透明感を受け再び上昇基調に転じた。
2025年
- 2025年1月のJKMは欧州ガス価格に連動する形で主に100万Btuあたり13-14ドル台を推移。2月には一時2023年11月以来の17ドルを付けるもほどなく下落に転じた。3月は北東アジアでの低需要を背景に、一時12ドル前半まで下落したものの、その後地政学的リスクの高まりにより13ドル後半まで上昇した。4月は米国の関税政策発表による世界的な景気後退の懸念から11ドル前半まで急落したが、その後反発し12ドル前半で推移。5月は市場動向が夏季需要に本格的にシフトしたことや、ウクライナ-ロシア間の和平交渉に進展がみられなかったことから、中旬に12ドル後半まで上昇し、その後は12ドル半ばで推移した。6月にはイスラエルとイランの衝突による地政学的緊張の高まりを受けて、一時14ドル後半まで上昇したが、その後の停戦を受けて12ドル前半まで下落。7月は北東アジアでの気温情報による需要増加から8月分カーゴが不足、13ドル付近まで値を上げたが、9月配送分に切り替わったことで11ドル半ばまで下落した。8月は充分な供給と低調な需要を背景に、中旬には11ドル前半まで下落したものの、その後ウクライナ・ロシア間の停戦交渉を巡る不透明感の高まりから、11ドル後半まで上昇。9月も引き続き概ね11ドル台で推移。

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(出典)
米国HH(Henry Hub)価格: NYMEX Futures and Options, CME Group
蘭TTF(Title Transfer Facility)価格:ICE Endex, Intercontinental Exchange
JKM: LNG Japan/Korea Marker© 2025 by S&P Global Platts, a division of S&P Global Inc.
JOGMECスポットLNG価格:JOGMEC「日本着スポットLNG月次価格」、2021年3月までは経済産業省「スポットLNG価格調査」を出典とする
日本平均LNG輸入価格: 財務省貿易統計をもとに作成
EUA(EU ETS): ICE Endex, Intercontinental Exchange
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天然ガス・LNG在庫動向
日本
- 2025年4月末の国内LNG在庫量は470万トンで、前月比7.8%、33.9万トンの増加、前年同月比では0.1%減少し、過去5年平均値を3.4万トン上回った。
- 2025年5月末の国内LNG在庫量は536万トンで、前月比13.9%、65.4万トンの増加、前年同月比では6.4%増加し、過去5年平均値を34万トン上回った。
- 5月末のガス事業用LNG在庫量は254万トンで、前月比12.5%増、前年同月比では4.0%増となった。5月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比6.5%減の186万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比2.9%減の200万トンだった。
- 6月末のガス事業用LNG在庫量は252万トンで、前月比0.9%減、前年同月比では3.1%減となった。6月の都市ガス用LNG消費量は前年同月比2.4%減の201万トン、都市ガス用LNG受入量は前年同月比7.2%減の187万トンだった。
- 4月末の発電燃料用LNG在庫量は244万トンで前月比0.6%減、前年同月比6.0%の減少となった。4月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で、2.6%増の245万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で22.2%減の277万トンであった。
- 5月末の発電燃料用LNG在庫量は281万トンで前月比15.2%増、前年同月比8.7%の増加となった。5月の発電燃料用LNG消費量は、前年同月比で、6.2%減の220万トン、発電燃料用LNG受入量は、前年同月比で9.6%増の289万トンであった。
- 2025年9月24日に経済産業省が発表した「発電用LNGの在庫状況」によると、大手電力事業者の9月21日時点のLNG在庫は188万トンであった。昨年同月末比では5万トン上回り、過去5年間の9月末平均を17万トン下回っている。


(出典)
経済産業省「ガス事業主生産動態統計」及び「電力調査統計・火力発電燃料実績」をもとに作成したもので、これら月末在庫を合算した値を国内在庫としてみなしたもの。なお、利用可能なデータは2008年1月以降のものであるため、過去5年平均は2013年1月分から計算している。
米国
- 2025年9月12日の米国天然ガス地下貯蔵有効稼働ガス在庫(ワーキングガス)は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータによると、3.4Tcfで前月比7.3%増となった。在庫量は昨年同時期と比較すると0.3%低く、過去5年平均値を204Bcf上回っている。


(出典)
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration, EIA)のデータをもとに作成
欧州
- 2025年9月17日現在のAggregated Gas Storage Inventory(AGSI+)加盟各社中、EU加盟国各社が有する欧州天然ガス地下貯蔵在庫は923.1TWh(LNG換算6,106万トン相当)であった。これは前年同期より13.7%、146.84TWh(LNG換算971万トン相当)下回るものだった。貯蔵容量に対する充填率は81.09%であり、前年同期の93.38%を下回り、過去5年間平均値の87.92%を下回った。貯蔵容量の大きなドイツ、イタリア、オランダの充填率はそれぞれ75.86%、90.65%、68.81%であった。


(出典)
Aggregated Gas Storage Inventory(AGSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2011年1月以降のものであるため、過去5年平均は2016年1月分から計算している。
- 2025年9月17日現在のAggregated LNG Storage Inventory(ALSI)加盟各社が有する欧州LNG在庫量は460万m3で、前月比4.1%増加、前年同日比3.7%減少、過去5年平均値を2.1%下回っている。貯蔵容量に対する充填率は48.5%であり、前年同期の53.9%を下回っている。


(出典)
Aggregated LNG Storage Inventory(ALSI), Gas Infrastructure Europeのデータをもとに作成。なお、利用可能なデータは2012年1月以降のものであるため、グラフ中の過去10年平均及び過去10年平均幅の値については、5年未満の値が含まれる。
天然ガス・LNGプロジェクト動向
ハイライト
- 米国では、2025年4件目、5件目となるLNG輸出プロジェクトのFIDが発表された。
- 制裁対象のLNG輸送船舶が、船舶追跡データによると、ロシアKamchatka Transshipmentからのカーゴを積載し、2025年8月末、中国南部のLNG輸入基地でこのカーゴを荷卸した。その後、同様に制裁対象となったロシアのLNG設備から、制裁対象となったLNG輸送船による引き渡し数件が続いている。9月初、ロシアGazprom・中国CNPC間で、Power of Siberia 2パイプライン計画を含む関係深化を内容とする戦略的協力協定を含む文書が締結された。
アジア・オセアニア地域
- KOGAS(韓国ガス公社)は2025年8月25日Trafiguraを含む複数の供給者と、LNG輸入契約を締結したことを発表した。発表によると、KOGASは米国を中心として年間330万トンのLNG、2028年から10年間程輸入する計画である。KOGAS-Trafigura間の長期契約数量は、Cheniereが操業するテキサス州Corpus Christiを含む複数のLNGプロジェクトから供給されることとなる。
- Santosは2025年8月25日、同年上半期業績を発表、発表によると、平均LNG価格は100万Btu当たり11.57米ドルであった。また、Barossa LNGは98%以上完成しており、ガス生産は間近とのこと。Darwin LNG設備はRFSU(稼働開始準備完了)、Barossa FPSOは数週間中にRFSUに達する見込み。
- ENN Natural Gas(新奥天然气)は2025年8月27日、子会社ENN Global TradingがChevronとの2本目となる長期LNG SPAを締結したことを発表した。Chevronは2028年から10年間、毎年数カーゴを供給することとなる。
- 日揮ホールディングスは2025年8月27日、JGCインドネシア社と仏Technip Energiesのインドネシア法人がコンソーシアムを組成し、INPEXがインドネシアで計画しているAbadi LNGプロジェクトのうち、陸上LNGプラント(475万トン×2系列)と洋上生産出荷施設(FPSO)に係るFEED役務、およびEPC等に係る見積役務を受注したことを発表した。陸上LNGプラントとFPSOのFEED役務については、同社コンソーシアムを含む2つの企業連合が並行して実施する「デュアルFEED」方式が採用されている。
- ENGIEは2025年9月5日、KOMIPO(韓国中部発電)との間で長期LNG SPAを締結したことを発表した。
- シンガポールSingapore GasCoは2025年9月5日、エネルギー市場監督庁EMAよりガス輸入者ライセンスが承認されたことを発表した。このライセンスにより、同社はパイプラインガス、LNGともにシンガポールに集約して輸入することが可能となる。
- KOSPO(韓国南部発電)は2025年9月5日、KOGAS(韓国ガス公社)と天然ガス購入契約を締結したことを発表した。Kospoは2027年からの10年間で440万トンを受け入れる。KOGASが締結している全LNG輸入契約の価格を平均して全発電企業に等しく供給する既存の「平均価格方式」と異なり、「個別価格方式」は、特定の輸入契約を個別発電企業に結び付け、当該契約の価格、条件で直接供給する。
- TotalEnergiesとKOGAS(韓国ガス公社)は2025年9月9日、2027年末から10年間、年間100万トンのLNGのの韓国での引き渡しについてHoAを締結したことを発表した。2028年以降TotalEnergiesによりKOGASに供給されるLNG量が年間300万トンに増加することとなる。今回の追加数量は、米国での生産や引き取りを中心とするTotalEnergiesのグローバルポートフォリオから供給されることとなる。
- MET Groupは2025年9月10日、Keppelのインフラストラクチャー部門、および同社からライセンスを受けているLNG輸入企業1社との間で、年間50万トンの長期LNG供給に関して、HoAを締結したことを発表した。KeppelはMETの10%株主である。
- 豪州政府(気候変動・エネルギー・環境・水道省)は、2025年9月12日、North West Shelfプロジェクト延長に関しての最終承認を下した。特にウエスタンオーストラリアのダンピア群島の一部を形成する世界遺産に登録されたMurujugaロックアートに対する影響を回避・緩和するため48件の厳格な条件を課している。同プロジェクトはまた、セイフガードメカニズムの下、2050年までにネットゼロ排出に到達しなければならない。Woodside Energyは本件承認を歓迎した。
- Santosは2025年9月18日、XRGコンソーシアム(Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC)子会社XRGを筆頭としてAbu Dhabi Development Holding Company、Carlyleを含む)がSantos取締役会に対して提案していた買収取引を進めない決定を通知したことを発表した。
- ベトナムPetroVietnam Gas(PV Gas)は2025年9月20日、年間6カーゴ、40万トンを2027年から2031年までDES条件で、供給者側がFOBオプションを提案できる条件でThị Vải基地に調達する入札文書を発行した。入札の期限は10月1日、入札通知日を8月25日としている。
- 豪Santosは2025年9月22日、BW Opal FPSO(浮体生産・貯蔵・積み出し船舶)が生産開始に向け最初のガスを受け入れたことを発表した。BW Opalは同16日に稼働開始準備完了(RFSU)、海底生産井からのフローが開始されていた。Barossa合弁事業パートナーはPRISM Energy Australia(旧SK E&S)、JERA Australiaを含む。ノーザンテリトリー環境保護当局は、Darwin LNG設備について同19日からの環境保護ライセンスを更新した。これにより同設備へのBarossaガス供給開始、スタートアップの道が開く。
北米地域
- DOEは2025年8月22日、Energy Transfer子会社Lake Charles LNG Exportに、非自由貿易協定(非FTA)諸国へのルイジアナ州Lake Charles LNGプロジェクトからのLNG輸出開始期限の延長を認める修正指令を発行した。従来の期限は2025年12月16日だったが、これが2031年12月31日までとなる。
- Texas LNG Brownsvilleによる2025年8月25日付の発表によると、FERCはTexas LNGプロジェクト建設・操業を承認する最終承認を再発行し、2029年11月建設を完了する建設日程を承認した。FERCはこの最終指令を2025年8月21日、従来予定したよりも3ヶ月先行して発行した。
- 米テキサス州に本拠を置くEpcilon LNG・シンガポールに本拠を置くLNG Allianceのメキシコ合弁事業会社AMIGO LNGは2025年8月25日、Drydocks Worldと、FLNG設備・FSUインフラストラクチャーの組み立て・引き渡しのEPC契約を発表した。FLNG設備は年間420万トン以上の生産容量を持つこととなる。
- AMIGO LNGは2025年8月25日、Macquarieとの間での長期SPAを発表した。 AMIGO LNGはLNG年間60万トンをMacquarieのCommodities and Global Markets 事業部に15年間供給する。LNG供給は、2028年下半期の同プロジェクトの第1系列稼働開始と同時期を目標としている。
- 韓国ハンファオーシャン(Hanwha Ocean)は2025年8月27日、同国證券市場規制機関への提出書類において、LNG新造船1隻を3466億ウォンで、子会社Hanwha Philly Shipyardより受注したことを明らかにした。本件は2025年7月21日に続く2隻目の発注となり、こちらの船舶も米国で建造することを確認したとのこと。
- Sempra子会社Sempra Infrastructure、およびEQTは2025年8月27日、テキサス州Port Arthur LNGフェーズ2開発プロジェクトからLNG年間200万トン引き取りの20年間のSPAを発表した。EQTはこのLNGを、FOB条件・ヘンリーハブ連動価格で購入する。Sempra Infrastructureは引き続き同プロジェクトの2025年内FIDを目標としている。
- FERCは2025年8月29日、Rio Grande LNGプロジェクトの承認を再発行した。
- DOEは2025年8月29日、Commonwealth LNGに対して、同社が計画中のCommonwealth LNGにプロジェクトから、非自由貿易協定(非FTA)諸国にLNG日量1.21 Bcf相当まで輸出する最終承認を発表した。2025年2月のDOEによる条件付承認に続くもので、同6月FERCによる同設備立地・建設・操業承認を反映している。2024年LNG輸出スタディに関するコメントに対するDOEによる2025年5月のレスポンスを織り込んでいる。
- カナダ政府は2025年8月29日、政府内にメジャー・プロジェクツ・オフィス(MPO)の設置を発表した。国家的プロジェクトの迅速な推進のための単一のウ局となることを使命といている。主として規制承認プロセスの合理化・加速化、および必要に応じてプロジェクトのファイナンスの組成・調整を支援する。州・準州当局と協力し、環境評価の「ワンプロジェクト・ワンレビュー」方式を実現するとしている。
- カナダのニューファンドランド・ラブラドール州Fermeuse Energyは2025年9月2日、Fermeuse Marine供給基地に、液化ハブ開発につながる計画を発表した。同プロジェクトはJeanne d'Arc地域の沖合随伴ガス埋蔵量を開発することを目指す。
- NextDecadeは2025年9月3日、EQTと、Rio Grande LNG第5系列からの引き取りに関して20年間のLNG SPAを締結したことを発表した。EQTは年間150万トンのLNGを20年間、FOB条件・ヘンリーハブ連動価格で、NextDecadeが第5系列に関してFIDを行うことを条件として、購入することとなる。
- 日米両政府は2025年9月4日、7月22日に発表した両国間の枠組合意の実施に関する共同声明、覚書を締結した。これにはエネルギーを含む各部門での日本から米国への投資、日本によるLNGを含む米国産エネルギー追加購入が含まれる。
- NextDecadeは2025年9月8日、ConocoPhillipsとの間で、Rio Grande LNG第5系列からの引き取りに関して20年間のLNG SPAを締結したことを発表した。ConocoPhillipsは、年間100万トンのLNGを20年間・FOB条件、ヘンリーハブ連動価格で購入することとなる。 NextDecade が第5系列に関してFIDを行うことが条件となる。
- Commonwealth LNGとEQTは2025年9月8日、前者のルイジアナ州キャメロン郡湾岸で開発中の年間950万トン輸出設備より、年間100万トン・20年間のSPAを発表した。EQTはLNGをFOB条件・ヘンリーハブ連動価格で購入する。Commonwealthは2025年内のFID、及び2029年LNG生産へ向けて前進しており、本件を含め、長期かつ拘束力のある契約として、Glencore、JERA、PETRONASとの合計年間500万トンの供給契約を確保している。
- McDermottは2025年9月8日、Monkey Island LNGがルイジアナ州キャメロン郡で計画している天然ガス液化設備の基本エンジニアリング・計画業務のマスターサービス(包括業務委託)契約(MSA)をMcDermottに発注したことを発表した。Monkey Island LNG設備フェーズ1は、各年間520万トンLNG系列3本を含む。拡張計画2系列を含めると総容量は年間2600万トンとなる。McDermottがエンジニアリング・実施計画・設備のEPC段階の予算を担当する。エンジニアリング・許可手続きは2026年開始見込み、LNG生産開始は2030年代初を見込む。
- NextDecadeは2025年9月9日、Rio Grande LNG第4系列のFIDを行い、Bechtel Energyに対し公式に建設を推進する通知を発行したことを発表した。発表によると、本件に続く第5系列に関しては、2025年第4四半期のFIDに向け引き続き前進しているとのころ。第4系列のLNG生産容量は年間600万トンで、Rio Grande LNGの建設中の総容量は年間2400万トンに増加する。
- TotalEnergiesは2025年9月10日、NextDecadeとの間で、テキサス州Rio Grande LNG第4系列を開発する合弁事業体の10%株式を取得する諸契約を締結したことを発表した。TotalEnergiesは同系列への10%の直接所有に加え、NextDecadeの17.1%株主として、同系列の7%弱を間接所有することとなる。この発表によると同系列LNGにより、TotalEnergiesの米産LNG輸出容量は2030年までに年間1600万トンを超えることとなる。TotalEnergiesはこれまでにNextDecadeとの間で同系列から20年間・年間150万トンのLNGを引き取るSPAを締結している。TotalEnergiesはRio Grande LNGフェーズ1に16.7%を所有し、年間540万トンを引き取ることとなっている。
- Woodside Energyは2025年9月10日、Woodside Energy Trading SingaporeとマレーシアPETRONAS子会社PETRONAS LNG(PLL)が、2028年から15年間のマレーシア向け年間100万トンのLNG供給についてSPAを締結したことを発表した。Woodsideのグローバルポートフォリオから供給される他、米国のLouisiana LNGプロジェクトからの数量を含む。
- Glenfarne Energy Transitionは2025年9月10日、Texas LNG BrownsvilleがGunvor Singaporeと、Texas LNGからのLNG年間50万トンについてFOB条件で20年間のSPAを締結したことを発表した。
- Glenfarne Energy Transitionは2025年9月10日、Texas LNG BrownsvilleがGunvor Singaporeと、Texas LNGからのLNG年間50万トンについてFOB条件で20年間のSPAを締結したことを発表した。
- Glenfarneは2025年9月10日、同社が主導するAlaska LNGプロジェクトに関して、JERAが同プロジェクトからの年間100万トンのLNG引き取り(20年間・FOB条件)について、LOI(関心表明)を締結したことを発表した。Alaska LNGフェーズ1建設は国内パイプラインに焦点を置いている。フェーズ2がLNG輸出設備・関連インフラストラクチャーとなる。Glenfarneは国内パイプラインについて2025年末FID、LNG輸出部分は2026年FIDを目標としている。JERAは11日、本件LOIを発表した。
- Monkey Island LNGは2025年9月11日、ある国際石油会社との間で、年間520万トンのLNG引き取りに関するMOU締結を発表した。契約締結企業名は明らかにしていない。
- Glenfarneは2025年9月11日、Glenfarne Alaska LNG・POSCO InternationalがAlaska LNGプロジェクトの開発に関わる戦略的パートナーシップを深化する合意を締結したことを発表した。このパートナーシップには、同プロジェクトについて鋼材の供給、LNG引き取り、投資での協力が含まれており、とりわけ天然ガスパイプラインに必要となる鋼材の大きな部分をPOSCOが供給する初期諸条件を含むこととなっているまた、合意にはFOB条件・年間100万トンのLNG引き取りのHOA初期諸条件を含むこととなる。これはAlaska LNGにとって最初の公表されるHOAとなる。今回の発表によると、GlenfarneはAlaska LNGパイプラインの国内部分について最終的なエンジニアリングの完成に向けてWorleyと作業を進めており、パイプラインについては2025年末のFIDを目標としている。
- Woodside Energyは2025年9月15日、Louisiana LNGプロジェクト起工式典を実施した。LNG設備3系列中最初の1本に関しての作業は22%以上完成している。同プロジェクトは、3系列年間1650万トンの基本開発から2029年LNG生産開始を目標としている。追加2系列分拡張に関しても許可は完了しており、累計総容量は年間2760万トンとなる。
- New Fortress Energy(NFE)は2025年9月16日、プエルトリコ調達当局(3PPO)、プエルトリコ官民パートナーシップ当局(P3A)との間で、プエルトリコ向けLNG長期供給に関する契約諸条件で合意に達したことを発表した。今回のガス供給契約(GSA)はプエルトリコの発電システム向けに7年間天然ガスを供給する。年間最大75 Tbtu(145万トン)が供給され、最小限の年間テイクオアペイ数量は40 TBtu、一定条件の充足により50 TBtuに増加するとしている。今回の数量は、NFEのメキシコ アルタミラ沖年間140万トンFast LNG設備からとなる見込み。 Fast LNG 設備は2024年第4四半期にCOD(稼働開始準備完了)を実現し、現在常時公称容量を上回ってLNGを生産しているとのこと。
- FERCは2025年9月18日付でCommonwealth LNGに対して、同社LNGプロジェクト設備の建設に向けた初期準備作業を開始する申請に許可を伝える指令書簡を発表した。
- Sempraは2025年9月23日、Sempra Infrastructure Partnersにおける45%株式を、KKR子会社・Canada Pension Plan Investment Board(CPP Investments)連合に売却することに合意したことを発表した。KKR主導のコンソーシアムがSempra Infrastructure Partnersにおける出資持分65%の多数株主となり、Sempraは25%を維持、Abu Dhabi Investment Authority(ADIA)が10%所有を継続する。
- Sempraは2025年9月23日、Sempra Infrastructure PartnersがPort Arthur LNGフェーズ2開発・建設・操業を推進するFIDに達したことを発表した。フェーズ2では容量年間1300万トン、液化設備が第3、第4の計2系列、LNG貯蔵タンク1基となる。稼働開始は第3系列が2030年、第4系列が2031年と見込まれている。フェーズ2はBlackstone Credit & Insurance、KKR、Apollo傘下の複数のファンド、Goldman Sachs Alternatives傘下のPrivate Creditらが49.9%、Sempra Infrastructure Partnersが50.1%の権益を保有している。フェーズ2は、中核パートナーとしてのConocoPhillips、およびEQT、JERA、Sempra Infrastructure Partnersとの間で、いずれも20年間のSPAで長期の引き取りを確保している。
欧州および周辺地域
- ドイツDeutsche Energy Terminal(DET)は2025年8月28日、自社ヴィルヘルムスハーフェン第2 LNG基地(FSRU Excelsiorを用いるWilhelmshaven02)が同29日コマーシャル稼働開始する、と発表した。
- ロシアGazpromは2025年9月1日、同年上半期自社の売上高はルーブル高と原油価格下落のため前年同期比2%減となったが、ガス販売の売上高は8%増加した、と述べた。
- ロシアGazpromは2025年9月2日、中国CNPCとの間で、関係深化を内容とする戦略的協力協定を含む4文書が締結された、と述べた。「中国向けのPower of Siberia 2ガスパイプライン・モンゴル経由Soyuz-Vostokパイプライン建設に関する法的拘束力を持つ覚書を指している模様である。
- イタリアEdisonは2025年9月10日、Shell International Trading Middle EastとLNG売買に関する契約を締結したことを発表した。Edisonは米国から年間70万トンのLNGを受け入れることとなり、2028年から最大15年間となる。EdisonはFOB 条件で購入することとなる。
- Hapag-Lloydは2025年9月11日、Shell Western LNGと、液化バイオメタン供給を即日発効の複数年契約を締結したことを発表した。Hapag-Lloyd向けに供給される液化バイオメタンはISCC EU認証済のものとなるとのこと。
- JERAは2025年9月11日、モンテネグロ国政府との間で、同国におけるLNG基地およびガス火力発電所の開発検討に関して協業することを定めた覚書を締結したことを発表した。JERAが開発・調達・建設・運営・保守・資金調達等に関する包括的な実現可能性に関する調査を実施し、開発検討に向けた支援を行うとしている。
- トルコBOTAŞは2025年9月12日、同9 - 10日に複数の国際エネルギー企業と協定(契約)を締結したことを発表した。BOTAŞ、Oman LNG、PetroChina Internationalは協力協定を締結した。BOTAŞは、中期、短期のLNG契約を、bp、Shell、Eni、CHENIERE、Equinor、Hartree、JERA、SEFEと締結した。これら中期、短期の契約により、トルコに2025年から2028年に15 bcmの天然ガス引き渡しが想定されている。
- 欧州委員会は、2025年9月19日、ロシア産LNG輸入の2027年1月までに全面禁止を含む対ロシア第19次制裁パッケージ案を提示した。
- ノルウェーEquinorは2025年9月23日、バレンツ海Askeladd Vest海底ガス田の生産が同19日に開始されたことを発表した。同発表によると、同ガス田はMelkøyaの処理設備からのLNG生産の継続に貢献する。
その他地域
- 日揮ホールディングスは2025年8月25日、海外EPC事業会社である日揮グローバルがタンザニア連合共和国政府(同国エネルギー省など)と、LNGプラントの知見共有等に係るMOUを締結したことを発表した。本MOUは、LNG開発プロジェクトを念頭に置き、日揮グローバルがLNGプラントに係る技術的な知見等の共有を行うことで本プロジェクトの実現を支援し、同国の人材育成にも協力することで、同国と日本の友好関係をより強固なものにすることを目的としているとしている。LNGプラントの知見共有は講義形式にて実施し、LNGプラントに関する各種主要技術や経済性といったテーマを扱う予定。
- 中国 Wison New Energies(惠生清洁能源科技集团股份有限公司)とイタリアEniは2025年8月26日、NGUYA FLNGプロジェクト出港式典を実施した。Nguya FLNGはEniのCongo LNGプロジェクトのLNG生産設備である。NGUYA FLNGは、LNG貯蔵容量180,000 m3、LPG同45,000 m3を有する。液化容量年間240万トンを持ち、コンゴ共和国Pointe-Noire近くの沖に配備される。同地でTango FLNG(年間60万トン)が2023年12月に生産開始した。2025年末までにNguya FLNGが加わり、Congo LNGプロジェクト容量は年間300万トンとなる。
- アブダビADNOCは、2025年8月27日、インドIndian Oil(IndianOil)との間で、主としてRuwais LNGプロジェクトからの年間100万トンのLNGを対象として15年間のSPAを締結したことを発表した。LNGカーゴはインド国内のどの港湾にも引き渡すことができる。2029年までにIndianOilはADNOCにとり最大のLNG買主となり合計引き取り年間220万トン、この内120万トンがDas Islandより、100万トンがRuwais LNGプロジェクトからのものとなる。
- シンガポールSeatriumは2025年8月27日、Golar LNG子会社Golar Hilliより、FLNG Hilli Episeyo増強実施の契約を確保したことを発表した。完了後FLNG Hilli Episeyoはアルゼンチンサンマティアス湾に配置され、2027年に稼働開始予定。
(注: bcm: 10億m3、CCS: 炭素回収・貯蔵、DES: 持ち届け ex-ship、DOE: 米連邦エネルギー省、EPC: エンジニアリング・調達・建設、EPCI: エンジニアリング・調達・建設・設置、 EPCm: エンジニアリング・調達・建設管理、FEED: 基本設計、FERC: 米連邦エネルギー規制委員会、FID: 最終投資決定、FLNG: 浮体液化設備、FOB: 本船渡し、FSRU: 浮体貯蔵・気化設備、FSU: 浮体貯蔵化設備、HOA: 基本合意、MOU: 覚書、SPA: LNG売買契約)
作成協力 一般財団法人日本エネルギー経済研究所
添付ファイル
- 日本のLNG在庫量(30.5KB) (2025/9/30更新)
- 米国天然ガス地下貯蔵量(64.5KB) (2025/9/30更新)
- 欧州天然ガス地下貯蔵量(473.9KB) (2025/9/30更新)
- 欧州LNG在庫量(290.4KB) (2025/9/30更新)


