2022年度調査結果

ページ番号1009503 更新日 令和4年10月18日

LNG売買契約に係る仕向地条項及び価格指標等に関する2022年度調査結果について

2022/10/18

調査実施概要

  • 調査目的:政府の「新国際資源戦略」(2020年3月)では、LNGセキュリティ上の懸念点となる仕向地条項の撤廃等が重要と位置付けられている。本調査は同戦略に基づき、また、公正取引委員会の「液化天然ガスの取引実態に関する調査報告書」(2017年6月)を踏まえ、仕向地条項の撤廃等の状況についてフォローアップを行うことを目的として実施するものである。本調査は、2021年度に初めて実施し、今次調査で二年度目となる。
  • 調査期間:2022年6月下旬から8月下旬(回答期間2か月)。調査実施にあたっては任意参加の事前説明会を実施。
  • 調査対象企業:国内LNG買主企業として、電力会社、ガス会社、石油会社、製鉄会社の計22社(回答率100%)

<調査内容>

2021年度から2030年度までの10年間について以下項目を調査(実績値ではなく契約数量)

  1. ターム契約に基づく全契約数量に係る仕向地条項について
    スポット契約を除く全ターム契約数量について、DES/FOBの別、仕向地条項の有無、利益配分条項の有無
  2. Take or Pay 条項について
    Take or Pay条項の有無とTake or Pay条項有りの場合のMake up条項の有無
  3. 価格指標について
    採用している価格指標別の契約数量(JCC・ブレント等原油価格、HH、TTF、JLC、ハイブリッド、JKMなど)
  4. 最近の動向など自由記述

 

1. スポット取引を除くターム契約数量

  • 本調査実施時点で締結済の日本企業によるターム契約数量は、2021年度には約8,400万トン、2030年度には約4,900万トンとなった。
  • DES条件とFOB条件に係る契約数量と、全契約数量に対してそれぞれが占める割合は、2021年度時点においてDES条件が約5,000万トン、59% FOB条件が約3,400万トン、41%であった。
  • 2030年度には全体の契約数量が減少することに伴い、DES条件とFOB条件の契約数量もそれぞれ、約2,500万トン、約2,400万トンまで減少し、ほぼ同数となる。

グラフ 全ターム契約数量の推移/ターム契約数量に占めるDES/FOBの割合


2. 仕向地制限に係る契約数量の推移について

  • 仕向地制限が課せられている契約数量と全体に占める割合は、2021年度の約4,500万トン、53% (全契約数量約8,400万トン)から2030年度には約2,100万トン、43%(全契約数量約4,900万トン)に減少する。
    • 昨年度調査によれば、仕向地制限有りの契約数量について、2016年度は約4,600万トンで75%を占め、2020年度は約4,900万トンで57%であった。
  • 本調査では以下のように定義している。
    • 仕向地制限無し」とは、「仕向地条項無し」と「国内外への仕向地変更を可能としている場合で利益分配条項が無い場合」とを合算した契約数量と定義している。仕向地変更が可能であっても利益分配条項が付されているものは制限がかけられていると解釈した。
    • 仕向地制限有り」とは、全体の契約数量から、「仕向地制限無し」を差し引いた数量とした。この場合、「仕向地制限有り」は、「仕向地が指定されている場合」と「国内外への仕向地変更が可能であっても利益分配条項が有る場合」と整理される。

グラフ 仕向地制限に係る契約数量の推移/仕向地制限に係る契約数量の比較


3. Take or Pay条項とMake Up条項

  • Take or Pay条項が適用される契約数量と全体に占める割合は、2021年度に約6,800万トンと81%を占めていたが、2030年度には約3,900万トンまで減少し、割合は80%とほぼ変わらない。なお、Take or Pay条項が適用される契約数量のうち、Make Up条項があるものは、2021年度は84%、2030年度は79%と微減している。
  • Take or Pay条項は、買主の実際の引取量が不足する場合に当該不足分に係る支払いを売主に対して行うという義務を定める条項であり、LNG取引における買主側の引取義務を契約締結時点で約するもので、売主側の強い立場を反映したものとなっている。また、Make Up条項は、Take or Pay条項に基づき支払いがなされた分のLNGを、翌期以降の一定年数の間に引き取れることを定めた規定である。

グラフ Take or Pay条項有無の契約数量推移/Take or Pay条項の有無


4. ターム契約に採用される価格指標の推移

  • ターム契約で採用される価格指標について、JCC・ブレント等の原油価格が 2021年度に契約数量約6,300万トンと75%を占めていたが、2030年度には全体の契約数量の減少に伴い約2,900万トンまで減少、その割合は59%に低下している。
  • ヘンリーハブ等の米国スポットガス価格指標を採用する契約数量は、2021年度に約1,100万トンと13%を占めており、2030年度の契約数量も約1,100万トンと同数であったが、原油価格リンクの契約数量の減少に伴い、その割合は増加し23%となっている。また二つ以上の価格指標で組み合わせるハイブリッド方式による契約数量は僅かながら増加が見られる。なお、JKMやTTF等については2030年度に向けても数十万トンと非常に少ない。

グラフ ターム契約における価格指標の契約数量推移/価格指標別比率