ページ番号1005985 更新日 平成30年2月16日

技術動向調査事業の概要

レポート属性
レポートID 1005985
作成日 2002-01-30 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 技術
著者
著者直接入力 技術部
年度 2002
Vol 35
No 1
ページ数
抽出データ 技術動向調査事業の概要技術部*石油公団では、昭和48年度から技術動向調査事業を実施している。本調査事業は、従来、石油公団による石油・天然ガス探鉱・開発プロジェクトの技術審査に際しての技術評価能力の向上、および最新技術に関する情報収集を第一の目的とし、主にプロジェクトに関連した探鉱・開発技術の現状および動向についての調査を実施してきた。一方、我が国民間企業の操業ヘの支援強化、能動的な新規プロジェクト発掘への貢献も求められてきており、本調査事業の目的として、民間プロジェクトに対する技術情報支援、および新規プロジェクト発掘への貢献といった側面についても調査を行っていくこととなった。本調査事業は以下の4つのカテゴリーに整理することができる。(1) 評価業務のための情報取得、および技術評価能力の質的向上技術評価業務の質的向上および効率化を目的とする。各種調査の他、ソフトウェアの購入やメインテナンスもこれに含まれる。(2) 技術系部局全体に係わる最新(先端)技術の把握探鉱・開発に関する最新の技術情報を収集し、石油公団の技術水準の最新化を図るとともに、石油開発技術センターの研究シーズの摘出を目的とする。(3) 民間プロジェクトの技術情報支援特定の油ガス田や探鉱鉱区に固有の課題ではなく、民間企業に共通の技術課題に関する最新の技術動向や情報の収集を目的とする。(4) 新規プロジェクト発掘への貢献石油公団および民間企業の新規プロジェクト発掘の能動的な動きに呼応して、操業・インフラ環境の調査等も含め、関連の技術情報を収集し、能動的なプロジェクト発掘業務に貢献することを目的とする。調査項目の選定に当たっては、調査報告会でのアンケート、民間企業各社からの要望、公団職員からの要望を踏まえ、公団関係部間の調整を行った上で選定している。平成13年度は15件のテーマ(表1)、7件のソフトウェアのメインテナンスや購入(表2)を実施中または実施予定である。以下に平成12年度調査結果の概要を紹介する。なお、平成13年度からは液化天然ガス技術調査事業も技術動向調査事業に統合されることになったため、本稿であわせて紹介する。調査結果は、開示に制限のないものについては広報を行っている。各調査の詳細な内容、報告書の閲覧等については、公団技術部の各課もしくは技術企画室にお問い合わせ下さい。平成12年度技術動向調査結果の概要1.レザーバージオフィジックスにおける諸問題の解決法*本稿は,技術部の各調査担当が執筆し,技術企画室 島田忠明(e-mail : simada-t@jnoc..go.jp)が監修。レザーバージオフィジックスの目的は,物理探査データを使用して様々なレザーバー性状の詳細な分布を推定すること,すなわちレザーバーキャラクタライゼーションにある。これを行う際に使用される要素技術は,基本的には従来の探鉱を対象とした地震探査に使用されてきた石油/天然ガス レビュー ’02・1―96―Z術を高精度化したものであるが,各要素技術の完成度もしくは成熟度についてはばらつきが大きく,各要素の組合せ方法や地域特性を考慮に入れた最適要素技術の選択等については混乱が見られる。従来の探鉱段階における各要素技術をレザーバージオフィジックスに応用する場合,要求される精度が高いことから充分な対応ができずにボトルネックとなるケースが多い。また,実際にはそれらがボトルネックとなっていることに気付かずに従来の技術をそのまま適用して誤った解析結果を導き出しているケースもある。本調査では,これらボトルネックとなりがちな基本的諸問題を整理し,各要素技術の適用性およびその限界を把握し,その解決にむけた指針を得ることを目的とした。調査内容は,①データ処理の高精度化,②深度変換の高精度化,および③レザーバー性状の推定に係わるそれぞれの諸問題と解決法をまとめた。①では,レザーバージオフィジックスに最適な処理はゼロ位相処理であることを示し,相対振幅補償に関する各種DMO(Dip Moveout)処理およびマイグレーション処理についてその問題点・利点を整理した。②では,各種の速度解析法の問題点を整理し,対象構造の複雑さと水平方向の速度変化の程度による最適な速度解析法を示した。また,深度変換における速度場の決定には,地球統計学的手法の中でも外部ドリフトを用いるクリッギング(Kriging with External Drift)を坑井速度と地震探査速度を整合的に統合して用いることが最適な手法であることを提案した。③では,岩石物性に関して,孔隙率/孔隙流体の変化に伴う速度変化,ポアソン比からの貯留層圧力の推定方法,室内コア速度測定における注意点等の最新の研究成果をまとめた。また,サイスミックアトリビュートを用いてレザーバー性状の水平方向の変化を解析する際の地球統計学の適用に関する注意点を整理した。さらに,サイスミックインバージョンに関して,周波数帯域幅が限定されていることによるウェーブレットの干渉・チューニング効果の問題,各種インバージョンアルゴリズムの特徴および音響インピーダンスをレザーバーパラメーターに変換する手法に関してそれぞれの注意点を整理した。2.SSX Drillingによる掘削費削減手法の調査「セミサブ型による海上坑口方式掘削(Surface Stack Exploration Drilling: SSXDrilling)」(以下「海上坑口方式掘削」)は,Unocalがインドネシアのマカッサル海峡の東カリマンタンで“Saturation Exploration Drilling(SX Drilling)”の一環として掘削日数,掘削費用の削減可能を目的に採用された掘削技術コンセプトである。水深500m以深の海域において,通常海洋掘削に採用されるサブシーBOPを設置するのではなく,海上坑口方式を採用することにより実現するものである。この掘削方法の利点は,①BOP(暴噴防止装置)応答時間の短縮,②従来型マリンライザー揚降管作業の削減,③30”ケーシングおよび20”ケーシングの削減であり,海洋掘削特有の関連作業の短縮,および④適応水深が300m-500m程度で,リグレートが比較的安価である第二世代,第三世代のセミサブ型掘削リグを使用できること等,による掘削費用の削減が可能となる。このように大幅な掘削日数の短縮および掘削費用の削減が期待できるため,一定の予算で掘削坑井数を増加させ油・ガス層の発見確率を上げることが可能となる。ただし,この掘削方法は試掘井に適用するもので,欠点は気象・海象条件に限界があり,穏やかな海域での掘削方法である。ここでは設計条件・機器条件・改造費用の検討,リスク評価を実施し,気象・海象条件を拡張した海上坑口方式掘削を提案した。この方法はセミサブ型掘削リグに海上坑口方式を採用し,最初に海底下に13-3/8”と海中部には13-5/8”ケーシングをそのままライザーとして海上まで展張するものである。海上における構成機器とライザーとして用いるケーシング等の重量は特殊なハンドリングフレーム,ライザーテンショナーを用い,支持させる。また,セミサブ型の位置保持はプリセット係留方法により8点係留・中間ブイを採用し,第二,三世代のセミサブ型を大水深海域に適用させることを可能とした。―97―石油/天然ガス レビュー ’02・1R.Technical Limit手法による掘削費削減プロ4.未開発構造生産シナリオ立案手法標準化セス新規油ガス田の探鉱・開発域が大水深域・偏境域等へ拡散するのに伴い,その開発コストが益々増大している中で,ShellやBPなどのメジャーは試探掘井の掘削にTechnical Limit手法(以下「TL手法」)の考え方を,マネージメントサイドのポジティブな変革と位置付け導入し,大幅なコスト削減(35?65%)に成功している。坑井掘削作業におけるTL手法とは,下記の基本コンセプトを継続的に,系統的に推進し掘削技術を向上していくことにより,技術的最高パフォーマンスを達成し,コストを削減するという理論・手法である。①掘削計画立案時に,近傍井の状況・問題点と原因・使用リグ能力・最新理論・技術などの情報を充分に解析し,対応策を考案し,ロストタイム極小化を達成する。②掘進要領最適化(泥水循環量最大化,必要最低泥水比重など,科学的根拠に基づく掘削要領最適化)により,掘進率最大化,フラットタイム極小化を達成する。③掘削記録の統一書式・様式による保存・伝承によるシステマティックなプロジェクトマネージメントを推進することにより,継続的な効率向上を図る。石油公団では,下記のような過程によりTL手法のコンセプトに関するスタディを行ってきている。・平成11年度:国内石油開発会社の掘削エンジニアを対象として,ShellにおいてTLコンセプトを推進していたエンジニアによるセミナーを開催し,コンセプトを紹介した。・平成12年度:基礎試錐の掘削事業にTL手法のコンセプトを導入すべく,米国の石油開発技術コンサルタントを招聘し,基礎試錐「チカップ」の掘削計画をTL手法的に見直し,TL計画を作成した。掘削計画そのものは既に進行段階にあったものの,一部を反映させることができた。今後は,本コンセプトを国内外のプロジェクトへ適用することを検討する。石油公団技術部では,未開発構造に対する経済性評価のために生産プロファイルを作成している。これまでは,個別のプロジェクトごとに該当地域およびその周辺の油ガス田の開発事例を参考にして生産プロファイルを作成してきたが,その手法を標準化することができれば,作業を効率化し,かつ客観的に評価できるものと考えた。手法の標準化が可能かどうか判断するため,本調査に先立って英領北海の油・ガス田データを収集分析した。その結果,原始埋蔵量と可採埋蔵量,可採埋蔵量と坑井数,ピークレート,プラトー期間生産量,減退率に相関がみられ,これらの相関近似式を用いて生産プロファイルを作成し,実際の生産ヒストリーと比較したところ,概ね良好な予測となっていることがわかった。同じ手法により他地域の未開発構造の生産シナリオ立案手法を標準化できると考えるに至った。本調査では,海外石油会社における生産シナリオ立案手法に関する実態調査,北海・東南アジア・豪州における既生産油ガス田データの収集と分析,および生産プロファイル作成に必要な相関式の作成と妥当性の検討を行なった。この結果,可採埋蔵量と減退率,坑井数の相関関係の精度が若干落ちるものの,相関式を使って作成した生産プロファイルと,実際の生産ヒストリーとを比較したところ,概ね良好なマッチングが得られた。この統計データに基づく客観的な生産シナリオ立案手法は,海外石油会社に紹介したところ,その妥当性が評価された。平成13年度には,他地域の油ガス田データの収集・分析,および相関式の作成を行ない,平成12年度と平成13年度の結果を用いて,未開発構造に対する生産シナリオ立案用ソフトウェアを作成する予定である。5.油層挙動の確率論的評価手法生産中油田における事業の管理および新規参入に当たっては,その価値を評価するために,石油/天然ガス レビュー ’02・1―98―サの油田の有するポテンシャルとリスクを加味して将来の生産プロファイルを予測する必要がある。従来は,想定される多様なシナリオを作成し,それに対応する生産プロファイルを作成するという決定論的手法が主流であった。しかしながらこの決定論的手法では悲観ケース,楽観ケースなどという評価結果に止まり,リスクの定量的評価ができない。このため近年では探鉱プロジェクトと同様に,確率論的手法を導入して将来の生産プロファイルを予測する動きがでてきている。本調査では同手法を積極的に導入しているノルウェー領北海プロジェクトの生産油田を調査対象として,プロジェクト権益を有する主要石油会社における本手法を含めた生産プロファイルの評価手法の実態を調査するとともに,過去の評価の振れ幅と要因をプロジェクトごとに検証することで,生産油田の評価に影響する因子を分析・抽出した。生産挙動の不確実性を取り扱う方法として地質統計学的なモデリングがあるが,これには多大な労力がかかり現実的ではない。そこで現在では単純化油層モデルを用いてモンテカルロ計算によって不確実性を定量評価するのが一般的である。今後確率論的手法によって評価を行うにあたっては,次のような事項が重要であると考える。①考えられる可能性は極力取り込んで,十分に幅広い不確実性をもった入力パラメータにする。②実際のフィールドデータから統計データベースを作り,これを入力データの分布や従属性に反映させる。③予測と実績を比較検討し,経験を評価に反映させるシステムを確立する。6.開発システム評価ガイドライン策定作業プロジェクトの経済性を評価するに際し,地質・埋蔵量などの評価については,評価者によるばらつきを最小化するべく標準化が進んでおり,かつこれらの技術的リスクは不確実性の幅で表現することが定着している。一方,開発システムの評価については,システムオプションが多岐にわたること,生産流体性状などの設備仕様決定パラメータが不明な場合が多いこと等により,必ずしもシステム選定の標準化が進んでおらず,また,開発費の変動についてのリスクも十分に評価されているとは言い難い。平成12年度の動向調査では開発計画の策定の際に必要なパラメータの確認と,このパラメータを元にしたシステム選定のためのフローチャート作成も含めた開発計画策定のための指針となるガイドライン策定を実施した。ガイドラインの中では各システムの特徴と適用範囲についても記載しており,プロジェクト採択の際に適切な開発システムを選定するための参考資料として活用中である。7.HSEマネジメントシステム導入作業HSE(Health, Safety and Environmentの略:労働衛生・安全・環境保護)に対する認識が世界的に高まる中,グローバルスタンダードに基づくHSEマネジメントシステムを導入する組織が増えている。石油公団においても,同システムを導入する事は,石油開発・研究開発・備蓄事業等を実施する上で,組織的な施策によるリスク顕在化の回避,顕在化したリスクの迅速・的確な対応が可能となることから極めて有意義である。このような状況下において,石油公団では,平成13年度末を目標にHSEマネジメントシステムの国際規格であるISO14001(環境),およびOHSAS18001(労働衛生・安全)の認証の取得を目指している。本調査では,海外で本分野に関し知名度の高いLloyd’s社に,世界的に通用するマネジメントシステムのフレームワーク構築,およびそれを文書化する作業を委託した。また,国内でのコンサルティング経験豊富な日本能率協会からは,Lloyd’s社が構築したシステムを,職員にわかりやすく説明し,職員がシステムを理解し効果的に運用できるようにコンサルティングを受けた。我が国の石油開発業界のHSEに対する取組み―99―石油/天然ガス レビュー ’02・1ヘ,相対的に遅れており,公団が開発会社に先駆けてHSEマネジメントシステムを導入することにより,HSEへの取組みが促進され,石油開発業界全体のHSEパーフォーマンスの向上に資する事が期待される。8.定量的地質評価に対するコンサルテーション技術部で実施している定量的地質リスク評価に関し,平成11年度に続いて米国Rose &Associates社によるコンサルテーションを受けた。同社より2名のリスク評価の専門家を1週間にわたって招聘し,平成11年度に掘削を終えた試掘井に対するリスク評価の予実績比較(PostWell Audit)や実際のプロスペクト評価で遭遇した課題などについて,ディスカッションを行った。その結果,公団の評価手法に対するアドバイスや課題の解決法についてのコメントなど,有益な助言を得ることができた。また,経済性評価や既開発フィールドの埋蔵量評価についても議論を行った。こうしたコンサルテーションと共に,地質リスク評価のセミナーを開催した。セミナーは従来の入門編(2日間)とともに,応用編(1日間)も行い,民間会社も含めた多くの参加があった。定量的地質リスク評価では,事前評価と掘削結果に基づいて評価方法の妥当性を検討することが肝要であり,今後も評価精度の向上を図るために同様のコンサルテーションを継続することが重要である。9.DHI Study ProjectDHIとは,Direct Hydrocarbon Indicatorの略であり,地震探鉱記録上の特徴的な振幅異常のことである。文字どおり炭化水素の胚胎を示唆する場合があるものの,これまでDHIを系統立って評価し,リスク評価に反映させる手法は確立されていない。DHIの評価には,DHIが炭化水素の胚胎に関連した「真のDHI」か,他の現象に起因した「偽のDHI」かを判別する基準を要する。この基準は,ある程度まとまった成功・不成功事例集を構築することでキャリブレーションする必要があるが,石油公団および我が国石油開発会社では行われていない。また,メジャーおよびインデペンデンツ各社では独自のDHI評価手法があると思われるが,公開には至っていない。本調査の目的は,米国Rose & Associates社を中心に,石油公団と同様の問題意識を持つ会社13社がコンソーシアムを結成し,地震探鉱データの分解能,振幅異常の形態,振幅異常の解釈に際して考えられるpitfalls等を拾い出し,これら項目に対して実際の成功・不成功事例に沿う様に,試行錯誤しながら「重み」付け点数を付加して,最終的に地質成功確率に反映させる評価ソフトを作成することを目的としている。Microsoft Excel上で起動する評価ソフトとそのマニュアルは2001年末に完成する予定である。なお,同評価ソフトは,メキシコ湾でのDHI(AVO Class 3)を対象とした「重み」を決定している。従って,その他の堆積盆地におけるDHIの評価には,当該堆積盆地での事例を数多く集めて固有の「重み」を決定せねばならない。10.フラクチャー評価技術に関する調査最近,石油公団が探鉱投融資や共同研究等を通じて関わる石油探鉱・開発プロジェクトの中にフラクチャー型貯留岩を対象とするプロジェクトの数が増えている(日本,ベトナム,メキシコ,コロンビア,中東等)。周知のとおり,フラクチャー貯留岩の探鉱は難しいプレイタイプであるが,近年,高レベル核廃棄物の地層処分や地熱など非石油分野で開発された評価方法が石油探鉱・開発に応用され,有効性が確認されつつある。こうした状況の下,本調査は非石油業界を中心にフラクチャー評価に関する最新の情報やデータの収集を行い,石油公団関連のフラクチャー型貯留岩を対象としたプロジェクトの今後の展開に貢献することを目的として行った。調査では核廃棄物処理,地熱,土木,石油地下備蓄など非石油分野でフラクチャー評価に携石油/天然ガス レビュー ’02・1―100―墲チている国内外の機関に対する聞き取り調査や関連学会への参加を通じて,最新技術の情報を収集することに重点を置き,並行して文献調査を行った。フラクチャー評価技術の中でも特に最近注目されているDiscrete Fracture/Feature Network Modelingについて数多くの情報を得ることができた。調査で収集した情報は今後のフラクチャー評価における貴重なデータベースとなることが期待される。11.第三世代テクノロジープラニングの導入90年代以降,石油開発産業を取り巻くビジネス環境が厳しくなったことを反映し,様々な形で事業運営の効率化が進められている。技術部門についても例外ではなく,事業運営における技術の役割・位置付けを明確にするとともに,より効率的な技術開発・マネジメントが求められている。上記背景を踏まえ,Shellをはじめとする欧米石油会社では,第三世代テクノロジープラニングの概念と手法が導入されている。第三世代テクノロジープラニングとは,最大の効果・価値を生む技術投資のために,事業戦略にリンクした技術企画の概念,思想,プロセスを指す。本調査においては,本手法の開発元であるアーサー・D・リトル社からShellのテクノロジープラニングのプロセス構築に参画した専門家を招き,セミナーを開催して実例に基づく導入の意義・メリットを説明する事により,各社が本手法の有効性を理解し,技術企画立案プロセスの改善に資するよう啓蒙活動を行なった。本手法のメリットとしては,技術横断的なディスカッションならびに課題解決の効果を定量評価することで,技術課題の整理・体系化がなされ,会社規模で重要課題につき共通認識ができること,それにより,技術者が明確な目的意識を持ち作業に取り組めること,ならびに重要課題にリソースの集中配分ができること,等が挙げられる。本セミナーの開催によって,石油開発会社に対して本手法の有効性を紹介することができ,また,石油開発技術センターにおいても研究開発プロジェクトの企画立案に,本手法を部分的に適用するに至った。12.液化天然ガス技術調査本調査ではLNG開発プロジェクトへの出資・債務保証に際して,より厳密な技術審査,安全対策上の的確なアドバイス等を行う上で,年々進歩している天然ガス液化技術をフォローするために必要な調査を行った。また,出資および債務補償額を適正に評価するための評価ツールを開発することを目的とした。①LNGチェーンコスト算定プログラム開発天然ガスを液化,輸送,気化するLNGチェーンについて,その経済性を明確にするためには多額の費用と長時間の作業が必要となる。経済性を簡便に評価する手法として,原料天然ガスのコスト,プラントの建設費,海上輸送の距離等のパラメータを変化させ,LNGチェ?ン全体(液化プラント,輸送,貯蔵,再ガス化プラント)のコストをシミュレートするプログラムを開発した。②LNGチェーンコスト低減最新技術の抽出と経済性へのインパクト・リスク評価LNGチェーンを構成する天然ガス液化技術,LNG輸送技術,LNG受入・貯蔵技術,およびLNG新規利用技術の各要素毎のコスト低減に関する技術開発要素を調査し,削減コストを明確にした。天然ガス液化技術:最近の天然ガス液化に関する技術開発は,a. 大規模ガス田を対象にするプラント大型化・高効率化技術と,b. 中小規模ガス田を対象とする設備やピークシェービングプラントなど小型化・コスト低減化技術の2つの相反する方向にある。この2つのカテゴリーに大別し,コスト低減化技術について調査を実施した。また,操業・メンテナンス技術についても人件費,資材費,ユーティリティー使用量等の削減に資する技術を項目毎に調査した。LNG輸送技術:LNGの輸送手段としては大型船による大量輸送が主流となっているが,近―101―石油/天然ガス レビュー ’02・1N,その二次輸送の重要性が指摘されている。ここでは従来の大型船のコストダウン技術と二次輸送技術に分類してコスト低減技術を調査した。LNG受入・貯蔵技術:受入基地においてはLNGタンクと再ガス化装置の建設コストが全体の基地建設コストの約5割以上を占めている。特に,LNGタンクは単価が極めて大きいため,継続的な技術開発によりコスト低減化が図られている。一方,操業コストについてはLNG冷熱の利用・回収技術や再ガス化に伴う体積膨張を利用したエネルギー回収技術等が開発されている。また,液化基地同様,計測技術等による人員削減やメンテナンス要員の削減が顕著である。これらの要素技術について調査した。LNG新規利用技術:天然ガスの液化に投入されたエネルギー(エクセルギー)を回収するための冷熱利用や天然ガスを液体状のまま利用する技術について,液化基地および受入基地の総合効率向上の観点からその事例を収集し,コスト低減効果を評価した。表1 平成13年度 技術動向調査実行計画 技術分野 調査テーマ 調査内容 液化天然ガス 液化天然ガス技術調査(継続) LNGチェーンコスト低減技術要素に基づいて,その投資額や操業費に与えるインパクトとその技術が適用できない場合の経済的リスク評価を実施する。 物理探鉱 波地震探査技術に関する調査(新規) 年,急速に普及しつつあるS波地震探査について,同技術に係わる諸問題を整理し,各要素技術の適用性および限界を把握し,その解決法を明らかにする。 物理探鉱 D地震探鉱データ解釈のコンサルテーション(新規) ロジェクト評価に関し,今年度導入予定の3D地震探鉱解釈システムであるVoxel Geosystemを使用して解釈を実施する際に,最適手法等に関するコンサルテーションを行う。 成12年度に作成した掘削費削減プロセスのガイドラインの適用を,基礎試錐を対象に試みるものである。 掘削 echnical Limit手法による掘削費削減プロセスの適用(継続) 掘削 削作業最適化に関する調査(新規) 開発 発計画策定に関するコンサルテーション(新規) 開発 洋工学ハンドブックの改訂(新規) 年,開発において広く導入される傾向にある大偏距坑井の掘削作業の経験,評価スキルを有するコンサルタントを招聘し,同坑井掘削作業計画上の課題についてコンサルテーションを受ける。 術部が開発計画に対する技術審査を行う際に,特殊な開発方式を用いた案件に関するコンサルテーションを受ける。 成10年に作成した海洋工学ハンドブック(CD-ROM版)について,本ハンドブックを実際に活用している各方面からの意見を参考に内用変更・追加・改善を行う。 生産 油層 開発構造の生産シナリオ立案手法標準化に関する調査(継続) 鉱中あるいは既発見未開発構造に対する生産プロファイルの評価手法についての実態を調査し,生産シナリオ立案手法を標準化する。平成13年度は,本手法の細部を改良するとともに,業務に活用できるようソフトウェア(プロトタイプ)を製作する。 産中油田における油層挙動の確立論的評価手法に関する調査(継続) 産中の油田に対する生産プロファイルの評価は決定論的手法が主流であるものの確率論的手法も徐々に取り入れられてきており,これらの生産プロファイルの最新評価手法の実態を調査する。平成12年度に最新の評価手法を調査し,現状の実態を把握できたが,確立された手法はまだないことがわかった。平成13年度は,問題点の解決法について調査し,評価手法の確立を目指す。 層評価を行う際の特殊な技術課題についてコンサルテーションを受ける。 油層 層評価に対するコンサルテーション(新規) 石油/天然ガス レビュー ’02・1―102― 近 プ 平 近 技 平 探 生 油 S 3 T 掘 開 海 未 生 油 ハ的地質評価に対するコンサルテーション(継続) 行の定量的地質評価(地質的成功確率算定,確率論的埋蔵量算定)の精度向上を図るべく,評価シートのアップデート作業,海外石油会社の評価システムの調査,公団システムに対するコンサルテーションを実施する。 質モデルを作成する際に,地球統計学(geostatistics)を用いたモデル化の手法につき,事例調査,実践的な手法の検討を行う。 ロスペクトの定量的地質評価において,石油の移動過程に関する評価精度向上の必要性が指摘されていることから,ベースンモデリングを用いた移動の評価方法に関する調査を行い,定量評価の精度向上に向けた方策を探る。調査にあたり,オーストラリア北西大陸棚をケースとして,油ガス田や不成功構造を通る種々のセクションでモデリングを実施し,石油移動の規制要因を評価する。 SEマネジメントシステム導入(継続) ローバルスタンダードに基づくHSEマネジメントシステムを石油公団に構築し,本邦石油開発会社にシステム構築のノウハウ,導入効果等の情報提供を行ないシステムの導入支援を行なう。 三世代テクノロジープランニングの導入可能性調査(継続) 術企画の手法である第三世代テクノロジープラニングの手法を我が国石油開発会社に適する形にカスタマイズし,その導入支援をおこなう。また,本手法に基づき,各社から抽出された技術課題を分析し,公団の調査・研究テーマを選定するためのプロセスを構築する。 現 地 プ グ 技eostatisticsを用いた実践的地質モデル構築手法に関する調査(新規) ースンモデリングによる石油移動過程の評価手法に関する調査(新規) 定 G ベ H 第 地質 地質 地質 横断型 横断型 産挙動モデルソフトウェア 質リスク評価ソフトウェア 質解釈用ソフトウェア ―103―石油/天然ガス レビュー ’02・1技術分野 ソフトウェア名 表2 平成13年度 ソフトウェアの保守・導入 ソフトウェアの内容 掘削エンジニアリング用ソフトウェア 発コスト算定用ソフトウェア 洋油・ガス田におけるアクシデントや事故のデータベース ECLIPSE-100 ECLIPSE-300 ラックオイル型油層シミュレータ コンポジショナル型油層シミュレータ 開 海 ブ 生 地 地 WELLPLAN COMPASS QUE$TOR WOAD Risk Software IPM Prizm 開発 開発 油層 油層 地質 地質 掘削
地域1 グローバル
国1
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 グローバル
2002/01/30 [ 2002年01月号 ] 技術部
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