ページ番号1006006 更新日 平成30年2月16日

サウジアラビア:Gas Initiative プロジェクトの交渉期限を再延長

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レポートID 1006006
作成日 2002-05-30 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 探鉱開発
著者 猪原 渉
著者直接入力
年度 2002
Vol 35
No 3
ページ数
抽出データ トピックスサウジアラビア:Gas Initiativeプロジェクトの交渉期限を再延長1.2度目の交渉期限延長サウジアラビアの天然ガス開発プロジェクト(“Gas Initiative”)の外国石油企業(以下IOC)との交渉期限が再度延長された。Gas Initiativeは,総額250億ドルといわれる大規模プロジェクトであり,2001年6月の「初期契約」(Preparatory Agreement)調印後,最終実施契約(Implementation Agreement)締結期限を2001年12月16日に設定し交渉が進められたが,期限までに決着せず,締結期限は2002年3月2日に見直された。その後も交渉は難航し,2月18日にはExxonMobilのRaymond CEOとサウジのSaud外相(閣僚委員会委員長)のトップ会談が開催されたものの,合意には至らず,今回の再延長となった。経済性の問題やガス販売価格,Saudi Aramcoの権益参加比率等多くの問題で折り合いがついていない模様で,新たな契約締結期限は明らかになっていない。一部報道では,年内の決着は困難ではないかとのアナリストの見方も伝えられている。2.「コアベンチャーNo.2」が取り止めとなる可能性も浮上難航する契約交渉を反映するかのように,Gas Initiative の3コア事業のうち最も採算性に疑問があるとされる「コアベンチャーNo.2」(紅海地域開発プロジェクト)が中止される可能性が出てきたとの報道が伝えられている。Gas Initiativeの交渉事情に詳しいサウジの弁護士Mohammed Al-Jadaan氏が,3月19日にドバイで開催されたMEED誌主催会議で行った発言をふまえ,ロイター,Platt’sなどが報じたもの。報道によると,Al-Jadaan氏は会議において「3コア事業のうち1つのコア事業は実施されない可能性がある。サウジ政府とIOC側は,この事業の実現可能性が低いことを認識しており,50%の確率で取り止めになるのではないか。」と述べた。Al-Jadaan氏はどのコア事業であるかについての言及はしなかったが,アナリストはExxonMobil(リーダー会社),Occidental,Marathonが参加する紅海地域開発プロジェクト(コアベンチャーNo.2)がその対象である可能性が高いと見ている。Al-Jadaan氏は,Gas Initiative参加企業8社のうちの1社であるPhillips社の代理人を務めていることから,その発言が注目を集めた。コアベンチャーNo2は,サウジ北西部における陸上ガス資源及び北部紅海沖合ガス資源の開発と,発電,海水淡水化施設の建設などがプロジェクトに含まれるが,同国東部に広がる「石油・ガスベルト地帯」(Ghawar油田等)の反対側に位置する地域が対象であることから,ガス埋蔵量の不足のため十分な経済性の確保は困難との懸念が指摘されている。ただし,Al-Jadaan氏の今回の発言をもって,コアベンチャーNo.2が中止確実であると即断するのは,情報が少なく早計であろう。同氏は自身の発言について,Phillips社の代理人の立場からではなく,あくまで個人的見解を述べたものであると説明している。また,IOC各社はAl-Jadaan発言に関し,今のところコメントを出していない。Naimi石油相は3月12日,「プロジェクトの規模の大きさと内容の複雑さを考えれば,サウジ側とIOCとの間で見解の相違が生じるのは当然のこと。お互いが受け入れ可能な,公平でバランスの取れた内容での合意を目石油/天然ガス レビュー ’02・5―106―qGas Initiativeの概要〉(2001年6月初期契約締結時の報道に基づく)(cid:0)摘要(cid:0)・約150億ドル(cid:0)・ExxonMobil(リーダー,35%),RD/Shell(25%),BP(25%),Phillips(15%)(cid:0) <ガス上流>(cid:0)・Rub Al Khali砂漠北部(南Ghawar 地域)でのガス探鉱開発(cid:0)・ガス生産・集荷設備,パイプラインの建設(cid:0)・ガス処理・NGL分離設備の建設(Hawiyahに建設)(cid:0)<下流その他>(cid:0)・発電プラント(2000MWクラス×2基)建設(cid:0)・海水淡水化プラント(能力:300百万ガロン/日)建設(cid:0)・石油化学プラント(能力:2百万T/年)建設(cid:0)・約50億ドル(cid:0)・ExxonMobil(リーダー,60%),Occidental(20%)Marathon(20%)(cid:0) <ガス上流>(cid:0)・Midyan(陸上),Barqan(海上),Umm Luj(陸上),al-Wajh(陸上)などの北部紅海地域既発見未開発ガス田の探鉱開発及びガス処理設備の建設(cid:0)<ガス中流,下流その他>(cid:0)・上記ガス田よりTabuk,Yanbuまでのパイプライン建設(cid:0)・発電プラント,海水淡水化プラントの建設(cid:0)・約50億ドル(cid:0)・RD/Shell(リーダー,40%),TotalFinaElf(30%)Conoco(30%)(cid:0)<ガス上流>(cid:0)・新たなガス探鉱の実施(Rub al Khali砂漠の一角,UAE国境付近)(cid:0)・Kidanサワー・ガス田開発のFS(cid:0)・Shaybah油田随伴ガス処理及び輸送設備の建設(cid:0) <ガス中流,下流その他>(cid:0)・Shaybah,KidanよりHawiyahプラント(コアベンチャーNo.1)までのガスパイプライン建設(cid:0)・石油化学プラント,発電プラント(1100MW),海水淡水化プラント(75百万ガロン/日)の建設(cid:0)投資額(cid:0)参加企業(cid:0)(cid:0)総容(cid:0)(cid:0)内投資額(cid:0)参加企業(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)総投資額(cid:0)参加企業(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)総容(cid:0)(cid:0)内容(cid:0)(cid:0)内【南Ghawar地域(cid:0)     開発プロジェクト】(cid:0)アベンチャーNo.1(cid:0)(cid:0)コアベンチャーNo.2(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)コ【紅海地域開発プロジェクト】(cid:0)アベンチャーNo.3(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)(cid:0)コ(cid:0)【Shaybah地域開発(cid:0)       プロジェクト】(cid:0)指し,両者は今後も粘り強い交渉により障害を克服していく必要がある。」と交渉決着への強い決意と期待を表明したが,個別の交渉状況についてはコメントを避けた。3.交渉の現状と今後の見通し著名な中東専門家A氏は,Gas Initiativeプロジェクトの現状(懸案事項等)及び今後の見通しについて,以下のような見解を述べている。(1)サウジ側提示事項交渉においてサウジ側からは,IOCに対し,以下の内容の確認事項(条件等)が提示された。ア)IOCに提示されている新規ガス田のうち,Saudi Aramco発見エリアに近い鉱区の天然ガス評価ポテンシャルは高い。イ)国際基準に基づいた経済性(リターン)の確保。上流,中流,下流毎に投資に見合う適切な財務条件の確保。ウ)天然ガス生産に伴うNGLは,IOCが自由に―107―石油/天然ガス レビュー ’02・5カ産,販売できる。原油は対象外。エ)プロジェクト収益性エ)コアベンチャーNo.1におけるプラント用フィードガスは長期的に供給保証。オ)下流プロジェクト向けフィードストックガス(NGL含む)は,IOCがガスを発見するまで長期供給保証。カ)Saudi Aramcoは,競合先としてではなく共同事業者としてIOCのプロジェクトに参加。キ)Gas Initiative向け新規法制度は,SPC(最高石油評議会)の承認後,官報に公告される。(2)懸案事項現在までの精力的な交渉で,サウジ側の譲歩もあって相当な進捗が見られたが,なお経済性を始めいくつかの重要事項について合意に達していない。交渉の遅れの責任を問われることを避けるため,IOCはできるだけ協力的な態度を示そうとしている。ア)ガス資源へのアクセスと探鉱エリアの有望性の評価特にコアベンチャーNo.1及びNo.3について,ガス資源の有望性(prospectivity),サイズ,性状,生産コスト等に関して,サウジ側とIOCの見解が大きく分かれている。十分な上流ガス資源が得られない場合,各コアプロジェクトに含まれる中流及び下流プロジェクトの収益性の悪化につながることから,既存震探データを厳しい基準で評価するIOCに対し,サウジ側は楽観的な見方を取っている。イ)Saudi Aramcoの権益参加比率サウジ側は20%以下を提示。SaudiAramcoの参加比率を極力低く押さえたいIOCの要望をふまえ,サウジ側が譲歩した。最終合意がどうかは不明。ウ)SABICの権益参加比率石油化学分野におけるSaudi BasicIndustries Corporation(SABIC,サウジ基礎産業公社)の参加比率は,50%(SABICの当初要望)ではなく35%以下とすることをサウジ側が提案。IOC側は,コア事業トータル及び個別プロジェクト毎にIRR14?18%を目指す。ExxonMobilのRaymond CEOは2月18日のトップ会談で,IRR 16?18%を要望した。これに対しサウジ側,リターンの保証は受け入れられないとしている。オ)販売ガス価格,NGL価格サウジ政府は現行の国内ガス販売価格$0.75/百万Btuを維持する方針。一方IOC側は,プロジェクトの収益性向上のため,価格の上方修正を要望。また,収益性確保の面でガス価格同様に重要なNGL価格については,IOCは商業ベースでの輸出価格設定を要望。サウジ側はIOC要求に理解を示しており,受け入れに前向き。カ)税務,財務面の取扱い政府は,競争力向上策として累進課税の導入を提案している。また,IOC各社は,サウジ企業と同等の財務条件の適用を受けられる。石油化学プラント向けフィードストック価格(エタン,プロパン等)についても,サウジ国内の他の石化プラント向けと同レベルの価格設定。キ)ガスフィードストックIOCが自社鉱区でガスを発見するまでの間のつなぎとして,下流プラント向けフィードストックガス及びNGLの供給が保証されることとなっているが,ExxonMobilのRaymond CEOは2月の会議で,IOC開発のガス資源(埋蔵及び生産量)が当初予想を下回った場合についても,供給保証を要求した。ExxonMobilの要求に対するサウジ側の反応は明らかではない。ク)下流プロジェクトの範囲IOC側は交渉の過程で,下流の対象範囲を発電及び石油化学事業に限定し,当初範囲に含まれていた海水淡水化事業を対象から除外すべきであると主張している。GasInitiativeプロジェクトの法制度の所管範囲に淡水化事業を含めようというサウジ政府の試みは,現時点では,失敗に終わっている。石油/天然ガス レビュー ’02・5―108―i3)契約交渉の今後の見通しコアベンチャーNo.2の「中止」報道が行われるなど,交渉は予想以上に難航しており,今後の見通しについて悲観的な見方が広がっているが(上述1.及び2.参照),中東専門家A氏は以下の通り,比較的楽観的な見通しを示している。① 両当事者にとって,交渉が失敗に終わった場合の政治的,経済的コストは,非常に高くつくことから,交渉をなんとしてもまとめたいということで,基本的認識は一致している。② Gas Initiativeプロジェクトは,1998年にサウジの事実上の最高指導者であるアブドラ皇太子自身のイニシアティブにより始まった国家的事業である。2001年11月の会談で,皇太子はExxonMobilのRaymond CEOに対し,プロジェクトのフルサポートを約束している。③ 従って,最近数ヶ月の米国?サウジ関係のぎくしゃくした関係にも関わらず,数ヶ月の間には,よい結果がもたらされると考えられる。(担当 猪原)ノルウェー:SDFI権益の売却結果―109―石油/天然ガス レビュー ’02・5DnB Marketsが同国石油エネルギー省の顧問を務めており,また,同省はLambert EnergyAdvisory,Thommessen Krefting Greve Lundからもアドバイスを受けている。今回の売却は,Oseberg,Gyda/Tambarエリアの所有権の調整問題,Oseberg,Grane,Draugen各フィールドのオペレーター強化,小規模生産フィールドや老朽化フィールドの開発促進等に貢献し,ノルウェー大陸棚に更なる価値を生み出すものとされており,また,ノルウェー大陸棚の新規参入者にとっても,今回のSDFI売却により自社のポジション強化に資するものとなっている。(1)各個別売却結果ア.OsebergエリアOsebergエリアのSDFIは,Norsk Hydroに34%,TotalFinaElfに10%,それぞれに4ラNew ownership structure in the Oseberg area:(cid:0)171B(cid:0)31,00(cid:0)15,00(cid:0)10,00(cid:0)34,00(cid:0)10,00(cid:0)?(cid:0)079(cid:0)42,00(cid:0)14,00(cid:0)?(cid:0)34,00(cid:0)10,00(cid:0)?(cid:0)104(cid:0)20,00(cid:0)20,00(cid:0)5,00(cid:0)34,00(cid:0)10,00(cid:0)11,00(cid:0)053(cid:0)35,00(cid:0)14,00(cid:0)7,00(cid:0)34,00(cid:0)10,00(cid:0)?(cid:0)DOE (cid:0)Statoil (cid:0)Exxon Mobil (cid:0)Norsk Hydro(cid:0)TotalFinaElf (cid:0)Conoco(cid:0)S1.SDFI権益放出の概要ノルウェー石油エネルギー省は3月19日,国営の石油・ガス保有を削減する計画に基づき,石油会社に対する沖合い権益(SDFI:the StateDirect Financial Interest)の売却結果を発表した。SDFI権益売却は,同国国会計画 第36条(2000,2001)「Statoilの所有権とSDFI管理計画」に基づき選択され,その後,国会で議決されている。議決では,SDFIは市場価値に見合った価格で売却されねばならないと強調されていた。同国政府は昨年,同国のStatoilにSDFIの約15%を売却している。売却価格は$43億8千万であった。今回の売却では,SDFIの6.5%,計30ライセンスが売却されている。落札者は,Norsk Hydro,TotalFinaElf,Shell,Conoco,Marathon Oil,PaladinResources(英国),Gaz de France,出光,及びDONG(ポーランド)の9社。今回のSDFI権益売却総額は,約$955百万であった。今回の売却にあたっては,UBS Warburg,
地域1 中東
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国・地域 中東,サウジアラビア
2002/05/30 [ 2002年05月号 ] 猪原 渉
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