ページ番号1006008 更新日 平成30年3月5日

トルクメニスタン~アフガニスタン~パキスタン 天然ガスパイプライン建設計画は経済性に問題あり、当面実現可能性は低い

レポート属性
レポートID 1006008
作成日 2002-05-30 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 天然ガス・LNG探鉱開発
著者
著者直接入力 古川 純也
年度 2002
Vol 35
No 3
ページ数
抽出データ 3.出光への権益売却結果出光興産は3月20日,同社の子会社・出光スノーレ石油開発が,ノルウェー政府による公開入札に現地法人Idemitsu Petroleum Norge(IPN)を通じ応札した結果,Fram油田の権益15%を落札した,と発表している。同社は3月18日,ノルウェー石油エネルギー省との間で売買契約に調印済み。これにより,出光のノルウェー領北海における生産量は,既に取得しているスノーレ鉱区の平均36,000b/dにFram油田が加わることで,2004年には48,000b/dに増加する見込みで,同社の北海における石油開発事業が一層促進される見込み。Fram油田は,Bergen北西120km,水深355mのノルウェー領北海北部に位置し,近傍は,Trollガス田などの有望な油・ガス生産地域。2001年3月に開発計画がノルウェー石油エネルギー省により承認され,現在,2003年の生産開始に向け開発作業が進められている。ピーク時の生産量は,約60,000b/dで,IPNの取り分は約10,000b/dの見込み。Fram油田の権益比率は下表の通り。会社名(cid:0)権利比率(cid:0)Idemitsu Petroleum Norge(cid:0)Norsk Hydro(*)(cid:0)ExxonMobil(cid:0)Statoil(cid:0)Gaz de France(*)オペレーター(cid:0)15%(cid:0)25%(cid:0)25%(cid:0)20%(cid:0)15%(cid:0)(担当 小林)トルクメニスタン?アフガニスタン?パキスタン天然ガスパイプライン建設計画は経済性に問題あり,当面の実現可能性は低いアフガニスタンに暫定行政機構が発足し,トルクメニスタン?アフガニスタン?パキスタン天然ガスパイプライン(以下「アフガン・パイプライン」)の建設計画が再び注目されている。同プロジェクトは1997年に米国Unocalの主導で進められていたが,1998年の米国によるアフガニスタンへのミサイル攻撃後,同社が撤退し,計画は宙に浮いていた。当時,米国政府が強力に支持していたように,本来,政治的意図が強いプロジェクトだが,今回もアフガニスタンの復興事業として再び期待されている。しかし,政治リスク,建設リスクのみならず,採算面等においても障害が大きく,多くの前向きな一般報道に反して,専門家は現時点での実現の可能性を厳しく評価している。1.プロジェクトの概要と経緯,支援の背景としてある政治的意図同プロジェクトはトルクメニスタンDauletabadガス田(可採埋蔵量25tcf)からアフガニスタン経由で,パキスタンに天然ガスパイプライン(全長1271km)を建設するものである。更に需要が期待されるインドへの延長(640km)も検討されていた。1997年に事業主体Centgas(シェアはUnocal54.4%,Delta15%,トルクメニスタン政府7%,Inpex7.22%,伊藤忠石油開発7.22%,韓国現代5.54%,パキスタンCrescent3.89%)が設立された。当時,供給ソースであるトルクメニスタンには国内の豊富なガスをロシアの影響を避け,かつイランを迂回して輸出するという構想のもと,計画を支持していた。また米国政府は,ソ連の軍事介入後混石油/天然ガス レビュー ’02・5―112―随ヤにあった同国においてタリバン勢力を利した「平定」を目指しており,「通過料収入により反ソ組織であったタリバンの支援を行う」という思惑のもと計画が進められていた。推進にあたったのはUnocalである。しかし,ケニア・タンザニアでの米国大使館爆破事件後,米国はアフガニスタンのアル・カイーダ基地をミサイル攻撃し,結果的に1998年12月にUnocalはプロジェクトから撤退した。(タリバン側は引続き建設に強い意欲を示していたが,計画は進まなかった。)2001年9月11日のNY同時多発テロ後,米国はアフガニスタンのタリバンを攻撃し,その後,暫定政権としてアフガニスタン暫定行政機構が発足した。同行政機構のカルザイ議長は復興事業としてアフガン・パイプライン・プロジェクトの再起動を訴え,パキスタン,トルクメニスタンとの交渉を開始している。カルザイ議長は2月にはパキスタンのムシャラク大統領と計画復活の基本合意を行っており,直後にトルクメニスタンと協議を行い,ニヤゾフ大統領は同計画を前向きに行うとのコメントを行っている。周辺国の前向きな姿勢のみならず,米国も中央アジアへの存在感を示すべく,同計画の重要性を再確認するコメントを発表している。しかし,同計画は米国の「アフガン平定」のかなり以前から「ファイナンス協議など具体的な検討に入った」とPRされていたが,その後企業の具体的な動きはなく,現段階で建設に向けて計画が具体化しているわけではない。2.プロジェクトの実現性への疑問(周辺国の状況)アフガン・パイプラインは,周辺国の最近の状況から判断し,その経済性に問題を抱えており,当面の復興事業としての実現性はかなり低いと言える。(1)トルクメニスタンの状況?ロシアへのガス輸出が有利トルクメニスタンは天然ガスの大埋蔵を抱えているが,国内需要は少なく,その輸出ルートも十分ではない。同国は旧ソ連時代には現在のロシア向けに80bcm/yの輸出能力を有していたが,ロシアの生産量拡大により1997年当時は同ルートによる輸送がストップしていた。輸出先をまったく失っていた当時は,販路を拡大すべく同国もアフガン・パイプラインを有望なプロジェクトとしていた。しかし,現在は天然ガス生産が低迷しているロシアがトルクメニスタンからの輸入を再開させており,環境は大きく変わっている。Gazpromの開発投資停滞により,生産量が減少をたどるロシアは自国生産のみでは国内需要と国外輸出を賄いきれず,2000年からトルクメニスタンからの輸入を再開している。ロシア・ルートは80bcm/yの輸送能力を持つが,現在老朽化により実働能力は半分と言われており,2001年には30bcm/yがロシアに輸出された。ロシアではZapolyarnoyeガス田の生産が本格化するまで,今後もトルクメニスタンからの輸入拡大が予測されており,トルクメニスタンにとってはアフガン・パイプラインと比較し,既存インフラを備えるロシアへの輸出のほうが当面有利である。(2)パキスタン?国内でガス田開発活発化,競合プロジェクト多いアフガン・パイプラインはパキスタンでの需要拡大を前提している。パキスタンの需要予測は専門家の間でも大きくわかれているが,「需要は低迷する」,「需要は拡大するが,国内生産拡大(Bhit/Badhra,Sawan,Zamzamaガス田等の新規ガス田開発を推進)及び他の輸入プロジェクト導入(2002年2月にイラン?パキスタン・パイプラインのMOU締結)により賄われる」とのそれぞれの異なる見方によっても,アフガン・パイプラインにとって有利な状況はない。(3)インドへの延長は政治的に困難更にその先に求められるインドという大需要地も,現在のパキスタンとの関係が改善に向かうかどうかは不透明であり,パイプライン敷設は依然容易ではない。現在計画されているイラン?パキスタン?インド天然ガスパイプライン(陸上ルート)についても,インド側には「敵―113―石油/天然ガス レビュー ’02・5早vパキスタンを迂回する海底ルートを推す意見が根強いと伝えられている。3.結論?現時点でのプロジェクトの実現性は低い以上のように同計画については政治的思惑が経済的要因に勝ることで推進期待論が強い。しかし,その状況を経済的観点から見れば,今後10年という期間においては,アフガン・パイプラインは実現性が低く,復興事業として当面のプロジェクトにはなりえないと言える。再びその実現性が見直されるのは,ロシアの生産が拡大し,トルクメニスタンの天然ガスが行き場を失ったとき,またパキスタンとインドの関係が大幅に改善されたときであり,その時点でのアフガニスタンの政情次第で,同プロジェクトは中央アジアの輸送ルートのひとつとして改めて可能性が議論されよう。(担当 古川)ベネズエラ:PDVSA経営陣の交代で国内の混迷はさらに深まる大規模なゼネストが実施される中,4月12日には国軍首脳部による事実上のクーデターが発生し,Chavez大統領は失脚,国軍出身で経済団体Fedecamaras会長Pedro Carmona氏による暫定政権が成立した。しかし,それから僅か2日後の4月14日,Chavez氏を支持する民衆の強い訴えに基づき,同氏は大統領に復帰することとなった。一方,就任間もないGaston ParraPDVSA総裁は辞任することになった。同国のこうした急展開の背景には以下のような事情がある。1.PDVSA総裁Lameda氏の解任Chavez大統領は,2月8日,突如Guaicaipuro Lameda氏のPDVSA総裁解任を発表した。Chavez政権とLameda氏との間には次のような意見の相違や摩擦があり,これらが今回の結果に影響を与えたものと考えられる。(1)新炭化水素法に対する反対Chavez大統領は近時,新炭化水素法を導入した。同法では,①上流開発プロジェクトのロイヤルティをそれまでの16.67%から30%まで引き上げ,②PDVSAは上流開発プロジェクトの51%の権益を取得せねばならないことになっている。Lameda氏はこれらの点に反対していた。(2)PDVSAの組織再編への反発Chavez大統領に忠実な鉱業・エネルギー副大臣Bernardo Alvarez氏は,PDVSAの中のガス部門をスピン・オフさせ,PDVSAとは独立した国営企業をつくる構想をもっていたが,Lameda氏はこれに強く抵抗し,受け入れようとしなかった。(3)PDVSAの資金に依存する政府財政への批判国家の支出計画の財源としてPDVSAからの資金提供(fiscal contribution)は極めて重要である。Chavez政権はここからのスムーズな資金流入を期待していたが,Lameda氏は必ずしも大統領の思惑通りには行動しなかった。Lameda氏は「PDVSAが政府の財政問題の全てを解決できると思うのは大きな間違いだ。」と政府の姿勢を厳しく批判してきた。そこにはPDVSAが2001 年には借入金約90億ドルという重い負担を担いながらも,政府へ120億ドルもの資金提供を既に行ってきたという背景がある。(4)OPECとの協調重視への批判Chavez政権はOPECとの協調を重視し,石油生産枠に基づく生産調整を実施してきた。Lameda氏は,「OPECの石油生産枠遵守による産油量削減でベネズエラはこれまで大きな国家的不利益を被ってきた。非石油/天然ガス レビュー ’02・5―114―
地域1 旧ソ連
国1 トルクメニスタン
地域2 中東
国2 アフガニスタン
地域3 アジア
国3 パキスタン
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
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地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,トルクメニスタン中東,アフガニスタンアジア,パキスタン
2002/05/30 [ 2002年05月号 ] 古川 純也
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