ページ番号1006029 更新日 平成30年2月16日

朝鮮半島における石油・天然ガスの開発状況

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レポートID 1006029
作成日 2002-09-30 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 石井 徹
年度 2002
Vol 35
No 5
ページ数
抽出データ 出所:国家発展計画委員会 Mr. Song 予測(Reuters2001.10.24に基づき作成)図1 中国における天然ガス生産予測 プライン)に供給されることが確実であり,安定した消費が見込める有望プロジェクトと言える(表1参照)。南Sulige鉱区はSuligeガス田の南部に位置している。数社がデータパッケージを購入し,そのうちTotalFinaElfがPetroChinaと同鉱区における半年間の非排他的共同スタディ契約を締結している模様である。同鉱区のデータパッケージ価格は公表されていないが,2001年4月にPetroChinaは既存開放鉱区のデータパッケージ価格の値引き(探鉱鉱区を15万USドルに,開発鉱区を7万USドルに値引き)を行っており,同鉱区の価格は15万USドル程度と推察される。「西気東輸」パイプラインにはタリム盆地で生産される天然ガスとオルドス盆地で生産される天然ガスが供給されることになっている。PetroChinaが南Sulige鉱区を開放することにした理由は,有望な既発見鉱区を出し惜しみするとして外資から敬遠されていた中国の陸上鉱区へ外資を呼び込み,開発を加速して「西気東輸」の供給を安定させることにあると推察される。「西気東輸」プロジェクトは,当初上流(天然ガス田探鉱・開発)・中流(パイプライン)・下流(配給・販売)の部門別に入札を実施することとなっており,有望な既発見鉱区(タリム盆地のガス田(克拉(Kela)?2ガス田他5ガス田))が初めて外資に開放されたとして外資の関心を集めた。しかし中流・下流は投資規模やリスクが大きいとして外資が敬遠したため,結局上流・中流・下流のパッケージ入札となった。入札の結果,外資パートナーは2002年7月にR/DShell,ExxonMobil,Gazprom等に決まり,PetroChinaとの間でFrameworkAgreementが締結された。一方,「西気東輸」の先行供給源とされているオルドス盆地のガス田開発はFrameworkAgreementには含まれていない。オルドス盆地のガス田は,地質条件はそれ程良好ではないようであるが,タリム盆地に比べ,消費地に近いことから開発が容易と見なされており(オルドス盆地における天然ガス生産予測については図1参照),南Sulige鉱区の対外開放はそのポテンシャルの高さから,外資の関心を集めている。(担当 竹原)朝鮮半島における石油・天然ガスの開発状況1.大韓民国の国内天然ガス開発(1)韓国の国内大陸棚探査韓国では1969年に大陸棚の石油,ガス探査が開始されており,韓国石油公社(KNOC)は1972年から計34坑の試掘を行っている。大陸棚に対する物理探査は,1972年から1982石油/天然ガス レビュー ’02・9―66―Nの間,Gulf,Shell,Texaco等の外国企業の主導で行われ,9坑の試掘も実施され,大規模な堆積盆地と石油資源の存在の可能性を確認した。1983年以降,探査はKNOC社主導で展開され,物理探査と25坑の試掘が実施された。この結果,大陸棚6?1鉱区に良質のガス層が発見され,さらに正確な埋蔵量を算定するための調査が行われ,1998年には蔚山(ウルサン)海岸南東沖合58km,水深150mに位置する「東海?1ガス田」に経済性のある天然ガスの埋蔵が確認されるに至った。2002年3月15日,韓国初の天然ガス生産基地となる「東海?1ガス田」の陸上生産施設の起工式が蔚山ウルジュー郡で行われた。起工式に出席した金大中大統領は,「我々は1969年国内大陸棚探索を始めて以来,30余年ぶりに産油国の夢が実現した。一部ではあるが自主的なエネルギー調達が可能だという自負心と共に,今後継続的な大陸棚開発に対し無限大の希望と自信を持てるようになった。」と語り,韓国内各誌もこのニュースを「韓国も産油国入り」と報じるなど,地下資源の乏しい韓国における期待の大きさがうかがわれた。KNOCによると,このガス田には2,000億ftの天然ガスが埋蔵されており,液化天然ガスに換算すると400万t(2001年の韓国のLNG国内消費量(1,558万7千t)の25.7%に相当),予想販売収益は10億ドル規模で,ここから施設投資額(3億ドル)と法人税等(4億ドル)を除けば,純益は3億ドルに達する見通しだ。生産施設の建設は現代重工業と三星エンジニアリングが行い,施設工事は2003年11月に完成,同年12月から本格的に天然ガスを生産する。生産されるガスは,ガス会社主配管網を通じて蔚山・慶尚南道(キョンサンナムド)地域に供給する計画であり,毎年40万tずつ10年間にわたって生産される予定である。(2)日韓大陸棚共同調査の再開石油公団とKNOCとの間で検討されてきた,日韓大陸棚共同開発区域における3D物理探査の共同実施に向けた合意書が,両公団間で取り交わされ,具体的に共同作業が開始されることとなった。これは,昨年12月,平沼経済産業大臣と韓国産業資源部チャン長官との間で確認された石油天然ガス分野における両国の技術交流をはじめとして協力関係の拡大を図る一環と位置付けられるものであり,本事業の成果は,将来の日韓大陸棚共同開発区域における石油天然ガス開発の促進に繋がることが期待される。①これまでの共同開発状況日韓大陸棚共同開発区域においては,「日本国と大韓民国との両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定」(昭和53年条約8号)に基づき,韓国と共同で2回(第1ラウンド:昭和54年?62年,第2ラウンド:平成3年?5年)の探鉱事業が実施され,民間ベースで7本の試掘が行われたが,商業ベースの石油等の開発には至らなかった。平成12年から,KNOCとShell社が共同で過去のデータを基に約1年間かけて再解析・検討を実施。しかしながら平成13年9月にShell社は,現状では経済性等の面で探鉱リスクが高いと判断し,事業実施を断念している。その後,日韓の課長級非公式会合において具体的協力のあり方について検討・調整が進められ,平成13年12月の平沼経済産業大臣とチャン韓国産業資源部長官との会談において,石油天然ガス開発分野における技術協力等について両国間の協力の拡大をしていくことで意見の一致をみた。今回,その具体的協力の実現として,石油公団とKNOCとの間で3次元物理探査共同事業が実施することとなったものである。②今回の調査について過去に日韓大陸棚共同開発区域において実施された石油・天然ガスの探査は,中新統を対象とするものであった。しかし,その後,同区域南西延長部で,始新統を主要産ガス層とする平湖(ピンフー)ガス田が発見されたことから,日韓大陸棚においても,より深部の始新統を対象とする探査が期待されている。今回の調査は,日韓大陸棚協定に基づく探査の事前の段階として石油公団とKNOCが共同で,深部の地質構造を明らかにすることを目的―67―石油/天然ガス レビュー ’02・9ニして実施するものであり,調査結果は日韓大陸棚協定に基づく民間ベースでの探査・研究に活用されることが期待される。2002年8月22日?9月下旬までデータの取得を行い,その後,データの解析を来年9月頃までに終える予定である。物理探査船はジェコエメラルド号(ウェスタンジェコ社所有)。調査費用は日韓それぞれ50%を負担する。なお,今回実施される3次元物理探査は,海上で人工的に発生させた地震波が地層の境界面で反射して戻ってくる波長(反射波)を受信器でとらえて,地下の地質構造を立体的に把握するものである。なお,地震源としては圧搾空気を用いるエアガンを使用する。2.北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)における原油開発(1)北朝鮮の原油探査の歴史北朝鮮は,30年以上も前から原油探査を行っている。1965年に8月「燃料資源地質探査理局」を設置,68年には平安南道(ピョンアンナムド)安州(アンジュ)市粛川(スクチョン)郡に原油探査を専門とする研究所を設置し研究・探査を行っている。83年10月には原油探査総局を政務院(内閣)の傘下に設置し,シンガポールから1万4千t級の試掘探査船を購入するとともにボーリング設備を独自に建設するなど,西海の南浦(ナンポ)沖合での探査に力を入れた。1987年にはイランとオーストラリの企業が南浦沿岸2万2千600km2の探査・試掘を行っている。90年代に入ると金正日総書記自ら石油開発に全力を挙げるよう陣頭指揮をとり,93年7月には原油探査総局は原油工業部(1998年に採取工業部に改称)に格上げされ,94年4月の最高人民会議第9期第7回会議では,「原油工業部門への投資を拡大し,より多くの原油埋蔵地を探し出す」ことが強調された。 石油/天然ガス レビュー ’02・9―68―i2)北朝鮮の原油埋蔵地域を図っている。北朝鮮の原油工業部は地質学・地理物理学的分析と試掘の結果であるとして,7ヵ所の原油埋蔵地域を発表している。日本海(東朝鮮湾)の元山(ウォンサン)沖,西海の南浦沖,咸鏡北道(ハムギョンプクド)の吉州(キルジュ)と鏡城(キョンソン),平安南道の温泉(オンチョン)と安州及び平壌近郊であるが,このうち西海の西朝鮮湾盆地と安州盆地が有望だという。北朝鮮関係者の話では,西朝鮮湾盆地には推定50億?400億bblの原油があると試算されているという。(3)北朝鮮の原油開発の現状北朝鮮の原油開発の現状に関しては,信頼できる情報の入手がなかなか困難であることから全容は明らかになっていないが,隣接する韓国を中心に,北朝鮮の原油開発について次のような報道がなされている。②安州市粛川郡の原油生産2002年8月2日付の中央日報(韓国)は,同年7月に中国の探査チームにより撮影された北朝鮮の原油採掘設備の写真を掲載するとともに,この地域で1日400bblの原油生産を行っている事実が確認されたと報じた。掲載された写真は,中国の石油探査チームが北朝鮮の平安南道安州市粛川郡及び文徳郡(ムンドク郡)一帯の調査を行った際,粛川郡チャンドン里で撮影したもので,ロシア製の石油生産施設であるとみられている。さらに,この探査チーム関係者は「この装備はこの地域に4台があり,1日最大400bblを生産している」と話しているという。粛川郡チャンドン里は,原油があるとされる安州市粛川郡と文徳郡の間の西海岸から5km程離れた地域である。①肅川郡近海の油田開発③咸鏡北道における開発2001年5月24日付の朝鮮日報(韓国)は,北朝鮮が99年より肅川郡近海の油田から年間220万bblの原油を生産することに成功し,過去約40年にわたった宿願の産油国入りの夢を果たしたと報じた。政府関係者たちによれば,北朝鮮は98年中盤,平安南道肅川郡近海に位置した油田から原油の試験生産に成功したのち,毎年この油田から220万bblの原油を生産してきている。これにともない,北朝鮮は去年から原油30万tを,特定品目の年間国家総生産量を指す国家指標と定めてきている。肅川郡油田開発など,北朝鮮の原油開発は洪総理の指揮のもと原油工業総局(総局長コ・ジョンシク前政務院原油工業部長)とその傘下の朝鮮石油開発会社(Korea Oil Exploration Co.)が行っており,旧ソ連,東ドイツ等から招聘された石油開発技術者がこれを支援している。北朝鮮の人民武力部は,肅川郡油田での原油試験生産に成功すると,住民たちのこの地域周辺への接近を禁止するなど保安を強化し,原油生産に成功した事実は対内・外的に極秘にしたまま肅川郡油田の生産量増大と他の油田の開発2002年8月28日付のBusiness Times(シンガポール)は,シンガポールのSovereignVentures Pte Ltdが咸鏡北道(ハムギョンプクド)の会寧(フェリョン)と穏城(オンソン)において大量の天然ガスと油田を発見したと次のように報じた。Sovereign社によると,埋蔵量は推定でガス1兆cf,原油は1,000万bblが見込まれるという。調査はまだ調査対象地域の3分の1までしか行われていないことから,推定埋蔵量はさらに膨れ上がる可能性がある。Sovereign社は2001年9月,6,000k・相当の土地の採掘権を国営企業である朝鮮石油開発会社から取得することに成功している。採掘権は25年で,最初の3年が地震探査,次の2年が掘削,残り20年が生産段階となり,政府との条件交渉で契約延長も可能となっている。なお,北朝鮮において内陸部での採掘権が外国企業に与えられたのは初めてのことである。また,ガスと原油の埋蔵量測定については,カナダのExcel Geophysics社が受注している。Sovereign社はコスト負担を緩和するため,―69―石油/天然ガス レビュー ’02・9JナダのSovereign Ventures Canada(SVC)と契約し,全ての資本投資と・掘削費用の全額提供を受ける見返りに,最大で収入の85%をSVCに与える。SVCと契約したことについてSovereign社のBen Tan副社長は「カナダは石油技術で最高水準のノウハウを持つうえ,我々の掘削地の状況がカナダのAlberta州と良く似ている」と説明している。Sovereign社は採掘資源の45%を取得することができ,残り55%は北朝鮮政府が保有する。同社は今回の掘削プロジェクトに1,000万米ドル以上を設備投資する予定であり,うち200万米ドルが最初の5年間の試掘段階に投資される。(3)今後の展望①国外からの資金及び技術の誘致食糧問題をはじめ経済状態が厳しい北朝鮮では,莫大な費用がかかる原油開発の資金捻出は難しい。こうした現状の中,1998年の韓国の現代グループ鄭周永名誉会長の訪朝時,金正日総書記と同会長との会談で北朝鮮の原油開発に関する話し合いがなされており,また,2002年3月,金永南・最高人民会議常任委員長がマレーシアを訪問した際にも,北朝鮮の油田探査に対する積極的な参加を要請するなど,北朝鮮は外資・技術誘致に力を入れている。②南北経済協力への期待2002年8月21日,韓国の産業資源部は,大韓鉱業振興公社と北朝鮮のサムチョンリ総会社が北朝鮮のヨンホ黒鉛高山を共同開発することで合意したと発表した。豊富な北朝鮮の地下資源を南北共同で開発する初の試みであり,韓国側は事業が安定したところで民間企業に移行させる予定である。更に2006年までにマグネサイトと鉄鉱石を含む最低5種以上の鉱物開発事業を行う方針で北朝鮮と協議している。これを契機に北朝鮮の地下資源開発における南北協力の進展が期待されるところである。しかし,2002年12月には第16代韓国大統領選挙が予定されており,最大野党のハンナラ党が政権を奪う場合には対北朝鮮政策も大きく変わる可能性がある。また,北朝鮮指導部がどのような情勢認識をしているかは判然としておらず,北朝鮮の経済政策をはじめとした投資環境の予測も難しい。変動する朝鮮半島の情勢については,今後とも注視する必要がある。(担当 石井(徹))石油/天然ガス レビュー ’02・9―70―
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国・地域 アジア,韓国アジア,北朝鮮
2002/09/30 [ 2002年09月号 ] 石井 徹
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