ページ番号1006036 更新日 平成30年2月16日

FONG:Floating Oil & Natural Gas ― Shell が進める沖合開発スキーム―

レポート属性
レポートID 1006036
作成日 2002-11-30 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 技術探鉱開発
著者
著者直接入力 大井 一伴
年度 2002
Vol 35
No 6
ページ数
抽出データ FONG: Floating Oil & Natural Gas?Shellが進める沖合開発スキーム?1.浮体式設備による開発スキーム浮体式設備を活用した沖合油・ガス田の開発スキームとしてFPSO(Floating ProductionStorage Offloading[注1])が知られている。この内,特にLNGを生産するための設備を備えたものをFLNG(Floating Liquefied NaturalGas)と呼び,現在Shellの主導によってチモール海(Greater Sunriseフィールド[注2]),ナイジェリア沖(Nnwa/Doroフィールド[注3])で計画が進行中である。沖合ガス田のLNG開発にFLNGスキームが導入された場合,従来必要とされた陸上の液化設備までのパイプラインが不要となり,液化・貯蔵・出荷設備の建設コスト低減にもつながるため,これまで開発が難しかった遠距離・深海・辺境・小規模の沖合ガス田を市場競争力のある形で開発するスキームとして,広く関心が寄せられている。また,埋蔵量が将来枯渇した場合でも,生産設備を他のガス田に移動・転用可能である点も浮体式開発スキームの特長といえる。2.FONG(1)概要今回,9月初旬の第17回World PetroleumCongress(於リオ・デ・ジャネイロ)でShellが発表したFONGも上述FLNG同様のコンセプトに基づくものであり,従来スタンド・アローンでは開発困難とされてきたフィールドの開発注1)世界のFPSO隻数[2001年7月時点:Bluewater社ホームページより]:73隻(内,6隻建造中)注2)Greater Sunrise:豪州沖500km,水深100m?300m(170m)注3)Nnwa/Doro:ナイジェリア沖60km,水深200?1,600m注4)BP統計:2001年現在注5)Wood Mackenzie Upstream Energy Research注6)IHS Energy Global E&P Service Reportに貢献するものである。しかし,FONGは石油の生産を行うと同時に,その随伴ガスをフレアなどの態様で処分せず,これをLNGにするという点に主眼があり,随伴ガスの比率・量が多い辺境のフィールドを開発するスキームとして打ち出された。この点,非随伴ガスを念頭において船上でLNGを生産するFLNGとは異なる特徴を持っており,浮体式開発スキームのメニューを一段と増やすものといえよう。例えばメキシコ湾のように,沖合パイプライン網が整備されて近隣市場・周辺需要も十分ある地域であれば別であるが,そうでないエリアにおける沖合油田の開発・生産では随伴ガスをフレアするか,または再注入するのが従来の一般的な姿であった。しかし,FONGはFPSOとFLNGとを発展的に統合し,そのように単に処分されていただけのガスを船上でLNGという製品にして出荷することにより,全体的な収益の改善に資するものと位置付けられる。(2)導入地域実際,ShellがFONGの最初の導入地点として考えているのはナイジェリア(具体的な導入地点は未だ特定されていない)である。ナイジェリアは124tcf[注4]のガス埋蔵量を有しているが,大半が随伴ガスである(先述のNnwa/Doroは数少ない非随伴ガス田)ため,13.4bcm/年[注4]のガス生産量(内,LNG:7.83bcm/年)がある一方で,約20.7bcm/年[注5]のガスがフレアされているのが現状であり,ナイジェリア政府はガス資源の収益源化と環境対策の見地から,2008年までにガスのフレアを止めることを方針に掲げている(最近,政府はこの期限を2004年に前倒しすることを表明し,Shellをはじめとする石油企業から「早すぎる」として強く反対されている)。同国においてShellは840千b/d[注6]の原油を石油/天然ガス レビュー ’02・11―50―カ産(2001年)し,ナイジェリアLNGプロジェクト(NLNG)にもオペレーターとして参加している(これは陸上プラント)。同社は2007?2008年にはFONGを稼動させたい意向であり,ナイジェリアの他にブラジル沖やカリブ海,南シナ海もFONG導入先の候補に挙がっている。<参考:NLNGプロジェクト概要>①権益比率(%):NNPC(cid:0)RD/Shell(cid:0)TotalFinaElf(cid:0)Agip49.0(cid:0)25.6(cid:0)15.0(cid:0)10.4②液化設備:295万t/年×3基(内,1基は本年末運開)増設計画:400万/年×2基(2005年運開予定)(3)FONG船のスペックFONG船は100百万?500百万boeの埋蔵量を*昨年ナイジェリアは約90万tのLNGをスポットで輸出した。これは全世界のLNGスポット取引の12%を占める。*FONG船のイメージについては,http://www.ifc.org/ogc/docs/proceedings/brinded.pdfで参照することができる。有するフィールドを対象として検討されている。大小二つの仕様が考えられているが,小規模タイプの船で100千b/dの石油及び85百万cf/dのガスを処理する能力を持つ。貯蔵能力は,石油が1.4百万bblでLNGは160千m3である。大規模タイプの船はこの二倍の能力を有する。また,FONG船からの出荷には一般的なサイズのLNGタンカー(125?135千m3級),石油タンカー(VL)を使用することが可能。コストとしては小規模タイプで約10億USDといわれている(因みに,Greater SunriseのFLNG開発(530万t-LNG/年を生産予定)のコストは約36億USD)。しかし,FONG船はLNG 1カーゴを出荷するのに30日程度かかるため,特定の仕向け先へ長期間継続的に供給を行うには不向きである。この点,「LNGプラント」としては本格的なものとはいえず,スポット出荷(前提としてLNGスポット市場の一段の成長が必須)ないしは,FONGと同じ権益保有者が展開する(近隣の)陸上LNGプラント・プロジェクトのサブ的な位置付けとして一体的・補完的に操業,出荷されるべきもの,と考えるのが現実的であろう。(担当:大井)イラク:「フセイン後」のイラク石油開発を巡る動き1.イラク問題を巡る最近の動向と今後の見通し(2002年11月15日現在の報道に基づく)(1)最近の動向米国によるイラク攻撃の可能性が高まるなか,国連安全保障理事会は2002年11月8日,イラクに大量破壊兵器の査察受け入れを要求する米英共同提出の修正決議を全会一致で採択した。最後まで修正案に難色を示していたロシア,フランスや非常任理事国で対米強硬派のシリアも土壇場で賛成に回り,国際社会が一致団結してイラクに武装解除を迫る強い姿勢を示した。これを受けて,イラクは11月13日,安保理決議の受け入れを伝える書簡を国連に対し提出した。今回の決議(安保理決議1441)によると,イラクは採択から7日以内(11月15日まで)に決議受諾の意志,国連の査察を受け入れるかどうかを表明しなければならなかった。米軍の攻撃を回避するためには決議受諾しか選択肢がない中,イラク国会が11日に安保理決議の受諾拒否を全会一致で決議したが,受諾決定が最高権力者のフセイン大統領が下した「英断」であるとの印象を内外に示すための演出であったものとみられる。大統領の対イラク武力行使を容認する米国上下院の決議が10月10日に可決され国内での「お―51―石油/天然ガス レビュー ’02・11
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2002/11/30 [ 2002年11月号 ] 大井 一伴
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