ページ番号1006147 更新日 平成30年3月5日

中国:LNG 受入計画ラッシュ続く

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レポートID 1006147
作成日 2005-01-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 天然ガス・LNG
著者 竹原 美佳
著者直接入力
年度 2005
Vol 39
No 1
ページ数
抽出データ 1. LNG受入基地計画の現況 2004年11月現在、LNG受入基地建設計画は3件増え、合計12件となった(表1参照)。 今年の10月から11月にかけて、中国海洋石油総公司(CNOOC)は江蘇省、遼寧省、広東省政府と相次いでLNG輸入プロジェクトを推進することで基本合意事業計画地方政府承認FS実施事業申請中央政府承認図1LNG受入プロジェクトの流れした。また、PetroChinaは11月に広西自治区政府とLNG受入ターミナルを建設することで基本合意した。 今回の合意により、江蘇省、遼寧省、広東省では、LNG受入ターミナル建設計画が2件ずつになった(本稿では、同じ省の2つのプロジェクトを区別するために、省のあとにⅠ、Ⅱを付けた。例:広東Ⅰ、広東Ⅱ)。もっとも、同じ省内といっても、基地と基地の間は200km程度離れており、日本で言えば、大阪ガスと東邦ガスがそれぞれの供給エリアでLNG受入ターミナルを建設するようなものである。マーケットについては不明な点もあるが、基本的には異なる地域を対象とし中国:LNG受入計画ラッシュ続くている模様である。 CNOOCのLNG事業寡占という構図に変化はない。同社はLNG受入計画12件のうち、9件で契約あるいは基本合意を締結している。2. 水力発電所建設などで農民の抗議行動多発。LNG受入事業にも波及するか? 2004年11月、中国政府は今後、住民の立ち退きが必要とされるダムや水力発電所建設プロジェクトを認可する前に、地元住民にヒアリングを行い、補償額についても十分に話し合う方針を決めた。これは、四川省や雲南省で立ち退きを巡る住民の抗議運動が続発していることを受けた動きである。現在のところ、LNG受入事業に直接的な影響は生じていないが、今後は抗議運動による建設の遅れや住民の補償費吊り上げによるコストアップなどの問題が生じる可能性も出てきた。3. 2004年11月以前の状況 2004年11月以前についても、中国におけるLNG受入事業はCNOOCの寡占状態にあった。当時、LNG受入基地建設計画は建設中のものも含めて9件あり、そのうち建設中の2件(広東工および福建。ただし、福建は基本設計(FEED)業者83石油・天然ガスレビュー・ 中国沿海部におけるLNG受入基地計画は2004年9月までの9件から12件に増加。CNOOCの寡占(8割)は変わらず。広東、遼寧、江蘇では第2受入基地の計画が進行中。が決定した段階)はCNOOCが手がけている。また、計画中の7件のうち2件(浙江省、上海市)については、CNOOCが地方政府と基本合意、天津については、基本合意より一段低い覚書を締結している。残り4件(江蘇Ⅰ・江蘇Ⅱ、遼寧Ⅰ、山東)のうち、江蘇Ⅰについては、PetroChinaが地方政府と覚書を締結、CNOOCは江蘇Ⅱについて交渉を行っていた。遼寧ⅠについてはPetroChinaが大連港のサービス会社と基本合意している。山東省では、Sinopecが山東省(青島市)政府と基本合意している。同社は、イランとLNGの長期購入について西気東輸 PetroChina天津市(計画中)CNOOC江蘇Ⅱ・塩城(計画中)CNOOC遼寧Ⅱ・営口(計画中)CNOOC遼寧Ⅰ・大連(計画中)PetoChina山東・青島(計画中)Sinopec江蘇Ⅰ・如東(計画中)PetroChina上海・小洋山(計画中)CNOOC浙江・寧波(計画中)CNOOC 建設地未定広西(計画中)PetroChina福建・ 州湾(計画中)CNOOC広東Ⅱ・汕頭(計画中)CNOOC広東Ⅰ・大鵬湾(建設中)CNOOC図2「西気東輸」ガスパイプラインおよびLNG受入ターミナルo書を締結しているが、ロシア・サハリンⅡと交渉を行っているとも報道されており、供給元は未定である。 また、中国の国営石油トレーディング会社珠海振戎(Zhuhai Zhenron)もSinopec同様イランとLNGの長期購入について覚書を締結しているが、その供給元は未定である。4. 各社の動き(2004年9月以降)? CNOOCは広東Ⅱ、遼寧Ⅱ、  江蘇Ⅱをおさえる①広東省・汕頭(Shantou)市(広東Ⅱ) 2004年10月、CNOOC100%子会社のCNOOC Gas & Power Ltd. は、広東省汕頭市政府とLNG受入基地およびパイプライン建設プロジェクトについて基本合意した。 広東省では、すでにBPとCNOOCなどが大鵬湾にLNGの受入基地(広東Ⅰ)を建設中であり、同じ省内に2つの基地を建設するという計画は、需要を無視した重複建設のように見えるかもしれない。しかし、広東については2基地を建設することは問題ないと思われる。まず地理的な要因として、広東の深?・大鵬湾と汕頭は約200km離れており、少々強引なたとえかもしれないが、日本で言えば大阪ガスと東邦ガスがそれぞれの供給エリアでLNG受入ターミナルを建設するようなもので、対象マーケットは全く異なり、重複建設にはあたらないと思われる。また、広東省では中国全国のLPG輸入量の65%を消費しているが(2003年)、昨今LPG輸入価格は高騰しており、同省については都市ガス配給網の整備が進み、LPGからLNG気化ガスへの切り替えによるガス需要の増大が進むと見られている。なお、中国の全体的な傾向として、沿海大都市では都市ガス配給網の整備が進み、LPG需要は減退するが、地方の小都市では、都市ガス配給網の整備が遅れ、LPG需要は伸びると見込まれている。広東省は上海市と並び、国内で最も経済が発展した地域である一方、国内の石油、石炭の生産地から離れており、エネルギーのボトルネックに悩まされている。発電の9割が石炭火力の中国にあって、重油発電の比率が比較的高い地域である。広東省政府は天然ガス火力発電を導入し、重油を発電ではなく、産業用燃料に振り向けることを目論んでいるのではないかと思われる。②遼寧省・営口市(遼寧Ⅱ) 2004年10月14日、CNOOCは遼寧省政府と、LNGプロジェクトの協力について枠組み合意書を締結した。ま表1中国で建設・計画中のLNG受入ターミナル供給源(候補)事業者(候補)現状CNOOC/汕頭市CNPCCNOOC/営口市CNOOC/塩城市BP30% CNOOC33% 広東、香港企業CNOOC60% 福建中?公司40%Sinopec 山東省政府CNOOC 浙江省政府CNOOC49% 上海申能集団 (Shenergy)51%PetroChina 大連港グループCNOOC 天津市政府PetroChina 江蘇省政府計画中 CNOOCが汕頭市と基本合意計画中 PetroChinaが広西省と基本合意計画中 CNOOCが遼寧省と基本合意計画中 PetroChina、CNOOCが江蘇省と基本合意建設中 政府承認建設準備中 政府承認 (FEED業者決定)計画中 政府承認 Sinopecが山東省と基本合意計画中 CNOOCは浙江省と基本合意計画中 CNOOCが上海市と基本合意2004年9月、大連港グループと基本合意計画(交渉)中 天津市と覚書締結計画中 江蘇省政府と覚書締結石油・天然ガスレビュー84建設地広東Ⅱ (汕頭市)広西 (3候補地)遼寧Ⅱ (営口市)江蘇Ⅱ (塩城)増強後 (計画)あり未定稼動開始 (予定)2010年受入能力 (万t/y)250未定2012年N.A未定300300未定未定未定未定広東Ⅰ (深?・大鵬湾)2006年370500?670 豪州・北西大陸棚(NWS)福建 (?州湾)2007年260500インドネシア・Tangguh(タングー)3003002008年3002009年2008年山東 (青島市)浙江 (寧波市)上海 (小洋山)遼寧Ⅰ(大連新港Dagushan島)天津 (天津市)江蘇Ⅰ (如東市)出所:新聞報道等にもとづきJOGMEC作成網かけ部分は、2004年10月以降に合意したプロジェクト2008年200300N.A2010年N.A500600400未定(イランLNGまたはサハリンⅡ?)豪州・Gorgon(ゴーゴン)未定未定(サハリンⅡ他と交渉中)未定未定ス、CNOOC Gas & Power Ltd. は営口(Yingkou)市政府とLNGプロジェクト共同建設に関する枠組み合意を締結した。 遼寧省は、CNPCが2003年9月に大連港のサービス会社(Dalian Port Group Co., Ltd.)と大連市(遼寧Ⅰ)でLNG輸入プロジェクトを推進することについて基本合意しており、遼寧省も広東省同様同じ省内に2つの基地の建設計画が存在することになる。 大連市と営口市も距離が離れており、大連はそれぞれ異なる地域(大連経済開発区および瀋陽)を対象マーケットとしているようである。また、CNPCにとり、輸入LNGはパイプラインガスの補完という位置付けで、最近はサハリンⅠのパイプラインによるガスの輸入についてもっぱら報道されており、遼寧Ⅰの進捗状況は不明である。遼寧省はCNPCにとり最大の石油販売マーケットであり、CNOOCが同省でLNG受入ターミナル建設について基本合意したことは驚きであった。もっとも、CNOOCは遼寧省で石油生産関連設備の発注をしており、両者の関係は深い模様である。③江蘇省・塩城(Yancheng)市(江蘇Ⅱ) 2004年9月22日、CNOOCは江蘇省政府と江蘇省のLNG利用プロジェクトに関する原則合意を締結した。 CNOOC Gas & Power Ltd. は、同省塩城(Yancheng)市政府と江蘇省濱海(Binhai)LNGプロジェクト建設について、共同で推進することで基本合意した。合意によると、LNGの受入能力は300万トン/年、ガスパイプラインの総延長は328kmで、発電プラント240万kW(30万kW×8基)を建設する計画である。稼動時期は不明である。? CNPC(PetroChina)、  沿海部最南端の広西をとる 2004年11月にCNPCおよびPetroChinaは広西自治区政府とLNG受入ターミナル建設で合意した。現在3ヵ所(①防城(Fangcheng)、②欽州(Qingzhou)、③北海鉄山(Beihai Tieshan)港)の建設候補地がある。PetroChinaは広西に小規模な油田を保有しており、同地政府とは関係が深い模様。受入規模・建設時期は不明だが、ターミナル建設費は6億3,000万ドル程度の模様。(担当:竹原 美佳)0250km瀋陽遼寧省菅口大連40N 120E 125 図3遼寧省LNG受入基地候補地85石油・天然ガスレビュー
地域1 アジア
国1 中国
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地域7
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地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アジア,中国
2005/01/20 [ 2005年01月号 ] 竹原 美佳
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