ページ番号1006151 更新日 平成30年2月16日

サハリン北部はエルドラドになるか? BP の試掘成功(サハリン V )の意味 ―注目を集める近隣鉱区―

レポート属性
レポートID 1006151
作成日 2005-03-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 ジェンス・ペース 横井 研一
年度 2005
Vol 39
No 2
ページ数
抽出データ Analysisアナリシスサハリン北部はエルドラドになるか?BPの試掘成功(サハリンⅤ)の意味?注目を集める近隣鉱区?サハリンⅤにおける試掘成功とサハリンⅢの入札の動き(JOGMEC 石油・天然ガス調査グループ 本村 真澄) 2004年10月6日、BPはサハリンⅤの最も南に位置するカイガンスキー・バシュカンスキー鉱区のペララシェ構造に掘削した1号井(Pela Leich well No. 1)が、複数の良好な砂岩貯留岩で、かなり(signi?cant)の量の石油・ガスを発見したと発表した。坑井位置は、海岸からの距離49km、水深114m。出油テストは実施されず、04年の掘削可能期間が終了する時期に来ていたことから、本年5月からのシーズンに再度ロケーションに来てフロー・テストを実施する予定である。同鉱区では、ロシア政府との契約上あと4坑の試掘義務がある(IOD, OGI, Reuters他, 2004/10/07)。 この成果について、世界の石油会社の関心が集まる中、昨年11月にロンドンで開催された「2004年サハリン石油ガス会議」において、BPサハリン社長のジェンス・ペース氏が講演を行い、限定的ではあるがある程度の概要が公表された。BPジャパンのご好意でこの講演記録を入手することができ、今回、翻訳して本誌に掲載することについて同社から許可をいただいた。ここに謝意を表したい。 これに続いて、BPの発表を踏まえ、当機構の石油天然ガス開発技術調査グループに、サハリン大陸棚の石油地質の概説と、サハリンⅤ成功の意義について解説してもらった。 2005年にロシアで最も注目されているのは、2005年秋にも予定されている「サハリンⅢ」の入札であるが、このサハリンⅤにおけるBPの成功が、海岸からの距離により推測されるように、これまで油・ガス田発見の可能性が低いと考えられていたかなり沖合いの背斜列における出油と推測されることから、この背斜列の南方延長に当たるサハリンⅢの諸鉱区が大きな注目を集めることとなった。 サハリンⅢは北から東オドプト、アヤシ、ウェーニン、キリンスキーの4鉱区からなる(サハリンⅢを含めた、各鉱区の現状については表1参照)。 サハリンⅢ鉱区群については、2004年1月29日、「PS契約に関する政府委員会」(委員長はKhristenko副首相、当時)は、1993年のサハリンⅢに関してExxonとTexacoに付与された、キリンスキー鉱区および東オドプト・アヤシ鉱区におけるPS契約で油田を開発する権利を取り消した。さらに、Khristenko副首相は、ExxonMobilが昨年来求めているライセンスを付与する根拠はないとして、鉱区をオークションにかける方針を明らかにした(Nefte Compass, Feb. 5, 2004)。2004年10月22日の官報Rossiskaya Gazetaによれば、地下資源利用法の改正が発効して3ヵ月以内に、サハリンⅢのうち、キリンスキー、東オドプト、アヤシの3鉱区をオークションにかける方針で、2005年後半にも実施の見込みである。インドのONGCは早くも参加の意向を表明している。 なお、ウェーニン鉱区については、2004年9月21日、韓国のノ・ムヒョン大統領の訪ロ時に、RosneftとKNOCが、同鉱区および西カムチャツカ鉱区の開発に関し、将来のJV結成を視野に入れたMOUを締結した。しかしながら、ウェーニン鉱区では、旧SODECO時代に鉱区内最大のウェーニン構造が掘削され不成功に終わった経緯があり、当面大きな関心が寄せられる状況にない。1. 2004年サハリン石油ガス会議のBP発表BPサハリン社長ジェンス・ペース(発表者) サハリンⅠおよびサハリンⅡプロジェクトがこれだけ興奮を生み出していると、この先を見通して次に何が起こるのか推察するのが難しいのは、無理もありません。とはいえ、本日の私の発表の意図は、まさにそれをしてみようというものなのです――この島で繰り広げられる様々な活動が巻き起こす砂嵐を凝視し、その向こうにまた別の地平を見ようというわけです。 これらの巨大プロジェクトは、1970年代および1980年代にサハリン沖で大きな成果を上げた探鉱の産物です。この探鉱により、ダギトラフの周囲に陸上から沖合まで炭化水素システムが広29石油・天然ガスレビュー? 考総投資額 120億ドル。原油生産開始は 2005年予定。DeKastriから積出し。ピーク生産量25万 b/d。RosneftをGazpromが吸収合併総投資額 120億ドル。Phase-1; 1999年 PA-A(Molikpak)生産。Phase-2; PA-B、LunskyからPrigorodnoyeへ石油ガスパイプライン(800km)。2007年 LNG 960万t/y生産開始。Gazprom20%参加の予定。LNG契約は東電150万トン/年、東ガス110万トン/年、九電50万トン/年、東邦30万トン/年、Sempra160-190万トン/年PSリストに99年5月承認。04年1月ライセンス発行見送り。10月ロシア側オークションの方針発表ysisnaly04年1月ライセンス発行見送り。10月ロシア側オークションの方針発表KNOCがRosneftと参加のMOU締結Astrakhanov鉱区においてRosneftが2000年に試掘。不成功BP は1998年に参加。2002年に探鉱ライセンス取得。2004年試掘成功。BPは50億ドルの資金負担予定(Rosneft分のキャリーも含む)RosneftはPetrosakhaに対し、入札によらずラインセンス付与。2000年Alfa-Eko(アルファ・グループ)がPetrosakh社を買収表サハリンⅠ?Ⅵプロジェクトの現況出所:各種公表資料から作成アナリシスAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnssiissyyllaanA 私たちは引き続き広域的な地質の評価を行い、2003年末にはロスネフチがサハリン北部にある東および西シュミットの探鉱権を与えられました。この探鉱権には両者の提携に含まれる予定になっています。 共同評価を終えた後、今年の夏に掘削する試掘1号井の位置として、ペララシェ構造を選びました。この坑井の計画と実行には共同努力が求められますが、BPとロスネフチは各々の得意分野でプロジェクトに独自の貢献を果たすことによって強力な作業関係を築くという方法で、これを実現しました。具体的には、プロジェクト管理に対する共同アプローチのほか、両社からの技術・商業・操業面での専門知識の投入が伴いました。 私が特にこの点を強調したいのは、この関係はオペレーションの成功の土台であり、将来の活動の礎石であると信じるからです。 共同チームの直面した課題は、ロシアの規制と、サハリン島北部の手つかずの環境に関して私たち自身が抱く高石油・天然ガスレビュー30プロジェクトブロックと油ガス田SakhalinⅠOdoptu, Chaivo, Arkutun-DagiSakhalinⅡLunskoye, Piltun-Astokh石油・天然ガス埋蔵量3億2,500万トン(23億バレル)4,850億?(17.1Tcf)鉱区権者(%)ExxonMobil(30%)SODECO(30%)ONGC(20%)SMNG(11.5%)Rosneft (8.5%)1億4,000万トン(10億バレル)4,080億? (14.4Tcf)Sakahlin Energy Shell(55%)Mitsui(25%)Mitsubishi(20%)SakhalinⅢSakhalinⅣSakhalinⅤSakhalinⅥ*4億5,300万トン(32億バレル)*7,200億?(25.4Tcf)*6億トン6,000億?KirinskiyOdoptinskiyAyashkiyVeninskiyAstrakhanovShmidtEast Shmidt(Kaigansky Vasukansky)PogranichKerosinniyYuzhno-Okruzhnoye,Bogatinsky ExxonMobil(33.3%)ChevronTexaco(33.3%)Rosneft(16.7%)SMNG(16.7%)ExxonMobil(66.7%)Rosneft (16.65%)SMNG(16.65%)Rosneft(100%)Rosneft(51%)BP(49%)Elvari NeftegazRosneft(51%)BP(49%)Pogranichny Block:Petrosakh JV *Rosneftによる予想埋蔵量。他は確認埋蔵がっていることが証明されました。 こうした広大な領域を開発すれば、サハリンは主要な産油地域の仲間入りをすることになるでしょう。ただし、現在まで沖合区域のほんのわずかな割合しか探鉱されていないことは、指摘しておいたほうがよいでしょう。これまで水深50mを超えての掘削は限られており、過去20年間沖合では特に重要な発見はなされていません。 持続可能な世界的石油ガス産業をサハリンに確立するには、継続的な投資を行い、現在開発中のプロジェクトの上に、さらに「ベルトコンベア」式にプロジェクトを繰り出さなければならないでしょう。将来の成長機会を確保するために求められるのは、サイクル時間およびコストの削減を通じて効率を改善するとともに、現場および周辺の開発をさらに行うことですが、最も重要なのは、現在の探鉱活動を通して将来の大型プロジェクトを特定することでしょう。 本日は、この問題に関してBPとその提携パートナー、ロスネフチ社が共同で進めている取り組みについて、お話ししたいと思います。 ロスネフチとBPは、サハリンⅣおよびⅤを探鉱するために2001年にこの提携を結び、1996年の最初の対話から育んできた関係を正式なものにしました。2001年末にはこの提携で、生産分与協定を締結せずにサハリン探鉱に投資を行いました。 2002年、ロスネフチはサハリンⅤにおいてカイガンスキー・バシュカンスキー鉱区の探鉱権を与えられました。これにより私たちは、これまで探鉱されたことのない区域の調査を開始できることになりました。2002年中に、私たちはサハリン地域ではおそらく最大の3D地震探査プログラムを実施しました。 そこで得られたデータは、ロスネフチとBP双方から何人かの専門家が集まり構成した検討チームによって解析されました。このチームはいくつかの有望地点について優先順位リストを作り、私たちはそれに従って2003年に実地調査と環境調査を行いました。Tハリン北部はエルドラドになるか?い期待とを一致させるやり方で、安全に坑井を掘削することでした。 この坑井は、現在までサハリン沖で掘られたどの坑井よりも北に位置し、遠い沖合にあり、水深が深かった。そのため、私たちの環境および安全基準を満たすよう改良したセミサブリグを、ロシア国外から持ち込まなければなりませんでした。 この坑井用に、無毒性の泥水システムが考案されました。使用済みの泥水とカッティングスは、船で島の北端を回ってモスカリボ港に運んだあと、陸上に建設した専用処理施設にトラック輸送しました。 この仕事自体が、リグから最終処理に至るまで「スキップとシップ(‘Skip and Ship’)」で何千回も揚げ下ろし作業を伴う大プロジェクトでした。この写真(未入手)には、流体制御システムと輸送コンテナの一部が写っています。これだけの作業を事故もなくやり遂げたというのは、共同操業チームと請負業者たちが努力して、いかに徹底した計画を立てて慎重に遂行したかということの何よりの証です。 試掘井は約3,600mの深さまで掘削しました。このような困難な試掘であったにもかかわらず、共同検討チームの予測が驚くほど正確だったことは喜ばしい限りです。私たちはいくつかの質の高い砂岩貯留岩に炭化水素の存在を確認し、吟味しようとしていたコンセプト――すなわちサハリンの北部沖合に有効な石油集積システムがある――を証明しました。 将来に向けての計画を検討するにあたり、ペララシェの成功で得た技術データと、掘削作業で学んだ教訓とを慎重に分析する必要があります。それには、まずロスネフチとBPの二者間で、次にサハリン内外の鉱業権者たちを交えて討議することになります。 今はまだ具体的な詳細をお知らせすることはできませんが、カイガンス31石油・天然ガスレビュー図1サハリン北東部大陸棚の鉱区提供:BPキー・バシュカンスキー鉱区での発見を、追加掘削を含めて追跡するつもりであり、次の作業可能な天候の期間にそれを行うための選択肢を評価しているところです。また、東および西シュミット鉱区について新たに与えられた探鉱権により、3D地震データを手に入れようと努めています。これらは、ロスネフチと共同で決定する事柄です。 もっと確実に言えることは、私たちはこれから前に進むにあたり、これまでの提携活動で一貫して用いてきた原則を、これからも指針としていくということです。その原則とは――。 第一に、事業に関与するか、またはその影響を受ける人びとの安全を優先させる方法ですべての作業を行い、私たちの活動が環境に与える影響を最小限に抑えること。 これに関して必ずうまくいくように、私たちは今後も引き続きすべての関係省庁、地域および連邦当局、地域社会、そして他の開発業者と協力して仕事をしていきます。 「人を傷つけず、環境を損ねない」という私たちの信条は、計画および作業の遂行にあたってきわめて厳粛に受rkutun-DagiChayvo-MorePiltun-AstokhOdoptu MoreKirinskoyeLunskoyeOkruzhnoyeSOURCE ROCKSRESERVOIRS ANDHYDROCARBONSTrap FormationMAJOR FIELDSアナリシスンスクに置き、両社の派遣した社員が配置されることになります。エルバリーの初代「ゼネラル・ディレクター」に友人のレブ・ブロドスキーが選ばれた――サハリン・プロジェクトのために短期の赴任――ことは、とりわけ嬉しく思っています。また、この夏の作業を通じて彼がリーダーシップを発揮してくれたことに感謝します。 エルバリーは、安全と環境管理、地域への利益、そして強固なパートナーシップというテーマを推進します。 次世代のサハリン・プロジェクトが現実味を増してきている中、エルバリーはサハリンにおける持続的活動に貢献し続けたいと願っています。ysisnalyAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnA層、Okobykay層および中新世後期の下部Nutovo層の砂岩である(図1)。これらの地層はユーラシア大陸東縁に発達した古アムールデルタにより形成され、西から東に向かって陸域、浅海ss域、深海成堆積物へと変化している。iissyyll砂岩の単層の層厚は10m以下がほとんaanAどであり、それらが重なり複数の貯留PETROLEUM SYSTEMけ止めているものです。 第二に、私たちの存在と活動がサハリン島の地域社会に明確な利益をもたらすこと。 これに関しては、現在までに果たしてきた貢献を非常に誇りに思っています。この地域で実質的な事業を展開する前にも、サハリン島民の利益となる効果的な社会投資プログラムを請け負っており、また島最北部にまで利益をさらに拡大しました。 私たちは島にプラスの変化をもたらす方法で仕事をしたいと切に望んでいるため、地域で活動を積み重ねていく中での自分たちの役割を知ることにも一生懸命努めています。 第三の原則は、パートナーシップの原則です。すでに述べたとおり、ロスネフチとの提携は時を経て発展・強化してきており、サハリンでは独特の関係を築いていると思います。これまで、事業展開のあらゆる側面は、両社の協調努力によって成し遂げられてきました。この活動は、特徴的な独自性をもつ新しい合弁会社の旗印の下に継続していきます。 私たちの鉱区は、サハリン島の最北端に位置します。このため、合弁会社の社名には土着民族ニヴヒの言語から「北東の風」という意味をもつ言葉を選びました。ロスネフチ・BP初の共同操業会社の社名は、「エルバリー(Elvari)」です。 この新会社は本部をユジノ・サハリ2. サハリン北東大陸棚の石油地質とサハリン?5における試掘成功の意義石油・天然ガス開発技術調査グループ横井 研一 サハリン島北東大陸棚では1970年代後半から大規模な油・ガス田が発見されており、代表的なフィールドとしては、Odoptu-More、Piltun-Astokh、Chaivo-More、Arkutun-Dagi等があげられる。これらの大規模な油・ガス田が成立している石油システムは次のように考えられている。 主な貯留岩は、中新世中期のDagiSTRATIGRAPHYFORMATION GROUPSAGEMaLITHOLOGYTHICK-NESS(m)ENVIRON-TECTONICMENTEVENTSRapidUpliftMain Phase of SubsidenceDextralTranstensionTranspressionDextralJapan Sea Opens<500<1000<2000<1200CoastalOffshoreShelf200-800Deltaic300-800200- 900<1000OffshoreShelf510152025303540PomyrANutovoUpperLowerBOkobykayDagiUyniDae-KhurieVMachigarMuz'maPli.QLateMiddleEarlyLateEarlyLateMiddleMioceneOligoceneEoceneNeogenePaleogene図2サハリン堆積盆地の層序と石油システム石油・天然ガスレビュー32Tハリン北部はエルドラドになるか?タタール海峡海岸線西大陸海岸線既発見油・ガス田サハリン島海岸線オホーツク海東図3サハリン北部の地質断面図(東西方向)層を形成している。主な根源岩は、漸新世のDae-Khurie層の珪質頁岩(けいしつけつがん)、Dagi層、Okobykay層、Nutovo層の泥岩(一部挟炭層)と考えられている。トラップの多くは構造トラップで、しばしば貯留層となっている砂岩が背斜構造のアップディップ側に尖滅することによって形成される層位トラップを伴っている。シールは各層中に発達する泥岩である。大規模な油・ガス田が発見されている構造系列の西側に位置する向斜部(図3のA)が熟成した根源岩が分布するキッチンエリアと考えられており、このキッチンエリアで生成された炭化水素が東方向へ移動し、集積することにより油・ガス田が形成されたと考えられている。 大規模な油・ガス田が成立しているサハリン島北東大陸棚上の構造系列の東側(より沖合い)にさらに構造系列が存在することが指摘されていたが、今まで、これらのより沖合いの構造に対しては、掘削がなされていなかった。また、これらのより沖合いの構造については、前述した既発見の大規模油・ガス田を形成したと考えられている石油システムから油ガスを胚胎する上で、次のような不利な点が想定されていた。一つは、キッチンエリアが既発見油・ガス田の西方の向斜部と考えられていることから、既発見の油・ガス田系列を越え、さらに東側に位置するより沖合いの構造まで、油ガスが移動するのかという点である。また、より沖合いの構造への油ガスの移動については、これら陸棚上構造群の東方の大陸棚斜面および深海域にも厚い堆積物の存在が認められており、同域(図3のB)に良好な根源岩が存在すれば、同域で生成された油ガスが西方に移動し、より沖合いの構造への油ガスの集積が期待できると考えれられている。しかし、大陸棚斜面から深海域に堆積する岩相は不明であり、同域で油ガスが生成されたかどうかは知られていない。もう一つは、貯留層となっている砂岩の供給源である古アムール川から距離が離れるより沖合いの構造には、既発見の大規模油・ガス田と比べて良好な貯留岩の発達が期待しづらいのではないかという点であった。 今回BPが、いくつかの良好な砂岩貯留岩に炭化水素の存在を確認したと発表したサハリンⅤにおける試掘1号井は、既存油・ガス田の構造系列より東方の沖合いに位置している模様である。産出テストは行われておらず、また公表されている情報はごく限られており、炭化水素が確認された砂岩の層準や質(層厚、性状等)、トラップ形態等具体的な技術情報は明らかでないため、本発見を踏まえるとサハリン大陸棚の石油システムはどのように考えられるかを断定的に論ずることは現時点ではできない。しかし、炭化水素の移動や貯留層となる砂岩の分布において不利であるとの想定もなされていた既発見油・ガス田の構造系列より沖合33石油・天然ガスレビューig.AEast Sakhalin-OkhotskBasinアナリシスysisnalyAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnssiissyyllaanA01501000SeaofOkhotsk0いの構造において、炭化水素が移動、集積しうるシステムが成立していたということが明らかになったという点は、サハリン大陸棚の探鉱上、重要な発見であることは間違いない。特に、本試掘井にて発見された炭化水素が、本掘削位置の東方の大陸棚斜面から深海域に位置する厚い堆積物が分布するエリアから生成されたものであるならば、サハリン大陸棚において既存大規模油・ガス田を成立させた石油システムとは異なる石油システムが存在することとなり、サハリン大陸棚の探鉱に及ぼす影響は少なくないと思われる。 今回のBPの発見は、その期待される埋蔵量規模の程度については明らかではない。いうまでもなく、サハリン大陸棚の開発は氷海域という非常に厳しい自然環境のもとでの開発であり、かなりの大規模な埋蔵量が確認されない限り、商業性を有しない。BPはサハリンⅤにおいて、今後、今回の発見の評価作業や新たな構造に対する試掘作業等の探鉱作業を計画しているものと思われ、以上のような点を念頭におきつつ今後の探鉱推移を注視してゆく必要がある。石油・天然ガスレビュー3420005東シュミット)5ロブホフスキーシュミット(S-4)アストラハン(S-4)-S(今次試掘推定海域(ペララシェ)カイガンスキー・バシュカンスキー(S-5)オドプト(S-1)東オドプト(S-3)アヤシ(S-3)15001000ウェーニン(S-3)50050km200100West Sakhalin背斜 (矢印はプランジ方向)StructuralTerrace向斜TerpeniyaBay図4サハリンにおける背斜軸の分布と方向性ビルトン=アストフ(S-2)チャイボ(S-1)アルクトン=ダギ(S-1)ルニー(S-3)キリンスキー(S-3)S-6Tatar Strait凡例AmurRiver52 Nkhote-AliniS
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2005/03/20 [ 2005年03月号 ] ジェンス・ペース 横井 研一
Global Disclaimer(免責事項)

このwebサイトに掲載されている情報は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。