ページ番号1006161 更新日 平成30年2月16日

石油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長 ―これからのエネルギーを支える IOR/EOR 技術―

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レポートID 1006161
作成日 2005-05-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 技術探鉱開発
著者
著者直接入力 大野 健二
年度 2005
Vol 39
No 3
ページ数
抽出データ AnalysisアナリシスJOGMEC石油開発技術センターIOR/EOR専攻ono-kenji@jogmec.go.jp大野 健二石油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長これからのエネルギーを支えるIOR/EOR技術 中東大産油地帯の政情不安をきっかけに、原油価格がそれまでの1バレル2ドルから30ドル超に急騰し、世界経済を震撼させた二度にわたるオイルショック。その第一次からちょうど30年(1ジェネレーション)を経た2004年、今度は中国、インド経済の台頭と折からの石油生産ピーク論議を背景とする供給不安に一因をなす原油価格の高騰が起こり、過去最高のバレル56ドルを記録しました。 一・二次のオイルショック後、OECDに加盟する先進消費国は脱中東原油を目指し、省エネルギー、新エネルギー開発、石油備蓄に力を注ぐとともに、台頭するOPECに対抗するため中東以外の大油田地帯である北米や北海などでの石油埋蔵量の確保、生産量の増加に力を入れました。新たな投資により北海、アラスカ、コロンビアなどの新規油田の開発を進めるとともに、既開発油田の埋蔵量を成長させる増進回収(IOR/EOR)*1技術などの研究開発が官民あげて盛んに行われました。その結果、例えば英領北海油田群では開発初期に予想された最大生産量をはるかに超え、かつ80年代後半に予想された生産減退を覆して現在もなお重要な石油生産拠点の地位を維持しています(図1)。 石油生産のピーク論議は本誌2004年11月号や本号の他の記事に詳しいので、ここでは触れませんが、そこに書かれていた通り、石油開発企業は絶え間ない創意工夫で可採埋蔵量の増加を目指し、継続的な技術革新とそれを支える投資活動を行ってきています。本稿では埋蔵量の成長を支える技術、とくにIOR/EOR技術についてできるだけ平易に解説していきたいと思います。最後にこれらの技術に関するJOGMEC TRC*2の実績について簡単に触れることにします。1. はじめに 本論に入る前に、石油の埋蔵量や可採量、回収率といった言葉に具体的なイメージを持っていただくために、ちょっと遠回りでも石油や天然ガスがどのように存在するか、どのように探査・開発されるのかというところから始めます。? 油田・ガス田とはいったいどのようなものでしょうか? 図3の左上に示したような絵をご覧になることがあると思います。よくこの緑色のところが油層であるという説明がなされます。この図からすると、地下に空洞があってそこにプールのようにどっぷんどっぷんと石油が溜まっているというイメージがわきます。しかしながら実際はこの緑の部分は図3右上の写真のような地層岩石なのです。多くの場合、石油や天然ガスが溜まるような岩石は図3の下の写真のような砂岩や石灰岩の種類で、中に連続する非常に小さな孔が空いていて、孔を全部集めれば岩石全体の体積の20?30%を占めています。そこに油、ガス、水が入っていて、その岩石の広がりが油田・ガス田と呼ばれるものです。? 石油の生まれ育ちは今あるところとは別 石油や天然ガスは、海や湖沼の底に溜まったプランクトンや植物の遺骸が土砂の堆積とともに地中深く沈んでいく過程で次第に高まる地温と圧力の影響を受け、その一部が石油・天然ガス図1 英領北海油田群の生産量予測と実際出典:引用文献3の図面から数値を読み込み作図*1: IOR(Improved Oil Recovery),EOR( Enhanced Oil Recovery)ともに増進回収法を意味するが、EORが従来の三次回収法技術を指すことに対して、IORは坑井刺激技術なども含むより広い意味での増進回収技術を指す(後述)。*2: TRC:Technology Research Center=石油開発技術センター、旧石油公団の石油の探鉱・開発に関する研究機関。JOGMECの幕張に所在する技術センターがその機能を引き継いでおり、現在も略称でTRCと呼ばれる。25石油・天然ガスレビューAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnssiissyyllaanAysisnaly図2石油天然ガスの生成出典:絵図は石油鉱業連盟編「石油開発技術のしおり」アナリシスまります。地下数千メートル、海上ではさらにその上に水深数百メートルといった遠隔の場所に石油が溜まりそうな形の地層があるのかどうかは主として地震の波を使って探ります。ダイナマイトやエアーガンによって発生させた振動が地下に伝わり、地層の境界面から反射してくる振動を受信してその経過時間や位相、振幅などのデータにより地下の構造を解析します(図5)。(炭化水素)となってできていきます(図2)。プランクトンや植物の遺骸が土砂とともに堆積してできた岩石(泥岩が多い)を根源岩(ソースロック)といいます。ここでできた石油・ガスは図4のように周りの水との比重の差から数百万年、数千万年かけて岩石中(地層中)を移動し現在の位置に溜まって油田・ガス田となったのです。? 油田・ガス田を探す方法 石油や天然ガスは一般に周りにある水より比重が軽いことから、上部に流体を流しにくい密な地層(図3の濃い色の地層)が蓋となっている、上に凸になった形の地層や、断層で行き止まりになった地層、岩塩で盛り上げられ行き止まりになった地層などのところに溜まる可能性が高いのです。石油を探すことはまず、地下深くにあるそのような地層(岩石)を探すことから始図3油ガス田を形成する地層岩石出典:絵図およびコア写真は石油鉱業連盟編「石油開発技術のしおり」2005.5. Vol.39 No.326ホ油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長原理的には図6のような人間ドックで使われる超音波エコーに似ています。しかし、何センチか下の皮下脂肪の厚さを探ることと数千メートル下の岩石の石油が入っているかもしれない岩石を探ることの間には不確実性に大きな違いがあります。ほんのわずかな誤差で解釈される地下構造の形が大幅に変わってしまうことも多々あります。? 石油や天然ガスを直接探査する方法 油ガス田となりうる地層が見つかっても、現在の技術では数千メートル下の地層岩石中に石油や天然ガスが入っているか、それとも水しかないかを直接確実に知ることのできる方法はありません。石油が溜まっている可能性のある地層岩石に井戸を掘って、そこに到達して初めて石油・天然ガスの有り無しを知ることになります(図7)。1本の試掘用の井戸を掘削するには10?20億円以上、期間にして3?6ヵ月以上かかることがあります。? 油ガス田開発に伴う不確実性リスク 数坑の井戸により、石油・天然ガスが発見されるとそこで得られる限られた情報から、地下の油層の大きさ、広がり、性質を推定し、埋蔵量を算定し、開発投資を決定します。図8のようなケースでは、油層は断層によって仕切られ石油・天然ガスの分布が複雑になっています。しかしこのような複雑な地層の状態は、開発井がたくさん掘られ石油の生産が進んだ結果、情報量が増えた時点で初めて推定できることで、開発投資を決定する段階では十分には把握できないのが普通です。 石油の開発では初期に巨額な投資を行い、20年にも及ぶ生産期間を通じて資金の回収を図ることになります。地震探査で得られる油層の大まかな形、広がりを、また井戸から得られた岩石サンプル、井戸の孔の周り1m程度の岩石の電気的性質、音響的性質から得られる空隙比率、油・水の比率、さらにテスト生産や圧力データから得られる平均的な流れやすさのデータなどから、油層モデル(図9)を構築し、数値シミュレーションによっていろいろな開発条件における将来の石油・天然ガス生産プロファイル(推移)を予測し、油田開発の経済性算出に必要な基シール貯留岩4根源岩油田321基盤岩①根源岩で生成した石油は微細な割れ目を通って根源岩から排出(一次移動)される。②空隙の多い貯留岩に入った油は、浮力によって地質構造の高まりに移動する(二次移動)。③地質構造(シール)によって行くてをはばまれた油は貯留岩に貯まる(集積)。④集油地質構造(トラップ)を満たした油は、こぼれ出して別のトラップに移動することもある。図4石油天然ガスの移動と油ガス田の成立出典:絵図およびコア写真は石油鉱業編「石油開発技術のしおり」図5地震探査による地下構造のイメージング出典:TRC図6超音波エコー診断(一般)27石油・天然ガスレビューAナリシスysisnalyAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnssiissyyllaanA図8地質構造図出典:TRC図7坑井(井戸)の掘削出典:絵図は石油鉱業編「石油開発技術のしおり」礎データを得ます。限られた情報から如何に精度の高い生産予測を行うかに技術力・ノウハウが示されます。? 石油の生産 油層は、連続する小さな空隙内に、例えば石油70%、塩水30%の割合で、水頭圧*3より高い圧力で詰まっています。ここに井戸を掘りこんで出口を作ると、この圧力により石油が井戸底に押し流されて生産されます(図10)。必要に応じてポンプを用いてくみ出しますが、油層の中の圧力が下がれば井戸まで流れ出なくなります。自然な生産では一般に油層の中にある石油の5?25%しか回収できません。現在は油層周辺の圧入井からやパターン*4で配置された圧入井から、海水などを圧入して油層内の圧力を高く保つことで石油の生産を維持する水攻法が開発の早い時期から採用され、条件のよい油田では50%程度まで回収できるようになってきています。水攻法による生産が進み、油層空隙内の水の割合が増えるにつれ石油と水の両方が流れるようになり、最後には水の流れが主になって石油は流れ出なくなります。取り残一次生産の終了pwf井戸底の圧力生産井戸生産p油ガス層内の圧力圧力油ガス層の断面図93次元油層モデル出典:TRC図10石油の一次生産に寄与する油ガス層内の圧力出典:TRC*3: その深さまで水などの溶液によって満たされることによって生ずる圧力。この場合は、岩石の過重が加わることで、空隙に封じ込められた石油などの*4: 採油井の周りに圧入井を格子状に配列(パターン)し、採油井からの石油の生産量を増加させる。採油井を中心に三角形に圧入井を配置する4点法、同圧力はさらに高くなる。様に四角形に配置する5点法などがある。2005.5. Vol.39 No.328ホ油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長された石油を回収するためには石油と水と岩石の内部界面に働く毛細管圧を変化させる、高価な界面活性剤などの化学品やガスを地上から送りこむ手法;増進回収法(EOR)の適用が必要になります。EORを実施するためには、実験室でのデータ取得から数値シミュレーション、現場パイロット操業、モニタリング、油層評価に至るまで幅広いノウハウが必要です。  なお、天然ガスは石油に比べてガス層内を流れやすいこと、ガスの膨張率が高くガス層の圧力減退が小さいことなどから一般に回収率が80%以上と高いため、通常は増進回収法の対象とは考えられていません。図11油層周囲からの水攻法出典:引用文献1から転用図12圧入井を油層内に配置した水攻法出典:引用文献1から転用2. IOR/EOR技術? 石油の回収率 さて、石油の回収率が小さいこと、油層内に取り残す割合の大きさに驚かれた方も多いことでしょう。ここから本論である石油の埋蔵量成長を支えるIOR/EOR技術について少し詳しく述べることにしましょう。石油の生産について一次回収、二次回収、三次回収という開発のステージに分けた呼称が使われてきました。一次回収は油層の持つ自然のエネルギー(排油エネル石油と地層水圧入水ギーと呼ぶ)により井戸に流れ出る石油の生産。井戸の底にポンプなどを設置してくみ上げるものも含まれます。石油が流れ出ていくと油層内の圧力は下がり始めます。油層と石油の性質によってはごく短期間に圧力が下がることもあります。石油は膨潤して減った油層空間を補い、さらに圧力が下がると軽質な部分をガスとして分離します。圧力が下がり続ければ油層に連続するガス層のガスが膨張したり、油層の周囲や下部の水層から水が浸入してきて油層圧力を補充する場合もあります。しかし、最後は油層の圧力が下がりすぎて井戸に流れ込まなくなります。ここで一次回収はほぼ終了です。一般に一次回収率は20%程度であり、油層の周囲にある水層が大きく、圧力の補給が十分長く保たれる場合には50%近いケースがある一方、石油が重質であったり、流れにくい油層であれば10%に達しないことも少なくありません。 二次回収とは、油層の周辺やパターン 化した坑井配置で海水などを圧入したり、油層の頂部からガスを圧入して油層内の排油エネルギーを補助し、かつ圧入された水、ガスによって石油を生産井に向けて押し流す(置換する)ことです。今日では油層の圧力深度方向の流れやすさに違いがある油層での水攻効率WATEROILk1k2k3 水攻法図13水攻法における石油の水平置換効率出典:引用文献1から転用k > k > k2 3 1浸透性図14水攻法における石油の垂直置換効率29石油・天然ガスレビューsisnalyAssiissyyllaanAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAn IORとEOR技術の定義は実はかなりあいまいに使われています。EORとは旧来は熱攻法、ケミカル攻法、ガスミシブル攻法などの三次回収技術と訳され、油層へ何らかの流体を圧入し、石油を生産井に向けて押し流すことに加えて、圧入された流体が油層内の岩石・石油の片方ないし双方と何らかの反応をして石油の回収に良い影響与える条件を作り出すようなプロセスと定義されています(引用文献2, 4)。回収に良い条件とはすなわち微視的置換効率EDを高めることで、例えば圧入した流体が石油・水・岩石の間の界面張力を下げたり、石油を膨潤させたり、石油の粘性を下げたり、岩石表面の親油性/親水性を変化させることなどです。よくTVの洗剤の宣伝で、油汚れが絡まった繊維の間からポロッととれる感じのイメージがありますが、界面張力を下げて石油が流れやすくするという説明には、それが最も分かりやすアナリシスミクロ的にも不均質なのが普通ですから、各々のパラメータはたいてい小さくなりますので、水攻法による平均的な回収率が35%程度になってしまうのです。? 回収率を改善するIOR技術とEOR技術 が下がらないように開発の初期から水を圧入するのが一般的です(水攻法)。水圧入を施した場合の平均的な回収率は35%といわれています。これも条件の良い(軽い油質、浸透性のよい均質な油層)油田では50%以上、悪ければ15?20%ということになります。せっかく油層に排油エネルギーを供給しているのになぜ、こんなに取り残してしまうのか不思議に思われるかもしれません。それでは、回収率について少し考えてみることにしましょう。 水攻法を想定した油田の回収率Eは以下の式で表すことができます。E=容積置換効率Ev×微視的置換効率ED 容積置換効率というのは水攻法の場合、圧入した水が油層のどのくらいの部分までうまく入っていったかということです。Ev=(水平置換効率EA×垂直置換効率Er)とも表現されます。岩石が仮に水平方向に均質な流れやすさをもっていても、水より石油の粘性が高い場合などは図13のように周囲に石油を残したまま水が先走りをして圧入井から生産井に到着してしまい、EAは1より小さくなります。また油層を形成する岩石は堆積して岩石になるときの状況で、例えば粒の細い泥が多かったりして流れやすさが均質ではありません。深度の方向にこのような不均質性がありますと、図14のように圧入した水が一部の流れやすい地層を通って生産井に到着し、流れにくい部分にある石油は取り残され、Erは1よりずっと小さくなります。 微視的置換効率EDというのは、岩石空隙内の石油に接触した圧入水がどのくらいの効率で石油を押し流すかということです。小さな空隙内では石油、水、岩石の互いの表面に界面張力が働きます。例えば岩石の表面が石油に濡れやすい性質(親油性)を持っていると、図15のように圧入された水が一部の石油を押し流した後、水の比率が高くなると水だけが流れて、石油は岩石の表面に囲まれた孔の奥に取り残されます。こうしてEDは1よりも小さい値、水攻法の場合0.6?0.7程度になります。ここに第3の存在としてガスがあればもっと小さな値になることもあります。 仮に貯留岩の性状がよく、油田の開発当初から水攻法を施したと仮定して、水平置換効率が9割、垂直置換効率が8割、微視的置換効率が7割であったとしますと、回収率E=0.9×0.8 ×0.7=0.50、50%にしかなりません。通常、貯留岩は図16のように岩質が異なっていて流れやすさが違ったり、ところどころ断層で区切られていたり、図15水攻法における微視的置換効率出典:引用文献1から転用2005.5. Vol.39 No.330ホ油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長図16油層の不均質な性状を表す油層モデル出典:TRCいかもしれません。 一方、IORは石油の増産、可採埋蔵量の増加に寄与するあらゆる手段を指し、EORも含んでいます。狭義には、主として水攻法と圧力維持のためのガス圧入などのいわゆる二次回収法と水平坑井や間掘り、置換効率を改善するポリマー圧入、生産性や圧入性を改善する坑井刺激法や人工採油法など、少し乱暴な言い方ですが水平置換効率EA×垂直置換効率EVを高める技術全般を指しています。近年重要視されている地震探査技術と地質学、油層工学、統計学を統合した油層の詳細なモデル化技術(油層キャラクタリゼーション)は増進回収技術をどのように適用するかを考える上で不可欠の技術になっていて、これをもIOR技術と位置づける専門家もいますが、通常はIORの補助技術として別にされています(引用文献4)。一方、EORとは微視的置換効率EDを高める技術と考えればわかりやすいのではないかと思います。? IORの現状 水攻法の容積置換効率を高める方法として最も目覚しいのは井戸を掘り増すことです。例えば、1km間隔で設置されている井戸の間に1本ずつ間掘していけば水攻水の到達や生産井への流れはずっと密になり、取り残しの石油を相当に減らすことが期待できます。ただし、井戸を掘削することは最もコストのかかる操業であり、例えば4,000mの坑井を1本作るには陸上であれば5億円から10億円ぐらいかかるわけで、これに見合うだけの増産が一定期間内に得られるかどうかが問題となります。また海洋油田の場合には、既存の海上構造物からでは追加坑井を掘削する余地がない場合が多いため、追加掘削を行うために要するコストが追加増産に見合わないケースが少なくありません。この分野では水平坑図1731石油・天然ガスレビュー井掘削・仕上げ技術が最大の功労者でしょう。90年代から技術が格段に進歩し、かつコストも通常の坑井の1.5倍程度に低減されたことから、多くの坑井がこの方式で掘削されるようになりました。水平坑井は坑井が油層に接している区間が長く取れることから、縦井戸の数倍高い生産性や圧入性が期待でき、また一本の井戸から数本の脚を別々の方向や層に出すこともでき、こいろいろなタイプの水平坑井AナリシスAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnssiissyyllaanAysisnalyれらの適切な坑井の配置によって水攻法などの置換効率を高めるのに効果的です。近年では石油の取り残された場所に水平坑井を伸ばして回収することも盛んに行われています(図17)。? EORプロジェクトの現状 (OGJ EORレポート2004) 米国の著名な業界誌であるオイルアンドガスジャーナル(OGJ)は、隔年で全世界のEOR統計を報告しています(直近では2004年4月12日号)。これによれば全世界のEORによる石油の生産量(増産相当分のみ)は200万バレル/日で、米国の70万バレル/日、インドネシアの22万バレル/日の他、中国やベネズエラが盛んです(図21)。EORの種類ではスチーム圧入による重質油の生産とガス圧入がほぼ5割ずつとなっています。なお、この数値にカナダのオイルサンドの露天掘り、ベネズエラ・オリノコタールの熱を使わないコールド生産量は含まれていません。 図19、図20は米国のEORプロジェクト数とEOR生産量の推移を表しています。オイルショック後の80年代に種々様々なEOR技術が研究され、フィールドのプロジェクト数も非常に増えました。しかしながら、後ほど触れますがEORは高価な流体を油層に送り込むために初期コスト、操業コストが大きい上に、圧入流体の置換効率などの不確実性も高く、リスクの残るプロセスです。このため原油価格の低下に脆弱で、全体としてはインフラが整備され、歴史のあるプロジェクトが生き延び、他は淘汰されています。例えば、技術的に成熟した米国カリフォルニアの重質油に対するスチーム圧入EORの操業コストは過去に10ドル/バレルを超えていましたが、原油価格の低落時に懸命のコスト削減を行い、8ドル/バレル程度まで下げて生き残りました。西テキサスの炭酸ガス攻法は、炭酸ガスの供給インフラと生産インフラの充実を図り、20ドル/バレルという長期的な原油価格の設定で商業的に成立しています(引用文献8, 9)。ケミカル攻法は高い回収効率が期待されていましたが、原油価格40ドル/バレルという採算限界の壁を越えられず、ほとんど姿を消しています。おそらく今後も重質油に対するスチーム攻法と中軽質油に対するガス攻法がEORの2大潮流であることは変わらないと思われます。 総じて、1980年代後半から続いた原油価格低迷期には埋蔵量成長の効果が早く出てリスクも少ない、規模の大きい油田における坑井の追加や水平坑井、水攻法の強化などのIORに優先的に投資が行われ、新規のEORは必ずしも優先順位は高くなかったというのがEOR生産量、プロジェクト数が増えていない理由であろうと思われます。図18水平坑井の活用による取り残し石油の回収 北海油田の事例2005.5. Vol.39 No.332Pミカル攻法ガス攻法熱攻法ケミカル攻法原油価格ガス攻法熱攻法原油価格$/BBL$/BBL605050404030302020101000米国におけるEOR生産量の推移米国におけるEOR生産量の推移ケミカル攻法EORガス攻法EOR熱攻法EORケミカル攻法EORガス攻法EOR熱攻法EOR20042002200019981996199419921990200420022000米国におけるEOR生産量の推移出典:引用文献5の数表から作図19981996199419921990図19原油価格と米国のEORプロジェクト数の推移原油価格と米国のEORプロジェクト数の推移6019881988198619861984198419781980198219841986198819901992199419961998200020022004019781980198219841986図206050601990199419921988米国以外でのEORプロジェクト数20001998200420021996原油価格の変動と米国におけるEORプロジェクト数の推移出典:引用文献5の数表から作図米国以外でのEORプロジェクト数その他ケミカル攻法EORガス攻法EORその他熱攻法EORケミカル攻法EORガス攻法EOR熱攻法EORが整備され、運ばれたCO2は0.7ドル/1,000立方フィート程度の価格でEOR用に取引されています。このCO2による三次回収的EORは、約20年前から商業的に経済性が成立しています(いく度かの原油価格の低迷にも耐え、1バレル20ドル程度の長期油価予測に基インドづいています)。統計によるとEORでインド増産される原油1バレル当たりに必要な圧入CO2の量は5,000?15,000立方フィートとなっています(引用文献9)。これは、炭酸ガスコストだけで3?10インドネシアインドネシア中国中国似ています。天然ガスに比べて比較的低い圧力で石油と相互に溶け合う(ミシブルな)状態になるため徴視的置換効率EDが1に近くなり、高い回収率を達成します。これに加えて、地球環境保護への役割という面で、今後インセンティブが期待され得るからでもありトリニダード・トバゴます。0トリニダード・トバゴ 現在炭酸ガスEORが商業ベースで大規模に成功している米国西テキサスでは、近隣の州にある天然の炭酸ガス田から油田地帯までパイプライン網プロジ?クト数プロジ?クト数ベネズエラベネズエラカナダカナダ0102030304040501020石油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長800700800600700500600400500300400200300100200x1000バーレル/日x1000バーレル/日1982019820100600600500500400400300300200件数件数2001001000? 変わるEOR技術への期待 これまでと違うのは中東などの大産油国がEORに強い関心を持ち始めている点ではないでしょうか。筆者が1995年にクウェートとの共同研究を模索していた頃は、中東の巨大油田でのEOR適用など、まったく低い認識度でしかありませんでした。その後、その重要性が伝わり、また、TRCの研究チームが炭酸ガス攻法の効果、経済性をエンジニアリング成果をもとに示していく中で、国営石油会社の中にEOR部門が組織され積極的な技術移転を求める声が上がるようになってきています。イランでは、国営石油会社は既生産油田の再開発はもちろんのこと、新たな開発油田でも比較的早期のEOR導入を想定しています。メキシコは同国最大のカンタレル油田に90年代半ばから窒素ガスの圧入を成功させていますが、今後、炭酸ガス圧入EORや空気圧入EORへの外資導入を模索しています。リビアでもEORを適用する油田再開発への外資導入が検討されています。石油生産のピーク論とEORの貢献という視点というより、ビジネスの形態としてEORが身近なものになってきていると感じられます。? 最も高い回収率が期待される炭酸ガス攻法 ガス圧入EORのうち石油随伴ガスや天然ガスを圧入する方法はガスソースが油田の身近にある点で有利ですが、近年の天然ガスに対する需要は大きく、EORに使えるのは天然ガスの販売が困難なガス消費地から遠く離れた地域の場合や腐食性の高いガスで販売にコストがかかる場合などに限定される傾向が強くなってきました。 炭酸ガスの圧入は、究極的に最も回収ポテンシャルの高いEOR手法となってきました。炭酸ガスは油層圧力・温度の下では石油にとても性質が33石油・天然ガスレビューsisnalyAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysis性があるという結果を得ています。 炭酸ガスの排出権1トン当たり10ユーロというのは、為替レートにもよりますがおよそ1,000立方フィート当たり0.45ドルに相当します。先ほどの、中東油田で試算した排ガスからの炭酸ガス回収コスト試算値の下限1.20ドル/1,000立方フィートに対して0.45ドルのインセンティブが得られれば、北米の商業的炭酸ガスEORでの炭酸ガス売買価格と同等程度になることが分かります。もちろんプロジェクトの経済性は油田の条件、権益の条件など様々な経済要因に影響されることは確かですが、排ガスからの炭酸ガス回収のEORへの転用が荒唐無稽なアイディアでないことがお分かりいただけると思います。原油価格が現在(2004?2005年冬)のようにバレル50ドルを上回ればもちろんのこと、長期的に30ドル後半から40ドルを維持する、技術革新により炭酸ガス分離コストが現在より2?3割安くなる、あるいは先進国の地球温暖化防止シナリオの達成ssが困難になり排出権価格が高騰する。iissyyllこれらのどれか一つ以上が現実のものaanAとなれば、産油国(大多数が発展途上国で排出抑制義務を負わない)で炭酸ガスを火力発電所の排ガスから分離回収し、油田に圧入してEORと地中隔離を両立させること(図22)が経済的に成立し得るものと考えられます(引用文献4)。AAn? ガス源がどこにでもあって、初期コストも安価な空気圧入EORの出番 炭酸ガスEORが回収率向上に最も有望と言いましたが、実際、火力発電所に炭酸ガス分離プラントを建設す米国以外でのEORプロジェクト数その他ケミカル攻法EORガス攻法EOR熱攻法EOR6050403020100プロジ?クト数ベネズエラカナダ中国トリニダード・トバゴインドインドネシア図21米国以外におけるEORプロジェクト数出典:引用文献5の数表から作図ドルになる計算です。中東巨大油田の生産コストが現在2?5ドル/バレルといわれるだけに、EORプロジェクトの持つ厳しさは理解できると思います。生産井に帰ってくるCO2のリサイクルコストを下げるなどの努力が続けられているのはもちろんのことです。 炭酸ガスEORのネックはそのソースがどこにでもあるわけではないということです。天然の炭酸ガスソースでない例としては、カナダのサスカチェワン州ウエイバーン油田があります。ここでは、近隣の米国内にあるアンモニア製造プラントで分離される炭酸ガスをパイプラインでカナダに運び、油田のEOR用に圧入を開始しています。筆者が現地監督から聞き出した炭酸ガス購入価格はおよそ0.7USドル/1,000立方フィートに近いものでした。このプロジェクトは炭酸ガス地中隔離とEOR両立の好例として喧伝されていますが、インセンティブ無しでも商業 炭酸ガス排出権ビジネス的採算性が成り立つ程度の炭酸ガス価格が設定されていると考えてよさそうです。一方、火力発電所などの燃焼排ガスからCO2を回収してEORに利用するプロセスも実用化の域にあり、近年の温暖化ガス対策に関連した技術開発の進展で大幅に低コスト化が図られています。とくに日本にはこの分野に高い技術があります。 当機構TRCが産油国との共同研究の一環として実施したスタディでは、アラビア湾の巨大油田を対象に周辺の火力発電所の排ガスから炭酸ガスを分離してEOR用に供給するケースを、異なる2ヵ国で試算しています。火力発電プラントはもとより、電気・水などの各種ユーティリティの供給コスト、人件費、建設コストなども現地調査に基づく現実的な数値を用いて詳細にスタディしたところ、かなりの幅はあるものの1,000立方フィートの炭酸ガスを1.5ドル前後で供給できる可能2005年2月16日に地球温暖化防止を目指す京都議定書が発効し、3月9日炭酸ガスの排出権ビジネス(スポット取引)が欧州エネルギー取引所で開始された。この日の取引では排出権CO21トン当たり10.40ユーロ(13.89USドル)の値がつき、出来高は2万トンであった。EUでは2005年から域内1万2000箇所の工場や発電所に約22億トンの排出枠を配分。排出量が枠を超過した企業にはトン当たり40ユーロ(約50ドル)の罰金が科せられる一方、余裕のある企業から割安な排出権を購入し目標を達成することも出来ると報道されている。(ビジネスアイ、旧日本工業新聞05.03.11)2005.5. Vol.39 No.3340197819801982198419861988199019921994199619982000200220040アナリシスホ油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長るには巨額の初期コストがかかります。残存埋蔵量の大きな巨大油田を対象にしたり、近隣にたくさんの対象油田が想定されるような場合は、大規模な投資が可能となるでしょう。一方、規模の小さい油田の場合はどうでしょうか。随伴ガスは利用できず、炭酸ガス分離装置への巨額の投資はできません。そこで、地球上如何なるところでも利用可能な空気をガス源とすれば、圧入用コンプレッサーを中心とする初期投資、操業コストも大きくないことから、小規模な油田をも対象にできる可能性があります。このように空気圧入法も今後の有望なEOR手法と考えられ始めています(引用文献10)。空気を油層へ圧入することは、古くから重質な原油を対象に、その重質成分を酸化して発生する熱を利用する火攻法が試行されてきましたが、反応メカニズムが複雑で制御が難しいことから必ずしも大きな成功は得られませんでした。近年、軽質な原油の油層に圧入し、その軽質成分の一部を比較的低温で酸化しながら生成させる熱を利用しつつ、炭酸ガスと窒素で残存する原油を生産井に押し流すEORプロセスが別のジャンルとして実用化されてきました。これがここでいう空気圧入法です。回収効率は炭酸ガスEORに比べれば高くはありませんが、水攻法適用後の油田からもさらなる回収に成功してい図22燃焼排ガスからのCO2の回収・隔離とEORを両立させるプロジェクト出典:TRCる例があります。ガス圧入といえば石油の生産に伴って出てくる随伴ガスや天然ガスの圧入がまず始めに採用されたために、これまで空気圧入は必ずしも広く普及はしていませんでしたが、天然ガスの需要が増大し、随伴ガスや天然ガスは極力販売に回され、圧入用ガスの不足が課題になってきたため、空気圧入が注目され始めたわけです。そこで例えば、北海のエコフィスク油田やインドネシアのハンディル油田などの成熟した大規模な油田で空気圧入の適用が検討されています。TRCでも基礎研究に目処をつけ、フィールド実証へ向けた検討を開始しています。3. TRCにおけるEOR研究の実績、今後の計画 TRCは石油公団時代の1972年に設立されて以来、探査や油層工学関係に加え、EOR技術の研究を業務の大きな柱としてきました。1978年には国際エネルギー機構IEAの活動として先進消費国10ヵ国間でEORに関する研究協力を行う協定が締結され、日本の代表研究機関としてTRCが参加しました。以来、重質油を対象とする火攻法を皮切りに、ケミカル攻法、スチーム攻法、炭酸ガス攻法・炭化水素ガス攻法、そして近年では空気圧入法の研究開発を鋭意推進してきています(図23)。 これらの研究開発はいずれも実験室レベルから始まり、数値シミュレーション評価(油層シミュレータの開発も時には進めながら)を経て、最終的には油田での実証試験(パイロットテスト)までを多くの場合民間企業と共同で実施しています。TRCは、各種EOR技術に実績がありますが、特にガス攻法の中の炭酸ガス圧入、高圧天然ガス圧入に実績があります。関連する実験室(相挙動試験、MMP試験、油層条件下コア掃攻実験、X線CT透視下掃攻実験など)は日々の稼動により高度なオペレーションレベルを維持しています(図24、25)。TRCを視察したイラン、クウェート、メキシコな35石油・天然ガスレビューAナリシスAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnssiissyyllaanAysisnaly出典:TRCTRCにおけるIOR/EORの技術開発図232005.5. Vol.39 No.336^ディや研究を、業際型プロジェクトチームを組成して複数同時に進めています。現地での共同作業、産油国からの技術者来所、双方で開催する報告会、英文による報告書作成など人材の育成によい環境が整っています。今後、共同研究や共同スタディ、出向などいろいろな形でTRCを利用いただくことで、産業界としての技術の開発・検証・蓄積や人材育成に役立つ場を提供できるものと考えています。石油生産ピークを遠のかせる埋蔵量成長どの産油国国営石油会社幹部からも技術レベルの高さに対する賞賛を得ており、この分野で国際的な技術競争力を有することが認められています。 また、複数種類の油層シミュレータも日々使用されています。炭酸ガス攻法ではトルコおよび国内2油田で実施したパイロットテストにおける地上施設設計、実オペレーションデータ、モニタリングと評価手法に関するノウハウが活用できるでしょう(図26)。最近でもクウェート、アブダビの油田を対象に実験研究、シミュレーションによる適用性評価を行っていますが、炭酸ガス源として油田近隣の火力発電所の排ガスからの回収プロセス・設備設計を実施し、コスト分析も行っています。TRCはその中期目標に掲げられたところに従い、実験室の充実をベースとする基盤的技術開発、操業現場の課題を解決する技術サポートを推進し、文字通り「我が国開発企業の技術センター」として本邦開発企業の技術力増強に役立てるよう日々努力しています。 石油開発現場の特徴は、実際の油ガス田で検証された技術で無ければ採用されないというところにあります。どのようにポテンシャルのある技術であっても地下に存在する特定の油層条件に起因する不確実性が避けられず、失敗すれば10億円もする坑井をだめにしたり、とくにEORの場合は悪くすると財産の入っている油層そのものの一部を破壊してしまう可能性があるとみなされ、オペレータは極度に慎重になります。このため、技術を開発しても実証する場(適切な油田)を得ることが非常に難しいのです。 一方、産油国は自国の資源のさらなる発見、効率的な開発、最大限の採取を追求し、オペレータである外国企業に対し、高い目標と厳しい技術力を要求する傾向がますます強まっています。これらに応えられる技術力を示さないとオペレータとしての事業への参入はもとより、パートナーとしての資格も与えられない情勢になりつつあります。産油国に提示する計画書に新規技術(例えばEOR)を載せるためには、石油開発会社は何らかの形で、技術の適用実績を持っている必要があるのです。 TRCは産油国との技術協力・共同研究を推進しています。これらを通じて、データの豊富な油ガス田に関わるス図24TRC所有のX線CTを用いたEORコア実験出典:TRC図25ガスEOR実験装置出典:TRC図26海外の油田で実施したCO2EORパイロットテストの圧入ガス処理プラント出典:TRC37石油・天然ガスレビュー005.5. Vol.39 No.338アナリシスysisnalyAAnalysisAAysAnana nalysisAnalysisAAnssiissyyllaanA― プロローグ ―プロジェクトEOR r. Mからメイルが入ってきた。向こうはサ  月曜日の朝一番にPCを立ち上げると、シカゴの相棒Dマータイム・オンだから、今、日曜夜の7時。ファミリーサービスを終えてからのこの時間帯が一番集中できると言っていたが、早速ジョブの打ち合わせである。目下の課題は1ヵ月後に開催される国営石油会社P社との次回技術協力会議に提案するEORのスタディ・スコープを固めることである。相棒は提案の中にラボワークを入れることが重要だと言う。油層シミュレーションは彼のようなフリーのコンサルタントでもできる空鉄砲だが、ラボの蓄積は実弾だから説得力が違うと言う。わかったと8000マイル向こうの相棒に返事をして、頬をたたく。こっちはまだ週明けのウォームアップ中だ。  イントラのブックマークから「TRC成果検索」を選択して、検索キーにまず〝炭酸ガス〟と〝EOR〟 をAND検索にして入れてみる。36件のレポートが登録されている。〝コアフラッド〟を追加してみる。7件のヒットがある。3つ目のは少し古いが、フィールドパイロットテストまで行った研究開発プロジェクトの事前スタディのものだから今回のケースに近い。役に立ちそうだ。ダブルクリックして詳細情報を見ることにする。報告書の詳細目次がある。「炭酸ガスコアフラッド実験およびシミュレーション」の章が使えそうである。プリントアウトする。もう一件、他の国内フィールドパイロットの報告書目次も出力しておく。  同じように英語で検索してチェックしておく。9件がヒット。英文のは中東油田を対象としたスタディ結果で、去年国営石油会社に報告したものだ。当事者間での守秘義務があるから、図面などの取り扱いは注意が必要だが、プロセスを説明する英文は大いに活用できて助かる。これでコアフラッド実験の仕様書のドラフトができるから、成果普及チームに成果登録番号の一覧をつけた借出フォームを送って必要なレポートを取り寄せることにする。チームメイトのSにメイルで指示を出してとりまとめを依頼する。あとで基盤研究チームにラボワークのドラフトを持ち込んでラボの専門家にコンサルテーションを受けることにしよう。  それから、TRCのホームページに行って、TRC論文・学会発表のチェックをしておこう。CO2、EORで検索して、やっぱり27件がヒットしている。炭酸ガスEORで国際学会に投稿した5件をリストアップしておこう。いずれ提案書のリファレンスに入れておくことになるだろう。それから、まだ、先の話だが、パイロットテストを計画するならプラントの概略設計と設備費用を試算する必要が出てくる。確かソフトウエアツールがあったはずだ。検索〝EOR〟AND〝コスト〟、0件あった。そうそうEORプラント建設コスト推算ツール「SuperIOR」のマニュアルがあるが、で1プロセス屋はチームメンバーにいないからきついな。えーと、精通者は誰だったかな。検索結果ではK.M.氏だが、あぁ、今技術調査Gにいる彼か。一度コンサルテーションを受けることにしよう。  ようし、だいたいめどが立ったぞ。今10時半か。シカゴの相棒はまだ起きてるな。金曜日までにラボワークを含めたワークスコープのアウトラインを送る旨メイルしておこう。向こうでもオースチンの超大物スペシャリストDr・G・Pからアドバイスをもらってくれるはずだ。おっと、別件の会議が始まるな。引用文献 1. Willhite G. Paul, Water?ooding, SPE Textbook Series Vol.3, 1986 2. Green D.W., Enhanced Oil Recovery, SPE Textbook Series Volume 6, 1998 3. OGJ Special Report, Future Energy Supply-1: Debate over peak-oil issue boiling over, with major implications for industry, society, OGJ Jul.14, 2003 4. OGJ Special Report, Future Energy Supply-4: Potential from IOR, Aug.4, 2003 5. Moritis Guntis, EOR continues to unlock oil resources, Special Report EOR Survey, OGJ April 12, 2004 6. Tippee Bob, Oil & Gas Journal's 2004 EOR Survey, SPE/DOE 14th Symposium on Improved Oil Recovery, April 19, 2004 7. Jarrell Perry M. et al, Practical Aspects of CO2 Flooding, SPE Monograph Series Volume 22, 2002 8. Griggs Reid B., State of the Industry in CO2Floods、SPE38849, 1997 9. Flanders W.A., CO2 EOR Economics for Small-to-Medium-Size Fields, SPE26391, 199310.Fassihi M.R., Economics of Light Oil Air Injection Project, SPE/DOE35393, 1996著者紹介JOGMEC TRCチーフエンジニア/コーディネーター、IOR/EOR専攻。80年代後半、中東のマルチナショナル操業会社出向時に、技術力と企業発言力の相関を強烈に体験。帰国後、TRCの充実と普及に傾注。自ら数件の国際EORプロジェクトを実施。現在、技術企画とメキシコプロジェクトリーダー兼務。
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2005/05/20 [ 2005年05月号 ] 大野 健二
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