ページ番号1006168 更新日 平成30年2月16日

中国/カザフスタン:石油パイプラインは年内に完成予定

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レポートID 1006168
作成日 2005-05-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 探鉱開発
著者 竹原 美佳
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年度 2005
Vol 39
No 3
ページ数
抽出データ 1. カザフスタン?中国間石油パイプライン、年内に完成 2005年3月下旬、カザフスタン?中国石油パイプラインの中国部分の建設が始まった。 カザフスタン?中国間石油パイプラインは、カザフスタンのカスピ海北部Atyrauから中国新疆ウイグル自治区にあるCNPC傘下の独山子石油化工分公司(独山子製油所)を結ぶ総延長約3,000kmのパイプラインである。カザフスタン国内部分は約2,800kmで3期に分けて建設される。両国が30億ドルを共同出資している。 中国国内部分は約240kmで、今回着工したのは、両国国境の新疆・阿拉山口(Alashankou)?新疆・精河(Jinghe)区間104kmである。中国石油天然気集団公司(CNPC)傘下のパイプライン会社が建設を行っており、7月に完成予定である。残りの精河?独山子(Dushanzi)区間136kmは年内に完成予定である。 本パイプラインの完成により、当初は20万バレル/日(将来的には40万バレル/日)の原油が中国に供給される計画である。20万バレル/日という数量は、2004年の数値で見ると、中国における1日あたりの石油消費量の3%に相当する。中国は、石油消費の4割強を輸入でまかなっているが、20万バレル/日という数量は、原油純輸入量の6.8%に相当し、最近増加しているロシアからの輸入量中国/カザフスタン:石油パイプラインは年内に完成予定(22万バレル/日)に匹敵する。つまり、原油輸入の中東依存度軽減に若干貢献するものの、消費総量から見ると、それほど大きなインパクトを与える量とは言えない。? カザフスタン国内部分の石油パイプラインルート1期: カザフスタン・Kenkyak?Atyrau(2003年稼動開始)  総延長:約450km   輸送能力:14万バレル/日(30万バレル/日へ増強する計画)    現在はロシア向けだが、将来的に逆走させ、中国向けとする。2期: カザフスタン・Atasu?中国・阿拉山口(Alashankou)(2004年8月着工、2005年末完成見込み)  総延長:約1,300km   輸送能力:20万バレル/日(40万バレル/日へ増強する計画)3期: カザフスタン国内Kenkyak?Kumkol(事業化調査(FS)実施中)  総延長:約1,000km  輸送能力:不明? 供給ソース 本パイプラインの完成により、Atyrau、Kenkyakを通じ、カザフスタンの北カスピ堆積盆地の原油を中国に輸75石油・天然ガスレビュー・ 中国?カザフスタン間の3,000kmに及ぶ石油パイプラインは年内に完成し、来年から20万バレル/日の原油が中国に供給される。将来的に供給量は40万バレル/日に達する見通し。・ 同パイプラインの供給ソースはカスピ海原油ではない。・ 中国は製油所、内陸部消費地向けパイプラインの拡充を進めているが、追いついていない。・ 同パイプライン事業は、地政学あるいは各国の政策を反映した事業という側面も否定できないが、中国、カザフスタン、ロシアのいずれもビジネス上のメリットを追求した事業と言える。図1カザフスタン国内部分の石油パイプラインルート0 45 40 35 30 25 20 15 N01000500kmカラマイ阿拉山口独山子ウルムチゼンゼン(ピチャン)玉門蘭州鄭州成都重慶原油パイプライン(稼動中)原油パイプライン(計画中)製品パイプライン(稼動中)製品パイプライン(計画中)85 E90 95 100 105 110 115 120 125 Equidistant?conic?projection図2カザフスタン?中国間石油パイプラインルート出することが可能となる。しかし、本パイプラインは、カスピ海の原油ではなく、カザフスタン中央部の原油ならびに西シベリア原油を供給ソースとする模様である(西シベリア原油の供給ルートは西シベリア?カザフスタン・Pavloder?Atasu?中国・阿拉山口)。 報道によると、本パイプラインは、西シベリア原油とカザフスタン中央部Turgai(ツルガイ)盆地(Kumkol周辺)で生産された原油を50対50の比率で供給する模様である(Interfax2005/4/5)。中国CNPCは、カザフスタンAktobemunaigazの株式85.12%を保有しており、Kenkiyak周辺の油田権益(Kenkiyak、Zhanazhol油田など)を保有するが、両油田の現行生産量は約12万バレル/日で、パイプラインの設計輸送能力(20?40万バレル/日)に対し、十分な量とは言えない。また、西シベリアおよびTurgai盆地で生産された原油を供給する方が、輸送コスト削減にもつながるので、CNPCも自社が権益を保有する原油を供給することにはこだわっていない模様である。? CNPCおよびその他中国企業のカザフスタンにおける油田権益取得 CNPCは1996年に、国営石油会社Aktobemunaigazの株式60%を取得することでKenkiyak、Zhanazhol油田の権益を手に入れた(2003年にカザフスタン政府の権益購入により株式保有比率を85.12%に増加)。株式取得は国際入札により行われたが、欧米石油メジャーをおさえてCNPCが落札した理由は、カザフスタン政府に対し、カザフスタン?中国間に本パイプラインを建設すると約束したためとされている。 CNPCはその後もカザフスタンにおける上流(油ガス田)権益を追加している。2003年にBuzachi North油田(ピーク時生産見込み9万バレル/日)の権益50%を取得し、2004年にはカザフスタン企業の買収によりArysskoye油田(5,000バレル/日)の権益を取得、また中国企業とのジョイントベンチャーにより、KuatAmlonMunaiのBektas-Konys油田(1万バレル/日)の権益50%を取得した。 過去にCNPCはKenkiyak、Zhanazhol油田付近のUzen油田(生産中:約14万バレル/日)の権益取得を試みたが、取得することはできなかった。 CNPCの他の国有石油会社(NOC)もカザフスタンの上流権益に関心を持っている。中国石化集団公司(Sinopec)および中国海洋石油総公司(CNOOC)は2003年にそれぞれが別個にKashagan油田(開発中:ピーク生産量120万バレル/日)のBG保有権益の取得を試みたが、日本企業を除くパートナーが先買権を行使したため、取得できなかった。2. 中国国内の受入体制 中国は2004年にカザフスタンから原油約129万トン(約2万6,000バレル/日)を鉄道輸送により輸入している。CNPCは、カザフスタン原油受入に向け、新疆を精製・石化基地とすべ表1原油/石油製品パイプライン(稼動・計画中)出所:各種資料にもとづき作成距離(km)輸送能力(万バレル/日)新疆・独山子?新疆・カラマイ新疆・カラマイ?新疆・ウルムチ新疆・カラマイ?新疆・ウルムチ新疆・ウルムチ?新疆・?善(ShanShan/Piqan)新疆・?善(ShanShan/Piqan)?甘粛・蘭州甘粛・蘭州?四川・成都?重慶市新疆ウルムチ?甘粛・玉門?甘粛・蘭州新疆・独山子?河南・鄭州147290290不明1,5001,2501,880不明1.7(現在増強されている可能性あり)144.6不明201020(5)現状稼動中稼動中稼動中計画中(完成時期不明)計画中(2005年末完成予定)稼動中(増設検討中)計画中(2005年末完成予定)備考原油原油石油製品原油原油石油製品石油製品計画中(完成時期不明)原油/石油製品2005.5. Vol.39 No.376ュパイプラインならびに製油所・石化施設の整備・拡張を進めている(China OGP2004/6/15)。計画によると、カザフスタン原油受入は主にパイプラインの終点である新疆・独山子およびそこから約150km北にあるカラマイ製油所で処理する模様である。両製油所の原油処理能力は2005年末までに14万バレル/日増強となる計画である。また国内原油用の処理能力も増強されている。? 原油・製品パイプライン 本パイプラインにより中国に持ち込まれた原油は、新疆のウルムチや独山子製油所から中部の消費地(蘭州、重慶、鄭州など)まで原油あるいは製品パイプラインで供給される。 これまで西部で生産した原油はウルムチや独山子製油所で精製され、約5割が蘭州などに向け鉄道あるいはローリーで輸送されていたが、今後は主にパイプラインで供給されることになり、輸送コスト節減に加え、輸送のボトルネック軽減につながる。 計画によると、ウルムチから蘭州まで原油・製品それぞれパイプラインの供給能力が20万バレル/日追加される。玉門から蘭州の製品パイプラインの供給能力は10万バレル/日追加される。蘭州から重慶までは2002年に10万バレル/日の製品パイプラインが完成しているが、現在増設計画がある。? 製油所拡張計画① 新疆・独山子石油化工分公司/CNPC カザフスタン原油受入のため、原油処理能力を14万バレル/日から20万バレル/日に拡張し、22万トン/年のエチレンプラントを120万トン/年に拡張する。総事業費は272億元(約3,500億円)で、2008年に完成する見込みである。2005年2月に中国政府の承認が下りた。これまでは新疆・カラマイ原油(中質・低硫黄原油)を処理。② 新疆・カラマイ製油所/CNPC カザフスタン原油受入のため、原油処理能力を12万バレル/日から20万バレル/日に拡張する。そのうち6万バレルはカザフスタンの原油を処理するため重質油対応とする(China OGP2004/6/15)。これまでは新疆・カラマイ原油を処理。トは、本パイプラインの供給地である内陸部(蘭州、重慶、鄭州)におけるコスト低減にあると思われる。内陸部は油田中東原油やロシア原油を直接受け入れることはできず、またパイプライン網などのインフラが整備されていなかったため、国内周辺油田からの原油もこれまでは鉄道あるいはその他の輸送手段で運ばれており、輸送コストが他の地域に比べ割高であった。2002年に蘭州?重慶?成都間1,237kmの製品パイプラインが稼動したが、蘭州?成都間のパイパライン輸送コストは鉄道に比べ33.6元/トン(0.6ドル/バレル)割安であると報道されている。本パイプラインの完成とそれに伴うパイプライン網等インフラの整備により、内陸部における石油の供給コストは低減すると思われる。 地政学的発想やエネルギーセキュリティ政策を反映しているという側面も否定はできないが、中国にとり、ビジネス上のメリットがある事業と言える。(竹原 美佳)③ 甘粛・蘭州石油化工分公司/CNPC 原油処理能力を15万バレル/日から20万バレル/日に拡張する。 主に国内原油処理用とする(これまではオルドス、タリムなどの原油を処理)。④ 新疆・塔河製油所(国内原油処理)/Sinopec 製油所の重質油処理能力を5万バレル/日拡張する。⑤ 石化プラント新設/Sinochem アンモニア(30万トン/年)および尿素(30万トン/年)、化学肥料(100万トン/年)のプラントを建設する。3. ビジネスか?地政学的発想か? 本パイプラインは3ヵ国(供給ソースである西シベリア原油のロシアを含む)いずれにもメリットがある。 ロシアとカザフスタンについてはビジネス上のメリットが大きいと思われる。まず、ロシアについては、国内で流通がだぶついている西シベリア原油を販売できるというメリットがある。 カザフスタンは、輸送上の問題から供給先が限られてきたKumkolなどの原油の販売先ができることは望ましい。また、ロシア経由以外の輸出ルートを持つという方針は、当初から政策として謳われていた。 中国(CNPC)にとって最大のメリッ77石油・天然ガスレビュー
地域1 アジア
国1 中国
地域2 旧ソ連
国2 カザフスタン
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アジア,中国旧ソ連,カザフスタン
2005/05/20 [ 2005年05月号 ] 竹原 美佳
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