ページ番号1006191 更新日 平成30年2月16日

破竹の勢いのオイルサンド ~技術改新著しい in-situ 採収法について~

レポート属性
レポートID 1006191
作成日 2005-11-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 非在来型技術
著者
著者直接入力 市川 真
年度 2005
Vol 39
No 6
ページ数
抽出データ アナリシス石油・天然ガス開発技術企画グループ技術評価・成果普及チームichikawa-makoto@jogmec.go.jp市川 真破竹の勢いのオイルサンド?技術改新著しいin-situ採収法について?1.はじめにオイルサンドは、長い間、次の世代の資源と見なされてきた。しかし、2002年12月23日のオイル・アンド・ガスジャーナル誌は、初めてカナダのオイルサンドからのビチューメンの鉱量を通常の原油の鉱量と同列に扱い、カナダの原油可採鉱量に加えた。また、カナダのオイルサンドからの原油は、2005年にはカナダ国内の通常の原油生産量を上回るといわれている。このように、オイルサンドは既に既存の資源としての地位を確立したといってよい。ところで、現在のビチューメンの生産は露天掘りによるものが主流である。2004年のカナダのオイルサンドからのビチューメン生産は日産約90万バレルだが、その3分の2は露天掘りで開発されている。しかしビチューメンの残存可採埋蔵量約1,700億バレルの8割は、数十メートルより深いオイルサンドから生産する必要がある。そこからの可採埋蔵量拡大の立役者となりつつあるのが、下に述べるin-situ採収法(地下採収法)の一つ、SAGD(Steam Assisted GravityDrainage)法と呼ばれる採収法である。SAGD法については、いろいろなところで書かれているが、本稿ではSAGD法が現れるまでの技術や、ポストSAGD法として将来期待される技術と比較しながら、少し詳しくその特徴を明らかにしてみたい。可採埋蔵量約1,700億バレルを通常の原油の可採埋蔵量に加えたことによる。しかし、この数字自体には異論が無いわけではない。たとえばワールドオイル誌はビチューメンの可採埋蔵量をカウントしていないし、BP統計はビチューメンについて現在操業中のプロジェクト分の100億バレルしか勘定に入れていない。なぜ意見が分かれるのか。筆者は1,700億バレルのほとんどを占める、地下50m以上の深いところにあるビチActual Forecast Surface mining In situ 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 出所:Alberta's Reserves 2004 and Supply/Demand Outlook, 2005図1アルバータ州のビチューメン生産 実績と予測350300250200150100 50 010 m /d 3 3 2.オイルサンド開発本年9月、アルバータ州のEnergy andUtilities Board(EUB)は今後10年間のビチューメン生産予測を公表し、2004年現在日産109万バレル(173×103裙/d)のビチューメン生産量が、10年後の2014年には2倍半の日産257万バレル(409×103裙/d)に増加すると予測した(図1)。この数字は、現在計画されているプロジェクトの生産量を基礎に積み上げたものだが、実際にはいくつもの条件をクリアしないと達成できない。生産の際、燃料として用いる天然ガスが確保されるのか、パイプラインにビチューメンを通す際の希釈剤は確保されるのか、水蒸気を作るための水はあるのか、ビチューメンを受け入れる製油所が十分にあるのか、パイプラインの通油量が確保されているのか、さらにはそもそも計画されているプロジェクトからそれだけのビチューメンが採れるのかなど、考えれば幾つでも課題は上がってくる。とはいえ、天然ガス供給量にしろ他49石油・天然ガスレビューの条件にしろ、上記の条件は既知の資源量や既存技術の範囲内で対応できる課題でもあり、決して実現不可能な条件ではない。日産257万バレルという数字は、2014年はともかく、どこかの段階で達成できるのではないかと筆者は考えている。しかし、その後にビチューメン生産が維持・拡大できるかは、現時点では先が見えていない。というのは、先々も天然ガス供給量等が十分かという先に挙げた課題だけでなく、ビチューメンを採り続けること自体に技術的飛躍が必要だからだ。450 4002002年12月23日付けのオイル・アンド・ガスジャーナル誌の世界の国別原油可採埋蔵量ランクで、カナダはサウジアラビアに次ぐ世界第二位に躍り出た。これはビチューメンのAナリシスューメンが本当に採収できるかという点に意見の相違があるためだと考える。図1のビチューメンの生産予測を見ていただくと、下半分が「in-situ」と印されている。実は、この部分が深いところから採れるビチューメンを表している。そしてこの部分の生産量が、2014年頃に頭打ちになってしまっている。これは、深くても開発しやすいオイルサンド層が必ずしも多くないということを意味しているとも考えられる。逆に、ビチューメンの生産を維持し、ビチューメンの可採埋蔵量についての異論をなくしていくためには、この部分の生産量が伸びていかないといけない。そのためには、深いところからビチューメンを生産する技術が充実していくことが必要なのである。そのような深いところからビチューメンを生産する技術は、総称してin-situ法と呼ばれている。3.in-situ法オイルサンドとは、地下に堆積している砂の表面に油が付着しているものをいう。カナダのオイルサンドの場合、砂は主に中生代の砂岩層であり、砂の表面に薄い水の膜があり、油はその周りを取り巻いている。油は重質で粘性の高いビチューメンである。このオイルサンドから、ビチューメンだけを砂や水から分離して採ろうというのが、オイルサンド開発と呼ばれている事業である。カナダのオイルサンド層は数十メートルの厚さで、アルバータ州に広く分布している。州東部のアサバスカ河付近では、オイルサンド層は地上に露出しており、河岸にオイルサンド層が見えている場所も多い。オイルサンド層は西に向かって徐々に深くなり、400㎞西のピース・リバー付近では500m?600mの深さになっている。比較的浅い鉱床のオイルサンドは、表土を取り除いてオイルサンドを採収し、熱湯によってビチューメンを分離する露天掘り法が採られる。一方、50m以深だと露天掘りはできないので、地下に水蒸気を圧入してビチューメンを温め、流れやすくなったビチューメンだけを汲み上げる方法が採られている。この地下採収方式を一般にin-situ法と呼んでいる。露天掘り法は、早くから商業化が実現した方法であった。当初の技術開発の課題であった、オイルサンドからのビチューメンの分離法は、アルバータ州の研究所にいたカール・クラーク博士によって1920年代に技術として確立したが、その後プラントによる実証試験が長期にわたって繰り返された。結局、数十年後の1967年に、サンコール社(当時はGreat Canadian Oil SandsCompany)が、フォートマクマレー市北方のアサバスカ河畔で操業を開始する。また1978年には、シンクルード社がサンコール社に隣接したアサバスカ河畔で操業を開始した。現在は、それにシェル社等のアサバスカオイルサンドプロジェクトが加わり、生産量は日産約60万バレルに達している。現在でも露天掘りは、オイルサンド開発の主流であって、2004年現在、カナダのオイルサンドからの日産量約90万バレルのうち、その3分の2は露天掘りで開発されている。また、既存の露天掘り3プロジェクトが拡張を計画している他、新規プロジェクトの計画も数件あり、今後、露天掘りによるビチューメン生産量は現在の倍以上になる見通しである。この露天掘り中心の状況は、しかしながら、将来は変わらざるを得ない。ビチューメンの2003年末の残存可採埋蔵量は約1,700億バレルとされているが、このうち、露天掘りで採れるのは2割にすぎず、残りの8割は深度が50m以上の深い場所に賦存するため、露天掘りで採収するのは困難とされている。この8割のビチューメンを採収するためには、in-situ法の技術が必要とされている。In-situ法には多くの技術があり、1950年代頃から数十年にわたって研究が行われてきた。しかし、現在、各社がオイルサンド開発事業をin-situ法で行おうとする際に計画するのは、決まってSAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)法であり、今後のビチューメン生産の中心となっていくといわれている。日本のカナダオイルサンド株式会社(カナダ国内ではJACOS社)が採用しているのも、SAGD法である。SAGD法については、これまでいろいろなところで語られているが、本稿では、この方法が現れるまでの技術、ポストSAGD法として将来期待される技術についても述べながら、SAGD法の特徴を明らかにしてみたい。まずは、SAGD法が生まれるまでに試みられた、幾つかの採収法から述べていく。4.プロジェクト・オイルサンドオイルサンド開発には、普通は多量の熱が必要である。油まみれの砂は、十分に熱してやって初めて、強情なビチューメンを砂から引き剥がすことができるからだ。その熱を供給するためにはどうすればよいのか。現在のオイルサンド開発プロジェクトでは、ほとんどすべて天然ガスを燃すことでその熱を得ており、2005.11. Vol.39 No.650j竹の勢いのオイルサンド ?技術改新著しいin-situ採収法について?天然ガスコストを抑えるのが大きな課題となっているが、熱の供給源については現在に限らずオイルサンド開発の初期からの課題でもあった。どうやって多量の熱を供給するか、いろいろアイデアが出た中で、今では信じられないことだが、核爆発を起こしてオイルサンドを熱してやろうということが計画されたことがあった。しかも当事者も政府もやる気満々で、ほとんど実現に近い段階にまで達していた。この計画はプロジェクト・アサバスカ、またの名をプロジェクト・コールドロンといい、1958年にアルバータ州に話が持ち込まれた。提案したのは、米国のリッチフィールド石油であった。井戸を垂直に掘り、9キロトンの原子爆弾を下ろし、爆発させる構想であった。計画では、まずフォートマクマレー市から60㎞南のポニー・クリークに垂直に井戸を掘る。井戸はオイルサンド層の直下、深さ350mまで堀る。そこに9キロトンの原子爆弾を下ろし爆発させる。広島の原爆が15キロトン級といわれているが、爆発はそれより少し小さい程度である。その強烈な熱によって周辺の地層は気化し地下に大きな空洞ができる。その空洞に熱せられたビチューメンが流れ込んでくる。うまくいけばビチューメンは改質されている。そこで数年待ってからビチューメン回収用の井戸を空洞まで掘ってビチューメンを生産する。また、地下の熱は1万年は維持できるので、繰り返し生産できると主張する人もいた。コストは、当時の金で50万米ドルという計画だった。相当めちゃくちゃな話で、眉唾のような部分もあるが、1958年当時、この計画は核の平和利用の一環として考えられており、カナダ側もアメリカ側も真剣に検討を行った。1958年、リッチフィールド石油がアルバータ州に計画を持ち込む直前に、米国の原子力委員会は試験実施の認可を出しており、1959年にはネバダ州の実験で誘発地震を起さないかの確認もしている。Original Blast Well Production Well 380m Oil Sand Formation Cap Rock 60m 9 Kt Explosion Cavity Upgraded Bitumen出所:Alberta Oil Sands Northern Resource Exploration 1875?1951,P189この計画は、ビチューメン生産の経済性を求めるアルバータ州にとっても魅力的であったようで、放射線や地下水の汚染の懸念は示されたものの、州政府の諮問委員会は1959年に計画を進めるように政府に勧告した。またカナダ政府の原子力や防衛関連の機関も、この計画に対して仮認可を出していた。人々の夢は相当広がっていたようで、「一回の爆発で世界の原油可採埋蔵量を倍にできる」とか「西側諸国の中東依存からの脱却」とかいう期待から、「油田をオンデマンドで作ることができる」という景気の良い話まで言われていた。上記の勧告後、この計画はカナダ政府内で認可に必要な技術報告が出されれば実現に至るところまで来ていた。しかし、当時はあいにく冷戦が深まる時代であり、世界的に核戦争への危機感が高まり、放射線への懸念が強まっ図2核爆発によるビチューメン回収たこともあり、カナダの外交政策も核実験禁止や核拡散防止へ傾いていった。結局、認可に必要な報告が出されないまま時間が経過し、ついには米国でも計画は棚上げとなった。アルバータ州は計画が実現しなかった事を非常に残念がり、抗議の声明が連邦政府に対して出されたといわれている。原子爆弾利用の話はこれで完全に終わったように思えたが、1971年になって、もう一度蒸し返されている。原子爆弾利用の技術が突然特許化され、カナダのフェニックス石油がプロジェクト・アサバスカ同様の実験を計画したらしい。ただし、この話はそのまま結局立ち消えとなったようである。5.火攻法 COFCAW(Combination of ForwardCombustion and WaterFlooding)火攻法は、地下の油の一部を燃焼させて周囲の油層を加熱し、油の流動性を高めて動かそうというものである。1950年代からAMOCOカナダ社、BP社、Gulf社等が火攻法の研究を行っていた。特にCOFCAW法と呼ばれる手法は、高効率の手法として実現が期待され、AMOCOカナダ社は1955年から数度にわたり、アサバスカ地区のグレゴアール・レイクでフィールドテストを重ねた。COFCAW法は、燃焼の後に残った熱を再び使うことを狙って、水と空気を交互に圧入する方法で熱効率を改善しようとするものである。51石油・天然ガスレビューAナリシス火攻法では、地下の油を燃焼させて周囲の油層を加熱するが、熱せられた油が動き去った後でも地層にはまだ熱が残されている。この油層の熱を有効利用するため、空気と合わせて水も圧入するのがCOFCAWである。圧入された水は、熱い油層を通過する時に熱を吸収し、熱水か水蒸気になり、さらに前方に進んで油を加熱する。火攻法は、数十年にわたり研究やフィールドテストが実施された。特に1980年代前半の記録を見ると、十数のパイロットテストが進められており、商業化も間近に思われた。しかし、燃焼のフロントが均一に進まないことや、燃焼の結果としてコークスが生成して油層が詰まること、空気や水を圧入する圧力で砂が動いてしまい、出砂問題を起こす等の課題が解決されず、商業プロジェクトの実現には至らなかった。6.CSS(Cyclic SteamStimulation)法現在、商業的に使われているin-situ採収法は、SAGD法以外にはCSS法しかない。CSS法では、以下の3段階を繰り返して生産を継続していく。盧ある期間、井戸に水蒸気を圧入する。水蒸気の圧入を止め井戸を閉める。盪水蒸気の熱がオイルサンド層に伝わり、ビチューメンが流動化するのを、しばらくの間、待つ。蘯井戸を開けてポンプで汲んで、井戸に流れ込んでくるビチューメンを生産する。一つの井戸ではこの過程を繰り返すが、それだけではビチューメンを生産する期間が飛び飛びになってしまう。そのため、幾つかの井戸のグループごとに水蒸気圧入とビチューメン生産のStage1 Steam InjectionStage2 Soak PhaseStage3 ProductionStSteam injm injected Steam injected into the reservoir into the reservoir SteamanSteamand Steamand condensed wateater condensed water heat the viscous oilheat the viscous oilHeated oil and Heated oil and Heated oil and water are pumpewater are pumped water are pumped to the surfaceto the surfaceタイミングを調整することで、全体として安定した生産量を維持している。CSS法は、コールド・レイク地域でインペリアル石油とCNRL社が、ピース・リバー地域ではシェルが実施している。特にインペリアル石油では、1985年からコールド・レイク地域でCSS法を使ったビチューメン生産を行っており、2004年現在、稼動井3,800坑井で、日産約13万バレルもの生産量を誇っている。現在、in-situ採収法の主役になると期待されているSAGD法にも、こんなに大きなプロジェクトはまだ存在しない。ではなぜ、SAGD法より早くから成功していたCSS法がin-situ採収法として広まらなかったのかというと、オイルサンドの最大の埋蔵量があるアサバスカ地域でCSS法が成功しないでいる間に、SAGD法が成功してしまったことが大きい。インペリアル石油のCSS法成功を受けて、石油開発各社はコールド・レイク以外の地域でもCSS法を試みた。ところが、最大のオイルサンド鉱床を持つアサバスカ地域ではCSS法は成功しなかった。初期状態では油層内のビチューメンは流動せず、水蒸気の圧入が困難なため、CSS法では圧入は地層破砕圧力以上で行い、油層に割れ目(フラクチャー)を作りながら水蒸気を圧入する方法がしばしば採用される。出所:Imperial Oil (http://www.imperialoil.ca)図3CSS(Cyclic Steam Stimulation)法水蒸気はオイルサンド層に割れ目を作りながら進行していく。逆に言うと、地中の割れ目がうまくオイルサンド層の中に広がっていかないと水蒸気が無駄になってしまう。コールド・レイクではこのプロセスがうまく進んで適切な割れ目をつくることができた。対象オイルサンド層の上下に強固な方解石層があり、フラクチャーの対象層外への成長を防いでいるといわれる。ところがアサバスカでは、なかなか割れ目の進行がコントロールできず、数々のパイロットテストで、フラクチャーがオイルサンド層外へ成長してしまったことが報告された。オイルサンドでないところに水蒸気が行ってしまい、無駄になってしまったのだ。アサバスカでは、オイルサンド層となっている地層や深度が異なり、地下の応力状況が違ったため、こういう結果になったと思われる。ただ、アサバスカでも適切な管理を行えば、コールド・レイクのようにCSS法をうまく機能させることもできたかもしれない。しかし、そうこうしているうちに、より魅力のあるSAGD法が、アサバスカのUTFプロジェクトで成功してしまった。SAGD法は、何といっても回収率が高く、一坑井の生産量が大きいこと、連続操業が可能、1バレルのビチューメンを生産するのに必要な水蒸気が少なくて済むことなど、CSS法と比較して様々な有利な点があった。そのため、SAGD法成功以降、in-situ採収法といえば、完全にSAGD法に流れがいってしまうこととなった。コールド・レイク地域では、今でもCSS法が続けられている。同地域ではビチューメンの溶解ガス生産が大きく、2005.11. Vol.39 No.652j竹の勢いのオイルサンド ?技術改新著しいin-situ採収法について?天然ガス消費の一部を賄えること、アサバスカ地域のビチューメンと比べて比重も粘性も小さいため、希釈剤が少なくて済むこと等の有利な点があるため、アサバスカのSAGD法に対してCSS法の競争力が保たれているためである。7.スチームドライブ(Steam Drive)水蒸気圧入とビチューメン生産、この二つの機能を1本の井戸で間に合わせたのがCSS法であった。しかしCSS法では、水蒸気を入れたり出したりする必要がある上に、回収率も限られてしまう。ビチューメンを連続的に生産したり、ビチューメンを奇麗に取りきりたいのだが、CSS法ではそれはできなかった。そのために、スチームドライブという方法が早くから提唱されていた。これは2本の坑井を掘り、1本の井戸から水蒸気を圧入し、他方の井戸から生産するという方式である。もともと水攻法やガス圧入、ケミカル圧入など、油の回収率を上げるために一般的に使われる手法であり、このやり方がうまくいけば、圧入井の側から奇麗にビチューメンを押して行き、ビチューメンの回収率は劇的に上がり、生産井では連続的に生産ができるはずであった。ところが、なかなかそううまくはいかなかった。なぜうまくいかないかの説明の前に、ビチューメンの性質を少し話しておきたい。カナダのオイルサンドから採れるビチューメンは、超重質油で粘性が非常に高い。粘性の単位で示せば数百万cP(センチポアズ)という数字になる。では、百万cPとはどんな状態なのだろうか? よくビチューメンを紹介する際に、ビーカーからだらりと流れ落ちる黒い液体の写真が使われている。これで粘り気の高さを伝えようとしているのだと思うが、百万cPとなると粘り気は非常に高く、ほとんど固体と言って良い。著者が勤めていたカナダオイルサンド株式会社のハンギングストーン地域のビチューメンは200万cPであり、ビーカーを逆さにしても落ちてこないぐらい粘性が高かった。ともかく、ビチューメンというのは、普通では動かないものなのだと考えたほうが良い。ところが、こんなに動かないビチューメンも、200℃以上に熱してやると、普通の油のようにさらさら動くようになる。この落差の大きさがビチューメンの生産の特徴である。うまく温めることができれば成功で、温められなければ失敗なのがビチューメンなのだ。とりわけ単にビチューメンを熱するだけで無く、熱し続けるということが、SAGD法が開発されるまでは、うまくできなかったのである。スチームドライブの話に戻ろう。スチームドライブがうまくいかないのは、井戸と井戸の間のビチューメンがなかなか動くようにならなかったためである。確かにビチューメンは水蒸気に当てれば動くようになる。しかし水蒸気から少し離れた場所のビチューメンは十分に温まりきれないものなのだ。200℃の水蒸気があったとしても、そこから10mも離れた場所では数カ月経ってもビチューメンの温度は十数度ぐらいにしか上がらないものなのだ。それではビチューメンは全く動けない状態にある。スチームドライブの場合、一方の井戸からいくら頑張って水蒸気を入れようとしても、生産井の側が固体のようなビチューメンでは、押し出すことなどとても無理なのだ。というわけでスチームドライブは、長時間CSS法を行って井戸の周囲のビチューメンが十分に温まり、なおかつ隣のCSS法の井戸との間のビチューメンまで十分に温まったような状態でなければ実現しない技術だったのだ。8.電気予熱法ビチューメンを熱する熱を供給するために天然ガスを使わない方法として、電気を使う電気予熱法というアイデアがある。1978年に日本のカナダオイルサンド株式会社がカナダのオイルサンド・プロジェクトに初参入したときに試みられていたのがこの方法であった。原理は簡単で、オイルサンドは抵抗が大きいので電気を通してやれば熱が発生するであろうというもの。カナダオイルサンド株式会社が参加したのは、スチームドライブを立ち上げるために電気を利用しようというプロジェクトであった。スチームドライブは、圧入井と生産井の間のビチューメンが動けるようになっていないと成立しない。しかし初期の状態では、水蒸気はオイルサンド層に入っていけないので水蒸気で温めることはできない。電気を使う効果は、圧入井と生産井の間に電圧をかけてやれば温めることができるところにあった。試験は30m離れた坑井間で行われ、10カ月かけて目標の65℃まで温めることができ、次のスチームドライブの実験に進めることができた。しかしながらこの研究も、電気予熱の期間が長すぎて、エネルギー投入量が大きく、生産しない操業期間も長期にわたることもあり、経済性で課題を残した。電気を使う方法は、長い間、企業や大学で研究が行われたが、結局、発電コストに対してビチューメンの生産が小さすぎ、経済性の壁を破れずにいる。53石油・天然ガスレビューサ在、電気予熱法はほとんど消えてはいるが、SAGD法の水蒸気の代わりに電気で水平坑井を加熱するとか、SAGD法や、後に記述するVAPEX法をスタートアップする際に、2本の水平坑井の間のビチューメンを温めて流動性を付けるときに利用するなど、時々新しい技術と結び付いた提案が出てくる分野でもある。衣替えして再登場ということもあるかもしれない。アナリシス9.SAGD(SteamAssisted GravityDrainage)法の発見オイルサンド層の中に2本の水平坑井を上下5mほど離して堀り、上の水平坑井からは水蒸気を圧入してビチューメンを溶かし、下の水平坑井で溶けたビチューメンを集めて生産するのが、典型的なSAGD法である。重力の力によって下の坑井にビチューメンが到達するので、Gravity Drainage(重力排油)と呼ばれている。インペリアル石油でオイルサンドの開発に携わっていたロジャー・バトラ出所:Nexen(http://investors.nexeninc.com)ー博士は、1969年、今のSAGD法の原型とでもいえる回収法を考え付く。それは、博士がかつて働いていたサスカチュワン州のカリウム鉱山の採収法がヒントになっていた。そのカリウム鉱山では、カリウム鉱床の底に水を圧入しており、その水によってチューリップの形をした穴がカリウム鉱床につくられていた。水は周囲の壁からカリウムを溶かすと重くなり、溶液は穴の底に沈んでいく、一方、圧入したての軽い水は上に浮かび上がりカリウムと接して溶かすというプロセスであった。バトラー博士は、同じようなプロセスがビチューメンでも使えると考えた。オイルサンド層中に2本の坑井を掘る。一つの坑井はビチューメンを生産するために使う。そのために二つ目の井戸からは水蒸気を圧図4SAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)法10.SAGD法の検証ロジャー・バトラー博士が思いついたSAGD法は、その後、実証化の過程に入る。1980年にインペリアル石油は、垂直の水蒸気圧入井と水平のビチューメン生産井の試験を行った。これは2本の水平井を使う今日のSAGD法とは異なるが、最初のSAGD法とも言われている。バトラー博士は1981年にSAGD法についての論文を発表し、翌年インペリアル石油はSAGD法の特許を取得する。これらの実績を背景に、1983年からはカナダ政府とアルバータ州政府の補助を受け、アルバータ州のオイルサンド技術開発部門AOSTRA(AlbertaOil and ResearchAuthority)と民間石油会社がフォートTechnology Sands 入する。水蒸気がオイルサンド中に入ると、その熱はビチューメンに伝わって熱水となり、粘性の下がったビチューメンとともに流れ落ちていく。一方、新しく圧入された水蒸気は軽く、上方へ向かっていく。この発想の良いところは、圧入の井戸と生産の井戸が近くても良いと割り切ったことである。それによって、スチームドライブの欠点であった、初期状態では生産ができないという欠点が回避された。こうして、一つの大きな問題は解決されたが、まだ問題は残っていた。それは生産量の大きさで、バトラー博士がいくら計算しても、生産量が上がらないのだった。この問題にしばらく取り組んだ後、バトラー博士は、生産井を水平井にするという画期的なアイデアを生み出すことになる。博士が水平坑井を前提として計算をしてみると、生産量は劇的に増すことが分かった。今から考えると、水平坑井を使うというのは簡単に聞こえるかもしれないが、当時は水平坑井など、事実上存在しない時代だった。そのころに水平坑井を使うということを発想できたということは、本当に驚くべきことである。マクマレー市近郊で実験プロジェクトを開始した。当時はまだ、地上から水平坑井を掘る技術が確立されていなかったため、水平坑井は地下の坑道から掘削され、プロジェクトはUnderground Test Facility(UTF)プロジェクトと呼ばれた。SAGD法は、このUTFプロジェクトによって成功へとつながっていく。だが、この2005.11. Vol.39 No.654j竹の勢いのオイルサンド ?技術改新著しいin-situ採収法について?UTFプロジェクトを始めることができたこと自体には、不思議な運が働いていたようにも思える。著者自身が3年間SAGD法の操業をした経験から言うと、同法はいろいろな条件でも応用できる、非常に性質が良い技術だと感じている。しかし、80年代後半頃だったろうか、初めてAOSTRAのUTFプロジェクトについて知ったときには、こんなプロセスが本当に機能するのだろうかと感じたものであった。論文に書かれていない致命的な弱点が何かあるような気がしていた。当時の著者の疑念は、別に根拠があった訳ではないが、今振り返ると、疑念を持った人がいたとしてもおかしくはない状況だったようにも思える。まず第一に、1981年にロジャー・バトラー博士が発表した論文だが、その論文で博士の提唱したSAGD法のメカニズムの方程式では、地下でビチューメンの採れていく形状、すなわちスチームチャンバー(ビチューメンが採れた場所は水蒸気で満たされているので、スチームチャンバーと呼ばれている)の形状が正しく予想されないのである。実際のチャンバーは、U字型が徐々に開いていくような形を取るのだが、バトラー博士の式を使うと口の広いじょうごの断面の様な形状になってしまう。この問題点を補うために、バトラー博士はその後、幾度か修正モデルを発表することとなる。また1980年のインペリアル石油の試みも、SAGD法的なプロセスによるものとは言われていたが、後にシミュレーション解析で精査したIto Yoshiaki氏によると、井戸の周辺のビチューメンはスチームチャンバーを作るSAGD法的な動きではなく、むしろCSS法に近い動きが起きていたのではないかという。このように、理論としても実績としても十分とは言い切れない状態にもかかわらず、UTFでフィールドテストが始まったということを考えると、何かの幸運が55石油・天然ガスレビュー働いていたような気にもなるのである。ただここで一つ強調しておきたいのは、UTFプロジェクト自体は非常に質の高い計画のもとに実施されていたという事実である。結局、UTFプロジェクトは、SAGD法というプロセスの発想の良さと将来性をカナダの技術者達が正しく評価していたことと、それに加えてオイルサンドを利用可能な資源にするという強い意志をアルバータ州政府とカナダ政府が持っていたこと、この2点が合わさって実現できたのであろう。さて、AOSTRAのUTFプロジェクトは幾つかのフェーズを成功裏に終え、1995年に実施主体を民間企業に譲るのだが、ここでカナダオイルサンド株式会社のプロジェクトについて述べておきたい。カナダオイルサンド株式会社は、1978年からフォートマクマレーの南方60㎞のハンギングストーンでペトロカナダ社、インペリアル石油、ネクセン社との共同プロジェクトに参加していたが、1990年代の前半の低油価時代に、他社がオイルサンド開発に力を入れなくなる中、プロジェクトの主導権を取り、1997年からはSAGDプロジェクトに乗り出す。この時期は、UTFプロジェクトもひと段落していたため、カナダオイルサンド株式会社のハンギングストーン・プロジェクトは、SAGD法の操業技術をUTFから引き継ぐとともに、評価技術と併せて発展させ、今のSAGD法ブームへとつなげることになった重要なプロジェクトであった。特に、UTFプロジェク図5トが行われた場所と比べて、オイルサンド層の不均質性が高いハンギングストーンでのプロジェクトは、オイルサンドの垂直水平方向への連続性を適切に評価した上で坑井計画を立てることの重要性を広く認識させた。またその中で、三次元地震探査を用いて開発を進めていく方法を確立したことは、カナダオイルサンド株式会社の大きな業績であった。UTFプロジェクトやハンギングストーン・プロジェクトを通じて、以下のようなSAGD法の基本形ができあがった。1.SAGD法の2坑の上下の水平坑井の間隔は約5m。出所:Alberta Oil Sands Technology and Research Authority(AOSTRA)UTF(Underground Test Facility)出所:カナダオイルサンド株式会社図6ハンギングストーン フィールド全景.SAGD法を始めるときは、1カ月から3カ月間、水蒸気を上下の水平坑井に入れ周囲を熱する。3.SAGDペアとSAGDペアの間隔は約さは500?1,000m。100m。5.水平坑井はできるだけ水平に等距4.水平坑井のオイルサンド層中の長離に掘る。アナリシス11.SAGD法の実際先項の説明の中で、SAGD法の2本の水平坑井の間隔を約5mとしたが、その理由と、カナダオイルサンド株式会社のプロジェクトの結果、3次元震探が重要と認識された理由について述べておきたい。これらを認識しておくことは、他のin-situプロセスを判断する上でも役立つと考える。ビチューメンは加熱しなければ動かない。ある試算によると、自然に重力で動かすためには、100℃近くに加熱する必要がある。また十分に早く動かすには、200℃ぐらいには加熱する必要がある。ところが、ビチューメンを温めるのは簡単ではない。地下に250℃の水蒸気を送ったとしても、そこから数メートル先のオイルサンド層を100℃にするには数カ月掛かってしまう。CSS法が水蒸気を圧入した井戸をいったん止めて、生産に使っているのも、スチームドライブがなかなか実現しないのも、なかなか動かないビチューメンのためである。SAGD法が優秀なのは、この問題を上手に解決して、温まったビチューメンが自然に移動して水蒸気に場所を譲ることで、水蒸気が次の冷たいビチューメンを直接加熱できるようになる、という連続的なプロセスを実現したことにある。ところで、このプロセスがうまく進まないことがある。一つはSAGD法のプロセスを立ち上げる初期状態のとき、もう一つはオイルサンド層の中に頁岩のような浸透性の悪いものが含まれているときである。盧 SAGD法のプロセスを立ち上げるとき普通数十メートルあるオイルサンド層の厚さに対して、SAGD法の2本の水平坑井は、普通は下のほうに5mぐらいの間隔で、まとめて掘られている。生産井はビチューメンが重力で落ちてくるのを集める井戸なので、オイルサンド層の一番下に掘るのは当然である。しかし、圧入井はなぜその5m上なのか?実は、いったんSAGD法のプロセスが動き始めてしまえば、圧入井は生産井から離したほうがよいとされている。圧入井からの水蒸気は、ビチューメンを集めている生産井の邪魔にもなるし、圧入井から水蒸気が上に行くプロセスは何の足しにもならないからだ。それでは、なぜ圧入井は生産井の5m上となったのか。それはSAGDのプロセスを立ち上げるには、圧入井と生産井が近い方がよいためである。SAGD法のプロセスが立ち上がる前、オイルサンド層に2本の水平坑井を掘ったばかりのときには、2本の水平坑井の間のオイルサンド層は冷たく、ビチューメンは全く動かない。水平坑井に水蒸気を入れてもオイルサンド層は固いままなので、水蒸気はオイルサンド層に入っていかない。そのため、まずは、それぞれの水平坑井の中で水蒸気を循環する。そのために、それぞれの水平坑井は二重管にしてあって、いったん地下まで水蒸気を送った後、それを地上に戻せるようにしてある。この作業を初期循環という。地下の状態で水蒸気は二百数十℃になるものの、オイルサンド層が温まるには時間がかかる。2本の水平坑井の距離が5mぐらいならば2、3カ月で水平坑井間をなんとか温めてやることができる。しかし、それ以上に間隔を広げると加熱に必要な時間は急速に増していく。初期循環の期間は水蒸気を水平坑井内で循環しているだけでビチューメンは生産されない。こういった操業は長い期間は継続できない。よってプロセス全体の効率等を考慮して、初期循環を2、3カ月、水平坑井の間隔を5mぐらいにする会社が多いのである。盪 オイルサンド層中に頁岩があるときオイルサンド層というのは、その名の通り砂の層で流体をよく通すのだが、場合によって泥が固まった頁岩と呼ばれる流体が通らない地層が含まれていることがある。頁岩を通しては水蒸気もビチューメンも移動できない。頁岩が小さければ水蒸気は頁岩を迂回して反対側に回りこんで進むことができる。しかし頁岩が大きいとそうはいかなくなる。そのため、頁岩の向こう側のビチューメンを温めることはできず、仮に少し温めることはできても頁岩に遮られて移動できないので、ビチューメンを採収することができなくなってしまう。頁岩は多くの場合、水平の薄い層状になってオイルサンド層の途中に挟まっている。例えば、頁岩の層がオイルサンド層の真ん中にあるとすると、そこより上に水蒸気が上がらないので、オイルサンド層の厚さが半分なのと同じことになってしまう。オイルサンド層が薄いと熱効率が悪くなって経済的でなくなる。というわけで、頁岩がたくさん含まれている場所では、なるべくSAGD法は行いたくない。この頁岩の挟みの影響は、SAGD法が唱えられた初期から気付かれていた。しかし、その対策については、カナダオイルサンド株式会社のハンギングストーン・プロジェクトで頁岩の影響が現れるまでは、あまり議論されていなかった。オイルサンド開発のエンジニ2005.11. Vol.39 No.656j竹の勢いのオイルサンド ?技術改新著しいin-situ採収法について?アの間ではむしろ、頁岩の存在も生産には大きな影響を与えないのではないかと期待されていた。そんな期待があったのは、一つにはUTFプロジェクトが行われたサイトのオイルサンドが比較的均質で問題が顕在化しなかったのと、なんとか水蒸気が頁岩層を迂回してくれるのではないかという希望的観測があったためと思われる。ハンギングストーン・プロジェクトでは、頁岩の影響のため生産性が非常に悪いSAGD井が生まれてしまい、業界は頁岩の評価の重要性に気付くことになる。カナダオイルサンド株式会社では、オイルサンド層中の頁岩の分布を把握するのが重要であるとして、それまでの2次元地震探鉱と比べて精度の高い3次元地震探鉱をオイルサンド層に対して実施する。3次元震探を利用して次の坑井の掘削場所を決めるようになってから、計画の精度が飛躍的に向上している。出所:石油・天然ガス資源の未来を拓く, 石油技術協会, 2004図7可視化された三次元地質モデル12.SAGD法の課題とVAPEX法SAGD法でビチューメン開発がすべてうまくいくかというと、そうではない。特に問題とされていることが幾つかある。それらは、天然ガス依存、CO2排出、採水・排水、回収の限界、希釈剤の必要性等である。これらの問題を一挙に解決しようというのがVAPEX(Vapour Extraction)法である。SAGD法がビチューメンを流動化させるのに水蒸気の熱を用いているのに対して、VAPEX法では溶剤(エチレン、プロパン等)を用いる。違いは単にこれだけに過ぎないが、これによって、SAGD法が抱える多くの問Edge ofdiluted DAOSolventChamberAInjectorBDrainingdiluteddeasphalted oilHorizontalProductionWell題を解決できると期待されている。盧エネルギー消費、天然ガス依存SAGD法の問題点は、SAGD法の特徴である水蒸気を発生すること自体にある。水蒸気を作るための燃料費に、操業費の半分以上がかかるのだ。その燃料として、今は主に天然ガスが使われている。これが操業費の天然ガス依存を極端に高めてしまっていて、いったん天然ガス価格が上がると、操業継続が困難になる。2000年末のガス価格高騰はそれを現実として突きつけた経験であり、天然ガス依存から脱却したいという各企業の意思はこれによりさらに強まった。SAGD法が水蒸気を用いて、ビチューメンを流動化させるのに対して、VAPEX法では溶剤を用いる。天然ガスを使わないので、天然ガス依存についての直接の解決策となる。操業費用の半分以上の水蒸気の発生コストを削減できるのは、大きな利点である。盪CO2排出出所:SPE Journal, Sept 1998, p233図8Vapex(Vaper ExtractionProcess)アルバータ州の石油業界の反対にもかかわらず、カナダ政府は2002年に京都議定書を批准しており、天然ガスをボイラーで燃しているビチューメン生産者は対策を求められることになる。VAPEX法は、水蒸気発生用のボイラーが不要なので、CO2排出量削減についても大きな効果がある。蘯採水・排水SAGD法はビチューメンを生産する方法である。しかしSAGDプロジェクトの現場に行って施設を見学してみたことのある方は気付くだろうが、施設のほとんどはビチューメンでなく水を扱う施設である。SAGD法のプラントとは、水処理プラントに、水蒸気発生装置と、ビチューメン出荷施設が付加されているものといっても過言ではない。SAGD法にとって、水は非常に重要なポイントなのだ。SAGD法では水蒸気を発生させているので、水蒸気の元となる水が必要である。どのぐらいの水が使われるかというと、1バレルのビチューメンを生産するためには、その3倍の3バレルの水が必要である。水蒸気を作る為にはこの大量の水の確保が必要で、普通は川の水や地下水を用いる。しかし、近くに適当な川や地下水が無い場合もあるし、あっても大量に水を採収すると環57石油・天然ガスレビューォへの影響が問題となる。また排水も問題である。ビチューメンを流動化させるためには、ビチューメンの3倍の水を水蒸気にして地下に送ってやる。この水蒸気は地下で水に戻りビチューメンが生産されるときに、いっしょに地上に戻ってくる。ビチューメンは3倍の量の水と混ざって生産されてくるのである。そこで地上ではビチューメンと水を分けてやり、さらに不純物を除いてやる。こうして処理の済んだ水をどのように扱うかが問題となる。水の温度が高いこともあって、川にあまり多く流すと生態系へ影響する。また、地下への圧入も無尽蔵に圧入できるわけでは無い。ということで、水はできるだけリサイクルして使うのが好ましい。日本のカナダオイルサンド株式会社は水のリサイクルに力を入れており、2005年現在、リサイクル率は90%以上に達しオイルサンド業界の高い評価を得ている。しかしながら、水蒸気を使わないVAPEX法では、このような問題はもともと起こらない。水処理施設にかかわる設備コストと操業負担を小さくできることは、非常に魅力的なのである。盻回収の限界SAGD法のように熱を使ってオイルサンド層を暖める方法では、周囲の地層へ熱が逃げていってしまうので、温める対象の体積に対して表面積が小さいほど効率が高い。オイルサンド層の場合は水平に広がっているので、普通は厚ければ厚いほど効率が良い。オイルサンド層が薄いと、せっかくオイルサンド層を温めても、周囲に熱が逃げやすいので効率が悪くなる。一般に、SAGD法ではオイルサンド層が15mより薄くなると経済的でなくなるといわれている。VAPEX法では溶剤を用いるので、熱と違って伝熱で逃げるという心配は無いので、オイルサンド層の厚さの制約は小さい。そのため、SAGD法が適用できないような薄いオイルサンド層でも、VAPEX法なら開発できると期待されている。また、水層とつながっていて熱しにくいオイルサンド層などにも、VAPEX法の適用が期待されている。眈運搬に希釈剤が必要ビチューメンは、常温では流動性が無いため、パイプライン輸送の際には希釈剤で薄めてパイプラインの使用に適した流動性にしている。希釈剤には、コンデンセートや合成原油を使っている。希釈剤はビチューメンの量の4割ほどの量が必要なので、希釈剤の価格や量は、プロジェクトの経済性を考える上で重要な要素となる。コンデンセートは天然ガスから作るため、天然ガス価格の影響を受けたり、天然ガスが十分に供給されない場合には入手できなくなる可能性もある。また、一般に合成原油の価格は、コンデンセートと比較して割高である。VAPEX法の場合、溶剤のリサイクルの方法にもよるが、溶剤に溶けた状態なので希釈剤が少なくて済む可能性がある。また、溶剤によってビチューメンが改質されることを期待する人もいる。眇 VAPEX法の課題と現状以上のように、VAPEX法は非常に期待されているのだが、実用化までには課題が多い。なかでもVAPEX法が実際に機能するか、プロセスをスタートアップできるか、溶剤の回収とリサイクルができるか、などは大きな課題である。アナリシスまず一番の課題は、VAPEX法というシステムそのものが機能するか否かということである。実験室やコンピューターシミュレーションでは実現しても、実際のオイルサンド層で、VAPEX法がどれだけ機能するかはまだ確認されていない。それから、VAPEXのプロセスをスタートアップさせる方法も大きな課題である。SAGD法の場合は、上下の水平坑井に水蒸気を注入し、その熱で水平坑井の周囲を温めて水平坑井間のビチューメンが動けるようにする。加熱には2、3カ月の期間が必要である。これが、溶剤で水平坑井間を流動化させようとすると、この数倍の期間がかかってしまう。この期間をいかに縮めるかが、経済性に大きく影響する。また、上記の2点が解決されても、溶剤の回収とリサイクルが重要なポイントとして残っている。VAPEX法のような化学物質を使うオペレーションでは、化学物質をいかに有効に使えるかが、実現するか否かの分かれ目になる。過去に一般の油田で行われた化学攻法がなかなか成立しなかった理由の多くも、せっかく圧入した化学物質が地下で拡散したり、吸着したりして働かなくなってしまったことにある。VAPEX法は、昨年からフィールド試験が実施されている。実施場所はフォートマクマレー市近郊の、かつてのUTFの実験サイトである。カナダ政府とアルバータ州が半額、残り半分は約10社の民間会社が負担し、官民の共同研究として実施されている。実験は二つのペアで行われている。一つのペアでは溶剤のみを用いたスタートアップ、もう一つのペアでは始めは水蒸気を用いて温めてスタートアップする方式をテストするということである。13.SAGD法のコスト2003年のカナダのNational EnergyBoardは、日産12万バレルの良好なオイルサンド層で行われるSAGDプロジェクトの場合、希釈ビチューメンの生産コスト(探鉱開発等のすべてのコスト)はバレル当たり19.55カナダドルで、WTIが24ドルで0.75米ドル=1.0カナダ2005.11. Vol.39 No.658j竹の勢いのオイルサンド ?技術改新著しいin-situ採収法について?ドルのとき、RORは13%と報告している。また、日産3万バレルの質の劣ったSAGDプロジェクトの場合はRORが0%としている。楽なプロジェクトというわけではない。特にCO2排出がコスト化されると、操業費で数カナダドルが加算されるとの報告もある。ということで、SAGD法は必ずしもオイルサンドプロジェクトが成功するためには、良好なオイルサンド層を特定する技術、プロジェクトの大規模化、天然ガス節約、資本コストの削減等が重要なことが、ここからも明らかである。14.SAGD法、VAPEX法の次の技術VAPEX法は、天然ガス使用というSAGD法の弱点を克服するために考えられた技術だが、VAPEX法の次の技術も既に幾つか計画されている。溶剤と水蒸気圧入の併用のように複数の方法と組み合わせたものと、新しい技術を用いるものの2種類に分けられる。組み合わせ法盧■SAP(Solvent Aided Process)SAPはSAGD法の一種で、少量の溶剤を水蒸気とともに圧入してビチューメンの粘度を低くして採収しようというもので、エンカナ・エナジー社がクリスチナ・レイク・プロジェクトで実験中である。■SAVEX法(Combined Steam andVapor Extraction Process)SAGD法のように、水蒸気を用いてオペレーションを開始して、その後溶剤を圧入する方法に移行する方法で、インペリアル石油が特許を持っている。新技術盪■THAI(Toe-to-Heel Air Injection)■SAGP法(Steam and Gas Push)水蒸気にN2やCO2などの凝縮しないガスを少量混ぜ、圧入する水蒸気を節約しようというもの。ロジャー・バトラー博士が提唱した方法で、UTFサイトで実験が行われ、CO2が圧入されたが、必ずしも成功とはいえなかった。CO2が、オイルサンド層から外に逃げてしまった可能性もある。またSAGP法については、アルバータ州立の研究所ARCやカナダオイルサンド株式会社から、CO2はビチューメンの加熱の阻害要因となる可能性があるという報告が学会で発表され、バトラー博士の支持者とのあいだで大激論になったことがある。この他、溶剤と水平井の電気加熱法を組み合わせた方法なども提案されている。この方法だと、溶剤は地下でリサイクルされるので地上のリサイクルシステムは不要になるということである。地下のビチューメン自身を燃やして熱源にしようとする方法である。ビチューメンを燃やすために空気を地下に圧入する空気圧入法と呼ばれる技術をオイルサンドに応用したものである。提案されている方法では、生産井は水平に掘り、空気を圧入する井戸は垂直井で生産井の先端付近に掘る。オイルサンド層内のビチューメンは生産井の先端付近から燃え始め、周囲のビチューメンは流動性を得て、生産井へと流れこむ。燃焼の場所は生産井に沿って徐々に井戸元の方向へ移動し、ビチューメンの過熱領域を広げていく。この方法だと、燃料も水もほとんど必要としない上、環境への影響もほとんどない。2004年にカナダのペトロバンク社は、THAIの実証試験実施の認可を受け事業を開始した。2005年第4四半期より実験開始の予定と言われており、従来の火攻法の弱点を克服できるかが注目されている。出所:Oil Week, March 1, 2004出所:Is There a Role for Nuclear Energy in Alberta's Oil Sands? , CanadianInstitute of ChemicalSociety of Chemical Engineering/American Engineers, R.B. Dunbar, 2003図9THAI(Toe-to-Heel Air Injection)図10ACR(Advanced CANDU Reactor)59石油・天然ガスレビューAナリシス■Nexen/OPTI Long Lake Project本プロジェクトでは、OPTI社が開発したアップグレード技術でビチューメンを改質するが、その過程で生成するガスで、水蒸気生成用のガスのほとんどを賄うことで、天然ガス使用量を大幅に削減しようとするものである。本プロジェクトは、2004年に商業プロジェクトの認可を受け、2006年にSAGD法の操業開始、2007年にはアップグレーダーの操業開始予定である。ビチューメン日産約7万バレル、合成原油日産約6万バレルを予定している。■ACR(Advanced CANDU Reactor)CANDU(Canada Deuterium Uranium)とはカナダ製の原子炉の商標名。CANDUの改良型の原子炉ACRを熱源に使うことで天然ガスの代替としようという計画が、アルバータ州で検討されていると伝えられている。原子炉を使う方法は1970年代にも検討されたが、当時は天然ガス価格が安かったため、原子炉にはコスト競争力が無かった。しかし近年の天然ガス高騰とCO2排出問題により、再び注目を浴びることとなったのだ。ただ2003年のCERI(Canadian EnergyResearch Institute)の評価として、ACRを使うには日産16万バレル以上のビチューメンが必要との報告もなされている。15.終わりに本稿では、過去、現在、将来のいろいろなin-situ法を並べて紹介した。それによって、今in-situ法の中心と考えられているSAGD法の特徴が浮き上がるのではないかと期待している。また、本稿で過去のアイデアとして掲げた方法も、将来、衣替えして再び登場する可能性が無いわけではない。そのときに、過去にどういう経緯のあった技術だったのか、参考にもなればとも考えている。オイルサンドは数十年来多くのアイデアが試されてきた技術分野である。それらの技術の蓄積があって初めて、今日のオイルサンド開発が実現したといってもよい。これからも、多くの目新しいアイデアが出てくることであろうが、アイデアが変わっていたり、弱点が明らかな場合でも、疑うばかりでなく、むしろ積極的に評価点を探すつもりで見つめていきたい。2003 Oil Sands Projects Bitumen Production*表1ビチューメン生産量盧Company NameBaytexBlackrock VenturesBonavista PetroleumCanadian NaturalResourcesProject NameReita Lake2Hilda LakeOrion ProjectSeal I, IIFrog, Swimming, Irish, Elk Pt,Lindbergh Louis13 projects3Lindbergh NorthFishing LakeMoose HillsBeartrapBrintnell, Pelican LakeWabascaPrimroseKirby Thermal ProjectBurnt Lake Crown AgreementWolf Lake Crown AgreementHorizonCanadian Oil Sands TrustSyncrude4(36.7%)Chevron TexacoAthabasca Oil Sands Project5(20%)Surmont Project6(43.5%)Syncrude4(9%)Conoco PhillipsCrispin EnergyDeer CreekDelphi EnergyDevonMann Lake, Mann NorthJocelynJohn LakeManatokan, Tulabi John LakeDoverSurmont Project6(13%)JackfishCold LakeAthabascaCold LakeCold LakeAthabascaAthabascaAthabascaPrimarySAGDPrimaryPrimarySAGDSAGDSAGDLocationCold LakeCold LakeCold LakePeace RiverRecoveryMethodPrimarySAGDSAGDPrimaryCold LakePrimaryProduction(bpd)4,946??2,8982,8983,580PrimaryPrimaryPrimaryPrimaryPrimaryPrimaryPrimaryCold LakeCold LakeCold LakeCold LakeCold LakeAthabascaAthabascaCold LakeAthabascaCold LakeCold LakeAthabascaMining/UpgraderCSS/SAGDCSS/SAGDSAGDSAGDAthabascaMining/UpgraderAthabascaMining/UpgraderAthabascaAthabascaMining/UpgraderSAGDRecent Company or Project Announced Target1Orion bitumen production to be 20,000 bpd by 2007Seal bitumen production to be 15,000 bpd by 2005Primrose SCO production to be 120,000 bpd by 2012+Horizon SCO production to be 232,000 bpd by 2012+Syncrude SCO production to be 550,000 bpd by 2016AOSP bitumen production to be 525,000 bpd by 2010Surmont bitumen production to be 110,000 bpd by 2010Syncrude SCO production to be 550,000 bpd by 2016Jocelyn bitumen production to be 30,000 bpd by 2012Surmont bitumen production to be 110,000 bpd by 2010Jackfish bitumen production to be 35,000 bpd by 20082005.11. Vol.39 No.66016,9794,4575,5538,4833,8757,26516,82030,125?1,0794,805?99,44394,02317,107?22,99522,995263?1227,2151,538??8,754j竹の勢いのオイルサンド ?技術改新著しいin-situ採収法について?表1ビチューメン生産量盪Project NameFoster CreekPelican Lake, WoodenhouseChristina LakeLocationAthabascaAthabascaAthabascaRecoveryMethodSAGDPrimarySAGDCompany NameEncanaExxonMobilHusky Oil LimitedImperial OilJapan Canada OilsandsKoch PetroleumKrang EnergyMocalMurphy Oil Ltd.NexenOptiPetro-CanadaKearl MineIron RiverTuckerSunrise7Cold LakeSyncrude4(25%)Kearl MineHangingstoneNorth WabascaPeace RiverLindbergh SouthSyncrude4(5%)LindberghSyncrude4(5%)Syncrude4(7.2%)Long Lake8(50%)Long Lake8(50%)MacKay RiverMeadow CreekSyncrude4(12%)AthabascaMiningCold LakePrimaryCold LakeAthabascaSAGDSAGDCold LakeAthabascaMining/UpgraderAthabascaMiningCSSAthabascaAthabascaPeace RiverSAGDPrimaryPrimaryPrimaryCold LakeAthabascaMining/UpgraderCold LakeAthabascaMining/UpgraderPrimaryAthabascaMining/UpgraderAthabasca SAGD/UpgraderAthabasca SAGD/UpgraderAthabascaAthabascaAthabascaMining/UpgraderSAGDSAGDProduction(bpd)22,23816,1343,86642,238?2,2912,291????129,53463,874193,4084,85137322760061412,77526512,77513,04018,39612418,52012430,66041,3762,478?Recent Company or Project Announced Target1Kearl Mine bitumen production to be 100,000 bpd by2012+(future expansion to 200,000 bpd)Tucker bitumen production to be 30,000 bpd by 2007Sunrise bitumen production to be 200,000 bpdCold Lake bitumen production to be 180,000 bpd by 2008Syncrude SCO production to be 550,000 bpd by 2016Kearl Mine bitumen production to be 100,000 bpd by2012+(future expansion to 200,000 bpd)JACOS bitumen production to be 60,000 bpd by 2012+Syncrude SCO production to be 550,000 bpd by 2016Syncrude SCO production to be 550,000 bpd by 2016Syncrude SCO production to be 550,000 bpd by 2016Long Lake bitumen production to be 72,000 bpd by 2007Long Lake bitumen production to be 72,000 bpd by 200710,716 McKay River bitumen production to be 27,000 bpd byMeadow Creek bitumen production to be 40,000 bpdSyncrude SCO production to be 550,000 bpd by 2016?Petrovera9Ricks Nova ScotiaElk Point/Frog Lake/LindberghBeaverdamCold LakeCold LakePrimaryPrimaryCompany NameShell Canada LimitedSuncorProject NamePeace RiverPeace RiverAthabasca Oil Sands Project5(60%)Steepbank & Millennium MineFirebagVoyageur表1ビチューメン生産量蘯LocationRecoveryMethodPeace RiverPressure Pulse/SAGDPeace RiverPressure Pulse/SAGDAthabascaMining/UpgraderProduction(bpd)1,1858,01851,32060,522AthabascaMining/Upgrader273,532Athabasca32AthabascaMining/SAGDSAGD273,563SynencoNorthern LightsAthabascaTOTAL(TotaIFinaElf)TrueNorth EnergySurmont Project6(43.5%)Fort Hills10(78%)AthabascaAthabascaUTS CorporationFort Hills10(22%)AthabascaMiningSAGDMiningMiningWestern Oil SandsAthabasca Oil Sands Project5(20%)AthabascaMining/Upgrader17,107OIL SANDS PRODUCTION(OIL SANDS ROYALTY PROJECTS)937,636OIL SANDS PRODUCTION(CONVENTIONAL, EXPERIMENTAL, & FREEHOLD PROJECTS)26,444TOTAL OIL SANDS PRODUCTION964,080* Sources: ADOE/AEUBRecent Company or Project Announced Target1Peace River bitumen production to be 17,000 bpd byAOSP bitumen production to be 525,000 bpd by 2010Suncor SCO production to be 550,000 bpd by 2010-2012Northern Lights bitumen production to be 100,000 bpdby2009Surmont bitumen production to be 110,000 bpd by 2010Fort Hills bitumen production to be 50,000 bpd by 2009(future expansion to 200,000 bpd)Fort Hills bitumen production to be 50,000 bpd by 2009(future expansion to 200,000 bpd)AOSP bitumen production to be 525,000 bpd by 2010?????盧Publicly announced targets as of October 25, 2004.蘯CNRL's 13 combined projects include: Seibert Lake, Fort Kent, Frog Lake, Elk Pt, John Lake, Ashmont, Cold Lake, Marwayne, West Marwayne, Edwards Lake,盪Baytex's Reita Lake production is shared with CNRL.Elizabeth, Lindbergh CA, Elk Pt CA.盻Syncrude ownership on Dec 31, 2003: Canadian Oil Sands Trust (36.7%), Imperial Oil (25%), Petro Canada (12%), Conoco Philips (9%), Nexen (7%),Mocal (5%), Murphy Oil (5%). Syncrude average bitumen production in 2003 = 255,496 bpd.眈Athabasca Oil Sands Project ownership on Dec 31/03: Shell Canada (60%), Chevron Canada (20%), Western Oil Sands (20%).AOSP average bitumen production in 2003 = 85,533 bpd.眇Surmont project joint venture ownership on Dec 31/03: TOTAL (43.5%), Conoco Philips (43.5%), Devon (13%).眄Project name change from Kearl Lake to Sunrise.眤Petrovera purchased by Canadian Natural Resources - February 2004.眞Fort Hills project ownership on Dec 31, 2003: TrueNorth Energy (78%), UTS Energy (22%). UTS announced the intent to purchase all TrueNorth shares in the眩Opti-Nexen Long Lake project ownership as of June 2003: Opti (50%), Nexen (50%).Fort Hills project in July 2004.出所:Alberta's Oil Sands, Alberta Department Energy, 200461石油・天然ガスレビューAナリシス参考文献1. Canada's Oil Sands, Strategy West, June 20052. Alberta's Oil Sands, Alberta Department Energy, 20043. Oil Sands Industry Update, Alberta Economic Development, September 20044. Oil Sands Industry Update, Alberta Economic Development, Spring 20055. Athabasca Oil Sands: Northern Resource Exploration, 1875-1951、Barry Glen Ferguson, 19866. Canada's Oil Sands Opportunities and Challenges, National Energy Board, 20047. The Gravity Drainage of Steam?Heated Oil to Parallel Horizontal Wells; Journal of Canadian Petroleum Technology, 21, pp-90-96, April-June 1981, Butler, R.M. and Stephen, D.J.8. SPE Journal, Septemeber, 19989. Oilweek, March 1, 200410. Oilsands Technology Roadmap、Alberta Chamber of Resources, 2004 11. Alberta's Oil Sands, Resources, Production, Growth, Products and Markets, Duke du Plessis, 200412. Energy Heritage Oilsands and Heavy Oils of Alberta, Alberta Energy and Natural Resources, 198213. Alberta's Petroleum Industry and Conservation Board, David H. Breen, 199314. Developing Alberta's Oil Sands: From Karl Clark to Kyoto, Paul Chastko, 200515. SAGD法によるビチューメンの生産、Yoshiaki Ito, 199716. 石油・天然ガス資源の未来を拓く ―最前線からのメッセージ―、石油技術協会、200417. Fuelling Our Energy Future, University of Calgary, 200418. Alberta's Reserves 2004 and Supply/Demand Outlook, 200519. Is There a Role for Nuclear Energy in Alberta's Oil Sands? , Canadian Society of Chemical Engineering/American Institute ofChemical Engineers, R.B. Dunbar, 2003著者紹介市川 真(いちかわ まこと)東京都八王子市生まれ。東京大学工学系大学院資源開発専修(修士課程)終了後、1984年より石油公団勤務。1998年より2002年まで、カナダオイルサンド譁のカナダ法人JACOS社に出向し、SAGD法を用いたプロジェクトの立ち上げに携わる。現在はJOGMECの技術企画グループに所属。気に入った英米SF作家の小説を邦訳が出る前に読むのが趣味で、先日ダン・シモンズの新作Olymposを買ってきたが、その分厚さを前にして途方にくれているところ。家族は妻一人。2005.11. Vol.39 No.662
地域1 北米
国1 カナダ
地域2
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国10
国・地域 北米,カナダ
2005/11/20 [ 2005年11月号 ] 市川 真
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