ページ番号1006223 更新日 平成30年2月16日

エネルギー:こんな見方もあった! ~『「長生き」が地球を滅ぼす』の生物学的エネルギー観~

レポート属性
レポートID 1006223
作成日 2006-05-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 エネルギー一般
著者
著者直接入力 本川 達雄 森島 宏
年度 2006
Vol 40
No 3
ページ数
抽出データ 東京工業大学大学院生命理工学研究科教授tmotokaw@bio.titech.ac.jp本川 達雄JOGMEC 石油・天然ガス調査グループmorishima-hiroshi@jogmec.go.jp森島 宏(紹介者)エッセーエネルギー:こんな見方もあった!?『「長生き」が地球を滅ぼす』の生物学的エネルギー観?紹介者前書き 本誌は、石油や天然ガスなどのエネルギー資源に関する動向や分析をお伝えしています。そこではエネルギーという言葉が、特に定義されずに使われていますが、火力、電力、光、風力、水力など、仕事をする能力がエネルギーであり、それをもつ物質がエネルギー資源であるというのが、共通の理解でしょう。エネルギーは、現在の人間社会を支える極めて重要なものですから、われわれは、常日ごろ、これを技術的、経済的、あるいは地政学的な観点から考えています。 これに対して、最近、生物学者の本川達雄氏(末尾の原著者紹介参照)が、『「長生き」が地球を滅ぼす――現代人の時間とエネルギー』(阪急コミュニケーションズ、2006年)という書物を出版されました。言うまでもなく、われわれ人間も一個の生物であり、生物学という観点からエネルギーを見ると一体どういうことになるのか、興味を引かれます。本稿では、著者のご了解を得て、本書のうち、特にエネルギーに関連する部分を、順を追って抜粋しつつ、紹介することにいたします。 著者の執筆の目的や、かなり過激な書名の由来などが、「はじめに」で次のように語られています。はじめに 現代日本の大問題に、少子高齢化やエネルギー資源の問題がある。 生物にとって、意味のある時間をつくり出す最重要事は、子供をつくること。子供をつくることにより、時間を若返らせ、永遠の時間を生き続けていこうとするのが生物である。個体が長生きすることでは、永遠の生は得られない。少子化も高齢化も、生物の時間がどのようなものかを理解していないことから生じた問題なのである。 エネルギー資源の問題も時間とかかわる。大量のエネルギーを使って時間を操作しているのが現代。にもかかわらず、時間はどうやっても変わらないものだと信じ込んでいるところに、大いなる矛盾がある。だからこそ、正しい時間の見方が必要なのだ。時間とエネルギーとが関係し、時間がエネルギー消費量によって変わるという見方をすれば、現代日本の抱える多くの問題が時間の問題だと、こんなふうに世の中を見通すことができるようになる。 本当は、われわれは時間の奴隷ではなく、自由をもっているのである。エネルギーを使って時間を操作しているのだから。そして、自由があるということは、責任も生じるということである。自由だと認識していないから、責任もとらないところが大きな問題。本書のタイトルをかなり過激なものにしたのは、時間に対して、われわれは責任をもつ必要があるのだということを強調したかったからである。1. 動物の時間は、大きさに比例する 著者はまず、本書の第1章を生物学的時間の説明から始めています。内容については、同じ著者によるベストセラー『ゾウの時間 ネズミの時間』でご存じの方もおられると思います。そこで、以下では要旨のみを紹介します。 私たちの心臓は1分間に60~70回のペースで、かなり規則正しく打っています。心臓が1回ドキンと打つ時間を心周期と呼びますが、ヒトではおよそ1秒です。サイズの小さい動物では心周期は短く、サイズが大きくなるに従って心周期が長くなります。 図1の縦軸は心周期、横軸は体重です。目盛りは、縦軸も横軸も、一目盛り増すごとに数値が10倍になるような対数目盛りにしてあります。これが両対数グラフです。 対数目盛りで直線になるということは、心周期は体重のべキ関数で近似できることを意味します。その近似式を図の中に書き入れておきました。式を見ると、体重を示すWの右肩の上に1/4という数字が乗っています。つま2006.5 Vol.40 No.364ナ1ジュール使うのですが、ネズミはたった0.1秒の間に同じ量のエネルギーを使うわけです。 では、比代謝率に寿命という時間を掛けてみましょう。すると一生の間に使うエネルギーは15億ジュールと計算できます。ただしこれは安静時のエネルギー消費量の値を使っています。1日の活動を平均すると、安静時の倍のエネルギーを使いますから、一生の間に約30億ジュール使うことになります。ゾウの寿命は約70年です。70年間に30億ジュール使います。ネズミの寿命は約3年です。この3年の間に、やはり30億ジュール使うのです。時間の速さはエネルギー消費量に比例する 時間と比代謝率とは反比例していました。つまり時間の逆数(1/時間)と比代謝率とは比例するのです。時間の逆数とは「時間の進む速さ」と言ってもいいでしょう。すると「時間の進む速さは比代謝率に比例する」ことになります。つまり動物の体の中では「エネルギーを使えば使うほど時間は速く進んでいく」のです。 なぜそうなるのでしょう。ここで時間と私が呼んでいるものは、心臓が繰り返し打つ等、繰り返しの周期です。寿命も世代交代の周期だと捉えることができます。寿命というレベルで時間とエネルギーの関係を考えてみましょう。体は使えばすり切れてきます。長年使用し続けてガタがきたら、これ以上直すよりは、捨ててしまって新しいのにつくり替えたほうが経済的という時期がくるでしょう。そこで新しく自分とそっくりの子供をつくり、古い体(つまり親)のほうは壊れて死ぬにまかせます。 子供をつくるにはエネルギーが必要です。新しい個体になったということは、時間がゼロに戻ったということです。つまり、エネルギーを注ぎ込むこ位として計ったもの」を、「生物的時間」と呼ぶことにします。心臓がドキンドキンと繰り返し打ったり、肺が呼吸を繰り返したりという、体の中で繰り返し起こっている現象の1回分の時間を単位として、生物の時間を考えるのです。その1回転の時間(つまり周期)を時間の単位として考ゾウウマウシ♀ヒトヒツジヤギイヌ1T=0.25W4ウサギネコドブネズミハツカネズミ101心周期T(秒)0.110グラム 1001キログラム101001トン10体重W図1 心周期(T)と体重(W)の関係えるものです。 物理的時間は直線的なのに対し、生物的時間は繰り返し回る時間です。回転の周期は体重の1/4乗に比例して長くなるのです。なぜ体重の1/4乗なのでしょうか?  私は、エネルギー消費量が関係してこうなっているのではないかと想像しています。 体の大きいものほどたくさんエネルギーを使います。これは当然でしょう。ただし、体重とエネルギー消費量とは正比例しません。体重あたりのエネルギー消費量(比代謝率)は体重の1/4乗に反比例して減少します。 時間は体重の1/4乗に正比例していました。そして比代謝率は体重の1/4乗に反比例するのです。同じ数字になるのだから、時間とエネルギーとの間に因果関係がありそうな気がします。 一方が正比例で他方が反比例なのですから、この二つの関係式を一緒にすれば、時間と比代謝率とは反比例することになります。 時間として心周期をとり、これに比代謝率(安静時の)を掛けると、答えは1ジュールになります。心臓が1回ドキンと打つ間に1キログラムの組織が使うエネルギーは1ジュールなのです。これはゾウであってもネズミであっても同じです。ただしゾウは1回のドキンに3秒かかりますので、3秒り、心周期は体重の1/4乗に比例して長くなるのです。 体重の1/4乗ですから、体重が2倍になると時間が1.2倍ゆっくりに、体重が10倍だと時間が1.8倍長くなります。このような関係が成り立つとすると、体重が10万倍違えば、時間は18倍違うという計算になります。 ちなみにこれは、30グラムのハツカネズミと3トンのゾウの体重の違いに相当します。だとすると、ゾウではネズミよりも時間が18倍ゆっくり流れているのかもしれません。この関係は心臓だけではなく、呼吸の時間にも当てはまります。 体の大きなものほど時間が長いのですが、実は1回の肺の動きは心臓4.5拍分で、これはゾウもネズミもわれわれも変わりません。腸が1回じわっとする時間は心臓11拍、血液が全身をひと巡りしてまた心臓に帰ってくるまでの時間は84拍、懐胎期間は2,300万拍、性的に成熟するまでの時間は9,500万拍、大人の大きさに達する時間は1億5,000万拍、そして寿命は15億拍。これは哺乳類に限らず、鳥類をも含めて恒温動物に広く当てはまることです。動ど蠕ぜんう物理的時間・生物的時間 「生物にかかわる時間を、生物の体の中で繰り返し起こる現象の周期を単65石油・天然ガスレビューエネルギー:こんな見方もあった! ?『「長生き」が地球を滅ぼす』の生物学的エネルギー観?c泣cbトネコドブネズミ3E=4.1W4ハツカネズミ1001キログラム101001トン10体重W出所:Schmidt-Nielsen, 1984をもとに描く図2 エネルギー消費量と体重との関係の両対数グラフ2006.5 Vol.40 No.366エッセーギー使用量とが比例するのは、もっともなことのように、私には思えるのです。題にしている量(たとえば標準代謝率)、aとbは定数です。b=1なら正比例の式になるのですが、多くのケースではbは1にはなりません。bが1でないと、yは体重の増え方とは違った割合で変わっていくことになります。だからアロ(=違った)メトリー(=割合)と名前がついているのです。ギリシャ語からつくられた言葉です。標準代謝率は体重の3/4乗に比例する 図2のように両対数グラフで直線になればアロメトリー式が成り立ちます。直線の傾きがbの値を示します。図ではbは3/4。エネルギー消費量は体重の3/4乗に比例することになります。これは恒温動物についてのものです。 変温動物の場合のエネルギーも調べられています。これは恒温動物の線より下にずれた平行線です(図3)。平行ですから、変温動物でもエネルギー消費量は体重の3/4乗に比例します。そゾウウマウシ♂ヒツジイノシシヒトブタ♀ウシ♀チンパンジーイヌサルヤギとにより、時間が元に戻っていることになります。 これは子供をつくる際だけではなく、体の中の化学反応が起こるところでも、やはり反応の1回転ごとに一定量のエネルギーを使います。 回転の速いものは、回転数に比例してエネルギーがよりたくさん必要になるでしょう。1回転の時間が生物的時間なのですから、時間の速度とエネルピーの増大とはかくも恐ろしいことであり、また、それが増えないように抑えるエネルギーの重要さも分かるというものでしょう。 酸素もATPも蓄えが少なく、どの栄養素を燃やしても酸素1リットルあたり同じ量のエネルギーが出てくるという、都合の良いことが重なっているので、酸素消費量からエネルギー消費量がわかるわけです。標準代謝率とアロメトリー式 安静時(ただし眠ってはいない)のエネルギーを標準代謝率と呼びます。標準代謝率と体重の関係を、両対数グラフ用紙に描いてみます(図2)。 このようなグラフ用紙を使って体重と標準代謝率の関係を図に描くと、ハツカネズミからゾウまで、点はほとんど一直線にきれいに並びます。とても印象的な直線ですので、この分野の研究者の間では「ネズミ―ゾウ直線」と呼ばれています。両対数グラフで直線になるということは、標準代謝率が体重のべキ乗で書き表せることを意味します。その式を図に記入しておきました。 このようにスケーリングにおいては、体重をWとすると、 y=aWbという形で書き表せることが多いのです。これをアロメトリー式と呼びます。yは問標準代謝E(ワット)0.110グラム10010001002.動物のエネルギー 第2章は、動物のエネルギーについて解説されています。どの項も極めて興味深い議論や見解が展開されていますが、紙面が限られていますので、主要な部分を、抜粋、要約してお伝えします。動物のエネルギー消費量は酸素消費量を測ればわかる 動物は酸素を使って食物を燃やし、ATP(アデノシン三リン酸)という化学物質をつくります。この物質にエネルギーが蓄えられており、必要に応じて分解されてエネルギーを放出します。ATPは体内のいたるところで使われています。 体内でのATPの量は、あまり多くはありません。酸素を使ってたえずATPをつくって補充してやらないと、たちまち分解されてなくなってしまいます。 私たちは首を絞められれば、すぐに死んでしまいますね。酸素が入ってこなくなり、ATPがつくれなくなってエネルギーが枯渇します。 エネルギーがなくなるとなぜ死ぬのかというと、ここに熱力学の第二法則が関係します。生物はエネルギーを使ってエントロピー(無秩序さの尺度)が増大するのを抑えています。酸素がなくなればATPがなくなり、エントロピーの増大を抑えられなくなります。体がどんどん解体して無秩序になっていき、死ぬことになります。 これは熱力学の第二法則によって殺されたとも言える事態です。エントロo所:Wilkie, 1977をもとに描く43W4.1=E物動温43W=0.14恒E物動温変43W=0.018E物-1210-910-610-3101310体重W(キログラム)エネルギー消費量はどの動物でも体重の3/4乗に比例する機器や高速コンピュータなどは、温度が一定に保たれた部屋に置かれているものです。 時間というと「絶対に変わらない等速の時間が、私たちの体の外に厳然として存在しているのだ」という見方を私たちはしていますが、このような見方も、恒温動物という自分の体のデザインから生じているものだと思われます。時間観や世界観というものも、体のつくりと無縁ではないのです。生胞-15図31細単310-610-1210-910-31010標準代謝率E(ワット)パーセントは消えてなくなってしまうのです。体の成長や子という形で肉に変わるエネルギーはたったの2.5パーセントです。収入のほとんどは体の維持費で消えてしまうのですから、これはむなしいといえばむなしい話です。 私たち恒温動物が大変なエネルギーを使って体温を高く保っているのは、代謝速度を速めることにより、時間を速くしていると見ることができるでしょう。高温動物は高速動物なのです。高速にすることにより、のそのそしたものを捕まえて餌にすることができるようになりました。 体温が一定だということは、代謝速度を一定にして時間の速度を常に一定に保つ意味があるでしょう。恒温動物は恒時間動物なのです。 時間の速度が一定ならば、いつも同じタイミングでやれるので、精密な運動や情報処理が可能になります。精密して下方にずれていますので、同じ体重のもので比較すれば、変温動物は恒温動物よりエネルギー消費量が少ないのです。変温動物から恒温動物へと進化したときに、標準代謝率が30倍になりました。 単細胞生物についても体重と標準代謝率の関係が調べられていますが、これも直線になります。多細胞動物の線より、さらに下にずれた平行線です(図3)。単細胞生物でもエネルギー消費量は体重の3/4乗に比例します。 このようにエネルギーはみな3/4乗に比例するのですが、なぜ3/4乗なのか、まだ誰も理由を知りません。生物学における大きな謎の一つです。 理由は分からないのですが、3/4乗則は広く生物に当てはまるものなのです。だから、このサイズとエネルギーの関係は、生物における根本デザインの一つだと私は考えています。 変温動物と恒温動物とでは、食べたものがどれだけ身になるかが、大いに異なります。変温動物では、吸収したエネルギーの30パーセントが肉になります。食べたものが、体重の増加や子孫という目に見えるものに変わります。ところが恒温動物では、食べて吸収した分のエネルギーの、なんと97.5エネルギー:こんな見方もあった! ?『「長生き」が地球を滅ぼす』の生物学的エネルギー観?3.現代のエネルギー問題を、生物学から考える 第3章では、現代社会のエネルギー問題が取り上げられています。この章にも、興味ある記述が満載で、選択に困るほどですが、一部の紹介にとどめます。大きなものほどサボッている 体重あたりのエネルギー消費量が体重の増加とともにどう変わるかのグラフ(図4)を描いてみます。すると体重1キログラムあたりのエネルギー消費量(比代謝率:Esp)は体重の1/4乗に反比例して減っていることがわかります。 体重が10倍になると、体重あたり約2分の1(56パーセント)しかエネルギーを使いません。100倍で3分の1、1,000倍で5分の1、1万倍で10分の1と、体重が大きくなればなるほど、エネルギー消費量は減っていきます。 では、細胞のレベルではどうなのでしょうか? 実はゾウとネズミとでは細胞の大きさに違いはありません。ゾウの体は大きいのですが、それは細胞が大きいからではなく、数がたくさんあるからなのです。とすると、先ほどの関係はそのまま細胞にも当てはまります。ゾウの細胞はネズミの細胞に比べ、たった5.6パーセントしかエネルギーを使用しません。 何をするにもエネルギーがいります。細胞だってそうです。だから5.6パーセントしかエネルギーを使わないということは、それしか働いていないことを意味するでしょう。 ゾウの細胞はほとんど働いていません。サイズの大きい動物では、細胞はえらくサボッているのです。「大きい組織の中の構成員はサボッている」とい67石油・天然ガスレビューノかなっているかどうかの価値判断を、生物はたえず行っているのです。こういう生物を対象にしていますから、生物学では価値や目的は重要な関心事なのです。 19世紀や20世紀は物理学の世紀でした。自然科学のみならず経済学をはじめとする社会科学も、物理学のような端正な学問になる必要があると、懸命に努力してきたのです。 でも、考えてみれば、これはおかしな話です。経済とは金儲け、欲得ずくの世界です。つまり価値や目的が満ち満ちている世界です。そんな世界を理解するのに、価値や目的を扱えない物理学を下敷きにして経済学をつくり上げても、意味があるものでしょうか? だから経済学は当たらないのだなどと言ったら叱られるでしょうが、経済学においても、物理ではなく生物の方法を取り入れたほうが、よほど実際に役立つものになりそうな気がしているのですが……。「サイズの経済学」が現実的な学問として発展していったら面白いと思っています。現代人のエネルギー消費量 ヒトサイズの動物のエネルギー消費量(体重60キログラムのものの標準代謝率)を式から求めると88.8ワット(=ジュール/秒)となります。これは実際に私たちの体が使っている量73.3ワット(成人男子)と、それほど大き2006.5 Vol.40 No.3681キログラム101001トン10体重Wチンパンジーウシ♂ゾウウシ♀41Esp=4.1W図4 比代謝率(体重1kgあたりの標準代謝率)と体重の関係10ハツカネズミモルモットネコエッセーイヌヒトspE11000.110グラム比代謝率  (ワット)ウの体内にたまり、体温がどんどん上昇し、ついには100度を超えてしまいます。つまり自分の出す熱でステーキになっちゃうわけです。これはたまりません。だから、ゾウの細胞はサボッているのではなく、節度をわきまえて働かないのだということです。 サイズという視点は、国策を考えるにあたっても重要だと私は思っています。予算を立てる際にGDP(国内総生産)の何パーセントという議論がしばしば出てきます。このパーセントというのは正比例の考え方です。動物においては正比例ではなくアロメトリー式が成り立つのですが、現在のように日本の、特に経済のサイズが急速に変わっていく状況で、何でもが単純にGDPに正比例するというものでもないでしょう。 企業の従業員数と部署の人員数などというのも、正比例ではありませんね。社長は従業員数には関係なく1人ですし、総務部の人数も正比例というわけではないでしょう。企業のアロメトリー式をつくって、この規模なら総務は何人が適正、などという形で企業診断にも使えそうな気もします。 今までの学問は物理学が中心でした。自然科学の世界ではもちろんのこと、経済学などの社会科学の分野においても、物理学の影響は非常に大きいものがあります。 物理学の世界には好き嫌いや目的や価値などは存在しません。価値の問題を扱わないのが物理学です。物理に価値はありません。 それに対して、生物は生き残って子孫を増やすという目的をもっています。そして、今のこの行動がその目的う結論になります。 最近、企業の研修会などでお話する機会もあるのですが、これには、みなさん「うんうん」とうなずかれます。身に覚えがあるようですね。もちろんサボッているなどという失礼な言い方をせずに、大きい組織では、構成員がそんなに働かなくてもやっていけるだけ効率がいいのだ、とも言えるのですが……。サイズの経済学・サイズの政治学 動物の話と企業の話が、なんとなく一緒になってしまいました。 生物は、生き残ってなるべく多くの子孫を残すという目的をもち、その目的を果たすべく、エネルギーを使いながら、このように複雑な体をつくり上げ、維持し、動かしています。企業だって、生き残ってなるべく売り上げを増やすという目的をもって、エネルギーを使いながら、複雑な体制をつくり上げ、維持し動かしているのです。「自己増殖するという目的をもつ、エネルギーを使う複雑系」におけるサイズとエネルギー消費量や、サイズと時間の関係は似たようなものになるのではないだろうか? こういう視点で学問を組み立てていくのは、なかなか面白いと思います。これからの学問ですね。 ゾウの細胞はネズミに比べてサボッているわけですが、だてにサボッているわけではないようです。 熱というものは体の表面を通して内側から外へと逃げていくものです。ゾウのように体が大きいと、熱を発生する組織量(これは体積に比例)が多いのに、熱が逃げ出す表面が少ないわけですから、体の内部に熱がこもりやすいことになります。 そこでこんな計算をした人がいます。ゾウの細胞がネズミの細胞ぐらいせっせと働いてエネルギーを使うとどうなるかという計算です。 すると、たくさん熱が出てそれがゾGネルギー:こんな見方もあった! ?『「長生き」が地球を滅ぼす』の生物学的エネルギー観?くは違っていません。私たちの体は、ごく普通の哺乳類並みにエネルギーを使っています。 食べる量でも比較してみましょう。摂食率の式でヒトサイズの動物のものを計算すると190ワット。標準代謝率のほぼ倍のエネルギーを食べます。さて、実際のヒトでは121ワット(平均的サラリーマン)です(合宿中の運動選手なら150~240ワット)。 食べて体が使う分は他の動物並みなのですが、現代人はこの他に、石油や石炭などから得たエネルギーを大量に使っています。この量は国民1人あたり5,450ワット(2002年)にもなります。これに食べる分のエネルギー121ワットを足すと、5,571ワット。これが現代日本人のエネルギー消費量です。 この値から社会人としての「標準代謝率」を求めてみましょう。標準代謝率は1日に平均して使うエネルギーの半分と見積もれますから、5,571/2=2,786。「社会人の標準代謝率」は2,786ワットということになるでしょう。これはヒトとしての標準代謝率(73.3ワット)の38倍に当たります。現代日本人は、体が使う分のなんと40倍近くのエネルギーを使っているのです。恒環境動物 日本人のエネルギー消費量は、体が使う分の40倍です。これはものすごい数字です。変温動物から恒温動物へと進化したときに標準代謝率が30倍になったのですが、それをさらに上回る数字なのです。恒温動物の出現といえば、進化の歴史上の大事件です。エネルギー的に見れば、これに匹敵する規模のことが、縄文時代から現代への過程で、われわれ人類の上に起こったことになります。 では、私たち人類に40倍のエネルギー消費量の増加をもたらしたものは、一体何だったのでしょう?  私はこれを、変温動物から恒温動物へという変化の延長線上のこととして捉えられるのではないかと思っています。人類がエネルギーを多量に使うことにより行っていることは、体の内部環境のみではなく、体の外側の環境までをも一定にし、より高速でありながら安定して、正確で、予測可能な行動を実現することです。内外すべての環境の恒常化による、高速・高精度・高再現性の獲得と言ってもいいでしょう。私たち現代人は、恒温動物からさらに進んで「恒環境動物」になったのだとは言えないでしょうか。そして私たちはさらなる安定性と高速性をもつ恒環境づくりを目指しています。 このような恒環境化は、手放しで喜べるものではありません。莫大なエネルギーにより可能になっているものであり、地球環境は、そのために悪化の一途をたどっています。自分のごく近くの環境だけを都合よく恒常化するために、さらに大きな地球環境の恒常性を犠牲にしているのです。地球温暖化、環境汚染、エネルギーをはじめとする資源の枯渇等々、恒環境化はやっかいで放置できない多くの問題を生み出しています。体を基準に省エネを考える それらの問題の中でも、エネルギーはとりわけ重大な問題です。このままいけば、石油はあと数十年、石炭も300年程度でなくなると見積もられています。代替エネルギーの開発は、ぜひともやらねばなりませんが、まだ実用化のめどは立っていません。今すぐできて効果のあるのは省エネです。 さて、では省エネするとして、どの水準にまでにエネルギー消費量を減らしたら良いのでしょう。越えてはいけない線があるとすれば、それはどこなのでしょうか? 自分の体を基準にしたらどうか、と私は考えています。では体の何倍を限度にするかが問題になるのですが、私は「10倍」という数字をあげたいと思います。私たちの体のデザインと生物の進化にもとづいて、10倍という数字を提案したいのです。 まず進化にもとづく理由をあげましょう。単細胞生物から多細胞の変温動物へ、そして変温動物かち恒温動物へと、進化の大きなステップでエネルギー消費量がほぼ10倍ずつ増加しました。体のつくりがこれほど違うものたちの間でも、エネルギー消費量は1桁の違いしかないのです。つまり生物においてはエネルギー消費量が1桁も違えば、まったく異質の世界になってしまうのです。体は桁で違いを感じる なぜ10倍かのもう一つの理由は、ヒトの感覚にもとづくものです。感覚生理学では「ウェーバー・フェヒナーの法則」という、刺激量と感覚との間の有名な法則があります。手のひらに重りをのせたとします。1グラムの重りと2グラムの重りの区別はできますが、100グラムの重りと101グラムの重りの違いは区別できません。同じ1グラムの違いなのですが、重い重りを持っているときには、より大きな違いでないと感じとれないのです。体と桁はずれのことをしないのが節操 体と桁はずれに違うことはしない。それが節操というものだと私は考えたいのです。体が使う分の数倍程度なら、余計にエネルギーを使っても問題は起こらないでしょう。でも10倍以上になると異質な世界に入り込むから、それはやめよう――こういう、体に基礎を置いた節度を考えたいのです。 私は生物学者として、恒環境化という状態が正常のものだと考えたくはありません。体はベッタリと変化のない環境に置かれるような生活が、私たちの体と本当に相性の良いものでしょうか。そのような中で、体は幸せだと感69石油・天然ガスレビューGッセー1973年に始まったオイルショックで、しばらくは30倍付近にとどまっていたのですが、また増えてしまいました。 高度成長以来、私たちはエネルギーを湯水のごとく使って、この繁栄を築いてきました。でもこれは、言ってみればバブルなのかもしれません。エネルギーバブル。これはほんの短い悪夢だと考えれば、十分元に戻れそうな気もします。体にもとづいた倫理 人間が越えてはいけない線を、昔は宗教が教えてくれました。ところが現代では、誰もそれを教えてはくれないのです。 歯止めがなくなって、ただ突っ走るだけになっているのが現状でしょう。大変危うい状況です。 そこでまずは自分の体に基準を置いて、それより桁違いに違ったことは控える、という考えを歯止めとして提出したいのです。これならば、感情や理想や価値観などとは無縁ですから、万人が納得しやすく、現実的な考え方ではないでしょうか。第1次オイルショック2000年560708090353010252015社会人の標準代謝率体の10倍を超える高度成長はじまる注:ヒトの標準代謝率を基準にして、その何倍かで示してある。10倍を超したのは1961年図5 社会人の標準代謝率う分の何倍かで示してあります。1953年でも、まだ5.8倍です。10倍を超すのは1961年(昭和36年)、ついこの間のことです。 1955年から1970年まで、日本経済は年率9.7パーセントという高い成長をとげました。高度成長の時代です。この時期にエネルギー消費量は体の10倍を超え、30倍近くにまでなったのです。社会人の標準代謝率の推移 でも、いくらエネルギーを使うなといっても、縄文時代にまで戻る必要はありません。エネルギー消費量が体の10倍を超えたのは、つい45年前のことです。 江戸時代までは、体以外にエネルギーを使うといっても、薪や炭それにちょっとの照明用の油くらいでした。明治初期でも同じです。明治10年代には体以外のエネルギー消費量は200ワット程度だったと推定されていますから、「社会人の標準代謝率」で言えばほんの2倍程度です。 明治も後半に入ると、薪や炭を抜いて石炭がエネルギー源のトップになり、エネルギー消費量は増えていきます。それでも戦後すぐまで、家庭用の燃料の半分は、まだ炭や薪でした。私たちが石炭や石油を大量に使うようになり、社会人の標準代謝率が10倍を超えたのは、昭和30年代以降です。 戦後の社会人の標準代謝率の推移をグラフにしてみました(図5)。体が使じられるのでしょうか?倍404.時間環境 第4章では、動物の時間とエネルギーについてさまざまなテーマが論じられ、「代謝時間」(時間の速度がエネルギー消費量に比例する時間)や「時間環境」という新しいものの見方や提言を含めて、さまざまな興味深い見解が示されています。それらの一部を紹介しましょう。エネルギーで時間を買う 1941年のNHKの調査では、サラリーマンの自由時間は1時間。それが2000年には3時間半に増えています。1日あたり2時間半の自由時間が、エネルギーを使う機械により生み出されたのです。驚くべきことに、戦前の農家の女性の余暇に充てられる時間は、1日たったの15分でした。それが今では4時間になっています。農作業と家事をすべてこなさなければならなかった農家の女性にとって、エネルギーを使うさまざまな機械の恩恵は、特に大きいものだったのです。 エネルギーを使った別のタイプの時間の生み出し方もあります。寿命です。寿命は、戦前は50歳。現在は80歳ですから、30年も寿命が延びました。エネルギーを使って高度な医療を駆使すると長生きでき、その結果、より多くの時間が手に入ります。私たちはエネルギーで30年という時間を生み出しているわけです。 時間とエネルギーが、金を仲立ちにしてつながることにより、現代社会は動いています。消費とは金でエネルギーを買い、それで時間を買うことですし、一方、生産とは、エネルギーを注ぎ込んで時間を速めてたくさんのものを作り出し、それで金を得ることとみなせるでしょう。万事お金という世の中ですが、お金とエネルギーと時間という、3者の一連の流れとして見ていくと、世の中がすっきりと理解できるような気がします。 エネルギーを注ぎ込んで時間を速くすると金になる。「時は金なり」とはその連鎖の後半を言ったものだ、と見ることができます。 ビジネスとはビジー(busy)の名詞2006.5 Vol.40 No.370オている恐れがあります。注ぎ込むエネルギーの効率からいえば、ずいぶん無駄なことをしているわけです。時間環境――環境問題の新視点 社会の代謝時間という考えに立てば、私たちが置かれている時間環境は、ここ数十年の間に、ものすごい勢いで変わってきたことになります。私たちは温度や光など、身の回りの環境を恒環境化してしまいました。その中で時間環境だけが、どんどん変わってきたのです。 これほど環境が一定のほうが良いと思っていながら、時間環境だけは変わってどんどん速くなるのが良いのだと考えるのも、ちょっとおかしな話です。こんなおかしなことが起こるのも、時間というものはすべてに超越した絶対的なものであり、時間は変わるものではないし、環境として考えるようなものでもないという、強い思い込みがあるからなのでしょう。 私は、ヒトという生きものにとって適切な時間環境があると信じていますし、それは年齢によっても異なるものだと考えています。すべての時間を同じだと考え、すべてをより便利により速くしていこうとする現代社会は、無意識のうちに私たちの時間環境を破壊しているのではないでしょうか。ウェーバー・フェヒナーの法則を思い出して下さい。この法則が時間感覚にもあてはまるとすると、時間がゆっくりだった頃には、ほんの少し時間が速くなっても、ものすごく速くなったなあと感じたでしょうが、現在のように、すでに相当速くなった後では、少々の変化では、さっぱり速くなったとは感じられないものでしょう。私たちは、昔ほどありがたさを感じないにもかかわらず、時間をより速くしようと努力5560657075808590年684218%1614121040倍35302520151055560657075808590年社会人の標準代謝時間社会人の標準代謝率注:ヒトの代謝時間を100パーセントとして表した相対値(上)。下に社会のエネルギー消費量の図も掲げておいた図6 社会人の代謝時間形、つまり忙しいことです。忙しいとは時間が速いことですから、ビジネスは時間を速くすることであり、結局、時間を操作するのがビジネスだとみなしていいのかもしれません。もし時間を操作可能な戦略物資の一種として取り扱えるならば、ビジネスにおける戦略の立て方は大きく変わるはずです。代謝時間は高度成長で短くなった 前章の社会人の標準代謝率を使えば、社会人としての代謝時間を算出できます。これが戦後どう変わっていったかを図にしてみました(図6)。社会人の標準代謝率の図も、再度下に並べてあります。 図では、体が使う分以外にエネルギーをまったく使わない場合の代謝時間を100パーセントとして表してあります。現在、代謝時間はほぼ2.5パーセントです。体が使う分の40倍のエネルギーを使っているので、1/40つまり2.5パーセントになるのです。 図を見ると、高度成長期の15年間に代謝時間は急速に短くなり、1961年に10パーセント、つまり体の時間より1桁速い(短い)線を切りました。高度成長期の前後で比べると、代謝時間は1/5にもなったのです。 ただし、それほどはありがたみのないのが現実かもしれません。前章のエネルギー:こんな見方もあった! ?『「長生き」が地球を滅ぼす』の生物学的エネルギー観?生物界の複雑性(紹介者あとがき) エネルギーを取り扱っている者としては、エネルギーのことを理解しているつもりですが、一個の動物として自分の体が、どのくらいのエネルギーを使っているのか、考えたことはありませんでした。たまには、地球生態系の一員としての観点から見るのも面白いのではないか、そこから違った側面も見えてくるのではないかと思い、取り上げてみました。個人的には、自分の年齢もあって、書名が気になったからでもあります。 読むのは楽しかったのですが、要約抜粋は大変でした。中身が濃くて、かつ有機的につながっているので、エネルギー関連の部分を取り出すのが難しいからです。生物界の一体性と複雑性が本書に反映しているからだと思います。 動物の生理的な時間、心拍の時間(心周期)などが体重の1/4乗に比例していること、また、呼吸数、生育期間、懐胎期間、寿命などの時間も、心周期に対し、すべての動物を通じて、同じ比率になるということは、初めて知りました。多種多様な動物を通じて、単一の共通の法則が成り立っている面白さ、不思議にまず興味をひかれました。しかも、なぜ、それらが体重の1/4乗になるかは、まだ説明されていないというのです。 動物のエネルギーの消費量、体重あたりのエネルギー消費量(比代謝率)は体重の1/4乗に反比例し、単位時間あたりの個体のエネルギー消費量(標準代謝率、基礎代謝率)は体重の3/4乗に比例します。これらの比例係数(ベキ71石油・天然ガスレビューGッセー係数)についても、やはり説明ができていないのです。 自然科学が発展した現段階でも、いまだこれらの理由が解明されていないということは、科学の対象として、生物界の複雑性が極めて手ごわいものであり、生命の神秘という言葉が、まだ死語になっていないのだと強く感じました。 エネルギーに関したことで印象に残ったのは、社会人としてのヒトは、生物としてのヒトの使うエネルギーの約40倍のエネルギーを使っているということでした。かなりたくさん使っているとは思っていましたが、具体的な数字として知ったことは、今後の持続的なエネルギーシステムを考える上で、一つの拠りどころになると思います。何も考えずにエネルギーを使い、ただ長生きするのは、それこそ地球を滅ぼすことになりかねないということですね。 また、日ごろわれわれが使っているエネルギーの大きさは、原油1リットルが約9,000キロカロリーとか、LNGが1キログラム1万3,000キロカロリーなどであり、それぞれ約40メガジュール、55メガジュールなど、1ジュールの1,000万倍にもなる大きなものです。 しかし、安静時の動物の心臓が1拍する間に体が消費する体重あたりのエネルギーが、ちょうど1ジュールであることを知り、はじめてジュールという単位が、身近に、等身大に感じられました。 面白かったのは、恒温動物の基礎代謝率が変温動物の約30倍であるという事実です。そのため恒温動物は、環境の温度によらず、いつでも活動できるのですが、それはまるで、スイッチを入れるとすぐ映るテレビや、待ち時間のいらないコピー機が、大量の待機電力を消費していることを思わせるものでした。同じく、恒温動物では採取した食料の97.5パーセントが熱となり、肉になるのは2.5パーセントであるのに対して、変温動物では食べた分の約30パーセントが肉になる、したがって、食糧問題の解決には、変温動物を利用すべきであるということでした。 聞いた話ですが、プラント分野には、2/3乗則があるとのことです。これは、プラントのコストが性能の2/3乗に比例するというものです。例えば、プラントの能力を8倍にするのに、コストは8倍かからず、4倍で済むということで、つまり、スケールメリットをあらわしたものです。 こうなる理由は、プラントの容量と表面積が、おおよそ寸法の3乗と2乗に比例するからと説明されます。単純に、プラントの能力は容量に、コストは材料費とし、その量は表面積にそれぞれ比例するとするわけです。実際には、寸法が大きくなると、厚さも増やさないといけないでしょうが、一定の範囲では成立するのでしょう。 プラントの2/3乗則に、動物のエネルギー消費量(標準代謝率)が大きさ(体重)の3/4乗に比例することを比較することは、両者のデザインが異なるから無理でしょうが、後者についても一種のスケールメリットと考えることもできるのではないでしょうか。しかし、その解明は、多くの研究者が挑戦しても、いまだ成功していないのですから、簡単ではないでしょう。 著者は、大量のエネルギーを使って長くなった寿命はおまけの人生であり、次の世代のために使えと呼びかけています。この謎の解明は、余生をかける対象の一つとしても十分な価値がありそうです。 本稿で紹介し切れなかった興味ある記述がたくさんあります。関心をもたれた方は、ぜひ原著をお読みになられるようお勧めします。原著者紹介本川 達雄(もとかわ たつお) 東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。1948年仙台に生まれる。東京大学理学部生物学科(動物学)卒。琉球大学助教授を経て1991年より現職。専門は生物学。棘皮(きょくひ)動物(ナマコ、ウニ、ヒトデ、ウミユリ)の硬さの変わる結合組織や、サイズの生物学の研究をする一方、それをとおして、彼らがどんな独自の世界をつくりあげているかを理解しようと努めている。科学とは自然の見方、つまり世界観を与えるものだという考えのもとに、生物学的世界観を分かりやすく説く著書を執筆している。『ゾウの時間ネズミの時間』(中公新書)は76万部のベストセラーになり、中学・高校の国語教科書に採用されている。理科教育も分かりやすく親しみやすいものにしようという考えから、高校で習う生物学の内容を全70曲の歌にしたCD付き参考書『歌う生物学必修編』(阪急コミュニケーションズ)を刊行。CD『ゾウの時間ネズミの時間~歌う生物学』(日本コロムビア)もある。2006.5 Vol.40 No.372
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2006/05/20 [ 2006年05月号 ] 本川 達雄 森島 宏
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