ページ番号1006236 更新日 平成30年2月16日

中国/ロシア:中国国有石油企業 SINOPEC 、 ロシア陸上へ本格進出

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レポートID 1006236
作成日 2006-07-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 企業探鉱開発
著者 竹原 美佳本村 真澄
著者直接入力
年度 2006
Vol 40
No 4
ページ数
抽出データ 中国/ロシア:中国国有石油企業SINOPEC、ロシア陸上へ本格進出?中国SINOPECは露ロスネフチと提携し、TNK-BPのウドムルトネフチを買収した。?SINOPECはロシア上流への本格的な進出ならびに国外上流事業の拡大を実現した。同社は、サハリン3(ウェーニン鉱区)に続いて、ロシアで二つ目の鉱区を取得した。SINOPECに先駆けて、ロシア上流への進出を狙っていたCNPCは、大魚(東シベリア)狙いで出遅れか。?ロスネフチは、自国における生産地域・量の拡大というより、7月のIPOを意識した動きではないか。?SINOPECとロスネフチは昨年以降急速に接近。ロスネフチは来月実施するIPOでSINOPECに株式引き受けについて打診。SINOPECに接近する目的の一つに、中国石油製品小売り市場への参入も?1.中国SINOPEC、ロスネフチと提携し、TNK-BP資産買収(1) TNK-BP資産(ウドムルトネフチ)買収 中国SINOPECは露ロスネフチと提携し、TNK-BPのウドムルトネフチを落札した。入札は非公開のため、買収額は公表されていない。 ONGC/Iteraのほかに、ハンガリーMol/露ロスネフチならびにシブネフチ(ガスプロム)が入札に参加した。報道によると、SINOPEC/ロスネフチは当初35億ドルを提示していたが、敗者のインドONGC/露Itera連合が提示額を30億ドルから40億ドルに引き上げたと伝えられており、最終的な買収(落札)価格はそれを上回っていると思われる。 ウドムルトネフチはTNK-BPの操業子会社であり、ウドムルト共和国(ヴォルガ=ウラル堆積盆地)で26油田の開発を行っている。05年末の原油確認埋蔵量(1P)は5億5,100万バレル、原油確認+推定埋蔵量(2P)は9億2,200万バレルで、原油生産量は約11万6,000バレル/日である。SINOPECがいったん買収し、その後ロスネフチに権益51%を渡す。 TNK-BPの本資産売却は、資産の組み替えにより、更に効率的な事業展開を図ることが目的と言われている。ウドムルトの油田は開発末期に差し掛かっており、油価の高い時機に売却する方針と思われる。 格付け機関はウドムルトの価値を25億~30億ドル程度と見積もっており、TNK-BPは相場より高値で売却することに成功した。アナリストによるとIOC(国際石油企業)は、開発末期の老朽油田の入札が、なぜここまで過熱したかいぶかしく思っている模様である。2.本買収を巡る各社の思惑(1) SINOPECにおける本買収の意義 今般、SINOPECは中国企業として初めて、ロシア陸上の石油探鉱開発事業に本格的に進出することになる。 中国国有石油企業のCNPC、SINOPECは、ロシアを最も重要な進出地域と位置づけている。ロシアは豊富な石油・天然ガス資源を有しているだけでなく、中国と陸続きであることから、開発・輸送に優位性があるためである。 中国政府は、供給ルートの安全性、多様化(海上ルートを経由しない、中東原油依存度低減)という観点から、企業の同国への進出を、首脳外交等を通じ積極的に支援している。しかし、政府間合意が何度も締結され、両国の経済貿易関係が全般的に進むなか、石油事業への中国企業の進出は進まなかった。 また、SINOPECは本買収により、権益原油約6万バレル/日ならびに埋蔵量(2P)約4億5,000万バレル(いずれも権益49%ベース)を得ることになり、国外上流事業の拡大を実現した。(2) 出遅れたCNPC/PetroChina 中国最大の石油開発企業であるCNPC/PetroChinaのロシアとの交渉は、天然ガスや原油のパイプライン輸入にかかわる交渉が先行している。しかし同社の本来の狙いは、東シベリアなどロシア陸上の石油探鉱事業への参入である。00年前後からロシアと交渉を行っている(PetroChina傘下の大慶油田公司は01年にユコス、ロスネフチとの間でイルクーツク州サハ地域Vekhnechon〈ベルフネチョン〉油田の技術・資金協力について合意)。しかし、同地域の石油探鉱開発107石油・天然ガスレビュー瘧アの出ガスを見たのみである。ロスネフチによると、同鉱区の期待可採埋蔵量は石油5,100万t、ガスコンデンセート3,700万t、ガス5,780億?(「全貌が見えてきたサハリンガス開発」本誌2006年5月号より抜粋)。(2) ロスネフチのSINOPECへの接近   ~下流(精製・石油製品販売)への進出か~ ロスネフチがSINOPECとの提携を強化しようとする理由として、中国の石油製品卸売り事業への参入など、中国下流事業への進出があると思われる。中国はWTO加盟により石油市場を段階的に開放することになっており、石油製品卸売り事業は06年末に自由化、外国資本の石油企業の参入が可能となる。 しかし、外国資本が中国で卸売り事業のライセンスを取得するには、国内において小売り事業の経験(2年以上)ならびに30カ所以上のサービスステーションを保有することなどが義務付けられてい出所:石油天然ガスレビュー2006年5月図2サハリンの主要鉱区2006.7Vol.40No.4108出所:JOGMEC図1ロシアの主な堆積盆地事業は外資に対し門戸が閉ざされており、ライバルであるSINOPECに出遅れた格好となっている。 ちなみに、昨年ロスネフチは東シベリアパイプライン完成(08年にタイシェトからスコボロジーノまで建設)をにらみ、ベルフネチョン油田を操業するベルフネチョンネフテガス株式25.94%をInterrossから買い取っている。(3) ロスネフチにおける本買収の意義 ロスネフチは本買収により、ロシア国内における生産量・生産地域拡大を実現した。 もっとも、生産量は2%程度増加するにすぎず、ロスネフチにとっての最大のメリットは7月実施予定のIPO(新規株式公開)における宣伝効果ではないかと思われる。 ロスネフチは7月、モスクワとロンドンでIPOを実施する計画である。資産の一割強(約100億米ドル)を調達する計画で、調達資金は、親会社となるロスネフチガスがガスプロム株式(10.74%)を買い取った際の銀行融資76億ドルの返済に充て、残りはその他の債務返済ならびに油田開発事業に充当する方針である。 詳細は明らかではないが、報道によると、SINOPECは今般のIPO(新規株式公開)に際し、ロスネフチから株式引き受けの打診を受けている模様である。 ロスネフチはインドのONGCに対しても、IPOと平行し、IPO時の価格と同じ水準で株式売却を行う話を進めており、SINOPECの株式引き受けも同じ性質のものであると思われる。 ロスネフチは、IPOのみでの資金調達は容易ではないため、“戦略的投資家”を巻き込もうという作戦の模様である。 ちなみに、00年にSinopec Corp.(SINOPECの上場子会社)が米国等でIPOを行った際、ExxonMobilは公開株式の26%(全株式の3.65%)、Shellは公開株式の12%(同2.27%)、BPは公開株式の10%(同2.1%)を“戦略的パートナー”として引き受けた先例がある(現在は3社ともすべて売却済み)。3.SINOPECとロスネフチの提携(1) 両社の提携 ロスネフチは、04年12月に、ユコスへの追徴課税で競売にかけられたユコスの主要子会社ユガンスクネフチを取得し、ロシア第3位の石油企業となった。 SINOPECとロスネフチの提携は、今回のウドムルトネフチ買収が初めてではない。05年7月の胡錦涛主席のロシア訪問時、SINOPECはロスネフチとサハリン3のVenin(ウェーニン)鉱区の探鉱を実施するジョイントベンチャー設立で覚書(MoU)を締結した。06年3月のプーチン大統領訪中時には、ウェーニン鉱区探鉱にかかわるコーポレーションアグリーメントを締結、今年試掘井を掘削する予定である。 ウェーニン鉱区は、旧サハリン石油開発(SODECO)時代に2坑が掘削され、驕Bまた、その条件をクリアしても、実際は中国の2大石油会社(SINOPEC、CNPC)が卸売り・販売ネットワークをほぼ支配しており、外国資本が単独で事業を展開することは難しい。 外国資本が中国国内で石油製品の販売を行うための最短ルートは、中国の2大石油会社と提携することである。 SINOPECは、探鉱開発事業ではCNPCに次ぐ位置だが、中国国内で最大の精製・石化企業であり、ロスネフチは自らの製品の販路拡大のため、石油開発を事業の中心に据えるCNPCよりも精製・石化企業が主力のSINOECとの提携を選んだのではないかと考えられる。(竹原美佳/本村真澄)参考資料ロシア:再編進むロシア石油・天然ガス業界-官製国際メジャー誕生か(本村真澄 JOGMEC石油・天然ガス資源情報2006年2月)「全貌が見えてきたサハリンガス開発」(本村真澄 JOGMEC「石油・天然ガスレビュー」2006年5月号)109石油・天然ガスレビュー
地域1 アジア
国1 中国
地域2 旧ソ連
国2 ロシア
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アジア,中国旧ソ連,ロシア
2006/07/20 [ 2006年07月号 ] 竹原 美佳 本村 真澄
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