ページ番号1006323 更新日 平成30年3月5日

豪州における炭層ガス(CBM)LNGプロジェクトの概要

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レポートID 1006323
作成日 2008-03-21 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 三宅 裕隆 レイニー・ケリー
年度 2008
Vol 42
No 2
ページ数
抽出データ アナリシスシドニー事務所三宅 裕隆シドニー事務所レイニー・ケリー豪州における炭層ガス(CBM)LNGプロジェクトの概要 豪州の石炭は、埋蔵量が世界第5位で国内発電燃料の80%以上を占めるとともに、輸出産業としても大きな位置を占める。一方、東部のクイーンズランド州(以降QLD州と略す)では、石炭層とその周辺に賦存するメタンガス(炭層ガス<Coalbed Methane:CBM>)が近年、発電燃料として大きな伸びを示すとともに、輸出事業に発展するLNGプロジェクト化の動きが活発化している。ついては、豪州におけるCBMとLNGプロジェクトについて、QLD州政府、CBM開発会社、日系石炭会社のヒアリング等の内容を含め、現状と今後について概観する。1. 豪州の石炭事情について 豪州石炭の歴史は、1791年ニュー・サウス・ウェールズ州(以下、NSW州と略す)ニューキャッスルでの露頭発見に始まる。QLD州では、1827年にイプスウイッチ地区で存在が確認され、その後、両地区で生産が開始された。以来、豪州最大の1次エネルギーとして順調に発展し、褐炭を含む石炭火力発電が国内総発電量の約85%を占めている。一方、QLD州では、既存の天然ガス田の生産減退やガス利用促進政策により、CBMが発電燃料の主要エネルギー源となっている。石炭の埋蔵量は、全世界で約3兆4,000億トン(確認埋蔵量は、約1兆3,000億トン)と言われ、内、豪州は確認埋蔵量約1,020億トンであり、NSW州とQLD州にそれぞれ40%以上と偏在している。豪州は、世界の主要な確認埋蔵量保有国として、米国(約4,515億トン)、ロシア(約1,570億トン)、南アフリカ(約1,150億トン)、中国(約1,145億トン)に次ぐ位置を占めている(コールノート,2005/2006年版)。2. 炭層ガスについて(1)概要 石炭採掘事業では、石炭層のガスは、掘削作業の安全のためガス抜きし大気放散するのが一般的であったが、ガスの有効利用や環境対策面から、石炭鉱山の発電燃料としての活用が始まり、QLD州では、本格的に一般発電所の燃料として利用されるようになってきた。も豪州全体の約40%と言われていることから、相当量のCBM埋蔵量が期待される。 なお、QLD州鉱山エネルギー省は、2007年6月末における同州のCBM埋蔵量を、公式値として約6,000PJ(約6兆cf、CBM統計の標準単位としてPJを使用。1,000PJ≒1兆cf)としている。(2)埋蔵量 CBMは、石炭層とその周辺に賦存するメタンガスであることから、資源量は石炭資源量を基に計算される場合が多い。石炭埋蔵量世界第1位の米国では、CBM資源量について詳細な地質調査を行い、約400兆cfと見積もられている。豪州内のCBM資源量については、民間会社の資料に最大350兆cfとの数値もあったが、現在の天然ガスの埋蔵量、約100兆cfと同程度を推定値とする資料もある。豪州内のCBMは、石炭層内のガス包蔵量等からQLD州に集中しているが、同州が石炭埋蔵量で(3)法制と鉱業権①適用法規 CBM事業への適用法規は、各州により異なる(石油関連法か鉱山関連法)が、QLD州の場合、原則として石油関連法規が適用される。以下、QLD州を例にすると、探鉱はthe Petroleum Act 1923とthe Petroleum and Gas(Production and Safety) Act 2004。生産は、前記2つのActとthe Mineral Resources Act 1989である。 また、生産に伴う排水処理についても規定されており、その概要は後述する。45石油・天然ガスレビューAナリシス注:CSGは、Coal Seam GasでCMG(Coal Methane Gas:石炭層内のメタンガス)と同義出所:クイーンズランド州鉱山エネルギー省図1クイーンズランド州のCBM開発手続き2008.3 Vol.42 No.246居Bにおける炭層ガス(CBM)LNGプロジェクトの概要②税金(ロイヤルティー) 天然ガスと同様に、井戸元のCBM価格の10%相当額がロイヤルティーとして徴収される。③鉱業(探鉱・開発)権の取得 CBMの探鉱と生産に関する権限は、Authority to Prospect(ATP)とPetroleum Lease(PL)権の取得であるが、生産に必要なPL取得の場合(自社がCOSET:Coal or Oil Shale Exploration Tenement EP&MDL〈探鉱権〉を持っている場合)は、標準申請書、CSG概要書(安全管理計画を含む)、開発計画書等を申請することになる。 これに対し、the Mineral Resources Act1989に基づき第3者である石炭事業者が鉱業権(COSML:Coal or Oil Shale Mining Lease〈生産権〉、COSET)を保有している地域では、その既存権益保有者との関係で種々の義務づけがある。その手続きを、QLD州Petroleum and Gas(Production and Safety) Act 2004では、図1のとおり規定している。既存権益保有者と新規申請者が異なる場合を例に概要を記すと、表1のとおりである。(4)開発促進の制約と課題①CBM生産に適する石炭層の確保 CBMの対象層は、比較的深部(地下600m以深)にある二畳紀生成の石炭層が主であったが、最近は、更に浅こうげきい(100m?600m)ジュラ紀層、更には三畳紀層の褐炭にも広がっている。②生産性の維持 井戸の生産性は、石炭層の孔隙率、浸透率等の性状によって個々に異なる。また、随伴水の量も異なり、天然ガスのように安定していない。このため、生産開始後の生産井の生産量を維持するために、炭層に残留しているガスを放出しやすくする目的で界面活性剤を注入したり、増進回収の目的で二酸化炭素を注入し、炭層中へ固定することにより、炭層中に吸着しているメタンを二酸化炭素と置換する方法が検討されている。CBMの増進回収法をECBMR(Enhanced Coalbed Methane Recovery)という。これらCBMの開発、生産に関する詳細な解説は、島田荘平氏の「加速する新資源 コールベッドメタン開発」、石油・天然ガスレビュー 2005. 9 Vol. 39 No.5 を参照されたい。③随伴水対策 Water Act 2000に規定される随伴水(associated water)は、掘削された井戸から抽出された地下水である。CBM採取に伴い、炭層内の水も同時に採取される。生産井からの随伴水・ガス量は、初期の場合、水の量が多く、その後、ガスの量が多くなるのが一般的である(図2参照)。通常、随伴水は、塩分濃度が高く、不純物が多く含まれるため、直接使用することは不可能である。ま表1炭層ガスのPetroleum Lease取得の手続きケース区分COSMLCOSET標準様式1.CSG概要書(安全管理計画書含む)2.開発計画書(アセスメント基準含む)承認COSML所有者へ第1次申請書類提供COSML所有者と合同協定の協議操業施設の安全管理計画書の作成、またはCOSML所有者との操業合意標準様式1.CSG概要書(安全管理計画書含む)2.開発計画書(アセスメント基準含む)3.アセスメント基準に関するその他情報承認COSET所有者へ第1次申請書類提供COSET所有者は申請者に関係資料を提供 ・探鉱活動の概要・石炭・シェール資源量適切な対応・関係書類についてのCOSET所有者との検討・検査に関する適切な協定締結・申請書類の適切な修正通知書の提出・検討経緯と結果・COSET所有者の意見に対する回答・検査実施協定・協議書に対する評価COSET所有者が最終的な了解をするまでの間、6カ月待つ初期書類追加書類申請10日以内追加要求20日以内EP or MDL所有者からの基礎情報入手後4カ月以内承認が通知書受領後6カ月以内第1次段階第2次段階47石油・天然ガスレビュー008.3 Vol.42 No.248アナリシス2000により、CBM生産に伴う随伴水に対し、環境問題あるいは再利用の観点から、表2の規制があり、それをゅんしゅ守することが、事業者にとって課題になるとの認識で遵じあった。  また、放流場所もEnvironment Protection Authority Act 1994に基づき、EPAの承認が必要となる。随伴水対策の画期的な方法は、近年の豪州の水不足への有効利用が挙げられる。CBMガス開発会社のQueesland Gas Companyは、2006年から溶解物質濃度が1,500?4,000ppmの随伴水の飲料水化について、浄化技術(逆浸透膜法)の試験検証を行ってきたが、技術が確立したとして、2008年1月に、近隣自治体と、2009年から20年間にわたり飲料水供給を行う合意書を締結した。また、他の会社も追随するものと思われる。④生産井掘削技術 この数年の著しい生産量の増加には、新技術の導入が貢献している。 掘削技術としてはUnder reaming*1、Cavitation drilling*2やSurface to Inseam(SIS)drilling*3等であり、これらは性状の異なる石炭層にも対応可能である。低孔隙率の石炭層には、fracture stimulationやSISが適用される。SISの特徴は以下のとおりで、CH4社(現Arrow Energy社)がMoranbah project(QLD州)で用い、高い生産性を確保した。Sydney Gas社等がNSW州Camden projectでも利用し始め、良好な結果が得られている。・傾斜・水平坑井 ・水平的に層をなす石炭層のガス抽出を促進 ・地下500m以浅の炭層に適用 ・水平区間は1,200mに及ぶ ・単独あるいは垂直坑井と併用 また、小型、高い移動性、低操業コストの専用掘削リグの使用によって、掘削費の軽減が図られている。た、量が多いため、事業者は次のような処理等を行い、随伴水量も各事業者で最大2万?/日程度で管理している。・現場処理…脱塩、濾過、殺菌・蒸発池(沈殿槽)・希釈槽・井戸圧入・河川等への放流Generalised Production Pro?leMethaneWaterVOLUME出所:クイーンズランド州鉱山エネルギー省TIME図2CBM生産井のガス・水生産量の推移 QLD州鉱山エネギー省との面談でも、CBM開発に伴う随伴水対策がCBM埋蔵量評価に大きな影響を与えるとの発言があった。同州では、The Petroleum and Gas (Production and Safety) Act 2004とthe Water Act 表2適用法規の概要適用法規Petroleum and Gas Act 2004Water Act 2000内 容Petroleum Leases(開発権)の保有者は、毎年、地下水影響報告書(モニタリング計画、影響流況モデル、水量)を提出。①随伴水は、地域利用や貯水として土地所有者が利用することができる。②廃坑した坑井は水で充填する。③随伴水を①以外に利用する場合は、Water licences and permitの取得が必要である。3. クイーンズランド州を中心としたCBM開発の概要(1)開発促進の経緯 QLD州のガス利用は、1960年代に発見、開発が進められた内陸南西部の南オーストラリア州に跨るクーパー盆地と、州内のボーエン盆地の油ガス田から、主要消費地である州都ブリスベン市(人口約200万人)にパイプラインで供給されて来た。この既存天然ガスに加え、*1: 掘削坑井の坑径を拡大したり、坑壁の凹凸を削り取ったり、平滑に仕上げたりすること。ドリルストリング先端のビットの上部に付けられたカッター(Under Reamer)により行われる。方法。*2: 掘削坑井内を循環する流体中に発生させた高圧力の気泡のエネルギーを利用して坑径を拡大させ生産対象石炭層の生産効率を高める坑井掘削の*3: 目標とする石炭層に向けて地表部からある傾斜角を持って掘削し、増角して炭層内でほぼ水平状態にする坑井掘削方法。石炭層の堆積状況(水平層序)に沿った生産井となりCBM抽出面積の拡大によって生産性の向上が図れる。居Bにおける炭層ガス(CBM)LNGプロジェクトの概要CBMの開発・利用が促進された大きな要因として、以下の状況変化等が挙げられる。図3にQLD州内のCBM田等の所在を示す。① 既存油ガス田は、2000年以来、自然減退が続いていること② パプアニューギニアからのガスパイプライン供給計画が、2007年に中止と決定されたこと③ QLD州政府は、2000年5月、ガス戦略を公表し、2005年1月から、発電燃料の15%をCBMを含むガス(13%)と再生可能エネルギー(2%)とすることを、発電事業者に義務づけたこと④ 炭層ガスの開発技術に改良が見られ、経済的な採取が可能となったこと(2)CBM利用の現状 既存のCBMは、地域内のガス需要(民生用、産業用および発電用)に対応しており、その概要を以下に記す。また、新しい動きとしてSantos社、LNG Ltd社、Sunshine Gas社およびQueensland Gas Company(QGC)社が個々にQLD州Gladstoneで豪州初のCBM 出所:クイーンズランド州鉱山エネルギー省図3クイーンズランド州内の鉱山、石油産業49石油・天然ガスレビューAナリシスる。なお、他に既発見CBM田が、QLD州Bowen、Surat、Clarence Basin(2001年以降)、また、小規模がほとんどであるがNSW州Sydney Basin(1998年以降)内に多数ある。2007年6月末の埋蔵量(2P)は、約6,200PJ(うち、QLD州5,989PJ)となっている。写1と写2に開発現場の写真を添付する。LNGプロジェクトを計画しており、輸出事業としての展開が期待される。これについては、4.項にその概要を記す。①概要 豪州のCBM開発は、東部のQLD州とNSW州で進み、特にQLD州が主要地域となっている。CBM開発の歴史は比較的新しく、1995年のQLD州Fairview fieldが最初である。②探鉱・開発の状況 QLD州にはBowenとSuratの2大Basinがあり、現在の生産ガス田は主にBowen Basin内にある。また、NSW州には、シドニー郊外のSydney Basinで生産が行われている。 両州内の主要生産プロジェクトは、表3のとおりであ表3QLD州、NSW州の主要CBM生産地名称州、地域オペレーター残存可採量(PJ)生産開始出所:Anglo Coal Australia Pty Ltd写2Gas Well Pumping EquipmentFairviewQLD,Bowen BSpring GullyQLD,Bowen BMoranbahQLD,Bowen BBerwyndale SouthQLD,Surat BScotiaQLD,Surat BTipton WestQLD,Surat BDaandineQLD,Surat BArgyleQLD,Surat BCamdenNSW,Sydney B4245261,7221,284Santos(76.07%)Origin(97.11%)Arrow(50%)QGC(100%)Santos(100%)Arrow(60%)Arrow(100%)QGC(59.38%-)1,06278AGL(50%)120293246出所:EnergyQuest他、各種情報より出所:Anglo Coal Australia Pty Ltd写1Lateral Drill1995年1月2005年7月2004年9月2005年5月2002年5月2007年2月2006年9月2007年7月2001年4月③CBM生産量 QLD州は、2000年5月のガス戦略の策定を契機に、ガス供給に占めるCBM比率が飛躍的に伸びた結果、ここ数年間で3倍以上となる見込み(2007年値は、同年9月の前12カ月値)である(表4)。表4QLD州、NSW州のCBM生産量推移州QLDNSW計2003年319402004年3510452005年5211632006年73780単位:PJ2007年939102出所: Geoscience Australia(?2005年)、Energy Quest(2006?2007年) また、CBM井の掘削本数の推移を表5に示す。表5QLD州、NSW州のCBM井の掘削本数の推移州QLDNSW計2001年888962002年100161162003年140121522004年231292602005年19034224出所: Geoscience Australia④事業者 CBM開発は、石炭埋蔵量地域と重複し、その域内のガス供給の一部となっていることから、石炭事業者、ガ2008.3 Vol.42 No.250居Bにおける炭層ガス(CBM)LNGプロジェクトの概要ス販売業者およびCBM専業者が事業者となっている。主要な事業者は、表6のとおりである。埋蔵量は、2007年12月末(2006年12月末)、生産量は2007年12月末の前12カ月の値であるが、QGC社、Arrow Energy社は、前年同期比で約2倍となっている。また、AGL社とSunshine Gas社は、2006年以降の探鉱結果である。表6主要CBM事業者の概要単位:PJ会社名埋蔵量生産量主要事業Origin EnergySantosQueensland Gas CompanyArrow EnergyAGLSunshine Gas出所:EnergyQuest2,537(1,759)1,342(1,322)28.6 石油ガスE&P、エネルギー販売、電力24.2 石油ガスE&P1,317(695)18.1 CBM E&P791(498)250(250)469(0)13.2 CBM E&P10.9 ガス E&P、エネルギーー販売、電力石油ガス E&P4. LNGプロジェクト 2007年に、QLD州内のCBMガス田を原料ガスとし、液化施設を同州東部Gladstone港に設置する4つのLNGプロジェクト計画が発表されている。あっても、貯蔵施設(タンク)や出荷施設は標準仕様(規模)があるため、この点に関しては、コスト的に不利になる可能性がある。(1)個別プロジェクトの概要①4プロジェクトの概要は、表7のとおりである。 なお、建設費については、液化施設、移送パイプライン、貯蔵施設および出荷施設の総額で比較する必要があるが、各社の資料では、すべての費用が含まれるか否か、詳細不明の部分がある。また、液化施設規模が小規模で②生産量の維持 技術的課題の一つに生産性の維持を挙げたが、これは石炭層の性状によって個々に異なり、ヒアリング調査でも Aガス田:0.18TJ*4/本・日、Bガス田:0.52TJ/本・日、Cガス田:1.40TJ/本・日、と大きな違いがあった。各社の資料にあった2つのLNGプロジェクトの生産井表7LNGプロジェクトの概要項目/事業者Santos社LNG Ltd社Sunshine Gas社QGC社原料ガス供給地CBM埋蔵量等液化施設予定地液化施設規模Santos社のBowen、Surat Basin内ガス田4兆cf(約4,000PJ)、20年間州東海岸Gladstone港沖Curtis Island300万~400万トン/年Arrow Energy社のBowen Basin内Moranbahガス田Bowen Basin内Laceraガス田等QGC社のSurat Basin内ガス田78PJ/年、12年間の契約25PJ/年190PJ/年、20年間州東海岸 Gladstone港州東海岸 Gladstone港州東海岸 Gladstone港130万トン/年(拡張可能) 50万トン/年(拡張可能)300~400万トン/年80億豪ドル(380kmP/L建設費含む)2013年出荷開始2008年末FID2009年~建設2012年Q1出荷開始双日が、FEEDに参加予定輸出先は、日本を予定Britsh Gas社が、P/L事業の50%、液化事業の70%に参加、LNG購入投資予想額50億~70億豪ドル液化施設4億ドル液化施設4~5億ドルスケジュール2009年FID2010年~建設2014年出荷開始備 考出所:各社HP等2008年央~建設2010年下半期出荷開始総事業費の試算額は、8億5,000万ドル(パイプライン(約400km、Φ=18インチ)、生産井350坑の費用を超概算で、4億ドル+5,000万ドルとすると総額、8億5,000万ドルとなる)*4: TJ(terajoule)は、10の12乗(1012)joule。1,000TJ=1PJ(peta joule)。1,000TJ≒1bcf。51石油・天然ガスレビュー搆@計画は、表8のとおりである。両社比較で、Santos社は毎年7.4%の増掘で、LNG Ltd社のそれと大きな違いはない。  毎年10%前後の増掘により、生産量の維持が図れるものと考えられる。表8Santos社、LNG Ltd社の生産井の増掘計画数プロジェクトSantos社LNG Ltd社LNG施設能力300万~400万トン/年130万トン/年出所:各社ホームページ等生産期間 当所本数 追加本数20年12年540坑800坑350坑 10%/年5. まとめ・・ LNGプロジェクトは、中長期の安定的な供給が求められる。このためには、埋蔵量の確保と生産性の維持(技術的保証)が必須であるが、会社HP、インタビュー等の結果では、QLD州内では埋蔵量と生産量の継続的な増加が図られており、大きな課題が存在するとは判断し得ない。 また、西オーストラリア州や北部準州で計画中の大規模LNGプロジェクトに比べ、LNG施設能力は小規模であるが、計画内容からは、経済性、生産開始時期等でアドバンテージが見られる。ただし、各社のコストに大きな違いがあり、液化施設以外のパイプライン、出荷施設および貯蔵施設についても、不確アナリシス(2)今後の展開 4社とも、埋蔵量、販売先の確保が重要な要素である。埋蔵量については、表6のとおり2007年9月末の埋蔵量ではSantos社およびQGC社のプロジェクトに不足(必要量約4,000PJに対し現在の保有埋蔵量約1,300PJ/同約3,800PJに1,300PJ)があるが、毎年度、大きな上乗せ量があるため、必要量の確保は、必ずしも厳しいとは言えない。また、販売先については、日系企業も含め売り手・買い手間で積極的なアプローチがあるようである。Sunshine Gas社のプロジェクトには、日系商社が事業検討の構成員となっており、FEEDの結果次第で、上記のスケジュールに沿った進捗が図れる可能性は高い。しんちょく定な要素がある。特に出荷施設と貯蔵施設は、液化施設能力にかかわらず、技術的にある一定規模の能力(液化施設に比べ過大)が必要であることから、単位コストを上昇させる要因となる。・ しかし、計画発表されたプロジェクトが販売先確保等の課題をクリアし、順調に進めば、新規事業者の参入により、CBMのLNGプロジェクトが続く可能性が期待できる。 なお、CBM埋蔵量について、随伴水対策等から慎重な評価をしているクイーンズランド州鉱山エネルギー省の2008年6月頃の評価数量が、今後のCBM事業発展の方向性を見通す鍵になるものと考えられる。・【参考資料】1.Australian Oil and Gas Report 2004, Geoscience Australia2.Australian Coal Association HP3.Queensland Government, Department of Mines and Energy HP4.Australian Mines Atlas, Minerals Council of Australia and Geoscience5.Origin, Santos, Arrow, QGC, AGL Energy, LNG Ltd and Sunshine Gas Company HP6.Energy Quarterly November 2007 by Energy Quest7.Petroleum Magazine, July 20078.島田荘平、「加速する新資源コールベッドメタン開発」、石油・天然ガスレビュー 2005. 9 Vol. 39 No.59. Scott Thomson and Duncan MacDonald:The Application of Medium Radius Directional Drilling for CoalBed Methane Extraction(2003)10.Nathan Mitchell; Dymaxion Drilling - The use of modi? ed exploration rigs for shallow inseam wells11. Shige Miyazaki: Coal Seam Gas Exploration, Development and Resources in Australia, a National Perspective,APPEA Journal, 20052008.3 Vol.42 No.252居Bにおける炭層ガス(CBM)LNGプロジェクトの概要執筆者紹介三宅 裕隆(みやけ ひろたか)出生地:群馬県1976年、東京都立大学工学部卒業(現・首都大学東京)、同年、旧石油開発公団入団石油・天然ガス開発関係は、旧石油公団で計画第二部(プロジェクト採択、会社管理)、天然ガス・新石油資源事業部(天然ガス地下貯蔵、GTL、メタンハイドレート調査)および華南石油開発㈱出向、中国駐在経験あり。前職は、備蓄部門で石油・LPG備蓄基地の安全防災・環境保全を担当。2006年7月よりJOGMECシドニー事務所次長(石油・天然ガス担当) 妻、娘2人を残しわびしい単身生活中。趣味は、安全なドライブ、ゴルフ、自炊?Lainie Kelly(レイニー・ケリー)出生地:豪州シドニー、豪州国籍とイギリス国籍シドニー大学文学部(日本語専攻)卒業JETROシドニーで調査員2005年7月よりJOGMECシドニー調査員(石油・天然ガス担当)現在に至る53石油・天然ガスレビュー
地域1 大洋州
国1 オーストラリア
地域2
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国10
国・地域 大洋州,オーストラリア
2008/03/21 [ 2008年03月号 ] 三宅 裕隆 レイニー・ケリー
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