中国:見切り発車か? 第2西気東輸パイプライン着工
| レポートID | 1006328 |
|---|---|
| 作成日 | 2008-05-20 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-03-05 19:32:42 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガスレビュー 2 |
| 分野 | 天然ガス・LNG探鉱開発 |
| 著者 | 竹原 美佳 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2008 |
| Vol | 42 |
| No | 3 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 中国:見切り発車か?第2西気東輸パイプライン着工 2008年2月、CNPC(PetroChina)は第2西気東輸パイプラインの建設を開始した。主力供給源はトルクメニスタンの天然ガスで、同国から中国新疆まで約2,000kmのパイプラインを建設し、さらに新疆から広東省広州まで支線を含め約9,000kmのパイプラインを建設し、300億m3/年の天然ガスを輸送する巨大事業である。 しかし、第2西気東輸パイプライン事業は、天然ガスの調達と価格の二つのリスクを抱えており、単独でとらえると、2兆円を超える巨大事業にしては見切り発車という印象が拭ぬぐいきれない。 トルクメニスタンの天然ガスは増産基調にあり、探鉱も順調に進展しているようだが、必要量調達にはいまだ不透明な部分が残る。また、2008年3月にトルクメニスタンやカザフスタンなど中央アジア諸国はロシアGazpromと同国向け天然ガスの輸出価格を2009年以降引き上げることで合意したが、これにより、トルクメニスタンから中国が輸入する天然ガス価格にも影響が生じる可能性がある。 さらに、中国国内の天然ガス市場は発展段階にあり、ガスの卸・末端価格ともに低く抑えられている。潜在需要は高いが、国際価格を許容できる地域は広東省などに限られているのが現状である。中国政府は卸・末端価格ともに段階的に引き上げ、国際価格と連動させる計画だが、天然ガスの輸入価格が中国の想定を超え、石炭や重油など代替燃料の価格上昇ペースを大幅に上回る場合、末端ユーザー(消費者)は代替燃料に向かい、需要が伸び悩む可能性がある。 しかし、CNPCにはパイプライン建設を急がなければならない事情がある。現在、高い購買力を持ち、さらに成長が見込まれる広東や香港といった南部(珠江デルタ)の天然ガス市場にライバルのCNOOC やSinopecがLNG受入基地を建設する前に大容量のパイプラインを建設し、同市場において優位な地位を築くことをもくろんでいると思われるからだ。 国有石油企業3社は、山東省の天然ガス供給で三つ巴ともえの市場争いをしているが、南部の天然ガス供給についてはCNPC対Sinopec・CNOOC連合という構図になっているようだ。 CNPCは中国陸上の幹線パイプラインをネットワーク化する構想を持っている。同社は既存の天然ガスパイプラインの7割以上を押さえており、既に大都市向けの西気東輸(新疆~上海)や陝京(オルドス~北京)パイプラインはネットワーク化されている。同社は今後、華北・東北・華南地域の天然ガスパイプライン網を順次整備する計画である。順調に進展した場合、自社で生産する天然ガス、西部から輸入するトルクメニスタンの天然ガスに加え、中国東北部から輸入する可能性があるロシアの天然ガスや輸入LNG、中国南部から輸入する可能性のあるミャンマーの天然ガスについて、需要のピークが異なる東部や南部市場に弾力的に供給することが可能となる。事業費約1,422億元(約2兆700億円)の国家プロジェクトである。 第2西気東輸パイプラインプロジェク衛をトは、新疆・コルガスから寧夏・中経て広東・広州に向かう幹線ならびに8本の支線で構成されている(図1)。建設は西部と東部に分けて行われる。西部のチョンウェイおんほうんとう家か錦き西)で工事が始まり、同日、北京の人涛宝首相が重要指民大会堂で起工式典が開かれた。胡主席が祝電を送り、温示を行い、曽 第2西気東輸パイプラインは総延長9,102km(主幹線4,843km、支線8本計4,259km)*1、設計輸送能力300億m3/年、炎副首相が出席した。培ばそいえんこんせい陝せ1. 第2西気東輸パイプライン着工・ 西部区間は2009年末完成、2011年末に全線開通予定 2008年2月22日、第2西気東輸パイプラ夏、インの西部区間(新粛、寧疆、甘しんきょうかんしゅくねいか*1:「中国石油石化」2008/02/01第03期。63石油・天然ガスレビューn下貯蔵(湖北)徐州 ?上海地下貯蔵(江西)LNGピークシェービング(場所不明)中央アジアガスLP独山子コルガスウルムチ?輪南トルファン1期:幹線約2,400km2008年1月 着工2009年末 完成予定靖辺?中衛地下貯蔵(河南)?洛陽2期:幹線約2,400km2011年6月 着工2011年末 完成予定南昌?湘潭?南寧?深?香港広州肇慶湛江?海口?X80鋼材コルガス?広州?X70鋼材輪南?吐魯番中衛?靖辺洛陽?徐州南昌?上海樟樹?湘潭翁源?深?(香港)広州?南寧肇慶?湛江(海口)主幹線:4,843㎞新疆?広東支線:4,259㎞新疆寧夏・陝西河南、江蘇江西、上海江西、湖南広東(香港)広東、広西広東、海南????????出所:JOGMEC図1第2西気東輸パイプライン2. 第2西気東輸パイプラインの供給源(1) 中央アジアガスパイプライン ~CNPCが各国とジョイントベンチャーを結成~ 第2西気東輸パイプラインの主力供給源は、トルクメニスタンの天然ガスである。CNPCはCentral Asian Gas Pipeline(中央アジアガスパイプライン:トルクメニスタン~ウズベキスタン~カザフスタン経由新疆・コルガスの総延長2,013km<トルクメニスタン区間約188km、ウズベキスタン区間約525km、カザフスタン区間約1,300km>、設計輸送能力300億m3/年)を建設し、輸入する(表1)。建設費について、詳細は不明だがトルクメニスタン側の報道で65億ドル以上と報じられている。 トルクメニスタン区間のパイプライン建設はCNPC子会社CNODCと PetroChinaが共同で行う。1期事業費80億ドルのうち22億ドルを投入すると報じられている。 ウズベキスタン区間(525km)のパイプライン建設ならびに運営は、CNPCの子会社中亜天然気管道有限公司とウズベキスタン国営石油会社Uzbekneftegazが共同で行う。2008年1月28日に両社は、ウズベキスタン区間の建設と運営を行うジョイントベンチャー(JV)「中烏天然気管道合資公司」(ASIATRANSGAS)を設立した。 カザフスタン区間のパイプライン建設と運営はCNPCとカザフスタン国営Kazmunaigazが共同で行う。両社は2008年2月にカザフスタン区間のパイプライン事業に係るJV「中哈天然気管道有限公司」(Asia Gas Pipeline LLP)をカザフスタンで設立した。(2) トルクメニスタンの天然ガス ~4割は中国が自助努力で調達?!~ 2007年におけるトルクメニスタンの天然ガス生産量は、前年より100億m3増加し約720億m3、そのうち約500億m3/年をロシアに輸出しており、またイランとも2008.5 Vol.42 No.364ジンビエンウェンユエン源なんしょうマーチュウ昌麻~広東・深頂山、湖北省雲幹線(新疆・コルガス~寧夏・中衛)と辺)は2009支線(寧夏・中衛~陝西・靖年末に稼働開始予定である。東部の幹線(寧夏・中衛~広東・広州)、支線(広?他)は2011年6月東・翁末に着工し、2011年末に開通予定である。 パイプラインの他に、3カ所(河南省応の岩塩ドームと江丘の帯水層)の地下貯蔵施西省南設(ワーキングガス(実際に使用可能な貯蔵量)計25億m3)を建設し、さらに場所は不明だが、LNGによるピークシェービングステーション(200万トン/年)を建設する計画である。 幹線のパイプライン口径は最大1,219mmで、主に高強度のX80規格の鋼管を使用する。新疆・コルガス~寧夏・中衛区間の最大設計圧力は12MPaで、中衛~広東・広州間の最大設計圧力は10 MPaである。支線は主に西気東輸パイプラインと同等のX70規格の鋼管を使用する。ンティンシャンユィンイン平ピしんせん\1西気東輸パイプラインと中央アジアパイプライン現状事業者供給開始時期設計輸送能力増強計画主な供給ソース第2西気東輸建設中西気東輸稼働中中央アジア建設中CNPC(PetroChina)CNPC(PetroChina)CNPCと各国国営ガス企業のJV2009年末300億m3/年2004年120億m3/年170億m3/年2009年末(見込み)300億m3/年トルクメニスタン(アムダリア盆地)新疆(ジュンガル、タリム、トハ)新疆タリム盆地トルクメニスタン(アムダリア盆地)幹線パイプライン距離4,843km3,900km約2,013km(トルクメニスタン188km~ウズベキスタン525km~カザフスタン1,300km)ガス価格出所:JOGMECシティーゲート平均(報道ベース)約10ドル/百万Btuシティーゲート平均(報道ベース)約4ドル/百万Btu国境渡し(報道ベース)約6ドル/百万Btu売買契約を締結し、約84億m3/年を輸出した。残りの約130億m3/年は国内で消費している。 2007年7月、胡錦涛主席とトルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領立ち会いの下、CNPCはアムダリア右岸鉱区(Bagtiyarlyk Field)におけるPS契約ならびに天然ガス売買契約を締結した(写1)。トルクメニスタンは中国向けに天然ガスを30年間販売することで合意した。 しかし、中央アジアガスパイプラインと第2西気東輸パイプラインの設計輸送能力300億m3/年に対し、トルクメニスタンが天然ガスの販売をコミットした量はアムダリア盆地のMalaiガス田とグノルタ・ヨロテン(Yoloten-Osman)油ガス田で生産する170億m3/年のみで、残りの130億m3/年はCNPCがアムダリア右岸鉱区でアムダリア右岸鉱区AFGHANISTANMalaiガス田探鉱開発、生産した天然ガスを供給することになっている(図2)。CNPCはパイプラインを自前で建設する上、供給源の4割を自助努力で確保しなければならない。 Malaiガス田は1978年に発見され、1986年に生産を開始した。現在の生産量は約400MMcfd(約41億m3/年)で、残存可採埋蔵量は約7,000億cf(約200億m3)である。 グノルタ・ヨロテン油ガス田(1967年発見)は隣接するOsman油ガス田とともに評価中であり、2007年から2008年にかけ、102、17、103など複数の評価井において良好なガス徴を見ている。ちなみに、CNPCは2006年11月、トルクメニスタン政府とグノルタ・ヨロテン油ガス田の掘削サービス契約を約1億5,200万ドルで締結しており、3年間で12坑掘削することになっている。現在のところ確認されている埋蔵量は、両油ガス田を合わせ2兆cf(約600億m3)程度である。もっとも、同油ガス田の埋蔵量は近く上方修正されると思われる。最近、トルクメニスタン政府は英大手コンサルタントGaffney Clineに同油ガス田の石油・天然ガス埋蔵量の評価を依頼したと報じられている。 いずれにせよ、トルクメニスタンがコグノルタ・ヨロテン油・ガス田IRAN出所:JOGMEC図2第第2西気東輸の供給源となるトルクメニスタンの油ガス田ならびに鉱区65石油・天然ガスレビューUZBEKISTANアムダリア河KAZAKHSTANTURKMENISTANSouth Caspain BasinSouth Caspain BasinAmudarya BasinAmudarya BasinェミンジャンCNPCの蒋敏董事長(会長)とベルドイムハメドフ大統領(2007年7月調印式)潔ジ写1出所:CNPCウェブサイトナ近は国境渡し価格(中国までの輸送費込み)195~240ドル/千m3(約5.2~6.4ドル/MMBtu)で合意したという報道が多くなっている(表2)。それに中国国内の輸送費が上乗せされ、6.4ドル/MMBtuの場合、各都市への卸価格(シティーゲート価格)は平均約11ドル/MMBtuに達すると思われる。第2西気東輸パイプライン沿線各都市のガス末端価格について全貌を把握したわけではないが、2007年11月に中国政府が天然ガスの工業用小売り価格引き上げを容認した際、一部都市の工業用小売り価格が公表されており(表3)、それを見る限り、よほど補助金を出さないと、トルクメニスタンからの天然ガス価格が許容可能なユーザーは、広東に限られるのではないかと思われる。 中国政府はエネルギー価格について、国際価格と連動させるべく引き上げを図っているほか、通貨元の対ドル切り上げも急速に進んでおり、特に沿海部では2011年末までに国際価格と連動している都市は増えるかもしれない。ただ、最近中国では食品を中心とした物価上昇のスピードが非常に高く(2008年2月の消費者物価指数<CPI>は前年同月比8.7%増)、政府は電力、ガス(LPG含む)、石油製品(ガソリン、ディーゼル)など現在統制しているエネルギー価格の引き上げに慎重な姿勢を示している。東トているのは、新疆ジュンガル盆地やトルファン・ハミの油ガス田から天然ガスをパイプラインに流すためである。 また、CNPCは第2西気東輸のバックンルー)アップとして輸入LNG(江蘇省如を想定しているとも報じられている。江蘇省如東受入基地は、設計受け入れ能力350万トン(約48億m3)で、2011年に稼働開始予定である。供給源は2007年にShellやWoodsideと条件付きで合意した豪州(Browse:100万トン/年、Gorgon他:200万~300万トン/年)あるいは、2008年4月にQP/Shellと購入契約(sales and purchase agreements)を結んだカタール(Qatargas4:300万トン/年)のLNGが有力候補である。第2西気東輸パイプラインの江西・南昌~上海支線は2011年完成予定で、如東は上海と揚子江を挟んだ北側に位置している。3. 気になる“ガス価格”ミットした170億m3/年のうち、現時点で確実に調達ができそうなものは2割(Malaiガス田の約40億m3/年)に過ぎず、トルクメニスタン側は不足分についてドーレタバード(Dauletabad)ガス田で補完するとの報道もあるが、少々心もとない。また、トルクメニスタン政府はアムダリア右岸鉱区の埋蔵量を約45兆cfと見込んでいるが、同鉱区はこれから探鉱開発を行う鉱区であり、開発までには時間を要すると思われる。 ベルドイムハメドフ大統領はトルクメニスタンの天然ガスは増産基調にあり、2008年には815億m3に増加するので、中国向けの供給に支障はないとしているが、2009年末に中国向けの輸出余力があるのか疑問視する声がある。ただ、イラン向けの天然ガス供給を2008年4月現在停止しており、イラン向けを中国に振り向けるという可能性も否定できない(図3)。(3) トルクメニスタンのガス供給不足時の対応策 CNPCはパイプラインの建設を西部と南部で2期に分けている。トルクメニスタンの探鉱が順調に進まず、自助努力分130億m3/年の調達が難航する場合は、新疆カラマイ油田やオルドス盆地の天然ガスの増産などで対応する計画である。中国の起点であるコルガスのそばに位置する新疆ジュンガル盆地のカラマイ油田は、2010年までに天然ガスを現在の30億m3/年から100億m3/年に増産する計画である。第2西気東輸パイプラインが西気東輸パイプラインより北にルートを取っ しかし、天然ガスの調達に加え、もう一つ懸念要因がある。それは価格である。 2006年にGazpromとトルクメニスタンは、2007~2009年の天然ガス輸出について100ドル/千m3(約2.7ドル/MMBtu)で合意したが、2007年11月末に価格引き上げで合意した。2008年前半は130ドル/千m3(約3.5ドル/MMBtu)、2008年後半は150ドル/千m3(約4ドル/MMBtu)となる。 一方、CNPCとトルクメニスタンは天然ガス価格について、当初国境渡しで約150ドル/千m3(約4ドル/MMBtu)という安価で合意したと報じられていたが、2008年ロシアロシアイランイラン国内国内余剰余剰2007年ロシアロシアイランイラン国内国内0200出所:JOGMEC4006008001,000 億m3図3トルクメニスタンの天然ガス供給先実績と見通し表2トルクメニスタンからロシア・中国向けの価格(国境渡し、報道ベース)2007年2008年前半2008年後半2009年~トルクメニスタン→ロシア100ドル/千m3130ドル/千m3150ドル/千m3欧州価格を反映2.67ドル/MMBtu3.47ドル/MMBtu4ドル/MMBtu2007年報道(2009年~)2008年報道(2009年~)トルクメニスタン→中国195ドル/千m3240ドル/千m35.2ドル/MMBtu6.4ドル/MMBtu出所:各種報道よりJOGMEC作成2008.5 Vol.42 No.366@さらに悪いことに、2008年3月、Gazpromはトルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタンとの間でガス価格引き上げ(2009年以降欧州向けと等価とすること)で合意した。この合意は中国向け天然ガスの輸出価格引き上げにつながる可能性がある。 天然ガスの卸価格が中国の想定を超えて上昇し、石炭や重油など代替燃料の価格上昇ペースを大幅に上回ることになった場合、末端ユーザー(消費者)は代替燃料に向かうと思われ、短期的には需要が伸び悩む可能性がある。4. CNPCが第2西気東輸建設を急ぐ背景 ~南部天然ガス市場争奪~ CNPC(PetroChina)が天然ガスの確保と価格という二つのリスクを背負ってまでもパイプラインの建設を急ぐ理由は何か? それは現在、高い購買力を持ち、さらに成長が見込まれる広東や香港といった華南(珠江デルタ)の天然ガス市場において、シェアを確保することをもくろんでいるからだと思われる。 第2西気東輸パイプラインの幹線の終点となる広東省は、2006年にLNGの輸入を開始している。広東省(一部は香港に供給)は発電約75%、都市ガス約25%の割合で天然ガスを利用しており、2007年は長期契約とスポット契約を合わせ、約290万トン(約40億m3)のLNGを輸入した。広東LNGは、市場開拓は順調で顧客は増えており、長期契約分に加え、スポットカーゴによる調達を増やすとしている。特に2008年は大雪の影響で、広東が10GW以上の電力供給を受けている貴州、雲南などの送電網にトラブルが発生し、広東省は電力不足に陥っている。同省政府は火力発電の稼働率を上げ、一時的に電力価格を引き上げるなどの措置を取り、広東LNGに対しては通常より高値(最大14ドル/MMBtu)でLNGを67石油・天然ガスレビュー表3中国の一部都市における天然ガス小売り価格見直し(2007年11月)(元/千m3)(ドル/MMBtu)湖北省武漢市工業用小売り自動車用小売り上海市PL公司直送 漕 熱電天然ガス発電科学工業区都市ガス会社→工業向け(500万m3>)都市ガス会社→工業向け(120万~500万m3)都市ガス会社→工業向け(120万m3)CNG(タクシー)新疆ウルムチ市工業用広東省民生用工業用(注)1ドル=7.5元とする。出所:各種報道よりJOGMEC作成変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後変更前引き上げ後2,2002,6303,0003,3501,4301,8301,5301,9301,7802,1802,6003,0003,1003,5003,4003,8002,1503,5802,0502,4505,4305,5906,5207.829.3510.6611.915.086.55.446.866.337.759.2410.6611.0212.4412.0813.517.6412.727.298.7119.319.8723.17発電向けに販売することを許可したと報じられた(ただし、高値の販売は上限を51万トン=7億m3と設定されている模様)。広東LNGはこれを受け、スポットカーゴ調達を2007年の7カーゴから2倍の14カーゴ(84万トン)程度に増やすことを検討しているようである。 CNOOCやSinopecは広東やその周辺地域でLNG受入基地建設を複数計画している(表4)。CNPCはライバルのCNOOCやSinopecがLNG受入基地を建設する前に大容量のパイプラインを建設し、市場を押さえようとしているのではないだろうか。 中国の都市ガス配給事業は地方政府傘奥ガスや香港資下の配給会社と民間の新本の配給会社が中心に行っている(図4)が、CNPCは第2西気東輸パイプラインを建設するのみならず、南部におけるガシンアオス配給事業への進出も画策している。2008年1月、CNPC子会社の華油(Huayou)は中国本土の民間企業新奥ガスと広東省東莞市で都市ガス配給事業を共同で行うことで合意した。また、湖南省においても同様に配給会社とガス配給事業で提携した模様である。 SinopecとCNOOCはこれに対し、2社連合で対抗する構えである。2007年5月、両社は中国南部市場におけるガス供給、貯蔵、パイプライン網構築、ガスの調達における提携で合意した。2008年2月には、CNOOCが南シナ海沖合で生産した天然ガスをSinopecのパイプライン網を通じ、マカオに供給している。また、それぞれ地方政府傘下の配給会社と提携し、都市ガス配給事業に参加している。 ここでは詳しく述べないが、山東省ガス配給市場においても3社は火花を散らオている。同省の天然ガス消費量は現在の5億m3/年から2020年には80億~100億m3/年に伸びると見込まれている。当初はSinopecがパイプライン網を構築、自社ガス田のガスを供給していたが、最近CNPCは済南、臨邑などと天然ガス配給で合意、2008年1月に同省蒼山県や鄒平県政府と都市ガス配給に関し、枠組み合意をしている。CNOOCは黄海ならびに渤海沖合で生産する天然ガスの供給に加え、LNG受入基地の建設を検討している。5. PetroChinaの中国全土天然ガスパイプライン網構想と輸入ガスの位置付け CNPC(PetroChina)は中国陸上の幹線パイプラインをネットワーク化する構想を持っている。同社は既存の天然ガスパイプラインの7割以上を押さえており、2007年6月には河北~寧波支線が完成し、西気東輸(新疆~上海)と陝京(オルドス~北京)という2大幹線パイプラインが接続した。同社はミニLNG(液化・貯蔵)ローリー輸送国産天然ガス生産生産企業・PetroChina・Sinopec・CNOOC Ltd.輸入天然ガスPL輸送輸出入企業・PetroChina (主にPL)・Sinopec・CNOOC Ltd. (主にLNG)・新奥燃気・中国燃気パイプライン企業・PetroChina (管道公司 他)・Sinopec (天然気分公司)・CNOOC (天然気及 発電有限責任公司)配給 シティーゲートステーション サテライトステーション民生商業工業発電・地域性配給会社 (一級行政区)・地域性配給会社・民間企業香港中華ガス中国燃気百江燃気新奥燃気 他輸入LNGLNG船LNG受入基地(貯蔵・再ガス化)出所:JOGMEC図4中国における天然ガス事業の流れ今後10年程度をかけ、華北、東北、南部(華南・西南)地域の天然ガスパイプライン網を順次整備する計画である(図5)。 国内ガス価格引き上げのタイミング、代替エネルギー源の価格などに左右されるため、時期は特定できないが、中国の市場規模を考えると、近い将来中国は中央アジアの天然ガスに加え、ロシアの天然ガスを輸入することになると思われる。また、輸入LNGは特に沿海地域で有効な選択肢となり得るだろう。 PetroChinaが中長期的に進めている中国全土の幹線パイプライン網の整備が順調に進展した場合、西部から輸入するトルクメニスタンの天然ガスに加え、中国東北部から輸入する可能性があるロシアの天然ガスや輸入LNG、中国南部から輸入する可能性のあるミャンマーの天然ガスについて、需要のピークが異なる東部や南部で弾力的に供給することが可能になる。表4中国南部におけるLNG受入基地(稼働・計画中)状況稼働開始広東(大鵬)稼働中2006年受け入れ能力(万トン/年)当初370増強後670福建( 州湾)建設中2008年260500広東(珠海)基本合意2010年以降海南(洋浦)広東(汕頭)広西基本合意基本合意基本合意2010年以降2010年以降2010年以降マカオ(珠海市・黄茅島)計画中2010年以降250200200200200香港(南索古島) 計画中2010年以降260出所:各種報道よりJOGMEC作成300300500事業者供給源(候補)備考CNOOC:33%、BP:30%、その他中国・香港系企業CNOOC:60%、福建中?公司:40%CNOOC:25%、粤電気集団:30%、広州市:25%、他CNOOCCNOOCPetroChinaSinopec/マカオのガス事業者CLP(香港)/ExxonMobil豪州・北西大陸棚(NWS)(SPA/FOB)インドネシア・タングー(SPA/FOB)未定未定未定未定未定未定EPC:Saipem/Technigaz/Tecnimont/Sofregaz連合2006年5月27日、初カーゴ到着、9月商業稼働開始EPC:Chicago Bridge & Iron(CB&I)LNGの一部を上海に振り向け土地造成中スタディー中スタディー中2006年7月、マカオ行政府がガス供給者としてSinopecを選定2007年3月、ファイナンス入札実施2007年4月、香港の環境保護署が建設計画を承認2008.5 Vol.42 No.368鴻Vア→中国ロシア→中国(アルタイ)(アルタイ)トルクメニスタン→中国トルクメニスタン→中国(ウズベキスタン・(ウズベキスタン・ カザフスタン経由) カザフスタン経由)カラマイ油田阿拉山口カラマイ第2西気東輸コルガス独山子ウルムチ輪南タリム油田?善吐哈油田青海油田ロシア→中国ロシア→中国(チャヤンダ)(チャヤンダ)大慶大慶油田ハルビン吉林満州里二連油田塔中油田花土溝玉門渋北ガス田西気東輸銀川中衛靖辺長慶油田ゴルムド蘭州長北ガス田フフホト北京大連秦皇島天津石家荘濮陽済南青島鄭州淮北南京上海ラサ達州四川ガス田成都咸陽西安川気東送宜昌重慶貴陽武漢南昌長沙平湖ガス田杭州九江福建昆明天然ガスパイプライン(稼働中)天然ガスパイプライン(建設計画中)LNG受入基地(稼働中・建設中)ミャンマー → 中国ミャンマー → 中国出所:JOGMEC柳州広州茂名南寧北海堪江広東深?香港崖城ガス田図5PetroChinaの中国全土への天然ガスパイプライン網構想(1) 華北天然ガスパイプライン網整備~順調に進展、将来は東北網と接続~ 華北天然ガスパイプライン網とは北京、天津、河北を結ぶものである。同地域は暖房や地域熱供給需要が高い。天津に地下貯蔵施設があるが、冬場はガスが恒常的に不足しているようである。 2008年3月、CNPCは河北省永唐秦(永清~唐山~秦皇島)ガスパイプライン建設を河北省盧竜県で開始した。全長320.4km、輸送能力90億m3/年、総事業費約32億元(約480億円)で2008年末に完成予定である。同パイプラインは第2陝京パイプラインの支線であり、華北天然ガスパイプライン網と東北天然ガスパイプライン網をつなぐものである。CNPCは東北天然ガスパイプライン網の天然ガスと輸入LNGを華北パイプライン網に運び、華北地方の天然ガス供給源を多様化、ガス供給の安全性を高めることが、このパイプライン建設の目的であるとしている。イプライン(全長78km、設計輸送量50億m3/年)はすでに稼働中であるが、そこから南進していない。最近、大慶油田では徐深ガス田など深層の天然ガス田開発が進んでいるが、地場では消費しきれず、ハルビン以南の地域に供給する模様である。(2) 東北天然ガスパイプライン網整備は緩慢な動き ~ロシアの天然ガス、大連の輸入LNG~ 東北天然ガスパイプライン網は黒龍江省大慶を起点に~チチハル~ハルビン~長春~瀋陽~大連などをカバーし、その後北京まで延伸し、華北天然ガス網と接続する計画である。しかし、2006年12月に着工した大慶~ハルビン間天然ガスパ・ロシアの天然ガス CNPCは黒龍江省でロシアの天然ガスを受け入れ、東北天然ガスパイプライン網経由で華北市場に供給することを想定していると思われる。ロシアとの天然ガス輸入交渉は価格をめぐり難航していたようだが、最近、中国はロシア側の主張った価格フォーミュラ”する“市場に則を受け入れる用意があると報じられていのっと*2:中国その他アジア太平洋諸国へのガス輸出を考慮した、東シベリアと極東における統一的なガス生産・輸送・供給システムの構築計画。69石油・天然ガスレビュー驕B2007年にロシアが発表した「東方ガス・プログラム」*2によると、東シベリア・コビクタガス田のガスはロシア国内と欧州向けであり、サハリン1のガスが中国に向かう可能性も高くない。現在、中国向けで最も可能性が高い供給源はサハ共和国のチャヤンダガス田のようである。両国が合意した場合、中国向けの石油パイプラインに併走させて輸送能力300億m3/年のパイプラインを新たに建設し、黒龍江省黒河経由で中国に輸送することになると思われる。 また、西シベリアの天然ガス(アルタイルート)について、可能性は高くないが、仮にトルクメニスタンの天然ガス供給が十分に行われ、アルタイルートからロシアのガスが来る場合、CNPCは第3の西気東輸パイプラインを建設し、そこにロシアの天然ガスを注ぎ込み、渤海湾(華北天然ガス網)に供給することを検討している模様である。業界誌によると、この“第3西気東輸パイプライン”は新疆から渤海湾まで全長8,000km、輸送能力250億m3/年と想定しているようである。・大連の輸入LNG PetroChinaが遼寧省大連で建設準備中の受入基地(2010年頃稼働開始予定)はその立地から、第2西気東輸パイプラインではなく、陝京パイプラインや西気東輸パイプラインを含む華北天然ガスパイプライン網のバックアップ策として想定していると思われる。 供給ソースは豪州(Browse/Gorgon)あるいはカタール(Qatargas4)となる可能性が高い。(3) 西南天然ガスパイプライン網整備~ミャンマーの天然ガス~ 華北、東北天然ガスパイプライン網に比べ、優先順位は低いようだが、CNPCのパイプライン部門(管道局)などが作成したパイプライン網地図を見ると、第2西気東輸の広東・広州~広西・南寧支線を貴州・貴陽経由で延伸し、ミャンマー~昆明パイプラインと接続し、さらに貴陽と重慶を接続する計画があるようだ。順調に進展した場合、第2西気東輸、ミャンマーの天然ガス、中国屈指の天然ガス生産地域である四川の天然ガスパイプライン網のネットワーク化が図られる。 PetroChinaはミャンマー沖合シュウェガス田の天然ガス50億~120億m3/年を2012年前後に輸入することでミャンマーとほぼ合意しており、雲南省昆明まで天然ガスパイプラインを建設する計画と報じられている。しかし、この件は具体的な動きが見えない。(竹原 美佳)2008.5 Vol.42 No.370 |
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