ページ番号1006329 更新日 平成30年3月5日

ロシア:カスピ海周辺からの欧州向けガスパイプライン構想の最近の動向について

レポート属性
レポートID 1006329
作成日 2008-05-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 古幡 哲也
年度 2008
Vol 42
No 3
ページ数
抽出データ ロシア:カスピ海周辺からの欧州向けガスパイプライン構想の最近の動向について・ロシア政府は、サウスストリーム・パイプラインを経由したガスのブルガリア、セルビア、ハンガリー通過で各国政府と相次いで合意。さらに別の国との間で追加的な合意も近いとされる。これまでのサウスストリームの合意は、その多くが政府間の基本合意であり、タリフ(関税)や通ガス条件等を定めた商業的契約締結はまだまだ先だが、ナブッコ・パイプラインに比して一歩リードした印象。・一方、ナブッコ・パイプラインの事業会社には、安定した需要家を抱えるドイツのRWEが新たに参加。エンジニアリング担当企業の選定やEU内での承認手続きを進めている。肝心の供給ソースの確保は各参加企業に委ねられているが、いまだ供給源確保のニュースはなし。どれだけ生産者に有利なタリフをはじき出せるか。米国やEUがナブッコ・パイプライン支持を打ち出すも、ナブッコやカスピ海横断ガスパイプラインの経済性の有無は不明。・EUはナブッコを推すが、欧州の主要ガス会社は、ロシアとの長期契約により安定的供給を志向。・RWEやChevronはトルクメニスタンにCNG(Compressed Natural Gas)でのガス出荷をオファー、打開策となるか。ナブッコとサウスストリームの統合の可能性に注目。TTOO NNORTHORTHSOUTH STREAMSOUTH STREAMBLUE STREAMBLUE STREAMUTHUTHOOO SO STT出所:Eniホームページより図1サウスストリーム・パイプラインのイメージ図ルーストリーム・ガス・パイプライン(総延長1,200km、海底部分390km、通ガス能力約165億cm/d、2003年操業開始)建設時に2,150mの深度にパイプラインを敷設した経験があり、技術的な問題はないと思われる。 GazpromとEniは、2007年7月にサウスストリーム・パイプラインの建設につ1. サウスストリーム・ パイプラインをめぐる最近の動き(1) サウスストリーム・パイプラインについて サウスストリーム・パイプラインの構想(図1)はロシア黒海沿岸ベレゴバヤとブルガリアのヴァルナを結ぶ東西約900kmの海底部分と、ヴァルナから中欧と南欧に向かう陸上部分2系統から成り、ロシアのGazpromとイタリアのEni(伊政府が20.31%の株式を保有)が中心となって進めている。操業開始は2013年、300億cm/年の輸送能力を見込んでいる。これは2006年の日本のガス消費量(約850億cm/年、BP統計)の約35%に匹敵する。黒海の深海部にパイプラインを設するため、サウスストリームの総建設費は100億~150億ドルに達すると見込まれている。Eni子会社のSaipemは、ブ敷ふせつ55石油・天然ガスレビューinlandVyborgNorwaySwedenmord StreaNGermanyPolandCzechAustriaItalyHungaryUzhgorodRomaniaNabuccoSerbiaBulgariaBelarusRussiaYeletsUkraineSouth StreamBurgasSamsunDzhugbaue StreamlBGeorgiaIGIGreeceTurkeyErzurumOrenburgCACCAC-3SoutAzerbaijanhCaucasusTrans CaspianTurkmenistanKazakhstanUzbekistan出所:JOGMECIraqIran図2カスピ海周辺地域から欧州向けの ガスパイプライン網、点線は建設構想いて覚書を交わし、その後2007年11月にはパイプラインの事業化調査(Feasibility Study, F/S)を行うことで合意、また2008年1月18日にはサウスストリーム・パイプラインの建設・操業主体として「South Stream AG」社をスイスに設立するに至った。この事業会社は2008年第1四半期中に建設スケジュールを策定し、年内にマーケット調査とF/Sを完了する予定である。また、他のパートナーの参加を歓迎するとも言っている(Russian Energy, 1/21)(図2)。 そもそもサウスストリーム・パイプライン構想は、ブルガス-アレクサンドロポリス石油パイプライン*1の建設にブルガリアを同意させるため、当初の「第2ブルーストリーム・パイプライン」構想をロシアからブルガリアへと直接ルートに変更したことにより生まれたと言われている。 サウスストリーム・パイプラインが完成すれば、ロシアは、ガス料金の不払いや欧州向けのガス抜き取りを繰り返す*2 うかいウクライナを迂回して、欧州市場へ直結ルートでガスを供給することができる*3 。サウスストリームは欧州の需要家への安定的な供給を実現する観点からは重要であると考える。 さて、サウスストリーム・パイプライン事業会社が設立された1月18日から2月末までに、ロシア政府は中欧向けのルート上に位置するブルガリア、セルビア、ハンガリーの各国政府との間で、サウスストリーム・パイプラインの敷設に係る政府間合意に続けざまに調印、パイプラインの実現に向けた布石を打っている。以下にその状況をまとめる。(2)ブルガリアとの政府間合意 2008年1月18日、ブルガリアとロシアは、ソフィアにおいて、サウスストリーム・パイプラインをブルガリア国内に建設することで政府間合意した。ロシアからはプーチン大統領とメドベージェフ第1副首相(Gazprom会長を兼ねる)が出席、ブルガリア側からはパルバノフ大統領、スタニシェフ首相が出席した。Gazpromはブルガリア国内におけるパイプライン操業会社の全株式保有を希望、最低でも51%を保有する意向であったが、ブルガリアがこれに強く抵抗、結局プーチン大統領のツルの一声でロシアが妥協してロシア側50%、ブルガリア側50%のシェアで落ち着いたと言われる。ブルガリア区間のコストは20億ドルと報じられている(Platts Oilgram News:以下PON, 1/21、GAS MATTERS TODAY:以下GMT, 1/18)。ブルガリア側のシェアはナブッコにも参加している国営ブルガルガスが持つとの情報もあるが、確認できていない。 この政府間合意に合わせ、前述のブルガス-アレクサンドロポリス・石油パイプラインの事業会社を、ロシア・ブルガリア・ギリシャが、それぞれ51%、24.5%、24.5%のシェアでオランダに設立することでも合意した。ルーマニア国境近くの町ベレンに40億ユーロの原子力発電所を建設することにも合意している。(3) セルビアとの政府間合意と企業間合意 プーチン大統領とメドベージェフ第1副首相は、ブルガリアに続いてセルビアを訪問し、サウスストリーム・パイプラインのセルビア国内ルート建設に合意。これを受けて1月25日にはセルビアのタディッチ大統領とコストニツァ首相がモスクワを訪問、正式に政府間合意が締結された。 この合意の他、①Gazprom傘下の石油会社Gazprom Neftがセルビア国営*1: ブルガリアの黒海沿岸Burgasとエーゲ海に面したギリシャAlexandroupolisを結ぶ、通油能力70万b/dの原油パイプライン構想。ロシア・ブルガリア・ギリシャの間で2005年5月に基本合意。ロシア・中央アジア産の原油を黒海沿岸ノボロシスクから地中海にタンカーで出荷する場合、トルコの狭隘(きょうあい)なボスポラス海峡を通過しなければならず、タンカー事故による環境汚染のリスクがある。また、傭船(チャーター)者にとっても数週間にも及ぶ滞船料リスクを避けられる等の経済的効果があるが、このパイプラインタリフがどれだけ経済的なものになるかが実現のカギとなる。*2: 日本ではなかなか報道されないが、ウクライナはオレンジ革命のずっと以前からガス料金不払い・ガス抜き取りを繰り返しており、その当時からガス供給がしばしば止められていた(1994年3月Platts, PIW)。今回のロシアによる供給停止もウクライナの親欧政権への嫌がらせだけとは限らない。*3: 需要国に直接供給する点で、バルト3国やポーランドを迂回してドイツと結ぶノルドストリーム・ガス・パイプラインと同じ発想である。*4: NISは、Pan?evoとNovi Sadの二つの製油所を保有、原油はクロアチアのOmisalj港からのパイプラインで供給可能。精製能力はそれぞれ10万b/d、6万b/d。NIS社員数1万3,900人、Jugopetrolの販売網(500のガソリンスタンド)、北部にある小規模油・ガス田(2万b/d)を保有する。2004年の利益は約4,500万ドル程度(PON他)。2008.5 Vol.42 No.356?るかもしれない。 一方、GazpromやGazpromネフチはこれにより安定的な原油・ガスの供給先を確保できたわけだが、製油所の近代化投資は5億ユーロで足りるとは限らず、その点ではGazprom側も一定のリスクを負ったことにはなっている。 こうした政府間合意を受けて、Gazpromのミレル社長とセルビア国営セルビアガス社のイリッチ社長は、2月25日、セルビアでメドベージェフ第1副首相の見守るなか、両社間の基本合意書に調印している(INTERNATIONAL OIL DAILY:以下、IOD, 2/26)。(4)ハンガリーとの政府間合意 セルビアガスとの企業間合意書の締結を見届けたメドベージェフ第1副首相は、その足でハンガリーのブダペストを訪れ、2月26日、同国のジュルチャーニ首相との間で、サウスストリーム・パイプラインのハンガリー通過と、Gazprom50%・ハンガリー側50%の出資比率でハンガリー国内の操業会社を設立すること、およびハンガリー国内に10億cmの能力を持つ地下貯蔵施設を建設することについて合意した。これを受けて2月28日、ロシアのフリステンコ産業エネルギー大臣とハンガリーのベレス財務大臣の2人は政府間合意書にサインしている(PON, 2/29)。 ハンガリー議会は、このような重要事項を議会に相談なく政府が一方的に決定したことを強く非難しているが、この合意を覆すまでの動きには至っていない。ジュルチャーニ首相は、この決定はナブッコ・パイプラインには一切影響を与えない、としている。 ナブッコ・パイプライン・プロジェク出所:NIS社HP写1NIS(Jugopetrol)社のガソリンスタンドNIS社(Nafta Industrija Srbija)*4の株式51%を5億8,800万ドル(4億ユーロ)で買い取ること(写1)、また②Gazprom NeftがNIS社の製油所近代化のための5億ユーロを負担すること、③Gazpromとセルビアの合弁会社を設立し、バナツキー・ドボー(Banatsky Dvor)という町にある、ガス地下貯蔵施設(8億cm)を改修して操業することも併せて合意された。 現在、年間21億cmのガスを輸入しているセルビアはサウスストリームを通すことにより、ガス供給の確実性を高めることにはなるのだが、その対価としてGazpromにセルビア国内の石油とガス下流部門に参入させたことがセルビアにとって適正な経済的条件だったのかどうかは判断が難しい。この政府間合意に先立って、親欧米派といわれるディンキッチ経済大臣は、「NIS社株式51%は本来ならば15億~20億ユーロの価値があり、4億ユーロはあまりに安すぎる」「操業会社の過半数の株式を譲渡するのであれば慎重な検討があるべきだ」と批判していた。 結局、セルビア政府は1月22日にロシアとの合意書の内容を承認しているが(PON, 1/23)、当時コソボの独立問題を抱えていたセルビアがロシア政府との政治的関係強化を求めるあまり、NISの株式を自国に不利な条件で譲渡した側面が57石油・天然ガスレビュートに参加しているハンガリーのMOL社は、ハンガリー政府の一連の動きについて「理解に苦しみ、大変驚いている」とコメントしており(IOD, 2/27)、MOLがサウスストリームにも参加する可能性は低い。一部には国営のハンガリー開発銀行がプロジェクトの当事者になることになっているとの噂もあるが、建設費20億ユーロ(約30億ドル)とも言われるハンガリー領内のパイプラインの事業当事者としての能力があるのかどうか、疑わしいように思われる。 なお、ハンガリーがロシア政府とサウスストリーム・パイプライン建設に合意する直前、ハンガリーのカコジ経済大臣は欧州エネルギー委員会のピエバルガス委員長を訪ね、サウスストリームへの参加はするが、ナブッコへの注力は変わらない、と根回しを行った。これに対しEU側もハンガリー政府がナブッコへの支援を継続する限り、サウスストリームへの参加には反対しないと言ったと伝えられている(ハンガリー政府広報, 2/29)。 なお、ロシア政府はハンガリーとの合意について発表の際、「他の国との合意も非常に近い」と発表している。報道によれば、ギリシャがサウスストリームに参加することで基本合意し、ロシアとの間の正式な政府間合意を準備中と言われており(GMT, 4/16)中欧向けに続き、南欧向けのルートについても政府間合意が進む可能性もあろう。(5)ウクライナからの横ヤリ サウスストリーム・パイプラインの計画ルートがウクライナの経済水域(大陸棚)を通過しているため、国連海洋法条約に基づいてウクライナからの承認がなければサウスストリームの建設はできない、とウクライナは主張している(GMT, 3/4)。もし、サウスストリーム・パイプラインが完成すると、これまでウクライナを通過していたガスがウクライナをバe France(GdF)の参加も取りざたされていたが、トルコがGdFの参加に難色を示しているため実現は難しそうだ*5。これにより、GdFはサウスストリーム・プロジェクトへの参加の方向に傾いていると言われている(Gas Matters, 2008/3)。 2月21日には、サウスストリームで二枚腰を使っているハンガリー政府が、ナブッコ・パイプライン建設に向けた、政府間協定書(Inter-Governmental Agreement)をドラフトし、各国政府に回付したことを明らかにしたが、その後の展開は報じられていない。 また、ナブッコ事業会社は、2月8日にまずオーストリア国内での第3者アクセス義務を条件付き*6ながら免除されている。 このように、事業会社では、態勢整備が徐々に進んではいるのだが、肝心のガス供給源の確保が先送りされており、供給源確保のめどは全く立っていない。(2) ナブッコ・パイプラインの供給ソースの確保に向けた動き 図3にあるとおり、ナブッコ・パイプラインが想定しているガス供給ソーイパスするため、ガスの通行料を徴収できなくなってしまうことになる。 同様の主張は、同じく黒海をシェアしているトルコからも今後呈される可能性がある。バルト海を通す計画のノルド・ストリーム・ガスパイプラインはフィンランド、スウェーデン等の沿岸国から環境面でクレームが出てきているところである。サウスストリームの成否にも影響を与える可能性があるので今後注目すべきニュースであろう。 なお、参考までに、ロシアとガス価格もめているウクライナのティモシェンで揉コ首相は「ホワイトストリーム・パイプライン」という、グルジア、ウクライナ、ブルガリアを経由するパイプライン構想をぶち上げた。(PON, 1/30)。このアイデアは、全く根拠のないものではなく、英国のGUEU-White Stream Pipeline Company Ltd.という企業が既に昨年提案しているもので、年間320億cmを輸送する事業提案書も作成されている (http://www.energy-community.org/pls/portal/docs/83807.PDF)。 しかし、F/S費用を負担してもよいといったEU政府(PON, 2/4)を除いて、ホワイトストリーム事業に関心を示す国や企業は一切なく、逆にトルクメニスタン政府からは「ホワイトストリーム・パイプラインは、根も葉もないあり得ない話だ」としてばっさり切り捨てられる始末である(PON, 1/31)。その後、何の進展も報じられておらず、実現性はないと考えてよいだろう。2. ナブッコ・パイプラインの最近の動きについて サウスストリーム・パイプラインと競争していると言われるのがナブッコ・パイプラインである。トルコ国内からオーストリア・ウィーン近郊まで全長3,300kmのガスパイプラインを、建設費70億ドルをかけて敷設しようとするもので、通ガス量は年間310億cmをもくろむ。しかし、欧州におけるガスのマーケットの規模と供給ソースの確保の双方の観点から、ナブッコとサウスストリームは共存することは難しい、というのが一般的な見方となっている。(1) ナブッコ・パイプラインの事業会社の動き ナブッコ・パイプライン・プロジェクトの事業主体である「Nabucco Gas Pipeline International」社は2004年6月にオーストリアOMV社を中心に、ハンガリーのMOL社、ルーマニアのトランスガス社、ブルガリアのブルガルガス社、トルコのボタッシュ社の5社により、オーストリアに設立された。 2008年1月には、事業者側のエンジニアとして英エンジニア企業ペンスペン社を選定し、パイプライン通過国ごとに行うFEED(Front End Engineering Design)の仕様策定やFEED作業の工程管理にあたらせることとした(契約金額は900万ユーロ(1,300万ドル))(IOD, 1/8)。 また、2月6日には、6番めのパートナーとして、以前から参加が噂されていた、ドイツの電力・ガス会社RWEも参加することで合意した(写2)。RWEは1,000万のガス消費者および2,000万の電力消費者を抱えており、安定的なガスの需要家として重要な役割を果たすことが期待されている。また、RWEの上流部門RWE Dea社はカザフスタン陸上にAshkabulak油田に25%の権益を持っていたこともあり、これを機にカスピ海周辺地域への進出を再検討していると言われている(Caspian Investor, 2008/2)。 なお、ガスの需要家としてフランスのGaz 写2出所:ナブッコ・パイプラインの事業会社HPよりRWE参加調印式における参加各国政府および欧州委員会首脳*5: オスマン・トルコ時代にトルコがアルメニアで虐殺を行ったとフランス政府が公式に認めていること、またフランス政府がトルコのEU加盟にも反対しており、トルコがこれに反発しているという、極めて政治的な理由による。*6: ナブッコ事業会社が過度な独占に至らないよう、また、一定数量を第3者がアクセスできるようにするため、オーストリア政府が追加策を講ずることが条件。2008.5 Vol.42 No.358rab Gas P/LPhase-lll TerGasIraqi Gas(ITGEP)IranianGasEgyptian GasArab Gas P/LTurkmenistanTrans-CaspisanTurkmen GasTrans-CaspisanKazakh GasAzeriGasGreeceTurkeyNabuccoViennaNabuccoAustriaHungaryBlueStream-iUkraineRussiaKazakhstan出所:ナブッコ・パイプラインの事業会社スとしては、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、イラン、エジプト、イラクが挙げられている。ただ、ここで留意すべきは、ナブッコ・パイプラインの位置づけである。事業会社のManaging Director、Mitschek氏は、「ナブッコはガスの供給者ではなく、“ガスの輸送システム”であり、“ガスを確保するのはパイプライン事業に参加している各社の役割である”」、と発言した(Caspian Investor, 2008/2)。つまり、ナブッコの事業会社ではガスの供給先を確保することはしないわけであり、むしろナブッコに参加している各社のガス調達の動きに注目していかなければならない。 その点では、新たに参加したRWEが自らカスピ海周辺の上流事業に参加する動きを見せていることには合理性があるのだが、これまでのところ、その他のナブッコ参加企業がガス供給源を確保したとか、積極的にガスの確保に向けて働きかけているというニュースはほとんど聞59石油・天然ガスレビュー図3ナブッコ・ガスパイプライン構想かれない。むしろ次第に競争が厳しくなっている感がある。以下に、ガス供給ソースごとに考察する。①アゼルバイジャン シャーデニス・ガス田 ナブッコ・パイプラインへの供給ソースとして最も期待されているのは、アゼルバイジャンのシャーデニス・ガス田(写3、図4)である。現在、同国沖合ではイナム構造への試掘が行われているだけであり、当面、シャーデニス以外には大きなガス埋蔵量の増加は期待できそうもない。 シャーデニスは、2007年11月時点で、ガス14.2MMcm/d以上、コンデンセート3万b/dを生産中で、第1ステージでは年間87億cmのガス、4万5,000 b/dのコンデンセートを生産する予定である。ガス販売契約で、第1ステージのガス全量は、トルコ、アゼルバイジャン、グルジアで販売されることが決まっている。 ただ、シャーデニスには追加開発計画(第2ステージ)が控えており、その開発が進めば2015年にガス生産量は年間約200億cmにも達し、アゼルバイジャンからのガス供給能力が大幅に高まる。さらに、これまで確認されていたガス生産層よりも深部でガスが確認されたことが報じられ(BPプレスリリース, 2007/11/14)、第1ステージと同等のガス生産能力があるとの説もある。 欧州委員会や米国国務省は以前よりも多い頻度で、ナブッコにアゼルバイジャンのガスが必要であることをアゼルバイジャン政府に働きかけているが、一方、ナブッコのパートナーがシャーデニスのガスを目あてに、アゼルバイジャン政府やシャーデニスのコンソーシアム(特にガス販売オペレーターのStatoilHydro)に押しかけているという情報はあまり耳にしない。 唯一耳にするのが、アゼルバイジャンとトルコの間のガス輸送に係る枠組みの交渉である。継続的に話し合いが持たれている模様だが、まだ合意していないようだ。トルコはガスの通過タリフを得る@そのStatoilHydroは、イタリアにガス供給するアドリア海横断パイプラインの事業会社への参加を決めたと報じられている(GMT, 2/13)。著名なガス研究家のオックスフォード大学のジョナサン・スターン氏は、StatoilHydroがナブッコと契約しなかったことがナブッコの成立には相当なマイナスであること、またナブッコの想定する通ガス量が大きすぎることが問題である可能性(タリフが高くなる)を示唆した(GMT, 2/27)。 シャーデニスには、アゼルバイジャンの国営Socarも10%のシェアで参加している。参加シェア分に加えてアゼルバイジャン政府取り分も含めれば、同国は相当量のガスを持つことになるが、Socarはこれまでナブッコへの関心は示すものの、ガス供給のコミットメントは一切行っていない。2月25日に日本・アゼルバイジャン経済委員会出席のため来日したSocarのユシフザーデ副総裁は、ナブッコへの支持を表明したと伝えられたが、発言をよく見てみるとナブッコには意義があるといった程度の慎重な物言いであることが分かる。また、少なくとも昨年12月にアゼルバイジャン政府はイタリアとの間で2012年から年間80億cmのガスを供給する覚書に調印、アリエフ大統領もこれを支持している(Azer-Press, 2/6)。もちろん商業契約ではないので、コミットメントとは言えないだろうが、アゼルバイジャン政府がイタリア向けの出荷には強い関心があることは間違いなさそうだ。ただ、いまは最も高いネットバックがどのパイプラインで実現できるのか見通しがつかない状況のはずで、アゼルバイジャンは他のパイプラインとの間で品定めしているのであろう。なお、トルコの国営TPAOもシャーデニス・ガス田に9%の権益を保有している。② トランスカスピアン・ガスパイプライン(カスピ海横断パイプライン)とトルクメニスタン産ガス トルクメニスタン、カザフスタンにはまだ多くの未発見資源量があると考えられており、ナブッコ・パイプラインのガス供給ソースとして期待されている。これをナブッコにつなぐまでの構想が、トランスカスピアン・ガスパイプラインである。 カスピ海の海底部分と地下資源の帰属についてはまだ確定していないが、トルクメニスタンはベルディムハメドフ大統領の就任後、アゼルバイジャンと対話を進めてきている。しかし2007年10月のカスピ海周辺国サミット(テヘラン)では、ロシアとイランがトランスカスピアン・パイプラインの建設に強く反対する意向を明確にしており、政治面からはトランスカスピアン・パイプラインの建設が容易に進むとは考えづらい。 もしもトランスカスピアン・パイプラインに優れた経済性があり、他のルートよりも有利なネットバック価格をトルクメニスタンに提供できるのであれば、このような政治的な障壁を乗り越えることもできるかもしれない。しかし、具体的なスタディーはあまり進んでいないのが実情だ。2008年8月に米国の Te Development Agency(TDA)はSocarに対して、トランスカスピアン・パイプラインのスタディー費用180万ドルを供与することで合意した。しかし、その後の動きは遅く、2007年10月にTDAとの補助金契約をアゼルバイジャン議会が承認、そして2008年3月になってようやくスタディーの委託先として米KBR(Kerogg , Brown&Root)社を選定したばかりである(Azer-Press, 3/1)。これからスタディー結果を取りまとめるまでには相当時間がかかるものと考えられる。 また、このトランスカスピアン・パイプラインの経済性(安価なタリフ)は、毎年引き上げられているロシア向けガス輸出価格(2008年前半は130ドル/千cm、後半は150ドル/千cm、ウズベキスタン国境渡し)を上回る経済性を確保しなくてはならない。この価格は2009年にはさらに大幅に引き上げられる方針になっており、カスピ海横断のパイプラインタリdra2008.5 Vol.42 No.360出所:BP提供写3Shah Denizガス田プラットフォームDan UlduzuAshrafiKarabakhAzeri-Chirag-GuneshliShah DenizRussianRussianFederationFederationKazakhstanKazakhstanCaspianCaspianSeaSeaUzbekistanUzbekistanGeorgiaGeorgiaArmeniaArmeniaTurkeyTurkeyAzerbaijanAzerbaijanTurkmenistanTurkmenistanAZERBAIJANAZERBAIJANBakuSangachalKurdasiInam油田ガス田未発見構造IraqIraqIranIran出所:JOGMEC図4アゼルバイジャンShah Denizガス田だけでは飽き足らず、ガスの全量買い取りなど、何らかの形で市場に影響を与えられるような枠組みを求めていることが以前から報じられており、いつ解決するか見当がつかない。それ以外は、完全に水面下で交渉しているのであろうか、あまり報じられていない。 しかし、ナブッコ参加者以外にもシャーデニスを欲しがる者は引く手あまたの状態であり、こちらはしばしば報じられている。この1月に厳冬でガス不足に陥ったイラン、そしてGazpromもサウスストリームに流したいと考えてシャーデニスのガスを欲しがっている。Gazpromはシャーデニスに25.5%の権益を持つStatoilHydroと交渉を行っていることを認めている(Caspian Investor, 2008/2)。\1中央アジアのガス埋蔵量(Bcm)確認可採埋蔵量未発見資源量合計国内消費量(2006年)カザフスタントルクメニスタンウズベキスタン合計3,0002,8601,1006,9602,0475,8844268,3575,0478,7441,52615,31720194382(BP統計 2007年)(USGS2000/Mean 値)(BP統計 2007年)出所:BP統計、未発見可採資源量は米国地質調査所(2000年)フを支払った上でこれだけのネットバックをトルクメニスタンで確保することは容易ではないだろう。 ロシア以外では、2007年8月に合意された中国向けのガスパイプラインの建設準備が進んでいる他、最近ではトルクメニスタンからアフガニスタン・パキスタン経由でインドへガスを供給するTAPラインの計画が再浮上、インドが4月に基本合意を目指しているとの報道もあって(PON, 3/13)、競争には激しいものがある(表1)。 なお、米国地質調査所(USGS)はトルクメニスタンにおよそ5兆9,000億cmの未発見ガス資源量があると見ているのだが、現時点での可採埋蔵量も含めてどれだけ確実かとの声は多くある。ベルディムハメドフ大統領の指示に基づき、トルクメニスタン政府は海外コンサルタントを活用しながら、石油・ガスの埋蔵量評価に着手している。もしも埋蔵量が十分に確保できないならば、トランスカスピアン・パイプラインの採算性は根底から崩れる。米国務省のユーラシアエネルギー外交担当調整官も、まずはトルクメニスタンの埋蔵量を確認することが必要だと強調している。③ トルクメニスタンのガス/CNG、 小規模LNGによる輸送の可能性 ナブッコ・パイプラインに新たに参加した独RWE社のJudisch社長は、ドイツのグロス経済大臣とともに2月末に、トルクメニスタン政府に対して、CNG(Compressed Natural Gas)タンカー(図5)でガスをバクーに輸送する方法を提案したと伝えられた(Nefte Compass, 2/28)。ちなみに2月24日および25日にアシハバードでは、「独-トルクメニスタン 経済・エネルギーフォーラム」が開催されていたので、これに合わせて提案の場を設けたのであろう。 CNGタンカーによる天然ガスの輸送は、まだ実用化されてはおらず、その技術はフィージビリティー・スタディーの段階であるが、決して荒唐無稽なアイデアではなく、一定の条件下では経済性が成り立つものと考えられている*7。また、RWEはチェコ共和国において、CNG自動車へのCNG供給ステーションを展開しており、小規模な数量をハンドリングする実績は持っている。本件に関してRWEに問い合わせてみたが、いまのところ、同社からの返答は得られていない。 RWEだけではなく、トルクメニスタンで活発に権益取得に向けて動いていると言われるChevronも、やはり数カ月前にCNGや小規模LNGによるバクーへの輸送を提案したと報じられている。 もしもトルクメニスタンからのCNG輸送に経済性が認められるならば、パイプライン建設という政治化されやすい問題を回避できる点で優れている。ロシアやイランにCNGの受け入れ施設が整えられるのであれば、価格次第ではそちらにガスを出荷することも可能で、マーケティングのフレキシビリティーも増すといったメリットもある。④その他の供給ソース イランはナブッコ・パイプラインへの供給には強い関心を持っており、ノーザリ石油大臣も「欧州は必ずイラン産のガスを必要とする」と2008年1月に発言している。ナブッコのパートナーであるトルコの国営上流会社TPAOもイランのサウスパース・ガス開発プロジェクト(フェーズ22~24)についてイラン側と交渉中で、トルコはこのガスをナブッコに通そうとしているとも伝えられている。これ以外のパートナーについても、イランを本命ターゲットにしているとの噂もある。 しかし欧米とイランの政治的関係から考えて、当面、イランにとって現実的な選択肢ではないだろう。EUエネルギー委員会や米国務省Mann調整官は「イランのガスがなくともナブッコは成立する」と発言している(MEES, 2/11)。また、この冬の厳さのなかで、イラン国内では深刻なガス不足が生じ、イランは契約を破ってトルコへの輸出を一時停止してしまった。イランは確かに産ガス国であるが、油田生産量維持に大規模なガス出所:EnerSea HPより図5CNGタンカーイメージ*7: 鈴木 信市/佐尾 邦久「新しいガス田開発技術は、どこまで天然ガス田の開発可能性を広げるか?~CNG 技術を中心に~」2006年11月石油・天然ガスレビュー、2006.11 vol.40 No.661石油・天然ガスレビューウ入を行っており、すぐに供給が大きな国内需要(1,051億cm/2006年, BP統計)に追いつかなくなって、「国内へのガス供給を最優先すべきだ」との声が上がるお国柄である。ロシアのように十分な供給余力を持っておらず、また国内需要の大きいイランはナブッコへの安定的なガス供給ソースにはなり難い*8。 次に、エジプトには十分なガス埋蔵量が確保できるかどうか、見通しが立たないと言われる。そもそも、アラブ・ガス・パイプラインも、ようやく2月末にエジプトからシリアまで完成したばかりの状況であり、今後の動きを見極める必要があろう。 また、ナブッコ・パイプライン事業会社の資料にはイラクも書かれているが、いまの時点で将来の石油・ガス開発の見通しはつかず、当面はナブッコ・パイプラインへの供給ソースにはなり得ないと思われる。3. まとめ/今後の見通し(1) ナブッコ・パイプライン側の勝ち目 ナブッコ事業会社の社長は「ナブッコはサウスストリームと対立する関係にはない」と言い続けているが(Nefte Compass1/25)、ガス供給者としてGazpromが控えるサウスストリームと比較すると、供給源が確保できていないナブッコ・パイプラインは不利との見方が一般的である。もし、それぞれの参加者が供給源の確保をうまく進められない場合、パイプラインを建設しても通すガスがないという最悪の事態も招き得るため、ナブッコに参加している6社は必要量のガス確保のめどが立たない限り投資決定は困難であろう。また、建設費をプロジェクト・ファイナンスで調達しようとしても、返済のスキームが描けず、ファイナンスの確保は極めて難しくなると考えられる。 近年、Gazpromは中央アジア各国からのガス買い取り価格を毎年引き上げており、2009年には欧州価格の近傍まで引き上げる方針が確認された(PON 3/14)。このような状況でナブッコ・パイプラインが供給ソースを勝ち取るためには、ガス産出国に対して、このロシアの買い取り価格よりも圧倒的に有利な経済条件、つまり低いタリフ(高いネットバック)をオファーしなくてはならない。特に、トルクメニスタンやカザフスタンからの天然ガスを引きつけるためには、カスピ海を横断するためのコストも織り込んだ上での条件となるので、これは容易ではない。 そもそも、トランスカスピアンのアイデアはあるが、誰が主体となって建設するのか、どのようにファイナンスするのかも決まっていない。ナブッコ参加者がばらばらに産ガス国にあたる方針を採っている限り、トランスカスピアンの建設は難しいのではないだろうか。 また、米国や欧州政府がBTCパイプラインと同様の政治的働きかけを行う構えを見せているが、それだけではナブッコ・パイプラインやトランスカスピアン・パイプラインを経済的に正当化することはできない。ちなみに、BTCがプロジェクトとして成立したのは、BTCがなければアゼリ-チラグ-グナシリ(ACG)油田から最大でも日量30万バレル程度しか生産できない(残り70万バレル以上は先送り、つまり最終的には契約期間中に生産しきれない)という、経済性のボトルネックを解消する必要があったためである。しかし、いまのトルクメニスタンやカザフスタンは、ロシアルートでガスを十分出荷できていて、出荷先に苦労しているという話はない。やはり、なんらかの形で経済的要因がなければドライビングフォースが生まれないのではないか。 なお、Gazpromのスポークスマンのクパリヤノフ氏は2月11日、ナブッコ・パイプライン・プロジェクトと統合するプロポーザルがあれば、Gazpromはこれを検討する、と発表した(Caspian Investor, 2008/02)。以前から噂されているこの統合案は政治的なハードルは高そうだが、カスピ海横断のための新たな資本コストが必要でなくなるため、経済的には有利になる可能性がある。期待して動向を見守りたい。(2) サウスストリーム・パイプラインも政治的合意の次はコマーシャル契約の策定へ ナブッコに比べてサウスストリーム・プロジェクトのプロセスは進んでいるようには見えるが、これまでは政府間合意であり、今後、価格フォーミュラや売り手・買い手の義務を定めたガス売買契約、パイプラインの建設のための契約、パイプラインの輸送能力をいかにシェアするかなどの契約等をこと細かに定めていかなくてはならない。ウクライナのように、本来通過させなくてはならないガスを自国の事情で抜き取ってしまうような国が出てこないよう、厳格なペナルティーも科さなくてはならないし、供給されたガスの数量を確認するAuditのプロセスも明確にしなくてはならない。 Gazpromはドイツやフランスと長期契約を結んでいることから、必要な契約ノウハウを持っているはずであるし、その他のパイプライン通過国も既にガスパイプラインが備わっており、ガス関連の契約締結は初めてではなかろう。パイプラインの建設期間だけでなく、その建設のための契約や多国・多当事者の間で複雑な権利義務関係の契約の整備も必要となることから、さすがに2013年の操業はかなり難しいと思われるが、今後、どれくらいのペースで実際の事業化準備が進むのか、見守っていきたい。(古幡 哲也)*8: 供給契約には一般に最低供給義務量が規定されるはずで、もし、義務が達成できなければ、相応のペナルティー(金銭支払いや翌期における大幅なガス価格の引き下げ等)を被ることになる。トルコ1国ならまだしも、イランは欧州市場に対して大きな数量の供給コミットをする(大きな経済的リスクを追う)ことはできないのではないか。2008.5 Vol.42 No.362
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2008/05/20 [ 2008年05月号 ] 古幡 哲也
Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性、完全性、又は適時性を保証するものではありません。また、本資料の内容は、参考資料として提供されるものであり、法的、専門的、又は投資に関する助言を構成するものではありません。したがって、本資料の利用により生じた損失又は損害について、機構は一切の責任を負いません。本資料の内容は、第三者に対する権利又はライセンスの付与を意味するものではありません。本資料に記載された見解や意見は、著者の個人的な見解であり、必ずしも機構の公式見解、政策、決定を反映するものではありません。本資料には第三者の著作物が含まれる場合があります。機構又は各著作権者の事前の書面による承諾なしに、本資料の全部又は一部を無断で複製、頒付、又は引用することは固く禁じられています。私的利用、教育利用、引用など、日本国の著作権法に基づき利用できる範囲を超えて本資料を利用する場合は、機構又は関連する著作権者からの事前の承諾が必要です。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。