ページ番号1006393 更新日 平成30年2月16日

Petroleum Engineerの取り組むトレンドを読み解く

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レポートID 1006393
作成日 2010-01-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 技術探鉱開発
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2010
Vol 44
No 1
ページ数
抽出データ JOGMEC調査部伊原 賢 エッセーPetroleum Engineerの取り組むトレンドを読み解くはじめに 世界全体の原油の残存確認可採埋蔵量を見てみると、全体の約8割を国営石油会社(National Oil Company:NOC)が支配しており、ロシア企業を除くと民間企業はわずか1割未満の支配に過ぎない(図1)。現在の国際原油市場は、国際石油会社(International 国際石油会社が完全にアク国際石油会社が完全にアクセス可能な埋蔵量セス可能な埋蔵量7%7%ロシア系企業の埋蔵量ロシア系企業の埋蔵量16%16%国営石油会社の埋蔵量国営石油会社の埋蔵量65%65%国営石油会社の権益持ち分(埋蔵量)国営石油会社の権益持ち分(埋蔵量)12%12%出所:2008 PFC Upstream Competition Service ; PB図1世界全体の原油の残存確認可採埋蔵量の支配状況Oil Company:IOC)による支配の時代は遠くなり、国営石油会社の時代になっていることを如実に示している。 従来、生産される原油は需要が大きく、利益への期待が大きい軽・中質油の開発が進められてきたが、埋蔵量の支配地図を考慮し、昨今の需要増大と油価高水準を追い風にすると、重質油やオイルサンドといった非在来型の石油資源にも注目が集まっている。 図2に示すように、在来型の石油(既生産、OPEC原油、その他の在来型)に比べ、例えば、重質油(含むオイルサンド、ビチュメン)は可採埋蔵量が1兆バレルにも迫るレンジにあり、経済的に採算のとれるコストは、在来型の10~20ドル/バレルよりも生産・処理に手間がかかる分、30~40ドル/バレルと高いレンジにあるとされる。 また、将来の資源量のアベイラビリティ推定を図3に示す。縦軸は生産コスト(技術コスト + 税金など + 適正利潤)、横軸は原油換算の日産量である。 生産コストは定義上も計算上も複雑な問題があり、単純化、明確化が困難である。現在発表されている生産コストにかかるデータや数値は、イコールフィッティングが困難で、大まかな印象で解釈する以外にこれらを有効に利用する方法はなく、数値に正確さを求めること(ピンポイントの指摘)は、「生産的」でないと言われる。 このように、埋蔵量へのアクセスが縮小する投資機会に対応した石油開発の対象は、在来型から非在来型資源へとシフトするだろうが、その開発はどのような技術トレンドをもって進められるのだろうか? 筆者は、米国ニューオーリンズのモリアル・コンベンションセンターで昨年10月4日から7日にかけて開催された2009年SPE(The Society of Petroleum Engineers:世界石油工学者協会、11780706050403020100Economic price 2004, USD/BArcticArcticSuper deepSuper deepDeep waterDeep waterOil shaleEORHeavy oil /BitumenAlreadyproducedOPEC MEOther conv.oil01,0002,0004,000Available oil in billion barrels3,0005,0006,000Conventional liquid sourcesNon-Conventional liquid sourcesEmerging sources of transportation energyTotal Production - $/BBL1301201101009080706050403020100Middle EastOPEC0Biofuels US(Corn Based)OilSands(Mining)ArcticEORRenewalPowerConventionalPowerCtLGtLOil Sands(In-Situ)Oil ShaleBiofuels(Sugar CaneBased)VenezuelanHeavy OilConventionalOtherOilFSUOtherOPECDeepwater80204060120Million Barrels of Oil Equivalent per Day100出所:IEA、SPE資料より作成出所:Booze Allen & Hamilton図2可採埋蔵量と採算コスト図3将来の資源量のアベイラビリティ推定77石油・天然ガスレビューGッセー出所:筆者撮影出所:筆者撮影写1モリアル・コンベンションセンターの外観写2SPE ATCEの展示会場入り口カ国の会員数 約8万8,000人)のATCE(Annual Technical Conference and Exhibition:年次総会)に参加し、最新の石油工学に係る情報を収集した(写1、写2)。ここで、石油工学とは、石油・天然ガスの掘削、油層管理、生産に関する技術の総称で、この工学なくして、地下の石油・天然ガス資源を地上に取り出すことはできないといっても過言ではない。SPEはその技術者集団である。 本稿では、まず、2009年SPE ATCEの概要を述べ、次にATCEで取り上げられた、次に示す四つのトピックスでの情報交換、議論を紹介したい。最後に、SPE ATCEにて得られた情報を参考に、当面の可採埋蔵量の積み増しをコントロールすることになる石油開発技術のトレンドをまとめることとしたい。①シェールガスの評価技術の進歩② IOC、NOC、サービス会社の今後の協力関係③ ITを使った上流のオペレーションとその最適化④石油工学教育の行方2009年SPE ATCEの概要 SPEが主催する情報交流の場は、過去の事実を議論するSPE Technical Conference and Exhibition(年次総会ほか)、現在の動向を議論するApplied Technology Workshop(ATW)と未来の技術展開を議論するSPE Forumで構成される。 今年のSPE ATCEには、世界中から約8,000人が参加した(昨年は9,800人)。口頭発表・ポスターは約375件で、6分野/57セッションに分かれて発表された(1. Drilling and Completions; 2. Project, Facilities and Construction; 3. Production and Operations; 4. Reservoir Description and Dynamics; 5. Management and Information; 6. Health, Safety and Environment / HSE)。発表論文・ポスターはCDとして配布された(図4)。ホームページはhttp://www.spe.org/atce/2009/。 展示会場は、約8,250m2(約2,500坪)の広さで、大小取り交ぜて390社が参加。2008年のような油価高騰期でないことや2008年後半からの世界金融危機を反映し、展示会場の規模は縮小気味であった(2008年は3,000坪の会場に450社が展示)。展示会場の様子を写3、写4に示す。 展示場では、例年どおりSchlumberger、Halliburton、BJ Services、Baker Hughes、Weatherfordといったソフト・ハードをコンサルティング(専門家)とともにオペレーターに提供できる大手サービス会社がスペースを広くとり、景品や飲み物を取り揃え、観衆を集めていた。ここ数年の傾向だが、製品のカタログを渡すというよりも、大型スクリーンでのPC画面やDVDの上映が目に付いた。油層シミュレー出所:SPE ATCE図4発表論文・ポスターが収められたCD2010.1 Vol.44 No.178etroleum Engineerの取り組むトレンドを読み解く左から右に、2009 SPE ATCE General Chairperson, Rich Kruger (ExxonMobil Production Company)、2009 SPE President, Leo Roodhart(Shell)出所:筆者撮影出所:筆者撮影写3展示会場のオープニング・テープカット写4展示会場風景ションモデルの紹介では油層全体が3次元に、また時間経過とともに、油層飽和率の変化が視覚的に適切にとらえられるインターフェイスがパソコン画面上で実現できるのは、4年程前から一般的な技術になっているようだ。2004年来、高油価が継続し、油田操業により多くのお金がかけられ、リモートモニタリング技術や動く3次元油層モデルを使って、生産量増加のために、坑井の追掘や改修といった油層管理の意思決定時間の短縮が図られてきた。もちろん、油田の現場をよく知り、データをよく見極める目を持った専門家の存在がその前提としてあるが、大手サービス会社の油田操業現場への技術提供がかなり細部にまで及んでいる。極論すれば、油田操業会社の技術者はサービス会社の提供する技術の良し悪しを判断・管理する役割になっているように感じられた。 また、石油会社で唯一Saudi Aramcoが2005年来、人材リクルートのコーナーを大きく設けている。確認埋蔵量2,600億バレル・日産900万バレルを誇る原油供給者Saudi Aramcoである。一方、Shell、BP、Chevronといったスーパーメジャーは展示ブースの設営をとりやめている。 2008年後半からの世界金融危機を反映し企業が出張旅費をカットするなか、SPEは年次総会以外の各種会議をできる限り多くの会員がいる場所で開催し、会員間での技術情報の議論・交流機会を例年どおり活発化させることができたそうだ。 油価(年次総会開催中70ドル/バレル台)、非在来型ガス資源の供給拡大、石油工学技術者の中高年化などを反映して、SPEに所属する技術者は、目先の利益追求のみならず、人材の確保と浸透率の低い岩石中の天然ガス(タイトガス、コールベッドメタン、シェールガス)、重質油、大水深開発といった非在来型の資源開発に注力すべきであり、そのための技術は主力サービス会社(Schlumberger、Halliburton、Baker Hughes、Weatherford)を中心に確実に育っており、National Oil Companies(NOCs)やInternational Oil Companies(IOCs)は、技術を自分たちの資源開発に効果的に適用できる環境にあることが、総会の冒頭に議論され、出席者の共感を呼んだ。 開発技術では、「非在来型ガス資源」の開発に必要な岩石力学の知識を駆使した坑井刺激技術と刺激技術によって作られた岩石の割れ目のモニタリングに関する事例紹介が口頭発表、展示とも近年充実している。米国で35年にわたって培ったCO2による採油増進技術をCO2の地下貯留(Carbon Sequestration)といった地球温暖化対策へ的確に応用することもますます重要視されている。 風力・太陽光・バイオ燃料といった再生可能エネルギーの台頭も多少あろうが、世界における石油や天然ガスの1次エネルギーに占める割合は当面ゆるぎなく、原油需要は2030年には日量1億500万バレルに達するとも言われることを信じたい。この時期の石油・天然ガスの上流業界の好景気に人と技術に注力することで、石油開発(いわでいわれる斜陽ゆる上流)業界は、巷産業ではなく、石油・天然ガス資源の可採埋蔵量積み増しと環境面にも考慮した経済的開発に大きく貢献することができる。本総会における口頭発表や展示を見聞きすることで、その実現に必要な技術の進展を実感できた。 筆者はまた、総会の会期中に開かれたBoard Leadership Reception、25-Year Club、Foundation Luncheon、Annual Banquet & Reception、The University of Tulsa Alumni Reception、President's Luncheonといった会合に参加し、日本人として世界の石油工学ちまた79石油・天然ガスレビューGッセー技術者との旧交を確かめ、温め、かつ新たなネットワークを広げることに努めた。 油価低迷時の90年代に多くの石油会社がその研究開発活動を低下させたなかで、「将来の技術開発を担うのは誰か?」というのが、近年の石油開発業界の大きな課題である。技術者として上流業界に入る若者が減り続け、業界の平均年齢は50歳代前半に入っており、30歳代が少なく、技術の空洞化の危機が迫っている(図5)。 2004年以降の油価の上昇は、大学で石油工学を学ぶ学生数を増やしているが、現在業界にいる人たちとこれからの若者で業界を支えるには、各自が持つ知見を若者と共有・伝授すること、若者が石油開発に夢や強い関心を持つべく草の根の啓蒙活動や石油工学教育のブラッシュアップを精力的に行うことが極めて大事であることが関係者間で再確認された。 3日目にはSPE会長主催の昼食会に出席した。2010年の会長となったMr. Behrooz Fattahi(coordinator for heavy oil development at Aera Energy:ShellとExxonMobilの子会社が共同所有するカリフォルニア州ベースの石油開発会社)は、「SPEの活動は会員のボランティア活動や精神に支えられている。ボランティアは熱意を持って、SPEのなかでリーダーシップの技を磨き、知識や経験を活用し、テクニカルプログラムやSPEの活動に影響を与えている。モチベーションを持ったボランティアがいなければ、SPEはうまく運営できず、そのミッションも十分に遂行できない」と就任の挨拶を行った(写5~写7)。 JOGMECからは筆者のみの参加。ほかの日本人の参加者は、早稲田大・環境資源工学科の在原教授、森田教授とその引率学生10名程。ConocoPhillipsの古井氏。昨年に比べると本邦石油会社の参加はなく、参加者数は低調。来年の年次総会2010 SPE ATCEは、2010年9月19日~22日にイタリアのフィレンツェで開催の予定である。20253035405055606545Age出所:SPE 125230左から右に、2008 SPE President, William Cobb (William M. Cobb Associates)、2009 SPE President, Leo Roodhart (Shell)、2010 SPE President, Behrooz Fattahi (Aera Energy)出所:筆者撮影図5SPE会員の年齢分布写62008年~2010年のSPE President# of Engineers出所:筆者撮影出所:筆者撮影写5就任挨拶をする2010年のSPE President写7SPE役員と名誉会員の紹介2010.1 Vol.44 No.180Kス日産量52.3Bcf/dの35~40%を占める。その内訳を年生産量で見ると、タイトガス164Bcm、コールベッドメタン/CBM 50Bcm、シェールガス64Bcmにも及ぶ(Bcf/d=10億立方フィート/日、Bcm=10億立方メートル)(図7)。 非在来型天然ガス資源の回収率を高めるには、自然の割れ目の方向や、水圧破砕でできる割れ目の方向をあらかじめ把握し、生産井を配置することが大切である。 水圧破砕において、一般に割れ目は岩石の最大地殻圧力の方向に形成される。坑井が水で加圧されると、坑井の中の水は岩石の最も応力が小さい方向に広がり、水の圧力が最小地殻圧力を超えると割れ目は、それと直角の応力が最大になる方向に生じる。さらに地せん殻の剪断応力が働いて割れ目が拡大す(図8)。る 割れ目が貯留層中に広がらず、上下に成長し、帽岩(キャップロック)を壊し、他の貯留層や帯水層につながってしまうと、ガスの回収に支障をきたす。そこで、割れ目に関する情報を少しでも多く得るために、割れ目そのものを観測する技術開発が進められてきた。 ところで、マイクロサイスミックとは、割れ目が形成される時に発生する音を観測し、その音を解析して割れ目の広がりを評価し、ガス回収の効率向上に必要な情報(割れ目のマッピング)を提供する技術である(図9)。シェールガスの評価技術の進歩つ密みけつ岩や浸透性の低い(浸透率0.1ミリ 頁ダルシー/md未満、1md=9.87×10-16m2)ち砂岩に含まれる天然ガスは従来、緻でコストのかさむ技術を要することから、開発が見送られる非在来型資源とされてきたが、21世紀に入ってからの米国での天然ガス需要の補完と天然ガス価上昇に支えられ、また、フラクチャリングを中心とした坑井刺激技術の進展に伴い、北米を中心に天然ガス供給源として注目を浴びている(図6)。 この非在来型天然ガス資源の開発は米国において特に盛んで、米国の天然做な看みPetroleum Engineerの取り組むトレンドを読み解くCBMCBMシェールガスシェールガス20002005年1995199005非在来型ガスの生産量(Bcf/日)25タイトガスサンドCBMシェールガス201510タイトガスサンドタイトガスサンド(Bcf/日)605040302010アラスカメキシコ湾沖合随伴ガス(48州)在来型ガス(48州)非在来型ガス(48州)01990アラスカメキシコ湾沖合随伴ガス(48州)在来型ガス(48州)非在来型ガス(48州)1995200020052010年Increased TechnologyIncreased PricesSmall volumes;easy to developHighqualityMediumquality1,000md10mdLarge volumes;difficult to developTight gasCoalbed methane0.1mdGas shalesLow quality.001mdGas hydrates出所:SPE 103356出所:米国エネルギー省図6天然ガスの資源量トライアングル図7米国の天然ガス生産量FractureFractureStimulation Stimulation 出所:SPE 107053出所:ICEP図8水平坑井と多段階の水圧破砕のイメージ図9微小地震(マイクロサイスミック)の観測による水圧破砕の割れ目評価のイメージ81石油・天然ガスレビューGッセーTreatment wellMonitoring wellMicroseismicReservoirHydraulic fracture出所:ICEP図10水圧破砕におけるマイクロサイスミックの観測イメージTreatment wellMonitoring wellDistance DeterminationVelocity ModelAzimuth-Angle DeterminationDepth Determination4,3005,300Depth,m6,3004,0008,00012,00016,000Velocity, ft/s出所:ICEP図11マイクロサイスミックによる震源地の位置評価2010.1 Vol.44 No.182と掘削上のものに分類し、シェール中で最も浸透率の高い箇所を探しあてる。そこに穿とフラクチャリングを施し高生産レートを目指す。地層圧力の計測も必要だ。水平掘りや傾斜掘り、MWD、ガンマ線検層、Rotary Steerable System他の掘削・検層技術を適用し、貯留岩特性を把握し、貯留岩内の流体挙動シミュレーションを実施し、その結果を坑井刺激法に的確に反映させ、ガスの生産量と可採埋蔵量増に結びつける(図12)。孔こせんうこうTOCを知ることで、マトリクスの孔率と水飽和率が分かり、シェールの浸透率とシェール中のガス量(孔隙内とシェールの有機物に吸着したものの2種類)の推定につながる。シェール中の有機物はガス源のみならずガスの吸収媒体であることに留意しなければならない。地化学検層データからは粘土分のタイプも判明し、それが圧入流体の仕様を決めるのに役立つ。次にElectrical Imagingと音波検層データからフラクチャーを貯留岩元来のもの隙げき 圧力と流量から割れ目の成長を推定することは、あくまでも割れ目が一つであることが前提だ。実際には小さな割れ目が複数できていることも否定できないので、割れ目の大きさの区別は困難となる。そのため、割れ目そのものを可視化する技術が開発・導入されたわけである。 また、岩盤が割れる時、割れ目からAcoustic Emission(AE)と呼ばれる音響エネルギー(微小地震、micro-seismic)が放出される。この音を近くの観測井(Monitoring Well)に設置されたセンサーで計測し、割れ目の位置を評定する手法が開発された(図10)。 微小地震の震源の方向は、地震計で観測されたP波の進行方向から求められる。震源から観測井内の地震センサーまでの距離は、P波とS波の到達時間のずれから計算される。基本的には、(自然)地震の震源位置を調べる手法と同じである(図11)。この計算に必要な地層の初期速度構造は音波検層でも作ることができるが、坑井内地震正す探査データを用いて音波検層を較ることにより、地層の異方性を考慮した、より精度の高い速度構造が要求される。最近はアレイ配置にした地震探査ツールが使われるので、複数の深度で微小地震の同時計測ができ、観測される微小地震の波の解析から高い精度で震源地(水圧破砕による割れ目の広がり)の位置の評価ができるようになった。特に浸透率の低いガス層の生産性の改善には、正確で直接計測で較正された割れ目をモデル化した貯留層の流動シミュレーションを行うことが重要と言われる。、 、こう[生産量と可採埋蔵量増に必要な技術 サイクル] まず、地化学検層データからシェールの鉱物組成(炭酸塩、黄鉄鉱/Pyrite、粘土、石英、Total Organic Carbon/TOC)を分析する。岩石中のetroleum Engineerの取り組むトレンドを読み解くNatural FracturesLayersG&GStructural GeologyNatural FracturesFracture Designs Fracture Designs Well ModelsWell ModelsReservoirSimulationHydraulic Frac Length,Density,ConductivityMicroseismic,Fracture GeometryCompletionSimulationDesignGIP/Perm.Petrophysical andCore AnalysisReservoirCharacterizationRock Mech. PermeabilityProduction ForecastsProduction ForecastsTreatmentTreatmentsizesize(注)GIP:Gas in Place出所:SPE 107053出所:SPE 107053図12シェールガスの生産量と可採埋蔵量増に必要な技術サイクル図13シェールガスの流動モデル化のイメージら不必要な水が流出し、ガスの生産に支障をきたす。通常の坑井刺激では、近くの圧入井からの水がすぐに生産井に流出することから、水圧破砕により、極めて長い割れ目が想像しなかった方向に形成されたことが分かっている。したがって、水圧破砕の最適化には水平坑井部分の穿孔間隔、水圧破砕の順序、水圧破砕の規模、近傍の観測井の配置などのパラメータが検討されるようになった。そのような背景のもと、Barnettシェール貯留層(浸透率0.0002md)において、その予測に必要な割れ目が閉じる「最小内部応力」の勾配の評価試験法について紹介がなされつ屑せ図14MDT検層機器とその編成 シェールガスを開発するオペレーターには、この技術サイクルの理解と適切な実践が求められる。貯留ガス層の3次元の応力マップ(マイクロサイスミック技術:微小地震の応用)、水平坑井の配置、多段階フラクチャリング、フラクチャーのリアルタイムモニタリングが大事な要素技術となる。非在来型天然ガス資源の経済的な開発には、坑井刺激、ソフトウェア、計測に関する技術を適切に統合することが必要だ。 極言すれば、シェールガスの可採埋蔵量の把握には、ガスの流路となる割れ目の広がりや特性(浸透率や伝導性)の把握とその適切なモデル化(図13)が必要となり、今後進歩が望まれる技術は、「コア分析」「マイクロサイスミック」と「貯留層の流動シミュレーションモデル」となろう。 シェールガスの評価技術に関するテクニカル・セッションでは、米国中南部の主要なシェール分布(Barnett, Haynesville, Caney & Woodford)におけるシェールガス資源の根源岩、埋蔵量、浸透率(貯留層内のガスの浸透性)、貯留層の評価について、口頭発表を聞いた。以下にその概要を記す。 ・発表論文SPE 124147 水圧破砕を行う前にあらかじめ最大83石油・天然ガスレビューさい地殻応力の方向を知ることで、坑井とガス層をつなぐガスの流路となる割れ目の成長方向をある程度予測できる。テキサス州のフォートワース盆地のBarnettシェールからのガス生産の問題は、最初の1年でガスの生産量が半分以下に減少すること。その場合、これらの坑井は最初の仕上げ/水圧破砕から5年以内に再び水圧破砕をしなければならず、費用がかさむことであった。性の Barnettシェールは、非珪砕細かい粒子から成るミシシッピ紀の有機物に富んだ海成陸棚層である。この地層はその下位のオルドビス紀の地層の不整合面を覆っている。そのオルドビス紀のViola石灰岩は水圧破砕における下部の防壁を形成し、さらに下位の含水Ellenberger層からBarnettシェールを隔離する。水圧破砕によりViola石灰岩を破砕してしまうとEllenberger層か出所:SPE 124147Gッセーた。試験区間の選定や試験結果の評価に、事前に坑井内で取得したMDT(Modular Dynamic Tester)検層データを用いた(図14)。再び水圧破砕を施した地層の割れ目の広がりをマイクロサイスミック技術によって確認できた(図15)。結果、Barnettシェール貯留層からのガス生産量は2008年には1.396Tcf(3.82Bcf/d)にも達したとのこと(Tcf=兆立方フィート)。< SchlumbergerとDevon Energy社の発表 > ・発表論文SPE 124227 オクラホマ州のHaynesvilleシェールから掘られた垂直井の仕上げの岩石力学的評価。シェールと砂の互層の鉱物組成を検層データに基づき調べ、その組成に合った穿孔を施すと、近傍でも生産性は向上した(1.8MMcf/d→4.5MMcf/d、MMcf=100万立方フィート)。<Baker Hughes社の発表> ・発表論文SPE 124840 ケロジェンリッチなオイルシェールの異方性、弾性特性や微細構造と、有機物の成熟度との関係について。< コロラド鉱山大、スタンフォード大ほかの発表>・発表論文SPE 124231  オクラホマ州Arkoma盆地に広がるCaney & Woodfordシェールのガス貯留層(図16)を坑井3坑の環境から見た場合の地化学・岩石力学特性について(地殻内応力、岩相、鉱物組成、孔隙率、浸透率、水飽和率、有機炭素量/Total Organic Carbon)。取得に時間も費用も要するコアからではなく、検層データからシェールの特性を知る。分かった特性から適切なフラクチャリング箇所を知ることができる。< Baker Hughes社とNewfield Exploration社の発表> ・発表論文SPE 124361 通常の水圧破砕シミュレーターは多成分系や熱力学まで考慮していない。浸透率が低く、減退した(ドローダウン圧力が十分に取れない)ガス貯留層には、フラクチャー流体にガスを混ぜることで、フラクチャー流体がフラクチャーの表面に留まりガスの生産が妨げられるのを、防ぐことができる。ガスとしては液相に溶け込む方が生産性への効果が高く、その意味ではN2よりCO2の方が適している。フラクチャー流体にメタノールを加えることでCO2の溶解度は増す。メタノールやCO2を混ぜた水圧破砕の設計には、その意味で多成分系や熱力学を考慮したシミュレーターが威力を発揮する。<テキサス大の発表> ・発表論文SPE 125121 カナダのブリティッシュ・コロンビア州Horn Riverシェールで実施された5段階フラクチャリングの広がりや有効性を、取得したマイクロサイスミックに統計処理を加え評価した。<Schlumbergerの発表> ・発表論文SPE 124125 1947年に水圧破砕が初めて実施されてから、プロパント(フラクチャリングでできた割れ目の開度を保つ詰め物)の運搬能力に優れ、かつ地層にダメージを与えないフラクチャリング流体が数多く開発されてきた。深い高圧シェールには低粘性で水ベースの流体(slick-water: ポリマーを少量混ぜて坑井内の圧損を低減)がシェールの破砕に用いられるようになった(Barnettシェールでは1997年より適用。2005年頃よりFayettevilleや Marcellusシェールにも展開)。 これは、6~9段階ものフラクチャリングが可能で、使用プロパントが少ない利点がある。このslick-waterをユタ州のNatural Buttesフィールド(タイトガスサンド0.01~0.04md)のフラクチャリング流体として使った場-3,000-2,250-1,500-750-3,0000Distance/ft-2,250-1,500-7500出所:ICEP出所:SPE 124231図15最初の水圧破砕によるマイクロサイスミック分布(左)と再度の水圧破砕によるマイクロサイスミック分布(右)図16Caney & Woodfordシェールのガス貯留層の広がり2010.1 Vol.44 No.184-2,250-1,500-7500-2,250-1,500-7500Distance/ftetroleum Engineerの取り組むトレンドを読み解く合と使わない場合のケーススタディを紹介。slick-waterを使った方が生産性、経済性ともに向上した。<Halliburtonの発表> ・発表論文SPE 125068 深い高圧シェールには低粘性で水ベースの流体(slick-water)がシェールの破砕に用いられているが、そのプロパントの運搬性能と割れ目への保持技術についての実験研究。<アラバマ大の発表>IOC、NOC、サービス会社の今後の協力関係 今後の協力関係のあり方についてのパネルディスカッションに出席した。ExxonMobil ProductionのMallon副社長が司会。パネリスト(写8)は、右からSaudi Aramco、Chevron、Petrobras、サービス会社Weatherfordの技術幹部。 将来の原油や天然ガス需要増(現状技術では2030年までに石油換算で日量4,500万バレルの供給不足が予想、2005年の需要から35%アップ)に対応するには、IOC/NOC/サービス会社の相互意思疎通を通じたビジネス機会の創出が今後ますます大事になるというのが、パネルディスカッションの前提。IOC/NOC/サービス会社の3者とも上流ビジネスの実施に対等な立場で人と技術を提供し、それぞれの仕事に対して説明責任を持つことが不可欠である。Saudi Aramco:  そのためには、技術の使用をプロテクトするよりも新技術を早い時期から生産現場に適用することが重要。Chevron:  IOCの特筆すべき貢献ポイントは、長期の上流投資、最新技術の統合ノウハウ、産油国における人材育成と経済成長の触媒、例えば技術85石油・天然ガスレビュー出所:筆者撮影写8パネリスト移転やインフラの整備。Petrobras:  原油換算で2013年に日産350万バレル、2020年に日産570万バレルを達成すべく1,750億ドルを投資予定。そのためには、例えば大水深プレソルト開発において、他社との技術開発協力が大事。Weatherford:  NOCの存在感が増すなかで既存油ガス田からの回収率向上に資する技術開発が大事。全員:  業界の平均年齢は、50歳代前半に入っており、30歳代が少なく、技術の空洞化という危機にある。世代間の技術伝承のギャップを埋めるようなITの活用も大事。ITを使った上流のオペレーションとその最適化ミュレーションモデルにフィードバックして生産計画を最適化した上で、その生産計画にのっとって遠隔操作で坑井内の流体挙動を制御する技術と言える。具体的には、貯留層の状態をリアルタイムで把握することにより、坑井間隔を適正化することができるため、初期投資(CAPEX)を削減できるほか、生産中の坑井を止めた状態での生産検層(プロダクションロギング)作業やスライディングスリーブ操作等の改修作業を削減することで操業費(OPEX)の削減も可能となる。一方、各生産井からの生産量を最適化することでプラトー生産期間を延ばすことも可能となる。これらのメリットを組み合わせることで、油・ガス田からの可採埋蔵量を最大化し、その後の開発コストや操業コストを最小化することがIWC技術の目的となる。 IWCに関するテクニカル・セッションで聞いた口頭発表の概要を以下に記す。 SPEによれば、IWC(Intelligent Well Completion)は、「遠隔の監視および操作によって、坑井への圧入や坑井からの生産を制御することで、改修(坑井の修理・メンテナンス)作業を最小限に抑え、オペレーターに坑井・貯留層の管理工程を最適化させるもの」と定義される。つまり、坑井内にモニタリング機器とフローコントロール機器を設置し、リアルタイムに坑井ごとの貯留層情報を収集し、これを貯留層シ ・発表論文SPE 124999 本発表ではInflow Control Valve(ICV)により、マルチラテラル井からの生産をコントロールする際の油層工学的検討が紹介された。例えば、ガスや水の水平坑井部への異常流入(コーニング)を和らげることが可能。通常の水平坑井では、すぐにガスコーニングを引き起こすことが生産試験の結果から予測されたため、ICVを導入するGッセーLateral#2ABU HADRIYAKHURSANIYAHLateral#0Lateral#1PackerControlUnit 出所:SPE 124999、Dumville 2006ChokeValve図17マルチラテラル井にセットされるICV機器ことで、水平坑井部への流体流入分布の均一化を図ることが可能となった。具体的には、水平坑井部への貯留層部の浸透率の大小に応じて、ICVの開度を調整することで、ICVへの流体流入量の均一化を図る(図17)。 ICVの開度調整には遺伝的アルゴリズム(genetic algorithm)の手法を用い、計算回数を減らした。遺伝的アルゴリズムでは、解のセットをパラメータとして一つのデータにまとめ、これを遺伝子に見立てる。初めに幾つもの遺伝子を用意し(ランダムな値に設定されることが多い)、それぞれを評価関数(ウォーターカット、Net Present Value)にかけて、より適合度が高いと思われる遺伝子を残し、計算の最適化を図るという内容。< Saudi Aramcoとスタンフォード大の発表> ・発表論文SPE 124949 IWCの一種であるスマートウェルは坑井内にモニタリング機器とフローコントロール機器を設置し、リアルタイムに坑井ごとの貯留層情報を収集し、これを貯留層シミュレーションモデルにフィードバックして生産計画を最適化した上で、その生産計画にのっとって遠隔操作で坑井内の流体挙動をOld Processing FacilitiesNew Processing FacilitiesFADHILI出所:SPE 123540制御する技術。しかし通常の坑井よりコストがかさむのも事実。両者のNet Present Valueをケーススタディで比較。スマートウェルは概して生産性がさほど高くなく、かつ、油層や経済条件に不確実性を含む場合に有効。<ブラジルUnicamp大の発表> ・発表論文SPE 123540 サウジアラビア陸上の老朽化油田AFKの3構造の生産施設を 1カ所に新設し(図18)、IT(情報技術)を用い油層シミュレーターとリンクしたリアルタイム制御に変え(図19、図20)、生産が再開されたプロジェクトについて。図18サウジアラビア陸上の老朽化油田AFK<Saudi Aramcoの発表>[デジタルエネルギー(デジタルオイルフィールド)技術のすそ野の広がり] ? 地下資源の掘削コストや回収コストの上昇に触発されて、サービス会社はその信頼性や効率、さらには回収率を最大化すべく研究開発投資を行っている。信頼性や効率性向上の追求は、機器やツールの自動化や知能化、あるいは現場におけるITの活用に結びついている。これを上流業界では「デジタルオイルフィールド」という言葉で総称している。大手サービス会社は、機Field NetworkInstrumentationRTURTUOTN NetworkSCADAPl InterfaceField SystemsCorporate NetworkApplicationsE&PDatabasePlant FirewallE&P ApplicationDhahran PI ClusterArea Pl Server出所:SPE 123540図19油層シミュレーターとリンクしたリアルタイム制御2010.1 Vol.44 No.186etroleum Engineerの取り組むトレンドを読み解くと研修は、人材のギャップというリスクを回避する意味でも重要となる。大手サービス会社は人材も豊富なので、ローテーションにより適材適所の人員配置が可能となる。現在のサービス会社は、ダイナミックに成長する市場を相手にしているので、長期的にコミットでき、かつ、洗練されビジネス戦略が必要となるのだ。例えば、遠隔地からある程度、油ガス田の操業を可能にする高度な技術やチーム組成の提案を、NOCやIOCから要求される。出所:SPE 123540図20リアルタイム制御画面とが、この技術のすそ野の広がりに欠かせない。 ? 今後人材の確保と研修は業界にとってますます大事になってくる。サービス会社は、創造的な人材リクルートや研修計画に取り組んでいる。アジアや東欧における技術や経済の進展を背景に、その地に大きく新しい人材プールを見出そうとしている。石油開発業界に携わる人種が多様になるなかで、操業現場となる地元での人材の確保石油工学教育の行方 石油工学の新しい研修法について5人の識者(ペンシルベニア州立大Ertekin教授、テキサスA&M大Blasingame教授、英インペリアルカレッジGringarden教授、カルガリー大のAguilera教授、サービス会社BJ Services社Fiffick氏)が議論した。議論のポイントを次に記す。 ? SPEのStudent Chapter(学生支部)の数は世界で200を超える。大学の石油工学教育の履修状況、カリキュ出所:Lloyd Heinze,Texas Tech図21米国の大学における石油工学の学士号取得学生数の推移器の改良や操作手順の改善も行っている。またトラブルへの対処も、コスト軽減を念頭に、定期的なメンテナンスからトラブルを予知する技術へと、移ってきている。人員や機器の編成・スケジューリングも過去のオペレーションに照らし合わせて、適正化が図られつつある。 ? サービス会社にとって大事な戦略の一つに、組織単位での知見や知識の管理・共有化が挙げられる。大手サービス会社は、この「ノレッジ・マネージメント」(Knowledge Management)を組織の知見と専門性の向上に役立てている。石油開発業界は既に、他業界と同じく、団塊世代の大量定年退職に伴う人材入れ替え「Big Crew Change」の問題に直面しており、熟練者不足から活動レベルの低下は必至で、これは懸案事項である。 ? デジタルエネルギー技術の上流業界におけるすそ野の広がりに必要な3要素は、もちろん人・技術・プロセス。基準も大事だが、目的に応じた適応性の方がもっと大切。特に国や民族間に横たわる行動スタイルや文化の違いを注視するこ87石油・天然ガスレビュー宴?への要件、SPEの教育研修・啓蒙プログラム(continuing education, energy4me, eMentoring)についての説明。 ? SPEの課題:技術人材の不足(熟練者の十分な指導がないままに現場へ送り込まれる若手技術者)、石油・天然ガス供給増のチャンスが先細りするなかでの石油天然ガス需要増への対応、新技術の現場適用に要する時間。特に熟練者から若手技術者への技術伝承には相互の意思疎通に十分な時間が必要。 ? 業界の好況を反映して石油工学を専攻する学生数は増加している(図21)。米国で石油工学を履修する学生数は数年で2~3倍に膨れ上がり、教育に十分な教員数の充足に各大学とも苦労している。例えば、テキサスA&M大では学部生700名、大学院生300名とのこと。また、2008年後半からの景気低迷から、夏場に職場経験を積み業界の雰囲気に慣れるInternshipの募集も希望学生数に満たなかった。大学も業界も安定した数の人材確保に苦労している。そのためにも業界の持続的成長が必要である。 ? 一方、高油価に支えられて石油開発事業の活発化が見られ、大学から会社への人材の流出も見られる。業界活動は当面活発化することが予想されるだろうが、その活動を支える若年層の教育レベルの維持向上には、大学のみならず、SPEのような学会やコンサルタント会社による教育研修プログラムおよび一般への啓蒙プログラムの充実も欠かせない。 ? 個々のユーザーがつぶやき(ツイート)を投稿することで、緩いつながりが生まれるコミュニケーション・サービス「Twitter」や動画共有サービス「YouTube」を利用した、熟練技術者と若年層とのコミュニケーションも図られている。まとめ バレルあたり40ドルは超えないものの、上昇する探鉱開発コストにもかかわらず、ドリルビットあたりの発見埋蔵量は減り続けている。また、現在埋蔵量の大半(80%弱)が産油国のNOCに握られている状況下では、IOCや独立系石油会社(インディペンデント)は、新規油田開発よりも既発見油田からの生産促進に軸足を置かざるを得ないのに加え、投資機会は減少している。 このように減少する投資機会に対応した開発技術のトレンドを整理するには、石油価格変動下における石油開発技術の適用と、それを担う人材確保の行方という観点から物事を分析する必要がある。今回のSPE ATCEからの情報を基に技術トレンドをまとめてみよう。 IOCやインディペンデントは、新規油田開発よりも既発見油田からの回収エッセー率向上や生産効率向上を目指した技術(水平坑井、坑井刺激、EOR/IOR、インテリジェントウェル)の適用や非在来型資源(タイトガス、シェールガス、オイルサンド)の開発に軸足を移している。一般に油価の高い環境下では、技術改良・技術開発が進む。油価の長期的な動きを十分意識しつつ、開発資材コストと、改良・開発された技術適用の兼ね合いが、当面の可採埋蔵量の積み増しをコントロールすることになる。 ATCEでは、例年3日目にSPE会長主催の昼食会が催される。ATCEの場所は米国内の独占であったが、2010年は米国外では初めてとなるイタリアのフィレンツェで開催予定と発表された。8万8,000人にも達する会員数の半分以上が北米外の在住者(10年程前には欧米の会員が大半であった。2003年からの会員数増加率は、なんと30%と高い)であることを考えると、石油・天然ガスの掘削、油層管理、生産に関する技術はメジャーのみならず、可採埋蔵量の70%以上を支配する産油国の国営石油会社、インド・中国ほかへと、全世界的な広がりを見せている。 筆者は、石油開発技術のグローバル化を強く意識し、環境対策をとりつつ、可採埋蔵量の積み増しを着実に進め、石油需要の伸びにも応える供給へ懸命に努力する上流業界の姿を感じ取った。執筆者紹介伊原 賢(いはら まさる)1983年、東京大学工学部資源開発工学科卒業。1991年、タルサ大(米国オクラホマ州)大学院石油工学修士課程修了。1994年、東京大学博士号(工学)取得。石油学会奨励賞受賞。1983年、石油公団(当時)入団。技術部、石油開発技術センター、アラブ首長国連邦(UAE)ザクム油田操業、生産技術研究室長、天然ガス有効利用研究プロジェクトチームリーダー、JOGMECヒューストン事務所長ほかの勤務を経て、2008年7月より石油・天然ガスの上流技術の調査・分析業務に従事。専門は石油工学とC1化学。趣味はへぼゴルフ、ホットヨガ、グルメ(和食中心)。故郷の博多に加え、現在横浜の住環境も堪能中。2010.1 Vol.44 No.188
地域1 グローバル
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2010/01/20 [ 2010年01月号 ] 伊原 賢
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