ページ番号1006417 更新日 平成30年2月16日

メジャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ

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レポートID 1006417
作成日 2010-09-17 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 企業探鉱開発
著者 竹原 美佳
著者直接入力
年度 2010
Vol 44
No 5
ページ数
抽出データ アナリシスJOGMEC石油企画調査部竹原 美佳メジャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ 最近、メジャーズと中国国有石油企業、なかでも中国最大の石油開発事業者であるCNPCとの間で“新たなパートナーシップ”が構築されている。“新たなパートナーシップ”とはメジャーズの資金・技術を導入する、あるいはメジャーズ保有鉱区に参入するという従来の形ではなく、イラクにおける入札や豪CBM企業の買収時に見られたような、“対等のパートナー”という関係を意味する。特にShellとCNPCは豪CBM企業の買収や中国の非在来型天然ガス資源の共同開発など“天然ガスを中心とした戦略的パートナーシップ”を着々と構築しているように見える。 メジャーズや産油国が評価するCNPCの強みとして資金力、マンパワーによる機動力・コスト削減力、豊富な操業実績やリスク許容度が挙げられる。また石油天然ガス需要創出余力のある中国市場への期待からCNPCに接近する企業や産油国も多い。世界的に石油産業の人材不足が懸念されるなか、大量の技術陣を擁するCNPCのマンパワーは今後大きな強みとなりそうである。 CNPCは国内のみならず国外においてもオペレーターとして数多くの操業経験を有しているが、資源国との交渉や国内非在来型天然ガス資源の開発についてはメジャーズのブランド力(統合開発能力、産油国との交渉力)を利用し、事業規模拡大を図ろうとしているように見える。 本稿ではCNPC(PetroChina)を中心に、中国国有石油企業とメジャーズの“新たなパートナーシップ”ならびにメジャーズを引きつけるその“強さ”について考察した。はじめに1980年1990年2000年2010年沖合油田探鉱開発西部陸上探鉱株式取得精製、石化、販売精製、石化、販売非在来型探鉱開発非在来型探鉱開発継続終了メジャーズ鉱区参入メジャーズ鉱区参入共同入札・買収共同入札・買収出所:JOGMEC石油企画調査部作成図1メジャーズと中国国有石油企業の提携の変遷 メジャーズと中国国有石油企業の提携は1980年代にる。中国の石油産業は「改革・開放」後の1980年代に段階的に対外開放を進めた。しかし海洋の油ガス開発において外資の資金と技術導入が積極的に行われたが、陸上の在来型油ガス探鉱開発については西部タリム盆地など一部を除きほとんど外資への開放はなかった。 転機は中国のWTO加盟(2001年)前後に訪れた。メジャーズ(BP、ExxonMobil、Shell)は中国国有石油企業3社(PetroChina、Sinopec Corp. 、CNOOC Ltd.)が米国や香港で新規株式公開(IPO)を行った際に、“戦略的パートナー”として株式を購入した。その後メジャーズは中国東南沿海部で中国国有石油企業と共同出資の給油所や合弁石化事業を展開するなど、中国市場への足がかりを得た。また、同じころShellやTotalはCNPCと西部陸上で発見済みの非在来型天然ガス資源について探鉱開発契遡さかのぼ1石油・天然ガスレビューAナリシス約(PS契約)を締結、既に商業生産を開始している。 近年、中国国有石油企業が開発資産買収などにより、メジャーズ鉱区に参入、提携が進む事例もある。いま触れた国有石油企業3社は国内石油事業から得られる安定的な事業収入を使い、積極的な国際展開を行っている。大規模な開発資産買収などにより、国外権益生産量は大幅に伸びている(3社合計の2009年国外権益生産量は約114万boe/d、生産量の2割に達している)。 そして2009年以降、イラクの入札や豪CBM企業の買収時に見られたような、双方が対等な形に立つという新たなパートナーシップが展開されている。1.イラクの入札で存在感を見せつけた中国 イラクで2009年に行われた1次・2次入札において中国国有石油企業はその存在感を嫌というほど見せつけた。契約を締結した11件のうち4件を中国国有石油企業が占めた。CNPCの子会社PetroChinaはBPと組み、生産量が最大規模のルメイラ油田について契約した。また、PetroChinaはTotal、Petronasと組んだハルファヤ油田についてオペレーターとなった。CNPCはフセイン政権時代に契約したアフダブ油田についてもPS契約からサービス契約への変更を余儀なくされたものの、契約にこぎつけた。この他、契約には至らなかったが、PetroChinaはShell、Sinopecと共同でキルクーク油田に応札した。 イラクの入札においてはPetroChinaの他、Sinopec、CNOOC、Sinochemの計4社が入札参加資格(PQ)を取得していた。応札件数は中国4社合計で10件を超えた。CNOOCはトルコTPAOとともにミサン油田の契約を締結、SinopecはPQを剥奪されたが、カナダ企業買収によりクルド地域におけるタクタク油田等の権益を獲得した。SinochemはCNOOCとミサン油田を応札したが契約前に撤退した。(1)中国国有石油企業のイラクにおける動き①CNPC CNPCはイラクの1次入札で5油ガス田(ルメイラ、ズ2010.9 Vol.44 No.52油田名落札企業※下線の企業がオペレーター目標生産量百万b/d報酬額ドル/バレル2.851.1252.3250.451.80.5350.121.80.230.170.110.115※11.63221.92.31.391.451.81.495.563※※推定値ルメイラ油田BP(英) CNPC(中)ズベイル油田Eni(伊) Occidental(米) Kogas(韓) 西クルナ油田(第1フェーズ )ExxonMobil(米) Shell(英)ミサン油田群CNOOC(中) TPAO(トルコ)マジュヌーン油田Shell(英) Petronas(マレーシア)ハルファヤ油田CNPC(中) Petronas(マレーシア) Total(仏)カイヤラ油田Sonangol(アンゴラ)西クルナ油田(第2フェーズ )Lukoil(露) Statoil(ノルウェー)ガラフ油田Petronas(マレーシア) JAPEX(日)バドラ油田Gazprom(露) Kogas(韓) Petronas(マレーシア) TPAO(トルコ)ナジマ油田Sonangol(アンゴラ)第1次入札第2次入札123456789101112 他 アフダブ油田CNPC(中)目標生産量合計出所:JOGMEC作成図2イラク石油省が締結している契約生産し、報酬3ドル/バレルを受け取る模様である。CNPCは2009年3月11日にアフダブ油田の起工式を行っている。 Norincoは2001年の「Oil for Foodプログラム」以降、イラク原油の輸入を開始した。中国国内では油ガス田資産は保有していないが、2003年に設立した振華石油を通じイラク以外にもパキスタン、カザフスタン、シリアなどで探鉱活動を行っている。アフダブ油田の開発だけでなく、イラク原油の輸入を行っている。ュウジン秋チ・ キルクーク油田 1次入札においてShell、CNPC、Sinopec、TPAOの4社連合が応札したがイラク側と報酬などをめぐる条件が合わず、落札には至らなかった(Shell連合の提示額7.89ドル/バレルに対しイラク石油省は2ドル/バレルを提示)。 2009年4月、Shell CEO(最高経営責任者)のJ. van deer Veerが中国を訪問し、CNPC、Sinopecに対しキルクーク油田への共同応札を打診した。ShellはCNPCにキルクーク油田権益の15%と中国四川北東部金(Jinqiu)タイトサンドガス田との資産スワップを提案し、CNPCはShellにキルクーク油田権益の20%を主張した模様である。金秋タイトサンドガス田については2009年11月にPS契約を締結した。②CNOOC CNOOCはイラクの1次入札で2油田(バイハッサン、ミサン)に応札、TPAOとともにミサン油田について落札した。2次入札ではCNPCとは別にEni、Sonangol、Kogas、Occidentalなどと組み、ハルファヤ油田に応札している。 ミサン油田群(1次入札、CNOOC/TPAO) ・ 2010年5月17日、CNOOC/TPAO連合はイラク石油省とミサン油田群(アブギラブ油田、ファッカ油田、ブズルガン油田)の開発契約を締結した。契約形態はサービス契約で契約期間は20年である。 権益比率はCNOOCが63.75%でオペレーターを務め、TPAOが11.25%、イラク国営掘削企業のIraq Drilling Co.(IDC)が25%である。契約に基づき6年以内に現行生産量10万b/dから45万b/dに増産し、報酬2.30ドル/バレルを受け取る。CNOOCはミサン油田群の報酬について1次入札応札の時点では21.4ドル/バレルを提示していたが、契約時には石油省要求の2.30ドル/バレルを受け入れた。また1次入札応札の時点ではSinochemとパートナーを組み入札に参加していたが、契約締結時ベイル、キルクーク、アッカス、西クルナ<フェーズ1>)に応札、このうちルメイラ油田について落札、契約を締結した。キルクーク油田についてはShell、Sinopecとともに落札したものの、報酬をめぐりイラク側と合意せず、契約に至らなかった。また、CNPCは、2次入札においては3油田(マジュヌーン、ハルファヤ、西クルナ<フェーズ2>)に応札、うちハルファヤ油田について落札、契約を締結した。 ルメイラ油田(1次入札、CNPC<PetroChina>/BP)・ ルメイラ油田の契約形態はサービス契約で契約期間は20年である。出資比率はBPが38%でオペレーターを務め、CNPC(PetroChina)が37%、イラク国営地域企業South Oil Company(SOC)が25%である。3社は既に操業会社を設立、掘削サービス契約も締結し、開発作業を進めている。 契約に基づき、BP/PetroChinaはルメイラ油田の増産(現在の95万7,000b/dから178万b/d以上に引き上げる)を図り、報酬(Remuneration Fee)を受け取る。報酬は2ドル/バレルである。報酬についてBP/CNPC連合は当初3.99ドル/バレルを要求したが、イラク側主張の2ドル/バレルをのみ、落札に至った。その後、この価格がイラクとの契約のベンチマークとなった(アンゴラ国営Sonangolの契約における報酬を除く)。 ハルファヤ油田(2次入札、PetroChina/Total/Petronas)・ 2009年12月に行われた2次入札において、CNPC/Total/Petronas連合はハルファヤ油田を落札、同月サービス契約を締結した。契約期間は20年である。PetroChinaが37.5%でオペレーターを務め、TotalとPetronasが各18.75%、SOCが25%である。契約に基づきハルファヤ油田の増産(現在の3,100b/dから30万b/d以上に引き上げる)を図り、報酬1.4ドル/バレルを受け取る。ジェンう余よ アフダブ油田(契約変更、CNPC/Norinco) ・ 2008年11月、CNPCと中国の国有軍需企業北方工業公司(Norinco)傘下の振Zhenhua)石油連合はSOCとアフダブ油田開発に係る石油契約を締結した。本件は、1997年6月にPS契約を締結したが、その後国連制裁に曲折を経てより作業は中断。契約をめぐる交渉は紆2008 年 8月、再契約について基本合意、11月に契約を締結した。ただしPS契約ではなく、20年間のサービス契約となった。 出資比率はCNPC/振華石油が75%でオペレーターを務め、SOCが25%である。契約に基づき、11万5,000b/ワ(華ホメジャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ3石油・天然ガスレビューAナリシストルコトルコトルコルートパイプライントルコルートパイプライン0200400kmイランイラン4ミサン油田群ミサン油田群アブギラブ油田アブギラブ油田ブズルガン油田ブズルガン油田ファッカ油田ファッカ油田6ハルファヤ油田ハルファヤ油田3西クルナ油田西クルナ油田Phase2Phase28アフワーズアフワーズ5マジュヌーン油田マジュヌーン油田19アバダーンアバダーンバスラバスラ(ジェイハンへ)(ジェイハンへ)11ナジマ油田ナジマ油田7カイヤラ油田カイヤラ油田シリアシリアユユーーフフララテテスス川川チチググリリスス川川63616260ドホーク州ドホーク州58モスルモスル59646517161514シリアルートパイプラインシリアルートパイプライン12A(閉鎖中)(閉鎖中)1312アルハディーサアルハディーサイイララクク戦戦ダウラダウラアルビル州アルビル州54535257スレイマニア州スレイマニア州バイジバイジティクリートティクリート50キルクークキルクーク514955564847ザクロス褶曲帯ザクロス褶曲帯メソポタミア堆積盆地メソポタミア堆積盆地4144434240464510バドラ油田バドラ油田12アフダブ油田アフダブ油田ナジャフナジャフ373436339ガラフ油田ガラフ油田21サマワサマワ2928383532313926252124232230ナシリアナシリア2720バクダッドバクダッドラインラインイプイプ略パ略パ6104ヨルダンヨルダン1175サウジアラビアサウジアラビア3油ガス田油ガス田探鉱鉱区探鉱鉱区地質区境界地質区境界国境国境県境県境パイプラインパイプライン都市都市出荷ターミナル出荷ターミナル製油所製油所クルド自治区(3州)クルド自治区(3州)40 E91ルメイラ油田ルメイラ油田82ズベイル油田ズベイル油田クウェートクウェート18コルアルアマヤコルアルアマヤターミナルターミナルバスラターミナルバスラターミナルカフジカフジ第1次入札対象油ガス田第1次入札対象油ガス田第2次入札対象油ガス田第2次入札対象油ガス田4244サウジアラビアパイプラインサウジアラビアパイプライン(閉鎖中)(閉鎖中)4648383634323028 N出所:JOGMEC作成図3イラクにおける開発契約締結済みの鉱区にはイラク石油省からの要請に応じTPAOとパートナーを組んだ。2010年7月、筆者がCNOOCと面談した際、報酬額の大幅な変更やミサン油田の治安に対する懸念(イランとの国境紛争地域で2009年に武力衝突が発生)について尋ねたところ、「財務条件について悪くないと思っている。当該地域の問題について事前に中国政府に相談しており、イランと中国の関係が良好であることから進出に至った」との回答を得た。③Sinopec Sinopecはイラクの1次入札で2油田(ズベイル、キルクーク)に応札した。キルクーク油田についてはShell、CNPCとともに落札したものの、ズベイルでは報酬をめぐりイラク側と合意せず、契約に至らなかった。そしてSinopecは6月のAddax買収によりイラク石油省からPQを剥奪された。 ・Sinopec のAddax買収 2009年6月、Sinopec傘下の国外探鉱開発事業子会社Sinopec Internationalは、カナダAddaxを中国の石油産業におけるM&A史上最高額の約88億ドルで買収した。Addaxは1994年に英国で設立した新興独立系石油企業で、カナダ・トロントおよびロンドンで上場している。2008年末の埋蔵量(2P)は536.7MMbbl、平均生産量は13万6,500b/dである。Addaxは中東とアフリカで活動しており、ナイジェリアでは生産中3鉱区で、ガボンにおいても生産中3鉱区のうち2鉱区でオペレーターを務めている。イラク・クルド地域では、2009年に生産を開始したタクタク油田のオペレーターを務めている。 イラク石油省は、クルド地域政府(KRG)には契約締結権限がないとし、KRGが独自に締結した契約を認めていない。またKRGと契約を締結した企業のPQを剥奪するという方針を示しており、SinopecはAddax買収とともにPQを事実上剥奪され、2次入札以降参加していない。④Sinochem Sinochemはイラクの1次入札で2油田(バイハッサン、ミサン)に応札、ミサン油田群についてCNOOCとともに応札したが、契約には至らなかった。2次入札では応2010.9 Vol.44 No.54iめているイラクとの契約に切り替える可能性がある。 ・伸びる中国の石油需要 中国の石油需要は現在約800万b/dで、5割を輸入している。IEAや米エネルギー省などの国際機関は10年後の2020年に中国の石油需要は1,200万b/dに増加し、輸入比率は7割(約800万b/d以上)に高まると見ている。またIEAは2030年までに世界の石油需要新規増加のうち約9割を占める輸送部門について、中国の需要の伸びが最も高い(600万b/d超)と見ている。 各産油国は新規石油需要創出余力の高い中国へのシフトを鮮明に打ち出している。サウジアラビアAramcoは2010年5月、上海で取締役会を開催した(議長はナイミ石油大臣)。Aramcoはかつて米ヒューストンで取締役会を開いたことがあるが、中国における開催は初めてのことである。サウジアラビアの石油高官はアジアを原油のメインマーケットとするが、上海での取締役会開催は現実に即したもので、政治的な意味合いはないと語っている。 日本はサウジアラビアからの輸入量が2009年末時点では中国を上回っていたが、今後は中国等アジア向けの供給基地という役割を担うことになりそうである。2010年6月、日本の経済産業省資源エネルギー庁とAramcoは沖縄の原油タンク活用プロジェクトの基本的事項について合意した。2010年中に沖縄石油基地(JX日鉱日石エネルギーとコスモ石油の共同出資、貯蔵能力450万k?)にAramco原油約60万k?の貯蔵をスタートさせる予定である。また、ブラジル国営Petrobrasは2007年11月に沖縄の南西石油を子会社化し、ブラジル百万トン(石油換算)ChinaIndiaMiddle EastOther AsiaLatin AmericaAfricaE. Europe/EurasiaCECD EuropeOECD Paci?cOECD North America-200-1000100200300400500Transport  Non-energy use  IndustryPower generation  Other※Includes residential, services, agriculture and other energy sectors.出所:IEA WEO2009図4Change in primary oil demand by region and sector in the Reference Scenario, 2007~2030 札しなかった。 Sinochemは国有貿易企業として発足したが業務多角化を進めており、2002年以降、企業(資産)買収により石油開発事業に進出した。中国国内の上流資産はほとんどなく、主に国際展開を図っている。国有石油企業3社に比べ上流事業の比率は低く、イラク入札における消極姿勢はその表れかもしれない。(2)イラク政府が中国の参加を歓迎する要因①公的資金と伸びる石油需要(中国の強み①) 中国がイラクと多数の契約を締結した2009年に、中国政府はイラクの対中債務84億7,000万ドルの80%を減免した。債権放棄企業にはアフダブ油田の権益を保有するNorincoが含まれていた。また中国はイラク原油の購入(ターム契約)量を大幅に増やした。 中国のイラク原油輸入は国有トレーダーのSinochem、ジェンNorinco傘下の振(Zhenrong)、ならびに国有石油企業3社傘下のトレーダーの計5社が行っているが、2010年上半期(1~6月)のイラク原油(Basrah Light)ターム契約量は2009年下半期の27万b/dから45%増え40万b/dとなった。 イラクとのターム契約の増量は、中東原油の中国における将来像を示している感がある。2010年上半期に中国のイランからの原油輸入量が3割(16万6,000b/d)減少する一方で、サウジアラビアが8万6,000b/d、イラクが11万2,000b/d増えており、両国がイランの減少分を上回って穴埋めする形となっている。 中国がイラン原油を削減した理由は、イランの核開発に係る制裁ではなく、イランの価格フォーミュラが硬直的で、サウジアラビアなどの類似性状の原油に比べて割高であるためのようだ。中国の原油輸入に占める国別比率は現在のところイランが8%、イラクが4%でイランが上回っているが、今後もイラン原油の割高な状態が続けば、中国はイランとの契約を見直し、供給余力のあるサウジアラビアや、外資を導入し増産を戎ロン表1中国のサウジアラビア、イラン、イラクからの原油輸入千b/dサウジアラビアイランイラク原油輸入計10年1~6月17%8213658%4%2024,777-09年1~6月20%73553114%2%90-3,666出所:China OGPに基づき作成5石油・天然ガスレビューメジャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップY原油およびバイオ燃料のアジア向け中継拠点として活用する戦略を進めている。2010年5月には重質油90万バレルを初入荷、南西石油のタンクに貯蔵し、今後市況を踏まえ中国などに輸出する模様である。ブラジルからアジア向けの原油供給には約1カ月かかるが、沖縄で貯蔵することにより中国向けは10日程度に短縮できるという。② 傘下サービス企業活用による操業コスト低減効果(中国の強み②) 後述するが、CNPCをはじめとする中国国有石油企業は傘下に物理探査から掘削企業に至る技術サービス会社を有している。油田開発作業費低減は産油国のみならず、開発企業側にも悪い話ではない。そしてCNPCはコスト回収によりグループ全体の利益が増加するという三方一両得なのである。 もちろん油田サービス業務は随意契約ではなく、入札により決定するが、割安というイメージを持つ中国企業の入札参加により、落札価格を押し下げる効果が期待できる。 2010年2月にルメイラ油田の掘削サービスの入札が行われた。米大手サービス会社のSchlumberger、Halliburton、Weatherford、Baker Hughesがそろって入札に参加するなか、CNPC傘下の大慶油田公司、トルコやシリアの掘削会社、イラク国営掘削会社Iraq Drilling Co. など10社が応札した。3月に落札者が決定したが、49坑のうちSchlumbergerとIDC連合が21坑、CNPC傘下企業が21坑、Weatherfordが7坑という結果になった。(3) メジャーズを引きつけた?CNPCの豊富な操業経験とリスク許容度(中国の強み③)①豊富な操業経験 CNPCは中国の油ガス田生産の7割を占める最大の石油開発企業であり、豊富な操業経験を有している。ルメイラの掘削を落札した傘下の大慶油田公司は50年にわたって生産しており、ルメイラ同様大量の水付きが発生している大慶油田の安定生産を続けており、米アラスカのプルドーベイ油田を手がけたBPとともに成算を持って入札に臨んだのであろう。 CNPCは1990年代に国外進出を開始したが、スーダン、カザフスタンなどでオペレーターを務めており、豊富な操業経験を有していると言える。子会社PetroChinaの上場後、国際展開を加速、既発見資産の買収などにより、国外権益生産量は2004年の37万boe/dからアナリシス2009年には77万5,000boe/dに増加した。国外権益生産量はPetroChina生産量の2割に達している。CNPCは戦後のイラク石油産業でShellと並び最も早く活動を開始した石油企業である。イラク石油省は今回のイラク入札で外資側の最大参加比率を75%とし、応札企業のコンソーシアム組成を推奨した。CNPCはイラクにおける足場を築いてきた企業として共同応札の提案があったのではないかと思われる。表2中国国有石油企業3社の国外権益生産量2004年2005年2006年2007年2008年2009年CNPC37.044.762.365.668.577.5CNOOC4.43.94.66.26.410.8Sinopec4.41.711.013.718.025.6出所:各社年報に基づき作成万boe/d計45.850.377.985.593.0113.9かさ②リスク許容度 メジャーズはリスク許容度の高い中国国有石油企業を現地要員として期待しているのではないか。イラクではテロが日常化し、治安リスクが高いと見なされている地域である。このような地域への人員派遣は保険や警護などの安全対策コストが嵩む。しかしCNPCは操業現場が土塁で囲まれ兵士が警護しているというスーダンで、10年以上操業を続けている。アフリカでは中国の石油会社社員が数々の被害に遭っている。2007年1月にはCNPC傘下の東方地球物理勘探有限公司(BGP)の社員9名がナイジェリアで誘拐された(身代金支払いにより解放)。同年4月には、エチオピア・ジジカ州付近で、Sinopec社員9名が殺害された(攻撃は少数民族ソマリの独立を求めるオガデン民族解放戦線<ONLF>によるもので、Sinopec社員はPetronas鉱区で油田サービス業務<検層作業>を請け負っていたに過ぎず、攻撃対象は中国人ではなく、油田の操業に対する抗議にあった)。 これらの事件を受け、中国の石油・鉱物資源開発企業がアフリカの治安リスクの高い操業現場において中国の退役軍人などによる警護を強化しているとの話を聞くが、従業員の引き揚げは行っていない。2010.9 Vol.44 No.56<Wャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ2.CNPCの “マンパワー” (豊富な技術陣と技術サービス会社) CNPCの内外における豊富な操業経験を支えるのはマンパワー(大量の技術陣と、幅広いサービス会社を傘下に有すること)である。(1)サービス会社への依存が進む石油探鉱開発 現在、世界の油ガス田探鉱開発にはサービス会社の存在が不可欠である。1980年代の石油需要低迷と価格下落によるコスト削減を迫られたメジャーズをはじめとする石油開発企業は、研究開発費の抑制、組織のスリム化(技術の外部調達化)を進めた結果、サービス産業が発展した。メジャーズも基本的にサービス会社に外注している。 大手統合型サービス企業としてSchlumberger、Halliburton、Weatherford、Baker Hughesなどが存在する。掘削はTransoceanが最大手である。 サービス会社は大手の他、中小・専門型(専門化されたツール・機器・ソフトウェア・エンジニアリングサービスを提供)、地域密着型、日用品提供型などに細分化され、発展している。 日本にも専門型の強いサービス企業が存在する。三井海洋開発(MODEC)は浮体式生産出荷設備(FPSO)において世界2位のシェアを占めている。また千代田化工や日揮は精製石化プラントや天然ガス液化プラントなどのEPC(設計、建設、調達)においてサウジアラビアやカタールなどの産油ガス国から高い評価を得ている。 サウジアラビアなどの中東産油国は石油資源を国有化後、在来型石油・天然ガス資源の開発については傘下のサービス会社あるいはSchlumbergerなどと直接契約し、メジャーズ等の外国石油会社を介さず、開発を進めている。(2)傘下のサービス企業を活用するCNPC 中国も中東産油国同様、国内の在来型石油・天然ガス資源については極力傘下のサービス会社を活用し、あるいはSchlumbergerなどのサービス会社に発注し探鉱開発を行っている。また国外保有鉱区においても傘下企業表3CNPCの海外上流関連子会社中国石油天然気勘探開発有限公司(China National Oil and Gas Exploration and Development Corp. ; CNODC)海外事業従業員数2万人(中国人1,700人余り) CNPCの海外石油・天然ガス資源の探査・開発部門、精製石化・パイプライン輸送。世界28カ国で75件の海外石油・天然ガス協力事業を展開。業務内容中油国際工程有限責任公司 (CNPC Services & Engineering Ltd.)従業員数業務内容傘下の中油長城鑽井有限責任公司は約7,000人(うち外国人が8割) ・CNPCの海外エンジニアリング建設事業請負、技術サービス、物資装備輸出等の業務。・ 2007年現在10カ国で工程建設事業、36カ国でエンジニアリング技術サービス事業、59カ国への物資装備輸出を手掛ける。中国石油工程建設集団公司(China Petroleum engineering & Construction<Group>Corp.<CPECC>)従業員数業務内容N.A石油エンジニアリング、石油化学エンジニアリング、石油・ガスタンク建設、油田・ガス田建設、製油所、石油化学工場等の建設請負、石油、石化建設、生産等の労務員派遣。中国石油集団東方地球物理勘探有限責任公司(BGP)従業員数業務内容約2万人・ 陸上、浅海の地震探査、総合物理化学探査、データ処理、解析、関連技術装備の開発、製造、ソフト開発、国内外技術エンジニアリング請負および労務輸出。・1994年、エクアドルの地震探査技術サービス契約を皮切りに、海外探査事業に進出。・ 102の地震探査作業チームを設け、2004年末時点で世界27カ国、内外60社余りの石油企業に地球物理探査サービス。世界の物理探査企業ランキング第4位(陸上では世界第1位)。・ データ処理分野では、アジア最大の地震データ処理センターを設け、北京、新疆自治区コルラ、ウルムチ、甘粛省敦煌、西安、唐山、任丘、大港、海外ではイラン、パキスタン、ナイジェリア、スーダン、ヒューストンにブランチ設置。中国(香港)石油有限公司 CNPC(HONG KONG)Ltd.従業員数事業内容404人石油・天然ガスの探査、開発、生産への投資。出所:中国石油企業ハンドブック(2010年2月北京亜能経環信息諮問有限公司)7石油・天然ガスレビューAナリシスゴル、インドネシア等)において1,185坑でドリルフロア作業を実施、512油層で油層評価を行った。表4CNPCの海外技術サービス実施状況チーム数実施国2次元地震探査(km)3次元地震探査(km2)実施国掘削装置(リグ数)坑井掘削数チーム数462269,01342,814291861,03675地震探査(データ取得)掘削作業出所:CNPC(4)石油産業を救う?中国の豊富な技術陣 CNPCの従業員数(2009年)はグループ全体で167万名(上場会社PetroChinaのみでは54万名)である。グループ全体の技術陣については情報が少なく、把握できないが、PetroChinaについては約29万名(54%)が探鉱開発(天然ガス・パイプラインを含む)に従事し、研究開発(R&D)部門に約2万名のスタッフがいることが分かっている。PetroChinaのR&D投資は、2005年の約480億円から2009年には約1,380億円(売り上げの1%)と毎年増加している。CNPCをはじめとする中国国有石油企業の技術者は世界石油工学者協会(SPE)*1などへも積極的に参加している模様である。 従来、CNPCは従業員が多く、非効率な組織と見なされていた。しかし世界的に石油産業の人材不足が懸念されているなか、豊富な技術陣が今後同社の強みとなるのではないかと思われる。を活用している。 中国陸上の石油探鉱開発は非在来型油ガス資源の開発など、自力でできないものを除きほとんど外資には開放されていない(海洋については資金と技術導入が必要という観点から、1980年代以降積極的に外資を導入し、日本を含む多数の石油企業と中国沖合で探鉱開発を行ったが、現在では一部の深海鉱区やライセンスが残っている鉱区を除きCNOOCの単独鉱区が増えている)。 CNPCは傘下に物理探査からロジスティクスに至るまで技術サービス会社を有している。サービス会社は主にPetroChinaの業務を受注しているが、なかにはBGPのように地震探査受注が世界トップの企業も存在する。(3)CNPC技術陣の国際展開 CNPCのウェブサイトによると、CNPCの海外技術サービス実施状況(2008年)は下記のとおりである。自社権益保有鉱区以外の業務も受注している模様である。 ・地震探査(データ取得) 傘下の地震探鉱46チームが22カ国(スーダン、リビア、サウジアラビア、ベネズエラ、トルクメニスタン等)で2次元地震探査(測線長6万9,013km)、3次元地震探査(同4万2,814km2)を実施した。 ・掘削作業 掘削装置(リグ)186基により、29カ国(スーダン、カザフスタン、ベネズエラ、オマーン、インドネシア等)で計1,036坑を掘削した。 75の検層チームが19カ国(スーダン、アルジェリア、カザフスタン、イラン、パキスタン等)において検層ならびに穿 55チームが12カ国(カザフスタン、スーダン、モンperforation)作業を行った。う(孔こせん3.ShellとPetroChinaの天然ガスを中心とした戦略的提携 メジャーズと中国国有石油企業の新たなパートナーシップを最も体現しているのがShellとCNPCの提携である。ShellはCNPC(PetroChina)と豪CBM企業の買収や中国のシェールガススタディなど “天然ガスを中心とした戦略的パートナーシップ”を着々と構築しているように見える。 Shellは提携を基に、非在来型天然ガス資源に限られるものの、容易に開放されない中国陸上ガス鉱区への参入を図った。またカタールとともにPetroChina向けのLNGマーケティングについて優位性を保持している。 PetroChinaはShellとの提携により自国の非在来型天然ガス資源の開発強化、LNGのバリューチェーン展開(LNG上流権益取得から自国受入基地操業まで)が可能となる。また、資産買収時に豪州などの資源国からの2010.9 Vol.44 No.58?塔?刀iFushun)-永②四川のシェールガス共同評価(2009年11月) 2009年11月10日、ShellはPetroChinaと「四川盆地ーョワン(Yongchuan)鉱区頁岩気(シェールガス)共同評価協議」に調印。富順-永川鉱区は四川省西南部、重慶市付近に位置しており面積は約4,000km2。中国のシェールガスについては初歩的な調査が始まったばかりで商業開発の可能性は未知だが、PetroChinaとShellの調査対象エリアは最もポテンシャルの高いエリアとされている。順シ富フ川チョンチョワン中チ③四川タイトサンドガス鉱区開発契約(2010年3月) 2010年3月23日、PetroChinaはShellと四川盆地金秋(Jinqiu)鉱区タイトサンドガス開発におけるPS契約を締結、中国政府に申請した。Shellはプレスリリースにおいて、金秋鉱区の開発を進め、数年以内に天然ガス20億~30億m3/年(193~290MMcfd)を生産する予定としている。 金秋鉱区は四川省成都(Chendu)北東約50kmに位置し、鉱区面積は約4,072km2、旧PSCA川(Chuanzhong)鉱区(面積5,625km2)の一部である。 Shellの金秋鉱区権益取得はイラク・キルクーク油田への応札とパッケージであった模様である。 2009年6月のイラク1次入札においてShell、CNPC、Sinopec、TPAOの4社連合がキルクーク油田開発に応札したが、イラク側との条件が折り合わず、落札には反発を回避あるいは軽減するという利点が見込まれる。(表5)(1)ShellとPetroChinaの主な提携①豪Arrow Energy共同買収(2010年3月) 2010年3月、Arrow Energy(以下、Arrow)経営陣はShellとPetroChinaによる32億ドルの買収提案を受け入れた。買収はShellとPetroChinaが設立する合弁会社CS CSG(Australia)Pty Ltd.が行う。 4月に外国投資審査委員会(FIRB) ならびに競争・消費者委員会(ACCC)の認可が下りた。7月には中国政府(国家発展改革委員会)ならびにArrowの株主が買収を承認した。買収は豪連邦裁判所の承認を経て8月に完了した。 Arrowは豪州最大のCSG*2(CBM)資源保有者で主要資産は豪クインズランド州Bowen・Surat盆地(2P埋蔵量は約3.7Tcf)にある。 Shell は Arrow Energy の豪州 CBM 資産 30%に出資して自社の CBM-LNG 立ち上げを計画してきたが、今後 Arrow Energy の豪州 CBM 全量をShell/Petro ChinaのCurtis LNG(400万t/y×4トレイン)に投入する。Shell/PetroChinaのCurtis LNGは、まだ具体的な計画が公表されていないが、ShellはArrowのCBM資産取得により原料が確保でき、売り先も確保できた(パートナーのPetroChinaがLNGを引き取る)として、プロジェクトの実現性が高まったと自信を深めている。メジャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ表5PetroChina(CNPC)とメジャーズの主な提携ExxonMobilShellオルドス北石楼(PSCA Shilou North)① オルドス:長北鉱区(PSCA Changbei)②四川:金秋鉱区四川:富順-永川(Fushun-Yongchuan GSA)TotalBPトルファン・ハミJSA Shenhuオルドス:南蘇里格(PSCA South Sulige)浙江:台湾精製石化(政府申請中)40万b/d、QPI/Shell遼寧:大連西太平洋(20万b/d)広東:500給油所CBMタイトサンドガスシェールガスサワーガス精製・石化製品販売・SS探鉱開発(非在来型天然ガス)中国国内精製・石化探鉱開発(2009年~現在)豪州 Arrow Energy買収 イラク:ハルファヤ油田(Total,CNPC,Petronas)イラク:ルメイラ油田(CNPC/BP)LNG契約豪Gorgon(ExxonMobil販売分)豪 Gorgon(Shell販売分)、カタールQatargas4(QPI/Shell)国 外出所:JOGMEC9石油・天然ガスレビューAナリシスBurlingtonを買収したConocoPhillipsが2008年に撤退した鉱区で、その後PetroChinaが100%権益を保有していた。川中鉱区では芭蕉場(Bajiaochang)ガス田(埋蔵量<2P>約413bcf)などが発見されている。同ガス田の主な貯留層は下部ジュラ系石灰岩である。川中鉱区ではタイトサンドガス層に4段階の水圧破砕を適用し、天然ガス増産を図った実績がある。生産量は600Mcfdから3.4MMcfdに増加し、多段階水圧破砕のデータを得た。今後の商業開発がまたれるところである。イ(北ペ④長北鉱区チャン ShellとPetroChinaは既にオルドス盆地長Changbei)鉱区においてタイトサンドガス共同開発の実績がある。長北ガス田は1995年発見、確認埋蔵量(2P)は約2.4Tcf、主要貯留層は下部二畳系石英砂岩である。 ShellとPetroChinaが2005年に長北鉱区のPS契約を締結、2008年までに水平井15坑、垂直井2坑を掘削、2009年には31億5,000万m3/年(305MMcfd)を生産している。生産した天然ガスは付近の陝京パイプラインを通じ北京などに供給している。至らなかった。キルクーク油田は1927年に発見されたイラク北部主力油田の一つである。埋蔵量は65億バレル、生産量は36万b/dである。イラク石油省はキルクーク油田を含む1次入札対象5油田についてShellやBPなどのメジャーズと技術支援契約(TSC)締結に向けた交渉を行っていた。結局TSCは締結されず入札に付されたが、Shell等は当該鉱区において有利な立場であった。イラク石油省が応札企業のコンソーシアムを推奨したことを受け、Shellは4月に中国を訪問しCNPC(PetroChina)、Sinopecに共同応札を打診、その際ShellはCNPCにキルクーク油田権益の15%と四川金秋ガス田の資産スワップを提案し、CNPCはShellにキルクーク油田権益の20%を主張したと伝えられる 。[旧PSCA川中鉱区] PSCA川中鉱区は米Enronが1999年に契約し、2003年にBurlington Resourcesがファームインしたが、中国/四川盆地甘粛省甘粛省陜西省陜西省普光(Puguang)ガス田普光(Puguang)ガス田SinopecSinopec竜崗(Longgang)ガス田竜崗(Longgang)ガス田PetroChinaPetroChina湖北省湖北省四川省四川省成都PSCAPSCA金秋(Jinqiu)金秋(Jinqiu)Shell/PetroChinaShell/PetroChina四川盆地PSCAPSCA川東北(Chuangdongbei)川東北(Chuangdongbei)Chevron/PetroChinaChevron/PetroChina羅家(Luojia)ガス田羅家(Luojia)ガス田重慶市重慶市重慶富順?永川JSA(Fushun-Yongchuan)富順?永川JSA(Fushun-Yongchuan)Shell/PetroChinaShell/PetroChina貴州省貴州省鉱区  ガス田  都市雲南省雲南省出所:JOGMEC図5PSCA金秋、富順~永川シェールガススタディ鉱区⑤LNG PetroChina向けのLNGマーケティングについてもShellは先行している。PetroChinaが2008年以降契約したLNG契約4件のうち、3件(計700万t/y)はShellが出資するプロジェクトである。(表6)(2) PetroChinaとShell、ガス事業提携の思惑 ①Shell/PetroChina共通:非在来型天然ガス事業の強化  Shellは金秋鉱区契約のプレスリリースにおい表6PetroChinaが契約したLNG案件プロジェクト購入数量(万t/y)購入開始年カタールQatargas4(QP/Shell)カタールQatargas4(QP/Shell)豪Gorgon(Shell)豪Gorgon(ExxonMobil)出所:CNPC3002002002002011年2010年2014年2014年契約期限2036年2035年2034年2039年現状SPASPASPASPA仕向け先大連江蘇――2010.9 Vol.44 No.510ゥし独力で開発するには知識も経験も不足しており、メジャーズの統合開発力に期待していると思われる。 ・ 資源国との交渉力(CNPCのメジャーズへの期待②) 中国は2005年にCNOOCが米Unocalを買収しようとした際、米議会の激しい反発により断念した経験がトラウマとなっているようだ。 PetroChinaとShellによるArrow買収に絡む外国投資を審査するFIRB(外国投資審査委員会)への対応は、Shellが前面に立って進めた模様である。 2009年は中豪の鉄鉱石交渉、英豪Rio Tintoと中国アルミ(Chinalco)の提携決裂、Rio Tinto中国駐在社員のスパイ疑惑など中国と豪州の間には資源をめぐるトラブルが続き、一時豪州では中国脅威論がわき上がった。 またFIRBの“Guidelines for Foreign Government Investment Proposals”によると、政府系企業(State owned enterprise)や国家ファンドによる投資申請があった際、その投資が豪州の国益を損なわないかという基本的な審査項目に加え、政府からの独立性やビジネススタンダードが問われる規定がある。 中国政府が9割の株式を持つPetroChinaが単独でArrowを買収するよりも、ブランド力のあるShellとの共同買収により、政府色が薄まり、ビジネススタンダードについても好印象を与えると判断したのではないかと思われる。 ・ LNG関連上中流資産へのアクセス(CNPCのメジャーズへの期待③) PetroChinaはArrow買収により豪州CBM-LNG上中流権益へのアクセスを実現する見込みである。PetroChinaがLNG関連の上中流関連資産を取得したのはこれが初めてとなる。 LNG関連の上中流関連資産取得はCNOOCが豪NWS、インドネシア・タングーや豪Curtis LNGにおいて先行して展開している。CNOOCは2003年にこのNWS・タングーのLNG売買契約締結に伴い上中流権益を取得している。NWSについては上流権益5.56%ならびに中国向けLNG(CLNG)権益の25%を取得、タングーについては2004年以降の資産買収も加え、権益13.9%を保有している。また2009年5月には、BGとCurtis LNGの購入について合意した際、上中流権益取得やLNG船の建造などについて合意している。しかしPetroChinaはArrowの買収により中国NOCのなかでは豪州における最大の権益保有者となる見通しである。水シて、「本契約はShellが展開しているグローバルタイトサンドガス戦略の一環であり、CNPCとのクリーンエネルギー開発に係る提携強化を図ることが可能である」と説明している。 PetroChinaは中国国内における非在来型天然ガス資源、特にCBM開発の強化を図ろうとしている。チンュイPetroChinaは2009年に山西省沁(Qinshui)CBMガス田で商業生産を開始した。 2009年の生産量は1億m3/年(10MMcfd)だが、2015年までに約15億ドルを投じ生産量を45億m3(435MMcfd)に増やすことを目指している。 PetroChinaはArrowの豪州CBM資産だけでなく、同社が豪州や中国などで積み上げてきたCBM探鉱開発のノウハウ吸収を目指していると思われる。Arrow後継のDart Energyは中国のCBM開発でPetroChinaに協力すると表明しており、2010年5月に新疆ジュンガル盆地Dajing鉱区(3,968.4km2)でPS契約を締結した。②Shellの思惑:中国の資源・市場へのアクセス ShellのCFO(最高財務責任者) Simon Henry氏は「Shellは中国市場へのエクスポージャーの最大化を図る戦略」と表明している。中国最大の石油・天然ガス企業(パイプライン操業も含む)であるPetroChinaとの提携により、Shellは中国の非在来型天然ガス資源へのアクセスにおいて他のIOCに一歩先んじたと言える。 ・中国の伸びる天然ガス需要(中国の強み④) 中国の天然ガス需要は急速に拡大している。2009年の天然ガス消費量は887億m3(約8.6Bcfd)で、日本の消費量を上回った。需要は今後も大きく伸びる見通しで、2020年には2,500億m3(約24Bcfd)を超えると思われる。 中国はLNGの輸入と中央アジアからのパイプラインによる輸入で不足分を補っており、2009年の輸入比率は5%程度である。中国はPetroChinaが中心となり非在来型天然ガス資源の探鉱強化による供給増加を図ろうしているが、需給ギャップは当面拡大する見通しである。③PetroChinaの思惑 ・ メジャーズの統合開発力(CNPCのメジャーズへの期待①) PetroChinaは、シェールガスなどの非在来型天然ガスについて水平坑井や水圧破砕(フラクチャリング)などの要素技術はShellやTotalと共同で開発しているタイトガス田などで適用した実績があり一定の知見がある。しメジャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ11石油・天然ガスレビュー\7中国国有石油企業が上中流権益を取得したLNGプロジェクトLNG事業名豪北西大陸棚 (NWS)インドネシア Tangguh(タングー)豪Queensland Curtis LNG (CBM-LNG)購入者CNOOCCNOOCCNOOCアナリシス豪Shell/PetroChina Curtis LNG (CBM-LNG)(PetroChina)事業者Woodside、Shell、BHP、BP、Chevron、MIMIBP、MI Berau BV(三菱商事、INPEX)、CNOOC、日石Berau、KG Berau、KG Wiriagar、LNG Japan、Talisman EnergyBGShell、PetroChina液化能力 (万t/y)契約締結契約数量 (万t/y)契約期間輸入開始時期受入基地 (候補)備考750(トレイン1~3) 440(トレイン4) 440(トレイン5)7607401,6002002年(SPA)2002年(SPA)2010年3月(SPA)330(FOB)260(FOB)25年2006年広東・大鵬25年2009年福建36020年2014年(見込み)浙江NWSプロジェクトCLNGのJV権益25%(NWS全体の5.56%)を取得タングーLNGプロジェクトの権益13.9%を取得(資産買収による権益積み増し分を含む)上流CBM権益5%と1期のLNG液化2トレイン権益の10%、BGとLNG船2隻の建造で合意Arrow買収により上流CBM権益50%を取得。液化権益についても取得予定出所:各種資料に基づき筆者作成4.メジャーズとの新たな関係の行方 メジャーズが評価するCNPCの強みは資金力、マンパワーによる機動力・コスト削減力、豊富な活動(操業)経験とリスク許容度が挙げられる。また新規需要創出余力のある石油・天然ガス市場への期待も高い。そして母国中国政府の資源確保行動もCNPCの強みを補完しているかもしれない。中国政府は従来、産油国への金融支援による油ガス資源の安定調達を志向していたが、2008年以降の金融危機の後は、中国国家開発銀行などを通じ、産油・ガス国への融資と油ガス売買契約を組み合わせた“Loan for Oil”を実施するなど直接的な資源確保行動に出ている。中国の持続的な経済発展に不可欠な石油の安定供給を求める同国政府と、企業規模拡大を志向する国有石油企業の思惑が重なり、国有石油企業の国際展開の勢いは衰えることを知らない。 CNPCは国内外でオペレーターとして多くの操業経験があるとはいえ、国際展開や国内非在来型天然ガス資源の開発についてはメジャーズのブランド力(統合開発能力、産油国との交渉力)を利用し、事業規模拡大を図ろうとしている。 CNPCとメジャーズにおける対等のパートナーという新たな関係は、今後も安定的に推移するのであろうか。両者は基本的に埋蔵量へのアクセスをめぐる“ライバル”である。CNPCはメジャーズとの提携によって力を付け、メジャーズの牙城であるLNGや非在来型天然資源の開発などについても彼ら抜きで産油ガス国と直接交渉する日が来るのであろうか。 非在来型資源の統合開発力を持つメジャーズ、市場とマンパワーの中国国有石油企業、それに資源の産油国国営石油企業を加えた新たな関係が今後どのように展開していくのか、引き続き注視していきたい。2010.9 Vol.44 No.512<Wャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ 参考:メジャーズと中国国有石油企業の提携の変遷(1) 「改革・開放」後(1980~1990年代) メジャーズの資金・技術を導入し、国内探鉱開発を進める中国 メジャーズは1980年代から1990年代にかけて中国海洋や西部陸上(新疆ウイグル自治区タリム盆地など)の探鉱開発事業に進出した。1993年から1995年にかけてタリム盆地などで国際入札が行われ、Agip、Exxon、BP、Texaco、Elfなどのメジャーズや日本の石油企業が探鉱を行ったが、いずれの鉱区も商業生産には至らなかった。2002年7月にはPetroChinaとShell、ExxonMobil、Gazpromが西気東輸プロジェクト(新疆タリム盆地の天然ガス開発、パイプライン建設ならびにマーケティング等)についてJoint Venture Framework Agreementを締結したが、その後投資収益率等をめぐり2004年に交渉は決裂、PetroChinaは単独でパイプラインを建設した*3。 沖合については、1990年代に進出したShell(南シナ海西シー江チャン油ガス田)、BP*4(南シナ海崖ヤー城チェンガス田)、Chevron(渤海秦しん皇のう島とう油田他)が商業量の油ガス田を発見し、現在も生産中である。(2)WTO加盟(2001年)後 国有石油企業のIPO支援によりメジャーズとの主に下流の提携を進める中国 また、中国はWTO加盟(2001年12月)により下流分野(精製・製品販売事業)を段階的に開放した。メジャーズは国有石油企業各社と石油製品販売事業における提携を進めた。特にExxonMobil、Shell、BPの3社は 2000年から2001年にかけて中国国有石油企業3社(CNPC、Sinopec、CNOOC)が米国や香港で新規株式公開(IPO)を行う際、これら3社の株式を購入(メジャーズは2004年に株式をすべて売却)し、“戦略パートナー”として沿海の主要な消費地において共同出資の給油所各500カ所を展開する権利を得た。 ExxonMobilはSinopecと広東および福建で共同出資の給油所各500カ所を展開した。また、ExxonMobilはSinopec、Saudi Aramcoと共同で福建(泉州煉化)における製油所の処理能力増強(8万b/d →24万b/d)と石化事業(80万トン/年のエチレンプラント他)を進めている。 ShellはSinopecと江蘇省で共同出資の給油所500カ所を展開し、CNOOCとは広東(恵州)で石化事業(80万トン/年のエチレンプラント他、2006年1月稼働)を展開している。 BPはSinopecと浙江省、広東省で共同出資の給油所各500カ所を展開し、また上海(漕そう涇けい)で石化事業(90万トン/年のエチレンプラント他)を展開している。 国有石油企業3社のIPO時に株式を購入しなかったTotalはSinochemと華北、遼寧などで共同出資の石油製品販売会社を設立している。日本企業では出光興産がSinopec傘下の中国聯れん合ごう石油公司(Unipec)と大連市で共同出資の給油所を数カ所展開している。 ちなみに、石化事業には旭化成、三井化学、三菱化学、出光興産など多数の日本企業が進出しており、2009年4月には三菱化学や三井化学がSinopecとの提携を発表した。日系の自動車・家電メーカーが生産設備を中国に移転したことに伴い、家電の枠組みなどの原料になる基礎化学品のビスフェノールAや自動車のバンパーなどに使われる合成樹脂などの現地需要が高まっている(「中国の石油産業と石油化学工業」東西貿易通信社より)。 メジャーズの統合開発力により非在来型天然ガス資源開発を加速するCNPC メジャーズは2000年前後にタイトサンドガス、サワーガス、CBMなどの非在来型石油・天然ガス資源に関する探鉱開発契約を複数締結した。ShellとTotalはオルドス盆地でタイトサンドガスの探鉱開発契約(PS鉱区)を締結した。Shellのオルドス盆地長北鉱区の天然ガスは2007年に商業生産を開始、2008年には30億m3/年(290MMcfd)のガスを陝京パイプラインを通じ、北京、山東、河北、天津等に供給している。Totalは南蘇ス里リ格グガス田開発について2010年1月に共同開発計画をCNPCに提出した。 中国企業の積極的な国際展開でメジャーズとの第3国における提携進展 近年、中国国有石油企業とメジャーズとの第3国における提携も進んでいる。国有石油企業3社は国内石油産業から得られる安定的な事業収入を使い、積極的な国際展開を行っている他、資産買収の過程で国有石油企業が西アフリカ13石油・天然ガスレビューAナリシス深海の大油田などメジャーズ鉱区に参入している。CNPCはメジャーズ鉱区ではなく、複数の鉱区でオペレーターシップを取るなど豊富な操業経験を有している。トルクメニスタンでは資金、技術、市場を総動員し、外資として唯一天然ガスの開発契約(PS契約)を締結している。メジャーズの中国国有石油企業株式保有とその後の主な提携2000年4月10月2001年2月4月8月12月2002年3月株式株式株式株式株式株式株式下流上流上流7月上流~下流10月11月2003年8月2004年1月2月3月4月5月8月2005年12月2006年1月2007年12月株式下流上流株式株式株式下流中流下流下流下流上流下流上流上流下流上流PetroChina、ニューヨーク・香港株式市場上場:株式の約10%を公開BP、PetroChina株式の2%(公開株式の10%)を6.2億ドルで購入Sinopec Corp.、ニューヨーク・香港株式市場上場:株式の約15%を公開BP、Sinopec Corp.株式の2.1%(公開株式の10%)を約3.85億ドルで購入ExxonMobil、Sinopec Corp.株式の3.65%(公開株式の26%)を10億ドルで購入Shell、Sinopec Corp.株式の2.27%(公開株式の12%)を4.3億ドルで購入CNOOC Ltd.ニューヨーク・香港株式市場上場:株式の約27.5%を公開(BP・Shellが、CNOOC Ltd.株式を約2億ドルで購入した模様。詳細不明)BPとPetroChina、広東に石油製品小売り合弁会社を設立ShellとCNOOC Ltd.、渤海で石油共同スタディ契約締結中国、WTO加盟ShellとCNOOC Ltd.、渤海で石油探鉱開発契約締結PetroChinaとShell、ExxonMobil、Gazpromは西気東輸プロジェクト枠組み合意書を締結(その後、交渉決裂)Sinopec Corp.はExxonMobil、Saudi Aramcoと福建石油精製・石油化学コンプレックス建設プロジェクトおよび福建省での石油製品販売合弁企業設立に係る包括契約締結ShellとCNOOC Ltd.、広東で計画しているエチレンコンプレックスなど石化プロジェクトについて最終合意ShellとUnocal、CNOOC Ltd.、Sinopec Corp.と東シナ海で探鉱開発契約締結BP、PetroChina株式(2%)を約16.5億ドルで売却BP、Sinopec Corp.株式(2.1%)を約7.2億ドルで売却Shell、Sinopec Corp.株式(2.27%)を約7.42億ドルで売却Sinopec Corp.とExxonMobil、Saudi Aramcoに福建の小売り市場への参入を認めることで最終合意。福建石油精製・石油化学コンプレックス建設プロジェクトについても契約締結。3社は福建省に500カ所のサービスステーション事業を展開する合弁企業を設立する。CNOOC Ltd.とBP、広東LNGプロジェクトの協力契約に調印Sinopec Corp.とShellと江蘇省で石油製品小売販売事業と500カ所のサービスステーションを展開する合弁企業設立で合意、調印。出資比率はSinopec60%、Shell40%。PetroChinaとBP、広東省で石油製品小売販売事業と500カ所のサービスステーションを展開する合弁企業設立で合意、調印。出資比率はPetroChina51%、BP49%Sinopec Corp.とBP、浙江省で石油製品小売り販売事業と500カ所のサービスステーションを展開する合弁企業設立で合意、調印。出資比率はSinopec60%、BP40%Sinopec Corp.、資産買収によりBPがオペレーターを務めるアンゴラ深海油田(Block18)開発に参入石油製品販売事業自由化ShellとCUCBM、オルドス盆地北石楼鉱区でCBM探鉱開発契約締結CNOOC Ltd.、資産買収によりTotalがオペレーターを務めるナイジェリア深海Akpoコンデンセートガス田開発に参入石油製品卸売り事業自由化ChevronとPetroChina、四川川東北鉱区でサワーガス開発に係るPS契約締結出所:各種資料に基づき筆者作成2010.9 Vol.44 No.514<Wャーズと中国CNPCの新たなパートナーシップ【参考文献】1.China Deals Reflect Strengths, Weaknesses (Petroleum Intelligence Weekly June21,2010)2.イラク:大産油国(生産能力1,000万b/d超)への道を歩み始めた(?)イラク (2009年12月石油天然ガス資源情報)3.イラク:石油開発の現状と開発事業におけるリスクの考察 (2010年7月石油天然ガス資源情報)4.イラク石油開発の最近の動向 (2010年5月 JOGMECブリーフィング)5.本格的な石油開発に向け動き出したイラク ~ 1次入札までの総括と今後の見通し ~ (2009年9月石油天然ガスレビュー)6.豪州:石油ガス資源税制がPRRTに一本化 → CBM-LNG事業化が進展するか? (2010年7月)7.Chevron事業から見るアジア太平洋ガス開発 (2010年6月)8.中国:メジャーズの中国国有石油企業への接近 (2009年5月石油天然ガス資源情報)9. 中国:国有石油企業3社の石油・天然ガス投資 (2010年3月石油天然ガス資源情報)10. 中国:PetroChina とShellの蜜月 (2010年4月石油天然ガス資源情報)11. 中国:イランとの原油・石油貿易ならびに上流投資 (2010年5月石油天然ガス資源情報)12. BP統計、IEA WEO2009、China OGP13. 中国石油企業ハンドブック、2010年2月北京亜能経環信息諮問有限公司14. CNPC、CNOOC、Sinopecウェブサイトならびに年報<注・解説>*1: The Society of Petroleum Engineers、世界177カ国に会員7万9,000人を擁する。本部・アメリカ*2: 豪州では炭層ガス(一般的にCBM<coal bed methane>)をCSG(CoalSeam Gas)と呼ぶ。*3: 「中国:PetroChina 、外資抜きで「西気東輸」ガスパイプラインを完成」石油天然ガス資源情報(2006年1月)。*4:Amoco買収による。執筆者紹介竹原 美佳(たけはら みか)東京都出身平成5年4月:石油公団(当時)入団  9年4月~13年1月:石油公団中国室  13~16年2月:石油公団企画調査部(中国担当)  16年3月~現在:現職(中国ならびに中央・西アフリカ担当)最近の楽しみは週末に娘と散歩がてら近所の図書館に行くことです。中国のエネルギー事情について、より広い視野に立った分析が行えるようになりたいと思います。15石油・天然ガスレビュー
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2010/09/17 [ 2010年09月号 ] 竹原 美佳
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