ページ番号1006478 更新日 平成30年3月5日

ロシアと中国―エネルギー資源での関係―

レポート属性
レポートID 1006478
作成日 2012-07-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 天然ガス・LNG基礎情報
著者
著者直接入力 酒井 明司
年度 2012
Vol 46
No 4
ページ数
抽出データ 三菱商事株式会社 天然ガス事業第2本部新規プロジェクト開発ユニット シニアアドバイザー酒井 明司ロシアと中国―エネルギー資源での関係―はじめに ロシアが東に向かって動き出した、という論調が増えているようだ。伝統的にロシアの主力輸出商品である原油と天然ガス(以下、本稿ではガス)が、過去10年余の間にアジア方面にも初めて出てきたのだから、確かにその雰囲気は醸されてはいる。本当にロシアそのものの重心が東に移動し始めたのかと問えば、さすがにまだそこまでは、であっても、世界最大の人口を擁し、世界最速の経済成長下にあるアジアの隣国・中国に対して、ロシアがさまざまな意味で関心を持つ、と述べれば、これは間違いなく正解だろう。 そして、ロシアが世界最大のエネルギー資源の輸出国であり、中国が近い将来に世界最大のその輸入国になるであろうことを考えれば、両国がエネルギー資源の取引を通じて経済的なつながりを深めても、なんの不思議もないはずなのだ。 だが、現実には―― 少なくともこれまでは ――その取引関係が順調に伸びていると言うにはいささか躊される。それは何故なのだろうか。本稿ではその理由も含めて、二つの大国のエネルギー資源(石油、ガス、石炭、電力)での関係を見ていくことにしたい。躇ちちゅうょ1. エネルギー資源の輸出―ロシアの必要性 「2030年までのロシア連邦共和国のエネルギー戦略」*1(以下「戦略」)に現れるロシアのエネルギー政策の重点は、国内的な諸課題(国内供給の確保、エネルギー消費効率向上、環境問題対応、国家財政への寄与)とそれに続くエネルギー資源の輸出に置かれている。だが、この順番で後に回されてはいても、ロシア経済全体の実態を見れば、エネルギー資源の輸出が経済の屋台骨である国家財政を支えていることに疑いは挟めない。 2012年5月に再度ロシアの大統領に就任したプーチンが、その選挙前にロシアの日刊紙に2012年に入ってから発表したいわば自らの政治綱領のなかで、エネルギー資源に触れている部分は少ない。あえて挙げれば、その輸出への依存からなんとか早く脱却すべし、と訴えりである*2。これは以前から唱えられていた彼ている条の主張点で、目指すは工業製品での輸出立国なのだ。 しかし、現状ではロシアのGDPの1/4をエネルギー産業が占めている点も、彼はその“綱領”で認めざるを得なかった。まだしばらくは、その輸出に頼らなければならない。他に目ぼしい輸出品(できることならハイテクくだ製品)が育つまでは、それがロシアの置かれた現実なのだ。 そのエネルギー資源輸出の大半は、これまで欧州方面に向かっている。ところが、欧州の経済成長とエネルギー消費の伸びが、1990年代後半から世界の他地域、特にアジアのそれに比べて見劣りするようになってきた。これに気がついて、より成長性の高い市場を求めるならば原油とガスの輸出先の多様化は早晩避けられない、とする見方は、その当時に既に生まれている。 とはいえ、それはまだ統計数値や経済書を眺めた上での議論や理論値に過ぎなかった。いくら気張っても、輸送インフラが整っていなければ、そして、それを建設する資金がなければ、なのである。その実現に向かっての動きは、第1次プーチン政権(2000~2008年)の下で東シベリア・極東開発案推進策が始まるまで待たねばならなかった。そして、この広大な地域開発案の牽引役が、結局はエネルギー資源の開発と輸送・輸出の他に見当たらなかったことから、アジア太平洋地域へのその進出は、輸出利益を求めること自体が目的というよりも、国の開けん1石油・天然ガスレビューアナリシスュ政策の手段としての位置付けに近い性格のものになっていった。 エネルギー資源のアジア太平洋地域向けの輸出は旧ソ連時代から行われてきたが、石炭と石油製品が中心で、あおその規模も1990年代前半にはソ連崩壊の煽りを受けて数億ドルに縮小していた。欧州向け輸出の主力である原油とガスが東にも出てきて、初めて本格的な資源輸出ということになる。それが実現し始めたのは1990年代の末からで、サハリンに投資した外資によるものだった。 アジア太平洋地域に向けた輸出に登場するロシアの主要プレーヤーは、石炭の生産企業、それを輸送するRZhD(ロシア鉄道)、極東の輸出港、これらに続く外資やRosneftをはじめとするロシアの石油企業、原油の輸送を受け持つTransneft、ガスの生産と輸送のGazpromということになる*3。彼らによって東に向かう主要エネルギー資源の概況を、簡単に見ておこう。財務省の堅実な財政政策により予備基金と国民福祉基金という国の貯蓄の主要源泉になってきた*7。2008年秋からのリーマンショックに対処するためのそれらの取り崩しは、2009年、2010年と続いた赤字財政下でも政府が大きな借入を行わずに済むことを可能にした。その点で、確かに石油生産はロシアの財政を支えていると言えるだろう。 だが、東シベリア・極東での原油生産と輸出では、自然環境の厳しさやインフラの建設などで相当なコストがかかってくる。税額を決める原油価格は、その上昇幅が大きい場合には企業負担の累進性が急激なものとなって限界手取り額が極端に減ってしまう。そうなると石油企業側では、膨大なコストを覚悟してまで東シベリア・極東で開発を進めるインセンティブが失われてしまう。したがって、常に税収財源を求めてやまない財務省がこの問題にどう対処するか、が決め手になってくる。(1)原 油 ロシアの原油生産(2011年5億900万トン*4)は、その大部分が西シベリアに集中している。2011年の原油輸出量2億1,910万トン*5(生産量の43%、ロシア全体の輸出金額の36%)は、その80%ほどが欧州をはじめとするアジア以外の地域向けとなっている。 「戦略」は2009年11月時点でのロシア政府の将来予測を掲載しており、それによれば原油の生産量と輸出量は2020~2022年でそれぞれ5億500万~5億2,500万トン、2億4,000万~2億5,200万トン、2030年で5億3,000万~5億3,500万トン、2億2,200万~2億4,800万トンとなっている。したがって、今後20年で現在の数値は大きくは変化しない(国内での石油製品需要の急増はない*6)と判断されていることになる。 ロシアは埋蔵量を国家機密としているため正確な数値は得られないが、東シベリア・極東の原油埋蔵量が西シベリアのそれに匹敵するとは考えられていない。だが、それでも2008年で原油生産全体の3%に過ぎなかった東シベリア・極東の割合は、「戦略」では2030年までに18~19%に増加するものと期待されている。 そのなかで輸出のアジア太平洋に向かう比率も、原油・石油製品輸出全体に対しての2008年実績値8%から22~25%に増加すると予測されている。この予測を実現するには、石油企業の生産と輸出に対する税(資源採取税・輸出税)の軽減が必要とされよう。 原油の生産や石油製品を含めた輸出が政府に支払う税は、2004年来の石油企業への課税政策でその額が国際原油価格に連動(リンク)するよう決められ、その税収は(2)ガ ス ロシアの2010年末でのガス埋蔵量44兆8,000億m3は世界の24%を占め*8、最近の生産量(2011年6,705億m3*9)では米国に追い抜かれているとはいえ、その輸出量(2011年1,969億m3*10)では相変わらず世界のトップを維持している。生産の大部分が北辺のヤマロ―ネネツク自治区に集中しており、ここから長大な基幹パイプライン網で欧露地域、ウラル、それに欧州やCIS諸国へとガスが送られている。 「戦略」では、2022年の東シベリア・極東でのガスの年産を910億~1,220億m3、2030年のそれを1,400億~1,520億m3と想定し、極東からの輸出は2030年でパイプライン・LNGを合わせ660億~740億m3と見込んでいる。だが、東シベリアと極東で原始埋蔵量は60兆m3以上と言われても、確認埋蔵量では4兆m3強で*11ロシア全体の1割にも満たず、ガスの生産でロシアがその重心を東部に移すという事態が到来するとは予見されない。 アジア太平洋地域への輸出は、初期段階の話から生産開始まで足掛け20年の歳月を費やしたサハリン-2(埋蔵量6,000億m3超、年産150億m3)からのLNG輸出で始められた。東シベリア・極東のガス田開発で輸出に結び付いているのは、これまでのところこのサハリン-2のみとなっている。そして、同じLNGであれパイプライン経由であれ、それに続く輸出案件の実現にも相当な時間がかかっている。それは、①東シベリア・極東の地域開発とそのなかでのガス田開発、②ガスの販売先と経路の選択(パイプラインかLNGか)、③中央アジアのガ22012.7 Vol.46 No.4アナリシスXと中国へのそれぞれの政策、といった大きな課題を連立方程式として立て、これら全てで同時にロシアにとって最善となる解を導かなければならないからである。 ガス田の開発や輸送の背景全般については、本誌石油・天然ガスレビュー」*12で述べさせて頂いているので本稿では繰り返さない。どれだけの投資を必要とするのか、政府の補助金政策のあり方、輸出先の選定、生産ガスに含まれるヘリウムなどの希少資源の取り扱いはどうなるのか、などの諸問題の行方が上述の解によって左右されることになる。(3)石 炭 2011年のロシアの石炭産出量は3億3,400万トン、その33%にあたる1億1,100万トンが輸出されている。生産の過半を西シベリアが占め、欧露地域での生産が減少する半面、東シベリア・極東での生産が増加している。この傾向にも支えられ、輸出の1/3以上が極東の港湾経由となる*13。 2012年1月に政府は「2030年までのロシアの石炭工業発展長期プログラム*14」を承認した。それによれば、2030年での生産目標は4億3,000万トン、それまでの間に非効率な炭田3億7,500万トンの生産を停止し、新たに5億500万トンの開発・生産を行うとしている。また、東シベリアの生産シェアは現在の25.8%から32%へ、同じく極東のそれは9.7%から15.2%へ拡大すると予想している。だが、ロシアの石炭産業が抱えるこれまでの問あい路(ボト題が、輸送距離が長いこと、その輸送手段が隘ルネック)になって生産や輸出を簡単には増やせない点にあることにも留意しておかなければならない。 ロシアの石炭産業はほぼ民営化されている。そして、ガスや石油の分野に比べれば、分野全体や企業の規模は小さい。2011年で石炭産業の企業全体での利益総額は1,200億ルーブルを超えるが、GazpromやRosneftは1社でそれぞれ1兆3,070億ルーブル(IFRS)、2,368億ルーブル(RAS)である。2. エネルギー資源の輸入―中国の必要性 中国のエネルギー消費は1990年からの20年間で3倍以上、2000年から10年間では2倍以上に増え、2009年に世界最大のエネルギー消費国となった(同年で21億8,700万toe*15)。 この急速なエネルギー需要の増加で、国産の原油やガスでは全てを賄いきれなくなっており、1996年に原油で、2008年にはガスでの純輸入国に転じた。石炭ですら、世界最大の生産国でありながら、原料炭の不足や内外価格差に起因して2009年に純輸入国となった。 消費の世界No.1は、それが輸入への依存を伴う限り、安全保障の観点から中国政府にとって喜べる話ではない。ここから、経済成長を阻害せずに、どう化石燃料の消費をうまく制御するか、が政府(首相を筆頭とする国家能源委員会)の重要施策となり、経済拡大で張り合う各省にエネルギー需要の伸びを抑制させるという課題が生まれる。 2011年3月に発表された第12次5カ年計画綱要は、計画最終年度での1次エネルギー需要想定値を公表しなかった。だが、この綱要は計画期間中の年平均経済成長率7%を前提に、2010年比で省エネ(対GDP)16%達成、二酸化炭素(CO2)排出17%削減を義務付け項目として明記し、この指標をベースに地方政府をなんとか押さえ込もうとの方針が見て取れる。 それが効を奏するか否かはなんとも言えない。経済成長を過熱させても、逆に抑制しても、インフレや不況で影響を被る人々の数が他国に比べて桁が違うから、どのような社会不安に結び付いて行くか簡単に予想ができない。そうなると目標値達成を無理にでも強いるというやり方は採れないから、2015年時点でどれだけエネルギー資源の消費量が増えているのかを予想することも難事である。 中国の各エネルギー資源での概況は以下のとおりである。(1)石 油 原油輸入は1993年の1,800万トンに始まり、2011年の2億5,300万トンへと増加し*16、輸入依存度は既に60%に近づいている(米国は50%を切っている)。国内の原油生産量は2010年に2億300万トン(世界第5位)に達したが*17、政府は2015年までは年間生産量である2億トン水準の維持を目標としており、原油の国内生産がその水準で頭打ちになるならば、需要の増分がそのま3石油・天然ガスレビューロシアと中国 -エネルギー資源での関係-ワ輸入の増分となってくる。その結果、今後4~5年で現在の輸入量に7,000万~1億トンが上積みされる可能性がある。 2011年での原油の輸入先は、サウジアラビアが最大の20%で、以下アンゴラ、イラン、ロシア、オマーンと続き、これら上位5カ国で輸入全体の6割近くを占めている。主な輸入先が中東とアフリカである限り(輸入全体の3/4)、2012年に入ってからのスーダンの政情不安や、核開発問題に絡むイランへの国際制裁(原油不買措置)といったカントリーリスク問題、それに、中国のタンカーがマラッカ海峡を通過しなければならないという、シーレーン上の安全保障問題も避けて通れない。世界での上流鉱区権益買収により自前の資源を獲得する道が選ばれているものの*18、その買収先が中東・アフリカである限り問題の解決にはならなくなる。 こうした状況に置かれるならば、ロシアからの原油輸入も考えざるを得なくなる。ロシアが難しい相手であっても、今の中国にとってロシア原油はないよりあったほうがよい存在と言えよう。だ(2)ガ ス 2010年での生産量は968億m3(CNPC/730億m3、Sinopec/CNOOCでそれぞれ60億~130億m3ほど)で、世界第7位にランクされた。需要面では1990年の150億m3前後から2009年に日本を抜きアジア最大のガス需要国になり、2010年で1,060億m3へと増加している。 需要構成は発電用が14%(128億m3、2009年)*19で、この数値が30%(1,050億m3、2010年)*20を占めるロシアとは大きな差がある。ロシアでは発電全体の約半分をガス焚き火力が占めるが、中国ではこれが僅か1.4%(2009年)*21にとどまっている。その最大の理由は、中国の火力発電での圧倒的な石炭の地位にある。2009年で発電総量の8割弱は石炭焚き火力によっている。国内の石炭価格が上昇していても、熱源としてのガスの導入に必要な設備投資や今後の国内ガス価格の上昇(内外価格差解消)を考えれば、コスト面でガスは石炭に勝てない。これが理由で、2009年でのガス焚き発電所の稼働率は25%程度にまで落ちていた*22。 この状況を政府がなんとか打開して、ガスの1次エネルギーに占める割合を現在の4%から8%へ増やすならば、2015年で需要が2,500億m3を超える可能性もある*23。さらに5年後の2020年での需要見通しでCNPCは約4,000億m3という数値を発表している*24。また、2030年時点でのガス需要となると、IEA(国際エネルギー機関)が温暖化ガス排出量削減への期待値を込めてか、4,350億m3と予測し、現在より3,000億m3以上増加すると見ている*25。 国内での生産量の見通しでは、IEAが2030年で2,520億m3と予想している。最近になり浮上している非在来型ガス(CBM、シェールガス)の生産が寄与すれば、この数値は上方修正されることになるだろう。 こうした国内の需要・生産の状況や予想を勘案すると、電力でのガス焚きの進み具合(国内インフレをどこまで許容できるか、CO2排出での国際世論の圧力がどれだけ強まるか、企業・国民の購買力がどれだけ高まるか)と、シェールガス等非在来型を含む国産ガスの生産量の見通しの二つの要素にガスの輸入量予測も依存することになる。現在は豪州、中東、それにインドネシアからのLNG*26とトルクメニスタンからのパイプラインガス*27の2方面からの輸入を行っている。ミャンマーからのパイプライン*28が完成すればこれにもう1方向が加わる。 仮に2015年で需要が2,500 億m3となるならば、必要輸入量は2010年の約130億m3から1,000億m3に近い数値へ、そして、2030年では1,800億~2,000億m3になる。だが、この数値の確度はあまり高いとも言えない。そのために、全体の構図のなかで検討されるロシアからのガス輸入の可能性にも、容易に見通せない部分が残ってしまう。IEAもその最新の世界のガス市場の中期見通しのなかで、ロシアから中国へのガスの輸出が行われるとしても2017年以降、と予測している。(3)石 炭 中国は年産30億トンを超える世界最大の産炭国であり、その消費の半分以上が電力に向けられている。需要面では、政府の石炭消費増加抑制の方針にもかかわらず、2015年で39億トンに抑え込めるかどうかが鍵である*29。 生産が世界最大でも、2006年に始まった石炭の価格自由化の下で、一般炭の価格が海外価格を上回るケースも生じ、また急速に増加する鉄鋼生産に必要とされる原料炭の不足も加わり、その輸入量は2011年に1億8,240万トンに達した。 産炭量の半分は電力向けで消費され、2008年に65億トンになったCO2の排出量は米国を追い抜き世界一になってしまった。だが、設置能力で6億4,500万kW(2009年)の石炭焚き発電所は、急速にガス焚きに転換していくにはあまりにその規模が大きい。転換に要する技術的・コストの問題だけではなく、ガス焚きに伴う発電コストの上昇がインフレに結び付く問題も抱える。さらに海外から通貨切り上げを迫られているなかでは、コスト上昇は国内製造業の対外競争力にも悪影響を及ぼす。42012.7 Vol.46 No.4アナリシス@したがって中国政府は、電力燃料での石炭の比重を今後下げていくとしつつも、ヨーロッパ諸国が強く要求する大幅かつ早急なCO2排出量の削減要求には断固抵抗せざるを得ないわけである。3. 露中エネルギー資源の潜在性と現実 ロシアの輸出可能性と中国の需要を組み合わせ、両国が国境を接する隣国同士であることを考えるならば、相互間で大規模な取引が行われていてもおかしくはない。 だが、露中間のエネルギー資源の輸出入は、その潜在可能性に比べれば実際の数値は表*30のとおり、「高い相互依存」などと言えるものではない。2011年10月に出されたストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の報告書*31も、エネルギー関係について、「見た目には最良のパートナー同士にもかかわらず、うまくいっていない」とコメントしている。 ロシアから中国への原油輸出を例に取れば、2003年で中国の輸入に占める割合は8%ほどで、1,000万トンを超えた2005年には10%に上昇したが、2011年には7%台に下がっている*32。その間輸出量は増加しているのだが、中国の輸入増加の速度に追い付いていない。 以下に、各エネルギー資源での両国間の諸相を取り上げる。(1) ロシアの中国向け原油輸出とVSTO(東シベリア-太平洋原油パイプライン) ソ連の時代にも、またその崩壊後の1990年代前半でも、シベリア原油を太平洋岸まで持って行こうという案は構想として何度も出てきたが、いずれも資金問題で日の目を見ることはなかった。東に向かってのまともな話は、ロシア第2位の石油企業にのし上がってきたYukosによる対中原油輸出構想(1999年)が最初である。 この構想は、アンガルスク~ウランバートル~北京間2,400kmを結ぶパイプライン(輸送能力3,000万トン/年)ふを敷設しようするものだった。路線計画は後にアンガルスク~大慶に変更されている。そして、この案と並行してYukosはまず鉄道で1999年から原油の輸出をスタートさせる。だが、2003年にYukos事件*34が発生し、同社とその総帥のホドルコフスキーが石油業界から姿を消したことで、そのパイプラインによる対中原油輸出案も葬られた。中国にとっては、それまで4~5年もかけて話し合ってきた話が消えてしまったことになる。 代わって、Yukosの対中輸出案に対抗して出されたTransneftによるパイプライン建設計画(アンガルスク~ナホトカまたはヴァニノ、3,765km)が、中国向けの支線建設を織り込んだ形で登場する。だが、この案も環境問題をはじめとするさまざまな課題が計画途上で噴出した*35。始点をタイシェット、終点を太平洋岸のコジミノ、それらの中間点をスコヴォロジノ(第1期工事2,694kmの東端)として、政府から最終建設許可をなんとか得て着工したのは、Yukos事件から2年以上後の2006年になってからだった(この事業はVSTO=東シベリア-太平洋パイプラインと命名される)。 その間中国にとっては、パイプラインでのロシアからの原油輸入見通しがどうにも立てにくいことから、鉄道での本格的な輸入に話を切り替えた。2004年末にRosneft(Yukosが鉄道で行っていた対中原油輸出を2005年から担う)が旧Yukos資産の買収で多額の資金表ロシアから中国へのエネルギー資源輸出(2011年)ロシアの輸出に占める割合中国の輸入に占める割合原油*33石炭LNG2131.9万トン763.4万トン25.6万トン9.7%6.9%2.4%7.3%5.3%2.1%出所:各種資料より著者作成5石油・天然ガスレビューロシアと中国 -エネルギー資源での関係-STOVSTOVSTOVSTO出所:http://images.search.yahoo.com/search/images?_adv_prop=image&fr=yfp-t-701&va図1VSTO(東シベリア-太平洋原油パイプライン)6処どめてつを踏まぬために、太平洋岸への輸送・輸出の目い、という原則にロシア側は縛られていた。パイプラインでの買い手独占となるケースでは、2000年前後にGazpromがトルコ向けに進めたガスパイプライン(ブルーストリーム)建設・稼働で苦い経験を味わっている*37。この轍が立つまでは、中国向けの原油輸出計画に結論を出すわけにはいかなかった。 さまざまな経緯を経て、2009年2月にVSTOの支線(輸送能力1,500万トン/年、スコヴォロジノから露中国境までの72kmと国境から大慶までの中国内927km)の建設に関する3社契約(ロシア側はTransneftとRosneftで、両社がそれぞれ中国への原油の売り手、中国側はCNPC子会社のChina Oil)が締結され、国境を挟んで双方でのパイプラインの建設が開始された。 また、この契約と同時に中国開発銀行からRosneftへ150億ドル、Transneftへ100億ドルの融資が供与されている。2011年から2030年までの20年間にわたる累計3億トンに上る対中原油輸出の見返りで、2004年末の取引に続く大型融資契約である。原油の売買価格は諸を必要とした機を捉え、2010年までの5年間にわたる4,840万トンの原油引き取り契約(鉄道輸送での年平均1,000万トン弱)を結び、その代金の前払いの形でCNPCがRosneftへ60億ドルの融資を行った。 これがロシアと中国の原油をめぐる大型取引の始まりである。これによって、中国は陸路でRosneft以外のロシア企業からの買い付けも含めて、ともかくも年間最大1,500万トンの原油輸入を確保した。こうした取引に中国があえて踏み切ったことは、当時、発足後1年の胡錦濤政権が、増大する国内原油需要への対応をかなり深刻に考えていたことを示しているだろう。 VSTOのほうでは、第1期工事が着工されてもロシア側が対中原油輸出の実施時期を明確にしなかった。その状態は2008年10月の両国間による対中支線建設の合意まで続く。一つには、実際に原油を約束する量だけきちんと輸出できるのかどうかについて、恐らくロシア政府にまだ自信がなかったからだろう*36。 さらに、対中輸出は行うものの、そのパイプラインは必ず中国の手前で別の出口も持っていなければならな2012.7 Vol.46 No.4アナリシスケの数値から見ると契約上57~60ドル/バレルほどとなっており、国際価格に比べればかなり安い。だが、ロシアの2社が中国から借りた資金の返済や金利の支払い分との相殺などの操作がどう行われているのか不明だから、実際に合意した価格の算定式も外部には分からない。 VSTOの第1期(タイシェット~スコヴォロジノ)は2009年12月に操業を開始し、鉄道輸送への積み替えによってシベリアの原油が初めて太平洋岸から年間1,500万トンの予定で船積みされ始めた。これに続いてスコヴォロジノからの対中支線は2010年9月に完成し(中国は2年足らずで900km以上の自国内のパイプラインを建設してしまう)、2011年1月から中国へのやはり年間1,500万トンの原油供給が始まった。Yukosが対中輸出案を持ち出してから12年の歳月を経ている。 ところが、パイプラインの運開早々に問題が持ち上がってしまった。2011年3月にロシアのメディアが初めて報じた*38この問題とは、おおよそ以下のようなものだったようだ。 a. 原油代金は毎月分を翌月末までに支払うことになっているが、一月分(130万トン)の代金で、中国側は契約書規定の額から7%分を差し引いて支払ってきた。代金は原油価格部分と原油のロシア領内輸送タリフから成っており、中国側の未払いはこの輸送タリフ分で発生した。 b. ロシア側の説明によれば、この輸送費にはVSTOの起点にあたるタイシェットから太平洋岸のコジミノまでの輸送タリフが適用されており、売買契約締結の際に中国側にも説明済みという。しかし、中国側は、実際の輸送距離がコジミノまでに比べはるかに短いスコヴォロジノ向けにそのようなタリフを適用するとは受け入れ難い、と反論する(彼らの計算ではその差額が売買代金の7%にあたる)。 なぜ距離の異なるタイシェット~コジミノとタイシェット~スコヴォロジノの輸送費が同じなのか。ロシア政府は考えあぐねた末にこのように決めたのだが、その理由は、西シベリアからの原油がVSTOへ投入されることもあてにする以上、石油企業がこれまで西シベリアからバルト海や黒海に送り出していた西側向けの国内通過料よりもVSTOのそれを高くは設定できないことにある。進んで太平洋岸への原油輸送に切り替える石油企業が出てこなくなるからだ。そのために、VSTOの第1期が完成した2009年の、暮れも押し詰まったころにようやく決まった太平洋岸へのタリフは、タイシェットを起点として西方に向けて輸送した場合とほぼ同じ額(2011年10月現在1,815ルーブル/トン=約60ドル/トン)だった*39。 この理屈でいくと、政府は同じVSTOの系内であっても太平洋岸向けと中国向けの通過料も同額にしなければならない。スコヴォロジノから対中国境までは100km未満で、太平洋岸までの2,000km近くとでは大きな差があるが、仮に距離に応じて差がつけば、今度は石油企業が対中輸出にばかり向かってしまい、太平洋岸に原油が届かなくなってしまうからだ。 だが、理屈がどうあれ、契約締結までの段階でこのような契約の基本事項に関わる点で重大な誤解が生じていたとは、普通では考えられない話である(ましてや本件は250億ドル=2兆円に及ぶ超大型契約である)。であれば、ことは単に7%安いか高いかだけの話ではないのではあるまいか。 ロシアはロシアで、アジア太平洋岸向けの原油輸出を促進するためにタリフの人為的な設定を自国内でした。だが、中国にとってみればそれはロシア国内の問題であって、それに中国が従わねばならない理由などどこにもない。やや誇張して言えば、ユーラシア大陸内の取引での原則(どのようなルールを適用すべきか)に行き当たる問題であり、将来のことも考えれば中国はここでロシアの言いなりになるわけにはいかない。結局は、どちらが主導権を握るのかをめぐって対立点に行き着くという話になってしまう。 この問題は2011年10月にはなんとか収めることができたようだ。その後の報道では、中国側が当初の値引き要求額を大幅に引き下げて話がまとまったとされている。中国にも不満は残っただろうが、ことが自国の必要度が甚だ高い原油に関わるだけに、この件では徹底抗戦まではできなかったようだ。 しかし、ロシアは当初2014年に運開を予定していたVSTO第2期(スコヴォロジノ~コジミノ)の建設スピードを大幅に早めて、2012年末に繰り上げた(パイプラインの溶接は2011年9月に完了)。コジミノの積み出し能力も年間1,500万トンから3,000万トンに倍増され、2013年から太平洋岸へ出る原油の量は現在の2倍になる可能性も出てきている。ロシアの関係者の話では、この異例とも言える工期の前倒しの理由はひとえに中国との問題にあるという。どうやらロシアの対中不信と警戒心は強まってしまったようだ。 その後両者間の協議のなかで、ロシア側はコジミノか7石油・天然ガスレビューロシアと中国 -エネルギー資源での関係-@②④③KAZAKHSTANKAZAKHSTANTO CHINATO CHINACHINACHINAMONGOLIAMONGOLIA⑤⑥TO ASIA-PACIFICTO ASIA-PACIFICTO CHINATO CHINATO CHINATO CHINACHINACHINADPRKDPRKTO KOREA AND TO KOREA AND ASIA-PACIFICASIA-PACIFICJAPANJAPAN① Yurubcheno-Tokhomskoye① Reserves:700 billion m3② Sobinsko-Palginskoye① Reserves:170 billion m3③ Kovyktinskoye① Reserves:2,000 billion m3④ Chayandinskoye① Reserves:1,240 billion m3⑤ Sakhalin Ⅰ‐Ⅱ① Reserves:900 billion m3⑥ Sakhalin offshore① prospectsGas pipelinesin operationPipeline gasdelivenesGas pipelinesunder constructionProjected gas processingplants and gas-chemicallacilities出所:Gazprom Website  http://www.gazprom.com/about/production/projects/east-program/図2Gazpromの対中輸出計画らの3,000万トンから1,000万トンを中国向けに回すことに同意したと伝えられる*40。だが、中国向けのVSTOの輸送能力拡張(3,000万トン/年へ)は、少なくとも2017年までは行わず、中国側が要求する新たな中国への支線建設についても応じるつもりがないようである*41。(2)ロシアの対中ガス輸出計画 過去1年程の間の中露間の交渉状況は、ロシアの報道に従えば、2011年6月に妥結が期待されたロシアの対中パイプライン・ガスの輸出交渉は、まとまらずに終わる。争点は価格のみ、とする交渉当事者の発言もあれば、それ以外にも問題点(輸送経路や契約条件)があるはずとの見方もある。 その後のおよそ1年間で主だったニュースは何も聞かれず、2012年6月のプーチン大統領の訪中に際しても最終的な合意は生まれなかった。2006年に始まったロシアの対中ガス輸出交渉は、それ以前のコヴィクタ・ガス田からの対中輸出計画の時代を含めるなら、露中交渉は15年前後に及ぶ未完の歴史をつくってしまったことになる。 それだけ時間をかけても合意ができないとは一体何が理由なのか。ここでは輸送経路と価格の問題を取り上げたい。 輸送経路の問題とは、「西回り」と「東回り」のどちらを採用するかの問題で、「西回り」は西シベリアのガスをアルタイ・パイプライン(ロシア領内2,700km、300億m3/年)でモンゴル西方の中露国境まで輸送し、中国領内で西気東輸に接続する案、「東回り」は東シベリア・極東のガスを中国東北の中露国境で受け渡す案である。 この両案については、2006年3月に第2期目のプーチン大統領が北京を訪問した際に、江沢民主席(当時)との間で合意している。「西回り」は2000年代の初めからGazpromにより案として出されていた。当時まだ同社に所有権のないコヴィクタ・ガス田からの、BPが主導する対中輸出計画に対抗するために、無理やりひねり出されたのがこの案といった感がある。これに、プーチンが推進しようとした東シベリア・極東の国内開発*42の手立てとしての「東回り」案が加えられた。 しかし、このころまでに既に完成していたアルタイ・パイプラインのF/S(露語でのTEO)は、その直後からGazprom社内でその非経済性を批判され、一度は廃案になっている。また「東回り」も、当初はサハリンからのパイプライン(380億m3/年)で供給するということに82012.7 Vol.46 No.4アナリシスネっていたが、そのガス源としてあてにしたサハリン-1からのGazpromによるガスの買い取り交渉は進まず、このため中露間の交渉は事実上止まってしまった。 交渉が再度活発化したのはアルタイ・パイプラインによる「西回り」がロシア側で復活した2009年である。前年秋のリーマンショックの波が欧州とロシアにも押し寄せ始め、Gazpromの欧州向け輸出も大きく落ち込み始めた*43。このため、先行きへの悲観論から、西シベリアのガスの仕向け先を欧州以外にも多様化すべきという議論が生まれ、反対派も折れる形で、2006年当時に比べて上昇したガスの輸出価格*44を前提にアルタイ・パイプラインが再度表面に出てきた。 しかし、中国はその時点までに、既にトルクメニスタンから上海までの延長7,000kmに近いガスパイプラインの完成時期を視野に入れていた(2009年末に第1期工事/最大年間輸送能力170億m3は完成)。したがって、これと競合する「西回り」よりは、中国国内の消費地まで国内輸送距離も短い「東回り」を希望した。その後、中国がその希望を脇に置いたのかどうか不分明なのだが、現状ではまずは「西回り」での交渉決着を目標に話が進められているようである。 価格問題では、当初の不一致点は石油価格(原油、あるいは石油製品)か、石炭価格のいずれにガス価格をリンクさせるのか、にあったようだ。これは結局中国側が折れて、石油価格へのリンクで合意したが(世界市場で石炭の価格が急上昇したことも影響しているだろう)、今度は絶対価格の水準(すなわち、ガス価格の算定式をどうつくるか)で一致せず、両者が主張する価格には100ドル/1,000m3前後の開きがあるとも報じられた*45。 ロシア側の考え方は、欧州向けの輸出価格と同じ水準を適用するという原則に基づいている。これは中国がもはや途上国とは言えない経済規模を持つことから、西側先進国並みの価格を適用して当然、あるいは、西シベリアのガス源を欧州向け/中国向けに同時に出すならば異なった価格体系を設けるのは不合理、という見方から成り立っているようだ。同じガス源であることから、下手に安い価格で合意しようものなら、欧州の買い手が自分たちへの価格も下げろと騒ぎ出すことは目に見えている。2009~2010年でヨーロッパ市場でのガス価格下落から、ただでさえこの問題には既に火が付いてしまっていた。 だが、実情は欧州向けの価格算定式しか頭に浮かばない、というところではなかったのではあるまいか*46。新たな市場であるアジアに対して、どのような輸出価格が考えられなければならないか、という問題にロシアは自分から先手を打つことはしていない。増加する一方の中国のエネルギー資源消費量を見て、最後には必ず売り手であるロシアに中国が歩み寄ってくるという期待が大きかったことにも、問題の解を求めて動こうとしなかった理由があるのだろう。 これに対して中国は、当初は安ければ安いほどよい、というのが交渉姿勢だったようだ。中国もロシアも国内のガス価格は認可制の下に置かれているが、自給率ほぼ100%で政府の判断一つで規制価格を決められるロシアと、政府の意のままにならない輸入価格を扱わなければならない中国とでは立場が異なってくる。急速な経済の拡張に伴うインフレをどう押さえ込むかが中国政府の経済政策で一、二を争う優先課題だから、安易に外国からの高い買い物はできない。 だが、ロシアとの交渉が長引く間に状況は変わってきた。2006年からの出来事だけを見ても、中国の国産ガスの生産量は同年の586億m3から2011年の1,025億m3へと増え、また上述のように2009年末にトルクメニスタンからのガスの輸入を開始し、2011年11月には供給量を600億m3にまで増やすことで合意した。2006年からはLNGの輸入も始まっている。 中国にとっては、確かにガスは必要なのだが、最悪でも石炭という代替を持っていることから、その切迫度は石油のほうがはるかに高い。また、国産のガスやLNGと中央アジアからの輸入を増やすことで、近い将来までなら需給バランスはなんとか維持できると踏めるようになった。そのため、ロシアとのガス輸入交渉で、その妥結を一刻も早く図る、という立場にはない。 さらに大きな変化がLNGの世界で生じた。2011年3月の東日本大震災で日本のLNG需要が伸びると見たLNG輸出国(特に豪州)での生産増強の動きが加速され、この動きはシェールガス革命でガスの増産が続く米国にまで及び始めた。この結果、アジア市場への供給量が2015年以降では現在に比べてかなり増えていく見通しになりつつある。量だけではなく、石油価格にリンクしない価格体系を持つ米国のガス(市場でのガスの需給で価格が決まる)がアジアへ出てくるならば、これまでの原油リンクのアジア市場での価格体系が、将来的に変化していくことも予想に取り込まれ始める。 こうした、シェールガス革命に代表される世界のガス市場の諸変化を観察しながら、中国は中国なりにこれからのアジア市場のあり方を考えただろう。そして、その結論は恐らく、将来のアジアのガス価格は最大の消費国となる中国国内で決められる相場が中心になるべきだ、というものではなかろうか。9石油・天然ガスレビューロシアと中国 -エネルギー資源での関係-0対前年比で15%減少したのだが、東に向かってはこれが50%も増加し、続く2010年でも24%も増えている。この原因はアジア太平洋地域での石炭の需要増と欧州向けのその需要減少に求められる。RZhD社長のヤクーニンは、このままでは2015年にBAM(第2シベリア鉄道)/3,900kmで輸送能力不足が生じる、として、鉄道車両の増備も含む大掛かりな近代化の必要性を述べている*51。「2020年までのGeneral Scheme」として作成されたこの近代化には、7,370億ルーブルが必要とされ*52、ヤクーニンはなんらかの形の政府援助が必要だと強調する。 これは基本的にロシアの国内投資の問題であり、完成した暁に予想した石炭の輸出が中国向けに実現する度合いは、中国の石炭政策とその国内価格に影響されることになる。 石炭との関係で、電力についても少し触れておきたい。ロシアから中国への電力輸出は1990年代から行われ、2007年に東シベリア・極東の開発政策の一翼を担う対中電力輸出を目的とする企業が設立され*53、国家電網公司への供給を増やすべくロシア内での送電能力増強が行われている。だが、過去に価格問題で2度送電の中断があり、規模的には2011年の実績で12億4,000万kWh(ロシアの電力輸出全体の6.6%、金額5,200万ドル)でしかなく、送電量が計画中の45億~50億kWhに増えても、黒竜江省・吉林省の現在の電力需要の5%にも満たない*54。 ロシアからの電力輸入は、石炭の1次エネルギーに占める割合を下げようとする中国政府の政策に沿うものではあろう。特に石炭消費量の多い内モンゴルへ大量の電力輸入がかなえば、それだけ自国内の石炭消費を下げることができる。これを制約する要因は、対中国境までの送電インフラの不足に求められよう。これが理由で東シベリアの水力発電が主要電源になれずにいる(現在の電源は極東の火力発電)。早期にこの建設が実現しないのは、せんじ詰めれば中露間の電力売買価格にも行き着く。現在の価格(約¢4/kWh)では、長距離高圧送電線の建設には簡単に踏み切れまい。 同じ電力でも原子力発電の分野では、田湾発電所(江蘇省連雲港、100万kw×2、VVER)が1992年の両国間協力協定に基づいてロシアからの機器と技術で1999年に着工され、1~2号機が2007年に運転を開始した。ロシアは発電所の他に、ウラニウムの実験用濃縮技術も供与し、商業用技術の供与についても2012年6月のプーチン訪中の際に合意された。 中国は、現在稼働中の約1,085万kW(13基)の原子力発電所を2015年までに4,000万kW(43基)に拡張すべ 2011年6月にモスクワで行われた交渉には、プーチン首相(当時)と胡錦濤国家主席の両巨頭まで参加した*47。それでも合意に達することができなかったとは、双方のめん丸つぶれとなる異例中の異例の事態であトップの面る。だが、中国にとってこの価格交渉が単に商売上での損得の問題にとどまらず、アジアのこれからのガス価格基準値を決める問題でもあると認識されていたのなら、そしてロシアがその認識に追い付いて行けていなかったのなら*48、交渉が不調に終わるのも初めから運命づけられていたことなのかもしれない。 2012年4月に中国側関係者から、従来の議論とは異なる新たな提案をロシア側に行った、との発言が出た。それが何であるかは不明だが、6月のプーチン訪中に関連した報道のなかからは、中国が中国国内のガスの地下貯蔵庫建設でGazpromにJ/V設立を提案したことや、ロシア内での資源開発に強い参入意欲を示す中国に対してロシアが、資産スワップによる資源開発の相互乗り入れを逆提案したことなどが表面に現れてきている。これらが中国による新たな提案なのかもしれない。そうだとすれば、その根底には、これからのアジアのガス市場全体と、そのなかへ自国とロシアを置いた上での大掛かりな中国のエネルギー資源戦略構想が潜んでいるのではなかろうか。子つ(3)石炭・電力 石炭ではロシア、中国ともに、原油やガスのような輸出入での独占的ビッグ・プレーヤーがいるわけでもなく、取引額も原油比で、はるかに小さいため*49、その動きはあまり目立たない。アジア太平洋地域内に豪州やインドネシアといった石炭の高い輸出能力を持つ国が存在することも、中国のロシアへの資源依存という戦略的な問題を持ち出さずに済ませることを可能にしているようだ*50。 上述の「2030年までのロシアの石炭工業発展長期プログラム」では、2010年に4,300万トンであったアジア太平洋地域向けの石炭輸出は、2020年に6,750万トン(石炭輸出全体の45%)、2030年に8,500万トン(同50%)に増えるものと予測している。中国に向けては2015年辺りで2,000万トンの輸出を目標値にしているようだ。 だが、東シベリア・極東からの輸出では、太平洋岸の港湾の積み出し能力やそこに至るまでの鉄道の輸送能力がこれまではネックになってきた。予想される輸出量の実現は、こうしたインフラ能力の拡充整備がどれだけの速さで進むかに大きくかかってくる。 2009年後半からRZhDの東に向かう貨物の量が急速に増加し始めた。2009年は全体での鉄道貨物輸送量が2012.7 Vol.46 No.4アナリシスュ建設中である。ロシアとしては数少ない輸出できる先端技術として原子力発電所の売り込みを図りたいのだが、中国が急速に国産化比率を上げてきているため、なかなか思いどおりにはいかない。田湾発電所の3号機、4号機の商談は2010年にまとまったが、ロシア側からの供給機器は発電の心臓部分に限られてきている*55。問いにはなかなか簡単には答えが出ないようだ。それでも中国が対露交渉を続けるならば、その理由は時間がかかっても最後は中国がシベリアの資源を確保しに行かねばならないと考えているからだろうか。そして、ロシアが中国に気を許せないとしたら、ロシアも中国の出方をそのように読んでいるからかもしれない。本稿では触れることができなかったが、旧ソ連圏である中央アジア諸国からの中国の原油・ガスの輸入拡大は、ロシアのそうした懸念をより高めるに十分な動きである。 1990年代から急速な経済の拡大発展を遂げ、米国の向こうを張る世界の大国にのし上がったかの感がある中国を、どう理解するかで悩むのはロシアだけではない。欧米諸国も、途上国経済の離陸(テイクオフ)に関する自分たちの教科書に合致しない中国の発展を認知するには、大なり小なり時間を要した。日本もその例外ではない。バブル経済の後遺症に苦しんでいなかったら、経済での対中進出はずっと遅れていたかもしれない。だが、ロシアはソ連崩壊まで途上国経済発展の可能性に対する理解を西側にも増して欠いていた。共産主義理論の古典にそれがなに一つ記されていなかったことが、恐らく大きく影響している*58。 そうした背景の下、多くのロシア人にとって中国の発展が、「そんなはずはない」といった半信半疑の念で受け止められていたとしても不思議はない。そこに1960年代から30年近く続いた中ソ対立の記憶も重なるであろうから、偏見や無理解を払するにはそれなりの時間が必要になろう。 アジア方面への進出を本気で考えるプーチンが大統領就任早々に出した大統領令*59では、中国は最も重要な相手国と位置付けられている。それが紙の上だけの話ではない、ということをこれからどうプーチンが実証していくのか、こちらの目をさらに凝らして見ていかなければならない。拭しふっょくおわりに 中国の実務担当者にとって、ロシアとの交渉は時間がかかり過ぎるという感を持たざるを得ないだろう。陸路で国境を越えてエネルギー資源を輸送する計画が、全てロシア国内の地域開発に結び付くことから、その青写真の作成段階で既にロシア側内部でさまざまな思惑が入り乱れ、それらの間で争いが始まってしまうからである。プーチンは2012年4月の首相職最後の下院演説でロシアの課題を五つ挙げ、その二つ目に東シベリア・極東の開発を持ち出している。彼がこの問題を引き続き重視していることは疑えない。問題は、その方針を受けて、“下”がどれだけの速度できちんと取り仕切ってさまざまな考えについて調整をこなせるか、である。 そのなかで、エネルギー資源の分野で大消費国の隣国・中国とのつながりを深めることが、自国の開発促進に大いに寄与することは恐らく誰にでも分かっている。分かっていながら、ロシア側にそう突き進むことをいささかでも躊躇させるものがあるならば、やはりそれは中国への警戒心がブレーキになっているからなのだろう。 それを示唆する出来事が過去にあった。ロシア内での地下資源の探鉱・開発・生産で、その新規開発プロジェクトへの外資参入については、法制(「地下資源法」)上「戦略鉱区」の概念を導入することで規制を設けている*56。この規制が発効する前の2002年に、ロシアの石油会社の一つであるSlavneftの政府持ち分売却の競売が行われた。そして、海外の石油資源獲得に目を向け始めた中国がこれに応札すべく動き出す。しかし、中国の在外資源獲得の急速な動きに対してロシアの警戒心が煽られ、ロシア政府は中国勢の応札参加を阻止する(後の2005年に米国も同じように、CNOOCによるUnocalの買収を認めなかった)。「戦略鉱区」の法制化(2008年)で、中国の対露資源投資拡大への懸念がその促進材料になったことは間違いないだろう*57。 だが、中国も同様で、ロシアとの関係で究極のエネルギー安全保障の形がどのようなものになるのか、またそれができるのか、で模索を続けているようにも見える。ロシアにエネルギー資源を頼って大丈夫なのか、という11石油・天然ガスレビューロシアと中国 -エネルギー資源での関係-ヲ香E解説>*1 : 2009年11月13日政令1715-r、http://www.energystrategy.ru/projects/docs/ES-2030_(Eng).pdf*2 : 2012年1月30日 Vedomosti*3 : Rosneft、Transneft、Gazprom、RZhDは、いずれも政府が株式の過半を保有する国営系企業。後3社は、自然独占法による自然独占(経済的に競争状態よりも全体の利益を高め得る独占)の指定を受け、Gazpromは生産と輸送の双方、TransneftとRZhDの2社は輸送での独占性が認められている。港湾では、大陸側の石炭積み出し港として、ヴァニノ、ナホトカ、ヴォストーチヌイ、ポシエットの4港を数える(現在の積み出し能力約4,000万トン/年)。*4 : Rosstat統計、以下石炭の生産量も同じ。*5 : ロシア通関統計、以下、石炭の輸出量も同じ。*6 : 2008年の実績値に対して、2030年でも17~33%の増加のみ(最大でも年率1.3%)。*7 : 2012年4月末で予備基金1兆8,250億ルーブル(約559億ドル)、国民福祉基金2兆6,200億ルーブル(約800億ドル)。*8 : 2011年6月 BP Statistical Review of World Energy*9 : ロシア・エネルギー省TsDU TEK。Rosstat統計では6,690億m3。*10 : 同上。ロシア通関統計では1,619億m3。*11 : VIP Studio Стратегия комплексного освоения ресурсов и запа сов газа Восточной Сибири и Дальнего Востока  А..Г. Коржубаев, И.В. Филимонова, Л.В. Эдер (ИНГГ им. А.А.Трофимука СО РАН) http://www.vipstd.ru/journal/content/view/25/39/ *12 : 「石油・天然ガスレビュー」2011.1 Vol.45 No.1 拙稿「二つの顔を持つGazprom」*13 : 2010年で4,300万トン(2012年1月24日付政府通達(Rasporjazhenie)No.14-r、http://www.rosugol.ru/upload/pdf/dpup_2030.pdf)。*14 : *13に同じ。 *15 : *8に同じ。*16 : 中国海関統計。*17 :*8に同じ。*18 : 2010年末までにCNPC(持ち株子会社PetroChina)、Sinopec、CNOOCの大手3社による海外投資総額は三十数カ国/178件で700億ドルに上る(中国石油化学連合会公表(2011年7月19日「中国網日本語版」 http://japanese.china.org.cn/business/txt/2011-07/19/content_23024191.htm)。 *19 : 中国能源年鑑 2010年*20 : 2011年7月21日“Oil and Gas Year Book 2011” Otkritie*21 : 中国電力年鑑 2010年*22 : 中国能源年鑑 2010年。2009年でガス焚*23 : 2012年5月末の段階では、ガスに関する第12次5カ年計画の諸数値は国務院常務会議の審査待ちで、そのなかで2015年でのガスの国内需要は2,600億m3とされている模様(2012年5月22日中国証券報)。一方、2012年6月初めに公表されたIEAの“The IEA’s Gas Medium-Term Market Report”では、2015年の需要を2,230億m3、2017年のそれを2,730億m3と予測している。だき火力発電の設備能力2,402万kW、発電量521億7,000万kWh。*24 : CNPC。*25 : IEA/WEO 2011 2011年10月「アジア/世界エネルギーアウトルック2011」でIEEJは2035年での需要予測を5,780億m3(5億2,000万toe)と予測する。*26 : 中国のLNG輸入(気化設備)能力は既存・建設中・計画中を全て含めれば、2014年に9カ所/年間5,000万トン(約715億m3)に拡張される(2010年8月19日JOGMEC「発展途上アジアのガス市場」坂本茂樹)。 http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3647/1008_b01_sakamoto_AsiaLNG.pdf 122012.7 Vol.46 No.4アナリシス?27: 現在の年間170億m3増から660億m3へ増強する計画も進められている。*28 : CNPCは雲南省昆明までのパイプラインを通じて2013年から約45億m3/年を受給開始の予定。*29 : 2012年3月23日中国証券報 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0323&f=business_0323_096.shtml。*30 : 数値とロシアの輸出に占める割合はロシア通関統計、およびSakhalin Energy公表数値による。中国の輸入に占める割合は国家統計局統計公報、海関統計、東北亜煤炭交易中心からの数値を使用。ロシアと中国の統計では常に差が生じている。中国側の統計値では2011年の対ロシア原油輸入量は1,972万4,500トン、石炭の輸入量は970万6,600トンとなる。中露の貿易統計の食い違いについては「中露貿易統計の分析-両国統計の食い違いを中心に」 封安/「比較経済研究」 第45巻第2号2008年http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaces/V45-2_03.pdf# が参考になる。*31 : SIPRI Policy Paper 29 “China's Energy and Security Relations with Russia”  L.Jakobson, P.Holtom, D.Knox, J.Peng 2003年の中国の原油輸入量9,112万トン(中国統計年鑑)、ロシアからの輸入は737万トン(ロシア通関統計)。 同様に2005年でそれぞれ1億2,682万トン(中国統計年鑑)、1,278万トン(ロシア通関統計)。*32 : これらの数値計算では精度に問題があるが、以下を使用: *33 : ロシア通関統計で石油製品の対中輸出は648万4,000トンで、全体の5.2%。*34 : 脱税を理由にホドルコフスキーが逮捕され、税追徴他でYukosは破産に追い込まれ、その資産は競売にかけられてRosneftが買収する。事件の背景には、ホドルコフスキーの対米接近の程度が過ぎ、プ-チン大統領(当時)の怒りをかったことなどが挙げられているが、真相は不明。*35 : 東シベリアでの新規原油生産の見通し、産出量の多い随伴ガスの処理方法、建設コストの上昇(VSTO-1の完成時にTransneftは最終的にこの建設に127億ドル〈3,810億ルーブル〉を要したと発表した。しかし、セチン副首相は4,200億ルーブル〈140億ドル〉との数値を述べている)とその資金調達、スコヴォロジノからコジミノまでの輸送を担当するロシア鉄道との利害調整、太平洋岸での原油積み出し港の建設場所選定、輸送タリフの設定方法、等。後には東シベリアでの原油開発・生産がコスト高になることを理由に、石油企業が資源採取税と原油輸出税の軽減あるいは免除を要求し始め、この動きを抑制しようとする財務省との間で一進一退の攻防が行われる。*36 : RosneftがVSTO-1の運開に間に合わせて2009年に生産を開始した東シベリア北辺のヴァンコール油田からの原油が、2010年の運開後に通過量の半分を占めるという予想を可能にしたことから、残りを東シベリアの他の油田からと西シベリア原油で補うことで収まっている。*37 : 出口がトルコにしかなかったパイプラインだったため、トルコの不買攻勢の前にガスの値引きを余儀なくされた。*38 : 2011年3月18日 Kommersant Daily*39 : Transneftは鉄道部分も含めた実際の輸送コストは130ドル/トンと述べており、その差額は恐らくなんらかの形で政府が補填しているのであろうが、詳細は明らかにされていない。*40 : 2012年6月8日 RusEnergy*41 : 2012年5月25日 Interfax、2012年6月6日 Izvestija*42 : 2006年にこれら地域の具体的な開発案の模索が活発化し、同年12月の安全保障会議で政府予算の大型投入が決定されている。*43 : Gazpromの欧州向け輸出は2008年の1,587億m3から2009年の1,432億m3へ減少(出所:*20に同じ)。*44 : 2006年での対欧州平均輸出価格は199ドル/1,000m3、2008年は同256ドル/1,000m3(Gazprom in figures 2005~2009年)。*45 : その後、価格差は中国側主張の280ドルに対して、ロシア側の300~350ドル辺りまで縮まったとも言われる(2011年7月8日Vedomosti)。*46 : 「東回り」では一時LNGと同じJCC(Japan Crude Cocktail)リンクの価格を露側が示唆したという情報もあるが、真偽のほどは不明。*47 :2011年6月20日 The Moscow Times*48 : “シェールガス革命”が世界のガス市場に与える影響をロシアが公に認めたのも、2012年4月にプーチン(当時は首相)が下院で行った演説が最初だった。欧州市場を念頭に置き、Gazprom社内でももはや市場価格リンクを容13石油・天然ガスレビューロシアと中国 -エネルギー資源での関係-Fするしかないのではといった見解も出始めているが、同社の統一見解はいまだ出されていない。*49 : 2011年の取引額は原油171億ドルに対して石炭は9憶1,000万ドル(ロシア通関統計)。*50 : モンゴルのタバン・トルゴイ炭田開発権をめぐっては、ロシアと中国の企業が競合している。*51 :2012年5月30日 RBK Daily*52 :2012年5月18日 Vedomosti*53 : Inter-RAOが100%所有するVEK(極東電力会社)。*54 : 2010年での電力需要は黒竜江省/748億kWh、吉林省/577億kWh(中国統計年鑑)。2006年に国家電網公司は2020年までに対中輸出を600億kWhに増加させるよう要求していた。*55 : ロシアからはウラニウム製品も中国へ輸出されているが、輸出を担うTechsnabexport社(Tenex)の年次報告、通関統計のいずれにも記載がなく、その量は明らかではない。*56 : 「戦略鉱区」には一定の埋蔵量を超える鉱区(原油7,000万トン以上、ガス500億m3以上、銅50万トン以上、金50トン以上、ダイヤモンドおよびウラニウム、その他指定された希少金属では下限なし)、政府指定の鉱区、大陸棚鉱区、国防施設に近い鉱区が含まれ、外国資本の参加上限は50%未満と設定され、政府の判断でさらに参加そのものに制限を加えることも可能になっている(地下資源法規定の戦略鉱区概要は 北海道総合研究調査会/2011年2月23日/JOGMECでの説明資料参照)。*57 : 中国のロシア内原油ガスの資源入手でこれまでに成立したのは、Rosneftとあらかじめ協力が成立した2006年のUdmurtneft(当時で原油年産600万トン、2009年で640万トン)の株式50%弱取得(Sinopec、取得金額は20億ドル弱?)とサハリン-3(一部分)でのRosneftとの協業(Sinopec)程度のようだ。*58 : 1700年代の啓蒙主義者が描いた“後進国・中国”の像はそのままドイツの哲学者、ヘーゲルに受け継がれ、そのく流れを汲むマルクスは先進資本主義国以外にほとんど注意を払わなかった。*59 : 2012年5月7日付大統領令605号 http://news.kremlin.ru/acts/152567月20日に発行されました「石油・天然ガスレビュー 2012年7月号」の本稿内に誤りがございました。訂正箇所は下表の通りとなります(なお、こちらのPDFは訂正されたものです)。関係者ならびに読者の皆さまには大変ご迷惑をおかけしました。訂正してお詫び申し上げます。─ お詫びと訂正 ─誤りのあった箇所(誤)(正)12ページ上から12行目1,825兆ルーブル1兆8,250億ルーブル執筆者紹介酒井 明司(さかい さとし)1973年、一橋大学卒業。三菱商事(株)業務部、化学プラント部、モスコー駐在事務所勤務を経て、現在、同社天然ガス事業第2本部でロシア・CISの市場分析等に従事。〈趣味〉ウォーキング、読書。〈近況〉ロシアと中国、ロシアとトルコのエネルギーを中心としたそれぞれの関係の解析に、日々明け暮れる昨今です。142012.7 Vol.46 No.4アナリシス
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
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地域5
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国6
地域7
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地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2012/07/20 [ 2012年07月号 ] 酒井 明司
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