ページ番号1006479 更新日 平成30年2月16日

石油技術協会2012年大会― 10年ぶりに秋田市で開催 ―

レポート属性
レポートID 1006479
作成日 2012-09-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 技術探鉱開発
著者 伊原 賢
著者直接入力 八子 勇治
年度 2012
Vol 46
No 5
ページ数
抽出データ 石油鉱業連盟八子 勇治(執筆者)JOGMEC 石油調査部伊原 賢(構成)石油技術協会2012年大会ー10年ぶりに秋田市で開催ーはじめに 石油技術協会は、2012年の定時総会(第77回)・春季講演会など一連の行事を、10年ぶりに秋田市で開催しました。6月5日から8日までの4日間の日程で、会場は秋田ビューホテルでした。 協会は地方在住会員との親睦および技術的な交流を深めるため、年行事の総会・春季講演会を、1960年代頃から偶数年には地方で開催することとしております。 一昨年の2010年大会は、協会として初めて関門海峡を越え、九州一の大都市福岡市で開催しました。会員は昼のシンポジウム・講演会で、そして夜には全国有数の繁華街・中洲でと、大いに交流を深めたものと思われます。ちなみに、北の津軽海峡越えはこれまでに2回あります。 今回の秋田開催については、秋田県庁、秋田大学、石油資源開発㈱(JAPEX)秋田鉱業所および国際石油開発帝石㈱(INPEX)秋田鉱業所の皆様方の多大なるご協力を得ることができました。 協会と秋田県との関係は昔から深く、1933(昭和8)年の協会設立後初めての地方大会として1936年に秋田市を訪れ、現在の秋田大学工学資源学部の前身である秋田鉱山専門学校で講演会を開催しました。それ以来、2002年の第67回大会まで、計16回を秋田市で開催してきました。地方開催で2番目に多いのが新潟市の7回ですから、いかに秋田市が多いかお分かりいただけると思います。 そして今回、協会幹事会においていくつか挙がった候補地のなかから秋田市開催が提案され、上述の秋田関係者に打診しましたところ、当初より非常に好意的なご意見をいただき、2002年大会以来10年ぶりの開催となったわけです。 この度、本誌への寄稿の機会を得ましたので、秋田大会の様子をお伝えしながら、最近の協会の活動についても紹介させていただきます。1.とてもユニークだった特別講演会秋田大会の概要:6月5日 6月6日・7日 6月8日 定時総会・特別講演会・懇親会(夕刻) 探鉱地質・作井・開発生産部門別のシンポジウムおよび個人講演会、資源経済部門講演 見学会(地質巡検および資源関連施設見学の2コース) 会場となった秋田ビューホテルは、JR秋田駅西口より徒歩3分という、協会の地方大会史上かつてない好立地で、会場、設備とも申し分のないものでした(写1、2)。 第1日目の6月5日午後、定時総会を滞りなく終了。この場で、協会会長の交代が披露され、和佐田演愼氏(JOGMEC:写3)より山本一雄氏(INPEX)にバトンタッチされました。山本氏は第32代会長となられました。 また、本総会において本年度の石油技術協会賞が授与されましたので、受賞者についてご紹介します。協会は、石油開発技術に関して優れた論説(石油技術協会誌に掲載されたもの)を発表した会員および国内石油鉱業の発展に寄与した団体に対し、毎年審査の上、それぞれ論説賞、業績賞を授与しております。 本年度は、①帯水層を対象とした二酸化炭素(CO2)の地中貯留において、最適な坑井配置を画定するための計算手法を提案した論説「繰り返しラテン超方格法を用いたCO2地中貯留における坑井配置の大局的最適化」(合田 隆氏・佐藤光三氏/東京大学、石油技術協会誌第76巻3号掲載)に対して論説賞、②日本独自のGTL技術となる「JAPAN-GTLプロセス」の商業規模での技術の確立を達成した、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)および日本GTL技術研究組合に対し業績賞が授与されました(写4)。 午後からは地元秋田県の3名の方々による特別講演会を開催しました。 地方大会での特別講演会は、石油ガス関連の技術的なものばかりではなく、地元に密着した事柄も取り上げるようにしております。 今回も、①石油鉱業に多くの貢献をしてきた微化石研究の現状と石油地質学との関わりについて、秋田油田地域の実例を紹介しながらの講演(秋田大学・佐藤時幸教授)、②秋田の広大な県土、自然環境を有効利用する風力、地熱、バイオマス、小水力等の新エネルギー産業育成・創出の話、国から指79石油・天然ガスレビュー エッセーン出たとてもユニークなものでした。以下、読者の皆様にも伝わるよう記述します。 まず、壇上に立った講演者の姿に注目。きちんとした宮司の正装に身を包み、片手にはナマハゲの面。日本海域文化研究所理事長も兼務されるなどその見識の高さは言うまでもなく、時折とした口調に、聴秋田弁を交えての凛衆はいつの間にか武内宮司ペースに引き込まれていきます(写5)。 講演が進むなか、次に驚かされたのがナマハゲの実演でした。実際にナマハゲになったことがあるというJAPEX申川鉱場のO氏が登場。宮司さんが衣装や面など説明しながら、なんとO氏がナマハゲに大変身!最後にりんナマハゲの面を付けられて完全にナマハゲ化したO氏は、壇上から下りて「秋田美人はいねが~」(講演のタイトルは、「怠け者はいねが~」でしたが)と連呼しながら会場内で秋田美人探しを始めました(写6)。 しばらくして会場後方から秋田美人登場。ナマハゲはここぞとばかり近寄り、「夜遊びしてね~が、早よ~家(え)さけ~れ」と戒めを叫びつつ、ナマハゲ1体と秋田美人は仲良さそうに会場奥へと退場。とてもユニークな演出でした。 ここで、講演終了の挨拶。会場は大きな拍手に包まれました。「ナマハゲは怖いものというイメージが強いが、実は神聖なもので人の行いの戒めのた80お鹿が定を受けた「レアメタル等リサイクル資源特区」としての特性を生かし、世界をリードする環境・リサイクル総合拠点を目指すという話など、秋田県の今後の資源エネルギー政策についての講演(秋田県産業労働部新エネルギー政策の佐々木誠統括監)、③重要無形民俗文化財に指定された男のナマハゲの話(男鹿真山神社・武内信彦宮司)の3件で、いずれも秋田色に富んだ興味深い講演でした。 とりわけナマハゲの話は、企画段階で一つくらいは秋田色のより強いものをとの趣旨で決定しました。他の講演候補としては秋田美人の話、秋田のお酒にまつわる話などがありました。実際の講演も、狙いどおり秋田色のにじ出所:筆者撮影出所:筆者撮影写1秋田ビューホテル玄関前写2協会総合受付出所:筆者撮影出所:筆者撮影写3和佐田第31代会長の挨拶写4協会賞受賞者2012.9 Vol.46 No.5エッセーミいいぶ内な言葉も込められ、開催に向け準備を進めてきた関係者の努力も報われました。 お酒の県秋田らしくビールではなく、よく冷えた日本酒での乾杯の後、待ちに待った開宴。準備委員会とホテル側との行き届いた打ち合わせにより用意された、秋田郷土料理:それぞれ名の知れた、しよっつる鍋、比地鶏、ハタハタ、きりたんぽ、燻りがっこなどに加え、こだわりのB級グルメ・男鹿の焼きそばなどが会場中央のテーブルに並べられ、参加者はあれもこれもと食していきます。 会場の一角に設けられた地酒コーナーには冷酒瓶がずらりと並び、その数は24種。お酒好きな面々が全種類の試飲に挑み、これが一番うまい、いや、これがさっぱりして飲みやすいなど、思い思いの酒談議を始めたため、コーナーは順番待ちの状態。 少しほろ酔い気分になり懇親会場が和やかなムードに包まれた頃、アトラクション・男鹿和太鼓愛好会の皆さんの登場です。同会は、男鹿市在住の小学生からお年寄りまで、そして職業もさまざまな人たちの集まりで、学業や仕事の合間を縫って日々練習を重ね、県内だけでなく東京でも演奏会を開くなど幅広く活動しています。今回はいめに存在している」という宮司さんの説明がよく分かる一幕でした。かの秋田美人もJAPEX秋田鉱業所の女性社員の特別出演で、実は直前に打ち合わせをしているところを目撃されていました。 以上、講演会場の雰囲気を少しは感じ取っていただけたでしょうか。歴史ある技術協会特別講演のなかでも他に類を見ないものでした。 石油地質的な話、資源エネルギーの話、そしてナマハゲの話、それぞれがとても味わい深く、秋田により一層の親しみを感じさせてくれる特別講演会でした。聴講者は約140名でした。2.迫力満点、最高に盛り上がった懇親会 毎年恒例ですが、定時総会終了を祝し、さらに会員間の親睦を深めるため特別講演会終了後の夕刻から懇親会を開催しています。東京大会でも行いますが、地方大会はその準備からして力の入れ方が違います。 特別講演会最後のナマハゲの高揚感を持ったままホワイエで待っていた会員たちは、定刻合図とともに、新会長・副会長、準備委員の面々が出迎える懇親会場に入っていきました。そこでは、おいしそうに盛り付けされた秋田郷土料理、ずらりと並んだ秋田地酒もお出迎えです。約120名の参加。 開宴に先立って、本大会開催準備の労を取られた秋田大・佐藤委員長の歓迎挨拶に続き、来賓の佐竹敬久秋田県知事、吉村昇秋田大学長のお二人からご挨拶をいただきました。 佐竹知事は、県は昔から石油ガスに縁が深く今でも国内生産に寄与しているが、今後、エネルギー先進県を目指し、新エネルギー、再生可能エネルギー、資源リサイクルなど積極的なエネルギー政策を展開していく、と語られました(写7)。 また吉村学長は、秋田大学が2014年4月開設を目指す、新学部「国際資源学部」構想について(既に報道などされていますのでここでは詳しく書きませんが)、資源開発やリサイクル、環境政策などを総合的に教育し国際レベルの人材を養成する、鉱山学部時代からの知識や人脈を活用し、さらにこれらを国際レベルまで引き上げ競争力を強めたい、と語られました(写8)。 県と大学が一体となって総合的に秋田県の発展を目指す、こう熱く語られるお二人の意気込みが身近に感じられました。また、その挨拶のなかには、石油技術協会の来訪を歓迎するという81石油・天然ガスレビュー出所:筆者撮影出所:筆者撮影写5真山神社・武内宮司の講演写6ナマハゲに変身中石油技術協会2012年大会 ~10年ぶりに秋田市で開催~o所:筆者撮影出所:筆者撮影写7佐竹秋田県知事写8吉村秋田大学長出所:筆者撮影出所:筆者撮影写9ナマハゲ太鼓演奏写10ナマハゲと記念撮影82反ば量が少なかったか。運悪く、お目当ての秋田料理にありつけなかった参加者の方々、ごめんなさい。地酒コーナーに全種試飲挑戦組がまだ陣取っていましたが、早目の宴終了の挨拶となり、まだまだ飲み足りない参加者の面々を、秋田市の誇る繁華街「川」へと送り出しました。昔と比べ川反も随分と人出が少なくなったと聞きましたが、この夜ばかりは、会員一同を快く迎えてくれた秋田市に、少しばかりお返しができたものと思われます。 懇親会のことなど少し詳しく書き過ぎたかもしれませんが、これも人的交流の場として大切です。同じ場に居合わせ興奮をともにするということでより親近感が生まれ、単なる遊興にとどかわたかたずくつかの演目のなかから、勇壮なナマハゲ太鼓の演奏です。唾を飲むなか、祭り装束の 一同、固うら若き秋田美人がたたくドラの音が会場隅々まで響きわたり、演奏開始の合図。最後のドラからほんの数秒後、ステージ横より赤、青、緑などの面を付けたナマハゲ4体が叫びながら登場。既に和太鼓が設置されていたステージに上がり、一斉に太鼓を打ち始めました。会場内は瞬く間に大音量の和太鼓の音で満たされ、足元からも強烈なリズムが沸き上がりました。懇親会参加者はステージを取り囲み感嘆の声を上げます。 迫力満点の演奏は約20分間続き、ラスト近くにはナマハゲ4体に交じり、演奏開始のドラをたたいた秋田美人さんも加わり一層の盛り上がりようです。そしてついに、演奏者全員(体)の大連打で終了。最後はナマハゲとの握手会と撮影会。ナマハゲたちは(神聖な男鹿の山まで車で帰らなければならないのですが)参加者の盛り上がりように快く応じてくれ、帰山予定時間ギリギリまで楽しい戒めを施してくれました。サヨナラの手を振りながら会場を出ていくナマハゲたちを大きな拍手で見送り、アトラクションの幕を閉じました(写9、10)。 和太鼓の余韻に浸りながら和やかな談笑が続き、気が付けば、懇親会終了予定時間の30分前頃には既に料理はからっぽ状態。料理がうまかったか、2012.9 Vol.46 No.5エッセーワらず、技術的な交流の場でも生かされると確信します。 第1日目はこのようにして、興奮冷めやらぬまま全ての行事が終了しました。3.活発だったシンポジウム・個人講演会 第1日目の定時総会、特別講演会、懇親会などの行事は、どちらかと言えば人的な交流の場です。それに比べ第2・3日目のシンポジウム・個人講演会、そして第4日目の見学会は純粋に技術的な交流の場と言えるでしょう。 協会は、石油開発技術に関し三つの技術委員会(探鉱・作井・生産)を設け、部門別に活動し技術交流しています。 シンポジウムについては各技術委員会で協議し、新しい技術や事象に目を向け毎年テーマを変えて、会員だけでなく一般の方にも情報提供しております。 昨年と今年の部門別のシンポジウムテーマを並べてみると、石油開発に携わる技術者たちが考える今の方向性がおのずと知れてきます(図)。 いずれも、今、注目されている非在来型資源、とりわけシェールガス、シェールオイルに関するものや天然ガス、そしてタイムリーな話題などを取り上げています。 例えば、作井部門の昨年のテーマに見るように、いち早くメキシコ湾の暴噴事故を取り上げるなど、時を逃さないよう、その発表タイミングにも気配りしております。 今回の各部門シンポジウムの目的を以下に記します。各部門の技術者たちが今何を考え、何を目指そうとしているのか、それらの動向が垣間見えてきます。1)探鉱:シェールロックの地質・地化学・地球物理的な側面を掘り下げ今までの知見を総括し、シェールガスやオイルを理解するための一助となることを目指す。2)作井:ここ数年、多種多様な天然ガスビジネスの存在感が増してきているなかで、必要な作井技術課題、経験、実績などの情報を共有し、作井技術者として天然ガスビジネスにどのように取り組むべきか議論する。3)生産:在来型から非在来型まで多様化する天然ガス開発について、取り組まれているプロジェクトの現状を紹介する。洋上でのガスの液化・貯蔵・出荷、枯渇ガス田における貯蔵、水溶性天然ガス、シェールガス、タイトサンドガス、コールベッドメタン、メタンハイドレー探鉱部門 昨年:「岩石物性の理解は進んだか?最近のペトロフィジックスの現状と課題」 作井部門 生産部門 資源経済部門 今年:「シェ?ルロックのジオサイエンス」昨年:「メキシコ湾の事故から学んだもの(坑井のリスクコントロール)」今年:「天然ガスビジネスにおける作井技術」昨年:CO2関連技術への取り組み?その実績と展望」今年:「多様化するガス開発?天然ガスを求めて」昨年:「シェールガス革命、シェールオイル革命の現状と可能性」今年:「米国に始まるシェールガス革命・シェールオイル革命の石油天然ガス開発業界へのインパクト」出所:筆者作成図昨年と今年の部門別シンポジウムテーマトの開発における技術課題および貯留層内ガス流動について議論する。 なお、資源経済部門の報告は、講師の都合により直前にキャンセルとなったのですが、たまたま居合わせた(とはいっても、ご自分の発表のために在席されていたのですが)JOGMEC上席研究員I氏が快く代役を引き受けてくださいました。シェールガス、シェールオイル研究では国内トップクラスとして知られる同氏がアポなしでも協力してくださる、こんなところにも会員相互の人的交流を大事にする、という当協会のよき一面があるのだと再認識させられました。 一方、個人会員の発表も各部門別に行われました。こちらは会員限定で事前の申し込みが必要です。今回は正会員および学生会員より多くの申し込みがあり、会場スケジュールの都合上、ポスター発表となったものもありました。 参考のため、以下にポスター発表も含めた部門別個人講演を内容により分類します(生産部門は内容が多岐にわたるため割愛します)。数字は講演件数。[探鉱]:堆積2、層序・古環境5、地域地質3、地化学3、ジオメカニクス6、テクトニクス3、埋蔵量3、物理検層4、ガス関連6[作井]:天然ガス2、オペレーション3、研究開発9、泥水関連4、リグ関連3、大水深3 先に協会賞を紹介しましたが、これとは別に学生会員を対象とした表彰制度・学生優秀発表賞を設けており、優秀な口頭発表、ポスター発表を行った学生に対して、各技術部門別に審査の上、授与しております。今回の受賞者は、探鉱技術部門:東京大1名、作井技術部門:九州大1名、生産技術部門:東京大1名、九州大1名、秋田大1名でした。 探鉱技術部門 シンポジウム8件・個人講演29件(うち83石油・天然ガスレビュー石油技術協会2012年大会 ~10年ぶりに秋田市で開催~ゥん風ぷする上部新生界の地質についての巡検で、石油地質学と関連させながら、日本海形成初期の約2,000万年前から100万年前までの地層群を観察しました。 秋田市内八橋油田のポンピングユニット(INPEX)の見学後、男鹿半島に向かい、西黒沢層(operculina砂岩)、れき台島層(凝灰岩、礫岩)、女川層(ニシン骨化石、石油根源岩)、北浦層(砂岩泥岩互層、貯留岩)などを順に観察しうました(写13、14)。最後に、寒に立ち寄り、芝生で覆われた山肌や広大なパノラマをしばし観賞した後、帰途に就きました。このコースの参加者は38名でした。 資源関連施設見学コースは、秋田市内の製錬所、発電所、鉱業博物館の見学。 最初は、秋田製錬㈱飯島製錬所。同ん山さポスター発表6件) 作井技術部門 シンポジウム6件・個人講演24件 生産技術部門 シンポジウム9件・個人講演38件(うちポスター発表10件) 以上のシンポジウム、個人講演が2日間にわたり四つの会場で行われました。これらの講演タイトルは、石油技術協会誌第77巻2号(2012年5月発刊)にプログラムとして全て掲載されております。タイトルだけではありますが、分野別の最新技術情報を得ることは可能です。 聴講者は多い会場では約120名、一部立ち見の出るところもあり、4会場計の1日の聴講者は約300名、2日間延べで約600名の技術者たちが真剣に議論を重ねました。 個人発表については、加筆などを行い論説として石油技術協会誌に投稿することもできます。会誌編集委員会による審査の上、受理されれば協会誌に掲載され、より多くの会員のみならず一般にも研究成果を示すことができます(写11、12)。4.いろいろな面で収穫のあった見学会 第4日目は、希望者のみ参加の有料見学会です。毎年、地質見学と資源関連施設見学の2コースで、それぞれ大型バスをチャーターして行います。 地質見学コースは、秋田大学佐藤時幸先生の引率により、男鹿半島に分布出所:筆者撮影出所:筆者撮影写11シンポジウム講演会場写12ポスター発表会場出所:徳橋秀一氏(産総研)撮影出所:徳橋秀一氏(産総研)撮影写13西黒沢層の見学写14女川層の見学842012.9 Vol.46 No.5エッセーフ後、国内の原子炉では初めての稼働となったことはご存じのことと思います。1カ月前に、石油(原油)を燃料としてフル稼働を達成した秋田火力発電所を見学してきた、という事実に複雑な思いを抱くのは筆者だけでしょうか。 この2カ所の見学先では、東日本大震災時および福島第一原発事故時の緊急対応などについて、見学後の質疑応答の際に参加者から多くの質問が投げかけられました。予定時間を大幅に超過することになりましたが、これらに対して各所応対のご担当者は非常に丁寧に回答されておりました。ありがとうございました。 最後の見学先は、昨年10月にリニューアルオープンした秋田大学工学資源学部付属鉱業博物館。ボランティアガイド2名の案内により、1~3階に展示された鉱石や化石、鉱山で使用された採鉱機具などの実物や模型を見学しました。石油を含む鉱業についてテーマ別に展示されており、非常に分かりやすくなっています。機会がありましたら一度ご訪問ください。このコースの参加者は18名でした(写15、16)。 なお、リニューアルされた鉱業博物館の概観写真を、現在、石油技術協会誌第77巻(2012年)表紙の一部として使用させていただいております。5.協会近況 来年2013年は奇数年ですので東京開催となりますが、1933(昭和8)年5月25日の協会創立以来、80周年の節目の年に当たります。協会では80周年に向け、記念事業を挙行すべく実行委員会を立ち上げ、準備の途に就いたところです。 2013年6月25日、東京・大手町の経団連ホールにおいて記念式典や記念講演会、記念祝賀会の開催を予定しております。詳細につきましては後日ご案内します。 さらに、これまで10周年ごとに石油開発技術に関連した記念誌を発刊してきましたが、この80周年目においても記念出版誌の刊行を決定し、記念出版編集委員会を立ち上げました。 この記念出版誌については、今から30年前、協会創立50周年記念誌として発刊された「石油鉱業便覧」の改訂版を作成することとしました。「石油鉱業便覧」は長く皆様に愛用されてきた石油鉱業技術の手引書とも言えるもので、改訂を望まれる声が以前から多く寄せられておりました。 この度の改訂に当たっては、この30年の間に開発された新技術などを盛り込み、旧版に勝るとも劣らないものをと、記念出版誌編集委員一同で取り組んでおります。 本誌読者の方々にも原稿執筆をお願いすることもあろうかと存じますが、ご協力よろしくお願いします。 現在の協会会員数(2012年7月現在)は1,894名で、ここ数年は増加傾向にあり、まずは2,000名超えを願っているところです。他学会など会員減に頭を痛めているところもあるなかでのことですので、協会活動の方向性に誤りはないものと自負するところです。 東日本大震災、福島第一原発事故の後、エネルギー業界にも新しい動きがありますが、会員の石油開発技術への取り組みに衰えは見られません。もちろん、全てが会員のボランティア活動出所:筆者撮影写15秋田製錬㈱前で集合写真出所:筆者撮影写16東北電力㈱秋田火力発電所内製錬所は現在日本一の亜鉛生産能力を有し、亜鉛やカドミウムの電解工程について説明を受けながら所内を回りました。 次に、東北電力㈱秋田火力発電所。フル稼働中の2・3号機(計70万kW)の運転指令室などを見学しました。4号機は定期点検中、また、夏場の電力需要に対応するため5号機を建設中で、東北地方の電力の安定供給に日夜努力されている職員の皆様の熱意が伝わってきました。 この見学のちょうど1カ月後の2012年7月9日、定期点検のため停止していた関西電力大飯原発3号機が、運転を再開しフル稼働に達したと報じられました。東京電力福島第一原発事85石油・天然ガスレビュー石油技術協会2012年大会 ~10年ぶりに秋田市で開催~?J催したことは、これまで以上に協会と秋田県との関係が深まり、そして今後、秋田に向けられていく世間の熱いまなざしに、協会が一役買えたのではと独り善がりする次第です。 最後になりますが、今後も会員一同、石油鉱業技術の発展に寄与していきたいと存じますので、どうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 なお、本秋田大会の各講演内容につきましては、下記のとおり石油技術協会誌に掲載の予定です。今、国内の石油技術者が取り組んでいる最新の技術動向を知る上でも、ぜひご一読いただければ幸いです。①特別講演全文と全ての個人講演要旨第77巻4号(2012年9月発刊予定)②作井技術シンポジウム講演 第77巻5号(2012年11月発刊予定) および学生優秀発表講演③生産技術シンポジウム講演 第77巻6号(2012年12月発刊予定)④探鉱技術シンポジウム講演 第78巻1号(2013年2月発刊予定)子をお伝えしました。秋田関係者のご協力なしに今回の成果はあり得なかった、これは言うまでもないことですが、なかでも大会準備委員会の事務局としあって、会場の斡、特別講演者の選任、機材の調達、懇親会アトラクションの企画、料理の献立まで、全てにおいて積極的にご協力いただいたJAPEX秋田鉱業所総務部の皆様に厚く御礼申し上げます。 この原稿を草している7月上旬、秋田県でのシェールオイル試掘(JOGMEC・JAPEX共同事業)の件が新聞、テレビのニュースで流れ、石油技術協会事務局のある石油鉱業連盟にも問い合わせの電話が多く寄せられました。由利本荘市の「鮎川油ガス田」で来年にも国内初となるシェールオイルの試掘が始められます。秋田県内にはほかにもシェールオイルがあると見られており期待が膨らみます。これから先、秋田県への注目度は高まるばかりでしょう。 このような動きを先取りしたような形で、当協会が10年ぶりに秋田で大旋せんによるものであり、皆様方のご協力なしには協会活動の発展は望むべくもありません。 冒頭で少し触れましたが、基本的に偶数年を地方開催としております。これまでの地方開催地(都市)は、今回を含めて秋田17回、新潟7回、長岡6回、その他9回(札幌2、酒田2、柏崎1、新発田1、清水1、仙台1、福岡1)。やはり日本海側国内油ガス田地域の秋田、新潟の2県が圧倒的に多くなっております。開催地での石油鉱業に関連する企業や大学のあるなしも大きな要因ではあります。 しかし、2010年の福岡大会のように、新しい地で協会活動を知っていただくことも必要だ、という会員も増えてきております。ぜひこの地で協会行事の開催を、という読者がおられましたらご一報ください。前向きに検討させていただきます。おわりに 以上、4日間にわたる秋田大会の様〈プロファイル〉(執筆者)八子 勇治(やこ ゆうじ)1973年、日本大学理工学部卒業。1967年、石油資源開発㈱入社、物理探鉱部。以降、㈱地球科学総合研究所出向など。石油鉱業連盟出向(2000年12月より4年間。再び2011年3月より現在)趣味ではないが種類問わずの酒好き。めっきり弱くなりましたが。愛犬(とてもチビなパピヨン5歳)にメロメロ。石油技術協会事務局を担当。来年の協会創立80周年記念事業の準備に邁進中。(構成)伊原 賢(いはら まさる)1983年、東京大学工学部資源開発工学科卒業。1991年、タルサ大(米国オクラホマ州)大学院石油工学修士課程修了。1994年、東京大学博士号(工学)取得。石油学会奨励賞受賞。1983年、石油公団(当時)入団。アラブ首長国連邦(UAE)ザクム油田操業、生産技術研究室長、JOGMECヒューストン事務所長ほかの勤務を経て、2008年7月より石油・天然ガスの上流技術の調査・分析業務に従事。専門は石油工学とC1化学。主な著書:「シェールガス争奪戦」日刊工業新聞社 2011年9月「シェールガス革命とは何か」東洋経済新報社 2012年7月趣味はへぼゴルフ、グルメ(和食中心)、アニメ、デザイン。862012.9 Vol.46 No.5エッセー
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2012/09/20 [ 2012年09月号 ] 伊原 賢 八子 勇治
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