世界の原油と石油製品の流れに変化の兆し
レポートID | 1006482 |
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作成日 | 2012-09-20 01:00:00 +0900 |
更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
公開フラグ | 1 |
媒体 | 石油・天然ガスレビュー 2 |
分野 | 基礎情報市場 |
著者 | 野神 隆之 |
著者直接入力 | |
年度 | 2012 |
Vol | 46 |
No | 5 |
ページ数 | |
抽出データ | JOGMEC石油調査部野神 隆之世界の原油と石油製品の流れに変化の兆しはじめに イランのウラン濃縮問題をめぐる西側諸国との対立で、2012年3月1日、WTIで一時1バレルあたり110ドルに到達した原油価格は、その後両者間での協議再開や米中での経済減速、そして欧州での債務問題に対する市場の懸念の高まりによって同年6月22日には78ドルを割り込むなど4カ月足らずのうちに30ドル強変動するなど乱高下している。このように原油相場はイラン問題に代表される地政学的リスク、主要石油消費国もしくは地域における経済成長と石油需要の動向に振り回される状況となっており、この状態はいましばらく継続するものと考えられる。他方、石油需給ファンダメンタルズといった観点からは、現時点の米国やOECD諸国の石油在庫は石油が豊富に供給されていることを示しており(図1、図2)、短期的には、そのような石油市場の全体像が必ずしも原油相場に直接影響を及ぼして800750700650600550百万バレル12345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671997?2002年実績幅2003?2012年*軽油と暖房油出所:米国エネルギー省(EIA)データを基に作成図1米国石油(原油+ガソリン+留出油*)在庫億バレル26252423222120123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456出所:IEAデータ他より推定1995?2004年2005?2012年図2 OECD諸国石油(原油+製品)在庫37石油・天然ガスレビューアナリシス「るわけではないことが読み取れる。 ただ、だからと言って石油需給ファンダメンタルズを軽視していていいというわけではない。ある程度の期間を見てみれば、やはりファンダメンタルズは無視できない。また、現時点での需給像のなかに、将来の世界の石油市場に影響を及ぼす潜在性のある要素が隠れている場合もしばしばある。石油やエネルギー市場・産業関係者にとっては、そのような潜在的要素が顕在化して市場や産業界に大きな影響力を及ぼすようになってからでは、対応が手遅れになる、といったことにもなりかねない。本稿では、そのような現在はそれほど目立たない(もしくは目立ち始めているがあまり意識されない)が、石油市場を今後展望するにあたって注意しておきたい点に着目することとしたい。まず、2012~2013年に向けた世界石油需給像を示し、今後当該需給がどのような展開となる可能性があるかにつき検討したうえで、そこに見出せる潜在的要素のうち、今後注目すべきものを指摘したい。1. 2012~2013年の石油需給見通しが示唆するものを見ると、前年比日量73万~98万バレルの増加との見解が示されている。ただ、詳しく見るとIEA、EIAによる予測は2013年は2012年に比べて増加量が拡大(増加率も拡大)するなど経済成長の回復とともに石油需要の増加基調が再び強まるということを示唆している(それでもEIAは世界経済成長に関する不透明性の増大から7月の世界石油需要見通しを6月のそれから日量50万バレル下方修正している)のに対し、OPECによるそれは2012年に比べて増加量が縮小(増加率も縮小)としているなど、機関の間で見通しに相違が見られる。 ただ、米国で雇用が伸び悩み、欧州では深刻な債務問題に見舞われるなかで根本的な解決に向けた方策を描き切れない状態が続いていること、中国でも2012年第2四半期のGDPの伸びが2009年第1四半期以来の低水準となるなど経済成長の減速が明確になってきていることなどの諸要因を考慮すれば、2013年の世界石油需要に 2012~2013年の石油需給見通しは、米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)、石油輸出国機構(OPEC)、国際エネルギー機関(IEA)などから発表されている。ここでは、それぞれにつき石油需要、供給等の特徴を検討したうえで、2013年にかけ、世界の石油需給をどう捉えればいいかについて述べたい。 まず、需要については、現時点での2012年の石油需要の前年比での増加見通しは、IEA、EIA、およびOPECでね日量67万~89万バレルとなっている(図3)。2011年7月(つまり、IEAとOPECが初めて2012年見通しを発表した時期)は2012年の世界石油需要は前年比で日量132万~147万バレルの増加となっていたので、現在の石油需要増加見通しは当初の予測から概ね半減しているが、これは世界経済減速傾向に伴う経済成長予想(図4)、および石油需要見通しを下方修正したことによるところが大であろう。他方2013年の世界石油需要増加見通し概おおむ万バレル/日1002012年2013年90807060IEAEIAOPEC%543211/411/912/4 予測時期出所:各機関資料を基に作成出所:IMFデータを基に作成図3各機関の世界石油需要増加見通し(前年比)図42012年の世界経済成長率予測推移382012.9 Vol.46 No.5アナリシス\1世界石油需給バランスシナリオ(2012年)(2012年7月時点)総需要非OPEC生産OPEC原油生産OPEC NGL生産総供給201189.0952.7529.835.7888.36在庫変動その他-0.731Q1289.3753.3631.316.0590.711.342Q1288.7852.8531.856.1390.842.053Q1290.4452.8631.786.3390.970.534Q1290.9453.7431.786.3591.870.93※OPEC産油国については2012年6月の原油生産量がその後も維持されると仮定出所:IEAデータを基に作成表2世界石油需給バランスシナリオ(2013年)(2012年7月時点)総需要非OPEC生産OPEC原油生産OPEC NGL生産総供給在庫変動その他201289.8953.2031.686.2291.101.211Q1390.4953.5431.786.3891.701.212Q1389.8853.7631.786.4191.942.073Q1391.3353.8831.786.6092.250.924Q1391.7554.4031.786.6192.781.03※OPEC産油国については2012年6月の原油生産量がその後も維持されると仮定出所:IEAデータを基に作成百万バレル/日201289.8953.2031.686.2291.101.21百万バレル/日201390.8753.9031.786.5092.171.30130120110100908070605040万バレル/日2012年2013年万バレル/日3,1002012年2013年3,0503,0002,9502,900IEAEIAOPECIEAEIAOPEC出所:各機関資料を基に作成出所:各種資料を基に作成図5各機関の非OPEC諸国石油供給増加見通し図6各機関の対OPEC需要見通し39石油・天然ガスレビュー世界の原油と石油製品の流れに変化の兆しY基調のカナダとシェールオイル(タイトオイル)の生産が堅調に増加すると見られる米国)、サブソルト層の開発等が進むブラジルなどとなっている。なお米国のシェールオイル、そしてシェールガスに随伴して生産されるNGLは2013年のみならず、市場では今後も増産が見込まれるとともに世界石油市場に影響を及ぼす可能性があると考えられるが、その詳細については後で述べる。 この結果世界石油需要から非OPEC産油国石油供給とOPEC産油国のNGL等の供給を差し引いたいわゆる対OPEC石油需要量等(いわゆる「Call on OPEC」、だしこれ以外に在庫変動も含まれる)はIEAが2013年は前年と同水準であると見ているのに対しEIAとOPECは減少するとしている(図6)。 さらに、IEAの予測によって2013年の世界石油需給シナリオを描いてみる(OPEC原油生産量は2012年6月時点のものを維持すると仮定)と、2013年は2012年と同程度供給が需要を超過することになる(表1、表2)。その結果OECD諸国石油在庫日数は現在から2013年後半にかけ増加傾向となる(図7)。他の条件が一定であれば、世界石油需給が大きく緩和方向に向かうことから、この場合OPEC産油国は早晩減産を迫られることになるイランからの原油輸出削減の影響で旨示唆される(勿実際消費国が利用できる石油供給は減少すると見られるが、それに対する考え方は後述)。但た論ろもちん234567899101112187645シナリオ7068666462605856545250日1011121234567854329101112145平年幅(2003?2007年)91011121678236782391011121実績※在庫日数:月末の在庫量を直後3カ月間の1日あたり需要で除したもの出所:各種機関資料を基に試算図7OECD諸国石油在庫日数*シナリオ①(2008~2013年)はなお下振れリスクを伴っていると見たほうがよさそうである。 他方、非OPEC諸国の石油供給見通しについては、IEA、EIA、OPECともに2013年は前年比日量70万~127万バレルの増加と2012年のそれ(同45万~75万バレルの増加)から伸びが加速すると見ている(図5)。ただ、このなかでは、EIAはシリアやスーダンといった、現在国内で、もしくは近隣諸国と事実上の紛争状態となっていることに伴い石油生産が減少している国において、2013年には生産が回復すると見込んでおり、他の2機関(2013年の中東およびアフリカ非OPEC諸国の石油生産を2012年並みでほぼ据え置き)に比べるとやや楽観的な見通しとなっている。なお、非OPEC産油国で生産量が増加する主な地域は、北米(オイルサンドが増40かい離りになったと推定される。 ただ、イランの原油生産量は2011年から2012年央にかけ減少しているとはいえ、その規模は極めて限定的である。また、OPEC事務局の発行する「月刊オイル・マーケット・レポート」(Monthly Oil Market Report)では2012年4月以降、OPEC産油国の原油生産量については2次情報源による情報のみならずOPEC加盟各国から直接入手した情報を発表しているが、特にイランについては直接入手した情報と2次情報源の情報に大きな乖 しかし、ここでイランからの石油供給に関して考慮しなければならない。イランに関しては、2011年12月31日のオバマ米大統領による2012会計年度国防授権法署名以降、米国がイラン原油輸入国に対して輸入削減を要請したほか、2012年1月23日には欧州連合(EU)外相会議で7月1日を以てEU加盟国による原油輸入の禁止を決定したことにより、関係国のイランからの原油輸入は減少している。2012年7月には同国からの原油輸出は日量110万バレル程度と2011年の水準の半分程度もっ2. イランによる原油供給をめぐる現状等2012.9 Vol.46 No.5アナリシスェ見られる。2次情報源による情報では、2012年5月、6月の同国の原油生産量は2011年比でそれぞれ日量47万バレル、同66万バレルの減少となっており、これでも輸出量半減といった状況とは異なっていると言えるが、さらに、直接入手した情報による同月の当該生産量は、6月分については未提出と見られ利用不能であるものの、5月は日量18万バレル増加しており欧米諸国による影響が全く見られない格好となっている(図8)。そして、これはこれまでの制裁に伴うイランの原油生産(そしてそれは暗示的には輸出つなにも繋がる)への影響はそれほど出ていないというイラン側の発言に沿ったものとなっている(例えば6月13日に同国のカセミ(Qasemi)石油相はOPEC主催の会合で制裁による同国での原油生産への影響は大規模にはなっていない旨発言したと伝えられる)。380360340320300280 輸出量の減少幅ほど生産量が減少していないことについては、イランの油田は特に陸上のものは老朽化しており、むやみに、そして長期間生産を停止すると地層内圧万バレル/日2011年12/112/212/312/412/512/6IEAEIAOPEC(2次情報)OPEC(1次情報)※2012年6月のOPEC 1次情報は利用不能出所:各機関データを基に作成図8イラン原油生産量の推移(2011、2012年1~6月)表3世界石油需給バランスシナリオ(2012年)(2012年7月時点)総需要非OPEC生産OPEC原油生産OPEC NGL生産総供給201189.0952.7529.835.7888.36在庫変動その他-0.731Q1289.3753.3631.316.0590.711.342Q1288.7852.8531.306.1390.291.503Q1290.4452.8630.686.3389.874Q1290.9453.7430.686.3590.77-0.57-0.17百万バレル/日201289.8953.2030.996.2290.410.52※ イランについては2012年7月にかけ世界への供給が日量110万バレル減少、その後その水準を維持。他のOPEC産油国については2012年6月の原油生産量がその後も維持されると仮定出所:IEAデータを基に作成表4世界石油需給バランスシナリオ(2013年)(2012年7月時点)総需要非OPEC生産OPEC原油生産OPEC NGL生産総供給在庫変動その他201289.8953.2030.996.2290.410.521Q1390.4953.5430.686.3890.600.112Q1389.8853.7630.686.4190.840.973Q1391.3353.8830.686.6091.154Q1391.7554.4030.686.6191.68-0.18-0.07百万バレル/日201390.8753.9030.686.5091.070.20※ イランについては2012年7月にかけ世界への供給が日量110万バレル減少、その後その水準を維持。他のOPEC産油国については2012年6月の原油生産量がその後も維持されると仮定出所:IEAデータを基に作成41石油・天然ガスレビュー世界の原油と石油製品の流れに変化の兆し6543267平年幅(2003?2007年)910111218252345891011121実績876910111212基本シナリオ345628910111217イラン削減影響シナリオ3456789図9OECD諸国石油在庫日数*シナリオ②(2008~2013年)る(図9)。したがって、イランと西側諸国等との協議で両者間の問題に解決の方向性が見えるまで、当面は、サウジアラビア等の湾岸OPEC産油国は大幅な減産を実施みするとは考えにくく、世界経済と石油需要の状況を睨つつ自国の原油生産量を微調整するといった形で増減させていく可能性が高いのではないかと考えられる。にら101112134※在庫日数:月末の在庫量を直後3カ月間の1日あたり需要で除したもの出所:各種機関資料を基に試算ん日填て7068666462605856545250力に大きな影響が発生し、生産再開時に以前のような水準を維持できなくなる恐れがあることから、生産を継続しているとの指摘もある。他方、輸入国側が捕捉するデータからするとイランの原油輸出は大幅に減少していると見られることから、同国の生産と輸出の差は陸上の石油じゅうタンクや洋上のタンカーに原油を充することしので凌いでいたことによるものと見られる。ただ、同国の在庫も相当高水準になってきているとされており(IEAはイランの洋上在庫は2012年6月末時点で4,200万バレル程度に達していると見ている)、在庫充填は今後困難になっていくと考えられることから、輸出が滞ったままの状態であれば早晩イランは比較的停止しやすい海上油田から操業を停止せざるを得なくなると思われる。 このようなことから、少なくとも2012年後半以降はイランの世界市場への供給(つまり国外輸出)が半減し、その分石油消費国は当該供給を利用できないと仮定して前述の世界石油需給シナリオを調整すると、2012~2013年にかけて需給はほぼ均衡に近い状態になり(表3、表4)、OECD諸国の石油在庫日数も概ね現状の水準で維持され423. 米国シェールガスとシェールオイル生産活動により世界の石油貿易に変化の兆候れん域から中西部への石油製品の流れは顕著に減少傾向を示すようになった(図10~図13)。また、石油需要伸び悩みの結果、米国メキシコ湾地域から東海岸への石油製品の流れも頭打ちとなった(図14)。 こうした状況から、米国メキシコ湾岸製油所は米国内での石油市場では競争力が相対的に低下したものの、ほぼ同時期に新たな市場を開拓することになったが、それが国外市場であった。元々、米国メキシコ湾岸製油所は大規模な精製能力を保有するとともにその施設が高度化していることから、メキシコ湾沖合やメキシコ、そしてベネズエラ等の国内外で生産される重質高硫黄原油を廉で調達し、ガソリンや軽油等の軽質製品を製造して販売、収益を獲得するビジネスモデルを追求しており、大幅に割安になったWTIやカナダの原油を処理する中西部を除く世界市場においては、高度化されていない欧州の製油所等に比べてなお競争力を維持できる状況であった。価か 前章では、世界の石油需給見通しについて述べたが、その中で目新しい要素としては米国の石油供給態勢に変化の兆しが見られるということであろう。 従来米国では、メキシコ湾岸が一大精製中心地であり、メキシコ湾沖合等米国内で生産されたり、国外から輸入されたりした原油を精製処理し生産された石油製品を北東部や中西部に出荷していた。しかし原油価格が上昇基調になってきた2005年前後以降、石油需要が全地域的に頭打ちとなった。他方、カナダでのオイルサンドの増産による米国中西部への輸出の増加や、米国中西部においてシェールガス生産に随伴するNGLやシェールオイルの生産が顕著に増加し始めたことにより、中西部に位置する製油所での石油製品生産が増加したほか、カナダからクッシングへのKeystoneパイプライン第2期分の完成(2011年2月8日)もあり、Brentに比べてWTIの価格が大幅に割安になった結果、中西部製油所で生産される石油製品の市場での競争力が向上し、米国メキシコ湾地2012.9 Vol.46 No.5アナリシス怎oレル/日1601401201008060402002005万バレル/日50403020102006200720082009201020112012年020052006200720082009201020112012年中西部→メキシコ湾岸メキシコ湾岸→中西部中西部→メキシコ湾岸メキシコ湾岸→中西部出所:EIAデータを基に作成出所:EIAデータを基に作成図10米国中西部とメキシコ湾岸との石油製品の流れ図13米国中西部とメキシコ湾岸とのLPGの流れ万バレル/日605040302010万バレル/日35030025020015010050020052006200720082009201020112012年中西部→メキシコ湾岸メキシコ湾岸→中西部020052006200720082009201020112012年東海岸→メキシコ湾岸メキシコ湾岸→東海岸出所:EIAデータを基に作成出所:EIAデータを基に作成図11米国中西部とメキシコ湾岸とのガソリンの流れ図14米国東海岸とメキシコ湾岸との石油製品の流れ万バレル/日5040302010020052006200720082009201020112012年中西部→メキシコ湾岸メキシコ湾岸→中西部万バレル/日6050403020100200920102011年ガソリン留出油その他出所:EIAデータを基に作成出所:EIAデータを基に作成図12米国中西部とメキシコ湾岸との留出油の流れ図15米国からメキシコへの石油輸出(2009~2011年) そして、そのような競争力を生かす形となったのが国外市場である。実際に近年米国では石油製品は国内需要の弱さを国外需要で穴埋めするといった格好となっている。石油製品の輸出は特に中南米のメキシコ、ブラジル、チリを中心として伸びてきていた(図15~図17)。これは、これらの国の経済が堅調に成長していた(図18)ことが一因であると見られる。さらにこれら諸国の経済が堅調だったことについては、例えばブラジルにおいては原油と鉄鉱石、メキシコは原油、チリは銅といったように、それぞれ高水準の資源価格の恩恵に預かれた、といった側面がある。また、ブラジルとチリは中国が最大の輸出先であったこともあり、中国での景気刺激策実施に伴う大規模インフラ投資や不動産価格上昇に伴う景気拡大から、中国への資源や素材等の輸出が堅調であったことが経済成長に寄与し、それに伴い石油需要も伸びたと考えられる(図19、図20)。43石油・天然ガスレビュー世界の原油と石油製品の流れに変化の兆し怎oレル/日300250200150200920102011年出所:IEAデータを基に作成図19ブラジルの石油需要(2009~2011年)200920102011年ガソリン留出油その他万バレル/日181614121086420出所:EIAデータを基に作成図16米国のブラジルへの石油輸出(2009~2011年)万バレル/日403020200920102011年200920102011年ガソリン留出油その他万バレル/日14121086420出所:EIAデータを基に作成出所:IEAデータを基に作成図17米国のチリへの石油輸出(2009~2011年)図20チリの石油需要(2009~2011年)*一部推定と見通しを含む万バレル/日25020015010020082009201020112012年200920102011年メキシコブラジルチリ米国出所:IEAデータを基に作成%8 6 4 2 0?2?4?6?8出所:IMFデータを基に作成図18中南米諸国と米国の経済成長率図21メキシコの石油需要(2009~2011年)果、石油需要全体としては同水準になっているといった事情がある。 他方、このような石油製品需要に各国の精製能力は追い付いていない。精製能力はブラジルで日量190万バレル、メキシコで同154万バレル、チリで同23万バレル(いずれも推定)とされるが、2011年の各国の石油需要はブラジル同280万バレル、メキシコ同208万バレル、チリ同37万バレルとなっている(さらに、メキシコにおいて44そうい殺さ 他方、メキシコは資源輸出で経済が潤う南米向けの自動車の輸出が2011年は前年比で56%程度伸びるなど好調であったことで、経済成長は堅調であったが、石油需要は伸びていないように見える(図21)。ただ、実は同国ではガソリンや留出油の需要が伸びているか少なくとも維持されている半面、シェールガスの増産により北米市場で価格が低下した天然ガスとの価格競争上不利となった重油の需要が低下しており、両者が相された結2012.9 Vol.46 No.5アナリシスヘ、既存の石油需要構造と製油所の生産態勢に問題が発生していると言われており、同国はガソリンや軽油を輸入するとともに重油の輸出を増加させている)。また欧州においては、リビアの内戦等の影響で精製利幅が低下したことから、製油所の稼働率が低下、その結果域外への輸出も減少し、この低下分を米国が補っているといった要素もある。 ただ、南米諸国の経済成長は中国等への資源などの輸出といった部分に依存するところが相当程度あり、これはいわば外需頼みと言える。このため中国経済が減速し、同国への資源等の輸出が鈍化するとともに資源価格が下落すると、これら諸国の経済は負の影響を被るとともに石油需要が鈍化するといったリスクが存在する。他方、これらの各国を含め南米では2012~2016年にかけ、日量108万バレルの精製能力の増強が行われると見られる。このようなことから、南米の主要石油消費国においては、今後国内での石油製品需要が鈍化するとともに域内での石油製品供給が増加される可能性があることから、米国からの中南米への石油製品輸出が今後も順調に伸びていくと考えるのは楽観的過ぎる恐れがある。4. シェールガスとシェールオイルが変える石油等の市場 水平坑井と水圧破砕等に関する技術の発達により米国でシェールガス生産が急増した結果、当初液化天然ガス(LNG)の大輸入国になり国内天然ガス価格が上昇すると見られた米国では、天然ガス価格が下落するとともに実際には近い将来LNGの純輸出国になるといった見通しが出てくるなど、まさに同国の天然ガス市場・産業が大転換しつつある。これがいわゆる「シェールガス革命」の本質であろう。これについては、既に新聞等で大きく報道されており広く認識もされてきているので、開発手法等についてはもはや多くを語る必要はないであろう。 しかし、シェールガスの石油版であるシェールオイルの開発状況が極めて初期の段階であったこともあり、これまでのところ体系立てて説明されているとは言い難いので、ここで現時点で判明している現状と展望、そして石油市場等において予想される展開に関しての考察等を行いたい。 まず、米国でのシェールオイル資源の技術的に回収可能な資源量(経済性は考慮しない)は2010年1月1日現在で332億バレルとされる(図22)が、確認埋蔵量は今のところ判明していない。またシェールガスは不完全(ロシア等については調査されていないため未計上)ながらも米国外での技術的に回収可能な資源量が算出されているのに対し、シェールオイルについては米国外でのそれは現時点では調査されておらず不明である(但し、米国での例から判断すると、中国、アルゼンチン等でシェールガス鉱床の存在が示唆されることから、そのうちの一部鉱床ではシェールオイルが存在すると推定される)。 このようにシェールガスにも増して不透明性や不確定性の強いシェールオイルであるが、生産面では最近大きな展開に直面しつつある。米国でのシェールオイルの生産見通しとしては、まず、2011年11月9日に発表されMonterey/SantosNiobraraBakken/Sanish/Three Forks6,5006,5005,3725,37213,70913,709Austin ChalkEagle Ford2,6882,6882,4612,461Avalon/Bone Springs1,5931,593SpraberryWoodford in the Anadarko51051039339305,00010,00015,000百万バレル出所:EIA百万バレル/日NiobraraEagle FordBakken1.61.41.21.00.80.60.40.202006201020152020202520302035年出所:IEA Worl Energy Outlook 2011図22米国のシェールオイルの技術的回収可能資源量図23シェールオイル生産展望(IEA、2011年11月)45石油・天然ガスレビュー世界の原油と石油製品の流れに変化の兆しスIEAによる「世界エネルギー展望」(WEO:World Energy Outlook)で示されたものが挙げられる。これによれば、生産は2020年頃に日量140万バレル強でピークに到達した後、2035年にかけて減退すると予測されている(図23)。この結果シェールオイルは米国の石油需給への影響はあったとしても、世界石油需給への影響を大きく与える可能性は低いとIEAは結論付けていた。また、最近では、EIAが2012年6月25日に発行した「Annual Energy Outlook 2012」でも、シェールオイルの生産量は2029年に同133万バレルでピークに達した後2035年には同123万バレルに低下すると予測している(図24)。 ただ、このような予測に対して実際のシェールオイル生産量や最近に至るまでの市場関係者の今後の生産見通しはかなり異なる様相を呈してきている。まず、IEAは2011年12月13日に発表したオイル・マーケット・レポート(これはWEO発表の約1カ月後である)において、WEO発表時点では、Bakken Shale、Eagle Ford、Niobraraの3鉱床でシェールオイルの増産を予想していたのに対し、さらにBarnet、Monterey、Uticaや他の鉱床でも生産が予想されるとして、2016年に同170万バレルの生産量を見込むようになった(図25)ほか、2012年7月12日に発表したオイル・マーケット・レポートでは2013年の米国でのシェールオイル生産量が前年比同40万バレル増加し同160万バレルに達する(つまりIEAは2012年は同120万バレルに達すると推定していることになる)と予想するなど、実質的に生産予測を上方修正してきている。また、市場関係者の間では2020~2030年の間にシェールオイルの生産量が同300万~400万バレルに達すると見る向きもある。 仮に2030年にシェールオイルが日量400万バレルの生産に至るとして、米国の石油純輸入量を試算してみよう。EIA/AEOによると、2008年時点では、同国の石油輸入は同1,100万バレルから同1,200万バレル超へと若干ながら増加すると予測されていた。しかし、原油および石油製品価格の高騰、そして経済減速、シェールオイルとNGLの増産(後述)もあり、2012年時の予測では、2009年からして同200万バレル程度純輸入量の水準が下方修正されているうえ、2030年にかけさらに同300万バレル程度低下すると予想しているが、シェールオイルが2030年時点で同400万バレルの生産量となると仮定した場合にはさらに同国の純輸入量が減少する結果、2009年の日量900万バレルに比べて2030年には純輸入量は日量450万バレル程度とほぼ半減するということになる。 そして、シェールオイル増産分だけ非OPEC石油生産量が上振れし、その結果OPEC産油国に対する原油需要量が低下するとともに、従来であれば上昇すると見られていたOPECの生産する石油の世界供給に占める割合(いわゆる市場占有率)も現状と比べてむしろ若干ながら減少傾向となる可能性も増大する。OPEC産油国の市場占有率が上昇するということは、すなわちその市場支配力が増大することを意味し、原油価格も上昇しやすくなると考えられる。従って、OPECの市場占有率が抑制されるということは原油価格の上昇の確率を低減させることにもつながるであろう。このように2011年後半時点では世界石油市場に大きく影響する可能性は低いと見られていた米国でのシェールオイルの生産に対する展望は時間が経過するにつれ上振れしていくとともに、想定される将来の世界石油市場への影響力も増大する方向にある。 シェールオイルは、1バレルあたり44~68ドル程度の原油価格であれば10%の内部収益率を確保できる(図26)万バレル/日150100500200920102011201220132014201520162017201820192020202120222023202420252026202720282029203020312032203320342035年実績見通し出所:EIAデータを基に推定千バレル/日Williston Basin(Bakken)Eagle FordNiobraraBarnetMontereyUticaOthers1,8001,6001,4001,2001,00080060040020002010201120122013201420152016年出所:IEAデータを基に作成図24米国シェールオイル生産実績と見通し(米国エネルギー省、2012年6月)図25シェールオイル生産展望(IEA、2011年12月)462012.9 Vol.46 No.5アナリシスtica ShaleAnadarko tight oilAlberta BakkenNiobrara ShaleCardium ShalePermian MidlandEagle Ford ShaleBakken ShalePermian Delaware55555151515150505050444444446868 646456%56%10%10%6%6%28%28%3040506070ドル/バレル出所:IEA Oil Market Report(Rystad Energy)図26米国シェールオイル開発に際し内部収益率10%を確保するために必要な原油価格Pipeline ExportTruck to Canadian PipelinesTesoro RefineryEstimated Rail出所:ノースダコタ パイプライン局図27ノースダコタ(Williston Basin=Bakken Shale)で生産されるシェールオイルの輸送形態(2012年3月現在)※ 緑の部分が液分の多いシェールガス鉱床、赤の部分が液分の少ないシェールガス鉱床出所:Enterprise Product Partners図28米国でのシェールガス鉱床の特徴と推定されることから、現在の原油価格であれば、引き続き開発・生産が促進されていく可能性が高いが、併せて将来を展望する際に留意しておく点がいくつかあろう。米国で生産されるシェールオイルは軽質低硫黄原油であるが、一方でシェールオイルの生産されるBakken ShaleやEagle Fordが位置する中西部や米国メキシコ湾岸地域には別途カナダのオイルサンド由来の原油が流入しているか、しようとしており、当該地域の石油需給が緩和するとともに両者が競合することにより、お互いの価格が下落、開発・生産の経済性を損ねてしまう恐れがある。このため、シェールオイルやカナダのオイルサンドの開発・生産がこれらの生産地域周辺にとどまらないようにすることが、両者の開発・生産が促進されるための一つの鍵となると考えられる。カナダのオイルサンド47石油・天然ガスレビュー世界の原油と石油製品の流れに変化の兆し\5地域別受け入れ原油の性状と精製能力API比重(度)硫黄含有分(%)精製能力うち操業中(万バレル/日)(万バレル/日)東海岸地域(PADD1)中西部地域(PADD2)インディアナ、イリノイ、ケンタッキーミネソタ、ウィスコンシン、ノースダコタ、サウスダコタオクラホマ、カンザス、ミズーリメキシコ湾岸地域(PADD3)テキサス内陸部テキサス湾岸ルイジアナ湾岸ルイジアナ北部・アーカンソーニューメキシコ出所:EIAデータを基に推定33.0833.2433.2428.2236.2130.0036.3628.7729.9730.1034.890.711.341.312.250.881.550.811.751.451.631.3217140217250908651748733117161273941665090852174873251714表6主要企業の米国での工場建設計画、企業名、場所、完成日、発表日発表年月日企業州地点完成予定時期エチレン生産能力(年産)万トン投資額(億ドル)備考2011年11月15日 ChevronPhillips テキサスBaytown2017年150502012年11月30日 SasolルイジアナLake CharlesNA100~150NA2012年3月3日 Formosa(台湾塑膠工業)テキサスPoint Comfort2010年代半ば3月15日 ShellペンシルバニアBeaver County2017年4月19日 Dow ChemicalテキサスFreeport2017年7月26日 ExxonMobilテキサスBaytown2016年出所: 各種資料を基に推定80NA15015010数十17NA2011年11月30日に実現可能性調査を実施すると発表2012年3月15日に工場建設場所選定を発表2012年4月19日工場建設場所選定を発表については、現在計画されているEnbridgeのNorthern Gatewayパイプラインでブリティッシュコロンビア州に輸送し、沿岸部からアジア太平洋諸国へと輸出するといった方策が選択肢の一つとなろうが、同州に居住する原住民からの反対があり、完成までにはなお時間を要すると見られる(2020年頃と見る向きもある)。 また、シェールオイルに関していえば、現状でも米国内でのインフラが不足気味であり、ノースダコタ州で現在生産されているシェールオイルについては、パイプラインによる輸送(と域内のTesoroのMandan製油所(精製能力日量6万2,000バレル)での消費)は全生産量の3分の2にとどまっており、残りはカナダのパイプラインへトラックで輸送されるか鉄道で輸送されている(図27)などの制約を受けており、この面でのボトルネックがど482012.9 Vol.46 No.5アナリシス怎oレル/日3503002502001502000200520102015202020252030実績見通し2035年出所:IEAおよびEIAデータを基に推定図29米国NGL生産実績と見通しのように解消されていくかが重要であろう。また、Eagle Fordのあるテキサス州では大量に原油精製処理能力を保有するメキシコ湾岸の製油所はベネズエラ等から重質高硫黄原油を調達して処理できるよう施設が高度化されている(表5)ことから、軽質低硫黄原油であるシェールオイルを処理した場合には経済性を損ねる恐れがある一方、テキサス州から他の地域へ原油を輸送するパイプライン能力や内航船能力も限られていると言われている。そうしたことから、この面も解決する必要があろう。 一方で、シェールガスが世界の石油市場に影響を及ぼす可能性もある。米国のシェールガス鉱床は、天然ガスの生産が大半である鉱床と液体分(いわゆるNGL:Natural Gas Liquids)をそれなりに産出する鉱床がある(図28)。このうち液体分を随伴して産出するシェールガス鉱床もそれなりの数が認められており、このような鉱床からのNGLの産出量はシェールガスの生産量増加に伴い増加傾向にある(図29)。そして液化石油ガス(LPG)を含めさまざまな成分が含まれているので、結果としてLPGの価格が相対的に下落(図30)、これによりLPGに含まれるエタン等の成分を原料として利用する米国の石油化学工業が国際競争力を回復する兆しが見えてきている。 同国の石油化学工業は特に2000年代に入ってから天然ガスや原油価格の上昇により国際競争力を失っており、新規の工場建設も2001年以降行われてこなかった(その間石油化学企業は、中東やアジアで工場を建設し、ナフサを原料として石油化学製品を生産していたと言われドル/バレル0?10?20?30?40?50?60?70?8020052006200720082009201020112012年出所:EIAデータを基に作成図30米国プロパンとBrentとの価格差(プロパン-Brent)ている)。しかし、シェールガスと随伴するNGLの産出量の増加により、原料や燃料価格が低下したことから、Dow Chemical 、Shell、Chevron Phillips Chemical等が石油化学工場を建設する旨表明している(表6)。このような流れに沿って米国で石油化学製品の生産が増加し、米国外への国際競争力を持った製品の輸出が増加すると、例えば、欧州やアジア等で生産される石油化学製品の競争力が相対的に低下するとともに生産量が減少、その結果原料となるナフサやLPGの需要が減少することも予想される。 一方、将来的にはNGLに加えてシェールオイル等が増産され、かつ米国メキシコ湾岸の製油所はその仕様と規模故に南米等の重質高硫黄原油を廉価で輸入し大量に処理し製品を製造することで、少なくとも一部の石油製品は北米全体として供給過剰となることが予想される。そのうち例えば、LPG等が余剰となり(LPGの場合2020年頃には余剰は日量十数万バレル規模となると見る向きもある)、将来的にはそれが大西洋圏やパナマ運河(2014年に向け拡張工事を実施している)を通じてアジア太平洋諸国に流入してくることも考えられる。このように米国のシェールオイルのみならずシェールガス生産に随伴して生産されるNGLは、世界の製品需給構造を直接的、間接的に変化させる可能性がある。これは最終的には欧州やアジア太平洋諸国を含め精製産業の変化を促すとともに石油製品そして原油の貿易にも影響が及んでいくとも考えられるので、今後の動向には注視していくべきであろう。49石油・天然ガスレビュー世界の原油と石油製品の流れに変化の兆しy参考文献】1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 野神隆之:原油市場他:欧州によるイランからの原油輸入禁止、そして欧州債務問題対策や中国での景気刺激策にIEA:World Energy Outlook 2011IEA:Oil Market Report各号OPEC:Monthly Oil Market Report各号EIA:Short-term Energy Outlook、Annual Energy Outlook他各種データIHS Global Insight:The Economic and Employment Contribution of Shale Gas in the United States(2011年12月)Enterprise Product Partners 発表資料North Dakota Pipeline Authority 発表資料対する期待で回復する原油価格(2012年7月16日)執筆者紹介野神 隆之(のがみ たかゆき)早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。米国ペンシルバニア大学大学院修士課程およびフランス国立石油研究所付属大学院(ENSPM)修士課程修了。通商産業省(現・経済産業省)資源エネルギー庁長官官房国際資源課(現・国際課)、国際エネルギー機関(IEA)石油産業市場課等に勤務の後、石油公団企画調査部調査第一課長を経て、現在JOGMEC石油調査部上席エコノミスト(石油・天然ガス市場および産業担当)。趣味は旅行(国内・国外を問わず)。502012.9 Vol.46 No.5アナリシス |
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