ページ番号1006587 更新日 平成30年2月16日

石炭資源の開発と現状について-エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-

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レポートID 1006587
作成日 2016-05-23 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 エネルギー一般基礎情報
著者
著者直接入力 望月 尊弘
年度 2016
Vol 50
No 3
ページ数
抽出データ JOGMEC石炭開発部石炭開発課 課長望月 尊弘石炭資源の開発と現状について-エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-はじめに JOGMECは平成24(2012)年9月の石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の改正により、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より、石炭事業の上流部分の移管を受け、石炭資源開発に関する業務を開始した。 石炭は、近年まで日本でも探鉱開発がなされ、身近な資源であったが、利用しやすい石油の出現等によりエネルギーとしての役割は縮減した。しかし、地政学的なリスクが低いこと、安価であること等から石炭の利用の見直しがなされ、政府のエネルギー基本計画では重要なベースロード電源として位置づけられている。現在、日本は石炭資源の大部分を輸入に頼っているが、近年中国、インドなど新興国での消費が飛躍的に伸び、安定供給確保が必要となってきている。 石炭はどのような資源なのか、どのように探鉱・開発されているのか、二酸化炭素(CO2)の排出など環境面での問題に対しどのような対応が取られているのかなど、意外と知られていない石炭の現状等について分かりやすく解説したい。1.石炭の基本的知識(1)石炭の成因 石炭は、3億6,000万~2億8,000万年前の古生代石炭紀以降、6,400万~170万年前の新世代第三期にかけて世界各地で形成されたものである。地上の湿地帯に繁茂していた植物が死に堆積し、水の影響で空気から遮断され、上に堆積した砂や泥とともに地下に埋没し、地下の圧力と地熱等の影響を受け、石炭に変化していったと言われている。石炭は石油と同様、化石燃料の一種である。石炭は地下の圧力、地熱や地質等の影響により、多様な種類が存在するが、炭質(水分、灰分、発熱量等)は石炭の生成年代や堆積状況等により千差万別で、炭田、炭層、炭層の位置によっても炭質は異なってくる。(2)石炭の分類 植物が地下の圧力や地熱の影響により、脱水、脱炭酸、脱メタン作用が進んでいくことは石炭化作用と呼ばれる。表1石炭の分類分類褐炭亜瀝青炭瀝青炭無煙炭低石炭化度発熱量JIS分類無水鉱物基(kcal/kg)5,800~7,300水分(%)60~307,300~8,1008,100以上30~15用途賦存地域燃料等一般炭(電力用)ドイツ、豪州(ビクトリア州)、インドネシアなど米国、インドネシアなど世界各地に広く分布出所:JOGMEC石炭開発部61石油・天然ガスレビュー高-10以下製鉄用他ベトナム・中国・豪州など15以下原料炭(コークス)一般炭(電力、セメント)豪州(クイーンズランド州等)、米国、中国、カナダ、ロシアなどアナリシス黷ォせい青炭、瀝青炭、石炭は、石炭化度の分類により、褐炭、亜瀝無煙炭などの種類に分けられ、石炭化度の進行により、水分は減少し炭質は向上する。また、用途による分類もあり、製鉄の還元剤としてのコークス製造の原料等に使用する石炭を原料炭、原料炭を除いた発電、セメント製造の燃料などに使用される石炭を一般炭と呼ぶ。石炭化度の分類における無煙炭は最も石炭化度が進んだ石炭で、豆炭、練炭の原料や、製鉄用に利用されている。賦存国・地域は、ベトナム、中国、豪州などに偏在する。次に石炭度が進んでいる瀝青炭は、製鉄用の原料炭と電力・セメント用の一般炭に使用されている。賦存国・地域は、豪州、米国、カナダ、ロシアなどだが、わが国が輸入する良質原料炭は豪州クイーンズランド州への依存度が高い。また新規原料炭の供給地としては、モンゴル、モザンビークなどが注目されている。亜瀝青炭については、水分が多いという特徴があり(15~30%)、一般炭として利用され、米国、インドネシア(カリマンタン、スマトラ)など世界各地に広く賦存している。褐炭は石炭度が最も進んでいないもので、水分が非常に多く(30~60%)、燃料としては劣質だが賦存量は多く、ドイツ、豪州(ビクトリア州)、インドネシア等、世界的にも多く賦存している。6.7%6.7%31.3%31.3%62.1%62.1%Russia::157Russia15716.2%16.2%29.4%29.4%54.3%54.3%China::114.5China114.599.9%99.9%42%42%32%32%Germany::40.5Germany40.527%27%Other EuropeOther Europe::6565100%100%Middle EastMiddle East::1.11.12%2%7.4%7.4%92.6%92.6%34%34%53%53%13%13%Canada:6.66.6Canada:12.7%12.7%45.7%45.7%41.641.6%%USAUSA::237.3237.351%51%48%48%Other Asia::51.7Other Asia51.718%18%80%80%Other AfricaOther Africa::2.62.6India::60.6India60.6100%100%IndonesiaIndonesia::2828100%100%South Africa::30.2South Africa30.2Unit:billion tonesUnit:billion tones100%100%ColombiaColombia::6.76.710%10%90%90%OtherOtherSouth AmericaSouth America::7.97.948.7%48.7%48.6%48.6%4.8%4.8%AustraliaAustralia::76.476.4LigniteLignite22.5%22.5%BituminousBituminousAntracite+Antracite+45.2%45.2%SubSub--bituminousbituminous32.2%32.2%World::891.5World891.5(注)可採埋蔵量は 8,915億t。(注)可採年数⇒R/P(Reserves/Production)は117年。(注)石炭は、米国、ロシア、中国、豪州、南アフリカ、その他の国々等に広く賦存する。出所:WEC(World Energy Council) Survey of Energy Resources 2013図1 世界の石炭可採埋蔵量(2011年末)年2502001501005001993年1996年1999年2002年2005年2008年2011年石油天然ガス石炭ウラン出所:WEC Survey of Energy Resources 1995、1998、2001、2004、2007、2009、2010、2013より作成図2 世界のエネルギー資源の可採年数の変化(3)石炭の埋蔵量 世界エネルギー会議(WEC:World Energy Council)の試算では、石炭の可採埋蔵量は8,915億t(2011年末)で、このうち無煙炭・瀝青炭が4,032億t(45%)、亜瀝青炭が2,873億t(32%)、褐炭が2,010億t(23%)である。石炭埋蔵量の分布の観点から見た場合、米国、ロシア、中国、豪州の4カ国の埋蔵量が多く、4カ国で66%を占める。また世界に広く分布しているのが特徴で、地政学的なリスクも低い資源と言える。 また可採埋蔵量÷年間生産量で算出される可採年数は117年(2011年)である。石油、天然ガスと比較して倍以上の長さであり、過去18年で比較した場合、石油は若干増加、天然ガスは横ばいであるのに対し、石炭は、231年(1993年実績)から117年(2011年実績)と急激に減少している。これは、中国、インドなど新興国による石炭需要の増加が大きな原因と考えられ、埋蔵量の増加よりも需要増による生産量の増加のほうが多く622016.5 Vol.50 No.3アナリシスネっているという事情による。可採埋蔵量の内訳で見た場合、一般炭、原料炭として利用され、高品質である無煙炭・瀝青炭の可採埋蔵量が過去5年で2%減少する一方で、低品位である褐炭が34%増加している。これまでに生産されている石炭は、作業条件が比較的よく経済性にも優れた高品位の石炭が中心であると言われ、今後は、より条件が悪く、採掘コストの高い高品位の石炭や低品位の石炭の割合が増加してくることが予想される。褐炭1,499億t18%褐炭1,954億t23%褐炭2,010億t23%可採埋蔵量8,260億t瀝青炭+無煙炭4,113億t50%可採埋蔵量8,609億t瀝青炭+無煙炭4,047億t47%可採埋蔵量8,915億t瀝青炭+無煙炭4,032億t45%亜瀝青端 2,648億t32%亜瀝青炭2,608億t30%2007年末2008年末出所:WEC World Energy Resources 2009、2010、2013より作成図3 世界の可採埋蔵量内訳亜瀝青炭2,873億t32%2011年末2.石炭探鉱開発の流れはによる開発許可と環境許認可の取得、鉄道などのインフラ建設、選炭機・炭鉱事務所の開設、使用機器の購入、操業人員の募集などが開始される。 生産・操業段階では、石炭の採掘、生産、販売に移行するが、採掘の方法については、露天掘りと坑内掘りがある。露天掘りは石炭層が地表に近い所に存在する場合に石炭の上にある土砂や岩石を剥がして石炭を露呈させ採掘する方法で、坑内掘りは石炭層が地下深くに存在する場合に、地表から石炭層までトンネルを掘って石炭層内で石炭を採掘し地表へ搬送する方法である。どちらにするかは炭層の賦存状況や経済性により決定され、露天掘りは一般的にはコストが低いが、石炭を採掘する場合の剥土比*2が重要である。剥土比が高い場合、坑内掘りのほうがコストが低くなる場合がある。露天掘りは、坑内掘りに比べ、低コストで採掘でき、また実収率(採掘できる石炭の量の比率)が高いため、条件さえ満たせば、露天掘りが採用されることになるが、環境負荷の大きい方法となる。露天掘りでは、岩石は一般に発破で破砕し、ショベル、ドラッグラインといった積み込み機械ですくい、さらに岩石専用のトラックで運搬する。 一方、坑内掘りは、地表に坑口を設けそこから坑道をしい錘す 石炭探鉱開発については、探査、開発、生産・操業などの段階(ステージ)があり各段階で事業が実施されている。 探査段階では、物理探査、露頭調査、試調査、石炭分析などの手法により、石炭の品質、埋蔵量、また、賦存状況の調査が行われている。期間は2~5年であり、経費は数億円が必要とされる。石炭の開発・生産に当たっては、鉄鋼用の原料炭、電力用の一般炭などとして需要者が求める品質に合致する石炭であることが必要で、探査段階においても、埋蔵量、賦存状況に加え、品質の調査が極めて重要となる。その後、採掘運搬方法、環境影響評価、使用機器、インフラ建設、採掘終了後のリハビリテーション、販売方法、新規調達、経済性評価などについて検討がなされ、プロジェクトの総合評価およびFS(Feasibility Study:実行可能性調査)が行われる。このうち、インフラについては、鉄道、港、港湾設備などの大規模な設備が必要であり、ユーザーが利用しない場合でも経費を負担しなければならないテイク・オアペイ条項*1により負担増となる場合もある。 総合評価の結果、プロジェクトを進めることが決定すると、開発段階に移行することになる。すなわち政府等63石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-@削し地下の石炭層に到達する。その後採掘設備を搬入・設置し、採炭、坑道を通じて、坑口まで運搬する。坑内掘りは地下で作業を行うため、通気や坑道の空間の確保・維持、地下水の排水などが必要となり、採炭に付帯する作業量が多く、安全性、経済性、効率性が求められることになる。 採掘された石炭は、岩石等が混在しているので、この岩石を選別して排除する。これは石炭の価値を高めるためのもので、選炭と言われる。選炭方法には、比重選別法と浮選法がある。比重選別法は石炭の比重(約1.3~1.4)と岩石の比重(約2.2~2.5)が異なることを利用するもので、水を使用するジグ選別機、重液(水に添加物を加えて比重を重くした液)を利用する重液サイクロンな水性を利どがある。また浮選法は石炭と岩石の表面の濡用して選別する方法で、比重選別では不可能な微粉炭を回収する時に利用される。 石炭の場合、輸送にかかるコストが全体の3割以上を占めると言われており、各炭鉱からの鉄道、バージ、船舶などを利用し消費国に輸送される。 例えば、豪州で生産される石炭は炭鉱から積出港まで主に鉄道で輸送される。豪州のニューサウスウェールズじゅすい州のニューキャッスル港は世界最大の石炭輸出積出港で、その量は、年間1億t近くに上る。最新鋭の貨車の1両あたりの積載量は約90t、1列車は約100両の貨車で構成され、その全長は2kmを超えると言われている。一方、インドネシアでは、鉄道や道路が未整備であるため、河川を利用して輸送されている。バージと呼ばれる平底の船で外航船が着桟できる積出港まで石炭を運んでいる。産炭国から日本へ石炭を運ぶ船は、ドライバルク船と呼ばれ、石炭以外に鉱石なども運んでいる。船の大きさは、中型のパナマックス(Panamax)サイズ(パナマ運河を通行できる最大サイズ、6万t以上10万t以下)、大型のケープ(Cape)サイズ (パナマ運河を通行できず、喜望峰ケープタウンを経由、10万t以上)などに分けられ、消費国に輸送される。 石炭開発では、操業のリスクは比較的高い。自然災害、労務費の割合が多いことなどによる労務リスクなどがあり、坑内作業特有の落盤・炭塵爆発・自然発火等の災害防止対策も重要となる。また、生産終了後は、採掘跡の埋め戻し、坑口密閉、地表沈下箇所の埋め戻しなどが必要となる。石炭探査・開発調査炭鉱開発(操業準備)期間(年)2?5年(国によっては5年以上かかる)2?5年(国によっては5年以上かかる)期間(年)金額(億円)金額(億円)数億円数億円2?3年2?3年数百億円数百億円炭鉱操業20?30年20?30年投資資金の回収投資資金の回収跡地復元2?3年2?3年数億円数億円露頭調査、物理探査、ボーリング等を実施し地質構造を調査。石炭層が発見された場合、物理探査やボーリング等の精密度を高め、炭層の広がり、厚さ、石炭の性状を見極め、開発可能性を判断。大規模な土木設備の整備、選炭施設の建設、これらに必要な電気・水および石炭を運ぶための輸送等のインフラの整備。生産計画や安全性評価を適宜評価しつつ、かつ見直しながら操業。? 探査段階:埋蔵量、炭質、賦存状況の確認。? 開発段階:鉱山設計、環境影響評価、資金調達、販売方法の検討⇒ プロジェクトの総合評価。鉄道、港湾等のインフラ整備、選炭機等の現場設備、必要機器の購入、従業員募集の開始。? 操業段階:地質状況に応じた対応、需要に応じた生産。坑内掘りでは、安全・保安確保は不可欠。? 復元段階:採掘跡の埋め戻し。坑内掘りでは、坑口密閉、地表沈下箇所の埋め戻し等。出所:JCOAL(一財・石炭エネルギーセンター) 石炭の開発と利用のしおり図4 石炭開発の流れ642016.5 Vol.50 No.3アナリシス.石炭の生産量・消費量・輸出量・輸入量 世界の石炭生産量は80億t(2014年)で、77%が一般炭、23%が原料炭である。生産国は、中国、アメリカ、インド、豪州、インドネシアが多く、一般炭は中国、アメリカ、インド、インドネシア、原料炭は中国、豪州、ロシア、アメリカの順となっている。一般炭については上記4カ国で約82%、原料炭は同様に上記4カ国で約84%を占めている。このうち、特に原料炭については高品位の石炭の生産国は限られると言われている。 消費量は79億t(2014年)で、消費国は中国、インド、アメリカ、ドイツの順となっている。とりわけ、一般炭については、中国、インド、アメリカ、南アフリカ、原料炭については中国、インド、ロシア、日本の順となっている。中国、アメリカ、インドなどの国々は、石炭を大量に生産・消費していることから、「地産・地消型」の資源と言われる。 また、輸出量は、約14億t(2014年)。輸出国はインドネシア、豪州、ロシアの順。一般炭はインドネシア、豪州、ロシア、原料炭は豪州、アメリカ、カナダ、ロシアの順となっている。一般炭の輸出量は、インドネシア、豪州が年々増加させており、図8、図9のコールフローで分かるように、その大部分が、日本、韓国、中国、インドの4カ国向けで、電力用に利用されていることが分かる。一方原料炭については、豪州、アメリカ、カナダ、ロシアの輸出量が多いが、中国、日本、インド、韓国など多くの先進国・新興国に輸出され、鉄鋼用のコークスなどとして利用される。 輸入量は約14億t(2014年)。輸入国は2013年までは中国、日本、インドの順であったが、インドの輸入量が急増しており、2014年にインドは日本を抜いて第2位になっている。一般炭については、中国、インド、日本、韓国の順。日本では東日本大震災による原子力発電所の停止により石炭火力発電所の稼働が増えており、一般炭の輸入は増加している。一方、原料炭についても、中国、日本、インド、韓国の順となっている。 図8、図9は輸出量、輸入量の動向等に基づき、一般炭と原料炭のコールフローを示したもの。この図でも分かるが、石炭の場合輸送コストの問題があり、価格競争力の観点から輸入国にとって近距離の輸出国からの石炭主要生産国主要一般炭生産国主要原料炭生産国Others10%8,023Mt(Incl. lignite)China47%Poland2%Germany2%S. Africa3%Russia4%Indonesia6%Australia6%India8%United States11%CountryChinaUnited StatesIndiaAustraliaIndonesiaRussiaS. AfricaGermanyPolandOthersWorldQuantity(Mt)3,747.5916.2668.4491.2470.8334.1253.2186.5137.1817.58,022.5(注)Mt=百万t(以下同)出所:IEA Coal Information 201565石油・天然ガスレビューColombia1%Kazakhstan2%Russia3%Australia4%S. Africa4%Indonesia8%Others5%6,147MtChina52%India9%United States13%CountryChinaUnited StatesIndiaIndonesiaS. AfricaAustraliaRussiaKazakhstanColombiaOthersWorldQuantity(Mt)3,179.6769.2569.9468.1250.6245.7189.593.583.5297.66,147.2図5 主要石炭生産国(2014年)Poland1%Ukraine1%Others4%1,065MtChina53%Kazakhstan1%Canada3%India5%United States7%Russia7%Australia17%CountryChinaAustraliaRussiaUnited StatesIndiaCanadaKazakhstanUkrainePolandOthersWorldQuantity(Mt)567.9184.875.075.051.430.615.312.812.339.71,064.8石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-A入が多くなる。例えば石炭輸入量が多い中国、日本、インド、韓国は、比較的近距離の豪州、インドネシアに大きく依存していることが分かる。また経済成長が著しい東南アジア諸国は石炭火力発電所の建設を進めようとしており、日本は石炭の供給源の多角化を推進する必要がある。主要石炭消費国主要一般炭消費国主要原料炭消費国Korea2%Poland2%S. Africa2%Others15%7,923Mt(Incl. lignite)China49%Japan2%Russia3%Germany3%United States11%India11%CountryChinaIndiaUnited StatesGermanyRussiaJapanS. AfricaPolandKoreaOthersWorldQuantity(Mt)3,909.4906.5835.4236.1201.4187.7177.9137.0133.11,198.77,923.2Poland1%Kazakhstan1%Russia1%Korea2%Japan2%S. Africa3%Others11%United States12%6,088MtChina54%India12%CountryChinaIndiaUnited StatesS. AfricaJapanKoreaRussiaKazakhstanPolandOthersWorldQuantity(Mt)3,279.9757.3746.6174.4137.0100.377.267.160.8687.66,088.2Germany1%Kazakhstan1%United States2%Ukraine2%Korea3%Japan5%Russia5%India10%Others9%1,032MtChina61%CountryChinaIndiaRussiaJapanKoreaUkraineUnited StatesKazakhstanGermanyOthersWorldQuantity(Mt)629.5102.154.850.732.920.618.715.013.594.31,032.1出所:IEA Coal Information 2015図6 主要石炭消費国(2014年)Mt主要原料炭輸出国2011201220132014e2015, 185MtMt主要一般炭輸出国2011201220132014e2015, 295Mt450400350300250200150100500200180160140120100806040200IndonesiaAustraliaRussiaColombiaS. AsricaOthersAustraliaUSACanadaRussiaMongoliaOthersMtIndonesiaAustraliaRussiaColombiaS. AsricaOthersWorld20112012201320143531441107868167920384159113827517298542418211779741961,07240819513279761641,054MtAustraliaUSACanadaRussiaMongoliaOthersWorld(注)2015年のインドネシアの輸出量は2015年上半期の実績からの推定値(注)1~6月実績164Mt×2=328Mt出所:IEA Coal Information 20152011201220132014e140632814207272142633118191028315460352215102961805731211518322図7 主要石炭輸出国(2011~2014年)662016.5 Vol.50 No.3アナリシスサの他欧州・ユーラシア47Mt137ポーランド9Mt1.6OECD欧州281Mt うち, 英国41,ドイツ57, , 1.7オランダ55524471カザフスタン29Mt816トルコ30Mtロシア25Mtロシア156Mt242015モンゴル19Mt1915北朝鮮16Mt韓国131t中国292Mt1066336日本188Mt11936アフリカ・中東26Mt 8インド198Mt104モザンビーク6Mt南ア77Mt72276711555インドネシア411Mt43豪州387Mt合計一般炭輸出量:13億8,400万t合計一般炭輸出量:13億8,400万t26輸入輸出出所:IEA Coal Information 2015 貿易統計他その他アジア195Mtうち、台湾67,マレーシア21,タイ21)441NZ4Mt54図8 世界の一般炭のコールフロー(2014年)カナダ35Mt1063北米25Mt1081346米国88Mt523544109コロンビア87Mt1016南米38Mtうち、ブラジル2272ポーランド2Mtその他欧州・ユーラシア13Mt1.6OECD欧州56Mtうち, ドイツ10, 英1.7国6,フランス5ロシア21Mt6モンゴル15Mt115520363中国62Mt1インド51Mt311韓国34Mt15日本54Mt4134インドネシア3Mtトルコ5Mt16アフリカ・中東2Mt 111モザンビーク4Mt輸入輸出合計原料炭輸出量:3億2,200万t合計原料炭輸出量:3億2,200万t出所:IEA Coal Information 2015 貿易統計他7742741その他アジア11Mtうち、台湾9カナダ31Mt1北米7Mt6米国57Mt5204128南米15Mtうち、ブラジル11豪州181Mt19NZ2Mt422図9 世界の原料炭のコールフロー(2014年)67石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-t主要一般炭輸入国2011201220132014e2015, 156Mt2015, 166Mt4504003503002502001501005001009080706050403020100Mt主要原料炭輸入国2011201220132014e2015, 48Mt2015, 46MtMtChinaIndiaJapanKoreaC. TaipeiUKGermanyOthersWorld2011201220132014e17810112297612739358916235129132935940403841,031252147142965943474061,102229189137976034474141,125MtChinaJapanIndiaKoreaBrazilGermanyC. TaipeiOthersWorld2011201220132014e455435321296842615452353211967926275544230118779291625151341110782291(注)2015年の中国の一般炭(無煙炭、褐炭を含む)および原料炭輸入量は、それぞれ一般炭:156.2Mt、原料炭:47.6Mt(注) 2015年のインドの一般炭(無煙炭を含む)および原料炭輸入量(推定)は、一般炭165.5Mt、原料炭46Mt。またIEAの2014年の推定値(一般炭189Mt、原料炭51Mt)は実際(一般炭157Mt、原料炭41Mt)よりも多い。出所:IEA Coal Information 2015図10主要石炭輸入国(2011~2014年)4.石炭資源需要見通し IEAは毎年世界のエネルギー需給見通し(World Energy Outlook)を発表しており、2015年11月に示したWorld Energy Outlook 2015による世界の1次エネルギー需要見通しは図11のとおりである。同見通しでは、現行政策シナリオ、新政策シナリオ、450シナリオの三つの見通しを示しており、このうち、新政策シナリオは、温室効果ガスの削減の国家公約など具体的な実施措置が未定なものも含め、世界各国で発表されている政策の取り組みを導入するシナリオである。この新政策シナリオによれば、2013年の原油換算の1次エネルギー需要は136億toe(原油換算トン)で、このうち石炭の需要は39億toe(29%)。2040年では、同44億toe(25%)に増加すると見られる。石炭は、CO2排出量が多く、世界的な温室効果ガス削減の方向性にあるなかにあって、1次エネルギーに占める割合は減少していくことが予想されるが、1次エネルギー全体の需要は2040年で179億toeと2013年に比較し32%増加する。2040年時点でも依然として石油47億toe(26%)、天然ガス42億toe(23%)と並ぶ重要なエネルギー源となることが予想されている。 また、表2は新政策シナリオにおける標準炭換算での石炭需要見通しである。2013年から2040年において、全体の石炭需要は年率0.4%の増だが、日本、米国など、OECD諸国全体では1.9%の減少となっている。一方、OECD非加盟国では、1.0%の増。うち東南アジアは4.7%、インドは3.8%、ブラジル1.7%増で、新興国での増加が目立つ。また、中国は、2030年までは増加傾向だが、その後は減少傾向となり、0.1%の減少になるというのが大きな特徴である。682016.5 Vol.50 No.3アナリシス5,5031,63992316,3491,7271,04217,1661,8051,1273,4223,691(22.1%)(22.6%)3,977(23.2%)14,7431,5418313,17813,5591,3446462,901(21.6%)(21.4%)17,9341,8781,2104,239(23.6%)4,414(24.6%)他の再生可能エネルギーバイオマス・廃棄物水力原子力天然ガス石炭石油百万 toe8,7729051,6622,221(25.3%)20,00018,00016,00014,00012,00010,0008,0006,0004,0002,0003,929(29.0%)4,033(27.4%)4,1124,219(26.5%)(25.8%)4,322(25.2%)3,2374,2194,4614,5404,6124,6754,73502020出所:IEA World Energy Outlook 2015より作成199020122025203020352040年図11世界のエネルギー源別1次エネルギー需要見通し(新政策シナリオ)表2世界の石炭需要見通し2000年実績2013年実績2020年2025年2030年2035年2040年8227624812691391,5722991711,320992(29.6%)209(6.2%)45212911725191,7753,3474596706174493521731,4713131553,6432,932(52.2%)488(8.7%)130414813634244,1425,6134095775263983331591,3083021533,9442,943(51.1%)681(11.8%)215516113442294,4545,7623505344843373111471,1823051644,1602,957(50.3%)812(13.8%)271517513347314,6925,8742854794362752951411,0493061634,4222,968(49.2%)986(16.4%)328619112854334,9796,0282224414022232741309383171664,6342,932(47.5%)1,163(18.8%)383622012559355,2366,1741744363981922501188783191624,7782,826(44.8%)1,334(21.2%)446625912266375,4286,306145百万toe年間伸び率2013~2014年-1.6%-1.6%-3.1%-1.3%-1.4%-1.9%0.1%0.2%1.0%-0.1%3.8%4.7%1.0%2.1%-0.4%2.5%1.7%1.0%0.4%-3.8%OECD加盟国OECD非加盟国北米地域 うち米国ヨーロッパ地域アジア・オセアニア地域 うち日本 小 計ヨーロッパ・ユーラシア地域 うちロシアアジア地域 うち中国   インド   東南アジア中東地域アフリカ地域 うち南アフリカラテンアメリカ地域 うちブラジル 小 計 合 計 うちEU出所:IEA World Energy Outlook2015等より作成69石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-.石炭価格の動向あいたい対による長期契約が主流であったが、 石炭取引は、相欧米では2000年以降、電力業界の規制緩和により燃料コスト低減などの要求が高まり、契約期間が短期化し、スポット契約が増加している。また、先物市場やデリバティブ(金融派生的な)取引も増加している。 一方、アジアの石炭市場では、中国、インドの輸入量が増加し、国際市場への影響力を強めている。これらの国はコモディティ化による供給者間の競争激化により、安価な調達を目指していると言われる。日本企業については、スポットマーケットでの取引は増えているが、長期契約の割合が依然として高いのが特徴だ。石炭は、産地により品質に多様性があり、カロリー、水分、揮発分、灰分、硫黄分の割合等による品質の違いにより価格が異なる。日本の電力会社は品質や信頼性を重視し、調達先の約7割は豪州で、長期契約をベースとしていると言われる。また石炭価格の約2~3割は輸送コストや税で、輸送コストは距離に比例することから、輸入先国は輸送距離による制約を受けることが特徴となっている。 図12は豪州の代表的な品種の一般炭と原料炭(強粘結性炭)の本邦企業の契約価格の動向を示したものである。スポット価格は需給のバランス等により変動しており、長期契約はスポット価格等を参考にして相対で決められている。 一般炭価格は、2004年に一時上昇し、2007年から2008年には豪州クイーンズランド州を襲った暴風雨等による供給の減少で再度上昇した。また2011年には再び同州を襲った暴風により上昇し、2011年には129.85$/tまで上昇した。しかしその後は、中国の需要の伸び悩みなどにより価格は低下し続けており、直近で62$/tとなっている。 一方原料炭についても、一般炭と同様2004年に一時上昇、その後2007年から2008年には、クイーンズランド州を襲った暴風雨による供給の減少等により再度上昇した。また2011年には同州を襲った暴風により再々度上昇、2011年には330$/tまで上昇した。その後は、世界的な景気後退による需要の減少等により価格は低下し続け、直近で89$/tとなっている。 このように石炭価格は2011年以降低下し続けており、2015年もその傾向は続いている。中国の石炭輸入は鈍化の傾向にあるが、これは環境政策ほか国家の政策等に米$/t原料炭一般炭①豪州クイーンズランド州水害からの復旧②東日本大震災による日本の原料炭需要減等供給不安330315300①BMA傘下炭鉱での断続的なストライキ②カナダCP鉄道でのストライキ(5月下旬)等による①豪州クイーンズランド州での豪雨による一部炭鉱の生産中止②中国での大雪による石炭輸送の停滞および輸出の一時停止により、価格が急上昇280世界的な景気後退による需要減(注)価格は代表的豪州炭のFOB(Free on Board:本船引き渡し)価格(原料炭と一般炭の価格)出所:JOGMEC作成図12石炭価格の推移(本邦企業の契約価格)70年度2015/4Q2015/3Q2015/2Q2015/1Q2014/4Q2014/3Q2014/2Q2014/1Q2013/4Q2013/3Q2013/2Q2013/1Q2012/4Q2012/3Q2012/2Q2012/1Q2011/4Q2011/3Q2011/2Q2011/1Q2010/4Q2010/3Q2010/2Q2010/1Q20092008200720062005200420032002200120001999199819971996199519941993199219911990350300250200150100500サブプライムローンに端を発した世界同時不況により価格急落2010年1~3月初めにクイーンズランド州を襲った豪雨による供給不足による上昇豪州やカナダでの増産により改善世界的な石炭需給逼迫により価格が上昇52.851.851.349.340.8539.8538.936.3534.3553.550.955153.540.337...34.529.9545.4540.341.942.7539.7534.528.754…46.24531.8526.752252252092002352252102010年12月からの豪州クイーンズランド州を襲った豪雨による供給不足による上昇172165170129103129.85126.5115.5127.51151251151259757.252.55355.597.7597.77115214514312012011911711596.99598.085.8081.809589.9587.4073.45109.589819367.0062.4①米炭、コロンビア炭、南ア炭等の割安な石炭のアジア市場向け供給増加②中国の需要の伸び悩みによる需給緩和2016.5 Vol.50 No.3アナリシス謔驍ニころが大きいと言われている。一方、インドの輸入は経済発展に伴い堅調に推移していくことが予想される。またアジアにおいては発電電源のうち、安価な石炭火力発電に依存することが考えられ、将来の世界の石炭需要は堅調に推移すると予想する機関が多いようだ。現在海外の石炭鉱山では赤字経営を行っているところが多いと言われ、石炭価格がどの時点で上昇に転じるかが注目される。 図13には、一般炭を[1]として他のエネルギーの単位発熱量あたりの価格を相対比で示した。一般炭の価格に対する相対比は2014年で、原油4.57倍、LPG4.47倍、LNG4.07倍と過去最高となったが、直近の2015年7月までの平均では、原油2.95倍、LPG3.20倍、LNG3.20倍である。上記の燃料費に加え、運転費用、CO2対策費等含めた発電コストベースでは、石炭とLNGの差は縮小してきていると考えられ、石炭からLNGへの移行がなされるのかも含めその動向が注目される。200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015一般炭1.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.0001.000原料炭0.9961.0621.1221.1291.3191.3631.1571.4061.4211.3141.4721.2621.1401.0571.066原油2.8822.9333.7063.1283.4984.3314.2043.5932.3553.1373.3473.6294.2254.5662.9544.2823.9134.9723.8903.6984.5154.4363.5512.4093.4553.2923.6724.2494.4713.2023.0412.9383.4792.5652.3622.7712.6972.5102.1542.4832.6133.0353.5294.0683.201一般炭[1]原料炭原油LPGLNGLPGLNG6.0005.0004.0003.0002.0001.00020012002出所:JOGMEC作成2003200420052006200720082009201020112012201320142015年図13一般炭を基準[1]とした単位発熱量あたりの輸入エネルギー価格の相対比較推移6.石炭政策の動向 石炭は、平成26(2014)年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画において、「安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源の燃料」と再評価され、かつ「高効率石炭火力発電の有効利用等により環境負荷を低減しつつ活用」するものと位置づけられた。また、平成27年6月には同計画を踏まえ、2030年度の需給構造を見通したエネルギーミックスの案を策定している。このなかで示されたエネルギーミックスの基本方針は、S+3E(安全性、安定供給、経済効率性、環境適合)を同時達成しつつ、バランスの取れた構成となっている。石炭は、2014年度に電源構成において約31%を占めており、2030年度においても、電源構成において約26%を占めることとされ71石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-Zエネルギー基本計画(第四次計画。平成26年4月11日公表)での石炭の位置づけ「温室効果ガスの排出量が大きいという問題があるが、地政学的リスクが化石燃料の中で最も低く、熱量当たりの単 価も化石燃料の中で最も安いことから、安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源の燃料として再評価されており、高効率石炭火力発電の有効利用等により環境負荷を低減しつつ活用していくエネルギー源である。」〇2030年度における電源構成を含めた長期エネルギー需給見通しについても、引き続き石炭火力発電が電源構成の26%程度を担うこととされた。1次エネルギー構成1電源構成出所:経済産業省 長期エネルギー需給見通し図14わが国の長期エネルギー需給見通し百万t25020015010050020002002出所:財務省貿易統計2001その他モンゴル南アフリカ共和国ニュージーランドコロンビアベトナム中華人民共和国アメリカ合衆国カナダロシアインドネシアオーストラリア2003200420052006200720082009201020112012201320142015年図15日本の石炭輸入国の推移ている。同時にエネルギーミックスでは、CO2排出を抑制する観点から、火力発電の分野でも、石炭火力、LNG火力の効率化を進めつつ、環境負荷の低減との両立を図りながら活用していく方針が示されている。 さらに、平成27年7月に発表された総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会の報告書によれば、石炭について、安価で安定的な供給の確保を図るべきとされ、「調達先国の多角化等の検討」「低品位炭の利用拡大の技術開発」の推進が記載されている。現状、日本の豪州、インドネシアからの輸入量は、電力用の一般炭については722016.5 Vol.50 No.3アナリシス7%、鉄鋼用の原料炭については79%に達する。一方、インドネシアでは、今後、電力需要の増大が予想され、また国内供給義務*3などの輸出を抑制する政策が導入され同国からの日本の輸入量が減少すれば、豪州への依存度は高まることとなる。豪州については、高品位炭の埋蔵量、輸送距離、インフラの整備状況などの観点から、引き続き日本にとって最も安定的な供給国となることが予想される一方で、環境対応に関する動きは強まってきているので、今後の動向を注目する必要がある。 こうした点を踏まえ、同報告書においては、今後も豪州からの安定供給確保を基本としつつも、一般炭では引き続きインドネシアからの安定供給を確保するとともに、北米、ロシア、コロンビアなど、また原料炭では、北米、ロシア、モザンビーク、モンゴルなど、将来的な調達先国の多角化の検討についても検討を進めることが重要であると記載されている。また、わが国ユーザーが必要とする多様な品種を中長期にわたり、安定的に確保していくため、産炭国における資源開発に関する支援、とりわけ、わが国企業が開発に参加し、権益を取得することも有用な手段となると記載されている。 JOGMECは既に地質構造調査、産炭国向けのマスタープラン作成、人材育成などの産炭国向けの支援を行っているが、日本企業が権益取得をする場合、各種インフラ整備が必要となるので、そのためのJOGMECの支援策のあり方についても引き続き検討していく方針である。 一方、石炭のうち、褐炭、亜瀝青炭といった低品位炭の埋蔵量は全体の半分以上を占め、今後生産量に占める低品位炭の割合が増加していくと言われる。同報告書では、石炭市場のバランスの安定のためには、産炭国における未利用の褐炭や品質の低い亜瀝青炭など低品位炭の利用拡大に向けた取り組みを進めることも重要であるとされている。現在、低品位炭を改質して発電に利用する技術や、褐炭から代替天然ガス、肥料、水素を製造する技術開発が進められているが、引き続きこれらの取り組みを官民で進めることにより、低品位炭の利用拡大に向けた取り組みを行っていくこととされている。表3石炭の品種別可採埋蔵量の上位国(10億t以上)百万t 国 名亜瀝青炭・褐炭瀝青炭・無煙炭合 計1 米 国2 ロシア3 中 国4 ドイツ5 豪 州6 インドネシア7 ウクライナ8 セルビア9 カザフスタン10 トルコ11 ブラジル12 インド13 カナダ14 ギリシャ15 ボスニア・ヘルツェゴビナ16 ブルガリア17 パキスタン18 ウズベキスタン19 ハンガリー20 モンゴル21 ポーランド22 タイ その他世界計128,794107,92252,30040,50039,30028,01718,52213,41012,1008,3806,6304,5003,1083,0202,3692,3642,0701,8531,6471,3501,2871,2397,650488,332108,50149,08862,2004837,10015,351121,50032256,1003,474484247131,1704,17843,620403,199237,295157,010114,50040,54876,40028,01733,87313,41133,6008,7026,63060,6006,5823,0202,8532,3662,0701,9001,6602,5205,4651,23951,270891,531(注)数値は2011年末時点のもの。出所:WEC World Energy Resources 2013 Survey73石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-lan)」(オバマ・アクションプラン)を発表。オバマ・アクションプランは、①国内排出削減 ②気候変動の影響に対する米国の備え ③気候変動の挑戦に対し米国が世界をリード の3本の柱で構成され、このなかで、海外の石炭火力新設に対する米政府による公的金融支援を終了する旨が記載されている。このような米国の対応に関し、北欧5カ国、英国、世銀などが同調、海外の新設石炭火力向け公的金融支援を取りやめる動きが出てきている。また、2015年8月には発電部門でのCO2排出量を2030年には2005年比で32%削減するという内容のクリーンパワープラン(Clean Power Plan)が公表され、今後の動向が注目されている。 わが国においては、石炭の有害物質やCO2を取り除くクリーンコールテクノロジーと呼ばれる技術開発が積極的に進みつつあり、日本の火力発電所では世界一と言われる脱・脱硝装置が導入されている。また日本の石炭火力発電所では、高効率の発電技術が導入され、CO2の削減等に寄与している。 政府は、エネルギー効率改善とそれを通じたCO2排出削減を実現する必要性を各国と共有している。その上で、石炭火力に依存する途上国が発電効率の低い石炭火力発硫りだつゅう7.石炭の環境問題ばいじん 石炭は、石油や天然ガスと比較すると炭素の割合が高く鉱物分を多く含み、燃焼により温室効果ガスであるCO2を多く排出するとともに、排出ガスには窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、煤塵などの他に水銀やホウ素等の有害物質が含まれている。このため、CO2をはじめとしたこれらの有害物質を除去する必要性はますます高まってきている。豪州を含め世界の産炭国における石炭の環境許認可は厳しさを増し、豪州ではNGOなどによる抗議や開発の妨害なども行われてきた。また、インドネシアでは露天掘り等による採掘後の森林復旧なども義務づけられている。 豪州における環境保護は、連邦法と州法の枠組みで管理され、連邦法では、環境・生物多様性保護法(Environment Protection and Biodiversity Conservation Act〈EPBC法〉1999〈Cth〉)の適用を受けている。また州レベルでも環境保護に関する法律の適用を受け、開発に当たっては、環境保護ライセンスなどの取得が必要である。これ以外にも絶滅危惧種保護法、国立公園野性生物法などの法律による許認可が必要になる場合がある。 一方、米国では、2013年6月、オバマ大統領が「大統領気候変動行動計画(The President’s Climate Action g-CO2/kWh1,200(注)USC:Ultra-Supercritical(超々臨界圧石炭火力発電)(注)IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle(石炭ガス化複合発電)(注)IGFC:Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle(石炭ガス化燃料電池複合発電)出所:経済産業省資料より作成図16発電燃料におけるkWhあたりのCO2排出量74LNG火力日本平均石油火力日本平均IGFCIGCCUSC石炭火力日本平均石炭火力世界平均1,00080060040020002016.5 Vol.50 No.3アナリシスd所を新増設する事態は好ましくないとの立場から、日本としては、これらの国が可能な限り高効率発電技術の導入を促進すべきとの主張を行っている。また、わが国は、石炭火力発電所の導入が必要とされる場合には、高効率化、低炭素化を図ることに貢献していくとしている。8.電力における一般炭の利用 石炭発電の基本原理は、ボイラで蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを回し、それに直結されている発電機が回って電気を起こす。石炭火力発電の場合、石炭をミルと呼ばれる微粉炭機に投入して細かい粉に粉砕、これを空気とともにバーナーに供給し、ボイラ内で燃焼させる。燃焼で得られた高温の燃焼ガスは高圧の水を加熱、蒸気となり、蒸気は発電機が直結している蒸気タービンを高速で回転させ発電する。石炭に含まれていた硫黄分や窒素分は燃焼により硫黄酸化物や窒素酸化物になる。石炭中の灰分はフライアッシュと呼ばれる直径10ミクロン以下の非常に細かい粉塵となり、有害である。このため、石炭火力発電所の特徴である電気集塵機器、排煙脱硝および脱硫装置などにより環境を損なわない値まで除去される。また、発生、補集された石炭灰はセメント産業や、土木工事用などに利用されている。 石炭火力発電については、日本は世界最高水準の高効率発電技術を有している。発電効率の向上は、資源の節約、発電コストの低減だけでなく、CO2発生量の抑制などの環境面からも重要な課題である。火力発電では、可能な限り高温・高圧の蒸気を使用することで発電効率を向上させようとする。日本の場合、1980年に超臨界圧発電(SC:蒸気温度566℃以下、蒸気圧22.1Mpa以上)、1990年代には超々臨界圧発電(USC:蒸気温度566℃以上、蒸気圧22.1Mpa以上)が開始した。この超々臨界圧発電所については電源開発(株)の磯子発電所などで導入されている。更に最近では、700℃級のA-USCの開発や、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた石炭ガス化複合発電(IGCC)や更に燃料電池を加えた石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の開発が進められている。 日本の石炭火力発電所は平均で石油火力発電所の20%増のCO2を排出しているが、USCでは14%増、IGCCでは石油火力とほぼ同量、IGFCに至っては、逆に14%減少する。石炭は他エネルギーと比較して安価で、発電コストは低いというメリットはあるが、環境面の問題が指摘されるなか、高効率発電技術の進展により環境にやさしいエネルギーとなれば、電力需要が増加する可能性の高い東南アジア諸国にとってもより重要なエネルギー源となる。 なお、石炭火力発電所は、現在日本に10電力会社等で38カ所、76基あるが、電力会社等による石炭火力発電所の新設計画が次々と発表されており、COP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)を踏まえ、今後の対応が注目されている。かんゅう溜り熱・溶解するための熱源としての役目などを果たす。コークスは、コークス炉で作られ、コークス炉では、粉砕、混合した原料炭を炭化室に装入し、1,200~1,300℃で)にすること14~18時間、間接加熱し、蒸し焼き(乾によって作られる。高炉で使うコークスは、炭素を高濃度に含みかつ灰分や硫黄分が少ないことに加えて、高温の高炉内でも粉化しない強度が必要となる。このような条件を満足するコークスは、瀝青炭のうち、粘結性があり、灰分や硫黄分の少ない石炭から作られる。9.製鉄における原料炭の利用 石炭を酸素がない状態で加熱していくと、約400℃で溶融し始め、その後再び固化するが、その性質を粘結性と言う。粘結性を有する石炭は、炭素を多く含んでいて、発熱性が高く、瀝青炭と亜瀝青炭の一部が該当する。石炭はこの粘結性の程度により、強粘結性炭、弱粘結性炭などに分けられる。粘結性の高い石炭は鉄を作る際のコークスの原料として使用される。コークスは、①高炉で鉄鉱石(酸化鉄)を還元する時の還元剤としての炭素の供給源②鉄を作る際の原料である鉄鉱石等の装入物を加75石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-ト結鉱コークス高炉ガス熱風熱風スラグスラグ溶鉄銑鉄出所:各種資料に基づきJOGMEC作成図17高炉の概念図「SCOPE21」が開発され、2008年に実証炉が導入された。SCOPE21は石炭を急速加熱、高熱乾留することで、生産性を3倍に向上し、高効率化、省エネルギー化を推進するものであり、低品位の原料炭の割合の増加、窒素酸化物(NOx )、CO2の削減などの効果がある。 高炉は、外部を鋼板製の鉄皮で覆い、内部を耐火物で内張りした竪型円筒状の構造物。現在最大級の高炉は、全高約80m、炉体の高さ約35m、最大内径約16m、内容積約5,200?で、1日に溶銑約1万tを製造できるという。この高炉の炉頂から、鉄源として鉄鉱石等から作られた焼結鉱、還元剤としてのコークスなどが装入される。最近では、微粉炭の形で炉下部の羽口(送風口)からも、吹き込むのが通常となっている。羽口からは、熱風炉で1,150~1,250℃に加熱し、空気とともに吹き込む。 熱風は、炉内でコークスや微粉炭と反応して一酸化炭素と窒素の混合ガスとなり、炉頂から降下する原料と熱交換、反応しながら炉内を上昇し、炉頂から高炉ガスとして排出させ、燃料として使用するために、回収される。鉄源は炉内を降下し、炉下部で酸化鉄を還元する。還元された鉄は同時に溶融、滴下し、溶銑となって炉底部にまる。炉底に溜まった溶銑および溶融スラグは一定時間ごとに、取り出される。高炉から排出される物質は、溶銑、溶融スラグなどであり、溶鉄は、溶銑予備処理を行った後、製鋼工場へ運ばれる。溶融スラグは冷却後破砕して、路盤(鉄道線路の基礎部分)材やセメント原料として再利用される。排ガスは除塵後、工場内の燃料ガスとして用いられている。 このように鉄鋼業で使用されるコークス用石炭は、粘結性の高い高品質の強粘結性炭から作られるが、この高品質の強粘結性炭は、豪州、ロシア、カナダなどの産炭国に賦存する。しかし、埋蔵量も限られ、また高価であることから、粘結性の低い安価な石炭をブレンドしてコークスを作っている。また、これ以外に鉄鋼業で使用される石炭としては、PCI炭(Pulverized Coal Injection)、無煙炭がある。PCI炭は強粘結性炭よりも粘結性が低く、高炉の吹き込み用として利用されている。また無煙炭については、鉄鉱石を焼結する際の熱源などに利用されている。 なお、コークス炉については、次世代コークス炉溜た10.低品位炭の活用 石炭は一般的に発熱量と炭化度が高いものから順に無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭に分類されるが、これらの区分は国によって異なる。炭化度および発熱量が低い石炭を低品位炭と呼び、一般的には亜瀝青炭、褐炭を指す。世界の低品位炭の埋蔵量は亜瀝青炭、褐炭を合計すると4,880億tで、石炭埋蔵量の約55%を占める。特に低品位炭の埋蔵量が多い国としては米国(1,288億t)、ロシア(1,079億t)、中国(520億t)、ドイツ(405億t)、豪州(393億t)、インドネシア(280億t)などが挙げられる。 低品位炭は埋蔵量が豊富で、多くが浅部に賦存する。762016.5 Vol.50 No.3アナリシスワた炭層が厚いため採掘コストが安価で、長期安定供給が可能である。調達コストを低く抑える経済的な有利性を持っているが、半面、水分が多いため輸送効率が悪い。更に、自然発火しやすいというデメリットがある。そのため、長距離輸送には不向きであり、これまで、大半は産炭地の近くで発電や産業用ボイラの燃料として使用されていた。昨今、インドネシアの低品位炭は灰分、硫黄分が少なく、また、価格は無煙炭・瀝青炭に比べ3~4割安価なので、高品位炭との混炭用および高灰分、高硫黄分炭との混炭用として中国、インド、韓国等による輸入が増加している。低品位炭は自然発火しやすいため、貯炭時に散水やパイルの高さを低くし、空気が当たる面積を少なくするなどの対策が採られている。 わが国においても、燃料調達コストの低減や、将来的な高品位炭の減少を見据え、低品位炭の活用が徐々に進んでいる。低品位炭は、わが国においては混炭用として消費されているが、最大の消費者である石炭火力発電所の設計炭種はほとんどが高品位炭であるため、低品位炭の投入量には限度がある。しかし、その使用量の増加に対応するためのボイラやミル等の改造や低品位炭の利用に係る技術開発が進められている。また、IGCC等で低品位炭が使用可能な石炭火力発電所も建設段階にきており、今後低乾燥・改質ガス化低品位炭乾燥、改質品位炭の使用量は徐々に増加すると予想される。 近年、石炭消費国では、豊富な埋蔵量を持つ低品位炭(主に褐炭)の高付加価値化を目的とした技術開発が盛んに行われている。低品位炭のバリューチェーンは、高水分褐炭を乾燥・改質してブリケットのようにハンドリング性、輸送性を向上させて輸出するケースと、ガス化して水素、オレフィン等のクリーン燃料、化学品に転換して輸送するケースに大別される。世界的にも低品位炭の改質や利用技術は実用段階にきているものもあり、コスト面での問題が解決できれば、産炭国で改質された低品位炭やガス化あるいは化学品・水素等に変換されて輸出される日もそう遠くないと考えられる。改質炭スラリー輸送輸送燃焼、発電ガス化電気電気SNGGT/STメタネーション輸出輸出産炭国産炭国産炭国アンモニア合成尿素合成肥料メタノール合成MTP/MTOプロピレンオレフィン産炭国輸出産炭国輸出水素精製FT合成液化精製液体水素輸出液体燃料産炭国図18低品位炭利用フロー図GT: Gas turbine ST: Steam turbine MTP: Methanol to Propylene MTO: Methanol to Olefin出所: 平成26年度JOGMEC海外炭開発等高度化調査「石炭メジャー・大手石炭企業及び石炭消費国企業を含めた炭鉱開発動向並びに事業戦略」11.日本企業の石炭探鉱開発動向 日本企業に関しては、総合商社、石炭のユーザー会社である製鉄会社や電力会社、総合エネルギー会社、かつて日本国内で石炭を生産していた石炭会社など20社を超える企業が、豪州を中心に海外で石炭開発資産を保有している。石炭の資源開発については、総合商社が半分以上の資産を保有しているので、総合商社が石炭開発の主たる事業者であることが特徴と言える。わが国企業は豪州のクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州の両州で1960年代から原料炭を、1970年代からは一般炭の開発と輸入を開始している。日本企業が豪州での石炭開発輸入に注力したのは、埋蔵量が豊富であること、これまで主な原料炭輸入先であった米国東海岸より海上輸送距離が半分であること、税制等が確立されており、投資環境がよいことなどが挙げられる。77石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-@このため、わが国の石炭輸入に占める豪州からの輸入量は65%程度を占めている。2014/2015年度の豪州での操業炭鉱は101炭鉱(クイーンズランド州で52炭鉱、ニューサウスウェールズ州で49炭鉱)あるが、そのうちの50近くの炭鉱にわが国企業は投資し、権益を有している。表4に日本企業の権益を保有する炭鉱数を示した。国別に(一つの炭鉱に複数の企業が権益を持つ場合がある)見ると、豪州が圧倒的に多く、次いでインドネシア、カナダの順である。これら以外に、コロンビア(伊藤忠商事)、ベトナム(住友商事)にも保有資産がある。 総合商社は、豪州を中心に石炭開発・輸入を行っているわけだが、わが国への安定供給だけではなく、輸入の増加が見込まれるアジア市場もターゲットにしたビジネスも展開している。また、一部商社はマイノリティ出資でなく、20~30%以上の権益を保有し炭鉱権益にも参画している。例えば、三菱商事は2001年からBHP Billitonと50%ずつの比率でBHP Billiton Mitsubishi Alliance(BMA)を設立し、クイーンズランド州のBowen炭田で原料炭炭鉱の操業と開発を行う一方、一般炭についても操業と開発を行っている。その他の商社も、主に石炭メジャーであるGlencore、Rio Tinto、Anglo American、およびBHP BillitonやPeabodyなどとアライアンスを組み、原料炭・一般炭の炭鉱の操業と開発を行っている。また、双日はMinerva炭鉱の権益を96%所有して炭鉱経営を行っている。 石炭ユーザーである製鉄会社や電力会社では、自社への安定供給を主な目的として豪州の原料炭資産の権益を保有している。製鉄会社では、新日鐵住金グループ(新日鐵住金、日鉄住金物産)が豪州、カナダ、モザンビークで炭鉱の権益を保有し、JFEグループ(JFEスチール、JFE商事)が豪州に権益を保有している。電力会社では石炭資源開発、電源開発、中部電力、中国電力が豪州の炭鉱権益を保有している。なお、中国電力は2014年8月に出光興産からボガブライ炭鉱の権益を取得して長期供給契約を締結している。 なお、製鉄会社や電力会社では、所有する炭鉱権益の表4豪州わが国企業の権益取得炭鉱数(2013/2014年度)インドネシアカナダその他操業中炭鉱 新規プロジェクト 操業中炭鉱 新規プロジェクト 操業中炭鉱 新規プロジェクト 操業中炭鉱 新規プロジェクト11111三菱商事三井物産伊藤忠商事住友商事双日丸紅豊田通商東京貿易新日鐵住金グループJFEグループ神鋼商事J-Power石炭資源開発中部電力中国電力出光興産三井松島産業三菱マテリアル日本コークス工業JX日鉱日石エネルギー住石マテリアルズ太平洋興発1598105821108121114221113544331351122132111111113(注)坑内掘り、露天掘りがある場合は一つの炭鉱としてカウント。(注)複数の炭鉱を所有する炭鉱会社に投資をしている場合で、その会社の保有炭鉱数が不明の場合は1炭鉱としてカウント。(注)新日鐵住金グループは新日鐵住金と日鉄住金物産、JFEグループはJFEスチールとJFE商事を示す。出所: 平成26年度JOGMEC海外炭開発等高度化調査「石炭メジャー・大手石炭企業及び石炭消費国企業を含めた炭鉱開発動向並びに事業戦略」782016.5 Vol.50 No.3アナリシス范ヲは各社数パーセントのところが多く、その比率が10%を上回っているのは、操業中の炭鉱では新日鐵住金のバルガ炭鉱の12.5%、J-POWERのクレアモント炭鉱の15%の2件のみである。 総合エネルギー会社では、出光興産とJX日鉱日石エネルギーが石炭資産を保有している。出光興産は1980年代に豪州において4件の石炭資産を取得し、自社で炭鉱操業を行っている。現在操業する4炭鉱のうちマッセルブルク、ボガブライ、エンシャムの3炭鉱についてはそれぞれ権益100%、80%、85%を保有、自社で炭鉱経営を行っている。また出光興産は、2012年、2014年にインドネシアの石炭資産を獲得し、豪州に加えてインドネシアでの石炭事業を展開しようとしている。JX日鉱日石エネルギーは豪州のバルガ炭鉱の権益15.2%を有するほか、インドネシアとカナダに石炭資産を保有。なお、カナダに保有する3件の石炭資産(新規開発鉱区)は2012年に買収した資産である。 かつてわが国国内で石炭を生産していた石炭会社では、三井松島産業が豪州、カナダ、インドネシアの炭鉱権益を、三菱マテリアル、日本コークス工業、および住石マテリアルズなどが豪州の炭鉱権益を保有している。権益保有率を見ると、三井松島は豪州リデル炭鉱の権益32.5%とインドネシアのサマリンダにあるGDM炭鉱の権益30%を保有。住石マテリアルズは豪州ワンボ炭鉱の権益25%を保有し、炭鉱操業に関与していると思われるが、他社は数パーセントの権益にとどまる。12.世界の石炭開発の現状 2000年以降の石炭市場を振り返ると、一般炭市場・原料炭市場ともに中国とインドを中心にアジア市場が拡大、それに対応するため石炭輸出国は輸出量を増加させている。 一般炭では、インドネシアからの輸出が2000年の5,600万tから2014年に4億800万tに急増。豪州が8,800万tから1億9,500万tに、ロシアが2,900万tから1億3,200万tに、コロンビアが3,400万tから7,900万tにそれぞ年2014201320122011201020092008200720062005200420032002200120001999199819971996199519941993199219911990インドネシア豪州ロシアコロンビア南アフリカ米国百万t450400350300250200150100500カザフスタン出所:IEA Coal Information 2015ベトナムモンゴル中国カナダ図19主要石炭輸出国の輸出量の推移79石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-齣揄チしている。 原料炭では、豪州からの輸出が2000年の9,900万tから2014年に1億8,100万tに増加。米国が3,000万tから5,700万tに、カナダが2,800万tから3,100万tに、ロシアが700万tから2,100万tにそれぞれ増加している。なお、原料炭市況の低迷により米国からの輸出量はわずかずつではあるが2013年以降、減少傾向にある。 各国における石炭探鉱開発の現状について述べる。 まず、世界の石炭輸出の27%を占める豪州には各国企業が参入しているが、石炭メジャー4社の生産量シェアは2013/2014年度で47.3%。内訳はGlencore16.4%、BHP Billiton14.1%、RioTinto8.6%、Anglo American8.2%である。メジャー以外では、Peabody(米国)8.8%、Yan Coal(豪州)4.1%、Banpu(タイ)3.2%、出光2.7%、Whitehaven(豪州)1.9%が高いシェアを有している。生産地域としては、東海岸のクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の生産量が多く、全体の85%程度を占める。生産された石炭は国内鉄道等により輸送され、東海岸の港湾施設より中国、日本、インド、韓国などに輸出されている。豪州は比較的カントリーリスクが低い国だが、過去には豪雨により石炭輸出の停止や港湾での滞船が発生していることもあり、鉄道、港湾施設等に係るインフラリスクがある。また環境団体の抗議等により環境許認可が遅延するなどのリスクもある。 次に世界の石炭輸出の30%を占めるインドネシアについては、インドネシア系企業が生産量シェアの上位を占めており、2013年度においてBumi Resources18.7%、Adaro12.7%、Kideco Jaya8.8%、Berau5.7%、Indomico Mandiri3.4%、PTBA3.2%である。生産地域としては、カリマンタン(中央、南、東)が全体の92%を占め、次にスマトラが5%となっている。カリマンタンで生産された石炭はバージと呼ばれる船で河川を利用し東海岸に輸送され、東海岸の港湾施設より国内消費地に輸送されるほか日本、インド、中国などに輸出される。輸送手段としてのバージは、天候による影響を受けやすく、大雨により河川の水量が増えれば橋の下部を通過できないケースや、逆に少雨により河川を輸送ができないといったリスクがある。また同国では、独自の石炭政策が採られており、生産された石炭の一定割合を国内供給しなければならない義務がある。また、外国企業は生産開始する場合に、会社の資本の一定割合を国内資本に転換しなければならない義務もある。違法採掘削減のための輸出許認可の厳格化などもあり、外国企業が探鉱開発を実施する場合は留意が必要だ。 次に世界の石炭輸出の11%を占めるロシアについて。ロシア系企業が生産量シェアの上位を占め、2013年度? Mount Thorlev Warkworth  Hunter Valley Operations  Mount Arthur? Goonyella/Riverside? Peak Downs? Blackwater? Curragh? Clermont?~?☆ Morwell(褐炭炭鉱)石炭積出ターミナル石炭堆積盆(Basin)鉄道路線??????QLD州NSW州VIC州☆出所:平成26年度JOGMEC高度化調査資料図20豪州の主要炭鉱位置図802016.5 Vol.50 No.3アナリシスナSUEK27.4%、UK-Kuzbassrazrezugol12.5%、SUB-Coal7.3%、Mechel7.1%、EVRAZ5.8%の順である。生産地域は、西シベリアが全体の58%、東シベリアが26%、極東9%。これらの地域で生産された石炭は鉄道等で輸送され、北西港湾より42%、南部港湾より8%、極東港湾より37%が輸出される。極東港湾からは、日本、韓国、台湾などに輸出されている。ロシア政府は2030年までに東シベリア炭と極東炭の生産を増加させる意向で、東シベリア炭のロシア全体に占める生産割合を32%、極東炭を15%とし、極東港湾からの輸出を全体の59%とする方針だ。このため、現在、鉄道の整備、極東港湾の拡張工事が進行中である。しかし、これらインフラ設備の整備がロシア探鉱開発を進める上でのリスクで最も大きいものとなっている。 上位3輸出国に次ぐ輸出国は、米国、コロンビア、南アフリカ、カナダである。米国炭は欧州、南米、日本などに、コロンビア炭は欧州、南米、米国に、南アフリカ炭はインド、中国、欧州に、カナダ炭は米国、日本、韓国、中国などにそれぞれ輸出されており、価格競争力のある地域での輸出が増えている。 現在、石炭市況が低迷するなか、石炭メジャーや大手石炭会社をはじめ石炭生産会社はコスト削減に努めており、厳しい経営状況にあると言われる。各社は採算性の悪い炭鉱を閉山または休止する一方で、採算性のよい炭鉱の生産性を更に高めるとともに生産量を増加させ、また既に開発に着手していた炭鉱の操業を開始して、需要に対応している状況である。しかし、各社の石炭事業収益はここ数年低下、大手石炭会社でさえも赤字に転落したり、その他の生産者の多くは既に赤字に陥っていると言われる。このような状況において今後優良な石炭資産の売却もあるとされているので、石炭開発企業の集約化が進むと予想される。ひき益え部が独自にアレンジして、質の高い業務にすべく、各部員が日夜努力している。なお、平成27年度予算は、交付金と補助金で約27億円、産投出資金(出資のみ)が35億円である。 現時点の個々の事業について(平成27年12月)、簡単に紹介する。 まず、海外地質構造調査は、共同調査とJV調査に分かれている。共同調査は新興国等のリスクの高い地域の鉱区未設定地域、政府鉱区等を対象として当該国政府機関とMOU(Memorandum of Understanding)を締結して実施する調査である。JOGMECが資金・技術を拠出、を獲調査することにより本邦法人への権益付与等の裨得する。無煙炭が産出されるベトナムや供給源の多角化への寄与が期待されるモザンビークで実施されている。 JV調査は、JOGMECが海外企業と組む共同探鉱活動であり、有望な探査結果が得られ、日本企業の関心が高まった時点で入札を実施、落札企業に対してJOGMECの獲得権益を譲渡するもの。豪州で3件、カナダで1件が進行中だ。開発可能性調査については、日本企業が行う海外での石炭探鉱に必要な探鉱費の一部(探鉱費の2/3以下)を助成するもので、公募に対する申請案件を審査し、助成案件を選定する。平成27年度は4件を採択した。 リスクマネー事業は、探鉱出資と開発債務保証を準備13.JOGMEC石炭開発部の取り組み 石炭関連の支援事業等は、従来、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO:平成27年4月、法人格を「国立研究開発法人」に変更)が実施してきたが、平成24(2012)年度の機構法改正に伴い、JOGMECが石炭事業の上流部門の業務を担うことになり、石炭開発部が設置された。地熱部も同時期に設立された。実施業務は、初年度は、リスクマネー業務、クリーンコールタウン事業、インドネシア・ベトナム・中国研修、産炭国のインフラ需給等に係る高度化調査などだったが、平成25年度に海外地質構造調査の共同調査およびジョイントベンチャー(JV)調査、平成26年度にモザンビーク研修、平成27年度に日系JV調査と現場ニーズ技術支援事業が追加で新たに開始された。 組織は、当初は石炭開発課と石炭技術課の2課体制だったが、平成25年度より石炭探査課が設置され、3課体制となった。人員は立ち上げ時は20名だったが、上記の業務の拡大に伴い、平成28年3月時点で27名である。なお、人員は、金属部門、石油部門、NEDOからの移籍者、石炭開発会社や商社からの出向者で構成され、石炭の上流事業に特化した初めての組織を立ち上げ、軌道に乗せるため、機構内各部門、石炭関係機関、石炭関係会社等の知見を総結集させる体制が組まれている。石炭開発部の各事業においては、結集された知見を石炭開発81石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-オており、探鉱出資については、探鉱費の50%まで出資が可能。また、開発債務保証は、開発費の80%まで保証可能である。現在、石炭価格下落等により企業は投資判断が困難な状況にあるが、優良案件を安価で取得できる好機であることから、積極的なプロモーションが行われている。 また、資源外交支援事業は、産炭国との協力関係の構築、研修事業、クリーンコールタウン事業、現場ニーズ事業などに分かれる。産炭国との協力関係の構築は、各産炭国との間でこれまでで9件のMOUが締結され、各種事業が実施されている。特に、世界有数の産炭地域である豪州クイーンズランド州との間では、情報交換や協力関係のためのMOUが平成25年に締結され、各種セミナーや探鉱事業実施のための情報交換などが行われている。 研修事業は2種類に分かれる。補助金に基づき委託先により実施されているインドネシア、中国、ベトナム研修とJOGMEC独自で実施するモザンビーク研修がある。インドネシア、中国、ベトナム研修は、石炭の生産が露天掘りから坑内掘りへと移行しつつある産炭国の炭鉱技術者等に対し、わが国の優れた坑内掘り採掘・保安技術の移転を行うことにより、産炭国での石炭生産の安定化を図り、ひいては世界屈指の石炭輸入国であるわが国への石炭安定供給につなげることを目標としている。この研修では、現地に専門家を派遣する派遣研修と現地の石炭技術者を日本に招き、日本で研修を実施する受け入れ研修の両方を行っている。モザンビーク研修は、2012年のモザンビーク発展5カ年プランにより実施されているものであり、JOGMEC独自の企画により、派遣研修、受け入れ研修が行われている。このうち、受け入れ研修は、技術センター(TRC)の石油技術者研修の施設等を活用して実施している。 クリーンコールタウン事業は、モデルとなる炭鉱地域を選定して、石炭資源、選炭後の未利用炭、低品位炭(褐炭)の有効活用や環境負荷の低減などに配慮した石炭関連産業チェーン構築のためのマスタープラン(将来像)を策定する事業である。本策定では相手国側のニーズと日本企業が持つ適用可能なシーズ技術のマッチングを行い、将来的には日本技術での事業化を図るもの。これまでにベトナム、インドネシアで策定されているが、現在、モザンビークでも同国発展5カ年プランに基づき、策定中である。 現場ニーズ支援事業は、わが国企業が権益を有するかこれに準ずる操業現場や石炭鉱山開発等の案件を対象として、支援対象者との共同スタディによって、困難な技術課題の解決を図る事業である。操業現場における生産技術等(採掘、選炭、貯蔵、環境対策等)に関し、採掘効率の向上や低品位炭利用の改善を図るための案件や石炭事前段階探鉱段階開発段階生産段階石炭資源開発の流れ石炭資源開発の流れ事前調査段階基礎調査段階詳細調査段階開発段階生産段階・既存地質情報収集、地表踏査、物理探査、ボーリング等による石炭賦存可能性評価を実施・地表踏査、物理探査、ボーリング等による地質構造把握、炭質性状調査等に基づき資源評価を実施・詳細地質調査を実施・収益計算インフラ・生産・人員等の計画に基づき事業化を判断・開発に必要なインフラを整備し、生産用施設を建設・生産の拡張工事、周辺鉱区の新規権益取得等JOGMECの石炭資源開発支援業務JOGMECの石炭資源開発支援業務海外地質構造調査(JOGMECが実施)海外炭開発可能性調査(本邦企業への2/3助成)探鉱出資(JOGMECは50%を上限に出資)債務保証(80%上限)産炭国への支援(政策対話に基づき実施)本邦企業等への各種支援出所:JOGMEC石炭開発部図21石炭開発支援事業の流れとJOGMECの事業822016.5 Vol.50 No.3アナリシス{邦企業等への支援業務・権益オプション獲得、譲渡-----・・探鉱費助成--------------・金融支援----------------・情報提供支援------------・技術支援----------------・・・・産炭国への支援業務・技術支援-----------------・・海外地質構造調査(直轄)・海外炭開発可能性調査・探鉱出資、債務保証・海外炭開発高度化等調査・海外炭開発技術支援事業現場ニーズ支援事業など・産炭国共同支援事業石炭開発人材育成(モザンビーク)、クリーンコールタウンなど・産炭国石炭採掘・保安技術高度化事業安定供給確保出所:JOGMEC石炭開発部図22JOGMECの石炭資源開発支援業務鉱山・FS評価に資する技術的課題への取り組みを通じ石炭鉱山開発等の促進に寄与する案件に対し、事業費用の1/2を負担するもの。平成27年度については既に2件の採択を行っている。 最後に情報収集提供業務は、調査・情報収集業務と提供業務に分かれる。調査・情報収集業務は、民間企業等からアンケートを取り、ニーズを把握した上で実施する。産炭国、消費国の需給動向、インフラ動向、探鉱開発動向等の委託調査を行う高度化調査業務を行うほか、海外の石炭探鉱開発等の上流事業の情報等を海外事務所やセミナー等を通じて収集する業務などである。一方、提供業務は、調査結果や収集した情報を提供する事業で、メールマガジン、投資促進セミナー、成果報告会やホームページなどを通じて提供している。おわりに 上記のように、石炭開発部は世界の各産炭国および消費国を対象として多くの事業を実施しているが、まだ、設立4年目であり、ようやく業界で認知されるようになった。環境問題やCOP21の今後の対応等を考慮すると、石炭上流事業の先行きは必ずしも明るいとは言えない。しかしながら、地政学的リスクが低く、比較的安価な石炭資源はエネルギー資源のなかで重要な位置を占めることは間違いなく、重要なベースロード電源であり、かつ基幹産業の原料である石炭の安定供給に向けて、石炭開発部はこれからも努力していきたいと考えている。<注・解説>*1: 石炭生産者が利用する鉄道、港湾等のインフラに関し、あらかじめ設定した額の使用料を支払うことを義務づける契約条項 当該地の表面の土や岩石などを剥ぎ取る量を石炭採掘量で除した数値 石炭生産企業が需給計画に基づく割り当て数量を国内に供給する義務*2: *3: 83石油・天然ガスレビュー石炭資源の開発と現状について -エネルギー源としての位置づけとJOGMECの取り組み-キ筆者紹介望月 尊弘(もちづき たかひろ)学  歴: 1983年、学習院大学法学部法学科卒業。職  歴: 石油公団入団。1996~1999年、石油公団ジャカルタ事務所副所長。2000~2001年、現・国際石油開発帝石(株)出向。2008~2011年、JOGMEC技術センター(TRC)業務課長。2012~2013年、評価部業務評価課長を経て2014年より現職。趣  味: 奈良の古寺巡り・仏像見学(高等科時代より)、読書、家庭菜園、野球観戦、ウォーキング。近  況: 休日も忙しく、ゆったりと過ごせない日々が続いています。※ 本稿は、JOGMEC石炭資源情報ホームページにも「カレント・トピックス」として併せて掲載している(2016年6月10日付)。 http://coal.jogmec.go.jp/content/300314634.pdf842016.5 Vol.50 No.3アナリシス
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2016/05/23 [ 2016年05月号 ] 望月 尊弘
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