ページ番号1006630 更新日 平成30年2月16日

イラク:暫定政府石油大臣にガドバン氏が就任

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レポートID 1006630
作成日 2004-06-10 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 探鉱開発
著者 猪原 渉
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年度 2004
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 0イラク:暫定政権石油大臣にガドバン氏が就任2004/6/10石油・天然ガス調査グループ猪原 渉報告内容?暫定政権石油大臣にガドバン氏就任。そ1の背景は??当面のイラク石油政策の課題?新規油田開発の見通しは??短期契約案件(掘削請負案件等)の動向V石油大臣にガドバン氏を指名2?6月1日、ブラヒミ国連事務総長特別顧問が閣僚人事発表?イブラヒム・ウルーム前大臣に代わり、サミール・ガドバン氏(ThamirGhadhban)を新石油大臣に指名?統治評議会メンバーとの人脈を背景に選ばれた亡命イラク人(ウルーム氏)から、有能なベテラン・テクノクラート(ガドバン氏)への交代ガドバン氏プロフィル3? イラク石油省在籍30年を超えるテクノクラートの実力者、59歳? 元々は石油地質・油層工学技術者、ロンドン大学卒業? フセイン政権時代?1991年 調査・企画局長、その後解任?2002年 企画局長に再任? フセイン政権崩壊後?当初、石油省CEOとして石油行政を統括?(2003年9月ウルーム氏が石油大臣就任)?2003年11月、石油省顧問(CEO解職)→地位低下?Kドバン氏就任の背景4? ウルーム氏は存在感高めていたが・・・?亡命イラク人(1976年以降国外在住)、父が統治評議会メンバーのシーア派聖職者→石油大臣就任は「親の七光り?」?3回のOPEC総会出席など精力的活動?石油省テクノクラートとの軋轢伝えられておらず、石油専門家も好意的評価? 米国がウルーム氏に厳しい評価、再任を推薦せず?元CPA石油担当上級顧問(メジャーOB)「石油行政は実務能力に長けたテクノクラート起用を」?米との関係冷却化したアハメド・チャラビ氏(INC)とウルーム氏が近い関係にあったことも一因?? ブラヒミ国連顧問も「実務家閣僚の人選」を推進当面のイラク石油政策の課題①5石油関連設備の安全確保・治安向上ガドバン新石油大臣コメントi.ii. 国内向燃料(ガソリン、発電燃料等)供給不足の解消iii. 石油省組織の見直し(具体的対応案)????警備要員14千名雇用・訓練強化、部族との連係強化(①)精製能力の増強(老朽設備補修等)、輸入拡大(②)石油省と15の国営会社を再編成、統括部門(政策立案部門)と業務執行部門の組織・機能を明確に分離(③)精製統括会社、ガス事業統括会社、石油上流統括会社(北部石油会社、南部石油会社、掘削会社、探鉱会社を統合→Iraq National Oil Co.の名称復活?)を設置(③)末ハのイラク石油政策の課題②6??生産、輸出の拡大「数ヶ月以内に280万b/dの生産、200万b/dの輸出達成を目指す。」(6/2ガドバン石油大臣)「生産能力は年末までに300万b/dに回復可能」(6/6同)??200万b/d、北部現状輸出能力 南部(バスラ及びコル・アル・アマヤ)50万b/d(修復完了後は80万b/d以上)なるも、輸出実績は4月、5月とも185万b/d程度にとどまる(バスラターミナルへのテロ攻撃の影響)生産量実績 3月 250万b/d(イラク戦争前とほぼ同レベルに回復)老朽油田・設備等の補修(リハビリ)の推進イラクの月別生産量及び輸出量推移(2003年1月以降)73002502312502001501005002552431741733002502001501005002003年20020018018818618615514015516014810383105115120100705065301505月06月20月724月81月月2月3月4月9月10月111月月122004年月2月3月4出所:MEES他生産量輸出量  (万b/d)Cラク原油生産量の推移(1985年-2003年)2782842392161901423002502001501005005346515358282542582372132011171291985198619871988198919901991199219931994199519961997199819992000200120022003平均生産量(万b/d)出所:BP、MEES(2003年のみ)イラク石油上流関係図89Cラク未開発油田の概要油田名可採埋蔵量生産能力ルメイラズベイル西クルナ(フェーズ2)マジヌーンビンオマールハルファヤラタウィナシリヤスバ/ルファイスツバガラフラフィダン200億bbl82億bbl113億bbl121億bbl63億bbl46億bbl31億bbl26億bbl20億bbl15億bbl11億bbl7億bbl140万b/d18万b/d80万b/d60万b/d45万b/d25万b/d25万b/d30万b/d25万b/d20万b/d13万b/d10万b/d10出所:I. Chalabi新規油田開発の見通しは?①????11当面の重点課題は、治安対策、国内供給対策及び油田リハビリ等の短期契約主体で、外資導入による新規油田開発(長期契約)は挙げられず「長期投資は、選挙実施後の(次期)政府での検討課題。外資との対話は歓迎」(6/6ガドバン)IOCを招いてのイラク国内での石油会議(石油省主催)は治安悪化が原因で3度に亘り延期され、開催のめど立たず?03年10月(バグダッド)、04年2月(同)、04年4月(バスラ)→いずれも延期IOC各社は完全に静観姿勢(イラクへの社員渡航も禁止)V規油田開発の見通しは?②12?????本格的開発が実現する条件?治安回復(大前提)、憲法制定、総選挙実施、本格政権の樹立、炭化水素法・石油関連諸法規制定 等当面の政治スケジュール?暫定政府閣僚選出(完了)→暫定政府に主権移譲(04/6E)→国民議会選挙、移行政府発足(05/1)→制憲国民投票(05/10)→新たな議会選出(05/12)→本格政権樹立(05/12E)実際に具体的交渉が動き出すのは2006年以降か?中東石油専門家「今後2-3年間は、長期の上流契約が締結される見込みなし」治安早期回復、暫定政府または移行政府の正統性認知、石油行政の安定運営が実現すれば、前倒しの可能性も(困難?)石油会社としての当面の戦略とその効果①13イラク上流への参入を狙う石油会社の関心は、イラク側が進める短期契約案件に向けられているSCOP(Iraq’s State Company for Oil Projects)が入札実施中の短期契約プロジェクト① キルクーク、ルメイラ油田の詳細油層スタディ② KhormarDome開発契約(キルクーク油田地帯内、10万b/d増産目標)、????北部Hamrin油田開発契約(能力6万b/d)③ 南部の新規46井掘削、60井リハビリ④ Daura(バグダッド郊外)に新規精製設備建設(20ー30万b/d)⑤ キルクーク油田から南部Diwaniya向け製品P/L建設⑥ Fao(バスラ・ターミナル近郊)に貯蔵タンク8基建設これまで、イラク側資金不足のため、入札は何度も延期。8億ドル確保(ガドバン大臣表明)により動き出す可能性。米SonoranEnergyが②に応札。アラビア石油がSOC(南部石油会社)と油田改修や設備整備案件の交渉中との報道も。ホ油会社としての当面の戦略とその効果②14???掘削請負案件等の短期契約の締結により、将来の長期(新規油田)開発契約交渉時に、有利に働くことがあるのか?著名な中東石油専門家の見解「イラク側からpreferenceを与えられるとは考えられない。本格的な開発契約については、イラク側は技術力のある大手IOC(メジャー)との交渉を念頭においており、掘削案件での実績は考慮されないだろう」ガドバン氏の以前のインタビュー「開発契約の交渉では、公明正大で公平な競争入札を実施」⇒結局、開発契約では個々の企業の技術力、コスト競争力が決め手に15まとめ? 有能なテクノクラートのガドバン氏の石油大臣就任は、政治的人脈を背景に選ばれたウルーム前大臣に対する米国の厳しい評価が大きな要因。? 当面のイラク石油政策は、油田リハビリ等の短期契約案件に軸足。本格的な新規開発の契約は当面(2-3年?)ないとの見方が有力。? 短期契約(掘削案件等)での契約締結実績が、将来の長期開発契約の交渉で有利に働くとの見方は妥当ではない。
地域1 中東
国1 イラク
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地域10
国10
国・地域 中東,イラク
2004/06/10 猪原 渉
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