ページ番号1006634 更新日 平成30年2月16日

サウジアラビア:当面の生産能力増強見通し

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レポートID 1006634
作成日 2004-07-14 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 セミナー・報告会資料
分野 探鉱開発
著者 猪原 渉
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年度 2004
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 0サウジアラビア:当面の生産能力増強見通し2004/7/14石油・天然ガス調査グループ猪原 渉報告内容1?サウジアラビアで頻発するテロ事件(04/5 Yanbu、Al Khobar)?油価高騰下でのOPEC生産枠拡大→実質増産へサウジの石油供給能力を疑問視する見方が浮上↓?当面のサウジの石油生産能力は?(短期能力見通しに焦点)?テロ対策、有事対応は?Tウジアラビア原油生産量(年間平均)2(千b/d)11,00010,0009,0008,0007,0006,0005,0004,0003,0002,0001,0000198019811982198319841985198619871988198919901991199219931994199519961997199819992000200120022003サウジアラビア月別原油生産量(千b/d)ベネズエラ・スト、ナイジェリア政情不安、イラク戦争への対応油価高騰への対応増産9,8009,6009,4009,2009,0008,8008,6008,4008,2008,0007,8007,6007,40039,8009,6009,4009,2009,0008,8008,6008,4008,2008,0007,8007,6007,400Jan-03Feb-03Mar-03Apr-03May-03Jun-03Jul-03Aug-03Sep-03Oct-03Nov-03Dec-03Jan-04Feb-04Mar-04Apr-04May-04Jun-04Jul-04Aug-04生産実績生産枠出所:MEES他ナ近のサウジ原油生産量レベル4? OPEC生産枠(6/3OPEC総会)2004/4/1~OPEC全体(100%)サウジ(32.5%)23,5007,6387/1~25,5008,288(千b/d)8/1~(*)26,0008,450(*):7/21臨時総会(ウイーン)で再協議? サウジの実質生産量?03/2~03/5?03/6~04/5?04/6~(cid:190)消費国の油価抑制期待に応える姿勢示すため先行増産(cid:190)900万b/d超はサウジとしても相当高水準の生産レベル920~950万b/d830~860万b/d910万b/d以上(cid:121) 更なる生産余力はどの程度あるのか?短期間で生産能力の増強がどこまで可能か?現状のサウジ原油生産能力①5?最近のサウジ石油関係高官の発言?Naimi石油相(5/25報道)「サウジの原油生産能力は1050万b/d、短期間で達成可能」石油省高官(5/25報道)「来月にも生産能力1050万b/dの達成が可能である」Jum’ah社長兼CEO(Saudi Aramco)(5/26英国でのセミナー)「Aramcoの現行生産能力は1000万b/d(*)、常時200万b/dの余剰生産能力確保目指す観点から、中長期的には1200万b/d、さらには1500万b/dへの引き上げを検討」??(*)サウジ・クウェート間分割地帯生産能力(沖合い、陸上)のサウジ分(50%分)含まずサ状のサウジ原油生産能力②6??サウジ現行生産能力に関する専門機関等の見解DOE/EIA:1000~1050万b/dAOGD:1000万b/d(分割地帯除く)APS:1085万b/d石油コンサルタントA社:1080万b/d????⇒概ね、サウジ見解の妥当性を裏付ける内容フル生産能力達成・持続には一定の時間必要?Naimi石油相の2003年1月の発言「950万b/dまでは即時増産可能。1050万b/も短期間で到達可能だが、生産能力持続には、掘削会社とのリグ追加契約等で90日間程度必要」⇒最近の一連のサウジ側発言は、供給不安説払拭の意図が濃厚現状のサウジ原油生産能力③7関係者、専門機関等の見解を総合すると以下の通り?現状生産量・直近生産量900万b/d超。950万b/dとの差異が短期的な余剰生産能力。950万b/d1050万b/d・軽質油、中質油油田の増産で対応。短期間で生産達成・持続可能。・重質油生産油田(Safania、Manifa等)主体の休止抗井の再稼働により約100万b/dの上乗せ(=合計生産能力1050万b/dに)可能。・持続可能な生産量とするには、機材確保や掘削会社との契約等で数週間から90日程度必要。i参考)サウジの油種別生産能力 出所:APS、DOE等生産原油API原油生産能力主要油田(万b/d)Arab Super Light50度Arab Extra Light38度Arab Light34度Arab Medium31度Arab Heavy27度重質・サワー原油 28度20160555180(*):沖合HawtahNuayyimHazmiyahGhinahUmm JurfBerri(*)AbqaiqShaybahGhawarQatifKhuraisZuluf(*)Marjan(*)140Safania(*)Manifa(*)30Khafji(*)(分割地帯)24度Wafra合計1085油田別生産能力(万b/d)油田別確認埋蔵量(億bbl)操業会社2015Saudi Aramco10110170707002708019011011585504902010502712020AGOC ( AramcoGulfOperationsCompany)SaudiTexacoArabian当面の生産能力増強計画①89?(cid:122)(cid:122)Saudi Aramco発表の能力増強計画(cid:190) Qatif油田開発プロジェクト東部地区の陸上油田。Snamprogetti(伊)、Technip-Coflexip(仏)と契約。7月中に生産開始(Arab Light)。10月にはプラトー生産量50万b/d(+50万b/d)に到達。(cid:190) Abu Safah沖合い油田開発プロジェクトバーレーン海上国境線付近に位置。Halliburton(米)と契約。現状生産能力(Arab Medium)15万b/dを30万b/d(+15万b/d)へ増強する計画。7月中に生産開始され、10月にプラトー生産量に到達。サウジ側は、両油田の開発を能力増強の「切り札」として積極的にPR(=従来の秘密主義からの転換)ただし、増産量合計を「80万b/d」としたり、Abu Safah油田のバーレーンとの配分問題に言及しないなど,不十分な説明末ハの生産能力増強計画②?その他の能力増強計画(代表的3油田、他にも計画有り)a.10b.Haradh油田:Ghawar油田南部。現在(フェーズ2完了)60万b/d生産。フェーズ3完了(2006年予定)時に更に+30万b/dKhurais油田:リヤドとDhahran(ダーラン)の中間地域に位置。計画生産能力80(~100)万b/d。投資コスト高のため、90年代前半に開発棚上げ。Abu Hadriyah油田:Jubail近郊。生産能力約50万b/d+50万b/d+7.5万b/d(バーレーンと折半と仮定)<合計約220万b/d>c.QatifAbu Safah3油田(a-c)計 +160万b/d1050万b/d(現状能力)+220万b/d>1200万b/d⇒Aramco増産目標は十分達成可能なレベル。ただし、既存油田の能力減退のカバー分は考慮必要。需要増加が鮮明化すれば、早めの開発着手の可能性。(cid:122)(cid:122)(cid:122)「石油テロ」への対応状況11????サウジ側は施設の安全性をアピール「生産設備は十分に守られている」(Jum’ah社長)??欧米、日本等の海外メディアの取材に積極対応重要施設(石油積み出し港、原油処理設備、パイプライン等)に対し約5千人の警備員を配置。国家警備隊(皇太子直属の精鋭部隊)も共同活動体勢。防御フェンス設置、監視カメラの利用、検問強化、ヘリコプターや船舶による巡視 等?国の威信をかけた高度な警備⇒安全性十分に高いパイプライン(総延長15千km)の完全警備は困難だが、襲撃時の復旧用機材・要員は十分確保(イラクと違う)Al Khobarの事件は、警備の厳重な石油施設への攻撃を断念したテロリストが、やむなく、外国人等のソフトターゲットを狙ったという見方も。L事の際の対応①12??港湾出荷能力:合計1400万b/d① Ras Tanura(600万b/d):ペルシャ湾岸② Ju’aymah(300万b/d):ペルシャ湾岸③ Yanbu⇒現状、輸出原油(生産量より国内消費約150万b/dを除いた(500万b/d):紅海量)の主体(400~500万b/d?)はRas Tanuraより積出しEast-West原油パイプライン(Petroline)Abqaiq~Yanbu間,全長1200km。AY-1(48インチ),AY-1L(56インチ)の2ライン??? 輸送能力:500万b/d? 現状,主にArab Light及びSuper Lightの2品種をYanbu精製設備向けに輸送有事の際の対応②13??????現状,Petroline及びYanbu積み出し港の稼働率は能力(500万b/d)の半分以下か?テロ攻撃を受けRas Tanuraからの積み出し不能時は、Yanbuからの積み出し(Petroline)で対応可能Petroline輸送能力500万b/dが振替可能上限ただし、万一,テロ、戦争等によりホルムズ海峡が全面封鎖され、湾岸原油(合計約1500万b/d程度)出荷不能時は,Petrolineでの対応は限定的AY-1(48インチ)を天然ガス輸送用に転換する計画があり,紅海への迂回可能量は削減の可能性も。Saudi Aramcoにとってより緊急の課題は外国人社員の安全確保(=帰国回避)(cid:190)社員55千人中外国人8千人(15%)、うち3千人が欧米人(多くは技術顧問等の重要業務につく)ワとめ? サウジの短期原油生産能力は約950万b/dだが、休止中の重質油油田の再稼動(準備に数週間から90日)でプラス100万b/dの生産量上乗せ可能(=合計1050万b/dに)。14? 能力増強に資する新規開発計画が多数あり、当面の生産能力面での不安材料は少ない。? 石油関連施設では厳重な警備実施中。? 有事の際はPetroline経由Yanbu(紅海,能力500万b/d)からの積出しで対応可能。万一,ホルムズ海峡封鎖となった場合は問題。
地域1 中東
国1 サウジアラビア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
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地域8
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地域9
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地域10
国10
国・地域 中東,サウジアラビア
2004/07/14 猪原 渉
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